JP3453338B2 - バルブ構造 - Google Patents

バルブ構造

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JP3453338B2
JP3453338B2 JP2000011716A JP2000011716A JP3453338B2 JP 3453338 B2 JP3453338 B2 JP 3453338B2 JP 2000011716 A JP2000011716 A JP 2000011716A JP 2000011716 A JP2000011716 A JP 2000011716A JP 3453338 B2 JP3453338 B2 JP 3453338B2
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佳幸 嶋田
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新キャタピラー三菱株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
油圧アクチュエータを備えた機械に設けられるバルブの
技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の油圧アクチュ
エータを備えた機械には、該油圧アクチュエータの作動
を制御すべく各種のバルブが設けられるが、例えば油圧
ショベルの走行モータ用の油圧回路には、通常、カウン
タバランス弁の一種である走行ブレーキ弁が装着されて
いる。つまり、上記走行モータ用の油圧回路の一例を図
5に示すが、走行モータ3は、自転によるキャビテ−シ
ョン防止のため、モータ停止状態において入口/出口ポ
ート3a、3bが逆止弁21L、21Rおよびコントロ
ールバルブ4を介して油タンク2に導通している。この
ため、傾斜地等で不用意に暴走してしまう惧れがあり、
これを防止すべくコントロールバルブ4と走行モータ3
とのあいだに前記走行ブレーキ弁22が配設されている
が、この走行ブレーキ弁22には、急激な閉弁による衝
撃を緩和するためのダンパ機構が設けられている。即
ち、前記走行ブレーキ弁22は、図5に示す如く、油の
出入口(第一〜第四ポート15a〜15d)が形成され
たボディ15、該ボディ15に形成された内筒部15e
に軸方向(左右方向)移動自在に挿通され、所定の中立
位置と該中立位置の左右方向両側の作動位置とのあいだ
を移動して前記ボディ15のポート15a〜15d間を
連通する弁路を開閉するスプール16、ボディ15の左
右両端部に一体的に組付けられる左右のカバー17L、
17R、これらカバー17L、17Rに内装され、スプ
ール16を前記中立位置に保持すべく左右方向両側から
スプール16を押圧する左右の復帰弾機18L、18R
等を用いて構成されている。そしてこのものは、第一ポ
ート15a(または第二ポート15b)に圧油が入力さ
れた場合に、該圧油がスプール16に設けられた油路1
6aおよび逆止弁19を介して左側カバー17L(また
は右側カバー17R)内に導入され、該左側カバー17
L(または右側カバー17R)内に導入された圧油がス
プール16を右方(左方)に押圧することによりスプー
ル16が右側(左側)の作動位置に移動する一方、前記
第一ポート15a(または第二ポート15b)から入力
される圧油の圧力が低下すると、スプール16は、右側
復帰弾機18R(または左側復帰弾機18L)の押圧力
により中立位置に復帰するようになっていると共に、該
スプール16の中立位置への復帰時において、左側カバ
ー17L(または右側カバー17R)内の圧油が、ボデ
ィ15の内筒部15eとスプール16とのあいだに形成
されるクリアランスSから絞られた状態で排出されるこ
とにより、スプール16の復帰速度が減速されるように
構成されている。つまりこの走行ブレーキ弁22におい
ては、走行モータ3への圧油の供給排出を行う作動位置
から圧油供給排出を停止する中立位置への復帰速度を遅
くすることで、走行モータ3の停止時における衝撃を緩
和するダンパ機能を有している。尚、前記図5におい
て、1は油圧ポンプであり、またコントロールバルブ4
は、操作具6の操作に基づいて走行モータ3への圧油供
給制御を行うバルブである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のダ
ンパ機能を有するバルブにおいて、スプールが移動する
際、その移動量に相当するカバー内の油がクリアランス
S部を通過してポート側に排出されるが、ここで、クリ
アランスS部の環状断面積をA、クリアランスS部を通
過する油量をQ、カバー内圧力とポート部圧力との差圧
をP、クリアランスS部の軸方向長さをLとすると、次
式が成り立つ。 Q=k・A・P/L (但し、kは定数) 上式から明らかなように、クリアランスS部の環状断面
積Aが小さいほど通過油量Qは少なくなって、スプール
の移動速度が遅くなり、ダンパ機能が向上する。つま
り、クリアランスSが狭いほどダンパ機能が向上するこ
とになるが、該クリアランスSを狭くすると、スプール
が中立位置から右側(または左側)の作動位置に移動す
るとき、該右側(または左側)のカバー内の油がなかな
か排出されないことになって、スプールの中立位置から
作動位置への移動速度が遅れてしまうことになる。つま
り、油圧モータの停止時におけるダンパ機能を向上させ
ようとするほど、油圧モータの作動開始時において応答
遅れが生じてしまうという問題があり、ここに本発明が
解決しようとする問題があった。さらに、スプールの作
動位置時におけるカバーの容積をV、スプールの作動位
置から中立位置への復帰時におけるカバーの容積変化量
をΔV、復帰に伴うカバー内の内圧変化量をΔPとする
と、該内圧変化量ΔPは以下の式 ΔP=K・ΔV/V で示される(但し、Kは定数。また、スプールの復帰移
動時におけるカバー内の油の排出による容積変化量は含
まない)。そして、この内圧変化量ΔPが大きいほど中
立位置復帰時においてスプールに作用する反力、つまり
ダンパ効果が大きくなるが、上記式からも明らかなよう
に、内圧変化量ΔPを大きくするためには容積変化率
(ΔV/V)を大きくする、要するにカバーの容積Vを
できるだけ小さくすることが要求される。しかるに、前
記従来のバルブにおいて、カバー17L、17Rには、
復帰弾機18L、18Rや該復帰弾機18L、18Rを
支持する弾機受け20L、20Rが内装されるため、あ
まり容積Vを小さくすることができないという解決すべ
き課題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創
作されたものであって、所定の中立位置と該中立位置の
軸方向両側の作動位置とのあいだを軸方向に移動して油
の通路を開閉するスプールと、該スプールを中立位置に
保持すべく軸方向両側からそれぞれスプールの押圧をす
る一対の復帰弾機と、スプールの軸方向両側に配され、
かつスプールの移動に抵抗を付与するための油が入出可
能な一対のダンパ室とを備えて構成されるバルブにおい
て、スプールが中立位置から任意の一方の作動位置側に
移動することに伴う一方側のダンパ室からの油の排出は
絞らないが、該一方側に移動したスプールが中立位置に
復帰することに伴う他方側のダンパ室からの油の排出は
絞る排出手段を設けるにあたり、スプールの軸方向両端
部にスプールダンパ部を設け、該スプールダンパ部をダ
ンパ室に開設された挿通孔からダンパ室に軸方向移動自
在に挿通せしめる一方、両スプールダンパ部の外周面部
には、スプール中立位置では対応する各ダンパ室と連通
し、スプールが中立位置から任意の一方の作動位置に移
動するまでのあいだ該移動側でのダンパ室との連通は維
持するが、他方の作動位置側ではダンパ室から外れるよ
う設定された切欠部をそれぞれ形成すると共に、前記挿
通孔とスプールダンパ部とのあいだには、スプールが中
立位置から一方の作動位置に移動したとき他方のダンパ
室の油を絞って排出するためのクリアランスをそれぞれ
設けて、スプールの中立位置から一方の作動位置への移
動時には前記連通する切欠部を経由して一方側のダンパ
室内の油を排出するが、スプールの一方の作動位置から
中立位置への復帰時には他方のダンパ室の油を他方のク
リアランスで絞って排出する構成にしたことを特徴とす
るバルブ構造である。そして、この様にすることによ
り、スプールの中立位置から作動位置への移動を速やか
に行うことができる一方、作動位置から中立位置への復
帰はダンパ効果のきいた衝撃の少ない状態で行うことが
できる。またスプールが中立位置から任意の一方の作動
位置側に移動することに伴う一方側のダンパ室からの油
の排出は絞らないが、該一方側に移動したスプールが中
立位置に復帰することに伴う他方側のダンパ室からの油
の排出は絞る排出手段を設けることができる。このもの
において、前記ダンパ室を、復帰弾機が収納される弾機
収納室とは別に画成したことを特徴とすることができ
る。そして、この様にすることにより、ダンパ室を、復
帰弾機や該復帰弾機を支持する弾機受け等の大きさに制
約されることなく充分に容積の小さいものにでき、これ
によりスプール移動時における容積変化率を大きくし得
て、ダンパ性能を向上させることができる。これらにお
いて、ダンパ室は、スプールに対して芯合せ位置に移動
可能な状態で弾機収納室に内嵌されていることを特徴と
することができ、スプールの移動時において芯ずれによ
りスプールとダンパ室とのあいだにこじりが発生してし
まうことを防止できる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に、油圧ショベルに設けられ
る走行用モータの油圧回路の概略図を示すが、該図1に
おいて、1は油圧ポンプ、2は油タンク、3は走行用モ
ータ、4は後述するコントロールバルブ、5はブレーキ
弁であって、該ブレーキ弁5に本発明が実施されてい
る。
【0006】前記コントロールバルブ4は、走行用操作
具6の操作に基づいて走行用モータ3への圧油供給制御
を行うためのものであって、四ポート三位置切換弁で構
成されており、その第一ポート4aは油圧ポンプ1に、
第二ポート4bは油タンク2にそれぞれ接続されてい
る。またコントロールバルブ4の第三ポート4cは、逆
止弁21Lを介して走行用モータ3の前進側ポート3
a、および後述するブレーキ弁5の第一ポート5aに接
続され、さらに第四ポート4dは、逆止弁21Rを介し
て走行用モータ3の後進側ポート3b、およびブレーキ
弁5の第二ポート5bに接続されている。ここで、前記
逆止弁21L、21Rは、コントロールバルブ第三、第
四ポート4c、4dから走行用モータ前進側、後進側ポ
ート3a、3bへの油の流れは許容するが、逆方向の流
れは阻止するように構成されている。そして前記コント
ロールバルブ4は、走行用操作具6が操作されていな
い、つまり停止位置に位置しているときには、油圧ポン
プ1の圧油を走行用モータ3およびブレーキ弁5に供給
しないと共に、走行用モータ前進側、後進側ポート3
a、3bを逆止弁21L、21Rを介して油タンク2に
導通させ、かつブレーキ弁第一、第二ポート5a、5b
を油タンク2に導通させる中立位置Nに位置している。
この状態では、走行用モータ3に圧油供給されず走行用
モータ3は停止しているが、該モータ停止状態におい
て、走行用モータ3の入口/出口ポートである前進側、
後進側ポート3a、3bは、前述したように逆止弁21
L、21Rおよび中立位置Nのコントロールバルブ4を
介して油タンク2と導通しており、これにより走行用モ
ータ3の自転によるキャビテ−ション防止が計られてい
る。一方、走行用操作具6を前進側に操作すると、コン
トロールバルブ4は、油圧ポンプ1の圧油を逆止弁21
Lを介して走行用モータ前進側ポート3aに供給すると
共に、ブレーキ弁第一ポート5aに圧油を供給し、かつ
ブレーキ弁第二ポート5bからの油を油タンク2に流す
前進側位置Xに切換わり、これによって走行用モータ3
が前進駆動するように構成されている。また、走行用操
作具6を後進側に操作することにより、コントロールバ
ルブ4は、油圧ポンプ1の圧油を逆止弁21Rを介して
走行用モータ後進側ポート3bに供給すると共に、ブレ
ーキ弁第二ポート5bに圧油を供給し、かつブレーキ弁
第一ポート5aからの油を油タンク2に流す後進側位置
Yに切換わり、これによって走行用モータ3が後進駆動
するように構成されている。
【0007】一方、前記ブレーキ弁5は、傾斜地での暴
走防止のために設けられるカウンタバランス弁の一種で
あって、四ポート三位置切換弁で構成されており、その
第一ポート5aは前記コントロールバルブ第三ポート4
cに、第二ポート5bは前記コントロールバルブ第四ポ
ート4dに、第三ポート5cは走行用モータ3の前進側
ポート3aに、第四ポート5dは走行用モータ3の後進
側ポート3bにそれぞれ接続されている。そして、前記
走用行モータ3が前進駆動または後進駆動するときに、
後進側ポート3bまたは前進側ポート3aからの排出油
はブレーキ弁5を介してコントロールバルブ4から油タ
ンク2に排出される構成になっているが、このブレーキ
弁5の作動については、後述する。
【0008】次に、前記ブレーキ弁5の構造について、
図1〜図4に基づいて説明する。図面において、7はブ
レーキ弁5を構成するボディであって、該ボディ7に形
成される内筒部7aには、スプール8のメインスプール
部8aが軸方向(図面における左右方向であって、以
下、説明の便宜上、スプール8の軸方向を左右方向とし
て説明する)摺動自在に内嵌されている。さらに、この
ボディ7には、前述した第一〜第四のポート5a〜5d
が内筒部7aに連通する状態で形成されている。また、
前記メインスプール部8aの左右両端部には、該メイン
スプール部8aよりも小径の左右のスプールダンパ部8
bL、8bRが、メインスプール部8aと同軸上に一体
形成されている
【0009】また、9L、9Rは前記ボディ7の左右外
方側端部に一体的に組付けられる左右一対のカバーであ
って、これらカバー9L、9Rは、ボディ7に組付けら
れる左右内方側が開口し、左右外方側に位置する底部9
aL、9aRが閉鎖した断面略コ字形状をしているが、
上記底部9aL、9aRには、二段底状に凹んだ凹部9
bL、9bRが形成されている。そしてこのカバー9
L、9Rの筒内部は、後述するように、左右のリターン
スプリング(復帰弾機)10L、10Rがそれぞ収納さ
れる左右のスプリング収納室9cL、9cRに設定され
ている。
【0010】さらに、11L、11Rは左右一対のスリ
ーブであって、このものは、左右内外側面部11aL、
11bL、11aR、11bRを有し、軸方向が左右方
向を向いた中空状の円筒形状をしており、その筒外周部
は、左右内方側が小径で外方側が段差状に大径となった
二段形状をしている。そしてこのスリーブ11L、11
Rは、外方側に位置する大径のスリーブ大径部11c
L、11cRが前記カバー9L、9Rの凹部9bL、9
bR内に収納され、内方側に位置する小径のスリーブ小
径部11dL、11dRが凹部9bL、9bRから突出
してスプリング収納室9cL、9cRに収納される状態
でカバー9R、9L内に遊嵌されている。この場合、上
記スリーブ大径部11cL、11cRは、カバー9L、
9R内周面部に止着されたリング状のストッパ12L、
12Rにより、凹部9bL、9bRからの抜け止めがな
されるように構成されている。さらにスリーブ11L、
11Rは、ストッパ12L、12Rに対して僅かな間隙
を有し、かつ前記リターンスプリング10L、10Rに
接触しないように配設されていて、ストッパ12L、1
2Rおよびリターンスプリング10L、10Rからフリ
ーな状態になっている。また、スリーブ11L、11R
の左右内方側面部11aL、11aRには、前記左右の
スプールダンパ部8bL、8bRが僅かなクリアランス
Sを存して左右方向移動自在に挿通される挿通孔11e
L、11eRが開設されている。そしてこのスリーブ1
1L、11Rの筒内部は、後述するように、左右のダン
パ室11fL、11fRに設定されている。
【0011】一方、前記左右のスプールダンパ部8b
L、8bRの外周面部には、左右方向を向く切欠部8c
L、8cRが切欠き形成されている。またスプール8に
は、メインスプール部8aから左右のスプールダンパ部
8bL、8bRに亘る状態で、第一ポート5aと左側ダ
ンパ室11fLとを連通する左側第一油路8dL、第二
ポート5bと右側ダンパ室11fRとを連通する右側第
一油路8dRが形成されていると共に、これら左右の第
一油路8dL、8dRの中途部からは、左右のスプリン
グ収納室9cL、9cRにそれぞれ連通する左右の第二
油路8eL、8eRが分岐形成されている。さらに、左
右の第一油路8dL、8dRの第二油路8eL、8eR
分岐部位よりもダンパ室11fL、11fR側に位置す
る部位には、第一ポート5a、第二ポート5bからダン
パ室11fL、11fRへの油の流れは許容するが、逆
方向の流れは阻止する左右の逆止弁13L、13Rがそ
れぞれ配設されている。
【0012】また、左右のリターンスプリング10L、
10Rは、前記ストッパ12L、12Rと、メインスプ
ール部8aの左右外方側部に外嵌される弾機受け14
L、14Rとのあいだに介装される状態で前記左右のス
プリング収納室9cL、9cRにそれぞれ内装されてい
る。そしてスプール8は、第一ポート5aまたは第二ポ
ート5bから圧油が入力されていない状態では、上記左
右のリターンスプリング10L、10Rの付勢力により
中立位置Nに位置しているが、第一ポート5aまたは第
二ポート5bに圧油が入力されることにより、前記リタ
ーンスプリング10L、10Rの付勢力に抗して左右方
向に移動して前進側位置Xまたは後進側位置Yに位置す
るように設定されている。因みに、この動作については
以下に説明する。また、前記弾機受け14L、14R
は、スプール8の左右外方側への移動には該スプール8
と共に移動するが、スプール8の左右内方側への移動に
はボディ7の左右外方側端部に当接することでこれ以上
の移動は規制されるようになっている。
【0013】次に、ブレーキ弁5の作動について説明す
る。まず、走行用操作具6が停止位置のときは、前述し
たように、コントロールバルブ4は中立位置Nに位置し
ていてブレーキ弁5の第一、第二ポート5a、5bに圧
油は供給されない。この状態ではスプール8は、左右の
リターンスプリング10L、10Rの付勢力により図2
に示す中立位置Nに位置している。そして、該スプール
8が中立位置Nに位置している状態では、メインスプー
ル部8aに形成される複数のランド部8fにより第一〜
第四ポート5a〜5d間を連通する弁路は全て閉じた状
態になっていて、走行用モータ3への圧油の供給排出は
行われない。またこのとき、左右のスプールダンパ部8
bL、8bRの左右外方側端部は、外方側端面がスリー
ブ11L、11Rの左右外方側面部11bL、11bR
に対して所定距離Hを存する状態でダンパ室11fL、
11fRに収納されていると共に、スプールダンパ部8
bL、8bRに形成される切欠部8cL、8cRは、
2、図3から明らかなようにダンパ室11fL、11f
Rと連通していて、スプリング収納室9cL、9cRと
ダンパ室11fL、11fRとを導通する状態となって
いる。
【0014】前記停止位置から走行用操作具6を前進側
に操作すると、前述したように、コントロールバルブ4
が前進側位置Xに切換ってブレーキ弁5の第一ポート5
aに圧油が供給される。そして該第一ポート5aに供給
された圧油は、スプール8の左側第一油路8dLおよび
左側逆止弁13Lを経由して左側スリーブ11Lのダン
パ室11fLに入力される。そして、該ダンパ室11f
Lに入力された油圧が左側スプールダンパ部8bLの左
側端面に作用することにより、スプール8は右方向に移
動して図4に示す前進側位置Xになる。これにより、図
4に示す如く、第一ポート5aと第三ポート5cとを連
通する弁路5e、および第四ポート5dと第二ポート5
bとを連通する弁路5fが開いて、前記コントロールバ
ルブ4から第一ポート5aに供給された圧油が弁路5
e、第三ポート5cを経由して走行用モータ3の前進側
ポート3aに供給される一方、走行用モータ後進側ポー
ト3bからの油が第四ポート5d、弁路5f、第二ポー
ト5bを経由してコントロールバルブ4から油タンク2
に流れるようになっている。ここで、スプール8が中立
位置Nから右方に移動すると、これに伴い右側スプール
ダンパ部8bRも右方に移動するが、該右側スプールダ
ンパ部8bRの右側端面がスリーブ11Rの左側面部1
1bRに接当するまで、つまり前記所定距離Hだけ移動
してしても、右側スプールダンパ部8bRの切欠部8c
Rは、図4から明らかなように右側ダンパ室11fRと
の連通状態が維持されることになって、右側スプリング
収納室9cRと右側ダンパ室11fRとを導通し続ける
ように設定されている。そして、前記右側スプールダン
パ部8bRの右方への移動に伴って右側ダンパ室11f
Rから油が排出されるが、該排出油は、切欠部8cRを
経由して右側スプリング収納室9cRに流出し、さらに
右側第二油路8eR、右側第一油路8dRを経由して第
二ポート5bに流れるようになっている。これにより、
右側ダンパ室11fRからの油排出は絞られることがな
い、つまり排出抵抗の小さいスムーズな状態でなされる
ことになり、而してスプール8の中立位置Nから前進側
位置Xへの移動は、速やかに行われるようになってい
る。また、スプール8が中立位置Nから少し右方に移動
すると、左側スプールダンパ部8bLの切欠部8c
左側ダンパ室11fLから外れるように設定されてい
る。これにより、前進側位置Xにおいて左側スプリング
収納室9cLと左側ダンパ室11fLとは、左側スプー
ルダンパ部8bLの外周面部と左側スリーブ挿通孔11
eLとのあいだの僅かなクリアランスSのみにより連通
された状態になっている。
【0015】次に、走行用操作具6を前述した前進側か
ら停止位置に戻すと、コントロールバルブ4から第一ポ
ート5aに圧油が供給されなくなって、左側ダンパ室1
1fLに入力される圧力が下がる。これにより、左側ス
プールダンパ部8bLの左側端面に作用する圧力が低く
なって、スプール8は、右側リターンスプリング10R
の付勢力を受けて左方に移動し、前記中立位置Nに復帰
しようとする。このとき、左側スプールダンパ部8bL
も左方に移動するが、該移動に伴って左側ダンパ室11
fLから排出される油は、前述した左側スプールダンパ
部8bLの外周面部と左側スリーブ挿通孔11eLとの
あいだの僅かなクリアランスSから絞られた状態で左側
スプリング収納室9cLに流れるようになっている。さ
らに、前記スプール8が前進側位置Xから中立位置Nに
復帰するとき、左側ダンパ室11fL内の油は、左側ス
プールダンパ部8bLの左方への移動に伴い圧縮される
が、スプール8が前進側位置Xに位置しているときの左
側ダンパ室11fLの容積をV、上記圧縮による左側ダ
ンパ室11fLの容積変化量をΔVとすると、容積Vに
対する容積変化量ΔV、つまり容積変化率(ΔV/V)
が充分に大きくなるように、左側ダンパ室11fLは容
積の小さなものに形成されている。つまり、左側ダンパ
室11fLの圧縮による内圧変化量ΔPは、以下の式 ΔP=K・ΔV/V で示されるが(上記式において、Kは定数。但し、スプ
ール8の復帰移動時における左側ダンパ室11fLから
の油の排出量は無視する)、上記式から明らかなよう
に、容積変化率(ΔV/V)が大きいほど内圧変化量Δ
Pは大きくなる。そしてこの内圧変化量ΔPが大きいほ
ど、左側スプールダンパ部8bLが左方に移動するとき
に圧縮された左側ダンパ室11fL内の圧油の反力、要
するにスプール8が中立位置Nに復帰するときの反力が
大きくなる。而して、左側ダンパ室11fLの容積を小
さくして容積変化率(ΔV/V)が大きくなるようにし
たことと、前述の左側ダンパ室11fLからの油が絞ら
れた状態で排出されることとが相俟って、スプール8
は、ダンパ効果がきいた緩やかな状態で中立位置Nに復
帰するようになっている。
【0016】一方、走行操作具6を後進側に操作する
と、コントロールバルブ4が後進側位置Yに切換わって
ブレーキ弁5の第二ポート5bに圧油が供給される。こ
れによりブレーキ弁5は、前述した前進側に操作した場
合と左右方向は逆であるが同様に作動する。また、走行
用操作具6を後進側から停止位置に戻した場合も、左右
方向は逆であるが前進側の場合と同様に作動し、さらに
右側ダンパ室11fRの容積は左側ダンパ室11fLの
容積と等しく設定されていて、同様のダンパ効果を奏す
るため、説明を省略する。
【0017】叙述の如く構成されたものにおいて、ブレ
ーキ弁5は、前述したように、走行用操作具6を停止位
置から前進側または後進側に操作した場合には、スプー
ル8の移動方向側に配されるダンパ室11fRまたは1
1fLの油は、中立状態においてダンパ室11fRまた
は11fLに連通している該切欠部8cRまたは8cL
を経由して速やかに排出されることになって、スプール
8の中立位置Nから前進側位置Xまたは後進側位置Yへ
の切換え作動が素早く行われ、而して走行用モータ3
は、走行用操作具6の操作に応答遅れすることなく駆動
開始することになる。一方、走行用操作具6を前進側ま
たは後進側から停止位置に操作した場合には、スプール
8の移動方向側に配されるダンパ室11fLまたは11
fRの油は、スプールダンパ部8bLまたは8bRの外
周面部とスリーブ挿通孔11eLまたは11eRとのあ
いだの僅かなクリアランスSから絞られた状態で排出さ
れることになって、スプール8の中立位置Nの復帰速度
が緩和され、而して走行用モータ3は、ダンパ効果のき
いた衝撃の少ない状態で停止することになる。さらにこ
のものにおいて、ダンパ室11fL、11fRは容積の
小さいものであるから、スプール8の中立位置Nへの復
帰時におけるダンパ室11fL、11fRの容積変化率
(ΔV/V)が大きくなって、より優れたダンパ効果を
得ることができるが、この場合、ダンパ室11fL、1
1fRは、リターンスプリング10L、10Rが収納さ
れるスプリング収納室9cL、9cRとは別個に画成さ
れているため、リターンスプリング10L、10Rや弾
機受け14L、14Rの大きさに制約されることなく、
ダンパ室11fL、11fRの容積を充分に小さくする
ことができる。この結果、ブレーキ弁5は、走行用モー
タ3の駆動開始時には応答遅れなく作動する一方、走行
用モータ3の停止時には優れたダンパ効果を発揮できる
ことになって、良好な操作性を得ることができる。
【0018】またこのものにおいて、ダンパ室11f
L、11fRを形成するスリーブ11L、11Rはスプ
リング収納室9cL、9cRに内嵌されていて、スリー
ブ11L、11Rの収納スペースを別途確保する必要が
ないという利点があるが、さらにこの場合、スリーブ1
1L、11Rは、スプリング収納室9cL、9cRやス
トッパ12L、12R、およびリターンスプリング10
L、10Rに固定されていない、つまり自由な状態であ
るため、スプールダンパ部8bL、8bRがスリーブ挿
通孔11eL、11eR内を左右移動する際に、スリー
ブ11L、11Rが芯合せ位置に調整移動できることに
なって、こじりのないスムーズな状態でスプールダンパ
部8bL、8bRの左右移動を行うことができる。尚、
本発明のバルブは、走行用ブレーキ弁だけでなく、ダン
パ機能が必要な種々のバルブに実施できることは勿論で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行用モータの概略油圧回路図である。
【図2】スプール中立位置におけるブレーキ弁の断面図
である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】スプール前進側位置におけるブレーキ弁の断面
図である。
【図5】従来例を示すバルブの断面図である。
【符号の説明】
5 ブレーキ弁 8 スプール 8bL、8BR スプールダンパ部 8cL、8cR 切欠部 9cL、9cR スプリング収納室 10L、10R リターンスプリング 11eL、11eR 挿通孔 11fL、11fR ダンパ室 S クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 11/02 F16K 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の中立位置と該中立位置の軸方向両
    側の作動位置とのあいだを軸方向に移動して油の通路を
    開閉するスプールと、該スプールを中立位置に保持すべ
    く軸方向両側からそれぞれスプールの押圧をする一対の
    復帰弾機と、スプールの軸方向両側に配され、かつスプ
    ールの移動に抵抗を付与するための油が入出可能な一対
    のダンパ室とを備えて構成されるバルブにおいて、スプ
    ールが中立位置から任意の一方の作動位置側に移動する
    ことに伴う一方側のダンパ室からの油の排出は絞らない
    が、該一方側に移動したスプールが中立位置に復帰する
    ことに伴う他方側のダンパ室からの油の排出は絞る排出
    手段を設けるにあたり、スプールの軸方向両端部にスプ
    ールダンパ部を設け、該スプールダンパ部をダンパ室に
    開設された挿通孔からダンパ室に軸方向移動自在に挿通
    せしめる一方、両スプールダンパ部の外周面部には、ス
    プール中立位置では対応する各ダンパ室と連通し、スプ
    ールが中立位置から任意の一方の作動位置に移動するま
    でのあいだ該移動側でのダンパ室との連通は維持する
    が、他方の作動位置側ではダンパ室から外れるよう設定
    された切欠部をそれぞれ形成すると共に、前記挿通孔と
    スプールダンパ部とのあいだには、スプールが中立位置
    から一方の作動位置に移動したとき他方のダンパ室の油
    を絞って排出するためのクリアランスをそれぞれ設け
    て、スプールの中立位置から一方の作動位置への移動時
    には前記連通する切欠部を経由して一方側のダンパ室内
    の油を排出するが、スプールの一方の作動位置から中立
    位置への復帰時には他方のダンパ室の油を他方のクリア
    ランスで絞って排出する構成にしたことを特徴とするバ
    ルブ構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ダンパ室を、
    帰弾機が収納される弾機収納室とは別に画成したことを
    特徴とするバルブ構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、ダンパ室
    は、スプールに対して芯合せ位置に移動可能な状態で弾
    機収納室に内嵌されていることを特徴とするバルブ構
    造。
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