JP3513503B2 - 表面処理装置、光電変換素子および光電変換素子の製造方法 - Google Patents

表面処理装置、光電変換素子および光電変換素子の製造方法

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JP3513503B2
JP3513503B2 JP2001392604A JP2001392604A JP3513503B2 JP 3513503 B2 JP3513503 B2 JP 3513503B2 JP 2001392604 A JP2001392604 A JP 2001392604A JP 2001392604 A JP2001392604 A JP 2001392604A JP 3513503 B2 JP3513503 B2 JP 3513503B2
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ladder
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD装置、エッ
チング装置、アッシング装置、クリーニング装置のよう
な表面処理装置、太陽電池のような光電変換素子および
光電変換素子の製造方法に関し、特に原料ガスの供給形
態や電極の配置を改良した表面処理装置、この表面処理
装置によりpin構造を持つ微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層のうち、実質的に真性のi型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層を改良した光電変換素
子および光電変換素子の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の表面処理装置、例えばCVD装置
は、図6に示すように反応容器101と、この反応容器
内に配置され、加熱用ヒーターを内蔵した被処理物を支
持するための支持電極102と、前記反応容器101内
に前記支持電極102と所望の距離離間して平行に配置
された平板電極103と、この平板電極103にインピ
ーダンス整合器105を通して高周波電力を供給するた
め高周波電源104と、前記反応容器101に反応ガス
を供給するためのガス供給管106と、前記反応容器1
01内のガス排出するための真空ポンプのような排気設
備(図示せず)が連結された排出管107とを具備した
構造を有する。
【0003】このようなCVD装置において、例えばp
in構造の薄膜結晶性シリコン層(微結晶シリコン層ま
たは多結晶シリコン層)を有する例えば太陽電池ような
光電変換素子における発電層である前記i型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層は次のような方法によ
り製膜される。すなわち、接地電位とする前記支持電極
102に被処理物108を支持させた後、真空ポンプを
作動して前記反応容器101内のガスを排気し、さらに
被処理物108を加熱し、さらに排気を続行しながらS
iH4とH2との混合ガスを反応ガスとしてガス供給管1
06から前記反応容器101内に供給する。前記反応容
器101内が所定の圧力に到達した後、高周波電源10
4から高周波電力をインピーダンス整合器105を通し
て前記平板電極103に供給することにより、接地電位
の前記支持電極102との間でプラズマ109を発生さ
せる。このようなプラズマ109の発生により前記Si
4が解離して前記被処理物108表面にi型の微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層として製膜される。
【0004】しかしながら、前述したCVD装置は被処
理物108が支持された支持部材102と平板電極10
3の間でプラズマ109を発生させるため、プラズマ中
のイオンが前記被処理物108表面に製膜されたi型の
微結晶シリコン層または多結晶シリコン層に直接衝突す
るため、そのi型の微結晶シリコン層または多結晶シリ
コン層に欠陥を高密度で生じる。このような高密度の欠
陥を持つi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン
層を有する光電変換素子は、光電変換効率が著しく低下
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製膜時、エ
ッチング時等におけるプラズマ中のイオンによる衝撃を
著しく低減することが可能な表面処理装置を提供しよう
とするものである。
【0006】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
光電変換素子の製造において、製膜中の少なくとも実質
的に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層へのイオン衝撃を低減することが可能な光電変換素
子の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有し、
少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層の欠陥密度を低減した光電変換素子
を提供しようとするものである。
【0008】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
光電変換素子の製造において、製膜中の少なくとも実質
的に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層へのイオン衝撃を低減することが可能で、さらに前
記i型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
(110)優先配向させることを可能にした光電変換素
子の製造方法を提供しようとするものである。
【0009】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有し、
少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層の欠陥密度を低減し、さらに前記i
型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層が(11
0)優先配向された光電変換素子を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表面処理装
置は、反応容器と、前記反応容器内に配置され、加熱用
ヒーターを内蔵した被処理物を支持するための支持部材
と、前記反応容器内に前記支持部材と所望の距離離間し
て平行に配置され、接地電位とした第1はしご型電極
と、前記反応容器内に第1はしご型電極と前記支持部材
と反対側の位置において所望の距離離間して平行に配置
された第2はしご型電極と、前記第2はしご型電極に高
周波電力を供給するため電源と、前記反応容器に反応ガ
スを供給するためのガス供給手段と、前記反応容器内の
ガスを排出するための排出手段とを具備したことを特徴
とするものである。
【0011】本発明に係る光電変換素子の製造方法は、
基板上にpin構造またはnip構造を持つ微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を有する光電変換素子を
製造するに際し、前記pin構造またはnip構造を持
つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層のうち、少
なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層または
多結晶シリコン層は、請求項1記載の表面処理装置の支
持部材に前記基板を有する被処理物を支持させて加熱
し、Si含有ガスとH2との混合ガスを反応ガスとして
ガス供給手段から前記反応容器内に供給し、電源から第
2はしご型電極に高周波電力を供給して接地電位の第1
はしご型電極との間でプラズマを発生させることにより
製膜されることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る別の光電変換素子の製造方法
は、基板上にpin構造またはnip構造を持つ微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層を有する光電変換素
子を製造するに際し、前記pin構造またはnip構造
を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層のう
ち、少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層
または多結晶シリコン層は、請求項1記載の表面処理装
置の支持部材に前記基板を有する被処理物を支持させて
加熱し、SiH4とSiH2Cl2、SiHCl3およびS
iCl4から選ばれる少なくとも1つの塩素化ケイ素系
化合物ガスとH2との混合ガスを反応ガスとしてガス供
給手段から前記反応容器内に供給し、電源から第2はし
ご型電極に高周波電力を供給して接地電位の第1はしご
型電極との間でプラズマを発生させることにより製膜さ
れることを特徴とするものである。
【0013】本発明に係る光電変換素子は、前述したい
ずれかの方法で製造されることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明に係るタンデム型光電変換素子は、
前述したいずれかの方法で製造されたpin型ユニッ
ト、もしくはnip型ユニットを少なくとも1組み含む
ことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】(第1実施形態)図1は、この第1実施形
態の表面処理装置であるプラズマCVD装置を示す概略
図、図2は図1のCVD装置に組み込まれる第1はしご
型電極を示す斜視図である。
【0017】反応容器1内には、被処理物を保持し、図
示しない加熱ヒーターを内蔵した支持部材2が配置され
ている。図2に示す矩形状の第1はしご型電極3は、前
記支持部材2の下方に所望距離隔てて対向配置されてい
る。この第1はしご型電極3は、接地されている。
【0018】矩形状の第2はしご型電極4は、前記第1
はしご型電極3の下方に所望距離隔てて対向配置されて
いる。高周波電源5は、インピーダンス整合器6を通し
て前記第2はしご型電極4に接続されている。
【0019】底部が二重構造で空洞部7を有する有底矩
形筒状ガス案内部材8は、その上端で前記第2はしご型
電極4を囲むように前記反応容器1内に配置されてい
る。多数のガス吹き出し孔9は、前記ガス案内部材8の
底部に穿設され、その空洞部7に連通されている。ガス
供給管10は、外部から前記反応容器1を貫通して前記
ガス案内部材8にその空洞部7と連通するように連結さ
れている。排気管11は、前記反応容器1の下部側面に
連結され、かつ他端が図示しない真空ポンプのような排
気部材に連結されている。
【0020】前記第1はしご型電極3と前記支持部材2
に保持される被処理物12表面との距離(d)は、10
〜20mmにすることが好ましい。この距離(d)を1
0mm未満にすると、前記第1、第2はしご型電極3,
4間に発生されるプラズマ中のイオンにより被処理物表
面に衝撃を与える虞がある。一方、前記距離(d)が2
0mmを超えると、プラズマの領域と被処理物との距離
が離れすぎて製膜速度を低下させる虞がある。
【0021】前記第1、第2のはしご型電極3,4間の
距離(g)は、2〜10mmにすることが好ましい。こ
の距離(g)が前記範囲を外れると、それら電極3,4
間にプラズマを安定して発生させることが困難になる虞
がある。
【0022】次に、前述したプラズマCVD装置の作用
を説明する。
【0023】図1に示すプラズマCVD装置の支持部材
2に被処理物12を保持させた後、図示しない真空ポン
プを作動して排気管11を通して前記反応容器1内を真
空排気する。つづいて、前記支持部材2に内蔵された加
熱ヒーターに通電し、前記被処理物12を所望温度に加
熱する。加熱ヒーターによる加熱温度が十分安定した
後、反応容器1内に反応ガスをガス供給管10から有底
矩形筒状ガス案内部材8の空洞部7及び多数のガス吹き
出し孔9を通して導入し、反応容器1内を所定の圧力に
制御する。反応容器1内の温度および圧力が十分安定し
た後、高周波電源5から高周波電力をインピーダンス整
合器6を通して第2はしご型電極4に供給することによ
りこの第2はしご型電極4と接地電位とした第1はしご
型電極3との間にプラズマ13を発生させ、前記第1は
しご型電極3と所望の距離隔てて位置する前記被処理物
12上に所定の膜を製膜する。
【0024】以上、本発明に係るプラズマCVD装置は
反応容器内に接地電位とした第1はしご型電極を支持部
材と所望の距離離間して平行に配置し、前記反応容器内
に第2はしご型電極を前記第1はしご型電極と前記支持
部材と反対側の位置において所望の距離離間して平行に
配置し、この第2はしご型電極に高周波電源を接続し、
さらにガス供給手段および排気手段を設けた構造を有す
る。このような構造のプラズマCVD装置によれば、前
記反応容器内のガスを排気手段により排気し、この反応
容器内にガス供給手段から反応ガスを供給し、高周波電
源から高周波電力を前記第2はしご型電極に供給するこ
とによって、前記第1、第2のはしご型電極間にプラズ
マを発生させることができる。つまり前記支持部材に保
持された被処理物から所望距離隔てた領域にプラズマを
発生することができる。その結果、前記被処理物への前
記プラズマ中のイオンによる衝撃を著しく抑制できるた
め、イオン衝撃に起因する欠陥が少なく良好な膜質を有
する所望の膜を製膜することができる。
【0025】次に、本発明に係る光電変換素子、例えば
太陽電池の製造方法を前述した図1および図2に示すプ
ラズマCVD装置を参照して説明する。
【0026】(第1工程)透明絶縁性基板上に第1透明
電極を形成する。
【0027】前記透明絶縁性基板は、例えば光透過を示
すソーダライムガラスから作られる。
【0028】前記第1透明電極は、例えば酸化錫(Sn
2)、酸化インジウム錫(ITO)のような金属酸化
物から作られる。ここでは、水素による第1透明電極の
還元を抑制するため数十nmの厚さの酸化亜鉛膜(図示
せず)を第1透明電極上へ形成する。
【0029】(第2工程)前述した図1に示すプラズマ
CVD装置の支持部材2に前記第1透明電極が形成され
た透明絶縁性基板を被処理物12として保持させた後、
図示しない真空ポンプを作動して排気管11を通して前
記反応容器1内を真空排気する。つづいて、前記支持部
材2に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記被処理物
12の基板を所望温度に加熱する。加熱ヒーターによる
加熱温度が十分安定した後、反応容器1内に原料ガス
(反応ガス)であるSi含有ガス(例えばSiH4)、
2およびp型不純物ガスをガス供給管10から有底矩
形筒状ガス案内部材8の空洞部7及び多数のガス吹き出
し孔9を通して導入し、反応容器1内を所定の圧力に制
御する。被処理物12の温度および反応容器1内の圧力
が十分安定した後、高周波電源5から高周波電力をイン
ピーダンス整合器6を通して第2はしご型電極4に供給
することによりこの第2はしご型電極4と接地電位とし
た第1はしご型電極3との間にプラズマ13を発生さ
せ、前記第1はしご型電極3と所望の距離隔てて位置す
る前記被処理物12の第1透明電極上にp型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層を製膜する。
【0030】前記p型不純物としては、例えばB26
を用いることができる。
【0031】(第3工程)p型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層を製膜した後、高周波電力および原
料ガスの供給を停止し、反応容器1内を真空排気する。
つづいて、前記支持部材2に内蔵された加熱ヒーターに
通電し、前記被処理物12の基板を所望温度に加熱す
る。加熱ヒーターによる加熱温度が十分安定した後、反
応容器1内に原料ガス(反応ガス)であるSi含有ガス
(例えばSiH4)およびH2をガス供給管10から有底
矩形筒状ガス案内部材8の空洞部7及び多数のガス吹き
出し孔9を通して導入し、反応容器1内を所定の圧力に
制御する。被処理物12の温度および反応容器1内の圧
力が十分安定した後、高周波電源5から高周波電力をイ
ンピーダンス整合器6を通して第2はしご型電極4に供
給することにより、この第2はしご型電極4と接地電位
とした第1はしご型電極3との間にプラズマ13を発生
させ、前記第1はしご型電極3と所望の距離隔てて位置
する前記被処理物12のp型の微結晶シリコン層または
多結晶シリコン層上に実質的に真性のi型の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を製膜する。
【0032】前記支持部材2の加熱ヒーターによる前記
被処理物12の加熱は、120〜400℃の温度にする
ことが好ましい。
【0033】前記反応容器1内の圧力を0.1〜5To
rrの範囲に設定することが好ましい。
【0034】反応容器1内に供給する原料ガスは、Si
2Cl2、SiHCl3およびSiCl4から選ばれる少
なくとも1つの塩素化ケイ素系化合物ガスをさらに含有
することを許容する。このような塩素化ケイ素系化合物
ガスを原料ガスに添加することによって、前記支持部材
2の加熱ヒーターによる被処理物の透明絶縁性基板を1
20〜300℃の比較的低温の加熱条件の下で(11
0)優先配向性を有する実質的に真性のi型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層を製膜することが可能
になる。
【0035】前記塩素化ケイ素系化合物ガスは、前記S
iH4と前記塩素化ケイ素系化合物ガスの合計流量に対
して流量比で1〜80%の範囲にて前記反応容器1に供
給することが好ましい。前記塩素化ケイ素系化合物ガス
の流量比を1%未満にすると、120〜300℃の比較
的低温の加熱条件の下では膜質が良好な実質的に真性な
i型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を製膜
することが困難になる。一方、前記塩素化ケイ素系化合
物ガスの流量比が80%を超えると、i型微結晶シリコ
ン層または多結晶シリコン層がCl、Cl2等にエッチ
ングされ製膜速度が低下する、またi型シリコン層がア
モルファス化する虞がある。より好ましい前記塩素化ケ
イ素系化合物ガスの流量比は、10%〜40%である。
【0036】前記塩素化ケイ素系化合物ガスの流量比を
1〜80%に設定することによって、(110)優先配
向がより向上され、かつ塩素を1×1018cm-3〜8×
10 20cm-3含有する実質的に真性なi型の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を形成することが可能に
なる。
【0037】なお、前記塩素化ケイ素系化合物ガスをS
iH4とH2とに混合するにあたり、H2で希釈したガス
を使用することを許容する。
【0038】前記反応容器内にプラズマを発生させる際
の圧力は、0.5〜10Torrの範囲、より好ましく
は0.5〜3.0Torrの範囲に設定することが望ま
しい。
【0039】(第4工程)i型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層を製膜した後、高周波電力および原
料ガスの供給を停止し、反応容器1内を真空排気する。
つづいて、前記支持部材2に内蔵された加熱ヒーターに
通電し、前記被処理物12の基板を所望温度に加熱す
る。加熱ヒーターによる加熱温度が十分安定した後、こ
の反応容器1内に原料ガスであるSi含有ガス(例えば
SiH4)、H2およびn型不純物ガスをガス供給管10
から有底矩形筒状ガス案内部材8の空洞部7及び多数の
ガス吹き出し孔9を通して導入し、反応容器1内を所定
の圧力に制御する。被処理物12の温度および反応容器
1内の圧力が十分安定した後、高周波電源5から高周波
電力をインピーダンス整合器6を通して第2はしご型電
極4に供給することによりこの第2はしご型電極4と接
地電位とした第1はしご型電極3との間にプラズマ13
を発生させ、前記第1はしご型電極3と所望の距離隔て
て位置する前記被処理物12のi型の微結晶シリコン層
または多結晶シリコン層上にn型の微結晶シリコン層ま
たは多結晶シリコン層を製膜する。この後、前記被処理
物をプラズマCVD装置の反応容器1から取り出し、前
記n型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層上に
第2透明電極および裏面電極を順次形成して太陽電池を
製造する。この太陽電池は、透明絶縁性基板側から太陽
光のような光を入射させて前記pin構造の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層で光電変換させることに
より起電される。
【0040】前記n型不純物ガスとしては、例えばPH
3等を用いることができる。
【0041】前記第2透明電極は、例えば酸化インジウ
ム錫(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛から作られる。
【0042】前記裏面電極は、例えばAl,Agから作
られる。
【0043】なお、前述した透明絶縁性基板側から光を
入射するタイプの太陽電池の製造において第1透明電極
側からp型、i型、n型の微結晶シリコン層または多結
晶シリコン層を順次製膜してpin構造としたが、n
型、i型、p型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層を順次製膜してnip構造としてもよい。
【0044】また、前記第1透明電極と前記pin構造
またはnip構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶
シリコン層との間に、p、i、nの配列が前記微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層と同様なpin構造ま
たはnip構造を持つアモルファスシリコン層を配置す
ることを許容する。
【0045】さらに、本発明において第2透明電極側か
ら光を入射するタイプの太陽電池の製造方法にも同様に
適用することができる。この太陽電池の製造において、
第1透明電極側からn型、i型、p型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層を順次製膜してnip構造と
したり、p型、i型、n型の微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層を順次製膜してpin構造としたり、い
ずれでもよい。また、前記nip構造またはpin構造
を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層と前記
第2透明電極との間に、p、i、nの配列が前記微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層と同様なnip構造
またはpin構造を持つアモルファスシリコン層を配置
することを許容する。
【0046】以上、前述した光電変換素子、例えば太陽
電池の製造において図1および図2に示すプラズマCV
D装置を用いて支持部材2に基板を有する被処理物12
を支持させて加熱し、Si含有ガス(例えばSiH4
とH2との混合ガスを反応ガスとしてガス供給手段から
前記反応容器1内に供給し、高周波電源から第2はしご
型電極4に高周波電力を供給して接地電位の第1はしご
型電極3との間でプラズマ13を発生させることによ
り、前記被処理物12表面への前記プラズマ中のイオン
による衝撃を著しく抑制できるため、イオン衝撃に起因
する欠陥が少なく良好な膜質を有する実質的に真性なi
型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を製膜す
ることが可能になる。その結果、高い光電変換効率を示
す太陽電池を製造することができる。
【0047】また、SiH4とSiH2Cl2、SiHC
3およびSiCl4から選ばれる少なくとも1つの塩素
化ケイ素系化合物ガスとH2との混合ガスを原料ガスと
して用い、第1、第2のはしご型電極間にプラズマを発
生させることによって、120〜300℃の比較的低温
の加熱条件の下で(110)優先配向性を有するi型の
微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を製膜するこ
とが可能になる。その結果、(110)優先配向性を有
する実質的に真性なi型の微結晶シリコン層または多結
晶シリコン層を製膜でき、例えば透明絶縁性基板側から
太陽光のような光を入射した際、高い光電変換効率を示
す太陽電池を製造することができる。
【0048】(第2実施形態)図3は、この第2実施形
態の表面処理装置であるエッチング装置およびアッシン
グ装置を示す概略図である。
【0049】反応容器21内には、被処理物を保持し、
図示しない加熱ヒーターを内蔵した支持部材22が配置
されている。前述した図2に示す矩形状の第1はしご型
電極23は、前記支持部材22の上方に所望距離隔てて
対向配置されている。この第1はしご型電極23は、接
地されている。
【0050】矩形状の第2はしご型電極24は、前記第
1はしご型電極23の上方に所望距離隔てて対向配置さ
れている。高周波電源25は、インピーダンス整合器2
6を通して前記第2はしご型電極24に接続されてい
る。
【0051】底部が二重構造で空洞部27を有する矩形
上部封じ筒状ガス案内部材28は、その下端で前記第2
はしご型電極24を囲むように前記反応容器21内に配
置されている。多数のガス吹き出し孔29は、前記ガス
案内部材28の底部に穿設され、その空洞部27に連通
されている。ガス供給管30は、外部から前記反応容器
21を貫通して前記ガス案内部材28にその空洞部27
と連通するように連結されている。排気管31は、前記
反応容器21の下部側面に連結され、かつ他端が図示し
ない真空ポンプのような排気部材に連結されている。
【0052】前記第1はしご型電極23と前記支持部材
22に保持される被処理物32表面との距離(d)は、
10〜20mmにすることが好ましい。この距離(d)
を10mm未満にすると、前記第1、第2はしご型電極
23,24間に発生されるプラズマ中のイオンにより被
処理物表面に衝撃を与える虞がある。一方、前記距離
(d)が20mmを超えると、プラズマの領域と被処理
物との距離が離れすぎてエッチング速度を低下させる虞
がある。
【0053】前記第1、第2のはしご型電極23,24
間の距離(g)は、5〜10mmにすることが好まし
い。この距離(g)が前記範囲を外れると、それら電極
23,24間にプラズマを安定して発生させることが困
難になる虞がある。
【0054】次に、前述したエッチング装置の作用を説
明する。
【0055】図3に示すエッチング装置の支持部材22
に表面にレジストパターンのようなマスクが形成された
被膜を有する被処理物32を保持させた後、図示しない
真空ポンプを作動して排気管31を通して前記反応容器
21内を真空排気する。つづいて、反応容器21内に反
応ガスであるエッチングガスをガス供給管30から有底
矩形筒状ガス案内部材28の空洞部27及び多数のガス
吹き出し孔29を通して導入し、反応容器21内を所定
の圧力に制御する。反応容器21内の圧力が十分安定し
た後、高周波電源25から高周波電力をインピーダンス
整合器26を通して第2はしご型電極24に供給するこ
とによりこの第2はしご型電極24と接地電位とした第
1はしご型電極23との間にプラズマ33を発生させ、
前記第1はしご型電極23と所望の距離隔てて位置する
前記被処理物32表面の被膜を前記レジストパターンを
マスクとしてエッチングする。
【0056】以上、本発明に係るエッチング装置は反応
容器内に接地電位とした第1はしご型電極を支持部材と
所望の距離離間して平行に配置し、前記反応容器内に第
2はしご型電極を前記第1はしご型電極と前記支持部材
と反対側の位置において所望の距離離間して平行に配置
し、この第2はしご型電極に高周波電源を接続し、さら
にガス供給手段および排気手段を設けた構造を有する。
このような構造のエッチング装置によれば、前記反応容
器内のガスを排気手段により排気し、この反応容器内に
ガス供給手段から反応ガスを供給し、高周波電源から高
周波電力を前記第2はしご型電極に供給することによっ
て、前記第1、第2のはしご型電極間にプラズマを発生
させることができる。つまり前記支持部材に保持された
被処理物から所望距離隔てた領域にプラズマを発生する
ことができる。その結果、前記被処理物表面への前記プ
ラズマ中のイオンによる衝撃を著しく抑制できるため、
イオン衝撃に起因する表面欠陥を招くことなく、良好に
エッチングすることができる。
【0057】次に、前述した図3に示すアッシング装置
の作用を説明する。
【0058】図3に示すアッシング装置の支持部材22
にマスクとしてのレジストパターンが残存された被処理
物32を保持させた後、図示しない真空ポンプを作動し
て排気管31を通して前記反応容器21内を真空排気す
る。つづいて、前反応容器21内に反応ガスである酸素
のようなアッシングガスをガス供給管30から有底矩形
筒状ガス案内部材28の空洞部27及び多数のガス吹き
出し孔29を通して導入し、反応容器21内を所定の圧
力に制御する。反応容器21内の圧力が十分安定した
後、高周波電源25から高周波電力をインピーダンス整
合器26を通して第2はしご型電極24に供給すること
によりこの第2はしご型電極24と接地電位とした第1
はしご型電極23との間にプラズマ33を発生させ、前
記第1はしご型電極23と所望の距離隔てて位置する前
記被処理物32表面のレジストパターンをアッシング除
去する。
【0059】以上、本発明に係るアッシング装置は反応
容器内に接地電位とした第1はしご型電極を支持部材と
所望の距離離間して平行に配置し、前記反応容器内に第
2はしご型電極を前記第1はしご型電極と前記支持部材
と反対側の位置において所望の距離離間して平行に配置
し、この第2はしご型電極に高周波電源を接続し、さら
にガス供給手段および排気手段を設けた構造を有する。
このような構造のアッシング装置によれば、前記反応容
器内のガスを排気手段により排気し、この反応容器内に
ガス供給手段から反応ガスを供給し、高周波電源から高
周波電力を前記第2はしご型電極に供給することによっ
て、前記第1、第2のはしご型電極間に酸素プラズマを
発生させることができる。つまり前記支持部材に保持さ
れた被処理物から所望距離隔てた領域にプラズマを発生
することができる。その結果、前記被処理物表面への前
記プラズマ中のイオンによる衝撃を著しく抑制できるた
め、イオン衝撃に起因する表面欠陥を招くことなく、レ
ジストパターンを良好にアッシング除去することができ
る。
【0060】(第3実施形態)図4は、この第3実施形
態の表面処理装置であるクリーニング装置を示す概略図
である。
【0061】反応容器41内には、被処理物を保持する
回転自在な支持部材42が配置されている。前述した図
2に示す矩形状の第1はしご型電極43は、前記支持部
材42の上方に所望距離隔てて対向配置されている。こ
の第1はしご型電極43は、接地されている。
【0062】矩形状の第2はしご型電極44は、前記第
1はしご型電極43の上方に所望距離隔てて対向配置さ
れている。高周波電源45は、インピーダンス整合器4
6を通して前記第2はしご型電極44に接続されてい
る。
【0063】底部が二重構造で空洞部47を有する矩形
上部封じ筒状ガス案内部材48は、その下端で前記第2
はしご型電極44を囲むように前記反応容器41内に配
置されている。多数のガス吹き出し孔49は、前記ガス
案内部材48の底部に穿設され、その空洞部47に連通
されている。ガス供給管50は、外部から前記反応容器
21を貫通して前記ガス案内部材48にその空洞部47
と連通するように連結されている。排気管51は、前記
反応容器41の下部側面に連結され、かつ他端が図示し
ない真空ポンプのような排気部材に連結されている。
【0064】前記第1はしご型電極43と前記支持部材
42に保持される被処理物52表面との距離(d)は、
10〜20mmにすることが好ましい。この距離(d)
を10mm未満にすると、前記第1、第2はしご型電極
43,44間に発生されるプラズマ中のイオンにより被
処理物52表面に衝撃を与える虞がある。一方、前記距
離(d)が20mmを超えると、プラズマの領域と被処
理物との距離が離れすぎてクリーニング速度を低下させ
る虞がある。
【0065】前記第1、第2のはしご型電極43,44
間の距離(g)は、5〜10mmにすることが好まし
い。この距離(g)が前記範囲を外れると、それら電極
43,44間にプラズマを安定して発生させることが困
難になる虞がある。
【0066】次に、前述したクリーニング装置の作用を
説明する。
【0067】図4に示すクリーニング装置の支持部材4
2に表面に例えば金属ブロック、半導体ウェハのような
被処理物52を保持させた後、図示しない真空ポンプを
作動して排気管51を通して前記反応容器41内を真空
排気する。つづいて、反応容器41内に反応ガスである
エッチングガスをガス供給管50から有底矩形筒状ガス
案内部材48の空洞部47及び多数のガス吹き出し孔4
9を通して導入し、反応容器41内を所定の圧力に制御
する。反応容器41内の圧力が十分安定した後、高周波
電源45から高周波電力をインピーダンス整合器46を
通して第2はしご型電極44に供給することによりこの
第2はしご型電極44と接地電位とした第1はしご型電
極43との間にプラズマ53を発生させ、前記第1はし
ご型電極43と所望の距離隔てて位置する前記被処理物
52表面をクリーニングする。
【0068】以上、本発明に係るクリーニング装置は反
応容器内に接地電位とした第1はしご型電極を支持部材
と所望の距離離間して平行に配置し、前記反応容器内に
第2はしご型電極を前記第1はしご型電極と前記支持部
材と反対側の位置において所望の距離離間して平行に配
置し、この第2はしご型電極に高周波電源を接続し、さ
らにガス供給手段および排気手段を設けた構造を有す
る。このような構造のエッチング装置によれば、前記反
応容器内のガスを排気手段により排気し、この反応容器
内にガス供給手段から反応ガスを供給し、高周波電源か
ら高周波電力を前記第2はしご型電極に供給することに
よって、前記第1、第2のはしご型電極間にプラズマを
発生させることができる。つまり前記支持部材に保持さ
れた被処理物から所望距離隔てた領域にプラズマを発生
することができる。その結果、前記被処理物表面への前
記プラズマ中のイオンによる衝撃を著しく抑制できるた
め、イオン衝撃に起因する表面欠陥を招くことなく、良
好にクリーニングすることができる。
【0069】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0070】(実施例1)この実施例1では、透明絶縁
性基板側から光を入射するタイプでpin構造が微結晶
シリコンからなる太陽電池の製造工程を図5を参照して
説明する。
【0071】まず、光透過を有する50mm×50mm
×1mmのソーダライムガラスからなる透明絶縁性基板
61上に酸化錫(SnO2)とこれよりも薄い亜鉛(Z
nO)の二層膜からなる第1透明電極62を形成した。
【0072】次いで、前述した図1に示すプラズマCV
D装置におけるp層製膜用の反応容器1内の支持部材2
に前記透明電極62が形成された透明絶縁性基板61を
被処理物12として保持させた後、図示しない真空ポン
プを作動して排気管11を通して前記反応容器1内を1
×10 8Torr以下に真空排気した。つづいて、前
記支持部材2に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記
被処理物12の基板を160℃に加熱した。加熱ヒータ
ーによる加熱温度が十分安定した後、反応容器1内に原
料ガス(反応ガス)であるSiH4、H2およびB26
ガス供給管10から有底矩形筒状ガス案内部材8の空洞
部7及び多数のガス吹き出し孔9を通して導入し、反応
容器1内を500mTorrの圧力に制御した。被処理
物12の基板61の温度および反応容器1内の圧力が十
分安定した後、高周波電源5からの高周波電力をインピ
ーダンス整合器6を通して第2はしご型電極4に供給す
ることによりこの第2はしご型電極4と接地電位とした
第1はしご型電極3との間にプラズマ13を発生させ、
前記第1はしご型電極3と所望の距離隔てて位置する前
記被処理物12の第1透明電極62上に厚さ30nmの
p型微結晶シリコン層63を製膜した。
【0073】次いで、p型の微結晶シリコン層63を製
膜した後、高周波電力および原料ガスの供給を停止し、
反応容器1内を真空排気した後、下記条件で厚さ1.5
μmの実質的に真性のi型微結晶シリコン層64を製膜
した。
【0074】・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・第1はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:30W 原料ガス流量:モノシランガス(SiH4)5scc
m、 水素ガス(H2)300sccm。
【0075】次いで、実質的に真性なi型微結晶シリコ
ン層64の製膜後、高周波電力および原料ガスの供給を
停止し、反応容器1内を真空排気した。つづいて、支持
部材2に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記被処理
物12の基板61を160℃に加熱した。加熱ヒーター
による加熱温度が十分安定した後、この反応容器1内に
原料ガスであるSiH4、H2およびPH3をガス供給管
10から有底矩形筒状ガス案内部材8の空洞部7及び多
数のガス吹き出し孔9を通して導入し、反応容器1内を
700mTorrの圧力に制御した。被処理物12の基
板61の温度および反応容器1内の圧力が十分安定した
後、高周波電源5から高周波電力をインピーダンス整合
器6を通して第2はしご型電極4に供給することにより
この第2はしご型電極4と接地電位とした第1はしご型
電極3との間にプラズマ13を発生させ、前記第1はし
ご型電極3と所望の距離隔てて位置する前記被処理物1
2のi型の微結晶シリコン層64上にn型の微結晶シリ
コン層65を製膜した。この後、前記被処理物をプラズ
マCVD層の反応容器1から取り出し、前記n型微結晶
シリコン層65に酸化インジウム(ITO)からなる第
2透明電極66およびAlからなる裏面電極67を順次
形成して図5に示す太陽電池を製造した。
【0076】(比較例1)前述した図6に示すプラズマ
CVD装置を用いてi型の微結晶シリコン層を下記条件
で製膜した。
【0077】・基板サイズ:50mm×50mm×1m
m、 ・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・平行平板電極−基板間間隔(d):15mm、 ・高周波電力:30W、 ・原料ガス流量:モノシランガス(SiH4)5scc
m 水素ガス(H2)300sccm、 ・膜厚:1.5μm。
【0078】実施例1および比較例1において製膜した
i型の微結晶シリコン層について、ESR(電子スピン
共鳴法)で欠陥密度を計測した。その結果、実施例1で
は欠陥密度が5×1015個/cm3であるのに対し、比
較例1では欠陥密度が6.8×1017個/cm3と高い
値を示した。
【0079】また、実施例1および比較例1において製
膜したi型の微結晶シリコン層について、X線回折法で
(220)/(111)配向比を計測した。ここで、配
向比とは、θ−2θ法で計測したX線回折ピークのう
ち、(220)面により回折した強度の、(111)面
により回折した強度に対する比で表す。その結果、実施
例1では6.2、比較例1では2.1であった。
【0080】さらに、本実施例1により得られた太陽電
池の光電変換効率は、前述した図6に示すプラズマCV
D装置を用いてp型、i型およびn型の微結晶シリコン
層を製膜した比較例1の太陽電池に比べて1.082倍
であった。
【0081】(実施例2)図1に示すプラズマCVD装
置を用いてi型微結晶シリコン層を下記条件で製膜した
以外、実施例1と同様な方法により太陽電池を製造し
た。
【0082】・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・第1はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:10W、 ・原料ガス流量:モノシランガス(SiH4)4scc
m、 ジクロロシランガス(SiH2Cl2)1sccm([モ
ノシランガス+ジクロロシランガス]の合計流量に対す
る流量比で約20%) 水素ガス(H2)300sccm、 ・膜厚:1.5μm。
【0083】実施例2において製膜したi型の微結晶シ
リコン層について、ESR(電子スピン共鳴法)で欠陥
密度を計測した。その結果、5×1015個/cm3であ
った。
【0084】また、X線回折法で計測したi型の微結晶
シリコン層の(220)/(111)配向比は、23で
あった。原料ガスにジクロロシランガスを添加すること
により、実施例1に比べて高配向性の実質的に真性のi
型の微結晶シリコン層を製膜できることがわかる。
【0085】また、本実施例2により得られた太陽電池
の光電変換効率は、前述した図6に示すプラズマCVD
装置を用いてp型、i型およびn型の微結晶シリコン層
を製膜した比較例1の太陽電池に比べて1.103倍で
あった。
【0086】(実施例3)前述した図3のエッチング装
置により、シリコン基板上の酸化ケイ素膜を下記条件で
エッチングを行った。
【0087】・基板サイズ:φ6インチ×600μm
厚、 ・基板温度:室温、 ・圧力:300mTorr、 ・第1はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:20W、 ・エッチングガス流量:三弗化メタン(CHF3)10
0sccm。
【0088】前記条件下でのエッチングにより、基板に
損傷を与えることなく酸化ケイ素膜を良好にエッチング
加工ができた。
【0089】(実施例4)前述した図3のエッチング装
置により、シリコン基板を下記条件でエッチングを行っ
た。
【0090】・基板サイズ:φ6インチ×600μm
厚、 ・基板温度:室温、 ・圧力:300mTorr、 ・第1はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:20W、 ・エッチングガス流量:四弗化メタン(CF4)100
sccm 酸素(O2)20sccm。
【0091】前記条件下でのエッチングにより、シリコ
ン基板に損傷を与えることなく、良好にエッチング加工
ができた。
【0092】(実施例5)前述した図3に示すアッシン
グ装置により、シリコン基板上のポジ型フォトレジスト
を下記条件でアッシングを行った。
【0093】・基板サイズ:φ6インチ×600μm
厚、 ・基板温度:室温、 ・圧力:2Torr、 ・第1はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:20W、 ・アッシングガス流量:酸素(O2)500sccm、 水蒸気(H2O)3sccm。
【0094】上記条件でアッシングすることにより基板
に損傷を与えることなく、フォトレジストを良好にアッ
シングすることができた。
【0095】(実施例6)前述した図4に示すクリーニ
ング装置により円柱状ブロック表面の有機汚染物を下記
条件でクリーニングを行った。
【0096】・ブロックサイズ:φ50mm×30mm
厚、 ・ブロック温度:室温、 ・圧力:2Torr、 ・第1はしご型電極−ブロック間隔(d):25mm、 ・第1はしご型電極−第2はしご型電極間隔(g):1
0mm、 ・高周波電力:20W、 ・クリーニングガス流量:酸素(O2)500scc
m。
【0097】上記条件でクリーニングすることにより、
ブロック表面に損傷を与えることなく、良好に清浄化
(有機物汚染の除去)することができた。
【0098】また、ガスの種類を三弗化メタン(CHF
3)に変更すればシリコン表面の酸化層の除去に適用す
ることができる。さらに、塩素(Cl2)に変更すれば
シリコン表面の金属汚染層の除去に適することができ
る。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、製
膜時、エッチング時等におけるプラズマ中のイオンによ
る衝撃を著しく低減することが可能な表面処理装置を提
供することができる。
【0100】本発明によれば,pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有する光電変換素子の製造において、製膜中の少なくと
も実質的に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶
シリコン層へのイオン衝撃を低減して欠陥密度を低くで
き、光電変換効率が向上された光電変換素子の製造方法
を提供することができる。
【0101】本発明によれば、pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有し、少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層の欠陥密度を低減し、光電変
換効率が向上された光電変換素子を提供することができ
る。
【0102】本発明によれば、pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有する光電変換素子の製造において、製膜中の少なくと
も実質的に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶
シリコン層へのイオン衝撃を低減して欠陥密度を低くで
き、さらに前記i型の微結晶シリコン層または多結晶シ
リコン層を(110)優先配向させることを可能にした
光電変換効率が向上された光電変換素子の製造方法を提
供することができる。
【0103】本発明によれば、pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有し、少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層の欠陥密度を低減し、さらに
前記i型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層が
(110)優先配向され、光電変換効率が向上された光
電変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマCVD装置を示す概略
図。
【図2】図1に組み込まれた第1はしご型電極を示す平
面図。
【図3】本発明に係るエッチング装置(アッシング装
置)を示す概略図。
【図4】本発明に係るクリーニング装置を示す概略図。
【図5】本発明の実施例1で製造された太陽電池の構造
を示す断面図。
【図6】従来のプラズマCVD装置を示す概略図。
【符号の説明】
1,21,41…反応容器、 2,22,42…支持部材、 3,23,43…第1はしご型電極、 4,24,44…第2はしご型電極、 5,25,45…高周波電源、 6,26,46…インピーダンス整合器、 10,30,50…ガス供給管、 11,31,51…排気管、 12,32,52…被処理物、 13,33,53…プラズマ、 61…透明絶縁性基板、 62…第1透明電極、 63…p型微結晶シリコン層、 64…i型微結晶シリコン層、 65…n型微結晶シリコン層、 66…第2透明電極、 67…裏面電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 要治 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (72)発明者 佐竹 宏次 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (56)参考文献 特開 平8−37097(JP,A) 特開2000−232073(JP,A) 特開2001−77029(JP,A) 特開2000−277439(JP,A) 特開 平6−260434(JP,A) 特開 昭53−91665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/509 H01L 21/3065 H01L 31/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器と、 前記反応容器内に配置され、加熱用ヒーターを内蔵した
    被処理物を支持するための支持部材と、 前記反応容器内に前記支持部材と所望の距離離間して平
    行に配置され、接地電位とした第1はしご型電極と、 前記反応容器内に第1はしご型電極と前記支持部材と反
    対側の位置において所望の距離離間して平行に配置され
    た第2はしご型電極と、 前記第2はしご型電極に高周波電力を供給するための電
    源と、 前記反応容器に反応ガスを供給するためのガス供給手段
    と、 前記反応容器内のガスを排出するための排出手段とを具
    備したことを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材に支持された前記被処理物
    表面と前記接地電位の第1はしご型電極との距離は、1
    0〜20mmであり、前記第1、第2のはしご型電極間
    の距離は2〜10mmであることを特徴とする請求項1
    記載の表面処理装置。
  3. 【請求項3】 基板上にpin構造またはnip構造を
    持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
    光電変換素子を製造するに際し、 前記pin構造またはnip構造を持つ微結晶シリコン
    層または多結晶シリコン層のうち、少なくとも実質的に
    真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層
    は、請求項1記載の表面処理装置の支持部材に前記基板
    を有する被処理物を支持させて加熱し、Si含有ガスと
    2との混合ガスを反応ガスとしてガス供給手段から前
    記反応容器内に供給し、電源から第2はしご型電極に高
    周波電力を供給して接地電位の第1はしご型電極との間
    でプラズマを発生させることにより製膜されることを特
    徴とする光電変換素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上にpin構造またはnip構造を
    持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
    光電変換素子を製造するに際し、 前記pin構造またはnip構造を持つ微結晶シリコン
    層または多結晶シリコン層のうち、少なくとも実質的に
    真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層
    は、請求項1記載の表面処理装置の支持部材に前記基板
    を有する被処理物を支持させて加熱し、SiH4とSi
    2Cl2、SiHCl3およびSiCl4から選ばれる少
    なくとも1つの塩素化ケイ素系化合物ガスとH2との混
    合ガスを反応ガスとしてガス供給手段から前記反応容器
    内に供給し、電源から第2はしご型電極に高周波電力を
    供給して接地電位の第1はしご型電極との間でプラズマ
    を発生させることにより製膜されることを特徴とする光
    電変換素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記i型の微結晶シリコン層
    または多結晶シリコン層の製膜において、前記支持部材
    の加熱ヒーターにより120〜400℃の温度に加熱す
    ることを特徴とする請求項3または4記載の光電変換素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくともi型の微結晶シリコン層また
    は多結晶シリコン層の製膜において、前記反応容器の圧
    力を0.1〜5Torrの範囲に設定することを特徴と
    する請求項3または4記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塩素化ケイ素系化合物ガスは、前記
    SiH4と前記塩素化ケイ素系化合物ガスの合計流量に
    対して流量比で1〜80%の範囲にて前記反応容器に供
    給されることを特徴とする請求項4記載の光電変換素子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれかの方法で製造し
    たことを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項3〜7のいずれかの方法で製造し
    たpin型ユニット、もしくはnip型ユニットを少な
    くとも1組含むことを特徴とするタンデム型光電変換素
    子。
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