JP3510145B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつ

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Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、使い捨ておむつ
に関し、より詳しくは、尿が排泄されたことをおむつの
外側からすばやく観取することができる前記おむつに関
する。 【０００２】 【従来の技術】特開平５−２０００６３号公報には、使
い捨ておむつの裏面シートに使用する通気不透液性のシ
ートが開示されている。このシートは、無機充填剤粒子
を含むポリオレフィン系プラスチックシートであって、
この粒子の存在によって表面全体が粗面化されたシート
を熱エンボスロールで処理することにより、その処理さ
れた部分の表面が平滑化されている。このシートの平滑
面部分は、透視性がよく、尿で汚れた吸収体をそれと識
別することが容易である。このシートの粗面部分は、光
を拡散して透視性が悪く、そのような識別には向かない
が、汚れた吸収体を隠蔽することには適している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】透視性と隠蔽性とを兼
ね備えた前記公知のシートは、シート押出工程とは別
に、エンボス工程を経なければならないから、製造コス
トがかさみがちである。 【０００４】そこで、この発明では、使い捨ておむつに
おける透視性と隠蔽性とを兼ね備えた裏面シートを低コ
ストで供給できるようにすることを課題にしている。 【０００５】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと、
通気不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在す
る吸液性コアとから構成され、前記裏面シートが、無機
充填剤粒子を含有する延伸プラスチックフィルムであっ
て前記粒子の存在によって粗面を呈するとともに、８０
０〜３０００ｇ／ｍ ２ ・２４ｈｒの透湿度と６０〜８５
％の全光線透過率とを有する使い捨ておむつである。 【０００６】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記おむつでは、前記裏面シートが前後方
向へ延びるように直線状に塗布されたホットメルト接着
剤を介して前記コアに接合され、前記ホットメルト接着
剤の温度が前記裏面シートを軟化ないし僅かに溶融し得
る程度にあるときに、前記裏面シートと前記ホットメル
ト接着剤とが接着され、前記裏面シートは、前記ホット
メルト接着剤が塗布された部位の表面が該部位周囲の表
面よりも実 質的に平滑化されることで、前記裏面シート
外側から前記コアの湿潤状態を識別できる容易さが前記
裏面シートと前記コアとの非接合部位よりも前記裏面シ
ートの前記コアに対する接合部位において優れているこ
と、にある。 【０００７】 【０００８】 【０００９】 【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、この発明
に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとお
りである。 【００１０】図１に部分破断斜視図で示された使い捨て
おむつ１は、透液性表面シート２と、通気不透液性裏面
シート３と、これら両シート２，３間に介在する吸液性
コア４とから構成されている。表裏面シート２，３は、
コア４の周縁から延出する部分で重なり合い、ホットメ
ルト接着剤１６を介して接合している。おむつ１の前後
方向には、前胴周り域６と、後胴周り域７と、これら両
域６，７間に位置する股下域８とが形成されている。股
下域８では、おむつ１の側縁が内側へ向かって湾曲し、
その側縁に沿って脚周り弾性部材９が延びている。後胴
周り域７の両側縁からは、テープファスナ１１が側方へ
延出している。後胴周り域７には、端縁に沿って胴周り
弾性部材１２が延びている。弾性部材９，１２は、表裏
面シート２，３の間に位置し、これらシート２，３の少
なくとも一方の内面に伸長状態で接合されている。 【００１１】表面シート２は、不織布または開孔プラス
チックシートで形成されており、好ましくは、ＪＩＳ−
Ｌ−１０９２に準拠した耐水度が０〜２００ｍｍの範囲
にある。 【００１２】裏面シート３は、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の無機充填剤粒子を含有し、一軸または二軸に
延伸されたポリオレフィン系などのプラスチックフィル
ムであって、無機充填剤粒子の存在によって表面全体が
粗面を呈する。裏面シート３の通気度は、ＪＩＳ−Ｚ−
０２０８に準拠して測定される透湿度によって表現する
ことができ、その値は８００〜３０００ｇ／ｍ２・２４
ｈｒの範囲にある。裏面シート３のＪＩＳ−Ｋ−７１０
５に準拠した全光線透過率は、６０〜８５％の範囲にあ
る。 【００１３】コア４は、粉砕パルプまたは粉砕パルプと
高吸収性ポリマー粒子との混合物が、ほぼ砂時計型に成
形され、ティッシュペーパー１３で被覆されている。 【００１４】図２は、裏面シート３の側から見たおむつ
１の部分破断平面図であり、股下域８には尿が排泄され
たときに裏面シート３の外側から観取される状態が示さ
れている。裏面シート３は、前後方向へ延びるように直
線状に塗布された複数条のホットメルト接着剤１６を介
して、コア４のティッシュペーパー１３と表面シート２
とに接合している。股下域８では、排泄された尿によっ
てティッシュペーパー１３が濡れ、コア４の湿潤状態が
裏面シート３の外側から識別でき、特に裏面シート３が
ホットメルト接着剤１６を介してティッシュペーパー１
３（コア４）に密着している部位（裏面シート３のコア
４に対する接合部位）においては、裏面シート３とコア
４との非接合部位よりも図示のようにはっきりとした線
として識別することができる。ゆえに、おむつ１では、
裏面シート３外側からコア４の湿潤状態を識別できる容
易さが裏面シート３とコア４との非接合部位よりも裏面
シート３のコア４に対する接合部位において優れてい
る。裏面シート３は、無機充填剤粒子が表面に浮き出し
て粗面を呈しているが、ホットメルト接着剤１６が塗布
された部位ではその粗面が実質的に消失し、ホットメル
ト接着剤１６が塗布された部位の表面が部位周囲の表面
よりも実質的に平滑化されることで、光の拡散が少なく
なり、そうした識別が可能になったと考えられる。ただ
し、ホットメルト接着剤１６によるこの作用は、裏面シ
ート３の透湿度と全光線透過率とが前記範囲にあるとき
に顕著に現れる。また、この作用をより確かなものにす
るためには、ホットメルト接着剤１６の温度が裏面シー
ト３を軟化ないし僅かに溶融し得る程度にあるときに、
ホットメルト接着剤１６と裏面シート３とを接着するこ
とが好ましい。 【００１５】この発明において、ホットメルト接着剤１
６の塗布パターンは、図示例の直線に限らず、スパイラ
ルその他適宜の形状にすることができる。 【００１６】 【発明の効果】かような使い捨ておむつでは、通気不透
液性の裏面シートにエンボス処理等の格別の処理を施さ
なくても、尿が排泄されたことを裏面シートの外側から
識別することが容易である。この発明に係る使い捨てお
むつの裏面シートは、このようなものであるからその製
造にコストがかからず、おむつが安価なものとなる。
【図面の簡単な説明】 【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。 【図２】裏面シート側から見たおむつの部分破断平面
図。 【符号の説明】 １ 使い捨ておむつ ２ 透液性表面シート ３ 通気不透液性裏面シート ４ 吸液性コア １３ ティッシュペーパー １６ ホットメルト接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−168660（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−140742（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−75980（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−299401（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61F 13/15 - 13/84

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 透液性表面シートと、通気不透液性裏面
    シートと、これら両シート間に介在する吸液性コアとか
    ら構成され、前記裏面シートが、無機充填剤粒子を含有
    する延伸プラスチックフィルムであって前記粒子の存在
    によって粗面を呈するとともに、８００〜３０００ｇ／
    ｍ ２ ・２４ｈｒの透湿度と６０〜８５％の全光線透過率
    とを有する使い捨ておむつにおいて、前記おむつでは、前記裏面シートが前後方向へ延びるよ
    うに直線状に塗布された複数条のホットメルト接着剤を
    介して前記コアに接合され、前記ホットメルト接着剤の
    温度が前記裏面シートを軟化ないし僅かに溶融し得る程
    度にあるときに、前記裏面シートと前記ホットメルト接
    着剤とが接着され、 前記裏面シートは、前記ホットメルト接着剤が塗布され
    た部位の表面が該部位周囲の表面よりも実質的に平滑化
    されることで、前記裏面シート外側から前記コアの湿潤
    状態を識別できる容易さが前記裏面シートと前記コアと
    の非接合部位よりも前記裏面シートの前記コアに対する
    接合部位において優れていることを特徴とする前記おむ
    つ。
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