JP3539774B2 - 衛星管制方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、衛星管制方法に係り、同一軌道上の所定の範囲、特に静止軌道上の実質的同一経度位置に、3基以上の人工衛星を配置するための衛星管制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球の赤道上空約36000kmの軌道は、この軌道上に衛星を配するとその衛星の角速度が地球自転の角速度に一致して、その衛星が見かけ上静止して見えるために、静止軌道と称される軌道である。この静止軌道に配される人工衛星は静止衛星と称され、近年通信,放送,気象などの各分野において世界的に多用されているが、静止軌道は有限であって、現在では各国毎,企業毎等に特定の実質的同一経度位置が適切に割当てられてその経度位置での運用が義務づけられている。
【0003】
ここに、実質的同一経度位置とは図1に示すように、例えば我国の放送衛星では東経110°および緯度0°の位置を中心とした東西南北方向に±0.1°の領域であって、静止軌道上では東西南北方向に約150kmの領域であり、これに地球半径方向に約50kmの厚みを持たせた略直方体の空間内での静止衛星の運用が義務づけられているのである。近年の通信,放送の分野における衛星の需要増大は著しいものがあり、従って実質的同一経度位置の空間(以下同一経度位置という)に複数の衛星を衝突や同一経度位置からの離脱なく安全に管制できるようにすることが強く要望されている。
【0004】
同一静止軌道上に2基の衛星を配置した従来の軌道管制としては、我国がBS3で行っているような一部重畳形経度分離方式がある。この方式は、2つの衛星の離心率ベクトルを同期させ衛星が摂動力により動く経度範囲の一部を重畳させて見かけ上運用経度幅を広げたもので、経度方向のみの分離を行って2衛星を一定経度幅(±0.1゜)の同一軌道上で管制するものである。
【0005】
また同一軌道上に2基の衛星を配置するに際し、軌道半径方向および軌道面垂直方向での衛星間分離を行う管制方式がある(例えば、3rd International Symposium on Spacecraft Flight DynamicsにおいてFrancoise DUFORにより提起された論文“ONE YEAR OF CO−LOCATION AT“19DEGREES”WEST WITH TDF1 AND TDF2 SPACECRAFTS”(1991年10月)、あるいは、ESA Symposium on Spacecraft Flight DynamicsにおいてL.MAISONOBEにより提起された論文“ANALYSIS OF SEPARATION STRATEGIES FOR COLOCATED SATELLITES”(1991年10月))。
【0006】
また、軌道傾斜角および離心率が互いに異なる複数の同期軌道にそれぞれ人工衛星を配置して地球上の定点を24時間見通すことのできるようにした人工衛星の軌道配置方式も提案されている(例えば特開平2−128996)。
【0007】
そして特に静止軌道上に衛星を配置する方法に関しては、1989年11月に仏国ツールーズで開催された「スペースダイナミクスに関するCNES国際シンポジウム」において、M.C.ECKSTEINらによって提起された論文“COLOCATION STRATEGY AND COLLISION AVOIDANCE FOR THE GEOSTATIONARY SATELLITES AT 19 DEGREES WEST”に述べられた「軌道面・離心率分離方式」と称されるものがある。この方式は、静止軌道上の所定空間内において衛星の軌道面の赤道面からの傾きの方向や大きさを表わす軌道傾斜角ベクトル(iベクトル)を衛星毎に定める所謂軌道面分離を行うとともに、実際には楕円である衛星軌道の直径方向を表わす離心率ベクトル(eベクトル)の向きを衛星毎に定めて所謂離心率分離を行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一定の経度幅、緯度幅で与えられた静止軌道上に複数の衛星を配置・制御する場合、衛星間の接近を回避するため経度方向(軌道面進行方向)、軌道半径方向、軌道面垂直方向の少なくとも一つの方向に衛星を分離配置し、衛星間距離を保たなければならない。
【0009】
軌道制御誤差や軌道決定誤差がある場合、各誤差の経度方向成分は時間の経過と共に増大するため、経度方向(軌道進行方法)に関して複数の衛星の配置を分離することは、高精度の制御や観測が要求されるのみならず、頻繁な軌道制御が要求されるので、運用性、経済性の面で負担が増えるために問題がある。
【0010】
一方、各誤差の軌道半径方向および軌道面垂直方向成分は時間の経過により増大することは殆ど無く、軌道半径方向および軌道面垂直方向に関して複数の衛星を分離配置することで安定した衛星間距離を保つことが可能となる。また、経度方向への配置の分離に比べ誤差を見込んだ衛星間距離を小さくでき、静止軌道上の限られた空間の有効利用を図ることができる。
【0011】
従来は、この軌道半径方向および軌道面垂直方向への複数の衛星の配置の分離は専ら2衛星についての検討が行われていた。また、3衛星以上を同一の軌道上に配置する方式についての提案もあるが、具体的方法についての検討は十分にはなされていなかった。
【0012】
本発明は、同一軌道上の所定の範囲、特に静止軌道上の実質的同一経度位置に、3基以上の人工衛星を軌道面・離心率分離方式を用いて管制する場合に、各衛星の離心率ベクトルおよび軌道傾斜角ベクトルの最適な配置・制御を行う方法を提供し、以て複数衛星管制の安全性、運用性および経済性を向上することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、同一軌道上の所定空間内に複数の人工衛星を配置して管制を行うための衛星管制方法において、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と、軌道傾斜角ベクトルとを衛星数に相当する頂点数を有する多角形の頂点に配置するとともに、いずれの2衛星についても離心率ベクトルの差と軌道傾斜角ベクトルの差とが平行になるように前記複数の人工衛星の管制を行う。
【0014】
また、本発明は、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの制御目標位置を、離心率ベクトルの回転中心から見て太陽方向に対し、人工衛星の固有離心率と離心率ベクトルの目標回転半径とにより定まる角度だけずらした太陽同期離心率ベクトル制御を上記方法に組み合わせる。
【0015】
【作用】
軌道面・離心率分離方式を採用する場合、軌道半径方向の衛星間距離は衛星間の離心率ベクトル差の大きさに比例した振幅で衛星の平均運動(軌道レート)を1周期とする余弦変化を示し、また、軌道面垂直方向の衛星間距離は衛星間の軌道傾斜角ベクトル差の大きさに比例した振幅で衛星の平均運動(軌道レート)を1周期とする正弦変化を示す。よって、各方向での衛星間距離を有効に保つためには、離心率ベクトルおよび軌道傾斜角ベクトルの運用許容範囲内で衛星間の離心率ベクトル差および軌道傾斜角ベクトル差が最大となるよう各衛星の離心率ベクトルおよび軌道傾斜角ベクトルを定めればよい。
【0016】
ここで、離心率ベクトルを制御する場合には、太陽の動きに同期させて離心率ベクトルを回転させる太陽同期制御を行うことが消費燃料の面で有効であることが知られている。このため本発明では、各衛星の離心率ベクトルの太陽同期制御を行い、離心率ベクトルの回転中心と軌道傾斜角ベクトルとを、衛星数に相当する頂点数を有する多角形、好ましくは正多角形の各頂点に配置することで、離心率ベクトル差および軌道傾斜角ベクトル差を任意の衛星間で最大とすることができ、離心率ベクトル制御における燃料消費にも有効となる。
【0017】
また、軌道面・離心率分離方式をとる場合、軌道半径方向および軌道面垂直方向の衛星間距離は、それぞれ、衛星の平均運動を1周期とする余弦変化および正弦変化を示すため、本発明のように任意の衛星間で離心率ベクトル差と軌道傾斜角ベクトル差が平行となるように配置すれば、1周期の中で軌道半径方向の衛星間距離最小のときに道面垂直方向の衛星間距離は最大、軌道面垂直方向の衛星間距離最小のときに軌道半径方向の衛星間距離は最大となり、安定した衛星間距離を確保できることになる。
【0018】
離心率ベクトル運用許容範囲内で一定の離心率ベクトル差を確保すると同一軌道上に配置する衛星の数が増えるほど離心率ベクトル制御目標円の半径は小さくする必要があるが、従来の太陽同期離心率ベクトル制御では、離心率ベクトル制御目標円の半径が小さいほど離心率ベクトルの制御目標円からの逸脱幅が大きくなる。このため本発明の他の形態では、離心率ベクトルの制御目標を、衛星の固有離心率と離心率ベクトル回転半径により定まる角度だけ離心率ベクトルの回転中心から見た太陽方向に対してずらした太陽同期離心率ベクトル制御を適用し、所望の制御目標円に沿って変化する離心率ベクトルが得られるようにしたことにより、離心率の大きさの変動幅が小さく、かつ消費燃料節約の面でも有利な安定した同一軌道上複数衛星管制が行えることになる。
【0019】
以上により、本発明では従来技術の問題が解決でき、人工衛星静止軌道の有効利用を安定かつ経済的に行うことができる。
【0020】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】
本発明では、その前提として所謂軌道面・離心率分離方式を採用するが、ここで図2を用いてその軌道面・離心率分離方式を説明する。当該方式は、軌道面a,bの傾斜角とその方向(すなわち昇交点Ωa,Ωb)を適切に定め、軌道面a,bの分離角ΔΩを得ることにより、衛星軌道を緯度方向に分離する軌道面分離方式と、軌道が楕円であることを利用して楕円のふくらみの方向(離心率ベクトルの方向、すなわち地心から近地点Pa,Pbへの方向)と大きさとを適切に定め、離心率ベクトルの分離角ΔEを得ることにより衛星軌道を半径方向に分離する離心率分離方式とを組合せたものである。
【0022】
図3は一定の経度幅が定められた静止軌道で人工衛星を管制する場合の経度配分の一例であり、衛星軌道の離心率による軌道半径の変化にとのなって生じる日周経度変化1、制御誤差2、制御日時がずれた場合のマージン3、東西軌道制御間隔(E−Wマヌーバ周期)内における摂動力の影響による経度変化4が考えられる。従って、一定の経度幅が定められた軌道上に配置する衛星の離心率許容値は離心率による日周経度変化1により定まる。
【0023】
また、軌道上に配置する衛星の軌道傾斜角許容値は定められた緯度幅により一義的に定まる。
【0024】
次に、静止軌道上の同一経度位置に複数の人工衛星を配置して管制を行うに際して、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と、軌道傾斜角ベクトルとを衛星数に相当する頂点数を有する多角形の頂点に配置する方法について、3衛星を管制する場合を例にとって説明する。
【0025】
図4はその説明図であり、各衛星の離心率ベクトル(E1,E2)は、離心率許容値5の範囲内で太陽の動きに同期させて離心率ベクトルを回転させる太陽同期制御を行えば、それぞれ各離心率ベクトルの制御目標円6,9および12上を約1年で1周する。このとき、各離心率ベクトル8,11および14はそれぞれの離心率ベクトル回転中心7,10および13から見て太陽方向に位置する。
【0026】
また、軌道半径方向の衛星間分離距離は各離心率ベクトル回転中心7,10および13の相互間距離に比例するので、離心率許容値5の範囲内に複数の離心率ベクトルの制御目標円を配置し、かつそのいずれの回転中心間距離も極力大となるようにする。このためには、離心率許容値5の範囲内に複数の離心率ベクトルの制御目標円の全てが包含され、かつ制御目標円の回転中心が衛星数を頂点数とする多角形、好ましくは正多角形の頂点に位置するようにする。すなわち3衛星に関して言えば、離心率ベクトルの回転中心を正三角形の各頂点の位置に配置するようにする。
【0027】
さらに、軌道面垂直方向の衛星間分離距離は各軌道傾斜角ベクトル16,17および18の相互間距離に比例するので、各衛星の軌道傾斜角ベクトル(I1,I2)についても同様に、軌道傾斜角ベクトル許容値15の範囲内で正三角形の各頂点の位置に配置している。
【0028】
次に、以上を前提として、静止軌道上の同一経度位置に複数の人工衛星を配置して管制を行うに際して、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と、軌道傾斜角ベクトルとを衛星数に相当する頂点数を有する多角形の頂点に配置する方法に、いずれの2衛星についても離心率ベクトルの差と軌道傾斜角ベクトルの差とが平行になるようにする方法を適用してなる実施例につき、4衛星を管制する場合を例にとって説明する。
【0029】
図5はその説明図であり、上述した3衛星の場合と同様、各衛星の離心率ベクトル(E1,E2)は、離心率許容値5の範囲内で太陽の動きに同期させて回転させる太陽同期制御を行えば、第1、第2、第3および第4の衛星の各離心率制御目標円19,21,23および25上を約1年で1周する。このとき、各離心率ベクトル20,22,24および26は各離心率ベクトル回転中心から見て太陽方向に位置し、また離心率ベクトルの回転中心を正四角形の各頂点の位置に配置している。さらに、各衛星の軌道傾斜角ベクトル33,34,35および36も軌道傾斜角ベクトル許容値15の範囲内で正四角形の各頂点の位置に配置している。
【0030】
而して本実施例では、図示のように第1の衛星は離心率ベクトル20および軌道傾斜角ベクトル33、第2の衛星は離心率ベクトル22および軌道傾斜角ベクトル34、第3の衛星は離心率ベクトル24および軌道傾斜角ベクトル35、第4の衛星は離心率ベクトル26および軌道傾斜角ベクトル36をそれぞれ有するように配置して、各衛星間の離心率ベクトル差および軌道傾斜角ベクトル差の組(第1の衛星と第2の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差28および軌道傾斜角ベクトル差38、第1の衛星と第3の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差31および軌道傾斜角ベクトル差41、第1の衛星と第4の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差27および軌道傾斜角ベクトル差37、第2の衛星と第3の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差29および軌道傾斜角ベクトル差39、第2の衛星と第4の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差32および軌道傾斜角ベクトル差42、第3の衛星と第4の衛星との関係で言えば離心率ベクトル差30および軌道傾斜角ベクトル差40の組)が常に平行に近い位置関係が保たれるようにする。
【0031】
このような位置関係を保つようにすれば、Hillの方程式(ランデヴの式。例えばM.H.KAPLAN著“Modern Spacecraft Dynamics and Control”(Wiley,New York,1976)の第109−115頁に詳しい)により、任意の2衛星間の相対運動は図6のようになる。つまり、任意の衛星45に対し他の任意の衛星の相対運動46は約1日で楕円軌跡を描き、衛星軌道半径方向距離43および軌道面垂直方向距離44に関して安定した衛星の配置の分離が確保されることになる。
【0032】
なお、複数の衛星の軌道制御を同時に行わない限り軌道制御日時のずれから離心率ベクトル差と軌道傾斜角ベクトル差を平行に保つという条件は一時的に崩れるが、軌道制御による離心率ベクトル差と軌道傾斜角ベクトル差の平行度のずれから生じる衛星間距離の縮小を予め見込んで離心率ベクトル差および軌道傾斜角ベクトル差の大きさを確保しておけば運用上の問題は生じない。
【0033】
次に、以上の実施例に適用して好適な離心率ベクトルの太陽同期制御について説明する。
【0034】
図7は離心率ベクトル回転中心から見た太陽方向に同期させて目標円上に離心率ベクトルを制御する太陽同期離心率ベクトル制御方法の一実施例を示す。静止軌道上にある衛星の離心率ベクトルは東西軌道制御と次回の東西軌道制御との間(マヌーバ周期)に、太陽方向に対して直角に成長し、半径が衛星の固有離心率Rの弧49を描いて変化する。これは固有離心率の円47においては1マヌーバ周期に角度θの位相変化となって現れる。
【0035】
上述した実施例において、離心率許容値5の範囲内に収めようとする離心率ベクトルの制御目標円48の半径eが衛星の固有離心率Rより小さい場合には、太陽同期離心率ベクトル制御における離心率制御目標を太陽方向から適度な角度だけ位相を遅らせた点52とすれば、東西軌道制御と東西軌道制御の間の離心率ベクトル変化は制御目標円48の内側を通り、ほぼ円に沿った変化を得ることができる。
【0036】
また、離心率ベクトルの制御目標円48の半径eが衛星の固有離心率Rより大きい場合は、太陽同期離心率ベクトル制御における離心率制御目標を太陽方向から角度φだけ位相を進ませればよい。
【0037】
これらのように、離心率ベクトルの軌跡が制御目標円48上にほぼ沿って描かれることから、位相角φの大きさは目安として次式(1)より求めることができる。
【0038】
【数1】
φ=ARCSIN{(R/e)×SIN(θ/2)} (1)
実運用においては軌道制御誤差や軌道制御時刻の変動が生じるため、式(1)で求まる位相角φを補正しつつ太陽同期離心率ベクトル制御を行えばよい。
【0039】
そして、図5を用いて説明した同一軌道上複数衛星管制方式の一実施例に対して図7を用いて説明した太陽同期離心率ベクトル制御を組み合わせれば、離心率の大きさの変動幅が小さく安定した軌道管制を行い得、かつ消費燃料節約の面でも一層有利となる。すなわち、同一軌道上に配置する衛星の数が増えるほど離心率ベクトル制御目標円の半径は小さくする必要があるが、従来の太陽同期離心率ベクトル制御では離心率ベクトル制御目標円の半径が小さいほど離心率ベクトルの制御目標円から逸脱幅が大きくなるから、同一軌道上に配置する衛星の数が増えるほど一定の角度だけ制御目標位置をずらす上記方法の有用性が増すのである。
【0040】
図8は本発明を実施するにあたっての管制システムの一例を示す。この図に示すように、本発明を用いて複数衛星を管制する場合には、まず本管制方法に従って複数衛星についての離心率ベクトルおよび軌道傾斜角ベクトルの制御目標値を定め、管制制御計算機に軌道制御コマンドを作成する。次に無線管制設備およびアンテナを介し、計算機上の軌道制御コマンドを各衛星に送信する。そして、各衛星は、その軌道制御コマンドに従って適宜スラスタ噴射を行い、目標とする軌道を飛行するよう制御を行う。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各衛星の太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と軌道傾斜角ベクトルをそれぞれの許容範囲内で衛星数に相当する頂点数を有する多角形の各頂点に配置することで、各衛星の離心率ベクトル制御円を大きく取れ、かつ軌道半径方向および軌道面垂直方向での衛星の配置の分離を最大とすることができる。さらに、当該配置に際し、各衛星の離心率ベクトル差と軌道傾斜角ベクトル差が平行になるようにすることで、軌道半径方向および軌道面垂直方向での衛星の配置の分離が安定して確保され、軌道管制の安全性、運用性の向上を図ることができる。
【0042】
また、太陽同期離心率ベクトル制御において、離心率ベクトル回転中心から見た太陽方向に対し一定の角度だけ制御目標位置をずらすことで、制御目標円に沿って変化する所望の離心率ベクトルを得ることができ、離心率の大きさの変動幅が小さく安定した軌道管制を行い得、かつ消費燃料節約の面でも有利となる。同一軌道上に配置する衛星の数が増えるほど離心率ベクトル制御目標円の半径は小さくする必要があるが、この場合において、所定の角度だけ制御目標位置をずらす太陽同期離心率ベクトル制御方式の有用性が増してくる。
【0043】
以上により、本発明は安全性、運用性、経済性を損なうこと無く、同一軌道上での複数衛星管制を行うことができ、静止衛星軌道の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静止衛星の軌道上の保持範囲を説明するための説明図である。
【図2】軌道面・離心率分離方式の説明図である。
【図3】静止軌道上の実質的同一経度位置で静止衛星を管制する場合の経度配分の一例を示す説明図である。
【図4】静止軌道上の同一経度位置に複数の人工衛星を配置して管制を行うに際して、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と、軌道傾斜角ベクトルとを衛星数に相当する頂点数を有する多角形の頂点に配置する方法の説明図である。
【図5】本発明の一実施例として、図3で示したような方法に、いずれの2衛星についても離心率ベクトルの差と軌道傾斜角ベクトルの差とが平行になるようにする方法を適用してなる管制方法の説明図である。
【図6】図5の管制方法において、離心率ベクトルの差と軌道傾斜角ベクトルの差とが平行になるようにした場合の衛星間相対運動軌跡を示す図である。
【図7】太陽同期離心率ベクトル制御において離心率ベクトルの制御目標円上で制御目標位置を所定角度だけずらす制御の一実施例を示す図である。
【図8】本発明を実施するための管制システムの一例を示す図である。
【符号の説明】
5 離心率許容値
6,9,12,19,21,23,25 離心率ベクトルの制御目標円
7,10,13 離心率ベクトル回転中心
8,11,14,20,22,24,26 離心率ベクトル
15 軌道傾斜角ベクトル許容値
16,17,18,33,34,35,36 軌道傾斜角ベクトル
27,28,29,30,31,32 離心率ベクトル差
37,38,39,40,41,42 軌道傾斜角ベクトル差
43 衛星軌道半径方向距離
44 軌道面垂直方向距離
45,46 人工衛星
47 固有離心率の円
48 制御目標円

Claims (2)

  1. 同一軌道上の所定空間内に複数の人工衛星を配置して管制を行うための衛星管制方法において、太陽同期制御を行う離心率ベクトルの回転中心と、軌道傾斜角ベクトルとを衛星数に相当する頂点数を有する多角形の頂点に配置するとともに、いずれの2衛星についても離心率ベクトルの差と軌道傾斜角ベクトルの差とが平行になるように前記複数の人工衛星の管制を行うことを特徴とする衛星管制方法。
  2. 太陽同期制御を行う離心率ベクトルの制御目標位置を、離心率ベクトルの回転中心から見て太陽方向に対し、人工衛星の固有離心率と離心率ベクトルの目標回転半径とにより定まる角度だけずらした太陽同期離心率ベクトル制御を組み合わせたことを特徴とする請求項1に記載の衛星管制方法。
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