JP3516169B2 - シート材料間欠送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、プレス機械に装着さ
れるシート材料間欠送り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】プレス機械に装着されるシート材料間欠
送り装置は、シート材料を送るために往復移動自在に支
持された搬送手段と、搬送手段をクランク軸の回転に同
期して間欠的に往復移動させる間欠揺動機構とを備えて
いる。間欠揺動機構は、プレス機械に設けられたクラン
ク軸と同期して間欠的に揺動される主動レバー手段と、
これに連動して間欠的に揺動されることにより搬送手段
を往復移動させる従動レバー手段と、従動レバー手段の
揺動角度を変えることにより搬送手段の移動ストローク
を調整するストローク調整機構を含んでいる。主動レバ
ー手段の揺動軸心はその上端部に位置付けられている。
従動レバー手段は、下端部に位置付けられた揺動軸部と
揺動軸部から直立して上方に延びその上端部が搬送手段
に連結された従動レバー部とを含んでいる。主動レバー
手段の揺動軸線と従動レバー手段の揺動軸線とは平行に
位置付けられている。主動レバー手段の下端部と従動レ
バー部の中間部とが連結手段を介して連結されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】概略以上のように構成
された従来のシート材料間欠送り装置は、前記したよう
に、従動レバー手段の揺動角度を変えることにより搬送
手段の移動ストロークを調整するストローク調整機構を
備えている。このストロークの調整は、シート材料間欠
送り装置の外部から行なうことができるよう構成されて
いるが、球面ギヤ等の特殊な部品が使用されており、ス
トローク調整機構自体がきわめて高価である。またシー
ト材料間欠送り装置を構成するその他の部分も、比較的
多くの特殊部品により構成されているので、シート材料
間欠送り装置は全体としてきわめて高価なものとなる。

【０００４】したがってこの発明の主目的は、構成がき
わめて簡単かつ安価でありしかも操作が容易である、改
良されたシート材料間欠送り装置を提供することであ
る。

【０００５】この発明のその他の目的は、この発明に従
って構成されたシート材料間欠送り装置の実施例につい
て、添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明
らかになるであろう。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記主目的を達成するた
め、この発明によれば、シート材料を送るために往復移
動自在に支持された搬送手段と、該搬送手段をクランク
軸の回転に同期して間欠的に往復移動させる間欠揺動機
構とを備え、該間欠揺動機構は、該クランク軸と同期し
て間欠的に所定の角度で揺動される主動レバー手段と、
これに連動して間欠的に揺動される従動レバー手段と、
該従動レバー手段の揺動角度を変えることにより該搬送
手段の移動ストロークを調整するストローク調整機構と
を含み、該主動レバー手段の揺動軸心はその上端部に位
置付けられ、該従動レバー手段は、下端部に位置付けら
れた揺動軸部と該揺動軸部から直立して上方に延びその
上端部が該搬送手段に連結された従動レバー部とを含
み、該主動レバー手段の揺動軸線と該従動レバー手段の
揺動軸線とは平行に位置付けられ、該主動レバー手段の
下端部と該従動レバー部の中間部とが連結手段を介して
連結されたシート材料間欠送り装置において、該主動レ
バー手段にはその長手方向に延びるガイド溝が形成さ
れ、該連結手段は、該従動レバー部の一側方から突出す
るよう該従動レバー部に装着されたローラ支持体と該ロ
ーラ支持体の端部に回転自在に支持された従動ローラ手
段とを含み、該従動ローラ手段が該主動レバー手段の該
ガイド溝に移動自在に嵌合され、該ストローク調整機構
は、該従動レバー部の長手方向に沿って延びかつ軸方向
に移動できないよう該従動レバー部に支持された回転支
持軸体と、該従動レバー部の長手方向に沿って上下動で
きかつそれ自体は回転できないよう該回転支持軸体に支
持された該ローラ支持体と、該揺動軸部に回転自在に支
持されかつ一端に操作ハンドルが装着されたストローク
調整軸と、該ローラ支持体の該上下動を阻止するため該
ローラ支持体と該従動レバー部との間に設けられたロッ
ク手段とを含み、該回転支持軸体の上方部にはねじ部が
形成され下端には第１傘歯車が取り付けられ、該回転支
持軸体の該ねじ部に該ローラ支持体が係合支持され、該
ストローク調整軸の他端には第２傘歯車が取り付けら
れ、該第２傘歯車は該第１傘歯車に噛み合わされ、該操
作ハンドルを回転させることにより該ローラ支持体は該
従動レバー部に沿って上下動させられると共に該従動ロ
ーラ手段が該主動レバー手段の該ガイド溝に沿って上下
動させられることを特徴とするシート材料間欠送り装
置、が提供される。

【０００７】

【作用】搬送手段の移動ストロークを調整するには、先
ずローラ支持体が従動レバー部に対して上下動できるよ
うロック手段を解除する。ロック手段の解除はボルト手
段を緩めるか、流体圧シリンダ機構への圧力流体の供給
を解除することにより行なわれる。次に装置の外部から
操作ハンドルによりストローク調整軸を回転させる。こ
の回転は第２傘歯車及び第１傘歯車を介して回転支持軸
体に伝達される。回転支持軸体が回転するとそのねじ部
に係合支持されたローラ支持体がねじ部に沿って、すな
わち従動レバー部の長手方向に沿って上方又は下方に移
動する。同時にローラ支持体の従動ローラ手段が主動レ
バー手段のガイド溝に沿って上方又は下方に移動する。
ローラ支持体が上方に移動すると、ローラ支持体の従動
ローラ手段が主動レバー手段の揺動軸線に近付くと共に
従動レバー手段の揺動軸線から遠ざかるため、従動レバ
ー部の揺動角度が小さくなる。その結果、従動レバー部
の上端部に連結された搬送手段の往復移動ストロークが
小さくなるよう調整される。逆に、ローラ支持体が下方
に移動すると、ローラ支持体の従動ローラ手段が主動レ
バー手段の揺動軸線から遠ざかると共に従動レバー手段
の揺動軸線に近付くため、従動レバー部の揺動角度が大
きくなる。その結果、搬送手段の往復移動ストロークが
大きくなるよう調整される。移動ストロークの調整後
は、ロック手段を作動させてローラ支持体の従動レバー
部に対する上下動を阻止する。ストローク調整機構は特
殊な部品を使用することなく構成されている。すなわち
構成がきわめて簡単で安価である。また操作ハンドルは
装置の外方に位置付けることができるので、装置の外方
からストロークの調整を行なうことができ、操作をきわ
めて容易に行なうことができる。

【０００８】ロック手段のロック及びロック解除すなわ
ちローラ支持体の従動レバー部に対する上下動の阻止及
び阻止解除が、ボルト手段を締め付け、緩めることによ
り行なわれるよう構成された場合には、ロック手段の構
成及び操作が著しく簡単となり、ストローク調整機構の
簡略化に寄与する。またロック手段が流体圧シリンダ機
構を含み、前記ロック及びロック解除が流体圧シリンダ
機構により行なわれるよう構成された場合には、装置の
カバーを開けることなく装置外方から同操作を行なうこ
とができ、同操作は更に容易となる。

【０００９】搬送手段のクランプ作動手段にリターン機
能付きダイヤフラムシリンダを使用し、間欠揺動機構に
パラレル・カム機構を使用した場合には、いずれも市販
による入手が可能であり、シート材料間欠送り装置全体
のコストダウンに寄与するものである。

【００１０】 搬送手段の側方であって装置外方から目
視できる位置に所定の目盛りが固定配置され、搬送手段
の、目盛りに隣接しかつ装置外方から目視できる位置に
副尺が設けられた場合には、前記ストロークの調整をき
わめて容易にかつ正確に行なうことができる。構成もき
わめて簡単である。

【００１１】

【実施例】以下、添付図面を参照しながら、この発明に
従って改良されたシート材料間欠送り装置を、実施例に
基づいて詳細に説明する。図１において、番号２はプレ
ス機械を示すもので、この発明に従って改良されたシー
ト材料間欠送り装置４を備えている。プレス機械２には
クランク軸６が設けられ、図示しない電動モータにより
駆動されるよう構成されている。シート材料間欠送り装
置４には後述する入力軸２２が設けられいる。クランク
軸６及び入力軸２２にはそれぞれ歯付きプーリあるいは
スプロケット６ａ及び２２ａが固定され、これらの歯付
きプーリあるいはスプロケット６ａ及び２２ａは、タイ
ミングベルトあるいはチェーン８により連結されてい
る。これによりシート材料間欠送り装置４の入力軸２２
にはクランク軸６に同期した回転が伝達される。符号Ｓ
はシート材料を示し、図１の右方から左方に送られる。

【００１２】次に図２ないし図５を参照して、シート材
料間欠送り装置４について説明する。シート材料間欠送
り装置４は、シート材料Ｓを送るために往復移動自在に
支持された搬送手段１０と、搬送手段１０をクランク軸
６の回転に同期して間欠的に往復移動させる間欠揺動機
構１２とを備えている。間欠揺動機構１２は、クランク
軸６と同期して間欠的に所定の角度で揺動される主動レ
バー手段１４と、主動レバー手段１４に連動して間欠的
に揺動される従動レバー手段１６と、従動レバー手段１
６の揺動角度を変えることにより搬送手段１０の移動ス
トロークを調整するストローク調整機構１８とを含んで
いる。間欠揺動機構１２は、更に回転入力を揺動運動と
して出力するパラレル・カム機構２０を備えている。パ
ラレル・カム機構２０は、クランク軸６と同期回転する
ようクランク軸６に連結された入力軸２２と入力軸２２
の回転により所定の角度範囲で間欠的に往復回動させら
れる出力軸２４を含んでいる。揺動型式のパラレル・カ
ム機構２０は、大塚カム株式会社より市販されているも
のを使用するのが好適である。前記主動レバー手段１４
の上端部が出力軸２４に連結されて出力軸２４を中心に
揺動運動させられるよう構成されている。すなわち主動
レバー手段１４の揺動軸線Ｏ１（出力軸２４の軸線）は
その上端部に位置付けられている。従動レバー手段１６
は、下端部に位置付けられた揺動軸部２６と揺動軸部２
６から直立して上方に延びその上端部が搬送手段１０に
連結された従動レバー部２８とを含んでいる。主動レバ
ー手段１４の揺動軸線Ｏ１と従動レバー手段１６の揺動
軸線Ｏ２（揺動軸部２６の軸線）とは平行に位置付けら
れている。主動レバー手段１４の下端部と従動レバー部
２８の中間部とが連結手段３０を介して連結されてい
る。

【００１３】上端部がパラレル・カム機構２０の出力軸
２４の端部に連結された主動レバー手段１４には、その
長手方向に延びるガイド溝３２が形成されている。連結
手段３０は、従動レバー部２８の一側方から突出するよ
う従動レバー部２８に装着されたローラ支持体３４とロ
ーラ支持体３４の端部に回転自在に支持された従動ロー
ラ手段３６とを含んでいる。従動ローラ手段３６は主動
レバー手段１４のガイド溝３２に移動自在に嵌合されて
いる。従動ローラ手段３６はこの例では２個のローラか
ら構成されている。なお図５に示すように、ガイド溝３
２を構成する一方の壁は低く、他方の壁は高く形成され
ている。ローラ支持体３４の先端側に支持されたローラ
は低い方の壁に当接され、他のローラは高い方の壁に当
接されている。

【００１４】ストローク調整機構１８は、従動レバー部
２８の長手方向に沿って延びかつ軸方向に移動できない
よう従動レバー部２８に支持された回転支持軸体３８
と、従動レバー部２８の長手方向に沿って上下動できか
つそれ自体は回転できないよう回転支持軸体３８に支持
された前記ローラ支持体３４と、揺動軸部２６に回転自
在に支持されかつ一端に操作ハンドル４０が装着された
ストローク調整軸４２と、ローラ支持体３４の上下動を
阻止するためローラ支持体３４と従動レバー部２８との
間に設けられたロック手段４４とを含んでいる。回転支
持軸体３８はスラストベアリング４６及び４８により従
動レバー部２８に回転自在に支持されている。回転支持
軸体３８の上方部にはねじ部５０が形成され下端には第
１傘歯車５２が取り付けられている。回転支持軸体３８
のねじ部５０に前記ローラ支持体３４が係合支持されて
いる。揺動軸部２６内の、従動レバー部２８の延長上位
置には凹部５４が形成されている。第１傘歯車５２は、
この凹部５４内に位置付けられている。揺動軸部２６は
軸受５６及び５８を介してフレーム６０及び６２に回動
自在に支持されている。揺動軸部２６内には貫通孔６４
が形成され、この貫通孔６４に前記ストローク調整軸４
２が回転自在に支持されている。ストローク調整軸４２
の他端には第２傘歯車６６が取り付けられている。第２
傘歯車６６も凹部５４内に位置付けられ、第１傘歯車５
２に噛み合わされている。

【００１５】従動レバー部２８には、一側方（図２の左
方）及びこれと反対側の他側方（図２の右方）を貫通し
かつ長手方向に延びる長孔６８が形成されている。回転
支持軸体３８の上方部に形成されたねじ部５０は、長孔
６８内をそれに沿って延びるよう配置されている。ロー
ラ支持体３４は、ねじ部５０に係合支持されると共に長
孔６８に嵌合してねじ部５０の回転により長孔６８に沿
って上下する支持ブロック部７０と、長孔６８から突出
するローラ支持部７２とを有する。支持ブロック部７０
とローラ支持部７２との間には肩部が形成され、この肩
部は、従動レバー部２８の一側方の面７３に当接する当
接面７４を構成する。ロック手段４４は、支持ブロック
部７０の、従動レバー部２８の他側方側の端部に係合さ
れたボルト手段であるボルト７６と、従動レバー部２８
の他側方の面７８に当接しうるようボルト７６に移動自
在に支持されたワッシャ部材８０とを含んでいる。従動
レバー部２８の一側方の面７３及び他側方の面７８は互
いに平行であり、しかも平坦である。ワッシャ部材８０
を強制移動させることにより、ワッシャ部材８０が従動
レバー部２８の他側方の面７８に押圧されると共にロー
ラ支持体３４の当接面７４が一側方の面７３に押圧され
る。このフリクションによりローラ支持体３４の従動レ
バー部２８に対する上下動が阻止される。このような締
め付けを可能とするため、ワッシャ部材８０とこれに面
した支持ブロック部７０の端面には隙間が形成される。
図１ないし図５に示すロック手段４４において、ワッシ
ャ部材８０の強制移動はボルト７６を締め付けることに
より行なわれるよう構成されている。

【００１６】従動レバー手段１６の従動レバー部２８の
上端部と搬送手段１０とはリンク手段８２により連結さ
れている。リンク手段８２の一端部は従動レバー部２８
の上端部に回転自在に連結され、他端部は搬送手段１０
の下部に回転自在に連結されている。リンク手段８２は
２枚のリンク部材を含み、それらの一端部は従動レバー
部２８の上端の一側方の面及び他側方の面を挟んで位置
付けられ、他端部は、搬送手段１０の下方に突出して設
けられた連結ブロック部の両側の面を挟んで位置付けら
れている。図２に示すように、前記フレーム６０及び６
２の頂部には、シート材料Ｓの移動方向（図２の表から
裏へ向かう方向、図３の左から右へ向かう方向）に沿っ
て、互いに間隔をおいて平行に延びる一対のリニアガイ
ド８４及び８６が設けられている。搬送手段１０にはス
ライダ８８が設けられ、その両側部がリニアガイド８４
及び８６にボール手段を介して移動自在に支持されてい
る。スライダ８８の、シート材料Ｓの移動方向前端部
（図３及び図４の右端部）には、平面からみて横方向両
側にＴ形に張り出したクランプ部分９０が設けられてい
る。クランプ部分９０の平坦な上面には、クランプ手段
９２が設けられている。クランプ手段９２は、クランプ
部分９０の上面に間隔を置いて配置された固定ジョー９
４と、固定ジョー９４の下側でそれに対向して位置する
可動ジョー９６と、可動ジョー９６を固定ジョー９４に
対して移動させ、固定ジョー９４と可動ジョー９６との
間に位置付けられたシート材料Ｓを間欠的にクランプす
るクランプ作動手段９８とを含んでいる。クランプ作動
手段９８は、リターン機能付きダイヤフラムシリンダか
ら構成されている。リターン機能付きダイヤフラムシリ
ンダは、フェスト社より商品名「リターン機能付きダイ
ヤフラムシリンダ」として市販されているものを使用す
るのが好適である。このシリンダは、その内部にダイヤ
フラムを備え、ダイヤフラムの一方の側には可動ジョー
９６が取り付けられ、他方の側には圧縮空気あるいは圧
油等の圧力流体が導入されるよう構成されている。流体
の圧力が除去されると、ダイヤフラムのリターン機能
（弾性復元力）によりホームポジションに自動的に戻さ
れる。その結果、可動ジョー９６も元の位置に戻され、
シート材料Ｓのクランプ状態が解除される。リターン機
能付きダイヤフラムシリンダはこの例では３個備えられ
ている。

【００１７】図２を参照して、搬送手段１０の側方であ
って装置外方から目視できる位置には、搬送手段１０の
移動方向に沿って所定の目盛り１００が固定配置されて
いる。搬送手段１０の、目盛り１００に隣接しかつ装置
外方から目視できる位置には副尺１０２が設けられてい
る。副尺１０２はこの例ではクランプ部分９０の一側部
に設けられている。

【００１８】図６は前記ロック手段４４の他の実施例を
示すもので、図２のロック手段４４と同一部分は同一符
号で示す。図６に示すロック手段１０４は、更に、ワッ
シャ部材８０に隣接してボルト手段１０６に支持された
流体圧シリンダ機構１０８を含んでいる。ワッシャ部材
８０の強制移動は流体圧シリンダ機構１０８を作動させ
ることにより行なわれるよう構成されている。具体的に
説明すると、流体圧シリンダ機構１０８は、シリンダ１
１０とシリンダ１１０内に相対移動自在に配置されたピ
ストン１１２とを含んでいる。シリンダ１１０内の一端
とピストン１１２の一端との間の圧力室には流体圧が導
入されるよう構成され、シリンダ１１０内の他端とピス
トン１１２の他端との間の室にはばねが挿入されてい
る。ピストン１１２の中央部には軸方向に延びる貫通孔
が形成され、この貫通孔を利用して流体圧シリンダ機構
１０８は、ボルト手段１０６に移動自在に支持される。
ボルト手段１０６の端部には、固定頭部の代わりにナッ
ト部材１１４が係合されている。ピストン１１２の前記
他端の中央部はシリンダ１１０の他端から外部に突出す
るよう構成されている。シリンダ１１０の一端はワッシ
ャ部材８０に当接し得るよう位置付けられ、ピストン１
１２の他端の前記中央部はナット部材１１４に当接し得
るよう位置付けられている。圧力室に流体圧が導入され
ると、ピストン１１２はナット部材１１４に押圧され、
シリンダ１１０はピストン１１２に対して相対移動しそ
の一端がワッシャ部材８０を押圧する。これにより、ロ
ーラ支持体３４の従動レバー部２８に対する上下動が阻
止される。

【００１９】クランク軸６の回転に同期して入力軸２２
が回転すると出力軸２４が揺動し、主動レバー手段１４
は揺動軸心Ｏ１を中心に所定の角度α（図３参照）で間
欠的に揺動する。これに連動して従動レバー手段１６は
揺動軸心Ｏ２を中心に角度β（図３参照）で揺動する。
搬送手段１０はストロークＹ（図３参照）で往復移動す
る。クランプ手段９２のクランプ作動手段９８は、クラ
ンク軸６に同期した所定のタイミングで作動、非作動を
繰り返すよう制御される。シート材料Ｓは間欠的に送ら
れ、その間に所定のプレス加工が行なわれる。ロック手
段４４を解除して操作ハンドル４０を回転させることに
より搬送手段１０のストロークＹが調整される。ローラ
支持体３４を上方に移動させると従動レバー手段１６の
揺動角度βがそれに応じて小さくなり、その結果、搬送
手段１０の往復移動ストロークＹが小さくなるよう調整
される。逆に、ローラ支持体３４を下方に移動させる
と、従動レバー手段１６の揺動角度βがそれに応じて大
きくなり、その結果、搬送手段１０の往復移動ストロー
クＹが大きくなるよう調整される。ストロークＹの調整
は、固定目盛り１００に対する副尺１０２の相対移動に
より、容易かつ確実にこれを行なうことができる。

【００２０】以上この発明を、実施例に基づいて詳細に
説明したが、この発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内においてさまざまな変形あ
るいは修正ができるものである。

【００２１】

【発明の効果】以上、一実施に基づいて説明したこの発
明によれば、次のような効果が達成される。 （１）搬送手段のストローク調整機構は特殊な部品を使
用することなく構成されているので、構成がきわめて簡
単で安価である。また操作ハンドルは装置の外方に位置
付けることができるので、装置の外方からストロークの
調整を行なうことができ、操作をきわめて容易に行なう
ことができる。 （２）ロック手段のロック及びロック解除すなわちロー
ラ支持体の従動レバー部に対する上下動の阻止及び阻止
解除が、ボルト手段を締め付け、緩めることにより行な
われるよう構成された場合には、ロック手段の構成及び
操作が著しく簡単となり、ストローク調整機構の簡略化
に寄与する。またロック手段が流体圧シリンダ機構を含
み、前記ロック及びロック解除が流体圧シリンダ機構に
より行なわれるよう構成された場合には、装置のカバー
を開けることなく装置外方から同操作を行なうことがで
き、ストローク調整操作は更に容易となる。 （３）搬送手段のクランプ作動手段にリターン機能付き
ダイヤフラムシリンダを使用し、間欠揺動機構にパラレ
ル・カム機構を使用した場合には、いずれも市販による
入手が可能であり、シート材料間欠送り装置全体のコス
トダウンに寄与するものである。 （４）搬送手段の側方であって装置外方から目視できる
位置に所定の目盛りが固定配置され、搬送手段の、目盛
りに隣接しかつ装置外方から目視できる位置に副尺が設
けられた場合には、前記ストロークの調整をきわめて容
易にかつ正確に行なうことができる。構成もきわめて簡
単である。 （５）以上を総合すると、全体として特殊な部品を使用
することなく構成されているので、構成がきわめて簡単
かつ安価であり、各操作も容易であるシート材料間欠送
り装置が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に従って改良されたシート材料間欠送
り装置の一実施例を装着したプレス機械の側面図。

【図２】図１のシート材料間欠送り装置の断面図。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視断面図であって一部を省略し
て示す図。

【図４】図３の一部を省略した上面図であって一部を破
断して示す図。

【図５】図４の他の部分を破断して示す上面図。

【図６】図２に含まれるストローク調整機構におけるロ
ック手段の他の実施例を示す断面図。

【符号の説明】

２ プレス機械 ４ シート材料間欠送り装置 ６ クランク軸 １０ 搬送手段 １２ 間欠揺動機構 １４ 主動レバー手段 １６ 従動レバー手段 １８ ストローク調整機構 ２０ パラレル・カム機構 ２２ 入力軸 ２４ 出力軸 ２６ 揺動軸部 ２８ 従動レバー部 ３０ 連結手段 ３２ ガイド溝 ３４ ローラ支持体 ３６ 従動ローラ手段 ３８ 回転支持軸体 ４０ 操作ハンドル ４２ ストローク調整軸 ４４ ロック手段 ７６ ボルト手段 ８０ ワッシャ部材 ９２ クランプ手段 ９８ クランプ作動手段（リターン機能付きダイヤフラ
ムシリンダ） １００ 目盛り １０２ 副尺 １０４ ロック手段 １０８ 流体圧シリンダ機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65G 25/04 B21D 43/09

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート材料を送るために往復移動自在に
   支持された搬送手段と、該搬送手段をクランク軸の回転
   に同期して間欠的に往復移動させる間欠揺動機構とを備
   え、該間欠揺動機構は、該クランク軸と同期して間欠的
   に所定の角度で揺動される主動レバー手段と、これに連
   動して間欠的に揺動される従動レバー手段と、該従動レ
   バー手段の揺動角度を変えることにより該搬送手段の移
   動ストロークを調整するストローク調整機構とを含み、
   該主動レバー手段の揺動軸心はその上端部に位置付けら
   れ、該従動レバー手段は、下端部に位置付けられた揺動
   軸部と該揺動軸部から直立して上方に延びその上端部が
   該搬送手段に連結された従動レバー部とを含み、該主動
   レバー手段の揺動軸線と該従動レバー手段の揺動軸線と
   は平行に位置付けられ、該主動レバー手段の下端部と該
   従動レバー部の中間部とが連結手段を介して連結された
   シート材料間欠送り装置において、 該主動レバー手段にはその長手方向に延びるガイド溝が
   形成され、 該連結手段は、該従動レバー部の一側方から突出するよ
   う該従動レバー部に装着されたローラ支持体と該ローラ
   支持体の端部に回転自在に支持された従動ローラ手段と
   を含み、該従動ローラ手段が該主動レバー手段の該ガイ
   ド溝に移動自在に嵌合され、 該ストローク調整機構は、該従動レバー部の長手方向に
   沿って延びかつ軸方向に移動できないよう該従動レバー
   部に支持された回転支持軸体と、該従動レバー部の長手
   方向に沿って上下動できかつそれ自体は回転できないよ
   う該回転支持軸体に支持された該ローラ支持体と、該揺
   動軸部に回転自在に支持されかつ一端に操作ハンドルが
   装着されたストローク調整軸と、該ローラ支持体の該上
   下動を阻止するため該ローラ支持体と該従動レバー部と
   の間に設けられたロック手段とを含み、該回転支持軸体
   の上方部にはねじ部が形成され下端には第１傘歯車が取
   り付けられ、該回転支持軸体の該ねじ部に該ローラ支持
   体が係合支持され、該ストローク調整軸の他端には第２
   傘歯車が取り付けられ、該第２傘歯車は該第１傘歯車に
   噛み合わされ、該操作ハンドルを回転させることにより
   該ローラ支持体は該従動レバー部に沿って上下動させら
   れると共に該従動ローラ手段が該主動レバー手段の該ガ
   イド溝に沿って上下動させられることを特徴とするシー
   ト材料間欠送り装置。
2. 【請求項２】 該従動レバー部には、該一側方及びこれ
   と反対側の他側方を貫通しかつ長手方向に延びる長孔が
   形成され、 該回転支持軸体の上方部に形成された該ねじ部は、該長
   孔内をそれに沿って延びるよう配置され、 該ローラ支持体は、該ねじ部に係合支持されると共に該
   長孔に嵌合して該ねじ部の回転により該長孔に沿って上
   下動する支持ブロック部と、該長孔から突出するローラ
   支持部とを有し、該支持ブロック部と該ローラ支持部と
   の間には、該従動レバー部の該一側方の面に当接する当
   接面を有する肩部が形成され、 該ロック手段は、該支持ブロック部の、該従動レバー部
   の該他側方側の端部に係合されたボルト手段と、該従動
   レバー部の該他側方の面に当接しうるよう該ボルト手段
   に移動自在に支持されたワッシャ部材とを含み、該ワッ
   シャ部材を強制移動させることにより、該ワッシャ部材
   が該従動レバー部の該他側方の面に押圧されると共に該
   ローラ支持体の該当接面が該一側方の面に押圧されて該
   ローラ支持体の該従動レバー部に対する上下動が阻止さ
   れるよう構成されたことを特徴とする請求項１記載のシ
   ート材料間欠送り装置。
3. 【請求項３】 該ワッシャ部材の該強制移動は該ボルト
   手段を締め付けることにより行なわれるよう構成された
   ことを特徴とする請求項２記載のシート材料間欠送り装
   置。
4. 【請求項４】 該ロック手段は、更に、該ワッシャ部材
   に隣接して該ボルト手段に支持された流体圧シリンダ機
   構を含み、該ワッシャ部材の該強制移動は該流体圧シリ
   ンダ機構を作動させることにより行なわれるよう構成さ
   れたことを特徴とする請求項２記載のシート材料間欠送
   り装置。
5. 【請求項５】 該搬送手段は、該シート材料を解除自在
   にクランプするクランプ手段を備え、該クランプ手段
   は、固定ジョーと該固定ジョーに対向して位置する可動
   ジョーと、該可動ジョーを該固定ジョーに対して移動さ
   せ、該固定ジョーと該可動ジョーとの間に位置付けられ
   た該シート材料を間欠的にクランプするクランプ作動手
   段とを含み、該クランプ作動手段は、リターン機能付き
   ダイヤフラムシリンダを含み、 該間欠揺動機構は、回転入力を揺動運動として出力する
   パラレル・カム機構を備え、該パラレル・カム機構は、
   該クランク軸と同期回転するよう該クランク軸に連結さ
   れた入力軸と該入力軸の回転により所定の角度範囲で間
   欠的に往復回動させられる出力軸を含み、該主動レバー
   手段の該上端部が該出力軸に連結されて該出力軸を中心
   に揺動運動させられるよう構成されたことを特徴とする
   請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載のシート
   材料間欠送り装置。
6. 【請求項６】 該搬送手段の側方であって装置外方から
   目視できる位置には、該搬送手段の移動方向に沿って所
   定の目盛りが固定配置され、該搬送手段の、該目盛りに
   隣接しかつ装置外方から目視できる位置には副尺が設け
   られていることを特徴とする請求項１ないし請求項５の
   いずれか１項に記載のシート材料間欠送り装置。