JP3487012B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JP3487012B2
JP3487012B2 JP7542095A JP7542095A JP3487012B2 JP 3487012 B2 JP3487012 B2 JP 3487012B2 JP 7542095 A JP7542095 A JP 7542095A JP 7542095 A JP7542095 A JP 7542095A JP 3487012 B2 JP3487012 B2 JP 3487012B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タのインクジェットヘッドに関し、特にインクを噴射さ
せるエネルギ発生手段とその駆動手段を夫々異なる基板
に形成して対向させて基板同士を張り合わせたインクジ
ェットヘッド及びその製造方法に関するものである。 【0002】近来、印字媒体にインクの微粒子をインク
ジェットヘッドのノズルから直接吹きつけて記録するイ
ンクジェットプリンタが、印字媒体に対する制限がな
く、且つ高速度印刷、低騒音であり、カラー化が容易で
あることから急速に普及しつつある。 【0003】インクジェットプリンタは、必要最小限の
インクのみを消費するオンデマンド型で、インクの省資
源化を実現している。今後は省資源をその駆動エネル
ギ、機器生成の過程で消費されるエネルギにも及ぶこと
が求められる。 【0004】現在でもインクジェットヘッドの駆動部分
と共に、駆動回路を集積化することによって、より小型
化が実現され、駆動回路を内部でマトリックス接続とし
て、タイムシヤリング駆動とすることによって外部接続
の引出し線を節約して、コネクタピン数を削減してい
る。その多くは所謂シリアルプリンタ型であって、接続
の引出し線をフレキシブルケーブルで本体に接続する方
法をとっている。 【0005】これが次の理想形として印刷領域の一辺を
カバーする幅にノズルを展開した所謂ラインヘッドとし
てヘッド全体を移動させないか、或いは僅かの振幅の走
査で済ませる形式が考えられる。 【0006】シリアル型はインクタンクも移動体に搭載
するものが多いが、ラインヘッドであれば移動しない
か、或いは振幅も僅かなので固定タンクとして柔軟なチ
ューブでインクを供給することが可能である。 【0007】このようなライン型ヘッドに多くの利点が
あることは自明であるが、その実現のためには、マトリ
ックス駆動に適合するノズルの物理的配置が必要であ
り、また、高純度の高価な半導体基板の消費の削減及び
歩留りを改善させる必要があり、これらを解決する方法
が望まれている。 【0008】 【従来の技術】図14にインクジェットプリンタの概要
を示す。図に示すように、インクジェットヘッド(以下
印字ヘッドという)1を搭載したキャリア2にガイドシャ
フト3が嵌合し、また、プーリP1,P2 に掛けられたタイ
ミングベルト(以下ベルトという)4にキャリア2が固定
され、プーリP1はモータM1に連結されている。 【0009】キャリア2は板状のプラテン5の上方に配
置され、モータM1の正逆方向回転によりベルト4によっ
てプラテン5に平行に矢印A、B方向に移動する。プラ
テン5の前段にモータM2に連結された送りローラRが配
置されている。 【0010】印字ヘッド1は、ヘッド部10及びヘッド駆
動部11aから成り、ヘッド部10は、プラテン5に所定の
間隙を介して対向し、先端に後述する複数のノズルを有
し、またノズルにインクを供給する図示していないイン
クタンクを備えている。 【0011】ヘッド駆動部11aは、印字データに基づい
て図示していない制御部の指令で、選択的に駆動信号を
ヘッド部10に送信する回路で、図示していないフレキシ
ブルケーブルにより制御部に接続されている。 【0012】従って、キャリア2が移動しながら、印字
ヘッド1のノズルからインクを噴射して印字用紙7にマ
トリックスドットによって印字を形成する。印字用紙7
は送りローラRの駆動によって矢印C方向に行送りされ
る。 【0013】次に図15及び図16によりヘッド部10を
説明する。図15及び図16に示すように、ヘッド部10
は、発熱体81,82,…、ノズル91,92,… (例えば、孔径30
〜50μm) が設けられたノズル板121,122,…、圧力室13
1,132,…、壁部材141,142,…、加熱板151,152,…及びイ
ンク供給口161,162,…で構成されている。 【0014】発熱体81,82,…は、加熱板151,152,…の外
側に密着している。また、ノズル板121,122,…と加熱板
151,152,…の間に壁部材141,142,…が配置されて、これ
らに囲まれた空間部により圧力室131,132,…が形成され
ている。 【0015】実際には、ノズル板121,122,…及び壁部材
141,142,…が一体に形成されて、加熱板151,152,…が静
電接合 (或いは拡散接合) 或いは接着剤等によって接合
されている。 【0016】従って、インク供給口161,162,…からイン
ク6aを圧力室131,132,…に供給し、ヘッド駆動部11aか
ら発熱体81,82,…に選択的に電流を流して、その電気抵
抗による発熱で加熱板151,152,…を加熱させて、圧力室
131,132,…内のインク6aを気化させ、その圧力によって
インク6aが上記のようにノズル91,92,…から噴射する。
インクジェットプリンタの印字ヘッドにはこの他に、 圧電素子に電圧を印加したときの電気歪みによる変位
で圧力室の背面の振動板に圧力を加えてインクを噴射さ
せる圧電方式 ノズルや圧力室に電極を挿入してパルス電圧の印加に
よりインクに直接電流を流してインクの誘導損失による
発熱で気化させてインクを噴射させる方式 (特開昭60
−18357号公報、特開平2−151447号公報) ノズルや圧力室の外部に電極を設置して交流電圧を印
加して、インクの誘導損失により発熱させる方式(特開
平5−16363号公報) がある。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】上記従来方法によれ
ば、インクジェットヘッドを搭載したキャリアを移動さ
せながら、複数の発熱体に選択的に通電してノズルから
インクを噴射させて印刷しており、所謂オンデマンド型
で必要最少量のインクのみを消費することで、インクの
省資源化を図っているが、更にその駆動エネルギや機器
生成の過程で消費されるエネルギの省資源化が要請され
ている。 【0018】即ち、次の理想形として印刷領域の一辺を
カバーする幅にノズルを展開した所謂ライン型ヘッドと
してヘッドを全く移動させないか、或いは僅かの振幅の
移動で済ませる形式が考えられる。 【0019】また、従来方法のシリアル型は、インクタ
ンクもキャリアに搭載しているものが多いが、ライン型
ヘッドであれば移動しないか、或いは移動が僅かなの
で、固定タンクとして柔軟なチューブでインクを供給す
ることが可能である。 【0020】このようなライン型ヘッドに多くの利点が
あることは自明であるが、その実現を拒む次のような要
因がある。 1)マトリックス駆動に適合するノズルの物理的配置 カラー印刷では、YMC(イエロー、マゼンタ、シア
ン)或いはこれに黒を加えた3〜4色の別々のインク供
給路を必要とし、また、ノズルとその駆動を司る駆動回
路の空間的配置がノズルピッチを狭めて高密度印刷を実
現する上で重要な課題となる。即ち、 駆動回路を構成するシリコン等の半導体基板とインク
にエネルギを供給するエネルギ発生手段とが、その製造
プロセス過程の異なることから、最適な共通材料を見い
出すことが困難である。 【0021】マトリックスの直交配線の交叉が段差部
分での絶縁耐圧の不足、或いは段差部分の被覆不十分に
よって、インク等の侵入により腐食し易い。 駆動回路とエネルギ発生手段は近接することが望まし
いが、これを平面的に並べて、更にインク供給とマトリ
ックス配線までも積層構成とする輻輳する構成は、製造
ブロセスを積み重ねるものとなり、一か所でも不良とな
れば全てを失うこととなり、歩留りを著しく損なう。 【0022】2)高純度の高価な半導体基板の消費の削
減及び歩留りの改善 印刷領域は一般に幅広であり、例えば、A4判の印刷
用紙の狭い側でも200mmを要し、これを半導体基板上
に形成するとなると、8インチ基板であっても中心部分
の一部だけしか使えるに過ぎず、利用効率が著しく低
い。 【0023】半導体デバイスで常に問題となる歩留り
についても、面積が広いことはゴミ付着等による不良箇
所の影響が大きく、また、リソグラフィの露光面積の広
いものは、それだけ大型の露光装置を必要とする等経済
的でなく、チップサイズを極力小さくすることが経済的
である。 【0024】基板はその経済性からいって極力薄厚と
するが、幅広のチップとしては相当程度の強度を必要と
し、単に強度を得るために高純度の基板をいたずらに消
費することになる。 という要因を解決しなければならないという問題点があ
る。 【0025】本発明は、マトリックス駆動に適合するノ
ズルの物理的配置の実現や、高純度の高価な半導体基板
の消費の削減及び歩留りを改善させることができるイン
クジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目
的としている。 【0026】 【課題を解決するための手段】図1は本発明の請求項1
よるインクジェットヘッドの原理図、図2は本発明
請求項に対応する原理工程図である。 【0027】 【0028】 【0029】 請求項に対応する手段 図2において、6 はインク、9 はノズル部、18は第2の
基板、12はインク6 の粒子を噴射するノズル部9 を形成
したノズル板、17A はノズル板12に所定距離をおいて対
向する第1の基板、14はノズル板12及び第1の基板17A
を連結する壁部材、13はノズル板12及び第1の基板17A
びに壁部材14で形成される圧力室、8 は圧力室13内に
設けられ、インク6 の噴射エネルギを発生するエネルギ
発生手段、11はノズル板12 設けられ、エネルギ発生手
段8 を駆動させる駆動手段、19は第2の基板18に形成
した被膜(= 12 ノズル板)である。 【0030】 ここで、手段としては、インクの粒子を
噴射するノズル部を形成したノズル板と、ノズル板に所
定距離をおいて対向する第1の基板と、ノズル板及び第
1の基板を連結する壁部材と、ノズル板及び第1の基板
並びに壁部材で形成される圧力室と、該圧力室に設けら
れ、インクの噴射エネルギを発生するエネルギ発生手段
とを少なくとも1組備え、エネルギ発生手段の駆動で、
対応する圧力室内のインクをノズル部から噴射するイン
クジェットヘッドの製造方法であって、前記第1の基板
上に前記エネルギ発生手段を形成し、第2の基板上に形
成した被膜に前記ノズル部を形成して前記ノズル板と
し、該ノズル板上に該エネルギ発生手段を駆動させる駆
動手段を形成し、第1の基板上のエネルギ発生手段及び
第2の基板上の駆動手段の各々の形成面を対向させて前
記壁部材を介して張り合わせて一体とした後、第2の基
板を除去するように構成されている。 【0031】 【0032】 【0033】 【0034】 【0035】 【0036】 【0037】 【0038】 【0039】 【0040】 【0041】 【作用】請求項に対応する作用 図2(a) に示すように、第1の基板17A 上にエネルギ発
生手段8 を、第2の基板18の被膜19にノズル部9 を形
成したノズル板12上に駆動手段11を各々別々に形成する
ことができるため、形成が容易になると共に、容易にイ
ンクジェットヘッド内に一体化が可能となる。さらに、
エネルギ発生手段8 と駆動手段11を近接して配置するこ
とで短い配線で接続することが可能となり、配線形成の
製造コストを低減することができる。 【0042】 【0043】 【0044】 【0045】 【0046】 【0047】 【0048】 【0049】 【0050】 【0051】 【0052】 【0053】 【0054】 【実施例】以下、本発明の実施例1〜実施例4を図3〜
図13により説明する。 1)実施例1(請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項9、請求項
10、請求項11、請求項12及び請求項13に対応す
る) 図3は本発明の実施例1を示すプリンタの概要を示す斜
視図、図4は印字ヘッドの側断面図、図5は実施例1の
印字ヘッドの斜視図、図6は実施例1の配線レイアウト
を示す平面図、図7は実施例1のマトリックス配線を示
す構成図、図8及び図9は印字ヘッドの製造工程図であ
る。全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。 【0055】図4の発熱体8a1,8a2,…、ノズル9a1,9a2,
…、ヘッド駆動回路111,112,…及びインクバリア14a1,1
4a2,…は、図1及び図2のエネルギ発生手段8、ノズル
部9、駆動手段11及び壁部材14に夫々対応し、図4の基
板171,172,…は、図1の基板17及び図2の第1の基板17
A に対応している。また、図8のSi基板18a及びSiO2
膜19aは、図2の第2の基板18及び被膜19に夫々対応
し、図7のシフトレジスタ27〜29は、請求項4の制御手
段に対応している。 【0056】図3に示すように、プリンタは、プラテン
5に対向する印字ヘッド1aが搭載され、印字ヘッド1aは
印字用紙7の印字幅領域に対応する長さにライン化され
ている。 【0057】印字ヘッド1aは固定のまま、印字用紙7の
送り方向に直交する方向(ライン方向)を一度に印字す
る。また、図示していないが印字ヘッド1aにインク6aを
供給するインクタンクを備えている。 【0058】図4は印字ヘッド1aの1つのノズルに対応
する部分だけを示しており、実際には同構成のノズルを
48個以上集積している。図に示すように、熱伝導率の高
い材料、例えば、セラミックス或いは金属材で形成され
た基板171(172,…) 面に絶縁膜20を介して発熱体8a1(8a
2,…) がパターン形成されている。発熱体8a1(8a2,…)
はタンタルで形成された抵抗膜である。 【0059】更に、基板171(172,…) の絶縁膜20上に電
流供給配線21、アース配線22及び配線メタル23のパター
ンが形成されている。また、基板171(172,…) にノズル
9a1(9a2,…) を有するノズル板12a1(12a2,…) が対向
し、ノズル板12a1(12a2,…) にヘッド駆動回路111(112,
…) 及びゲート配線24 (信号用) が形成されている。 【0060】ヘッド駆動回路111(112,…) は、後述する
製造プロセスによって形成されたトランジスタで構成さ
れており、バンプ(金或いはハンダ)25,26で基板171(17
2,…) の電流供給配線21及び配線メタル23に接続してい
る。更に、基板171(172,…)には、図示していない複数
のシフトレジスタ (後述する) が形成されている。 【0061】配線部には導電性のインク6aとの接触を防
止するインクバリア(接着機能及び絶縁性を有する樹脂
材、例えば、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂、或いは多
孔性樹脂で形成)14a1(14a2, …) が設けられ、圧力室13
a1(13a2,…) 及びインク供給路16a1(16a2,…) が形成さ
れている。圧力室13a1(13a2,…) には、インクタンクに
接続されたインク供給路16a1(16a2,…) からインク6aが
供給される。 【0062】図5は図4で説明した印字ヘッド1aのノズ
ルを2つ並べた部分の斜視図を示したものである。ここ
では、ノズル9a1(9a2,…) を高密度に形成するために、
ノズル配列を斜めに配されており、紙送りと同期させて
1ライン上にずらした位置に印字を行う (異なるノズル
から噴射されたドットの位置が僅かずれて重なる印字を
行う) ことによって、ノズル9a1(9a2,…) のピッチより
も小さい間隔でドットを印字することができる。 【0063】図6は図4及び図5で説明した構成を多数
組配列した時の配線レイアウトを例示しており、ノズル
9a1,9a2,…側から見たときのヘッド駆動回路111,112,…
及び発熱体8a1,8a2,…の配線を示している。 【0064】図中、白地の配線は、ノズル板12a1,12a2,
…に形成されたゲート配線24を示し、また、ハッチング
で示した配線は、基板171,172,…に形成された電流供給
配線21及びアース配線22を示す。 【0065】従って、ノズル板12a1,12a2,…にゲート配
線24を、また、基板171,172,…に電流供給配線21及びア
ース配線22を、夫々別々に設けることによって配線の交
叉を避けることができる。 【0066】また、ゲート配線24、電流供給配線21及び
アース配線22は、各々バス化しておき、マトリックス駆
動を行うことにより、制御部 (前記シフトレジスタ) か
らの配線数を減少させることができる。 【0067】即ち、図6における横並びのノズル行に対
して、ゲート配線24を共通にしておき、また、縦並びの
ノズル列に対して、電流供給配線21とアース配線22を夫
々共通化してバス化すると、ゲート配線24と電流供給配
線21及びアース配線22の双方がONになった発熱体だけ
駆動させることができ、すべてのヘッド駆動回路111,11
2,…及び発熱体8a1,8a2,…に夫々配線する場合に比べ
て、配線数を激減させることができる。 【0068】図7は、バス化した配線におけるマトリッ
クス駆動制御を示す構成図で、図において、ゲート配線
24を横方向に、電流供給配線21及びアース配線22を縦方
向に示している。また27〜29はシフトレジスタ、a〜k
はバッファを示す。 【0069】シフトレジスタ27〜29は、基板171,172,…
上にモノリシックに形成され(図4及び図5では図示し
ていない)、シフトレジスタ27は、ゲート配線24の信号
切り換え(ON/OFF)を行い、シフトレジスタ28,2
9 は、同時に夫々電流供給配線21の信号切り換えを行っ
て、2つのヘッド駆動回路を同時に駆動させる。 【0070】このような構成を有するので、インク6aを
噴射させたいノズルのゲート配線24と電流供給配線21の
両方をONにする。また、電流供給配線21を2個のシフ
トレジスタ28,29 に分けて分担させることにより、図示
していないプリンタ制御部からの印字データの伝送速度
を低減することができ、プリンタ制御部において、低速
/低コストの中央演算処理装置(CPU)を使用するこ
とも可能である。 【0071】次に、図4で説明したインクヘッドの製造
工程を図8及び図9によって説明する。図8(a) 〜(e)
は、ノズル板12a1(12a2,…) 上にヘッド駆動回路111(11
2,…) を作製するための工程を示す。 【0072】基本的には SOI基板30(Si基板18a上にSi
O2被膜19aを介して単結晶のSi薄膜31を形成したもの)
を用いた半導体素子の作製プロセス(モノリシック)と
同様であり、 SOI基板30上にトランジスタを形成するプ
ロセス、金属導体配線層を形成するプロセスによって回
路が形成され、張り合わせ基板間の電気的な接続用のバ
ンプ電極も形成される。 【0073】なお、 SOI基板30上のゲート配線24、及び
基板171(172,…) 上の電流供給配線21、アース配線22、
配線メタル23のパターン形成、及びシフトレジスタ27〜
29の形成は説明を省略した。 【0074】まず、(a) に示すように、 SOI基板30上の
所定箇所にSi薄膜31(100Å) の島状パターンを形成(島
状パターン以外の部分を除去)し、次に(b)に示すよう
に、熱酸化等によりゲートSiO2膜32(400Å) 、続いてLP
-CVD法等によりゲートp-Si膜33を堆積した後、ゲート電
極パターンによりゲートp-Si膜33、ゲートSiO2膜32の所
定部を残しエッチング除去する。 【0075】次いで、(c) に示すように、ゲートp-Si膜
33及び島状のSi薄膜31へのイオン注入と活性化の工程
で、ゲートp-Si膜33とソース・ドレイン部34が低抵抗化
(導電性付与)される。 【0076】次に、(d) に示すように、熱酸化及び CVD
によりSiO2膜35を形成し、これに孔を明けた後、Siを含
有させたアルミニウム(Al)配線部(ソース電極36a、ド
レイン電極36b)を形成する。更に、(e) に示すよう
に、この上に第2層間膜37を堆積し、これにビア(VIA)
ホールの孔明けを行った後、第2層配線38の形成を行
う。このようにして、 SOI基板30上にトランジスタから
成るヘッド駆動回路111(11 2,…) が作製される。 【0077】また、ノズル9a1(9a2,…) の形成は、トラ
ンジスタや配線層の形成とは独立のプロセスとして、図
示していないが、レジスト塗布、マスクによる露光、エ
ッチング処理によってテーパ孔を明けることができる。
テーパは周知の異方性エッチッグ法によって正確な角度
が得られ、膜厚みの管理とマスクの精度によってノズル
形状寸法が精度良く形成される。バンプ接続用のコンタ
クトホールの形成は対象とする膜の材質が同一であれ
ば、一括したプロセスとすることもできる。 【0078】図9(a) 〜(c) は、上記作製されたヘッド
駆動回路111(112,…) 及びノズル9a 1(9a2,…) を形成し
た SOI基板30と、別途作製した発熱体8a1(8a2,…) をパ
ターン形成した基板171(172,…)(この場合は一枚の基
板) とを張り合わせる工程を示す。 【0079】まず、(a) に示すように、 SIO基板30のノ
ズル9a1(9a2,…) と基板171(172,…) の発熱体8a1(8a2,
…) を対向させて位置決めし、圧力室13a1(13a2,…) 及
びインク供給路16a1(16a2,…) を形成し、且つヘッド駆
動回路111(112,…) 、電流供給配線21等の配線がインク
6aと接触しないように、図中破線で示すように、インク
バリア14a1(14a2,…) を形成し、更に、ヘッド駆動回路
111(112,…) の両端と電流供給配線21及び配線メタル23
間をバンプ25,26 でボンディングにより接合する。 【0080】次いで、(b) に示す SIO基板30のSi基板18
aの部分を化学機械研磨法(CMP) によって研磨して削除
する。かくて、(c) に示すように、印字ヘッド1aが作製
される。 【0081】以上説明したように、発熱体8a1(8a2,…)
を基板171(172,…) に形成し、ヘッド駆動回路111(112,
…) 及びノズル9a1(9a2,…) を SOI基板30に形成して、
互いに張り合わせてから、Si基板18aの部分を除去する
ことにより、発熱体8a1(8a2,…) とヘッド駆動回路11
1(112,…) を印字ヘッド1a内に一体として組み込むこと
ができると共に、ノズル9a1(9a2,…) をマトリックス状
に容易に高密度に実装することができる。また、高密度
にした場合に問題になる各ノズル9a1,9a2,…間の熱干渉
もヘッド駆動回路111(112,…) の制約を受けず断熱性の
高いインクバリア14a1(14a2,…)によって容易に回避す
ることができる。 【0082】更に、電流供給配線21及びアース配線22と
ゲート配線24とを交叉しないように配置したので、段差
部分での絶縁耐圧の低下や段差部分の被覆不十分で生じ
るインク6a等の侵入による腐食障害を防止することがで
きる。 【0083】かくて、ライン化された印字ヘッド1aを低
コストに作製することができる。従って、印字ヘッド1a
がライン化されて固定したまま印字ができるので、従来
例のように、印字ヘッド1を搭載するキャリア2、及び
キャリア2をA、B方向に移動させる駆動機構(モータ
M1、プーリP1,P2 及びベルト4)を省略することがで
き、プリンタのコストを改善することができる。 【0084】2)実施例2(請求項14及び請求項15
に対応する) 図10に実施例2を示す。図10が実施例1で説明した
図7と異なるのは、印字ヘッド1bの SOI基板30及び基板
171(172,…) を夫々複数に分割して形成したことであ
る。 【0085】ライン化した印字ヘッド1bの場合、例え
ば、標準サイズA4判の印字用紙7に印字を行うため
に、少なくとも 200mm以上の幅に亙ってノズル9a1,9a
2,…が必要となり、歩留り、基板の利用効率等の面から
著しく不利となる。 【0086】そこで、図10に破線で示すように、印字
ヘッド1bは、シフトレジスタ27〜29を形成する部分を夫
々3個の基板(下側は基板で上側はノズル板と同じ)
に、発熱体8a1,8a2,…を形成した基板とヘッド駆動回路
111,112,…及びノズル9a1,9a2,…を形成したノズル板を
夫々2個に分割(但し、上側と下側の分割位置は接続の
ためにずらせている)し、実施例1の図8及び図9と同
様のモノリシック及び張り合わせプロセスと、分割部の
接続によって形成されている。 【0087】図11は、分割された電流供給配線21及び
ゲート配線24を夫々接続パターン39を介してバンプ25a,
26a によって接続された例を示している。図示していな
いがアース配線22の接続も同様である。 【0088】従って、張り合わせコストや接続コストは
掛かるが、作製時の歩留りや基板の利用効率を改善する
ことができ、総合的にはコストの低減が図れる。 3)実施例3(請求項8に対応する) 図12に実施例3を示す。図12が実施例1で説明した
図4と異なるのは、発熱体8a1(8a2,…) から発生する熱
の温度分布を制御する制御パターンを設けたことであ
る。 【0089】即ち、図12に示すように、発熱体8a1(8a
2,…) の周辺の基板171(172,…) の絶縁膜20上に高い熱
伝導性を有する材料で形成されたパターン、例えば、銅
膜パターン40が形成されている。 【0090】従って、駆動した発熱体8a1(8a2,…) の周
辺部の熱が銅膜パターン40によって吸収されて温度が低
くなり、中心部の温度が高くなるような温度分布に制御
することができ、インク6aへの熱の伝導が効果的に行っ
れ、噴射するインク6aの飛翔速度を安定させることがで
きる。 【0091】4)実施例4 図13に実施例4を示す。図13が実施例1で説明した
図5と異なるのは、ノズル位置を斜めにずらせた配置に
代えて、ノズル位置を同じ位置に配置したことである。 【0092】即ち、図13の印字ヘッド1cにおいて、ノ
ズル9a1,9a2,…の位置が用紙送り方向に揃えて形成され
ている。カラー印刷では、各色のインク粒子のドット位
置を同じ位置にする方が色が混ざって綺麗な印刷ができ
る場合があり、そのような場合に適応することができ
る。 【0093】上記実施例1では、 SOI基板30のSiO2被膜
19aにノズル9a1(9a2,…) を形成する場合を説明した
が、Si薄膜にノズル9a1(9a2,…) を形成する方法として
も良い。 【0094】上記実施例1及び実施例2では、ゲート配
線24の信号切り換え及び電流供給配線21の信号切り換え
にシフトレジスタ27〜29を使用した場合を説明したが、
デマルチプレクサを使用する方法としても良い。 【0095】また、上記例では、発熱体に通電してその
発熱でインク6aを気化させて噴射させる印字ヘッドの場
合を説明したが、圧電素子或いは磁歪材料の駆動でイン
ク6aを噴射する印字ヘッドの場合でも適用することがで
き、例えば、圧電素子による場合には、基板を二枚に分
割して圧電素子をヘッド駆動回路の反対側に設けること
により対応することができ、同様の効果が得られる。 【0096】 【発明の効果】以上、説明したように請求項1では、予
めエネルギ発生手段及び駆動手段を、第1の基板及び第
2の基板上に各々別々に形成することがでるため、形成
が容易になると共に、容易にインクジェットヘッド内に
一体化が可能となる。さらに、エネルギ発生手段と駆動
手段を近接して配置することで短い配線で接続すること
が可能となり、配線成形の製造コストを低減することが
できる。 【0097】 【0098】 【0099】 【0100】 【0101】 【0102】 【0103】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の請求項1によるインクジェットヘッド
原理図 【図2】本発明の請求項に対応する原理工程図 【図3】 本発明の実施例1を示すプリンタの概要を示
す斜視図 【図4】 実施例1の印字ヘッドを示す側断面図 【図5】 実施例1の印字ヘッドを示す斜視図 【図6】 実施例1の配線レイアウトを示す平面図 【図7】 実施例1のマトリックス配置を示す構成図 【図8】 印字ヘッドの製造工程図(その1) 【図9】 印字ヘッドの製造工程図(その2) 【図10】 本発明の実施例2を示す構成図 【図11】 実施例2の分割部の接続を示す側面図 【図12】 本発明の実施例3を示す構成図 【図13】 本発明の実施例4を示す斜視図 【図14】 インクジェットプリンタの概要を示す斜視
図 【図15】 従来例のヘッド部の一部を破断して示す斜
視図 【図16】 従来例のヘッド部の一部を示す側断面図 【符号の説明】 6,6a はインク、 8はエネルギ発生手段、81,8
2,8a1,8a2 は発熱体、9はノズル部、 91,92,9a
1,9a2 はノズル、11は駆動手段、 11aはヘッ
ド駆動部、111,112 はヘッド駆動回路、12,121,122,12a
1,12a2はノズル板、13,131,132,13a1,13a2は圧力室、
14,141,142は壁部材、14a1,14a2 はイン
クバリア、 151,152 は加熱板、1
7,171,172は基板、 17A は第1の基板、 18a
はSi基板、19aはSiO2被膜、 21は電流供給配
線、 22はアース配線、23は配線メタル、 24
はゲート配線、 25,25a,26,26a はバンプ、27〜29
はシフトレジスタ、30は SOI基板、 40は銅膜パ
ターン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−344575(JP,A) 特開 平4−4152(JP,A) 特開 平3−246045(JP,A) 特開 平1−242262(JP,A) 特開 平6−8447(JP,A) 特開 昭62−53842(JP,A) 特開 昭57−64563(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インクの粒子を噴射するノズル部を形成
    したノズル板と、 ノズル板に所定距離をおいて対向する第1の基板と、 ノズル板及び第1の基板を連結する壁部材と、 ノズル板及び第1の基板並びに壁部材で形成される圧力
    室と、 該圧力室内に設けられ、インクの噴射エネルギを発生す
    るエネルギ発生手段とを少なくとも1組備え、 エネルギ発生手段の駆動で、対応する圧力室内のインク
    をノズル部から噴射するインクジェットヘッドの製造方
    法であって、 前記第1の基板上に前記エネルギ発生手段を形成し、 第2の基板上に形成した被膜に前記ノズル部を形成して
    前記ノズル板とし、 該ノズル板上に該エネルギ発生手段を駆動させる駆動手
    段を形成し、 第1の基板上のエネルギ発生手段及び第2基板上の駆動
    手段の各々の形成面を対向させて前記壁部材を介して張
    り合わせて一体とした後、第2の基板を除去したことを
    特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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