JP3486616B2 - 液晶素子の製造方法、及び液晶素子の駆動方法 - Google Patents

液晶素子の製造方法、及び液晶素子の駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を利用して種
々の表示を行う液晶素子の製造方法、及び液晶素子の駆
動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(1) 従来、ネマチック液晶を利用したア
クティブマトリクス型の液晶パネルが種々提案されてい
る。以下、この液晶パネルについて説明する。
【0003】従来、一つ一つの画素にトランジスタのよ
うなアクティブ素子を配置したアクティブマトリクス型
液晶パネルとしてはネマチック液晶を用いたものがあ
り、様々なモードで使用されている。
【0004】例えば、広汎に用いられている代表的なモ
ードとしてツイステッドネマチック(Twisted
Nematic)モードがあり、該モードについては、
「エム・シャット(M.Schadt)とダブリュー・
ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著、APPli
ed Physics Letters、第18巻、第
4号(1971年2月15日発行)、第127頁から1
28頁」に開示されている。
【0005】また最近では、従来型液晶パネルの欠点で
ある視野角特性を改善するものとして、横方向電界を利
用したインプレインスイッチング(In−Plain
Switching)モードや、垂直配向(Verti
cal Alignment)モードが発表されてい
る。
【0006】(2) ところで、上述したネマチック液晶を
用いた場合には(いずれのモードでも)応答速度が遅い
という問題があり、近年は、そのような問題点のないカ
イラルスメクチック液晶を用いた液晶パネルが注目され
ている。例えば、「ショートピッチタイプの強誘電性液
晶」、「高分子安定型強誘電性液晶」、「無閾反強誘電
性液晶」などが提案されており、未だ実用化には至って
いないものの、いずれもサブミリ秒以下の高速応答性が
実現できると報告されている。
【0007】(3) 次に、このようなカイラルスメクチッ
ク液晶を用いた液晶パネルの一例について説明する。
【0008】例えば、特願平10−177145号にて
開示されている液晶パネルは、カイラルスメクチック液
晶として、高温側より、等方性液体相(ISO.)−コ
レステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相
(SmC*)、又は、等方性液体相(ISO.)−カイ
ラルスメクチックC相(SmC*)、の相転移系列を示
す液晶を、仮想コーンのエッジより内側の位置で安定化
するように調整して用いており、かかる液晶を一対の基
板間に注入した後の冷却過程において(正確には、Ch
−SmC*相転移の際、又はISO−SmC*相転移の際
に)液晶2にDC電圧を印加するなどして層方向を一方
向に均一化させている。この液晶パネルは、応答速度が
速いという効果を有するほか、階調制御が可能であっ
て、動画質に優れ、高輝度であって量産性に優れるとい
う特徴を有している。また、この液晶パネルは、自発分
極値を小さくでき、アクティブ素子とのマッチングが良
いものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した液
晶パネルにおいては階調表示が所望の表示になりにくい
ことがあり得る。具体的には所望の階調表示を行うよう
に電気的な駆動条件を設定しても視覚的に表示される階
調はその所望の階調表示を示しにくいことがあり得る。
【0010】かかる課題を解決するために電圧印加処理
(以下、"エージング処理"とする)が行われていた。す
なわち、カイラルスメクチック液晶における印加電圧と
透過率との関係(以下、"電圧−透過率特性"とする)
は、製造直後は安定しておらず、何ら処理を行わない状
態で液晶パネルを駆動した場合には、その駆動のために
印加された電圧によって安定状態に移行するという現象
が生じてしまい、その現象に起因して画像焼き付きが発
生する場合があった。そこで、(このように製造直後に
おいて安定でない特性を示すパネルに対しては)通常の
画像表示駆動をする前に電圧印加処理(エージング処
理)を行い、上述した電圧−透過率特性を意図的に安定
状態に移行させてしまい、画像を表示している際に特性
変化が生じないようにしていた。
【0011】しかし、該エージング処理を行うに際して
は、アクティブ素子をオンする度に印加電圧の極性を変
えていた(図4(c) 参照)。このため、印加された電圧
は、液晶分子の反転に基づいて減少してしまい(同図の
符号Vd参照)、その分、エージング処理の効果が弱く
なって、処理に時間が掛かってしまうという問題があっ
た。
【0012】そこで、本発明は、エージング処理を効果
的に短時間で行う液晶素子の製造方法及び駆動方法を提
供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情を考慮
してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に一対
の基板を配置する工程と、これら一対の基板の間隙にカ
イラルスメクチック液晶を配置する工程と、該カイラル
スメクチック液晶を挟み込むと共に複数の画素を構成す
るように一対の電極を配置する工程と、アクティブ素子
を各画素毎に一方の電極に接続した状態に配置する工程
と、からなる液晶素子の製造方法において、前記アクテ
ィブ素子を周期的にオンしながら前記一対の電極にエー
ジング用電圧を印加することに基づき、前記カイラルス
メクチック液晶の電圧−透過率特性を安定にする工程、
を備え、かつ、前記周期的に印加されるエージング用電
圧は、少なくとも2回は同一極性が連続する、ことを特
徴とする。
【0014】また本発明は、所定間隙を開けた状態に配
置された一対の基板と、これら一対の基板の間隙に配置
されたカイラルスメクチック液晶と、複数の画素を構成
すると共に該カイラルスメクチック液晶を挟み込むよう
に配置された一対の電極と、これらの一対の電極のいず
れか一方に接続されて各画素毎に配置された複数のアク
ティブ素子と、を備えた液晶素子を駆動する、液晶素子
の駆動方法において、前記アクティブ素子を周期的にオ
ンしながら、少なくとも2回は同一極性が連続するよう
に前記一対の電極にエージング用電圧を印加することに
基づき、前記カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率
特性を安定にする、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図5を参照して、
本発明の実施の形態について説明する。
【0016】(1) まず、本実施の形態にて製造され駆動
される液晶素子の全体構成について図1を参照して説明
する。
【0017】本実施の形態に係る液晶素子は、図1に符
号Pで示すように、所定間隙を開けた状態に配置された
一対の基板1a,1bと、これら一対の基板1a,1b
の間隙に配置されたカイラルスメクチック液晶2と、複
数の画素を構成すると共に該カイラルスメクチック液晶
2を挟み込むように配置された一対の電極3a,3b
と、これらの一対の電極のいずれか一方3bに接続され
た状態で各画素毎に配置された複数のアクティブ素子4
と、を備えており、前記一対の電極3a,3bを介して
前記カイラルスメクチック液晶2に電圧を印加すること
により駆動されるように構成されている。
【0018】なお、カイラルスメクチック液晶2として
は、高温側より、等方性液体相(ISO.)−コレステ
リック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC
*)、又は、等方性液体相(ISO.)−カイラルスメ
クチックC相(SmC*)、の相転移系列を示すものを
挙げることができる。なお、かかる液晶2は、電圧を印
加していない状態で液晶分子が仮想コーンのエッジ、或
いは仮想コーンの内側の位置で安定化する状態で用いる
と良い。
【0019】(2) 次に、本実施の形態に係る液晶素子の
製造方法について説明する。
【0020】上述した液晶素子Pを製造するに際して
は、所定間隙を開けた状態に一対の基板1a,1bを配
置する工程と、これら一対の基板1a,1bの間隙にカ
イラルスメクチック液晶2を配置する工程と、該カイラ
ルスメクチック液晶2を挟み込むと共に複数の画素を構
成するように一対の電極3a,3bを配置する工程と、
アクティブ素子4を各画素毎に一方の電極3bに接続し
た状態に配置する工程と、を適切な順序で実施する。
【0021】この場合、前記アクティブ素子4を周期的
にオンしながら前記一対の電極3a,3bにエージング
用電圧(液晶2における電圧−透過率特性を安定にする
ために印加する電圧をいう。以下同じ。)を印加するこ
とに基づき、前記カイラルスメクチック液晶2の電圧−
透過率特性を安定にする(以下、このように液晶2の電
圧−透過率特性を安定にする処理のことを"エージング
処理"とする)。ここで、前記エージング用電圧の極性
は、例えば図4(c) に符号Vx及び−Vxで示すよう
に、前記アクティブ素子4をオンする毎に正極性及び負
極性に交互に変えるのではなく、少なくとも2回は同一
極性が連続するようにする(図7(c) におけるフィール
ド期間FにおけるVxと、次のフィールド期間F
おけるVx参照)。このような駆動は、例えば * 一方の電極3aに与える電位を、少なくとも2回は
同一極性とし(すなわち、正極性なら正極性を連続し、
負極性なら負極性を連続し、0Vなら0Vを連続し)、 * 他方の電極3bに与える電位も、少なくとも2回は
同一極性とする(すなわち、正極性なら正極性を連続
し、負極性なら負極性を連続し、0Vなら0Vを連続さ
せる)、 ことにより達成できる。なお、"同一極性"とは、電極3
aに与える電位の極性と電極3bに与える電位の極性と
が同一という意味ではなく、連続するフィールド期間に
おいて極性が変化しないという意味である。
【0022】この場合、前記エージング用電圧は、一の
極性のものが2回以上連続印加された後、他の極性のも
のが1回以上印加される、ようにすると良い。
【0023】なお、前記一対の電極3a,3bに印加さ
れたエージング用電圧は、そのままカイラルスメクチッ
ク液晶2にも印加されて該液晶2の電圧−透過率特性を
安定にすることとなる。これらの電極3a,3bは、カ
イラルスメクチック液晶2と共に容量(詳細は後述)を
構成しているため、エージング用電圧はアクティブ素子
4のオフ時においても液晶2に印加され続けることとな
る。
【0024】また、かかるエージング用電圧の印加は、
前記カイラルスメクチック液晶2がカイラルスメクチッ
クC相(SmC*)を呈する状態のときに行うと良く、
液晶2を等方性液体相(ISO.)又はコレステリック
相(Ch)を発現するまで昇温し、その後、カイラルス
メクチックC相(SmC*)に相転移するまで降温した
後に行うと良い。
【0025】さらに、上述のようなエージング用電圧の
印加は、ほぼ全ての画素に対して行うと良い。
【0026】またさらに、エージング用電圧は、アクテ
ィブ素子4やドライバICなどの耐圧許容範囲内で、で
きるだけ大きい電圧にすると良い。
【0027】なお、液晶2の電圧−透過率特性は、上述
のようなエージング処理によって安定状態に一旦推移し
た後は不安定状態に戻ることはほとんど有り得ず、その
意味からは、エージング処理は1度だけで足りる。但
し、液晶素子Pの環境温度が変化したような場合には例
外的に(安定状態に推移していた上記特性が)不安定状
態に戻ってしまうことがある。このような場合には、再
度エージング処理を行えば良い。
【0028】(3) 次に、本実施の形態に係る液晶素子の
駆動方法について説明する。
【0029】上述の場合のエージング処理は、液晶素子
を製造する製造ラインで(製品としての液晶素子が工場
から出荷される前に)行われるが、もちろんこれに限る
必要はなく、エージング処理を(製造ラインにおいては
行わず)出荷された後の液晶素子に対してのみ行うよう
にしても、或いは、製造ライン及び出荷後の両方で行う
ようにしても良い。なお、出荷後の液晶素子に対して行
うエージング処理は、"液晶素子の製造方法"ではなく"
液晶素子の駆動方法"と概念すべきであるため、駆動方
法として以下に説明する。
【0030】出荷後においてエージング処理をする場合
も、上述と同様の方法でエージング電圧を印加すれば良
い。すなわち、前記アクティブ素子4を周期的にオンし
ながら前記一対の電極3a,3bにエージング用電圧を
印加することに基づき、前記カイラルスメクチック液晶
2の電圧−透過率特性を安定にする。ここで、前記エー
ジング用電圧の極性は、例えば図4(c) に符号Vx及び
−Vxで示すように、前記アクティブ素子4をオンする
毎に正極性及び負極性に交互に変えるのではなく、少な
くとも2回は同一極性が連続するようにする(図7にお
けるフィールド期間FにおけるVxと、次のフィール
ド期間FにおけるVx参照)。このような駆動は、 * 一方の電極3aに与える電位を、少なくとも2回は
同一極性とし(すなわち、正極性なら正極性を連続し、
負極性なら負極性を連続し、0Vなら0Vを連続し)、 * 他方の電極3bに与える電位も、少なくとも2回は
同一極性とする(すなわち、正極性なら正極性を連続
し、負極性なら負極性を連続し、0Vなら0Vを連続さ
せる)、 ことにより達成できる。なお、"同一極性"とは、電極3
aに与える電位の極性と電極3bに与える電位の極性と
が同一という意味ではなく、最初のフィールド期間の電
位の極性と次のフィールド期間の電位の極性とが同一で
あるという意味である。
【0031】この場合、一の極性のエージング用電圧を
2回以上印加し、その後、他の極性のエージング用電圧
を1回以上印加すると良い。
【0032】なお、前記一対の電極3a,3bに印加さ
れたエージング用電圧は、そのままカイラルスメクチッ
ク液晶2にも印加されて該液晶2の電圧−透過率特性を
安定にすることとなる。これらの電極3a,3bは、カ
イラルスメクチック液晶2と共に容量(詳細は後述)を
構成しているため、エージング用電圧はアクティブ素子
4のオフ時においても液晶2に印加され続けることとな
る。
【0033】また、かかるエージング用電圧の印加は、
前記カイラルスメクチック液晶2がカイラルスメクチッ
クC相(SmC*)を呈する状態のときに行うと良く、
液晶2を等方性液体相(ISO.)又はコレステリック
相(Ch)を発現するまで昇温し、その後、カイラルス
メクチックC相(SmC*)に相転移するまで降温した
後に行うと良い。
【0034】さらに、上述のようなエージング用電圧の
印加は、ほぼ全ての画素に対して行うと良い。
【0035】またさらに、エージング用電圧は、アクテ
ィブ素子4やドライバICなどの耐圧許容範囲内で、で
きるだけ大きい電圧にすると良い。
【0036】なお、このようなエージング用電圧の印加
は、液晶素子に駆動シーケンスとして予め組み込んでお
き、電源がユーザによってオンされた後(装置がスター
トアップ状態にあるとき)に自動的に行われるようにし
ても良く、或いは、スクリーンセーバが起動されるとき
に自動的に行われるようにしても良い。この場合、照明
装置(バックライト装置やフロントライト装置)を有し
ている液晶装置においては、液晶素子に光照射がされて
いない状態(すなわち、照明装置が非点灯状態)でエー
ジング用電圧の印加が行われるようにすると良い。これ
により、エージング処理に伴う液晶駆動が画像として認
識されることを防止でき、ユーザが故障と誤認すること
を防止できる。
【0037】(4) 次に、液晶素子Pの詳細構造について
説明する。
【0038】(4-1) まず、カイラルスメクチック液晶
2について説明する。
【0039】本実施の形態にて用いるカイラルスメクチ
ック液晶2は、上述のような相転移系列のもの、すなわ
ち、高温側より、等方性液体相(ISO.)−コレステ
リック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC
*)、又は、等方性液体相(ISO.)−カイラルスメ
クチックC相(SmC*)、の相転移系列を示すものが
好ましいが、具体的には、次の(1) 〜(4) に示す化合物
を挙げることができる。
【0040】(1)
【化1】 R1,R2 : 炭素原子数が1〜20である置換基を
有していてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2 : 単結合、O、COO、OOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF n:0または1
【0041】(2)
【化2】 R1,R2 : 炭素原子数が1〜20である置換基を
有していてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2 : 単結合、O、COO、OOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0042】(3)
【化3】 R1,R2 : 炭素原子数が1〜20である置換基を
有していてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2 : 単結合、O、COO、OOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0043】(4)
【化4】 R1,R2 : 炭素原子数が1〜20である置換基を
有していてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2 : 単結合、O、COO、OOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0044】ところで、本実施の形態では、カイラルス
メクチック液晶2については、その液晶材料の組成を調
整し、更に液晶材料の処理や素子構成、例えば配向制御
膜6a,6bの材料、処理条件等を適宜設定することに
より、 駆動電圧が印加されていない場合には、該液晶の平
均分子軸(液晶分子)が単安定化されている配向状態を
示し、 一の極性の駆動電圧が印加されて駆動される場合に
は、液晶分子の平均分子軸が駆動電圧の大きさに応じた
角度で前記単安定化された位置から一方の側にチルト
し、 他方の極性(前記一の極性に対する逆極性をいう。
以下、同じ)の電圧が印加されている場合には、液晶分
子の平均分子軸が駆動電圧の大きさに応じた角度で前記
単安定化された位置から他方の側(すなわち、前記一の
極性の電圧を印加したときにチルトする側とは反対の
側)にチルトする、 ような特性を示すようにすると良い。つまり、本実施の
形態に用いる液晶2は、例えば図5に示す特性のもので
あって、カイラルスメクチック液晶本来のメモリ性(双
安定性)が消失されたものであって、チルト角の大きさ
を印加電圧によって連続的に制御することができ、それ
に伴って液晶素子の光量も連続的に変化させることがで
き、階調表示を可能とするものである。この場合、前記
一の極性の駆動電圧を印加することによって最大チルト
状態とした場合におけるチルト角は、前記他の極性の電
圧を印加することによって最大チルト状態とした場合に
おけるチルト角と異ならせると良い。例えば、該他の極
性の電圧を印加した場合、該電圧の大きさにかかわら
ず、液晶の平均分子軸がほとんどチルトしないような特
性にしても良い。
【0045】(4-2) 次に、カイラルスメクチック液晶2
以外の各構成部材等について説明する。
【0046】上述した基板1a,1bには、ガラスやプ
ラスチック等の透明性の高い材料を用いれば良い。
【0047】また、電極3a,3bには、In
ITO(インジウム・ティン・オキサイド)等の材料を
用いれば良く、これらの電極3a,3bはそれぞれの基
板1a,1bに形成すると良い。なお、アクティブ素子
4を接続する方の電極3bは、ドット状にマトリクス状
に配置し、他方の電極3aは、基板のほぼ全面(或いは
特定の領域)に形成すると良い。さらに、アクティブ素
子4としては、TFTやMIM(Metal−Insu
lator−Metal)等を用いれば良い。
【0048】またさらに、各電極3a,3bの表面に
は、これらの電極間のショートを防止するための絶緑膜
を形成すると良く(図1には、一方の電極3bを覆う絶
縁膜5bのみ図示)、かかる絶緑膜は、SiO、Ti
、Ta等にて形成すれば良い。
【0049】また、カイラルスメクチック液晶2に接す
る位置には、その配向状態を制御するために一軸配向処
理を施した配向制御膜6a,6bを配置すると良い。か
かる配向制御膜6a,6bとしては、 * ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド、ポリ
ビニルアルコール等の有機材料からなる溶液を塗布して
膜を形成し、該膜の表面にラビング処理を施したもの
や、 * SiO等の酸化物や窒化物からなる無機材料を基板
1a,1bに斜め方向から所定の角度で蒸着させて形成
した斜方蒸着膜、 * 紫外線照射等によって一軸配向規制力を発生しうる
光配向膜を用いたもの、を挙げることができる。なお、
この配向制御膜6a,6bの材質や一軸配向処理の条件
等により、液晶分子のプレチルト角(すなわち、配向制
御膜6a,6bの界面近傍において液晶分子が配向制御
膜6a,6bに対してなす角度)が調整される。
【0050】このような配向制御膜6a,6bは、カイ
ラルスメクチック液晶2の両側に配置してそれらの両方
に一軸配向処理を施せば良く、その場合における一軸配
向処理方向(特にラビング方向)の関係は、用いる液晶
材料を考慮して、 * アンチパラレル(両一軸配向処理方向が平行かつ逆
方向)、 * パラレル(両一軸配向処理方向が平行かつ同方
向)、 * 45°以下の範囲でクロスする関係、 のいずれかになるように設定すれば良い。なお、45°
以下の範囲でクロスする関係とは、2つのベクトル(一
軸配向処理方向を示すベクトル)が45°以下の範囲内
でクロスする場合であって、それぞれのベクトル方向が
同方向(正確には、45°以下の角度ズレを有する。)
である場合や、それぞれのベクトル方向が逆方向である
場合の両方を挙げることができる。そして、互いのベク
トルの交差角度(狭い方の交差角度)の値が45°以下
で且つ0°に近いような場合は、それぞれのベクトルの
関係が実質的にアンチパラレル乃至パラレルの関係とみ
なしてもよい。また、上述のアンチパラレル或いはパラ
レルの関係もそれぞれベクトル同士が必ず平行である以
外に、例えば数°程度ずれているような場合でも実質的
にアンチパラレル乃至パラレルの関係とみなしてもよ
い。本明細書において配向制御膜とは、一軸配向処理さ
れた膜以外に、液晶に直接接触されることによって液晶
の配向に何らかの影響を与える膜のことを言う。なお、
両側の配向制御膜に一軸配向処理を施さなくても、片側
の配向制御膜のみに一軸配向処理を施しても良い。
【0051】さらに、基板1a,1bの間隙には、シリ
カビーズ等からなるスペーサー(不図示)を配置して、
かかるスペーサーによってその間隙寸法を規定するよう
にしてもよい。なお、間隙寸法は、液晶材料を考慮して
最適範囲になるように調整すれば良いが、均一な一軸配
向性を達成させたり、電圧が印加されていない状態での
液晶分子の平均分子軸を配向処理軸Rの平均方向の軸と
実質的に一致させるために、0.3〜10μmの範囲に
設定することが好ましい。
【0052】またさらに、基板1a,1bの間隙にエポ
キシ樹脂等からなる接着粒子(不図示)を分散配置し
て、両基板1a,1bの接着性や、液晶素子Pの耐衝撃
性を向上させると良い。
【0053】さらに、液晶素子Pは、透過型としても良
く、反射型としても良い。なお、透過型の場合には両方
の基板1a,1bを透明にする必要があり、反射型の場
合には、基板1a,1bの一方に光を反射させる機能を
付与する必要がある。ここで、光を反射させる機能を付
与する方法としては、 * 反射板や反射膜を、基板とは別体に設ける方法や、 * 基板自体を反射部材で形成する方法や、 等を挙げることができる。ここで、透過型の液晶素子の
場合には両方の基板に偏光板を(それらの偏光軸が互い
に直交するように)配置すれば良く、反射型の液晶素子
の場合には少なくとも一方の基板に偏光板を設ければ良
い。
【0054】ところで、上述した液晶素子Pを用いてカ
ラー表示を行うようにしても良い。このようなカラー表
示を行う方法としては、 * 各画素にカラーフィルターを配置する方法や、 * そのようなカラーフィルターを用いず、液晶素子に
対して異なる色の光を順次照射すると共に該光の照射に
同期させて画像を変更する方法(いわゆるフィールドシ
ーケンシャル方式)、 を挙げることができる。
【0055】また、上述した電極のいずれか一方3bに
は、駆動回路(図2の符号21参照)を接続して階調信
号を入力し、該信号によってチルト角度(すなわち、液
晶の平均分子軸の単安定位置からのチルト角度)の大き
さを制御して光透過率を制御し、それによって階調表示
を行うようにすると良い。
【0056】(4-3) 次に、本実施の形態に係る液晶素子
Pの詳細構成の一例について、図1及び図2を参照して
説明する。
【0057】図1に示す液晶素子Pは、所定間隙を開け
た状態に配置した一対のガラス基板1a,1b、を備え
ており、一方のガラス基板1aの全面には、ほぼ均一な
厚みの共通電極3aが形成され、共通電極3aの表面に
は配向制御膜6aが形成されている。
【0058】また、他方のガラス基板1bの側には、図
2に示すように、ゲート線G,G ,…が図示X方向
に多数配置され、ゲート線G,G,…とは絶縁され
た状態のソース線S,S,…が図示Y方向に多数配
置されている。そして、これらのゲート線G,G
…及びソース線S,S,…の各交点の画素には、ア
クティブ素子としての薄膜トランジスタ(アモルファス
SiTFT)4や、ITO膜等の透明導電膜からなる画
素電極3b及び保持容量電極7等が配置されている。
【0059】このうち、アモルファスSiTFT4は、
図1に示すように、ゲート電極10と、窒化シリコン
(SiNx)からなる絶縁膜(ゲート絶緑膜)5bと、
半導体層であるa−Si層11やna−Si層12,
13と、ソース電極14と、ドレイン電極15と、チャ
ネルを保護するチャネル保護膜16と、によって構成さ
れている。すなわち、ガラス基板1bには各画素毎にゲ
ート電極10が形成され、該ゲート電極10の表面は絶
縁膜5bにて覆われ、絶縁膜5bの表面であってゲート
電極10を形成した位置にはa−Si層11が形成され
ている。また、このa−Si層11の表面には、互いに
離間するようにna−Si層12,13が形成されて
おり、各na−Si層12,13にはソース電極14
やドレイン電極15が互いに離間した状態に形成されて
いる。さらに、これらのa−Si層11や電極14,1
5を覆うようにチャネル保護膜16が形成されている。
【0060】そして、TFT4のゲート電極10は上述
したゲート線G,G,…を介して走査信号ドライバ
20に接続され、TFT4のソース電極14はソース線
,S,…を介して情報信号ドライバ21に接続さ
れ、TFT4のドレイン電極15は画素電極3bに接続
されている。
【0061】ところで、上述した保持容量電極7はガラ
ス基板1bの表面に形成されており、上述した絶縁膜5
bは、この保持容量電極7及びガラス基板1bを覆う位
置まで形成され、上述したソース電極14や画素電極3
bはこの絶縁膜5bの表面に形成されている。これによ
り、保持容量電極7と画素電極3bとは、絶縁膜5bを
挟んだ状態に配置されることとなり、これらによって、
液晶2と並列の形で設けられた保持容量Csが構成され
ることとなる(図3参照)。なお、この保持容量電極7
は、面積を大きくした場合における開口率低下を防止す
るため、透明なITOによって形成すると良い。
【0062】また、図1に示すように、上述したTFT
4や画素電極3bの表面には配向制御膜6bが形成され
ており、その表面には一軸配向処理(ラビング処理)が
施されている。
【0063】さらに、これらのガラス基板1a,1bの
間隙であって、画素電極3bと共通電極3aとの間に
は、自発分極を有するカイラルスメクチック液晶2が配
置されていて、液晶容量Clcが構成されることとなる
(図3参照)。
【0064】また、このような液晶素子Pの両側には、
互いに偏光軸が直交した関係にある一対の偏光板(不図
示)が配置されている。
【0065】なお、図1に示す液晶素子Pではアモルフ
ァスSiTFTを用いているが、もちろんこれに限る必
要はなく、多結晶Si(P−Si)TFTや単結晶Si
(C−Si)TFTを用いても良い。
【0066】(4-4) 次に、上述した液晶素子Pの駆動方
法(通常の画像表示を行う場合の駆動方法)の一例につ
いて説明する。
【0067】上述した液晶素子Pにおいては、走査信号
ドライバ20から各ゲート線G,G,…にはゲート
電圧が線順次に印加され、TFT4はゲート電圧が印加
されることによってオン状態となる。
【0068】一方、ゲート電圧の印加に同期して、情報
信号ドライバ21からソース線S,S,…にはソー
ス電圧(各画素に書き込む情報に応じた情報信号電圧)
が印加される。したがって、TFT4がオン状態にある
画素では、ソース電圧がTFT4及び画素電極3bを介
して液晶2に印加され、液晶2のスイッチングが画素単
位で行われる。
【0069】そして、このような駆動を一定期間(フレ
ーム期間)毎に繰り返し、画像の書き換えを行うように
なっている。
【0070】(4-5) なお、図4に示すように、1つのフ
レーム期間Fを複数のフィールド期間F,F,…
に分割し、各フィールド期間F,F,…でそれぞれ
画像書き換えを行うようにしてもよい。以下、その駆動
方法について説明する。
【0071】ここで、図4は、各フレーム期間Fを2
つのフィールド期間F,Fに分割した例を示す図で
あり、同図(a)は、ある1本のゲート線Gにゲート
電圧Vgが印加される様子を示す図、同図(b)は、あ
る1本のソース線Sにソース電圧Vsが印加される様
子を示す図、同図(c)は、これらゲート線G及びソ
ース線Sの交差部の画素(すなわち、液晶2)に電圧
Vpixが印加される様子を示す図、同図(d)は、当該
画素における透過光量の変化を示す図である。なお、液
晶2には、図5に示すような、電圧−透過率特性のもの
を用いている。
【0072】いま、ある1本のゲート線Gに一定期間
(選択期間Ton)だけゲート電圧Vgが印加され(同図
(a)参照)、ある1本のソース線Sには、ゲート電
圧Vgの印加に同期した選択期間Tonに、共通電極3a
の電位Vcを基準電位としたソース電圧Vs(=+Vx)
が印加される(同図(b)参照)。すると、当該画素の
TFT4はゲート電圧Vgの印加によってオンされ、ソ
ース電圧VxがTFT4及び画素電極3bを介して印加
されて液晶容量Clc及び保持容量Csの充電がなされ
る。ところで、選択期間Ton以外の非選択期間Toffに
は、ゲート電圧Vgは他のゲート線G,G,…に印
加されていて同図(a)に示すゲート線Gには印加さ
れず(ゲート電圧Vgが印加されていないだけであっ
て、オフ電圧は印加されている)、当該画素のTFT4
はオフとなる。したがって、液晶容量Clc及び保持容量
Csは、この間、充電された電荷を保持することとなる
(同図(c)参照)。これにより、1フィールド期間F
を通じて液晶2には電圧Vpix(=+Vx)が印加され
続けることとなり、ほぼ同じ透過光量Txが維持される
こととなる(同図(d)参照)。ここで、選択期間Ton
が比較的短い場合には、液晶分子反転が完了せず、液晶
容量Clc及び保持容量Csへの充電及び液晶2のスイッ
チングは非選択期間Toffに行われる。かかる場合は、
自発分極の反転によって充電された電荷が相殺され、液
晶2に印加される電圧Vpixは同図(c)のように+Vx
よりVdだけ小さい値を取る。
【0073】次のフィールド期間Fにおいては、上述
したゲート線Gには再びゲート電圧Vgが印加され
(同図(a)参照)、これと同期してソース線S
は、先のものとは逆極性のソース電圧−Vxが印加され
る(同図(b)参照)。これによって、ソース電圧−V
xが液晶容量Clc及び保持容量Csに充電されると共に、
非選択期間Toffにおいてはその電荷が保持される(同
図(c)参照)。これにより、1フィールド期間F
通じて液晶2には電圧Vpix(=−Vx)が印加され続け
ることとなり、ほぼ同じ透過光量Tyが維持されること
となる(同図(d)参照)。ここで、選択期間Tonが比
較的短い場合には、液晶分子反転は完了しておらず、液
晶容量Clc及び保持容量Csへの充電及び液晶2のスイ
ッチングは非選択期間Toffに行われる。かかる場合
は、自発分極の反転によって充電された電荷が相殺さ
れ、液晶2に印加される電圧Vpixは図4(c)のよう
に−VxよりVdだけ大きい値を取る。
【0074】ところで、図4に示す駆動方法によれば、
各フィールド期間F,F単位で印加電圧の大きさに
応じて液晶2がスイッチングされ、各フィールド期間F
,F単位で異なる階調表示状態(透過光量Tx,T
y)が得られ、フレ−ム期間F の全体でそれらTx,T
yを平均した透過光量が得られる。
【0075】なお、液晶2には図5に示す特性のものを
用いているため、2番目のフィールド期間Fにおける
透過光量Tyは、Txよりかなり小さくてほぼ0レベルで
あり、フレ−ム期間全体の透過光量は、上述のような透
過光量の平均化によって最初のフィールド期間Fの透
過光量に比べて低下することとなる。したがって、実際
の駆動においては、フレ−ム期間全体で得たい透過光量
(表示画像の階調)に基づいて、最初のフィールド期間
の透過光量Txを(表示諧調よりも高めに)決定
し、該透過光量Txを得るような電圧Vxを印加すれば良
い。
【0076】また、上述のように駆動した場合、奇数フ
ィールド期間(例えばF)では正極性の電圧(+V
x)が液晶2に印加され、偶数フィールド期間(例えば
)では負極性の電圧(−Vx)が液晶2に印加され
ることとなるため、液晶2に実際に印加される電圧が時
間的に交流化され、液晶2の劣化が防止される。
【0077】さらに、最初のフィールド期間Fにおい
ては高輝度表示を行い、次のフィールド期間Fでは低
輝度表示を行うため、時間開口率が50%以下程度とな
る。したがって、かかる液晶素子で動画像を表示した場
合、その画質が良好なものとなる。
【0078】ところで、コレステリック相からカイラル
スメクチックC相へと相転移する相転移過程を詳細に偏
光顕微鏡観測したとき、スメクチックA相と酷似した配
向状態が観測される場合がある。しかしながら本発明に
使用される素子の本質はSmC*相でスメクチック層の
法線方向と一軸配向処理方向とが大きく異なっており電
圧無印加時に安定な分子位置がラビング方向に近い位置
にあることである。つまり、こうした関係の層形成方向
が実現されている場合には上記スメクチックA相的な液
晶相は配向には寄与しないこととなるため、本願におい
てはこうした材料についてもスメクチックA相を含まな
い材料と定義する。
【0079】また、エージング処理を行う場合には、上
述した駆動方法と同じように、走査信号ドライバ20か
ら各ゲート線G,G,…にゲート電圧を印加し、こ
の電圧印加に同期するように、情報信号ドライバ21か
らソース線S,S,…にエージング用電圧を印加す
る。
【0080】(5) 次に、本実施の形態の効果について説
明する。
【0081】上述のように前記アクティブ素子4を周期
的にオンにしてエージング処理を行うに際し、該エージ
ング用電圧の極性を交互に変えた場合には、アクティブ
素子4がオンにされる度に液晶の自発分極の反転が生
じ、該反転に伴なう電圧降下が生じる(図4(c) の符号
Vd参照)。しかし、本実施の形態によれば、該エージ
ング用電圧の極性をそのように交互に変えるのではな
く、少なくとも2回は同一極性が連続するようにしてい
る(図7(c) 参照)。これにより、上述のような自発分
極に伴う電圧降下Vdを減少させることができ、エージ
ング処理の効果を高めて、処理時間を短縮することがで
きる。
【0082】なお、図8に示すようにフレーム期間を単
に長くするだけの場合(すなわち、本実施の形態のよう
に同一極性のエージング用電圧を連続印加しない場
合)、同図(c) に示すように、上述のような自発分極反
転に伴う電圧降下Vdがずっと保持され、液晶2に印加
される電圧(時間的な積分値)は少なくなる。しかし、
本実施の形態によれば、図7(c) に示すように、同一極
性のエージング用電圧+Vxが再印加されることなるた
め、自発分極反転に伴う電圧降下Vdが消失される。こ
れにより、上述と同様、エージング処理の効果を高め
て、処理時間を短縮することができる。
【0083】以下、液晶分子反転に伴う印加電圧減少に
ついて補足する。
【0084】通常、アクティブマトリクス型の液晶素子
にエージング処理を施す場合には、液晶分子は、アクテ
ィブ素子4がオンされて電荷が供給されている間に反転
し、さらに、アクティブ素子4がオフされた後も液晶容
量Clcに保持される電荷によって反転が継続される。
【0085】しかし、液晶容量Clcに保持される電荷
は、液晶分子の反転(すなわち、アクティブ素子4がオ
フされた後の反転)によって減少してしまうため、液晶
2に印加されるエージング用電圧のトータル量(すなわ
ち、アクティブ素子4がオンされたときからオフされた
後に液晶2に印加されるエージング用電圧の時間積分値
=∫Vdt)は、アクティブ素子4がオフされた後におけ
る液晶分子の反転量が多い程小さくなり、該トータル量
が少なければ、1回のエージング処理では電圧−透過率
特性が完全には安定しないこととなる。
【0086】しかし、本実施の形態によれば、上述のよ
うにエージング電圧が印加されるため、液晶容量Clcに
保持される電荷の減少、さらには、エージング用電圧の
トータル量の減少を防止でき、効果的にエージング処理
を施すことが可能となる。
【0087】そして、このようなエージング処理によっ
て液晶の電圧−透過率特性が安定し、通常の画像表示の
ために電圧が印加された場合においても特性が変化せ
ず、画像表示が焼き付いて見えてしまうこともない。
【0088】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説
明する。
【0089】(実施例1) (液晶組成物の調製)まず、下記液晶性化合物を、それ
ぞれの右側に併記した重量比率で混合し液晶組成物LC
−1を調製した。
【0090】
【化5】
【0091】上記液晶組成物LC−1の物性パラメータ
を以下に示す。 86.3 61.2 -7.2 相転移温度(℃) :ISO. → Ch → SmC* → Cry 自発分極(30℃):Ps=2.9nC/cm コーン角(30℃):Θ=23.3°(100Hz,±12.5
V、基板間隙は1.4μm) SmC相でのらせんピッチ(30℃) :20μm以
【0092】(液晶セルの作製)本実施例においては、
図1及び図2に示すアクティブマトリクス型液晶パネル
(液晶素子)Pを作成した。
【0093】なお、基板1a,1bには厚さ1.1mm
のガラス基板を用い、それらには透明電極3a,3bを
700Å厚のITOにて形成した。また、一方のガラス
基板1aにはRGBのカラーフィルター(不図示)を形
成した。そして、画面サイズは10.4インチとし、画
素数(すなわち、RGBの色画素によって構成される画
素の数)は800×600とした。
【0094】さらに、アクティブ素子4にはa−SiT
FTを用い、該TFT4のゲート絶縁膜5bには窒化シ
リコン膜を用いた。
【0095】また、配向制御膜6a,6bは、ポリイミ
ド膜にて形成した。具体的には、市販のTFT用配向膜
(日産化学社製のSE7992)をスピンコート法によ
り透明電極3a,3bを覆うように塗布し、その後、8
0℃の温度で5分間の前乾燥を行ない、さらに200℃
の温度で1時間の加熱焼成を施すことによって形成し、
その膜厚を150Åとした。なお、これらの配向制御膜
6a,6bには、コットン布によるラビング処理(一軸
配向処理)を施した。このラビング処理には、外周面に
コットン布を貼り合わせた径10cmのラビングロール
を用い、押し込み量を0.7mm、送り速度を10cm
/secとし、回転数を1000rpm、送り回数を4
回とした。
【0096】続いて、一方の基板上には、平均粒径1.
5μmのシリカビーズ(スペーサー)を散布し、各基板
のラビング処理方向が互いにアンチパラレルとなるよう
に貼り合わせ、均一な基板間隙のセルを得た。
【0097】このようなプロセスで作製したセルに液晶
組成物LC−1をCh相の温度で注入し、液晶がカイラ
ルスメクチック液晶相を示す温度まで冷却し(但し、冷
却速度は1℃/minとした)、液晶がCh相からSm
*相に相転移する際に(Tc−2℃〜Tc+2℃の温
度範囲内で)−2Vのオフセット電圧(直流電圧)を印
加し、液晶パネルPを作製した。
【0098】次に、作製した液晶パネルPにエージング
処理を施した。具体的には、フレームレートを60Hz
とし、1フレーム期間F(=1/60Hz)を4つの
フィールド期間F,F,F,F(=1/240
Hz)に分割し、1番目と2番目のフィールド期間
,Fには正のソース電圧(エージング用電圧)V
s=+Vx=+5Vを印加し、3番目と4番目のフィー
ルド期間F,Fには負のソース電圧(エージング用
電圧)Vs=−Vx=−5Vを印加してエージング処理
を施した。
【0099】本実施例では、上述のようにエージング処
理を施した液晶パネルPを10個作製した。但し、各液
晶パネルPのエージング処理時間は、1分、2分、3
分、4分、5分、10分、15分、20分、25分、3
0分と異ならせておき、3Vのソース電圧Vsを印加し
て図4に示す方法でそれぞれの液晶パネルを駆動し、そ
の透過率をオシロスコープで測定した。その透過率の測
定結果とエージング処理時間との関係を図6に示すが、
5分程度の短時間のエージング処理で、電圧−透過率特
性が安定していることが理解できる。なお、図6の横軸
は、エージング処理を施した時間を示しており、縦軸
は、3V(画像表示用電圧)を印加したときの透過率を
示す。なお、図4の駆動方法によれば、透過率は、符号
Tx、Tyに明らかなように前半のフィールド期間F
と後半のフィールド期間Fとで異なるが、図6の縦軸
の値は、透過率の積分値の時間平均として下式で算出し
たものを用いた。
【0100】
【数1】 但し、τは任意のタイミング、Tは透過率、tは時間
【0101】また、画像表示用電圧を3Vとしてエージ
ング用電圧の5Vと異ならせたのは、3V程度の中間調
表示電圧の方が、エージング処理時間の影響が現れ易い
からである。
【0102】ところで、エージング用電圧の極性を交互
に変えながらエージング処理を行った場合、具体的に
は、図4に示すように、1フレーム期間F(=1/6
0Hz)を2つのフィールド期間F,F(=1/1
20Hz)に分割し、1番目のフィールド期間Fには
正のソース電圧(エージング用電圧)Vs=+Vx=+
5Vを印加し、2番目のフィールド期間Fには負のソ
ース電圧(エージング用電圧)Vs=−Vx=−5Vを
印加した場合、液晶の電圧−透過率特性を安定させるに
は10分程度のエージング処理が必要であったが、本実
施例によれば、エージング処理を5分程度に短縮できる
ことが分かった。
【0103】ところで、エージング処理を施して電圧−
透過率特性を安定にさせた後の液晶パネルを用い、特定
の画像(白黒のチャートなどの固定パターン)を5時間
程度連続表示させたが、表示焼き付き現象は全く観測さ
れなかった。つまり、エージング処理によって、電圧−
透過率特性が完全に安定状態に移行して特性変化は全く
発生せず、焼き付きに対する信頼性が大きく向上したも
のと考えられる。
【0104】なお、本実施例においては、特定パターン
の画像を継続表示(白黒のチャートなどの固定パターン
を5時間程度表示)させた後、所定の中間調電圧(例え
ば、最大輝度に対して50%輝度が得られるような電
圧)を印加した場合において、中間調表示を行っている
状態で“特定パターンの画像”が目視にて視認されれば
焼きついていると判断し、“特定パターンの画像”が目
視にて視認されなければ焼きついていないものと判断す
ることとした。
【0105】(実施例2)本実施例では、図7に示すよ
うに、1フレーム期間F(=1/60Hz)を2つの
フィールド期間F,F(=1/120Hz)に分割
し、偶数フレーム期間では、いずれのフィールド期間F
,Fにおいても正のソース電圧(エージング用電
圧)Vs=+Vx=+5Vを印加し、奇数フレーム期間
では、いずれのフィールド期間F,Fにおいても負
のソース電圧(エージング用電圧)Vs=+Vx=−5
Vを印加した。
【0106】本実施例によれば、5分程度の短時間でエ
ージング処理が完了した。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
エージング用電圧の極性は、アクティブ素子をオンする
毎には変えないため(すなわち、同一極性のエージング
用電圧が連続するように設定されているため)、自発分
極に伴う電圧降下を減少させることができる。その結
果、カイラルスメクチック液晶に印加される電圧(時間
的な積分値)の減少を防止し、エージング処理の効果を
高めて、処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクティブマトリクス型液晶パネルの構造を示
す断面図。
【図2】アクティブマトリクス型液晶パネルの構造を示
す回路図。
【図3】アクティブマトリクス型液晶パネルの構造を示
す等価回路図。
【図4】アクティブマトリクス型液晶パネルの駆動方法
を示すタイミングチャート図。
【図5】カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率特性
の一例を示す図。
【図6】エージング処理時間と透過率との関係を示す
図。
【図7】エージング処理時の電圧波形等を示すタイミン
グチャート図。
【図8】本発明の効果を説明するための図。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板(基板) 2 カイラルスメクチック液晶 3a 共通電極(電極) 3b 画素電極(電極) 4 TFT(アクティブ素子) P 液晶パネル(液晶素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 秀雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野口 幸治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 礒部 隆一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−44993(JP,A) 特開 平8−136898(JP,A) 特開 平10−197842(JP,A) 特開2002−116467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/133 560 G02F 1/141

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隙を開けた状態に一対の基板を配
    置する工程と、これら一対の基板の間隙にカイラルスメ
    クチック液晶を配置する工程と、該カイラルスメクチッ
    ク液晶を挟み込むと共に複数の画素を構成するように一
    対の電極を配置する工程と、アクティブ素子を各画素毎
    に一方の電極に接続した状態に配置する工程と、からな
    る液晶素子の製造方法において、 前記アクティブ素子を周期的にオンしながら前記一対の
    電極にエージング用電圧を印加することに基づき、前記
    カイラルスメクチック液晶の電圧−透過率特性を安定に
    する工程、を備え、かつ、 前記周期的に印加されるエージング用電圧は、少なくと
    も2回は同一極性が連続する、 ことを特徴とする液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エージング用電圧は、一の極性のも
    のが2回以上連続印加された後、他の極性のものが1回
    以上印加される、 ことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記カイラルスメクチック液晶が、高温
    側より、等方性液体相(ISO.)−コレステリック相
    (Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC*)、又
    は、等方性液体相(ISO.)−カイラルスメクチック
    C相(SmC*)の相転移系列を示す液晶である、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記エージング用電圧の印加は、前記カ
    イラルスメクチック液晶がカイラルスメクチックC相を
    呈する状態のときに行われる、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の液晶素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エージング用電圧の印加は、ほぼ全
    ての画素に対して行われる、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の液晶素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 所定間隙を開けた状態に配置された一対
    の基板と、これら一対の基板の間隙に配置されたカイラ
    ルスメクチック液晶と、複数の画素を構成すると共に該
    カイラルスメクチック液晶を挟み込むように配置された
    一対の電極と、これらの一対の電極のいずれか一方に接
    続されて各画素毎に配置された複数のアクティブ素子
    と、を備えた液晶素子を駆動する、液晶素子の駆動方法
    において、 前記アクティブ素子を周期的にオンしながら、少なくと
    も2回は同一極性が連続するように前記一対の電極にエ
    ージング用電圧を印加することに基づき、前記カイラル
    スメクチック液晶の電圧−透過率特性を安定にする、 ことを特徴とする液晶素子の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記エージング用電圧は、一の極性のも
    のが2回以上連続印加された後、他の極性のものが1回
    以上印加される、 ことを特徴とする請求項6に記載の液晶素子の駆動方
    法。
  8. 【請求項8】 前記カイラルスメクチック液晶が、高温
    側より、等方性液体相(ISO.)−コレステリック相
    (Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC*)、又
    は、等方性液体相(ISO.)−カイラルスメクチック
    C相(SmC*)の相転移系列を示す液晶である、 ことを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶素子の駆
    動方法。
  9. 【請求項9】 前記エージング用電圧の印加は、前記カ
    イラルスメクチック液晶がカイラルスメクチックC相を
    呈する状態のときに行われる、 ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載
    の液晶素子の駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記エージング用電圧の印加は、ほぼ
    全ての画素に対して行われる、 ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載
    の液晶素子の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記エージング用電圧の印加は、電源
    がオンされた後に自動的に行われる、 ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記
    載の液晶素子の駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記エージング用電圧の印加は、スク
    リーンセーバが起動されるときに自動的に行われる、 ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記
    載の液晶素子の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記エージング用電圧の印加は、前記
    液晶素子に光照射がされていない状態で行われる、 ことを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記
    載の液晶素子の駆動方法。
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