JP3509228B2 - 斜板型圧縮機および冷凍サイクル - Google Patents

斜板型圧縮機および冷凍サイクル

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JP3509228B2
JP3509228B2 JP26699994A JP26699994A JP3509228B2 JP 3509228 B2 JP3509228 B2 JP 3509228B2 JP 26699994 A JP26699994 A JP 26699994A JP 26699994 A JP26699994 A JP 26699994A JP 3509228 B2 JP3509228 B2 JP 3509228B2
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は斜板型圧縮機およびこれ
を用いた冷凍サイクルに関するもので、自動車用空調装
置の冷媒圧縮機として好適なものであり、特にガスイン
ジェクションサイクルに用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスインジェクションサイクルに
おいては、凝縮器で一旦凝縮した冷媒を気液分離器で、
気体冷媒と液体冷媒とに分離し、その気体冷媒を圧縮機
の圧縮行程途中に戻すものであり、中間圧に減圧された
気体冷媒を直接、圧縮機に戻すので、圧縮機の動力低減
となり、サイクル効率の向上に有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ガスイン
ジェクションサイクルに、冷媒圧縮を1段階で行う通常
の単段圧縮機を組み合わせた場合、この単段圧縮機の作
動室に直接冷媒を戻すことになるので、この作動室での
圧力変動が大となり、圧縮機にとって理想的な圧力条件
から冷媒を圧縮することができない。
【0004】そのため、ガスインジェクションサイクル
の実用化に際しては、動力低減の効果が十分得られない
という問題があった。このため、2台の圧縮機を設置し
て2段圧縮とし、1台目の圧縮機の吐出側と2台目の圧
縮機の吸入側との間に中間圧力室を設け、この中間圧力
室に中間圧の気体冷媒を噴射させることも考えられる
が、これは2台の圧縮機設置によりシステムの大型化を
招くという問題が生じる。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、システムを大型
化することなく、サイクル効率を向上できるようにする
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、作動室を1段圧縮用と2段圧縮用とに分けて
構成した斜板型圧縮機、およびこの斜板型圧縮機を用い
た冷凍サイクルを提供しようとするものである。すなわ
ち、請求項1記載の発明では、複数のシリンダ(56
a、56b、58a、58b)が設けられたシリンダブ
ロック(6、8)と、前記シリンダ(56a、56b、
58a、58b)に挿入された複数のピストン(14
a、14b)と、前記複数のピストン(14a、14
b)を往復運動させるための斜板機構(12、18)
と、この斜板機構(12、18)と一体に回転するよう
に構成され、前記シリンダブロック(6、8)内に回転
可能に保持されている駆動軸(10)と、前記シリンダ
ブロック(6、8)内に前記シリンダ(56a、58
a)と前記ピストン(14a)によって形成される第1
作動室(52a)と、前記シリンダブロック(6、8)
内に前記シリンダ(56b、58b)と前記ピストン
(14b)によって形成される第2作動室(52b)
と、前記第1作動室(52a)の吐出側と前記第2作動
室(52b)の吸入側との間に接続され、前記シリンダ
ブロック(6、8)と一体に構成されている中間圧力室
(44、46)とを備え、前記中間圧力室(44、4
6)には冷凍サイクルの中間圧力の気体冷媒を導入する
ガスインジェクションポート(38)が開口しており、
前記シリンダブロック(6、8)における前記ピストン
(14a、14b)の往復運動方向の端部にハウジング
(2、4)が配置され、このハウジング(2、4)内に
前記第1作動室(52a)に冷媒を吸入させる吸入室
(40、42)、前記中間圧力室(44、46)、およ
び前記第2作動室(52b)から冷媒が吐出される吐出
室(48、50)が形成されている斜板型圧縮機を特徴
としている。
【0007】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
斜板型圧縮機において、前記ピストンが軸方向の前後両
側にピストンを有する双頭ピストン(14a、14b)
として構成されており、前記双頭ピストン(14a、1
4b)の少なくとも1つ(14b)が軸方向の前後両側
に前記第2作動室(52b)を形成するように構成され
ていることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の斜板型圧縮機において、前記第2作動室(5
2b)を形成する前記ピストン(14b)が前記第1作
動室(52a)を構成する前記ピストン(14a)と径
が異なることを特徴とする。請求項4記載の発明では、
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機
において、前記吸入室(40、42)と前記中間圧力室
(44、46)との間、および前記吐出室(48、5
0)と前記中間圧力室(44、46)との間の少なくと
も一方に断熱材(80〜84)が介在されていることを
特徴とする。
【0009】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機(100)と、
前記第2作動室(52b、100b)から吐出された気
体冷媒が導入され、この気体冷媒を冷却して液化する凝
縮器(200)と、前記凝縮器(200)で液化した液
体冷媒を減圧する第1減圧手段(300)と、前記第1
減圧手段(300)で減圧された気液2相冷媒を液体冷
媒と気体冷媒とに分離する気液分離器(400)と、前
記気液分離器(400)で分離された液体冷媒を減圧す
る第2減圧手段(500)と、前記第2減圧手段(50
0)で減圧された気液2相冷媒を蒸発させる蒸発器(6
00)と、前記気液分離器(400)で分離された気体
冷媒を前記ガスインジェクションポート(38、100
f)に導入するインジェクション用通路(700)と、
前記蒸発器(600)の出口側を前記第1作動室(52
a、100a)の吸入ポート(34、100e)に連通
する吸入側通路(800)とを具備する冷凍サイクルを
特徴としている。
【0010】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0011】
【発明の作用効果】請求項1〜5記載の発明によれば、
圧縮機内部に中間圧力室を設けた二段圧縮式斜板型圧縮
機を構成できるため、気体冷媒噴射のためのタイミング
機構などを用いる必要もなく、理想的な状態で気体冷媒
を圧縮行程の途中に導入することができ、高効率のガス
インジェクションサイクルを容易に実現することができ
る。
【0012】また、1台の圧縮機に二段の圧縮機構を構
成しているため、2台の圧縮機を設置する場合のように
冷凍サイクルシステムの大型化を招くこともない。従っ
て、小型で、高効率のガスインジェクションサイクルを
低コストで提供することが可能となる。また、請求項4
記載の発明では、前記第1作動室(52a)に冷媒を吸
入させる吸入室(40、42)と前記中間圧力室(4
4、46)との間、および前記第2作動室(52b)か
ら冷媒が吐出される吐出室(48、50)と前記中間圧
力室(44、46)との間の少なくとも一方に断熱材
(80〜84)を介在しているから、各室内の冷媒相互
間での熱交換を抑制して、より一層サイクル効率の向上
を図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1は本発明による自動車用空調装置の
冷凍サイクル(ガスインジェクションサイクル)の第1
実施例の概略構成を示す。100として示した部分は斜
板型圧縮機で、第1作動室100aと第2作動室100
bと中間圧力室100c有しており、これらの室は図作
成の便宜上、図1では分離して描いたが、実際は一体の
ものとして構成されている(詳細は後述する)。
【0014】200は凝縮器であり、その入口側は圧縮
機100の吐出ポート100dと配管で接続されてい
る。300は第1絞り弁、400は気液分離器、500
は第2絞り弁、600は車室内への吹出空気を冷却する
蒸発器である。上記凝縮器200、第1絞り弁300、
気液分離器400、第2絞り弁500、および蒸発器6
00の間はそれぞれ図1のように接続されている。ここ
で、蒸発器600の出口側は吸入側通路800にて圧縮
機100の吸入ポート100eに接続されている。
【0015】さらに、気液分離器400の気体取り出し
孔400aはインジェクション用通路700にて圧縮機
100のインジェクションポート100fに接続され、
液体取り出し孔400bは前記第2絞り弁500に接続
されている。第2絞り弁500としては、蒸発器600
の出口冷媒の過熱度を所定値に制御する温度作動式膨張
弁を用いている。
【0016】次に、本発明特有の特徴をもった構成要素
である斜板型圧縮機100について図2、図3を用いて
詳細に説明する。なお、図2、図3に示す斜板型圧縮機
100は5対の双頭ピストン14a、14bを持った1
0気筒として構成されており、そして後述する第2作動
室52b(図1の第2作動室100bに相当、以下同
じ)は図3に示すように1対の双頭ピストン14bの軸
方向の前後両側に形成される2室としており、他の4対
の双頭ピストン14aの軸方向の前後両側に形成される
8室は第1の作動室52a(図1の第1作動室100
a)としているが、この気筒数の設定に関してはこの限
りでない。
【0017】圧縮機100の構成部品を収納するハウジ
ングは、フロントハウジング2とリアハウジング4とフ
ロントシリンダブロック6とリアシリンダブロック8に
より構成されており、これらのハウジング2、4、およ
びシリンダブロック6、8は複数の通しボルト70によ
って一体的に締結されている。フロントシリンダブロッ
ク6とリアシリンダブロック8の対応位置には、それぞ
れ数個ずつのシリンダ56a、56b及び58a、58
bが開口するように設けられており、それらの各対毎に
それぞれ1個ずつ双頭ピストン14a、14bが挿入さ
れて、これらのシリンダ56a、56b及び58a、5
8bと双頭ピストン14a、14bは、この双頭ピスト
ンが前後に駆動された時に拡縮して容積が変化する第
1、第2の作動室52a、52bを形成している。この
第1、第2の作動室52a、52bの数は上記した通り
である。
【0018】フロントハウジング2及びリアハウジング
4の中にはそれぞれ吸入室40、42と中間圧力室4
4、46(図1の中間圧力室100c)と吐出室48、
50が形成されており、それらは吸入弁28a、28b
又は吐出弁30a、30bを介して作動室52a(52
b)に通じるようになっている。また、吐出弁30a、
30bには弁押さえ32が付設される。リアシリンダブ
ロック8には吸入室40、42及び吐出室48、50か
らそれぞれ連通している吸入ポート34(図1の吸入ポ
ート100e)及び吐出ポート36(図1の吐出ポート
100d)が開口している。また、リアハウジング4に
設けられた中間圧力室46には、インジェクションポー
ト38(図1のインジェクションポート100f)が開
口している。
【0019】フロントシリンダブロック6及びリアシリ
ンダブロック8にそれぞれ保持されたラジアルベアリン
グ20及び22にシャフト(駆動軸)10が回転自在に
支持されている。また、シャフト10のフロント側(図
2左側)端部はフロントハウジング2に保持されたシー
ル装置26等によって軸封されて、フロントハウジング
2の外部に露出し、この外部への露出端には図示しない
電磁クラッチが連結されている。
【0020】このシャフト10は電磁クラッチおよびベ
ルトを介して自動車エンジンのクランクプーリに連結さ
れ、自動車エンジンにより駆動されるようになってい
る。また、シャフト10の軸方向の中間部位には斜板1
2が固着されており、この斜板12の軸方向前後にはス
ラストベアリング24及び25がシリンダブロック6及
び8との間に設けられて、斜板12を軸方向に支持して
いる。斜板12と双頭ピストン14a、14bの連結軸
部14a′、14b′は、斜板12上を摺動する複数の
半球状のシュー18および19によって摺動可能に係合
している次に、上記構成において、第1実施例の作動を
説明すると、図1に示した本実施例の冷凍サイクルは、
一般にガスインジェクションサイクルと呼ばれている冷
凍サイクルに属するものであり、まずその作用を図4に
示すモリエル線図を用いて詳細に説明する。
【0021】凝縮器200において冷媒は冷却媒体(空
気等)により冷却され、高圧P1 で液化する。この液体
冷媒(状態i5)は、第1絞り弁300によって中間圧
力P 2 まで減圧されて、気液二相の霧状の状態となる。
この状態で気液分離器400に導かれた冷媒は、蒸発と
凝縮による熱の授受を行って気液二相の飽和液と飽和ガ
スに分かれた状態(状態i6、i6′)となる。
【0022】そして、気液分離器400内の飽和液の液
体冷媒は第2絞り弁500に、飽和ガスの気体冷媒は圧
縮機100の中間圧力室100c(46)へと送り込ま
れる。ここで、液体冷媒と気体冷媒の重量比g1、g2
は蒸発と凝縮の熱のやり取りによるため次の数式1、2
のように定まる。
【0023】
【数1】g1=(i6′−i5)/(i6′−i6)
【0024】
【数2】g2=1−g1 液体冷媒g1(状態i6)は第2絞り弁500によって
さらに低圧P3 まで減圧されて蒸発器600を通過し、
ここで空調空気と熱交換して蒸発する。そして、この熱
交換により空調空気は冷却され、冷房を行う。一方、気
体冷媒g2(状態i6′)は圧縮機100の中間圧力室
100c(46)に導かれる。この時、圧縮機100の
第1作動室100a(52a)によって中間圧力まで加
圧された冷媒g1と再び合流する。
【0025】効率を試算するため、図4の各点のエンタ
ルピを求める。i1は吸入圧力と蒸発器出口冷媒の過熱
度を与えることにより求めることができる。圧縮行程は
断熱変化とみなされるので圧縮前の状態が定まれば、圧
縮後の状態はモリエル線図から読み取ることができる。
すなわちi1が定まればi2は求められ、またi4もi
3がわかれば求めることができる。i3は次の数式3に
よって与えられる。
【0026】
【数3】i3=i6′+g1(i2−i6′) このようにして各点のエンタルピの値が定まれば、計算
上のC.O.P(すなわち冷房能力/消費動力)が次の
数式4のように与えられる。
【0027】
【数4】C. O. P=g1(i1−i6)/{g1(i
2−i1)+(i4−i3)} 通常の冷凍(冷房)サイクルとガスインジェクションサ
イクルの効率を比較するためにそれぞれのサイクルの
C.O.Pの計算例を図5の(a)及び(b)に示す。
圧力条件にもよるが、ガスインジェクションサイクルに
よれば数十パーセントもの効率向上を期待することがで
きる。
【0028】次に、第1実施例において、ガスインジェ
クションサイクルのための冷媒圧縮機として使用する斜
板型圧縮機100の作動を図2、図3を用いて説明す
る。なお、図3は図2のA−A断面を示すが、図2のシ
ャフト10、ラジアルベアリング22の断面図示を図3
では省略している。蒸発器600出口からの冷媒は、吸
入ポート34より吸入され、一旦斜板12の周囲に形成
されている斜板室60へ入り、吸入通路62を通って吸
入室42(40)へ入る。
【0029】その後、吸入弁28aを経て第1作動室5
2a(100a)で中間圧力まで圧縮され、吐出弁30
aを経て中間圧力室46(44)へ吐出される。なお、
中間圧力室44と中間圧力室46はシリンダブロック
6、8に形成された中間圧通路64(図3)にて連通し
ている。一方、気液分離器400の気体取り出し口40
0aから送られてくる冷媒は、インジェクションポート
38(100f)を経て中間圧力室46へ入り、ここで
上記第1作動室52a(100a)で圧縮された冷媒と
合流する。
【0030】次に、これらの冷媒は、吸入弁28bを経
て第2作動室52bで吐出圧まで圧縮され、吐出弁30
bを経て吐出室50(48)へ吐出され、吐出ポート3
6を通って凝縮器200へ送られる。なお、吐出室50
と吐出室48はシリンダブロック6、8に形成された吐
出通路66(図3)にて連通している。
【0031】次に、第1実施例の冷凍サイクル(ガスイ
ンジェクションサイクル)がもたらす効果を説明する。
もし、単段圧縮の圧縮機をガスインジェクションサイク
ルに適用しようとすれば、インジェクションポート10
0fは、圧縮機の作動室に直接開口する必要があるの
で、インジェクションポート100fの圧力は、圧縮機
吸入圧力からピストンがインジェクションポートを閉じ
る瞬間の作動室圧力までの範囲で大きく変動することに
なり、理想的な圧力条件において気体冷媒を圧縮機作動
室内に噴射することは難しい。
【0032】それのみならず、圧縮機作動室内で圧縮さ
れた高圧の冷媒が、気液分離器400からの気体冷媒の
通路700側へ逆流する恐れさえある。従って、単段圧
縮の圧縮機を用いて、ガスインジェクションサイクルを
成立させようとするならば、 1.気体冷媒を導入する管路に逆止弁を設ける。
【0033】2.気体冷媒の噴射のタイミングを圧縮行
程中の特定の期間に限定して、その短い期間内に噴射す
る。などの対策が考えられる。しかし、上記1の対策を
とれば、気体冷媒の導入管路への逆流は避けられるもの
の、圧縮機100と気液分離器400との間に圧力変動
による差圧が生じ、常に理想的な圧力条件においてシス
テムを作動させることができない。
【0034】また、上記2の対策をとれば、特定の期間
内に気体冷媒を噴射するための新たな間欠噴射機構が必
要となり、構造の煩雑化は不可避である。そこで、安定
して気体冷媒を圧縮行程の途中に導入するためには、圧
力の変動が少ない中間圧力の部屋を設ける必要がある。
このため、圧縮機を二台直列に接続して二段圧縮とし、
その一段目の吐出と二段目の吸入との間に中間圧力室を
設ける方法が考えられる。しかし、この解決策は圧縮機
を二台用いることから、冷凍サイクルのシステムの大型
化を招くという問題がある。
【0035】これに反し、本発明では二段圧縮式斜板型
圧縮機100を冷媒圧縮機として使用することによっ
て、これらの問題を解決した。すなわち、圧縮機内部に
中間圧力室44、46を設けることにより、気体冷媒噴
射のためのタイミング機構などを用いる必要もなく、理
想的な状態で気体冷媒を圧縮行程の途中に導入すること
ができ、容易にガスインジェクションサイクルを実現す
ることができる。
【0036】また、1台の圧縮機100に二段の圧縮機
構を構成しているため、システムの大型化を招くことも
ない。 (第2実施例)第2実施例の構成を図2、図6を用いて
説明する。第1実施例と異なるのは、第2作動室52b
が2対の双頭ピストン14b、14bの両側に計4室形
成されている点である。
【0037】図7に容積比(第2作動室52b/第1作
動室52a)とC.O.Pの関係を示す。図中、Pdは
圧縮機吐出圧力を示し、Psは圧縮機吸入圧力を示す。
この圧力条件により異なるが、第2作動室52bと第1
作動室52aの容積比は3/7から4/6程度のとき最
もサイクル効率が良い。従って、効率だけをとれば、第
1実施例より第2実施例の方が優れているが、第1作動
室52aの数(吸入容積)が減るため冷房能力は低下す
る。
【0038】このように使用条件によって最適な容積比
は変化してしまうが、この斜板型圧縮機100は簡単な
設計変更により容積比を変更することができる。つま
り、吸入室40、42と中間圧力室44、46と吐出室
48、50を形成するハウジング2、4の交換と、吸入
通路62や吐出通路66の数を変えるだけで第2作動室
52bを2室から4室に変更できる。
【0039】なお、図6においては、隣合った2対の双
頭ピストン14b、14bで形成される作動室を第2作
動室52bとしているが、複数の第2作動室52bの位
置をこのように隣り合った位置とせず、間に第1作動室
52aが介在する位置関係に設定してもよい。 (第3実施例)第3実施例の構成を図8、図9を用いて
説明する。第1実施例、第2実施例と異なるのは、第1
作動室52aを形成する双頭ピストン14aの径よりも
第2作動室52bを形成する双頭ピストン14bの径が
小さい点である。このような構成により、第1作動室5
2aと第2作動室52bの容積比を微妙に変更すること
が可能となり、より一層理想に近い容積比を実現するこ
とができる。 (第4実施例)第4実施例の構成を図10を用いて説明
する。第4実施例の特徴は、フロントハウジング2、リ
アハウジング4内の吸入室42(40)と中間圧室46
(44)の間及び中間圧室46(44)と吐出室50
(48)の間に、それぞれ断熱材80、81、82、8
3、84を加えた点である。この断熱材80〜84によ
り各室内の冷媒相互間での熱交換を抑制して、C.O.
P向上効果の低下を防ぐことができる。この断熱材80
〜84は、フロントハウジング2、リアハウジング4が
アルミニュウム等の熱伝導性の高い金属製であるのに対
して、樹脂等の熱伝導性の低い材質で形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧縮機を適用したガスインジェクション
サイクルを示すサイクル図である。
【図2】本発明の第1実施例の圧縮機を示す断面図であ
る。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1のガスインジェクションサイクルの作動を
示すモリエル線図である。
【図5】通常サイクルとガスインジェクションサイクル
の成績係数を比較して示すモリエル線図である。
【図6】本発明の第2実施例の圧縮機を示す断面図であ
る。
【図7】本発明圧縮機において、第1・第2作動室の容
積比と成績係数との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第3実施例の圧縮機を示す断面図であ
る。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】本発明の第4実施例の圧縮機を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
100……圧縮機、100a(52a)……第1作動
室、100b(52b)……第2作動室、100c(4
4、46)……中間圧力室、100f(38)……ガス
インジェクションポート、6、8……シリンダブロッ
ク、10……駆動軸、12……斜板、14a、14b…
…ピストン、56a、56b、58a、58b……シリ
ンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 三起夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−96956(JP,A) 特開 平5−45007(JP,A) 特開 平4−94470(JP,A) 特開 平5−164042(JP,A) 特開 昭59−221480(JP,A) 実開 昭48−56608(JP,U) 実開 平2−28049(JP,U) 実開 昭57−33287(JP,U) 川平睦義,密閉形冷凍機,社団法人日 本冷凍協会,1993年 4月30日,第2 刷,p.18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/10 F04B 39/06 F25B 1/00 311

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダが設けられたシリンダブ
    ロックと、 前記シリンダに挿入された複数のピストンと、 前記複数のピストンを往復運動させるための斜板機構
    と、 この斜板機構と一体に回転するように構成され、前記シ
    リンダブロック内に回転可能に保持されている駆動軸
    と、 前記シリンダブロック内に前記シリンダと前記ピストン
    によって形成される第1作動室と、 前記シリンダブロック内に前記シリンダと前記ピストン
    によって形成される第2作動室と、 前記第1作動室の吐出側と前記第2作動室の吸入側との
    間に接続され、前記シリンダブロックと一体に構成され
    ている中間圧力室とを備え、 前記中間圧力室には冷凍サイクルの中間圧力の気体冷媒
    を導入するガスインジェクションポートが開口して
    り、 前記シリンダブロックにおける前記ピストンの往復運動
    方向の端部にハウジングが配置され、 このハウジング内に前記第1作動室に冷媒を吸入させる
    吸入室、前記中間圧力室、および前記第2作動室から冷
    媒が吐出される吐出室が形成されている ことを特徴とす
    る斜板型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記ピストンが軸方向の前後両側にピス
    トンを有する双頭ピストンとして構成されており、 前記双頭ピストンの少なくとも1つが軸方向の前後両側
    に前記第2作動室を形成するように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の斜板型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記第2作動室を形成する前記ピストン
    が前記第1作動室を構成する前記ピストンと径が異なる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の斜板型圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 前記吸入室と前記中間圧力室との間、お
    よび前記吐出室と前記中間圧力室との間の少なくとも一
    方に断熱材が介在されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1つに記載
    の斜板型圧縮機と、前記第2作動室から吐出された気体
    冷媒が導入され、この気体冷媒を冷却して液化する凝縮
    器と、 前記凝縮器で液化した液体冷媒を減圧する第1減圧手段
    と、 前記第1減圧手段で減圧された気液2相冷媒を液体冷媒
    と気体冷媒とに分離する気液分離器と、 前記気液分離器で分離された液体冷媒を減圧する第2減
    圧手段と、 前記第2減圧手段で減圧された気液2相冷媒を蒸発させ
    る蒸発器と、 前記気液分離器で分離された気体冷媒を前記ガスインジ
    ェクションポートに導入するインジェクション用通路
    と、 前記蒸発器の出口側を前記第1作動室の吸入ポートに連
    通する吸入側通路とを具備することを特徴とする冷凍サ
    イクル。
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