JP3539174B2 - 保温機能付き給湯器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯待機中に保温燃焼を行って熱交換器内やその周囲の水温を適当に上げておき、給湯時にはその初期であっても冷水が流れ出ないようにした保温機能付き給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より給湯待機中、即ち給湯していない場合であっても、バーナを燃焼させて給湯性能を向上させる保温機能を備えた瞬間湯沸器等の保温機能付き給湯器が提供されている。これは給湯器の保温機能によってコールドスタート時及び再給湯待機中に保温燃焼を行って熱交換器内やその周囲の水温を適当に上げておき、コールドスタートにおける給湯立ち上がり時及び再給湯時に冷水が出るのを抑制すると共に、速やかに設定温度が得られるようにするものである。
【0003】
図4は従来の保温機能付き給湯器の概略構成図であり、以下、この給湯器の構成を同図を参照しながら説明する。
給湯器は少なくとも、入水管路31と、出湯管路32及び給湯管路33と、熱交換器35とバーナ36等からなる缶体34と、入水管路31から缶体34を経由することなくダイレクトに給湯管路33へ至るバイパス管路37とを備えている。また、入水管路31には入水温度センサ38及び水量センサ39が、出湯管路32には出湯温度センサ40が、給湯管路33には給湯温度センサ41がそれぞれ設けられている。さらに上記給湯器の保温運転動作についての制御を行い、その他、装置各部の動作を制御するための制御部42が設けられている。
そして上記制御部42には、上記出湯温度センサ40で検出した管路内の水温が保温燃焼開始温度を下回れば保温燃焼を開始し、上記管路内の水温が保温燃焼停止温度を上回れば保温燃焼を停止するように制御する等の保温運転用のソフトウエアが内蔵されている。
しかして上記従来の給湯器における保温運転は、制御部42に内蔵されたソフトウエアの手順に従い、コールドスタート時及び給湯待機中において、予め保温燃焼を行って熱交換器内の水温を上げておき、給湯立ち上がり時及び再給湯時に冷水が出るのを減らすと共に、速やかに設定温度になるように制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の保温機能付き給湯器では、給湯を行っていない時にもサイクル燃焼により断続的に保温燃焼させて熱交換器を加熱保温するため、バーナの燃焼回数が増加し、缶体の寿命が短くなる傾向が強く、耐久性と安全性の点で問題があった。また耐久性と安全性を確保するためにサイクル燃焼の各保温燃焼停止後のインターバル時間を長く設定し、保温燃焼回数を少なくすることも考えられるが、この場合には保温性能(使い勝手)が悪くなり、所期の目的である保温機能付き給湯器として満足のいくものが得られなかった。
【0005】
さらに上記従来の給湯器における着火シーケンスは、例えば給湯運転における給湯燃焼の着火動作時には、給湯ガス比例弁の開度を全開してガスの供給量を多くした状態でガス管路に配された元ガス電磁弁を開いた後、ガス管路の先端に配された複数の能力切替ガス電磁弁のうちの1つを先ず開いて着火を行った後、残りの能力切替ガス電磁弁を順次開いて燃焼させるように制御構成されているが、保温運転における保温燃焼時の着火シーケンスも上記給湯運転における給湯燃焼時の着火シーケンスと同様に能力切替ガス電磁弁を順次開いてゆくため、次のような問題があった。即ち、保温燃焼時は非通水状態で着火させるため、例え着火動作中においても熱交換器が過熱状態となる恐れがあり、これによって熱交換器内部の圧力が急上昇する恐れがある。且つ着火後に各能力切替ガス電磁弁を順次開いていく場合には、熱交換器を部分に偏って過熱する恐れがあり、缶体にかかる熱応力が不均一となって、缶体の寿命に悪影響を及ぼす等、給湯器の耐久性と安全性の点で問題があった。
【0006】
本発明は上記不具合に鑑みて発明されたものであって、給湯燃焼時と保温燃焼時とで着火シーケンスを変更することで、保温性能の低下をきたすことなく、且つ耐久性及び安全性を確保することのできる保温機能付き給湯器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の保温機能付き給湯器は、入水管路と、出湯管路と、熱交換器とバーナ機構とを含む缶体と、前記熱交換器内の水温を検出するための温度センサと、上記バーナ機構に燃焼用ガスを供給するためのガス管路と、該ガス管路の先端に配されて上記バーナ機構への燃焼用ガスの供給、停止及び能力の切替えを行うための複数個の能力切替ガス電磁弁とを少なくとも備え、給湯を行っていない場合においても前記バーナ機構を燃焼させて保温運転を行うことができるようにした保温機能付き給湯器であって、保温運転における保温燃焼時には前記複数個の能力切替ガス電磁弁のうちの着火用の能力切替ガス電磁弁を先ず開いて着火を行うと共に、着火確認後には残る全部の能力切替ガス電磁弁を同時に短時間開いて燃焼させる制御部を設けたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による保温機能付き給湯器について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態例にかかる保温機能付き給湯器の構成図、図2は本発明の形態例による保温機能付き給湯器における保温燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャート、図3は同じく給湯燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0009】
まず、本発明の実施の形態例にかかる保温機能付き給湯器の構成を図1を参照しながら説明する。
この給湯器は、入水管路1と、出湯管路2及び給湯管路3と、熱交換器5とバーナ機構6とファン7等からなる缶体4と、入水管路1から缶体4を経由することなくダイレクトに給湯管路3へ至るバイパス管8及び該バイパス管8に配されたバイパス水量調整弁9と、上記入水管路1に設けられた入水温度センサ10及び水量センサ11と、上記出湯管路2に設けられた過流出防止調整弁12と、上記給湯管路3に設けられた給湯温度センサ13と、上記熱交換器5を構成する熱交換パイプの両側部のベンド部等の熱交換器5近傍に設けられ、該熱交換器5内の水温(以下、缶体温度とする)を検出するための温度センサ14とから構成されている。制御部15は保温燃焼開始条件やサイクル燃焼を行う保温燃焼の各1サイクル燃焼停止後のインターバル時間等の設定を自動的に行い、下記で述べる給湯燃焼及び保温燃焼における着火時における電磁弁類の動作等について制御できるようになっている。なお、16は炎検知器であって、バーナ機構6を構成する燃焼管の一部に近接され、燃焼管からのバーナ炎の有無を検知するものである。また上記ベンド部とは缶体4内の熱交換器5の水管の屈曲部を意味し、望ましくは缶体4の外側にある熱交換器5の水管の屈曲部分であって、燃焼炎が直接当たらない位置とする。
【0010】
また上記バーナ機構6に燃焼用ガスを供給するためのガス管路17には、その基端側寄りに元ガス電磁弁19及びガス比例弁18が配され、該ガス管路17の先端には上記バーナ機構6への燃焼用ガスの供給の能力を切替えるための複数個の能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cが配されている。そして、これら複数個の能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cの内、1つの能力切替ガス電磁弁20aが着火用とされている。
【0011】
上記元ガス電磁弁19と能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cについては、給湯運転における給湯燃焼が行われている時には、まず元ガス電磁弁19を開き、次に能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cのうち着火用の弁20aを開き、これによって点火プラグ21による着火を行い、着火が炎検知器16で確認されると、次に電磁弁20bが開かれ、更に電磁弁20cが開かれるように、順次能力切替ガス電磁弁が開かれる。
一方、保温運転における保温燃焼が行われる際には、例えば通常上記ガス比例弁18の開度を絞った状態とし、そして上記元ガス電磁弁19を開き、次に能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cのうちの着火用の弁20aを開き、これによって点火プラグ21による着火を行い、着火が炎検知器16で確認されると残りの能力切替ガス電磁弁20b、20cを全て同時に開く。
上記の給湯燃焼時及び保温燃焼時における着火シーケンスの制御動作を行わせるためのソフトウエアが、上記制御部15に内蔵されている。なお上記保温燃焼の着火シーケンスは、上記温度センサ14で検出した缶体温度が保温燃焼開始温度を下回れば開始し、上記缶体温度が保温燃焼停止温度を上回れば保温燃焼を停止するようにした制御手段とリンクさせて制御が行われることはいうまでもない。
【0012】
しかして、上記保温機能付き給湯器における着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図2及び図3により説明する。
まず、保温燃焼着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図2により説明する。
最初の段階でガス比例弁18の開度を狭く絞り込んで供給されるガス量が少なくなるようにしておいてから、元ガス電磁弁19を開き(ステップS1)、続いて着火用の能力切替ガス電磁弁20a(着火用バーナに燃焼用ガスを送る役割を果たす)を開き、着火できるためのガス量をバーナ機構6に供給する(ステップS2)。そして点火プラグ21による着火が炎検知器16で確認されると(ステップS3でイエス)、直ちに残りの全ての能力切替ガス電磁弁20b、20cが同時に開いてバーナ機構6に燃焼用ガスが送り込まれ、保温燃焼が開始される(ステップS4)。そして短時間の1サイクル燃焼時間、例えば0.1秒の保温燃焼が終了すると(ステップS5でイエス)、今度は元ガス電磁弁19及び全能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cが同時に閉じられる(ステップS6)。前記1サイクルの保温燃焼時間は、例えば0.1〜0.5秒等の短い時間を予め実験により定めておく。保温運転スイッチがオフされて(ステップS7でイエス)保温運転が終了する(ステップS8)か、或いは予め定めた保温運転継続時間が経過するまではインターバル時間(0.5〜10秒程度の中から実験により予め定めておく)をおいた後(ステップS9でイエス)、同様の保温燃焼サイクルが繰り返される。
なお保温燃焼時間、インターバル時間及び着火動作時間は、実験等により適宜決定される。
【0013】
一方、給湯燃焼着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図3により説明する。
給湯運転スイッチがオンされている状態において、図示しない給湯カランが開かれることで水量センサ11が最低作動水量(MOQ)以上を検出すると(ステップS11でイエス)、元ガス電磁弁19が開かれ(ステップS12)、次に着火用の能力切替ガス電磁弁20aが開かれて着火のためのガス量がバーナ機構6に供給される(ステップS13)。そして点火プラグ21による着火が炎検知器16で確認されると(ステップS14でイエス)、能力切替ガス電磁弁20bが開かれ(ステップS15)、さらに能力切替ガス電磁弁20cが順次開かれる(ステップS16)。この段階で定常の給湯燃焼となる。そして給湯運転中において、水量が最低作動水量(MOQ)未満になると(ステップS17でイエス)、元ガス電磁弁19、及び能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cの全てが閉止され(ステップS18)、給湯が終了する。
【0014】
以上のように保温燃焼着火時には、バーナへの着火が確認された時点で残りの全ての能力切替ガス電磁弁20b、20cを一気に開くようにしたことで、非通水状態の熱交換器5に加わる熱が均一となり、よって熱応力の偏在がなくなり、缶体の寿命が延び、給湯器の耐久性及び安全性を確保できる。しかも、着火後は残りの全ての能力切替ガス電磁弁を一気に開くことで、加熱速度を速めることができ、短時間で加熱できる。なお保温燃焼時においては、予めガス比例弁18を適当に絞っておくことで、過剰な熱量が非通水状態の熱交換器5に加わったりすることによる寿命低下も防止できる。
【0015】
一方、給湯燃焼着火時には、着火用の能力切替ガス電磁弁20aが着火した後で順次残りの能力切替ガス電磁弁20b、20cを開いていくようにしたことで、安定した状態で定常燃焼へ移行させることができる。また缶体に対して加わる熱応力も一挙に上昇せず、給湯器の耐久性及び安全性を確保できる。
以上により、給湯燃焼着火時及び保温燃焼着火時にバランスのとれた着火動作を行わせることが可能であり、長期的に見た場合、給湯器の耐用年数を増加させることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、請求項1に記載の保温機能付き給湯器によれば、入水管路と、出湯管路と、熱交換器とバーナ機構とを含む缶体と、前記熱交換器の水温を検出するための温度センサと、上記バーナ機構に燃焼用ガスを供給するためのガス管路と、該ガス管路の先端に配されて上記バーナ機構への燃焼用ガスの供給、停止及び能力の切替えを行うための複数個の能力切替ガス電磁弁とを少なくとも備え、給湯を行っていない場合においても前記バーナ機構を燃焼させて保温運転を行うことができるようにした保温機能付き給湯器であって、保温運転における保温燃焼時には前記複数個の能力切替ガス電磁弁のうちの着火用の能力切替ガス電磁弁を先ず開いて着火を行うと共に、着火確認後には残る全部の能力切替ガス電磁弁を同時に短時間開いて燃焼させる制御部を設けたので、
給湯運転における給湯燃焼時には良好な給湯特性を発揮できるのみならず、保温運転における保温燃焼時には、非通水状態の熱交換器に対する偏った加熱を防止することができ、よって熱交換器に生じる熱応力の偏りを防止して、缶体の寿命を延ばすことができる。しかも着火後における熱交換器の加熱速度を向上させることができ、短時間で保温効果を上げることができる。
以上より、給湯燃焼着火時及び保温燃焼着火時にバランスのとれた着火動作を行わせることが可能であり、長期的に見た場合、給湯器の耐用年数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例による保温機能付き給湯器の構成図である。
【図2】本発明の形態例による保温機能付き給湯器における保温燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図3】本発明の形態例による保温機能付き給湯器における給湯燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】従来の保温機能付き給湯器の概略構成図である。
【符号の説明】
1 入水管路
2 出湯管路
3 給湯管路
4 缶体
5 熱交換器
6 バーナ機構
11 水量センサ
14 温度センサ
15 制御部
16 炎検知器
17 ガス管路
18 ガス比例弁
19 元ガス電磁弁
20a、20b、20c 能力切替ガス電磁弁
21 点火プラグ
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯待機中に保温燃焼を行って熱交換器内やその周囲の水温を適当に上げておき、給湯時にはその初期であっても冷水が流れ出ないようにした保温機能付き給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より給湯待機中、即ち給湯していない場合であっても、バーナを燃焼させて給湯性能を向上させる保温機能を備えた瞬間湯沸器等の保温機能付き給湯器が提供されている。これは給湯器の保温機能によってコールドスタート時及び再給湯待機中に保温燃焼を行って熱交換器内やその周囲の水温を適当に上げておき、コールドスタートにおける給湯立ち上がり時及び再給湯時に冷水が出るのを抑制すると共に、速やかに設定温度が得られるようにするものである。
【0003】
図4は従来の保温機能付き給湯器の概略構成図であり、以下、この給湯器の構成を同図を参照しながら説明する。
給湯器は少なくとも、入水管路31と、出湯管路32及び給湯管路33と、熱交換器35とバーナ36等からなる缶体34と、入水管路31から缶体34を経由することなくダイレクトに給湯管路33へ至るバイパス管路37とを備えている。また、入水管路31には入水温度センサ38及び水量センサ39が、出湯管路32には出湯温度センサ40が、給湯管路33には給湯温度センサ41がそれぞれ設けられている。さらに上記給湯器の保温運転動作についての制御を行い、その他、装置各部の動作を制御するための制御部42が設けられている。
そして上記制御部42には、上記出湯温度センサ40で検出した管路内の水温が保温燃焼開始温度を下回れば保温燃焼を開始し、上記管路内の水温が保温燃焼停止温度を上回れば保温燃焼を停止するように制御する等の保温運転用のソフトウエアが内蔵されている。
しかして上記従来の給湯器における保温運転は、制御部42に内蔵されたソフトウエアの手順に従い、コールドスタート時及び給湯待機中において、予め保温燃焼を行って熱交換器内の水温を上げておき、給湯立ち上がり時及び再給湯時に冷水が出るのを減らすと共に、速やかに設定温度になるように制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の保温機能付き給湯器では、給湯を行っていない時にもサイクル燃焼により断続的に保温燃焼させて熱交換器を加熱保温するため、バーナの燃焼回数が増加し、缶体の寿命が短くなる傾向が強く、耐久性と安全性の点で問題があった。また耐久性と安全性を確保するためにサイクル燃焼の各保温燃焼停止後のインターバル時間を長く設定し、保温燃焼回数を少なくすることも考えられるが、この場合には保温性能(使い勝手)が悪くなり、所期の目的である保温機能付き給湯器として満足のいくものが得られなかった。
【0005】
さらに上記従来の給湯器における着火シーケンスは、例えば給湯運転における給湯燃焼の着火動作時には、給湯ガス比例弁の開度を全開してガスの供給量を多くした状態でガス管路に配された元ガス電磁弁を開いた後、ガス管路の先端に配された複数の能力切替ガス電磁弁のうちの1つを先ず開いて着火を行った後、残りの能力切替ガス電磁弁を順次開いて燃焼させるように制御構成されているが、保温運転における保温燃焼時の着火シーケンスも上記給湯運転における給湯燃焼時の着火シーケンスと同様に能力切替ガス電磁弁を順次開いてゆくため、次のような問題があった。即ち、保温燃焼時は非通水状態で着火させるため、例え着火動作中においても熱交換器が過熱状態となる恐れがあり、これによって熱交換器内部の圧力が急上昇する恐れがある。且つ着火後に各能力切替ガス電磁弁を順次開いていく場合には、熱交換器を部分に偏って過熱する恐れがあり、缶体にかかる熱応力が不均一となって、缶体の寿命に悪影響を及ぼす等、給湯器の耐久性と安全性の点で問題があった。
【0006】
本発明は上記不具合に鑑みて発明されたものであって、給湯燃焼時と保温燃焼時とで着火シーケンスを変更することで、保温性能の低下をきたすことなく、且つ耐久性及び安全性を確保することのできる保温機能付き給湯器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の保温機能付き給湯器は、入水管路と、出湯管路と、熱交換器とバーナ機構とを含む缶体と、前記熱交換器内の水温を検出するための温度センサと、上記バーナ機構に燃焼用ガスを供給するためのガス管路と、該ガス管路の先端に配されて上記バーナ機構への燃焼用ガスの供給、停止及び能力の切替えを行うための複数個の能力切替ガス電磁弁とを少なくとも備え、給湯を行っていない場合においても前記バーナ機構を燃焼させて保温運転を行うことができるようにした保温機能付き給湯器であって、保温運転における保温燃焼時には前記複数個の能力切替ガス電磁弁のうちの着火用の能力切替ガス電磁弁を先ず開いて着火を行うと共に、着火確認後には残る全部の能力切替ガス電磁弁を同時に短時間開いて燃焼させる制御部を設けたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による保温機能付き給湯器について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態例にかかる保温機能付き給湯器の構成図、図2は本発明の形態例による保温機能付き給湯器における保温燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャート、図3は同じく給湯燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0009】
まず、本発明の実施の形態例にかかる保温機能付き給湯器の構成を図1を参照しながら説明する。
この給湯器は、入水管路1と、出湯管路2及び給湯管路3と、熱交換器5とバーナ機構6とファン7等からなる缶体4と、入水管路1から缶体4を経由することなくダイレクトに給湯管路3へ至るバイパス管8及び該バイパス管8に配されたバイパス水量調整弁9と、上記入水管路1に設けられた入水温度センサ10及び水量センサ11と、上記出湯管路2に設けられた過流出防止調整弁12と、上記給湯管路3に設けられた給湯温度センサ13と、上記熱交換器5を構成する熱交換パイプの両側部のベンド部等の熱交換器5近傍に設けられ、該熱交換器5内の水温(以下、缶体温度とする)を検出するための温度センサ14とから構成されている。制御部15は保温燃焼開始条件やサイクル燃焼を行う保温燃焼の各1サイクル燃焼停止後のインターバル時間等の設定を自動的に行い、下記で述べる給湯燃焼及び保温燃焼における着火時における電磁弁類の動作等について制御できるようになっている。なお、16は炎検知器であって、バーナ機構6を構成する燃焼管の一部に近接され、燃焼管からのバーナ炎の有無を検知するものである。また上記ベンド部とは缶体4内の熱交換器5の水管の屈曲部を意味し、望ましくは缶体4の外側にある熱交換器5の水管の屈曲部分であって、燃焼炎が直接当たらない位置とする。
【0010】
また上記バーナ機構6に燃焼用ガスを供給するためのガス管路17には、その基端側寄りに元ガス電磁弁19及びガス比例弁18が配され、該ガス管路17の先端には上記バーナ機構6への燃焼用ガスの供給の能力を切替えるための複数個の能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cが配されている。そして、これら複数個の能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cの内、1つの能力切替ガス電磁弁20aが着火用とされている。
【0011】
上記元ガス電磁弁19と能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cについては、給湯運転における給湯燃焼が行われている時には、まず元ガス電磁弁19を開き、次に能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cのうち着火用の弁20aを開き、これによって点火プラグ21による着火を行い、着火が炎検知器16で確認されると、次に電磁弁20bが開かれ、更に電磁弁20cが開かれるように、順次能力切替ガス電磁弁が開かれる。
一方、保温運転における保温燃焼が行われる際には、例えば通常上記ガス比例弁18の開度を絞った状態とし、そして上記元ガス電磁弁19を開き、次に能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cのうちの着火用の弁20aを開き、これによって点火プラグ21による着火を行い、着火が炎検知器16で確認されると残りの能力切替ガス電磁弁20b、20cを全て同時に開く。
上記の給湯燃焼時及び保温燃焼時における着火シーケンスの制御動作を行わせるためのソフトウエアが、上記制御部15に内蔵されている。なお上記保温燃焼の着火シーケンスは、上記温度センサ14で検出した缶体温度が保温燃焼開始温度を下回れば開始し、上記缶体温度が保温燃焼停止温度を上回れば保温燃焼を停止するようにした制御手段とリンクさせて制御が行われることはいうまでもない。
【0012】
しかして、上記保温機能付き給湯器における着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図2及び図3により説明する。
まず、保温燃焼着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図2により説明する。
最初の段階でガス比例弁18の開度を狭く絞り込んで供給されるガス量が少なくなるようにしておいてから、元ガス電磁弁19を開き(ステップS1)、続いて着火用の能力切替ガス電磁弁20a(着火用バーナに燃焼用ガスを送る役割を果たす)を開き、着火できるためのガス量をバーナ機構6に供給する(ステップS2)。そして点火プラグ21による着火が炎検知器16で確認されると(ステップS3でイエス)、直ちに残りの全ての能力切替ガス電磁弁20b、20cが同時に開いてバーナ機構6に燃焼用ガスが送り込まれ、保温燃焼が開始される(ステップS4)。そして短時間の1サイクル燃焼時間、例えば0.1秒の保温燃焼が終了すると(ステップS5でイエス)、今度は元ガス電磁弁19及び全能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cが同時に閉じられる(ステップS6)。前記1サイクルの保温燃焼時間は、例えば0.1〜0.5秒等の短い時間を予め実験により定めておく。保温運転スイッチがオフされて(ステップS7でイエス)保温運転が終了する(ステップS8)か、或いは予め定めた保温運転継続時間が経過するまではインターバル時間(0.5〜10秒程度の中から実験により予め定めておく)をおいた後(ステップS9でイエス)、同様の保温燃焼サイクルが繰り返される。
なお保温燃焼時間、インターバル時間及び着火動作時間は、実験等により適宜決定される。
【0013】
一方、給湯燃焼着火時の各電磁弁の動作シーケンスを図3により説明する。
給湯運転スイッチがオンされている状態において、図示しない給湯カランが開かれることで水量センサ11が最低作動水量(MOQ)以上を検出すると(ステップS11でイエス)、元ガス電磁弁19が開かれ(ステップS12)、次に着火用の能力切替ガス電磁弁20aが開かれて着火のためのガス量がバーナ機構6に供給される(ステップS13)。そして点火プラグ21による着火が炎検知器16で確認されると(ステップS14でイエス)、能力切替ガス電磁弁20bが開かれ(ステップS15)、さらに能力切替ガス電磁弁20cが順次開かれる(ステップS16)。この段階で定常の給湯燃焼となる。そして給湯運転中において、水量が最低作動水量(MOQ)未満になると(ステップS17でイエス)、元ガス電磁弁19、及び能力切替ガス電磁弁20a、20b、20cの全てが閉止され(ステップS18)、給湯が終了する。
【0014】
以上のように保温燃焼着火時には、バーナへの着火が確認された時点で残りの全ての能力切替ガス電磁弁20b、20cを一気に開くようにしたことで、非通水状態の熱交換器5に加わる熱が均一となり、よって熱応力の偏在がなくなり、缶体の寿命が延び、給湯器の耐久性及び安全性を確保できる。しかも、着火後は残りの全ての能力切替ガス電磁弁を一気に開くことで、加熱速度を速めることができ、短時間で加熱できる。なお保温燃焼時においては、予めガス比例弁18を適当に絞っておくことで、過剰な熱量が非通水状態の熱交換器5に加わったりすることによる寿命低下も防止できる。
【0015】
一方、給湯燃焼着火時には、着火用の能力切替ガス電磁弁20aが着火した後で順次残りの能力切替ガス電磁弁20b、20cを開いていくようにしたことで、安定した状態で定常燃焼へ移行させることができる。また缶体に対して加わる熱応力も一挙に上昇せず、給湯器の耐久性及び安全性を確保できる。
以上により、給湯燃焼着火時及び保温燃焼着火時にバランスのとれた着火動作を行わせることが可能であり、長期的に見た場合、給湯器の耐用年数を増加させることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、請求項1に記載の保温機能付き給湯器によれば、入水管路と、出湯管路と、熱交換器とバーナ機構とを含む缶体と、前記熱交換器の水温を検出するための温度センサと、上記バーナ機構に燃焼用ガスを供給するためのガス管路と、該ガス管路の先端に配されて上記バーナ機構への燃焼用ガスの供給、停止及び能力の切替えを行うための複数個の能力切替ガス電磁弁とを少なくとも備え、給湯を行っていない場合においても前記バーナ機構を燃焼させて保温運転を行うことができるようにした保温機能付き給湯器であって、保温運転における保温燃焼時には前記複数個の能力切替ガス電磁弁のうちの着火用の能力切替ガス電磁弁を先ず開いて着火を行うと共に、着火確認後には残る全部の能力切替ガス電磁弁を同時に短時間開いて燃焼させる制御部を設けたので、
給湯運転における給湯燃焼時には良好な給湯特性を発揮できるのみならず、保温運転における保温燃焼時には、非通水状態の熱交換器に対する偏った加熱を防止することができ、よって熱交換器に生じる熱応力の偏りを防止して、缶体の寿命を延ばすことができる。しかも着火後における熱交換器の加熱速度を向上させることができ、短時間で保温効果を上げることができる。
以上より、給湯燃焼着火時及び保温燃焼着火時にバランスのとれた着火動作を行わせることが可能であり、長期的に見た場合、給湯器の耐用年数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例による保温機能付き給湯器の構成図である。
【図2】本発明の形態例による保温機能付き給湯器における保温燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図3】本発明の形態例による保温機能付き給湯器における給湯燃焼着火時の電磁弁の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】従来の保温機能付き給湯器の概略構成図である。
【符号の説明】
1 入水管路
2 出湯管路
3 給湯管路
4 缶体
5 熱交換器
6 バーナ機構
11 水量センサ
14 温度センサ
15 制御部
16 炎検知器
17 ガス管路
18 ガス比例弁
19 元ガス電磁弁
20a、20b、20c 能力切替ガス電磁弁
21 点火プラグ
Claims (1)
- 入水管路と、出湯管路と、熱交換器とバーナ機構とを含む缶体と、前記熱交換器内の水温を検出するための温度センサと、上記バーナ機構に燃焼用ガスを供給するためのガス管路と、該ガス管路の先端に配されて上記バーナ機構への燃焼用ガスの供給、停止及び能力の切替えを行うための複数個の能力切替ガス電磁弁とを少なくとも備え、給湯を行っていない場合においても前記バーナ機構を燃焼させて保温運転を行うことができるようにした保温機能付き給湯器であって、
保温運転における保温燃焼時には前記複数個の能力切替ガス電磁弁のうちの着火用の能力切替ガス電磁弁を先ず開いて着火を行うと共に、着火確認後には残る全部の能力切替ガス電磁弁を同時に短時間開いて燃焼させる制御部を設けたことを特徴とする保温機能付き給湯器。
Priority Applications (1)
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JP36733197A JP3539174B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 保温機能付き給湯器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP36733197A JP3539174B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 保温機能付き給湯器 |
Publications (2)
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JPH11182932A JPH11182932A (ja) | 1999-07-06 |
JP3539174B2 true JP3539174B2 (ja) | 2004-07-07 |
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JP36733197A Expired - Fee Related JP3539174B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 保温機能付き給湯器 |
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JP (1) | JP3539174B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN108895444A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-11-27 | 万家乐热能科技有限公司 | 一种燃烧器及其点火燃烧控制方法 |
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1997
- 1997-12-24 JP JP36733197A patent/JP3539174B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11182932A (ja) | 1999-07-06 |
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