JP3457896B2 - 反響消去装置 - Google Patents

反響消去装置

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JP3457896B2 JP31009798A JP31009798A JP3457896B2 JP 3457896 B2 JP3457896 B2 JP 3457896B2 JP 31009798 A JP31009798 A JP 31009798A JP 31009798 A JP31009798 A JP 31009798A JP 3457896 B2 JP3457896 B2 JP 3457896B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反響消去装置(以
下「エコーキャンラ」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に、従来装置の構成例を示す。な
お、図2に示す装置は、エコー消去特性を劣化させる原
因となるエコーキャンセラ出力(例えば、スピーカ)の
非線形性を補償し、エコー消去特性の向上を図るものの
例である。
【0003】図2の装置は、入力端子1、スピーカ2、
マイクロホン3、加算器4、出力端子5、非線形特性推
定回路6、エコーパス推定係数保持部7、畳み込み演算
部8、係数更新部9からなる。
【0004】この装置では、以下の動作が行われる。ま
ず、遠端話者(図示せず)から受信された受信信号が入
力端子1に入力される。入力端子1に入力された受信信
号は、スピーカ2及び非線形特性推定回路6に入力され
る。スピーカ2に入力された受信信号は、電気−音響信
号変換された後、音声信号として空中に放射される。こ
のとき、スピーカ2の有する非線形性特性が、放射され
た音声信号に付加される。スピーカ2から放射された音
声信号は、人体その他の反射物で反射され、エコーとな
ってマイクロホン3に入力される。マイクロホン3の出
力は、加算器4に入力される。
【0005】一方、入力端子1から非線形特性推定回路
6に入力された受信信号には、非線形特性推定回路6に
おいて、スピーカ2の有する非線形性特性が付加され
る。非線形性特性補償後の受信信号は、畳み込み演算部
8に出力される。このとき、補償に用いた非線形特性
は、係数更新部9に与えられる。係数更新部9では、非
線形特性の影響を考慮した参照入力について、エコーパ
ス推定係数(図示せず)が更新される。更新後のエコー
パス推定係数は、エコーパス推定係数保持部7に一旦保
持された後、畳み込み演算部8に出力される。
【0006】畳み込み演算部8では、エコーパス推定係
数保持部7から与えられる係数と、非線形特性推定回路
6から与えられる非線形性特性補償後の受信信号との畳
み込み演算が行われ、擬似エコーが計算される。擬似エ
コーは、加算器4に出力される。加算器4では、マイク
ロホン2から入力されるエコー信号と、畳み込み演算部
8から入力される擬似エコーとの差分が求められ、その
差分値が係数更新部9に与えられる。
【0007】係数更新部9では、非線形特性推定回路6
の出力と加算器4の出力とに基づいて、エコーパス推定
係数が更新される。また、加算器4の出力は、非線形特
性推定回路6に出力され、非線形特性を計算するために
使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来装
置の場合には、常時、非線形性を補償した受信信号を用
いて擬似エコーを生成する構成を採っている。しかし、
この構成の装置では、本来補償を必要としない受信信号
についてまで非線形性を補償することになるため、補償
の効果が逆に現れ、エコーキャンセル特性が劣化する場
合がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(A)かかる課題を解決
するため、第1の発明においては、(1)受信信号の再
生出力に重畳される非線形特性に基づいて、受信信号に
対応する再生出力を推定する非線形特性推定手段と、
(2)遠端話者への信号出力系に帰還する上記再生出力
の伝搬経路を推定する伝搬係数を保持する反響経路推定
係数保持手段と、(3)非線形特性推定手段において推
定された再生出力と反響経路推定係数保持手段に保持さ
れる係数とを畳み込み演算し、擬似反響信号を得る畳み
込み演算手段とを備え、当該擬似反響信号に基づいて、
遠端話者へと出力される出力信号から反響信号を消去す
る反響消去装置において、以下の手段をさらに備えるよ
うにする。
【0010】すなわち、(4)受信信号の信号レベルを
検出し、その信号レベルが所定の閾値を越えたか否か判
定するレベル検出手段と、(5)非線形特性推定手段に
おいて推定された再生出力とその推定に用いられる推定
前の受信信号とを入力し、レベル検出手段において検出
された受信信号の平均値レベルが所定の閾値を越えると
き、非線形特性推定手段において推定された再生出力を
畳み込み演算手段に与え、レベル検出手段において検出
された受信信号の平均値レベルが所定の閾値を越えない
とき、受信信号を畳み込み演算手段に与える切替手段と
をさらに備えるようにする。
【0011】このように、第1の発明においては、受信
信号の平均値レベルが所定の閾値を越えるか否かによっ
て、畳み込み演算手段に与える信号を切り替え得るよう
にしたことにより、非線形特性がほとんど重畳し得ない
ほど信号レベルの小さい受信信号については、反響経路
の特性のみを考慮した擬似反響信号を得ることができ
る。この結果、非線形特性の影響がないにも関わらず一
律に非線形特性を補償する場合に比して通信品質の劣化
を低減できる。(B)第2の発明においては、第1の発
明に加えさらに、(6)切替手段から受信信号が出力さ
れるようになった場合、非線形特性推定手段から非線形
成分を表す係数を取り出して監視し、その平均値が所定
の閾値より小さくなったとき、受信信号に重畳される非
線形特性が、その影響をほとんど無視し得る状態になっ
たと判断して、切替手段から出力される信号を、非線形
特性推定手段において推定された再生出力に強制的に切
り替える非線形係数監視手段を備えるようにする。
【0012】このように、第2の発明においては、非線
形特性推定回路で推定される非線形特性の影響が十分小
さくなった状態で、レベル検出手段における判定を待つ
前に予め、非線形特性推定手段において推定された再生
出力が切替手段から出力されるようにする。
【0013】この結果、受信信号の信号レベルが急激に
大きくなり、その再生出力に非線形特性の影響が現れる
ような場合にも、レベル検出手段で判定処理に要する時
間遅れのために、切替手段の切替指示が未だ出されてい
ない状態でも、既に切替手段から出力される信号は、非
線形特性推定回路で推定された再生信号に切り替わって
いるため、そのレベル変動にすばやく対処することがで
きる。(C)第3の発明においては、第1の発明に加え
さらに、(6')切替手段から受信信号が出力されるよ
うになった場合、その切り替え直後からの経過時間を計
測し、経過時間が所定の閾値より大きくなったとき、非
線形特性推定手段における非線形成分を表す係数が、そ
の影響をほとんど無視し得る程小さくなったと推定し、
切替手段から出力される信号を、非線形特性推定手段に
おいて推定された再生出力に強制的に切り替える時間カ
ウント手段を備えるようにする。
【0014】このように、第3の発明においては、切替
手段から受信信号が出力されるようになった直後から、
非線形特性推定手段における非線形成分を表す係数がそ
の影響をほとんど無視し得る程小さくなるのに十分な時
間経過したか否かを判定し、その時間の経過後、レベル
検出手段における判定を待つ前に予め、非線形特性推定
手段において推定された再生出力が切替手段から出力さ
れるようにする。
【0015】この結果、受信信号の信号レベルが急激に
大きくなり、その再生出力に非線形特性の影響が現れる
ような場合にも、レベル検出手段で判定処理に要する時
間遅れのために、切替手段の切替指示が未だ出されてい
ない状態でも、既に切替手段から出力される信号は、非
線形特性推定回路で推定された再生信号に切り替わって
いるため、そのレベル変動にすばやく対処することがで
きる。(D)第4の発明においては、第2の発明に加え
さらに、(7)非線形係数監視手段からその監視対象で
ある係数の平均値を入力して動作し、その平均値が所定
の閾値よりも小さくなったとき、当該時点においてレベ
ル検出手段で算出されている受信信号の平均値レベル
で、レベル検出手段で使用する閾値の新たな値を更新す
る判定閾値決定手段を備えるようにする。
【0016】このように、第4の発明においては、切替
手段から受信信号が出力されている状態において、非線
形特性推定回路における非線形成分を表す係数の平均値
が十分小さくなった場合には(少なくとも、当該時点ま
でに入力された受信信号の平均信号レベルでは、非線形
特性が再生出力に現れ得ないことを意味する)、その際
にレベル検出手段で得られている受信信号の平均信号レ
ベルを新たなレベル判定用の閾値に用いる。
【0017】これにより、レベル検出器で判定に用いる
最適な閾値が不明な場合でも、最適な閾値を自動的に設
定することが可能となる。(E)第5の発明において
は、第2の発明に加え、(7')非線形係数監視手段に
よる切替手段への切替指示の中継を管理し、非線形係数
監視手段が最初に出力する切替指示は、内蔵カウンタの
カウント開始信号としてのみ使用すると共に、当該最初
の切替指示及びその後カウント動作開始から所定時間が
経過するまでに入力された切替指示の中継を禁止し、所
定時間経過後に非線形係数監視手段に要求した判定処理
に対する応答として入力のあった切替指示を始めて切替
手段に転送する時間カウント手段を備えるようにする。
【0018】このように、第5の発明においては、非線
形係数監視部が切替手段の出力切替を指示した場合でも
実際の切替動作を保留し、最初の切替指示から所定時間
が経過した後もさらに切替指示が出力される場合に限
り、切替手段における出力の切替を現実に実行させるよ
うにする。
【0019】かくして、実際には非線形特性が無視でき
る状態になっていないにもかかわらず、受信信号の信号
レベルの変動が激しいために、監視対象である係数が瞬
間的に小さくなるような状態が生じても、このような場
合には、一定時間経過後の判定で、誤判定であることの
判別が可能なため、誤判定による通信品質の劣化を有効
に回避できる。(F)第6の発明においては、第5の発
明に加え、(8)非線形係数監視手段からその監視対象
である係数の平均値を入力して動作し、その平均値が所
定の閾値よりも小さくなったとき、当該時点において上
記レベル検出手段で算出されている受信信号の平均値レ
ベルで、レベル検出手段で使用する閾値の新たな値を更
新する判定閾値決定手段を備えるようにする。
【0020】このように、第6の発明においては、レベ
ル検出器で判定に用いる閾値の自動設定をも可能とでき
る。
【0021】
【発明の実施の形態】(A)第1の実施形態 図1に、本発明に係るエコーキャンセラの第1の実施形
態例を示す。なお、図1には、図2との対応部分に対応
符号を付して、また同一部分に同一符号を付して表して
いる。 (A−1)装置構成 本実施形態に係るエコーキャンセラと従来装置との違い
は、レベル検出器10とスイッチ11との違いである。
【0022】このうち、レベル検出器10は、現在受信
中の受信信号が、非線形性の補償を必要とするものか否
かを判定するために設けられている。レベル検出器10
は、補償の必要性を受信信号の信号レベルより判断する
ように構成されている。一般に、受信信号は、振幅が大
きいほどスピーカ2の有する非線形性特性の影響を受け
易いため、レベル検出器10は、予め定めた判定基準値
より受信信号の振幅が大きいか否かによって補償の必要
性を判断する。なお、判断結果は、スイッチ11に切替
信号として出力される。
【0023】スイッチ11は、切替信号に基づいて畳み
込み演算部8に接続する入力端を切替える手段である。
ここで、入力端Aには非線形特性推定回路6で非線形性
が補償された受信信号が与えられており、入力端Bには
補償を受けていない受信信号が与えられている。スイッ
チ11は、初期状態時、入力端子Bに接続されている。
【0024】なお、この実施形態における係数更新部9
は、加算器4の出力である擬似エコーのみを用いてエコ
ーパス推定係数を更新する点で、非線形特性推定回路6
からの出力も利用する従来装置と異なる。 (A−2)処理動作の内容 まず最初に、本実施形態に係るエコーキャンセラの基本
動作を説明する。これは、遠端話者から受信した受信信
号をスピーカ2より再生する動作と、マイクロホン3か
ら入力される音声信号を遠端話者に送出する動作であ
る。
【0025】前者の動作は次のように行われる。まず、
A/D変換器12が、入力端子1から入力される受信信
号xをディジタル受信信号に変換する。次に、D/A変
換器13が、かかるディジタル受信信号を再びアナログ
信号に変換し、スピーカ2より空中に放射する。
【0026】一方、後者の動作は次のように行われる。
まず、A/D変換器14が、マイクロホン3から入力さ
れる音声信号をディジタル音声信号に変換する。次に、
D/A変換器15が、かかるディジタル音声信号を再び
アナログ信号に変換し、出力端子5から伝送路へ出力す
る。
【0027】以上が、エコーの存在を考えない基本的な
動作である。次に、本実施形態装置の効果をより分かり
易くするため、スピーカ2から空中に放射される音声信
号に重畳する非線形特性の発生について説明する。
【0028】図3は、入力端子1に入力される音声信号
波形の一例である。図3の縦軸は、振幅Pを表してい
る。また、図中のLV1及び−LV1は、スピーカ2か
ら再生される際に非線形性がしばしば発生する振幅の境
界を表す非線形性発生レベル閾値である。すなわち、P
<−LV1又はP>LV1のとき、非線形性がしばしば
発生する。
【0029】一般に、非線形性の発生する原因として
は、スピーカ2への過負荷による高調波の発生、スピー
カ2のボイスコイルの非線形性(図示せず)、アナログ
ディジタル変換器の非線形性などが考えられる。
【0030】今、非線形性を表す関数をg(t)とす
る。このとき、非線形性の付与は、定式的に次式により
与えられる。ただし、小文字iは、第i次の高調波成分
の原因であることを表す添え字である。なお、Σは、i
=1からnまでの各要素の和を意味する。
【0031】 g(t)=ΣC(i)X …(1) すなわち、スピーカ2から放射された後マイクロホン3
に帰還される一部の音声信号は上記(1)式により記述
できる。
【0032】実施形態装置の説明に戻る。まず、非線形
特性推定回路6と係数更新部9について説明する。入力
信号端子1からスピーカ2に出力される信号には、
(1)式で与えられる非線形性が付与され空中に放射さ
れる。空中に放射された信号の一部は、反射等を経てマ
イクロホン3に達し、音声信号として装置内に入力され
る。
【0033】ここで、マイクロホン3に入力された音声
信号Yは、サンプリング周期をkとすると、(1)式で
与えられる信号と空間伝搬路の伝達関数hとの時間軸で
の畳み込みによって記述できる。従って、マイクロホン
3に入力される音声信号Yは、次式により与えられる。
ただし、添え字kは、第k番目のサンプル時間を表して
おり、添え字tは、時刻を表している。なお、外側のΣ
は、k=1からmまでの各要素の和を意味し、内側のΣ
は、i=1からnまでの各要素の和を意味する。
【0034】 Y(t)=Σhk,t(ΣC(i)X t−k) …(2) かかる2式(すなわち、(1)式及び(2)式)より、
以下のことが分かる。すなわち、ディジタルフィルタに
よってこれらの減少を模擬するには、非線形特性推定回
路6及びエコーパス係数(図示せず)を、FIR(Fini
te Impulse Response )ディジタルフィルタ(以下「F
IRフィルタ」という。)で構成すれば良いことが分か
る。
【0035】従って、非線形特性推定回路6について
は、FIRフィルタの係数をC'とし、非線形性推定出
力g'(X)を、次式のように作成すれば良いことにな
る。ただし、Σは、i=1からnまでの各要素の和を意
味する。
【0036】 g'(t)=ΣC'(i)X …(3) 一方、エコーパス係数hk,tについては、FIRフィ
ルタの係数として実現すれば良い。従って、畳み込み演
算部8で使用される係数を、次式で与えられる擬似エコ
ーY'(t)を作成するフィルタ係数h'とすれば良い。
なお、外側のΣは、k=1からmまでの各要素の和を意
味し、内側のΣは、i=1からnまでの各要素の和を意
味する。
【0037】 Y'(t)=Σh'k,t(ΣC'(i)X t−k) …(4) なお、FIRフィルタの構成及び動作については、一般
に公知の技術があるのでここでは詳細に述べない。
【0038】係数h'及びC'は、加算器4の出力e
(t)を最小にするように決められる。最も典型的に
は、誤差の自乗を最小にする公知の誤差自乗最小アルゴ
リズムと言われる方法で更新される。すなわち、次式で
与えられる信号e(t)の二乗期待値を最小にするよう
に決められる。
【0039】 e(t)=Y(t)−Y'(t) =Y(t)−Σh'k,t(ΣC'(i)X t−k) …(5) ここで、時刻tにおける第i番目の係数C'を、C'
(i,t)とすると、この値は次式のように更新すれば
良い。
【0040】 C'(i,t+1) =C'(i,t)+k1・∂E(e(t))/∂C'(i,t) …(6) 同様に、時刻tにおける第i番目の関数h'を、h'
(i,t)とすると、この値は次式のように更新すれば
良い。
【0041】 h'(i,t+1) =h'(i,t)+k2・∂E(e(t))/∂h'(i,t) …(7) ここで、k1及びk2は、追従の早さを決定するステッ
プゲイン係数であり、そのいずれも、0<k1<2.
0、0<k2<2.0で決められる係数である。なお、
ステップゲイン係数が大きければ、収束が早いかわりに
最終的な推定誤差が大きくなる。一方、ステップゲイン
係数が小さければ、収束は遅いが最終的な推定誤差を小
さくできる。収束特性と追従の早さは適用する系によっ
て設計者が適宜定めれば良い。
【0042】本実施形態の場合には、k1及びk2のい
ずれも0.5を用いるが、勿論これに限定されるもので
はない。さらに、期待値(平均値)の代わりに、低域フ
ィルタを代用しても良く、また使用形態によっては瞬時
値を用いても構わない。
【0043】結局、非線形特性推定回路6においては、
(8)式による係数の更新が行われ、係数更新部9にお
いては、(9)式による係数の更新が行われる。
【0044】 ∂E(e(t))/∂C'(i,t) =−2(e(t))(Σh'(i)X t−k) …(8) ∂E(e(t))/∂h'(i,t) =−2(e(t))(ΣC'(i)X t−k) …(9) この結果、非線形特性推定回路6からは、逐次更新され
た非線形性の推定値がスイッチ11の入力端子Aに出力
される。
【0045】一方、レベル検出器10では、入力端子1
から入力された受信信号について、受信信号の絶対値が
計算され、またその時間平均値L(t)が次式のように
計算される。ただし、Σは、j=0からNまでの各要素
の和を意味する。
【0046】 L(t)=(Σ|Xt−j|)/N …(10) レベル検出器10は、LV1とL(t)の関係で信号を
非線形補償するか否かを決定する。すなわち、レベル検
出器10は、LV1<L(t)のとき、スイッチ11の
入力端子Aを接続させるように動作し、LV1≧L
(t)のとき、スイッチ11の入力端子Bを接続させる
ように動作する。
【0047】ここで、LV1≧L(t)のとき、スイッ
チ11の入力端子Bを接続させるのは、本来、この条件
を満たす受信信号は、非線形性が発生しないレベルの信
号であり、そもそも非線形性補償処理を行うのが不適切
だからである。かかる接続により、非線形特性推定回路
6をバイパスする信号を畳み込み演算部8に与えること
ができ、エコー消去量の劣化防止とエコーキャンセル特
性の向上を実現できる。
【0048】一方、LV1<L(t)のとき、スイッチ
11の入力端子Aを接続させるのは、非線形性が強く付
与される高レベル信号であるので、非線形性補償回路6
で非線形性を補償するためである。
【0049】なお、上述したLV1の値としては、スピ
ーカ2又はA/D変換器で非線形が発生するレベル又は
当該レベルに適切なオフセット値を加えた値を用いるよ
うにする。 (A−3)第1の実施形態の効果 以上のように、第1の実施形態によれば、受信信号のレ
ベルを監視するレベル検出器10を設け、当該レベル検
出器10が予め定めた閾値と計算した受信信号のレベル
とを比較し、その判定結果に基づいて非線形特性推定回
路6の出力を畳み込み演算部8に与えるか、受信信号を
畳み込み演算部8に直接与えるかを判定するようにした
ので、非線形補償を受けるべきでない信号については、
補償を受けない信号を、畳み込み演算部8に直接入力し
得るようになった。
【0050】結果として、従来装置に比しエコー消去量
の劣化がなく、しかも、不要な非線形補償に基づく違和
感を遠端話者に覚えさせることのない通話品質の向上に
優れたエコーキャンセラを実現できる。 (B)第2の実施形態 図4に、本発明に係るエコーキャンセラの第2の実施形
態例を示す。なお、図4には、図1との対応部分に対応
符号を付して、また同一部分に同一符号を付して表して
いる。 (B−1)装置構成 本実施形態に係るエコーキャンセラと第1の実施形態と
の違いは、非線形係数監視部16において、非線形補償
バイパス時における非線形特性推定回路6の特定タップ
係数の監視を行う機能が付加されている点である。
【0051】非線形係数監視部16は、スイッチ11に
おける現在の接続が入力端子B側であることを、スイッ
チ11から通知を受けた場合のみ動作し、動作後の監視
結果において監視対象である特定タップ係数が所定の条
件を満たす場合、スイッチ11の接続端子を再び入力端
子A側に強制的に切り替える機能を備える。
【0052】その他の構成部分については、第1の実施
形態と同様である。従って、ここでは説明を省略する。 (B−2)処理動作の内容 以下、第2の実施形態に係るエコーキャンセラによる処
理動作の内容を、図4を用いて説明する。なお、前述し
たように、本実施形態と第1の実施形態との違いは、非
線形係数監視部16に関連する部分の動作、すなわち、
スイッチ7の入力端子Bが出力端子に接続された後の動
作であるため、以下、この場合の動作について説明す
る。
【0053】スイッチ11は、レベル検出器10から与
えられる切替信号により入力端子B側に切り替わると、
現在接続端子が入力端子Bに接続されていることを非線
形係数監視部16に通知する。通知の方法は制御信号で
も良い。
【0054】非線形係数監視部16は、当該接続通知を
スイッチ11から受けると、非線形特性推定回路6のF
IRタップ係数(図示せず)の第2タップ目の係数を監
視する。以下、その理由を説明する。
【0055】上述の説明で用いた(3)式は非線形高調
波の生成を表しているが、その各項は、i=1のとき基
本成分を表し、i≧2のとき非線形性による高調波成分
を表している。すなわち、C'(2)は第2次高調波を
基本成分に対する比率で表したものに相当し、C'
(3)は第3次高調波を基本成分に対する比率で表した
ものに相当する。以下同様に、C'(3)は第n次高調
波を基本成分に対する比率で表したものに相当する。
【0056】通常、高調波が存在しなければ、C'
(1)≒1、C'(i)<<1(ただし、i=2、3…
n)となる。このことは、スイッチ11の接続端子が入
力端子Bに接続された後は、基本的に、高調波成分はほ
とんど出力されないことを意味する。
【0057】第2の実施形態では、この性質を利用す
る。すなわち、高調波成分がほとんど出力されないとい
うことは、非線形特性推定回路6の適応FIRフィルタ
係数のうち、線形要素を表すC'(1)以外の係数が、
徐々に0に向かって収束していくという性質を利用す
る。
【0058】このため、本実施形態における非線形係数
監視部16では、スイッチ11を再び入力端子Aに接続
しても害のないレベルまで第2次以降の高調波に相当す
る係数が小さくなっているかを監視する。なお、本実施
形態では、第2タップ目の係数に相当するC'(2)を
単独で監視する場合について説明するが、勿論これは一
例であり、いくつかのC'(k)の総和又はいくつかの
C'(k)の平均値により監視を行うようにしても構わ
ない。
【0059】非線形係数監視部16の動作説明に戻る。
非線形係数監視部16は、非線形特性推定回路6の適応
フィルタ部(図示せず)を構成する第2タップ目の係数
を監視し、その絶対値J(t)を次式のように計算す
る。
【0060】 J(t)=|C'(2)| …(11) 次に、非線形係数監視部16は、予め定めておいた閾値
SWと、逐次計算される絶対値の平均値J AV(t)
とを比較する。そして、平均値J AV(t)が閾値S
W以下となる場合、非線形係数監視部16は、レベル検
出器10の検出結果にかかわらず、スイッチ11の接続
端子を強制的に入力端子A側に戻す。ただし、平均値J
AV(t)が閾値SWより大きい場合には、接続をそ
のままとする。なお、本実施形態では、閾値SWの値
を、0.01とする。勿論これは一例であり、この値に
限られるものでない。
【0061】さて、平均値J AV(t)が閾値SW以
下となる場合には、非線形特性推定回路6の各係数はほ
とんど0になっており、一度C'(2)以降が0に収束
すれば、もはや、非線形特性推定回路の処理は短絡され
たも同様であり、非線形性要素を待たない信号(例え
ば、小レベル信号)であっても、非線形特性推定回路6
の係数の影響がなくなっているため、見かけ上の処理を
受けたところで何等実害はない。このように、閾値SW
は、非線形の有無の程度を制限する閾値であり、用途に
応じて適当に定めれば良い。
【0062】このような接続切り替え制御を行なう結
果、再び非線形性を発生するほどのレベルの受信信号が
入力端子に入力されても、スイッチ11の接続端子は既
に入力端子Aに再接続されているので、レベル検出器1
0の検出結果を待つまでもなく、非線形の処理を一早く
受信信号に対して施すことができることになる。 (B−3)第2の実施形態の効果 以上のように、第2の実施形態によれば、スイッチ11
が入力端子B側に接続された後も、非線形特性推定回路
6の非線形成分を表す係数を非線形係数監視部16で監
視し、現在入力されている受信信号について、非線形性
が発生し得ない状態になっていることを確認した場合に
は、レベル検出器10の判定結果を待つまでも無く、強
制的にスイッチ11の接続端子を入力端子A側に切り替
えるようにすることにより、再び非線形性が危惧される
ような信号レベルを有する受信信号が受信される場合に
も、当該受信信号を非線形処理した信号を即座に畳み込
み演算部8に与えることができる。
【0063】かくして、第1の実施形態の効果に加え、
非線形性の有無が頻繁に繰り返されるような受信信号を
受信対象として処理する場合でも、エコー消去量の劣化
がなく、しかも、遠端話者に違和感を与えずに済む通信
品質の良好なエコーキャンセラを実現できる。 (C)第3の実施形態 図5に、本発明に係るエコーキャンセラの第3の実施形
態例を示す。なお、図5には、図4との対応部分に対応
符号を付して、また同一部分に同一符号を付して表して
いる。 (C−1)装置構成 本実施形態に係るエコーキャンセラは、第2の実施形態
の変形例に当たる。本実施形態と第2の実施形態との違
いは、非線形係数監視部16の代わりに時間カウンタ1
7を設ける点である。すなわち、本実施形態の場合、レ
ベル検出器10の検出結果によらない強制的なスイッチ
11の切り替えを、時間カウンタ17により実行する点
である。
【0064】このため、時間カウンタ17は、スイッチ
11における現在の接続が入力端子B側であることを、
スイッチ11から通知を受けた場合にカウンタの計数を
開始し、予め定めた一定時間が経過した時点に、スイッ
チ11の接続端子を再び入力端子A側に強制的に切り替
える機能を備えている。
【0065】その他の構成部分については、第2の実施
形態と同様である。従って、ここでは説明を省略する。 (C−2)処理動作の内容 以下、第3の実施形態に係るエコーキャンセラによる処
理動作の内容を、図5を用いて説明する。なお、前述し
たように、本実施形態と第2の実施形態との違いは、時
間カウンタ17に関連する部分の動作、すなわち、スイ
ッチ11の入力端子Bが出力端子に接続された後の動作
であるため、以下、この場合の動作について説明する。
【0066】この場合も、スイッチ11は、レベル検出
器10から与えられる切替信号により入力端子B側に切
り替わると、現在接続端子が入力端子Bに接続されてい
ることを時間カウンタ17に通知する。通知の方法は制
御信号でも良い。
【0067】時間カウンタ17は、当該接続通知をスイ
ッチ11から受けると、経過時間のカウントを開始す
る。この後、時間カウンタ17は、カウント値と閾値T
M(ここでは、32〔ms〕)との比較を逐次実行し、
カウント値が閾値TMを越えたか否かを判定する。やが
て、カウント値が閾値TMを越えたことを判定すると、
時間カウンタ17は、スイッチ11の接続端子を再び入
力端子Aに接続する制御信号を出力する。
【0068】この結果、スイッチ11の接続端子は、レ
ベル検出器10の制御とは関係なく、非線形性がない状
態になってから一定時間後に、非線形特性が重畳し得る
信号処理に備えた経路に接続される。
【0069】なお、閾値TMは、非線形特性推定回路6
の適応フィルタの係数が0に収束するのに十分な時間を
考慮して定められているので、このように一定時間後に
接続端子を入力端子A側に切り換えたとしても、そのた
めに本来補償を必要としない信号に非線形特性の補償が
加えられるおそれはない。
【0070】ただし、非線形性の影響が危惧される信号
が入力された場合でも、すでに接続端子は入力端子A側
に切り替わっているため、レベル検出器10の判定処理
を待つ間補償が遅れるおそれはない。 (C−3)第3の実施形態の効果 以上のように、第3の実施形態によれば、スイッチ11
が入力端子B側に接続された直後から時間カウンタ17
がカウントを開始し、非線形特性推定回路6の係数が0
に収束するのに十分な時間が経過した時点で再び接続端
子を入力端子A側に切り換える機能を設けたことによ
り、再び非線形性が危惧されるような信号レベルを有す
る受信信号が受信される場合にも、当該受信信号を非線
形処理した信号を即座に畳み込み演算部8に与えること
ができる。
【0071】かくして、第2の実施形態の効果と同様、
非線形性の有無が頻繁に繰り返されるような受信信号を
受信対象として処理する場合でも、エコー消去量の劣化
がなく、しかも、遠端話者に違和感を与えずに済む通信
品質の良好なエコーキャンセラを実現できる。 (D)第4の実施形態 図6に、本発明に係るエコーキャンセラの第4の実施形
態例を示す。なお、図6には、図4との対応部分に対応
符号を付して、また同一部分に同一符号を付して表して
いる。 (D−1)装置構成 本実施形態に係るエコーキャンセラは、第2の実施形態
を改良したものである。すなわち、本実施形態は、判定
閾値決定部18の存在により、レベル検出器10で使用
する非線形性発生レベル閾値LV1の自動設定も可能と
なっている。
【0072】判定閾値決定部18は、受信信号レベルの
時間平均値L(t)をレベル検出器10から入力すると
共に、適応フィルタの第2番目の係数の絶対値について
求めた平均値J AV(t)を非線形係数監視部16か
ら入力するよう構成されている。
【0073】判定閾値決定部18は、予め定めた閾値S
W2と非線形係数監視部16から入力される平均値J
AV(t)とを比較し、閾値SW2の方が大きい場合、
信号レベルの時間平均値L(t)を次回からの非線形性
発生レベル閾値LV1に用いるよう指示を出し、閾値S
W2の方が小さい場合、現在の非線形性発生レベル閾値
LV1をそのまま使うよう指示する手段として機能す
る。なお、閾値SW2は、十分小さい値を用いる。
【0074】その他の構成部分については、第2の実施
形態と同様である。従って、ここでは説明を省略する。 (D−2)処理動作の内容 以下、第4の実施形態に係るエコーキャンセラによる処
理動作の内容を、図6を用いて説明する。なおここで
は、新たに設けた判定閾値決定部18の動作に関連する
部分の動作についてのみ説明する。
【0075】前述したように、判定閾値決定部18は、
非線形性発生レベル閾値LV1の自動設定を行う手段で
あるが、第2の実施形態で説明した動作が実行されてい
ることが前提となる。
【0076】すなわち、レベル検出器10では、受信信
号レベルの時間平均値L(t)が(10)式により逐次
算出され、当該値が現在の非線形性発生レベル閾値LV
1より大きい場合には、スイッチ11の接続端子を入力
端子A側に接続し、反対に小さい場合には、スイッチ1
1の接続端子を入力端子B側に接続する動作が実行され
ており、非線形係数監視部16では、非線形特性推定回
路6のフィルタ係数のうち、第2番目の係数について、
(12)式を用いて求めた絶対値の平均値JAV(t)
と閾値SW(≠SW2)とを比較し、閾値SWより小さ
い場合には、スイッチ11の接続端子を入力端子A側に
強制的に戻すような動作が実行されていることが前提と
なる。
【0077】判定閾値決定部18は、かかる動作の際に
現れる受信信号レベルの時間平均値L(t)と係数につ
いて求めた絶対値の平均値J AV(t)とを利用し、
以下の判定と処理を行う。
【0078】まず、判定閾値決定部18は、非線形係数
監視部16から入力される平均値JAV(t)の方が非
線形性発生レベル閾値の変更用に用意した閾値SW2よ
り小さいとき、現在の受信信号はフィルタ係数をほぼ0
に収束させる、非線形性が発生し得ない信号レベルの十
分小さい状態であると判定する。従って、当該状態にお
ける時間平均値L(t)は、非線形性の発生を判断する
基準となり得る。
【0079】かくして、判定閾値決定部18は、レベル
検出器10に対し、次回以降に用いる新たな非線形性発
生レベル閾値LV1として、受信信号レベルの時間平均
値L(t)を用いるよう指示を出す。
【0080】一方、判定閾値決定部18は、非線形係数
監視部16から入力される平均値JAV(t)の方が非
線形性発生レベル閾値の変更用に用意した閾値SW2以
上の場合、現在の入力状態では、フィルタ係数が十分小
さい値に収束していないこと、すなわち、受信信号レベ
ルの時間平均値L(t)が、非線形性発生レベル閾値L
V1に使用するには未だ大きいと判定する。従って、こ
の場合には、判定閾値決定部18は、現在の非線形性発
生レベル閾値LV1をそのまま使用するように指示を出
す。
【0081】この結果、非線形性発生レベル閾値LV1
の初期値がどのような値であったとしても、例えば、0
〔dBm0〕相当であったとしても、フィルタ係数の平
均値J AV(t)がほとんど0に収束する状態での信
号レベル平均値L(t)の値で、非線形性発生レベル閾
値LV1の値を変更することが可能となる。 (D−3)第4の実施形態の効果 以上のように、第4の実施形態によれば、第1及び第2
の実施形態と同様の効果を得られるのに加え、予め設計
者が経験的な知識に基づいて適当な非線形性検出レベル
LV1の値を設定しなくても、適当な値を自動的に設定
することを可能とできる。
【0082】かくして、第4の実施形態においては、非
線形性補償を必要とする信号レベルの近辺において信号
レベルが頻繁に変動するような信号が受信される場合で
も、エコー消去量が劣化することがなく、すなわち、従
来装置のように、一律に非線形性補償処理を行った信号
をエコーキャンセラの擬似エコー作成に用いることによ
り、かえってエコーキャンセル特性を劣化させるといっ
た問題点を解決して受信信号レベルに依存することなく
一定のエコー消去量を実現でき、しかも、従来装置で問
題であった、一律に非線形性補償処理を行った信号をエ
コーキャンセラの擬似エコー作用に用いることによる遠
端話者への違和感をなくすことができ、良好な通信品質
を確保できることになる。 (E)第5の実施形態 図7に、本発明に係るエコーキャンセラの第5の実施形
態例を示す。なお、図7には、図4及び図5との対応部
分に対応符号を付して、また同一部分に同一符号を付し
て表している。 (E−1)装置構成 本実施形態に係るエコーキャンセラは、第2の実施形態
と第3の実施形態とを組み合わせた発明に当たる。すな
わち、本実施形態は、非線形係数監視部16と時間カウ
ンタ17の両方を備えることを特徴とする。ただし、こ
の実施形態の場合、時間カウンタ17は、非線形係数監
視部16によるスイッチ11の切り換え制御にバッファ
期間を設ける目的で用いられている。
【0083】すなわち、この実施形態における時間カウ
ンタ17では、非線形係数監視部16が出力する切り換
え信号をカウント開始信号として用い、カウント開始か
ら所定時間TM2が経過したとき、これを非線形係数監
視部16に通知するようになっている。なお、時間カウ
ンタ17は、所定時間TM2の経過を通知した直後に
(一定時間内に)非線形係数監視部16から入力される
切り替え信号のみをスイッチ11に転送し、他の時点入
力される切り換え信号は破棄するよう構成されている。
また、時間カウンタ17は、そのカウント動作中に、次
の切り換え指示が入力された場合、切り換え信号を無視
しカウント動作を継続する。
【0084】一方、非線形係数監視部16は、フィルタ
係数の状態より、現在の状態がスイッチ11の接続端子
を入力端子A側に戻すのに適した状態であるか否かの判
定を行い、適した状態になったと判定した時点で切り換
え指示を出力する。
【0085】その他の構成部分については、第2の実施
形態及び第3の実施形態と同様である。従って、ここで
は説明を省略する。 (E−2)処理動作の内容 以下、第5の実施形態に係るエコーキャンセラによる処
理動作の内容を、図7を用いて説明する。なおここで
は、非線形係数監視部16及び時間カウンタ17の動作
に関連する部分の動作を中心に説明する。
【0086】以下、レベル検出器10が、スイッチ11
の接続端子を入力端子AからBに切り換えた時点から説
明する。スイッチ11の接続端子が入力端子Bに切り換
えられると、当該切り換えの発生が非線形係数監視部1
6に通知される。
【0087】非線形係数監視部16は、この通知を受け
ると、前述したのと同様に、非線形特性推定回路6にお
ける適応フィルタの第2番目の係数を監視し、すなわち
(12)式を用いることにより、当該係数の絶対値平均
値J AV(t)を計算し、その値が予め定めた閾値S
Wを越えるか否か判定する。なお、この実施形態の場
合、閾値SWは0.01とする。
【0088】非線形係数監視部16は、平均値J AV
(t)が閾値SW以下(J AV(t)≦SW)である
場合、非線形特性推定回路6を構成する適応フィルタの
第2番目以降の係数がほとんど0となっており、スイッ
チ11の接続端子を入力端子A側に切り換えても非線形
特性の影響を受けないと判断し、切り換え指示を出力す
る。ただし、出力先は、前述したように、時間カウンタ
17である。
【0089】このような構成とした理由は以下の通りで
ある。すなわち、受信信号が音声信号のように、時間軸
上における振幅変化の激しい信号の場合には、現在の状
態でスイッチ11の入力を切り換えると、非線形性の補
償処理によってかえって特性が劣化し得るような信号レ
ベルの信号が入力されているにもかかわらず、係数だけ
がまれに瞬間的に0となる場合があり、適応フィルタの
第2番目の係数がほとんど0になったからといって即座
にスイッチ11の切り換えを指示すると、切り換えが早
すぎる場合があるためである。
【0090】そこで、本実施形態では、かかる事態を回
避して動作の安定を確保するために、確定的な切り換え
指示の判定を、時間カウンタ17における一定時間後に
再度実行する。このため、時間カウンタ17は、最初の
切り換え指示の入力からカウント動作を開始したカウン
ト値が、適応フィルタの係数が収束するのに十分な時間
(すなわち、時間閾値TM2)経過したか否かを判定す
る。なお、時間カウンタ17は、この間に別の切り替え
指示が入力したとしてもそれを無視してカウント動作を
継続する。
【0091】やがて、カウント値が時間閾値TM2を経
過したことが確認されると、時間カウンタ17は、当該
時間の経過を非線形係数監視部16に通知する。
【0092】非線形係数監視部16は、時間カウンタ1
7が時間をカウントしている間も、平均値J AV
(t)の計算を続行しているが、かかる通知を受ける
と、現在の処理を中断して平均値J AV(t)が閾値
SW以下(J AV(t)≦SW)か否かを判定する。
そして、この時点での判定において、平均値J AV
(t)が閾値SW以下であると判定された場合には、所
定時間内に切り換え指示の出力を行う。なおこのこと
は、適応フィルタの係数がこの期間の間中、十分小さか
ったことを意味する。
【0093】時間カウンタ17は、今回の切り換え指示
が、カウント開始から所定時間経過を通知してから所定
時間内に入力された指示であるため、これをそのままス
イッチ11に転送する。この結果、スイッチ11の接続
端子は、入力端子A側に切り替わり、その後、入力信号
の振幅が急激に大きくなる場合でも、平均値の計算に時
間を要するレベル検出器10の検出結果を待つまでもな
く、非線形処理を一早く入力信号に施すことができる。 (E−3)第5の実施形態の効果 以上のように、第5の実施形態によれば、第2の実施形
態と同様の効果を得られるだけでなく、さらなる動作の
安定を確保できる。すなわち、入力信号が音声信号のよ
うに振幅変化の激しい信号である場合にも、スイッチの
切り換えタイミングが早すぎて不適切な非線形性補償が
行われ、系が不安定になる事態を有効に回避し得る。 (F)第6の実施形態 図8に、本発明に係るエコーキャンセラの第6の実施形
態例を示す。なお、図8には、図6及び図7との対応部
分に対応符号を付して、また同一部分に同一符号を付し
て表している。 (F−1)装置構成及び処理動作 本実施形態に係るエコーキャンセラは、第5の実施形態
と第4の実施形態とを組み合わせた発明に当たる。すな
わち、本実施形態は、第5の実施形態で説明した構成に
判定閾値決定部18を追加し、レベル検出器10におけ
る非線形性検出レベルを自動設定可能としたものであ
る。
【0094】従って、本実施形態に係るエコーキャンセ
ラでは、非線形性検出レベルの自動設定機能について第
4の実施形態で説明した通りの動作が行われ、非線形係
数監視部16によるスイッチ11の切り換え制御につい
ては第5の実施形態で説明した通りの動作が行われるこ
とになる。 (F−2)第6の実施形態の効果 以上のように、第6の実施形態によれば、予め設計者が
経験的な知識に基づいて適当な非線形性検出レベルLV
1の値を設定しなくても、適当な値を自動的に設定する
ことを可能とでき、しかも、入力信号が音声信号のよう
に振幅変化の激しい信号である場合にも、非線形係数監
視部16によるスイッチ11の切り換えタイミングが早
すぎて不適切な非線形性補償が行われ、系が不安定にな
る事態を有効に回避することができる。 (G)他の実施形態 上述の実施形態においては、当該エコーキャンセラを搭
載する装置例について言及しなかったが、車載用のハン
ドフリー電話機、据え置き型のハンドフリー電話機、携
帯型のハンドフリー電話機その他のエコーキャンセル処
理を必要とする通信装置に適用できる。
【0095】
【発明の効果】上述のように、第1の発明によれば、反
響消去装置にレベル検出手段と切替手段とを備え、受信
信号の平均値レベルが所定の閾値を越えるか否かによっ
て、畳み込み演算手段に与える信号を切り替え得るよう
にしたことにより、非線形特性がほとんど重畳し得ない
ほど信号レベルの小さい受信信号については、反響経路
の特性のみを考慮した擬似反響信号を得ることができ、
非線形特性の影響がないにも関わらず一律に非線形特性
を補償する場合に比して通信品質の劣化を低減できる。
【0096】また、第2の発明によれば、非線形特性推
定回路で推定される非線形特性の影響が十分小さくなっ
た状態で、レベル検出手段における判定を待つ前に予
め、非線形特性推定手段において推定された再生出力が
切替手段から出力されるようにすることにより、受信信
号の信号レベルが急激に大きくなり、その再生出力に非
線形特性の影響が現れるような場合にも、そのレベル変
動にすばやく対処することができる。
【0097】また、第3の発明によれば、切替手段から
受信信号が出力されるようになった直後から、非線形特
性推定手段における非線形成分を表す係数がその影響を
ほとんど無視し得る程小さくなるのに十分な時間経過し
たか否かを判定し、その時間の経過後、レベル検出手段
における判定を待つ前に予め、非線形特性推定手段にお
いて推定された再生出力が切替手段から出力されるよう
にすることにより、受信信号の信号レベルが急激に大き
くなり、その再生出力に非線形特性の影響が現れるよう
な場合にも、そのレベル変動にすばやく対処することが
できる。
【0098】また、第4の発明によれば、切替手段から
受信信号が出力されている状態において、非線形特性推
定回路における非線形成分を表す係数の平均値が十分小
さくなった場合には、その際にレベル検出手段で得られ
ている受信信号の平均信号レベルを新たなレベル判定用
の閾値に用いることにより、レベル検出器で判定に用い
る最適な閾値が不明な場合でも、最適な閾値を自動的に
設定することができる。
【0099】また、第5の発明によれば、非線形係数監
視部が切替手段の出力切替を指示した場合でも実際の切
替動作を保留し、最初の切替指示から所定時間が経過し
た後もさらに切替指示が出力される場合に限り、切替手
段における出力の切替を現実に実行させるようにするこ
とにより、実際には非線形特性が無視できる状態なって
いないにもかかわらず、受信信号の信号レベルの変動が
激しいために、監視対象である係数が瞬間的に小さくな
るような状態が生じても、このような場合には、一定時
間経過後の判定で、誤判定であることの判別が可能なた
め、誤判定による通信品質の劣化を有効に回避できる。
【0100】また、第6の発明によれば、第5の発明の
効果に加え、レベル検出器で判定に用いる閾値の自動設
定をも可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エコーキャンセラの第1の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【図2】エコーキャンセラの従来例を示すブロック図で
ある。
【図3】受信信号と非線形性発生レベルとの関係を示す
図である。
【図4】エコーキャンセラの第2の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【図5】エコーキャンセラの第3の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【図6】エコーキャンセラの第4の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【図7】エコーキャンセラの第5の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【図8】エコーキャンセラの第6の実施形態例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
6…非線形特性推定回路、7…エコーパス推定係数保持
部、8…畳み込み演算部、9…係数更新部、10…レベ
ル検出器、11…スイッチ、16…非線形係数監視部、
17…時間カウンタ、18…判定閾値決定部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−95133(JP,A) 特開 昭60−174536(JP,A) 特開 平5−22195(JP,A) 特開 平8−107376(JP,A) 特開 昭57−57042(JP,A) 特開 平7−46160(JP,A) 特開 平6−204917(JP,A) 特開 平5−41681(JP,A) 特開 平6−69835(JP,A) 特開 平8−65213(JP,A) 特開 平6−54394(JP,A) 特開 平9−326729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/76 H04B 3/00 H04B 7/00 H04M 1/60 H04R 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号の再生出力に重畳される非線形
    特性に基づいて、受信信号に対応する再生出力を推定す
    る非線形特性推定手段と、遠端話者への信号出力系に帰
    還する上記再生出力の伝搬経路を推定する伝搬係数を保
    持する反響経路推定係数保持手段と、上記非線形特性推
    定手段において推定された再生出力と上記反響経路推定
    係数保持手段に保持される係数とを畳み込み演算し、擬
    似反響信号を得る畳み込み演算手段とを備え、当該擬似
    反響信号に基づいて、遠端話者へと出力される出力信号
    から反響信号を消去する反響消去装置において、 受信信号の信号レベルを検出し、その信号レベルが所定
    の閾値を越えたか否か判定するレベル検出手段と、 上記非線形特性推定手段において推定された再生出力と
    その推定に用いられる推定前の受信信号とを入力し、上
    記レベル検出手段において検出された受信信号の平均値
    レベルが所定の閾値を越えるとき、上記非線形特性推定
    手段において推定された再生出力を上記畳み込み演算手
    段に与え、上記レベル検出手段において検出された受信
    信号の平均値レベルが所定の閾値を越えないとき、上記
    受信信号を上記畳み込み演算手段に与える切替手段とを
    さらに備えたことを特徴とする反響消去装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の反響消去装置であっ
    て、 上記切替手段から受信信号が出力されるようになった場
    合、上記非線形特性推定手段から非線形成分を表す係数
    を取り出して監視し、その平均値が所定の閾値より小さ
    くなったとき、受信信号に重畳される非線形特性が、そ
    の影響をほとんど無視し得る状態になったと判断して、
    上記切替手段から出力される信号を、上記非線形特性推
    定手段において推定された再生出力に強制的に切り替え
    る非線形係数監視手段を備えることを特徴とする反響消
    去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の反響消去装置であっ
    て、 上記切替手段から受信信号が出力されるようになった場
    合、その切り替え直後からの経過時間を計測し、経過時
    間が所定の閾値より大きくなったとき、上記非線形特性
    推定手段における非線形成分を表す係数が、その影響を
    ほとんど無視し得る程小さくなったと推定し、上記切替
    手段から出力される信号を、上記非線形特性推定手段に
    おいて推定された再生出力に強制的に切り替える時間カ
    ウント手段を備えることを特徴とする反響消去装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の反響消去装置であっ
    て、 上記非線形係数監視手段からその監視対象である係数の
    平均値を入力して動作し、その平均値が所定の閾値より
    も小さくなったとき、当該時点において上記レベル検出
    手段で算出されている受信信号の平均値レベルで、上記
    レベル検出手段で使用する閾値の新たな値を更新する判
    定閾値決定手段を備えることを特徴とする反響消去装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の反響消去装置であっ
    て、 上記非線形係数監視手段による上記切替手段への切替指
    示の中継を管理し、上記非線形係数監視手段が最初に出
    力する切替指示は、内蔵カウンタのカウント開始信号と
    してのみ使用すると共に、当該最初の切替指示及びその
    後カウント動作開始から所定時間が経過するまでに入力
    された切替指示の中継を禁止し、所定時間経過後に上記
    非線形係数監視手段に要求した判定処理に対する応答と
    して入力のあった切替指示を始めて切替手段に転送する
    時間カウント手段を備えることを特徴とする反響消去装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の反響消去装置であっ
    て、 上記非線形係数監視手段からその監視対象である係数の
    平均値を入力して動作し、その平均値が所定の閾値より
    も小さくなったとき、当該時点において上記レベル検出
    手段で算出されている受信信号の平均値レベルで、上記
    レベル検出手段で使用する閾値の新たな値を更新する判
    定閾値決定手段を備えることを特徴とする反響消去装
    置。
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