JP3518640B2 - 酸化亜鉛被覆顔料の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛被覆顔料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた紫外線遮蔽性を
有し、可視光透過性に優れた複合顔料の製造方法、及び
該製法で得られた複合顔料を配合してなる化粧料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紫外線による日焼けは、皮膚の急性炎
症、或いは皮膚の老化さらには皮膚癌を誘発するとし
て、有害であることが認められている。紫外線から皮膚
を保護するために、日焼け止め化粧料には、従来より各
種の紫外線吸収剤や紫外線遮蔽剤が配合、使用されてい
る。例えば、サリチル酸、パラアミノ安息香酸、桂皮
酸、ベンゾフェノン、およびこれらの誘導体等の有機物
や、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物粉末
の無機物が常用されている。
【0003】しかしながら、前者の有機物よりなる紫外
線吸収剤は、顔料に比べ紫外線遮蔽能が劣ることと、皮
膚及び人体に対する安全性の点で十分でないものがあ
り、配合量が規制される場合があるという欠点がある。
一方、後者の酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機物
粉末は良好な紫外線遮蔽能を有しおり、紫外線遮蔽剤と
して化粧料に汎用されているが、一般に使用されている
無機粉末は、可視光線を強く散乱し、皮膚上に塗布した
場合、透明感に欠け、白っぽい厚化粧様になってしまう
という欠点がある。
【0004】これを解決するために、超微粒子化した無
機粉末が開発され、化粧料基剤中に配合されているもの
の、微粒子の表面活性向上による微粒子間の凝集を招く
ため、紫外線遮蔽能に比べて、可視光線の透過性もまだ
まだ不十分である。また、このような超微粒子化処理に
ともない、表面活性の増大による凝集、表面積の増大に
よる酸化触媒活性増大が起き、配合した製品の安定性の
低下を招き、化粧料の成分としては不利である。
【0005】従って、かかる化粧料において、超微粒子
化処理を施すことなく、優れた紫外線遮蔽能を有し、可
視光透過性に優れた顔料を利用することが望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、優れた紫外線遮蔽能を有し、可視光透過率に優れた
顔料、その製造方法、および前記顔料を配合した化粧料
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明無機物質の表面
が結晶性の酸化亜鉛により被覆されてなる複合顔料の製
法は、有機亜鉛および不飽和脂肪酸を含有する有機溶媒
に無機顔料を分散させ、有機溶媒を留去した後、400
〜700℃で焼成することを特徴とする複合顔料の製造
方法である。また有機亜鉛が亜鉛の有機酸塩および/ま
たはアルコキシ化合物である複合顔料の製造方法。有機
溶媒に有機過酸化物および/または表面処理剤を含有せ
しめることを特徴とする複合顔料の製造方法。有機溶媒
にシリコーンもしくはその誘導体を含有せしめることを
特徴とする複合顔料の製造方法である。さらには、前記
複合顔料を配合してなる化粧料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の複合顔料は、無機物質の表面が結晶性の
酸化亜鉛膜によって被覆されてなるものである。
【0009】本発明で用いる無機物質としては、金属の
酸化物が適しており、板状又は球状の体質顔料が望まし
い。これらの材質は特に制限されないが、板状粉体とし
ては、例えばマイカ、タルク、絹雲母(セリサイト)、
カオリン等が挙げられ、球状粉体としては、例えば無水
ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸
化ジルコニウム(ジルコニア)等が挙げられる。また、
白色顔料として酸化チタン、酸化亜鉛、あるいは着色顔
料として酸化鉄等を選択してもよい。
【0010】無機物質の粒径は、0.1〜50μmが望
ましい。0.1μm未満の場合、製造時の焼成工程の
際、被覆せしめる酸化亜鉛がクラックを起こしやすくな
り亀裂を生じたり、被覆が均一にならず、可視光透過性
が低下する。また、50μmを超えると1粒子当たりの
酸化亜鉛の被覆量が大きくなり、これを皮膚に塗付した
ときの使用感が悪くなり、また比表面積の減少による紫
外線遮蔽能の低下を招き、好ましくない。なお本発明に
おいて、粒径とは、面積基準の平均粒径をいう。本発明
の複合顔料は、前記無機物質の表面に結晶性の酸化亜鉛
を約0.5〜5μmの膜厚で被覆せしめてなるものであ
る。
【0011】次に本発明の複合顔料の製造方法について
述べる。すなわち本発明の複合顔料は、有機亜鉛および
不飽和脂肪酸を含有する有機溶媒に前記無機物質を分散
させ、ついで有機溶媒を留去し、400〜700℃で焼
成することによって製造されるものである。
【0012】本発明の製造方法に用いられる有機亜鉛と
しては、カプリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、イソステアリン酸、ナフテン酸、サリチル酸、ジ
エチルカルバミン酸、乳酸等の脂肪酸塩、ジメトキシ亜
鉛、ジエトキシ亜鉛、ジイソプロポキシ亜鉛、ジイソオ
クトキシ亜鉛、ジイソオクタデコキシ亜鉛、クロロメト
キシ亜鉛、クロロエトキシ亜鉛、クロロイソオクトキシ
亜鉛等のアルコキシ化合物、アセチルアセトン、ベンゾ
イルアセトン、ベンゾトリフルオロアセトン、ジベンゾ
メタン、フロイルアセトン、トリフルオロアセチルアセ
トン等のジケトンキレート化合物等が挙げられ、これら
から選ばれる1種類以上が単独または混合して用いられ
る。本発明では、これらのうち脂肪酸塩および/または
アルコキシ化合物を用いるのがよい。
【0013】有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ノルマルブタノール、エトキシ
エタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコール
等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル、酢酸ベンジル、アセト酢酸エチル、フタル酸
ジブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、イソホロン等のケトン類、ジ
エチルエーテル、ジメチルエーテル等のエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘ
キサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、テト
ラクロロエチレン、トリクロロエチレン、トリクロロメ
タン、トリクロロエタン、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒または水を使用する
ことができ、これらから選ばれる1種類以上を単独でま
たは混合して用いられる。特に炭化水素類(キシレン、
ベンゼン)、エステル類(酢酸エチル)、エーテル類
(ジエチルエーテル)等の低極性溶媒が有機亜鉛の溶解
性の点で好ましい。
【0014】有機亜鉛と有機溶媒との比率は重量比で
1:1〜1:20が好ましく、1:1未満では酸化亜鉛
が膜状に選択的に無機物質を被覆せず、酸化亜鉛の粗結
晶が生成し、可視光透過性の優れた酸化亜鉛膜を被覆せ
しめた無機顔料は得られない。また、1:20より大き
い場合は、生成する酸化亜鉛膜が薄くなり、紫外線遮蔽
効果が低下して好ましくない。有機亜鉛と有機溶媒との
溶液に対する無機物質の量は1〜30重量%程度がよ
い。1重量%未満では酸化亜鉛の粗結晶が生成し、可視
光透過性の優れた酸化亜鉛膜を被覆せしめた無機顔料は
得られない。また、30重量%以上になると無機物質の
均一な分散が難しくなり、また無機物質に対する酸化亜
鉛の被覆量が低下し、酸化亜鉛が被覆されない無機物質
が存在するようになり、紫外線遮蔽効果の低下を招き、
好ましくない。
【0015】無機物質の有機溶媒中への分散方法は、有
機溶媒への無機物質の濡れを考慮しながら、通常のプロ
ペラ式攪拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用い
て、均一に分散させる。適宜、超音波処理を行ってもよ
い。また、無機物質表面の濡れをよくするために、あら
かじめ無機物質の表面を表面処理するか、表面処理剤、
粘度調整剤、レベリング剤等の1種もしくは2種以上を
有機溶媒に加えてもよい。
【0016】表面処理剤としては、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸または
その塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルホルムアルデヒド縮合物、スチレン・マレイン酸共重
合物の誘導体等の界面活性剤、乳酸オクチルドデシル、
乳酸セチル、リシノレイン酸オクチルドデシル、リンゴ
酸イソオクチルドデシル等のヒドロキシ酸エステルで例
示される極性油剤を使用する。かかる表面処理剤は有機
溶媒に対して0.1〜10重量%添加するのがよい。
【0017】また、無機物質の分散性を保つため、有機
溶媒の粘度調整剤としてカルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体を
0.1〜10重量%添加するのもよい。
【0018】さらにまた、透明性向上のためのレベリン
グ剤として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、シリコーンオキシエチレン共重合体、
シリコーンポリオキシアルキレン共重合体、アミノ変成
シリコーンオイル等のシリコーンオイル類やポリアクリ
ル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸系
共重合体が有効である。かかるレベリング剤の添加量は
有機溶媒に対して0.1〜10重量%である。
【0019】無機物質と有機物質とを有機溶媒が蒸散し
ない温度で0.5〜5時間共存させた後、有機溶媒を除
去する。有機溶媒の除去条件としては、70〜200℃
で常圧下または減圧下にて乾燥させる。その後、残留物
を焼成する。焼成温度については400℃から700℃
の範囲とするのが好ましい。400℃未満では有機亜鉛
の熱分解および酸化反応が充分進行せず、酸化亜鉛が結
晶化せず、可視光透過性が弱くなり、一方700℃を超
えると亜鉛がイオン化し、被覆される無機物質と反応
し、紫外線遮蔽力が低下してしまう。本発明において、
焼成処理は通常の対流式乾燥炉を用いればよいが、赤外
線炉または遠赤外線炉を用いると乾燥、焼成が迅速に行
われ、容易に均一な酸化亜鉛膜が形成される。焼成時間
は0.5〜24時間がよい。
【0020】酸化亜鉛の被膜は、1回の焼成処理で形成
させることができるが、複数回の焼成処理で形成させる
ことも可能であり、さらに各焼成処理毎に異なった組成
の被膜を形成せしめることも有効である。
【0021】なお、有機溶媒の留去や焼成処理時に有機
亜鉛の蒸散を防ぐため、無機物質への固定剤として、リ
ノール酸、リノレン酸、オレイン酸、リシノール酸、エ
レオステアリン酸等の不飽和脂肪酸の重合物が効果的で
ある。かかる固定剤は、あらかじめ150〜200℃で
不飽和脂肪酸を重合させたものを共存させておけばよい
が、有機亜鉛とともに不飽和脂肪酸を有機溶媒中に共存
させておき、ついで有機溶媒の留去のための乾燥工程で
不飽和脂肪酸の重合を促進させるのがよい。かかる不飽
和脂肪酸の添加量は、有機亜鉛に対して10重量%〜1
0重量倍である。
【0022】前記有機亜鉛の酸化や前記不飽和脂肪酸の
重合を促進させるための酸化促進剤として、有機過酸化
物を用いる場合は、例えば3,3,5 −トリメチルシクロヘ
キサノンパーオキサイドのようなケトンパーオキサイド
系、tert−ブチルパーオキシベンゾエートのようなパー
オキシエステル系、ジ(tert−ブチル)パーオキサイド
のようなジアルキルパーオキサイド系、1,1 −ビス(te
rt−ブチルパーオキシ)−3,3,5 −トリメチルシクロヘ
キサンのようなパーオキシケタール系の有機過酸化物が
好ましい。酸化反応を促進するため金属化合物等を触媒
として用いることもあるが、本発明では、有機亜鉛自体
が触媒的な役目も果たすために、改めて他の金属化合物
を用いなくてもよい。
【0023】このようにして得られた複合顔料が、何
故、可視光透過性に優れているか明確ではないが、X線
回折分析結果から、有機亜鉛のアルキル基の炭素数が長
い程、また表面処理剤として用いる界面活性剤の添加に
より、酸化亜鉛の結晶性が向上することが認められるか
ら、無機物質に対する有機亜鉛の配向構造が酸化亜鉛の
結晶化、結晶構造に関与していることが推定される。
【0024】次に本発明の化粧料について説明する。本
発明の化粧料は、上記製造方法によって得られる複合顔
料を配合してなるものであり、その配合量は化粧料の種
類によって異なるが、好ましくは0.1〜50重量%、
特に好ましくは1〜25重量%である。
【0025】本発明の化粧料は、前記複合顔料と一般の
化粧料または外用医薬品等で使用される原料とを常法に
より混合して得ることができる。かかる原料のうち、粉
体としてはマイカ、タルク、絹雲母(セリサイト)、カ
オリン等の体質顔料、酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)
等の白色顔料、酸化鉄、ベンガラ、群青、赤色202号
等の着色顔料、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等の真珠光
沢顔料が用いられる。またシリコーン処理、金属石鹸処
理等の公知の表面疎水処理をした有機系または無機系粉
体も用いられる。
【0026】前記原料のうち、油剤としては、流動パラ
フィン、パラフィンワックス、スクワラン、マイクロク
リスタリンワックス、セレシン、モンタンロウ等の炭化
水素類、オリーブ油、カカオ脂、木ロウ、カルナウバロ
ウ、ラノリン、ミンク油等の植物性油脂もしくは動物性
油脂やロウ類、さらにラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル、パルミチン酸イソオクチル(パルミチン酸2ーエ
チルヘキシル)、トリイソオクチル酸グリセリル(トリ
2ーエチルヘキサン酸グリセリル)、イソノナン酸イソ
ノニル、パルミチン酸デキストリンエステル類等のエス
テル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシ
リコーン油、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコ
ール(ミリスチルアルコール)、セチルアルコール(パ
ルミチルアルコール)、ステアリルアルコール、ヘキシ
ルドデシルアルコール等の高級アルコール類等が挙げら
れる。またエチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、グリセリン、1,3ーブチレングリコール、ソルビ
トール等の1価ないし多価アルコール類も使用すること
ができる。また、ポリオキシエチレンおよび/またはポ
リオキシプロピレンを付加したアルコール、エーテル、
脂肪酸、エステルやソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
ショ糖脂肪酸エステル、シリコーン含有界面活性剤等の
公知の界面活性剤も使用できる。
【0027】さらにまた、公知の紫外線吸収剤を組み合
わせて配合することもできる。このような紫外線吸収剤
としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−フェニルベンゾフェノン−2’−カルボン酸−
2−エチルヘキシル等のベンゾフェノン誘導体、サリチ
ル酸2ーエチルヘキシル、サリチル酸フェニル等のサリ
チル酸誘導体、p−アミノ安息香酸エチル、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル等の安息香酸誘
導体、p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、p−
メトキシ桂皮酸−2−エトキシエチル、ジp−メトキシ
桂皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリド等の桂皮酸
誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のイミダ
ゾール系化合物、4−tert−ブチル−4’−メトキシベ
ンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン
等のベンゾイルメタン系化合物、またこれらのほかにベ
ンゾイルピナコロン誘導体、ベンゾイルケトン誘導体、
γ−オリザノール、p−メチルベンジリデン、D,L−
ショウノウおよびそのスルホン酸ナトリウム塩等が挙げ
られる。さらに、化粧料や外用剤に通常使用されている
保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色素等も
配合できる。
【0028】本発明の化粧料は乳液状、クリーム状、油
状、スティック状、固形状等のいずれの形態とすること
も可能であり、優れた紫外線遮蔽効果を有するため、サ
ンスクリーンを目的とするサンケア用皮膚または頭髪化
粧料、とりわけ顔料と併用することによりUVケアファ
ンデーション、乳液、クリーム等として用いることがで
きる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明に係る複合顔料、その製造方
法および化粧料の実施例を挙げてさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜4および比較例1〜4 〔複合顔料の製造方法〕実施例1 2−エチルヘキサン酸亜鉛100g、リノール酸50
g、ジメチルポリシロキサン5gおよび有機溶媒として
キシレン300gを混合、攪拌して酸化亜鉛被膜用溶液
を得た。該溶液を180〜200℃で2時間還留を行
い、室温まで冷却し、ホモミキサーを用いて3000r
pmで1時間攪拌しながら、球状シリカ(粒径10.0
μm)15gを分散させた。この分散液を5〜20mHg
の減圧下で30分間で蒸留し、溶媒を留去した。得られ
た粘稠液を電気炉に入れ、500℃で2時間焼成するこ
とにより、白色の複合顔料(本発明品)を得た。実施例2 2−エチルヘキサン酸亜鉛100g、オレイン酸100
gおよびシクロヘキサノン−3,3,5 −トリメチルパーオ
キサイド1gをキシレン200gに混合して溶解させ、
これを150〜170℃で1時間還留を行い、その後1
5〜25mHg の減圧下で30分間蒸留を行い、粘稠液を
得た。ついでこれをベンゼン:塩化メチレン=1:1
(重量比)の混合溶媒に溶解させ、酸化亜鉛被膜用溶液
を得た。該溶液をホモミキサー3000rpmで10分
間攪拌しながら、タルク(粒径8.0μm)10gを分
散させた。この分散液を5〜20mHg の減圧下で1時間
蒸留し、溶媒を留去した。得られた粘稠液を電気炉に入
れ、550℃で2時間焼成することにより、白色の複合
顔料(本発明品)を得た。実施例3 リノール酸亜鉛200g、リノレン酸10gおよび有機
溶媒としてエチルベンゼン:クロロベンゼン=3:1
(重量比)の混合溶媒500gを混合、攪拌して酸化亜
鉛被膜用溶液を得た。該溶液を170〜200℃で3時
間還留を行い、室温まで冷却し、プロペラ式攪拌機を用
いて攪拌しながら、酸化アルミニウム(粒径5.5μ
m)10gを分散させた。この分散液を5〜20mHg の
減圧下で30分間蒸留し、溶媒を留去して粘稠液を得
た。この粘稠液を電気炉で600℃にて1時間焼成する
ことにより、白色の複合顔料(本発明品)を得た。実施例4 ジイソプロポキシ亜鉛50g、リシノール酸80gおよ
びtert−ブチルパーオキシベンゾエート1gをジクロロ
ベンゼン200gに混合して溶解させ、これを160〜
180℃で1時間還留を行い、その後15〜25mHg の
減圧下で30分間蒸留を行い、粘稠液を得た。ついでこ
れを、ジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エ
ステル2g、ヒドロキシエチルセルロース10gおよび
メチルハイドロジェンポリシロキサン5gを溶解したト
ルエン:クロロホルム=2:1(重量比)の混合溶媒に
溶解させ、酸化亜鉛被膜用溶液を得た。高圧ホモジナイ
ザーを用いて100kg/cm2 の圧力下で、該溶液にマイ
カ(粒径15.0μm)10gを分散させた。この分散
液を10〜20mHg の減圧下で30分間蒸留し、溶媒を
留去した。得られた粘稠液を電気炉で450℃にて4時
間焼成することにより、白色の複合顔料(本発明品)を
得た。比較例1〜4 比較例1〜4では、前記実施例1〜4における酸化亜鉛
の被膜処理を行うことなく、無機物質を同様に処理し
た。 〔評価方法〕試料濃度が0.01重量%となるように、
実施例1〜4の複合顔料および比較例1〜4の無機物質
のそれぞれを、10重量%の水を含むグリセリンに均一
に分散させ、試料溶液を石英セルに入れ、分光光度計に
て透過率(単位:対照側透過度に対する試料側透過度の
割合、%)を測定した。測定波長は、可視光領域として
550nm、紫外光領域として320nm(UV−B)およ
び380nm(UV−A)とした。 この結果(表1)か
ら明らかなように、本発明の複合顔料は、紫外線防御効
果および分散液での透明性に優れるものであった。
【0030】
【表1】
【0031】注)数値は透過率(%)を示す。比較例5〜8 実施例1〜4において、それぞれの無機物質を加えずに
同様に処理して顔料を得た(実施例1〜4の各々に対応
して比較例5〜8)。これらについて実施例1と同様の
方法で透過率を測定した(表2参照)。
【0032】表1および表2に示した結果から明らかな
ように、本発明の製造方法による複合顔料は、紫外線防
御効果および分散液での透明性に優れるものであった。
【0033】
【表2】
【0034】注)数値は表1と同様透過率(%)を示
す。比較例9 市販の微粒子酸化亜鉛(堺化学工業(株)製、商品名:
FINEX−25)について同様に透過率を測定した
(表3参照)。
【0035】表3および表1、表2の各データから、本
発明の複合顔料は、紫外線防御効果は微粒子酸化亜鉛と
同等であるが、可視光の透過性において優れているもの
であり、本発明品の優位性が明らかになった。
【0036】
【表3】
【0037】注)数値は表1と同様透過率(%)を示
す。比較例10 実施例1において、不飽和脂肪酸を用いることなく同様
に処理した。また実施例1で使用した不飽和脂肪酸をス
テアリン酸に置き換えて同様に処理した。これらの場合
にはいずれも酸化亜鉛で被覆された顔料は得られなかっ
た。実施例5〜8および比較例11〜18 表4に示した組成で紫外線防御クリームを製造した。す
なわち、水相部と油相部とをそれぞれ70℃に加熱し溶
解させた。水相部に複合顔料を加え分散させ、ついで油
相部を加えホモミキサーで乳化し、30℃まで冷却し
た。なお、実施例1〜4で調製した本発明の複合顔料を
用いて製造したクリームを各々実施例5〜8とした。ま
た比較例1〜4および比較例5〜8で製造した顔料を本
発明の複合顔料に置き換えて同様に製造したクリームを
各々比較例11〜14および比較例15〜18とした。
また、比較例9の微粒子酸化亜鉛を本発明の複合顔料に
置き換えて同様に製造したクリームを比較例19とし
た。
【0038】
【表4】
【0039】〔評価方法〕 実施例5〜8および比較例11〜19で得られた各ク
リームをSPF値で比較し評価した。
【0040】SPF値 人の皮膚にサンプルを塗布し、かすかに紅斑が惹起され
る紫外線量の紫外線を照射し、下式に示すように、サン
プルを塗布した部位の最小紅斑量(MED:Minimul Er
ythema Dose 、かすかに紅斑が惹起される紫外線量)
が、未塗布部位のMEDと比較し何倍になるかで表し
た。この結果を表5に示す。
【0041】 SPF=サンプル塗布部のMED/未塗布部のMED これから明らかなように、本発明の複合顔料を配合した
化粧料は、紫外線防御効果に優れるものであり、微粒子
酸化亜鉛と同等の紫外線防御効果が認められた。
【0042】
【表5】
【0043】実施例5〜8のクリーム、および酸化亜
鉛を含有する比較例15〜19のクリームの各々をパネ
ラー5人に使用させ、皮膚塗付時の白残りを目視で評価
した。評価基準は以下のとおりとし、5人の平均点を評
点とした。この結果を表6に示す。
【0044】〔評価基準〕 透明感があり、白残りしない 5点 透明感があり、あまり白残りしない 4点 透明感があるが、やや白残りする 3点 やや透明感に欠け、白残りする 2点 透明感に欠け、非常に白残りする 1点 この結果から、本発明の複合顔料を使用したクリーム
は、白っぽさの出ない透明感のある化粧料であり、本発
明品の優位性が明らかになった。
【0045】
【表6】
【0046】実施例9 (乳液)下記組成の乳液を調製したところ、透明感およ
び紫外線遮蔽能において優れていることが認められた。
【0047】 実施例1の複合顔料 20 p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5 モノオレイン酸グリセリド 2 モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル付加)ソルビタン 1 キャンデリラワックス 3 12−ヒドロキシステアリン酸 1 パルミチン酸2−エチルヘキシル 5 流動パラフィン 15 メチルパラベン 0.1 精製水 バランス実施例10 (O/W型ファンデーション)下記組成のファンデーシ
ョンを調製したところ、透明感および紫外線遮蔽能にお
いて優れていることが認められた。
【0048】 実施例2の複合顔料 15.0 タルク 3.0 酸化チタン 2.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 1.5 ベントナイト 0.5 ジP−メトキシ桂皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリド 2.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル付加)ソルビタン 1.0 トリエタノールアミン 1.0 プロピレングリコール 10.0 ステアリン酸 2.2 オクチルドデシルアルコール 7.0 モノステアリン酸グリセリン 2.0 液状ラノリン 2.0 流動パラフィン 8.0 メチルパラベン 0.1 精製水 バランス実施例11 (W/O型ファンデーション)下記組成のファンデーシ
ョンを調製したところ、透明感および紫外線遮蔽能にお
いて優れていることが認められた。
【0049】 実施例3の複合顔料 10.0 絹雲母 5.0 カオリン 3.0 二酸化チタン 5.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 1.0 流動パラフィン 5.0 デカメチルシクロペンタンシロキサン 12.0 ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 エチルパラベン 0.1 ポリアクリル酸エチル 2.0 精製水 バランス
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によって得
られる複合顔料は、優れた紫外線遮蔽能を有し、可視光
透過性に優れた複合顔料であり、これを配合した化粧料
は、自然な透明感のあるサンスクリーン化粧料を提供す
る。本発明の化粧料はまた、展延性、肌への付着性、し
っとり感を満足せしめるとともに、UV−AおよびUV
−B両領域における紫外線遮蔽能に優れ、かつ従来使用
されていた超微粒子酸化亜鉛に比べて、凝集や酸化劣化
等が少なく、品質の安定性を損なうこともなく、その産
業への寄与において甚だ有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−246823(JP,A) 特開 昭63−113080(JP,A) 特開 平5−17329(JP,A) 特開 昭62−16408(JP,A) 特開 平3−243666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 3/06 A61K 7/02 A61K 7/42 C09C 3/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物質の表面が結晶性の酸化亜鉛膜に
    より被覆されてなる複合顔料の製法において、有機亜鉛
    および不飽和脂肪酸を含有する有機溶媒に無機物質を分
    散させ、有機溶媒を留去した後、400〜700℃で焼
    成することを特徴とする複合顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶媒に有機過酸化物を含有せしめる
    ことを特徴とする請求項1記載の複合顔料の製造方法
  3. 【請求項3】 有機亜鉛が亜鉛の有機酸塩および/また
    はアルコキシ化合物であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の複合顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒に表面処理剤を含有せしめるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに複合顔料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒にシリコーンもしくはその誘導
    体を含有せしめることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに複合顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの方法で製造
    された複合顔料を配合してなることを特徴とする化粧
    料。
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