JP3434792B2 - Pll装置および該pll装置を有する光ディスク装置 - Google Patents

Pll装置および該pll装置を有する光ディスク装置

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JP3434792B2
JP3434792B2 JP2000283735A JP2000283735A JP3434792B2 JP 3434792 B2 JP3434792 B2 JP 3434792B2 JP 2000283735 A JP2000283735 A JP 2000283735A JP 2000283735 A JP2000283735 A JP 2000283735A JP 3434792 B2 JP3434792 B2 JP 3434792B2
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PLL(Phase L
ocked Loop;位相同期ループ)回路に関し、特に、光
ディスク装置に用いて好適なPLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク等の光ディスク再生
・記録装置(特に記録分野)において、従来より、ディ
スク表面上のトラックを一定速度(線速度一定)で通過
しながら書き込む、「CLV(Constant Linear Velo
city)記録」と呼ばれる方式が広く用いられている。
【0003】しかしながら、ディスクを回転駆動するモ
ータの低消費電流化に加え、高速書き込み、高信頼性記
録のニーズが高まると、今まで実現されていなかったデ
ィスクの回転数を一定にしながらのCAV(角速度一
定)記録や、ディスクの回転むらに追従した書き込みを
実現することが要請されている。
【0004】CAV回転制御などは、再生系によって既
に確立されている技術であり、スピンドルモータから生
成されるモータの回転数を示すFG信号を受け取り、そ
れが一定になるようにスピンドルモータを制御すればよ
い。また信号の読み出しにおいても、ピックアップによ
り検出されたピットの有無からRF信号を再生し、これ
を、ある値でコンパレートすることで、EFM(Eight
to Fourteen Modulation;8−14変換変調)信号
を復調することができる。
【0005】CAV回転制御では、ディスクの回転数が
一定であるため、ディスクの内周と外周では、トラック
の線速度が異なるものの(例えば内周で4倍速相当であ
った線速度は、外周では10倍速相当の線速度とな
る)、このEFM信号は、セルフクロッキング可能な信
号であるため、EFM信号に追従するPLL(「EFM
PLL」という)を介してリードチャネルクロックを生
成し、このクロックにより、レートが可変するEFM信
号でも装置内部に取り込むことが可能となる。
【0006】しかしながら、これを記録系に応用すると
きに、回転制御は、再生系の技術を継承できるとして
も、記録しようとする未記録ディスクには、当然の如
く、ピットが存在しないため、EFM信号を復調して、
リードチャネルクロックを生成することはできない。つ
まり、EFM信号によって、ディスクの回転数とピック
アップの位置により刻々と変化する書き込みレートに追
従するようなチャネルクロックを生成することができな
いのである。
【0007】そこで、未記録のディスク上にも存在する
蛇行した案内溝(ウォブル(Wobble))からのW
obble信号を使い、該Wobble信号に追従する
ようなPLL(「Wobble PLL」という)を新
たに設けることで、ディスクの回転(角速度とピックア
ップの位置)に合わせたクロックを生成する必要があ
る。
【0008】ディスクに記録されるピットのタイムエラ
ーを軽減させた書き込みを行う場合は、ディスク上に存
在する蛇行した案内溝(Wobble信号)に追従する
ようなWobblePLLを構成し、WobblePL
Lの出力に基づいて、動作クロックを出力する手段を設
けることで回転速度偏差を吸収すればよい。
【0009】ところで、2段構成のPLL装置に関する
刊行物として、例えば特開平6−338128号公報に
は、図8に示すような構成として提案されている。図8
を参照すると、このディスク記録装置においては、FM
検波PLL41に同期した動作クロックCKを生成する
ため138MHzVCO(電圧制御発振器)を用いたP
LL42を備え、このPLL42により生成された動作
クロックCKに同期して書き込み信号を出力し、信号処
理回路(不図示)から得られた書き込み信号により、レ
ーザーパワー制御回路を介してディスクへの記録がなさ
れるというものである。
【0010】また特開昭61−087427号公報に
は、位相検出器、ループフィルタ、電圧制御発振器を備
えたPLL回路において、ループフィルタを広帯域ルー
プフィルタと低帯域ループフィルタにわけ、これらのフ
ィルタをループ回路のフェーズロック状態に応じて切替
える手段を備えた構成が開示されている。図9は、この
従来の構成の一例を示す図である。図9において、重い
LPF49はカットオフ周波数fcの低い低域通過フィ
ルタであり、軽いLPF50はカットオフ周波数fcの
高い低域通過フィルタであり、これら二つのフィルタの
うち一方が、スイッチ47、48により、チャージポン
プ44と、電圧制御発振器(又は電流制御発振器)45
の間にループフィルタとして挿入される。
【0011】またジッタ成分の少ない高精度なクロック
を必要とするデジタルオーディオ機器等に用いられるダ
ブルPLLとして、例えば特開平4−313817号公
報には、入力信号を受け該入力信号に同期した第1の信
号を発生する第1のPLLと、第1の信号を受け第1の
信号に同期した第2の信号を発生する第2のPLLを備
え、第2のPLLは、第1の信号の位相と第2の信号の
位相を比較する位相比較器と、位相比較器から出力され
る比較結果に含まれる所定周波数成分だけを通過させる
フィルタと、第1の信号の位相と第2の信号の位相のず
れ量を検出しずれ量に応じた検出結果を出力する位相ず
れ検出回路と、位相ずれ検出回路からの検出結果に応じ
てフィルタの遮断周波数を変化させる遮断周波数可変手
段と、フィルタの出力を制御信号として受けて第2の信
号を発生する信号発生手段を備えた構成が開示されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Wob
ble信号を用いることで、新たな問題が生じている。
それは、このWobble信号には、非常に長いSyn
c(同期)パターンが存在するため、WobblePL
Lは、Sync(同期)パターンを通過する時に、例え
ば5〜10%程度揺れてしまう、ということである。
【0013】この揺れを防止するために、Wobble
PLLのループフィルタのカットオフ周波数fcを低く
することも考えられるが、引き込み時間を短縮したり、
追従性を良くするためには、カットオフ周波数fcはあ
る程度までしか低く(カットオフ周波数fcを低くする
ことを「重くする」ともいう)できない。
【0014】逆に、WobblePLLのループフィル
タのカットオフ周波数fcが高い(軽い)と、Sync
パターン通過時に生じる揺れの問題の他に、クロックの
ジッタが増大する、という問題も生じてしまう。
【0015】そこで、このWobblePLLの後段
に、更にループフィルタを重く設定したPLL(CAV
PLL)を二重にかけることで、揺れを防止する構成も
考えられるが、このCAVPLLも、フィルタを重くす
れば、引き込み時間の増長や、追従性の悪化という問題
が生じ、逆に軽く、すればジッタの増加の問題は生じる
ことになる。
【0016】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、Wobble信
号のSyncパターン通過時に生じる揺れを小さくする
とともに、良好な引き込み時間、及び、追従性を達成す
るPLL回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明は、入力信号を入力し該入力信号に追従した第1の信
号を生成する第1のPLLと、前記第1のPLLから出
力される前記第1の信号に追従した第2の信号を生成す
る第2のPLLと、前記第1のPLLによって生成され
る前記第1の信号の周波数と前記第2のPLLによって
生成される前記第2の信号の周波数を比較する周波数比
較回路と、を備え、前記周波数比較回路が、前記第1の
信号と前記第2の信号の周波数を比較するにあたり、前
記第1の信号に較べて前記第2の信号が早いか遅れてい
るかだけでなく、前記第1の信号と前記第2の信号の周
波数と差定量化する手段を備え、前記周波数比較回路
による前記周波数の差定量化した値に基づき、前記第
2のPLLのループフィルタのフィルタ特性を可変させ
る手段を備え、前記第2のPLLが、前記ループフィル
タとして、フィルタ特性の異なる複数のフィルタと、前
記複数のフィルタを切替える切替手段とを備え、前記切
替手段が、前記第2のPLLがロックしているか否かを
示すロック信号と、前記第1のPLLが前記第1のPL
Lに入力される前記入力信号にロックしているか否かを
示すロック信号と、前記複数のフィルタのうち現在どの
フィルタが接続されているかを示す情報に基づき、前記
複数のフィルタを切替え、前記ループフィルタのフィル
タ特性を可変させる。
【0018】本発明において、前記周波数比較回路が、
前記第1の信号の周波数と前記第2の信号の周波数の差
の基準となる相対量に関する設定値を、可変に設定する
手段と、前記第1の信号の周波数と前記第2の信号の周
波数の差が、前記設定値内である場合には、前記第2の
PLLがロック状態であるものと判断し、前記第1の信
号の周波数と前記第2の信号の周波数の差が前記設定値
を超えている場合には、アンロック状態であるものと判
断し、その判断結果を、前記第2のPLLのロック信号
として出力する手段を備えている。
【0019】本発明において、前記第2のPLLは、ル
ープフィルタとしてフィルタ特性の異なる複数のフィル
タと、前記複数のフィルタを切替える切替手段と、を備
え、前記第1のPLLのロック状態と第2のPLLのロ
ック状態に基づき、前記切替手段が、前記複数のフィル
タを切替えることで、ループフィルタのフィルタ特性を
可変させる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。本発明のPLL装置は、その好ましい一実施の形
態において、図1を参照すると、Wobble信号を入
力とする第1のPLL(10)と、WobblePLL
の出力を基準クロックとして入力する第2のPLL(2
0)よりなる二つのPLLが縦属接続され、前記二つの
PLL出力の周波数比較を早いか遅いかのみでなく、何
%周波数が高い、もしくは低いというように、二つの出
力の周波数の差の相対量を、定量的に、所定の範囲をも
って判断する手段(205)を備えている。
【0021】より詳細には、PLL装置は、二つのPL
L出力の周波数の差の基準となる相対量を、外部から可
変に設定するための手段(図1のレジスタ30)と、二
つのPLL出力の周波数の差が、その設定値以内に入っ
ている場合には、後段のPLLがロック状態であると判
定し、逆に設定値を超える周波数差があればアンロック
状態であると判定し、比較判定結果を第2のPLLのロ
ック(LOCK)信号として出力する周波数比較回路
(205)を備える。
【0022】第2のPLL(20)は、二つのフィルタ
と、フィルタを切替える手段を備え、第2のPLLのロ
ック信号を用いて、前記二つのフィルタを切替えること
で、フィルタのカットオフ周波数(fc)等のフィルタ
特性が可変される。
【0023】第2のPLL(20)がロックしているか
否かを示すロック信号に基づき、第2のPLL(20)
がロック状態である場合は、二つのフィルタのうち、カ
ットオフ周波数の低い(重い)フィルタを選択(接続)
するように動作し、アンロック状態である場合は、二つ
のフィルタのうち、カットオフ周波数の高い(軽い)フ
ィルタを選択(接続)するように切替え制御する。
【0024】また第2のPLL(20)は、二つのフィ
ルタとそのフィルタを切替える手段を備え、第2のPL
Lのロック信号と、第1のPLL(10)が入力信号に
ロックしているか否かを示すロック信号(Wobble
PLL lock信号)と、前記二つのフィルタのう
ち、現在どちらのフィルタが接続されているかを示す選
択信号の、3つ信号の値を用いて、前記二つのフィルタ
を切替えることで、フィルタのカットオフ周波数(f
c)を変更する構成とされる。
【0025】第1のPLL(10)のロック信号(Wo
bblePLL lock信号)と、第2のPLL(2
0)のロック信号(周波数比較回路205の出力)のう
ちいずれか一つでもアンロック状態を示し、かつ、現在
軽いフィルタが接続されている場合は軽いフィルタを選
択(軽いフィルタのままの状態保持)する。
【0026】第1のPLL(10)のロック信号(Wo
bblePLL lock信号)と、第2のPLLのロ
ック信号の両方がロック状態を示し、かつ、現在軽いフ
ィルタが接続されている場合には、重いフィルタを選択
(状態変更)する。
【0027】第1のPLL(10)のロック状態にかか
わらず、第2のPLL(20)のロック信号がアンロッ
ク状態を示し、かつ、現在重いフィルタが接続されてい
る場合には、軽いフィルタを選択(状態変更)する。
【0028】第1のPLL(10)のロック状態にかか
わらず、第2のPLL(20)のロック信号がロック状
態を示し、かつ、現在重いフィルタが接続されている場
合には、重いフィルタを選択(重いフィルタのままの状
態保持)する。
【0029】周波数比較回路(205)は、第1、第2
のPLL(10、20)の出力の周波数差が、何%高
い、もしくは低いという、相対量を数段階に分けて判断
する構成としてもよく、この場合、複数のフィルタを切
替える手段は、前記周波数比較手段の比較結果によっ
て、前記複数のフィルタを段階的に切替えることでフィ
ルタのカットオフ周波数(fc)を段階的に変更する構
成としてもよい。
【0030】周波数比較回路(205)の出力と第1の
PLL(10)のロック信号に基づき、フィルタの切替
を制御する手段(ヒステリシスロックステートマシン2
06)は、フィルタを切替える判断間隔をある周期で行
うサンプリング手段と、切替え判断がなされた時の判断
結果が連続して同じであった場合に、その結果をカウン
トする連続数カウント手段と、外部より連続数カウント
回路の連続回数を設定する手段と、を備え、連続回数が
外部より設定した値に達した場合に、フィルタを切替え
る構成としてもよい。
【0031】周波数比較回路として、さらに、第2のP
LL(20)によって生成されるクロックと、例えば水
晶発振子のように一定の周波数で発振する一定発振信号
の周波数差が、何%高い、もしくは低いという相対量を
数段階に分けて判断する周波数比較回路(205B)を
さらに備え、外部より入力される信号の周波数変化に伴
い第1のPLL(10)によって生成されるクロックの
周波数が変化しても、前記周波数比較手段の結果によっ
て、前記複数のフィルタを段階的に切替え、フィルタの
カットオフ周波数(fc)や時定数を段階的に変更する
構成としてもよい。
【0032】本発明の一実施の形態においては、Wob
bleクロックとCAVクロックが早いか遅いかのみで
なく、何%周波数が高い、もしくは低いというように相
対量を定量的に判断しかつ、ある範囲(ロック許容範
囲)をもって、CAVPLLのロック状態を検出するこ
とで、CAVPLLが誤った周波数にロックすることを
防ぐとともに、CAVPLLのロック時間を短縮するこ
とになる。
【0033】例えば第1のPLL(10)から出力され
るWobbleクロックと第2のPLL(20)から出
力されるCAVクロックの周波数の差が、比率として3
0%であったとすると、この時に、第2のPLL(CA
VPLL)のループフィルタを重いフィルタに切替えて
しまうと、CAVPLLとしての引き込み感度が低下さ
れてしまい、そこから、周波数の差が5%以内の差にな
るまでには、CAVPLLの周波数変動が非常にゆっく
りとした動きになるために、相当な時間を要することに
なる。一方、WobbleクロックとCAVクロックの
周波数差が0.1%になった時に第2のPLL(CAV
PLL)のループフィルタを重いフィルタに切替えよう
とすると(切替えの基準となるロック許容範囲を0.1
%とする)、実際に、第2のPLLが0.1%以内に引
き込まれるかどうか分からないため、永遠に切り替わら
ない可能性も生じる。これは、二つのPLLとも感度が
高いために周波数変動も大きいためである。すなわち、
WobbleクロックとCAVクロックの周波数があま
りに離れている時に、フィルタを切替えても引き込みま
でに時間を要し、逆に、WobbleクロックとCAV
クロックの周波数が限りなく一緒になるまでに待ってい
ても、いつまでも、フィルタの切替えが行われない可能
性もあり、本発明の一実施の形態においては、フィルタ
の切替を行う定量的な範囲(CAVPLLのLOCK許
容範囲)は、マイコン等により、レジスタ(30)を介
して、システムに適切な値が可変に設定自在とされてい
る。
【0034】また、本発明においては、より確実にロッ
ク判定を行うために、ヒステリシスロックステートマシ
ン(206)において、判定回数(ロック連続回数)を
複数回として、フィルタの切替えを制御している。この
場合、例えば、周波数の差1%以内で4回連続、あるい
は、周波数の差2%以内で8回連続、周波数の差4%以
内で16連続、という各判定方法が自在に設定される。
ここで、周波数の差が何%であるかにより定量値による
判断は、PLLの追従特性を規定し、連続回数(判定回
数)はPLLの安定性を規定しているともいうことがで
きる。第1のPLLから出力されるWobbleクロッ
クと第2のPLLから出力されるCAVクロックの周波
数の差が2%〜5%になるようなケースでは、周波数が
近づく可能性もあるが、揺れが大きいし、一方、3%〜
4%になるようなケースでは、あまり近づかないが揺れ
は小さいといった場合に、この二つのPLLをよりロッ
クさせるかを、前記した条件に基づき、フィルタを切替
えることで制御する。
【0035】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して以下に説明する。はじめに本発明の一実施例の前提
について説明しておく。コンパクトディスク等の光ディ
スク再生・記録装置においては、ディスクやターンテー
ブルの偏心、スピンドルモータのコギング等によってデ
ィスクに回転むらが発生する。この回転速度偏差に追従
し、ディスクに記録されるピットのタイムエラーを軽減
させた書き込みを行う場合は、ディスク上に存在する蛇
行した案内溝(Wobble信号)に追従するようなW
obblePLLを構成し、WobblePLLの出力
に基づいて、動作クロックを出力する手段を設けること
で回転速度偏差を吸収すればよいが、Wobble信号
には非常に長いSync(同期)パターンが存在するた
め、WobblePLLは、それを通過する時に、5〜
10%程度揺れてしまう。この揺れを防止するために、
WobblePLLのループフィルタを重くする場合、
引き込み時間を短縮したり、追従性を良くするために
は、ある程度までしか重くできないという限界があり、
逆に、ループフィルタが軽ければSyncパターン通過
時に生じる揺れの問題の他に、ジッタが増大するという
矛盾点があった。
【0036】そこで、このWobblePLLの後段
に、更に、ループフィルタを重く設定したPLLを二重
にかけることで、揺れを防止する構成も考えられるが、
この後段のPLLも、同様にフィルタを重くすれば、引
き込み時間の増長や追従性の悪化が生じ、逆に、軽くす
れば、ジッタの増加の問題が生じることになる。
【0037】またCAV(角速度一定)記録を行う場合
は、ディスクの回転速度偏差を検出するWobbleP
LLの出力周波数が大幅に変動するため、その変動に即
座に追従しなければ、動作クロックの生成に時間を費や
し、書き込み準備が遅れるという問題があった。
【0038】そこで、本発明の一実施例においては、こ
のWobblePLLの出力(「Wobbleクロッ
ク」という)に同期した動作クロック(「CAVクロッ
ク」という)を生成するためのPLL(「CAVPL
L」という)に、フィルタ特性の異なるループフィルタ
を複数設け、WobblePLLとCAVPLLのロッ
ク状態に基づき、フィルタを切替える構成とすること
で、上記問題点を解消し、CAVPLLにより生成され
た動作クロックによって書き込み信号を生成するもので
ある。
【0039】複数のフィルタを設け、切替える構成は、
前述したように、上記特開平4−313917号公報等
(図9参照)にも提案されているが、上記特開平4−3
13917号公報等の構成とは相違して、本発明の一実
施例のPLL装置は、以下の構成よりなる。
【0040】・WobblePLLから出力されるWo
bbleクロックとCAVPLLから出力されるCAV
クロックが早いか遅いかのみでなく、何%周波数が高い
もしくは低いというように、相対量を定量的に判断しフ
ィルタを切替える構成としている。
【0041】・WobbleクロックとCAVクロック
の周波数差が、マイコン等を介して外部から設定した基
準値以内に入っている場合にはCAVPLLがロック
(LOCK)状態であると判断し、逆に基準値以上の周
波数差があれば、アンロック(UNLOCK)状態であ
ると判断する。
【0042】・CAVPLLに接続されているフィルタ
が、カットオフ周波数が互いに異なる二種である場合に
は、LOCK信号を使用し、CAVPLLがロック状態
であると判断した場合は、カットオフ周波数の低い(重
い)フィルタをループフィルタとして選択(接続)する
ように制御し、アンロック状態であると判断した場合に
は、カットオフ周波数の高い(軽い)フィルタを、ルー
プフィルタとして選択(接続)する制御が行われる。
【0043】・さらにCAVPLLのロック/アンロッ
ク状態を示すLOCK信号と、WobblePLLのロ
ック/アンロック状態を示すLOCK信号と、複数のフ
ィルタのうち、現在どちらのフィルタがループフィルタ
として接続されているかを示す選択信号の3信号の値を
用いて二つのフィルタを切替える。
【0044】これら3信号の値を用いて、二つのフィル
タを切替える構成としては、 ・WobblePLLのLOCK信号と、CAVPLL
のLOCK信号のうちいずれか一つでもアンロック状態
を示し、かつ、現在軽いフィルタが接続されている場合
は軽いフィルタを選択(軽いフィルタのままの状態保
持)するようにし、 ・WobblePLLのLOCK信号と、CAVPLL
のLOCK信号の両方がロック状態を示しかつ、現在軽
いフィルタが接続されている場合は重いフィルタを選択
(状態変更)するようにし、 ・WobblePLLのロック状態にかかわらず、CA
VPLLのLOCK信号がアンロック状態を示しかつ、
現在重いフィルタが接続されている場合は軽いフィルタ
を選択(状態変更)するようにし、 ・WobblePLLのロック状態にかかわらず、CA
VPLLのLOCK信号がロック状態を示しかつ、現在
重いフィルタが接続されている場合は重いフィルタを選
択(重いフィルタのままの状態保持)する。
【0045】・CAVPLLに接続されているフィルタ
が、二以上の複数ある場合には、Wobbleクロック
とCAVクロックの周波数差が、何%高い、もしくは低
いという相対量を数段階に分けて判断することで、複数
のフィルタを切替える。
【0046】・複数のフィルタを切替える判断間隔をあ
る周期で行うようにしたサンプリング手段と、切替え判
断がなされた時の判断結果が連続して同じであった場合
にその結果をカウントする連続数カウント手段と、外部
より連続数カウント回路の連続回数を設定する手段を備
え、連続回数が外部より設定した値に達した場合のみ、
2つないしは複数のフィルタを切替えることができる点
と、CAVPLLによって生成されるCAVクロック
と、例えば水晶発振のように一定の周波数で発振する一
定発振信号の周波数差が、何%高い、もしくは低いとい
う相対量を数段階に分けて判断する周波数比較手段によ
ってフィルタを切替える事ができ、Wobble信号の
周波数変化に伴いWobbleクロックの周波数が変化
しても、前記周波数比較手段の結果によって、前記複数
のフィルタを段階的に切替える。
【0047】本発明の一実施例について図面を参照して
以下に説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示
す図である。図1を参照すると、本発明の一実施例は、
コンパクトディスク等の光ディスク再生・記録装置にお
いて、第1のPLL(FM検波PLL:WobbleP
LL)10と、第2のPLL(138MHzVCO:C
AVPLL)20を備え、CAVPLL20は、位相周
波数比較回路(PFC)201と、チャージポンプ(C
P)202と、電圧制御発振器(VCO、又は電流制御
発振器)203と、分周器(DIV)204とを備え、
さらにプログラマブル周波数比較回路(Program
able FC)回路205と、ヒステリシスロックス
テートマシン(Hysterisis Lock St
ateMachine)回路206と、時定数の異なる
二つのループフィルタ(LPF)210、211と、ス
イッチ208、209よりなり、二つのフィルタ21
0、211の接続を切替える構成とされている。スイッ
チ209の制御端子には、ヒステリシスロックステート
マシン回路206からの出力(制御信号)が入力され、
スイッチ208の制御端子には、ヒステリシスロックス
テートマシン回路206からの出力をインバータ207
で反転した信号が入力され、スイッチ208と209は
相補的にオン、オフ制御される。
【0048】位相周波数比較回路201は、2つの入力
を持ち、WobblePLL10の出力信号であるWo
bbleクロックを基準クロック(Reference
clock)として入力し、CAVPLLの出力信号
であるCAVクロックの分周信号を被比較信号として入
力し、これら二つの信号の周波数差および位相差に応じ
た誤差信号を出力する。PLL回路では、この位相差が
なくなるようにフィードバック制御されるため、CAV
PLL回路20がロックした状態では、基準信号と被比
較信号の変化点は一致する関係になる。
【0049】位相周波数比較回路201の出力である位
相誤差信号をチャージポンプ202に入力すると、チャ
ージポンプ202は位相誤差信号を所望の電圧値に変換
して出力する。
【0050】二つのフィルタ210、211のうちスイ
ッチで選択されたループフィルタは、このチャージポン
プ202の出力電圧を平滑化し、その出力を電圧制御発
振器203に制御電圧として供給する。
【0051】ループフィルタは、PLLの型・次・応答
を決定するため、PLLの応答を左右する重要な役割を
果たす。一般的なループフィルタは、ラグリードフィル
タやアクティブフィルタよりなるが、本発明では、フィ
ルタ構成は、任意のものを用いることができ、その構成
に特別な制限はない。
【0052】電圧制御発振器203は、ループフィルタ
の出力電圧を制御電圧信号として入力し、該制御電圧に
応じて出力周波数を変化させる。なお、ループフィルタ
の出力が電流値を変化させるものであれば、ICO(電
流制御発振器)で構成してもよい。あるいはループフィ
ルタの出力電圧を電圧電流変換器(V−I変換器)で電
流に変換し、ICOは、該電流値に応じた周波数で発振
させる構成としてもよい。
【0053】分周器204は電圧制御発振器203の出
力周波数を所望の周波数に分周する。
【0054】プログラマブルな周波数比較回路205
は、WobblePLL10の出力クロックすなわちW
obbleクロックの周波数の何%以内(比率)に、C
AVPLL20の出力クロックすなわちCAVクロック
の周波数が入っているかの周波数差相対量を定量的に検
出する。
【0055】また、マイコン(不図示)などを通して、
PLLの外部から、基準値をレジスタ30に設定し、プ
ログラマブルな周波数比較回路205は、レジスタ30
に設定された基準値を参照して、該基準値以内に、周波
数差の相対量が入っていれば、CAVPLL20がWo
bbleクロックにロック(LOCK)しているものと
判断し、基準値以内に周波数差の相対量が入っていない
場合には、CAVPLL20がWobbleクロックに
LOCKしていない(UNLOCK)ものと判断し、ロ
ック状態/アンロック状態に応じた論理値のCAVLO
CK信号を出力する。
【0056】プログラマブルな周波数比較回路205
は、周波数の差分を定量化するにあたり、Wobble
クロックを分周した一クロック周期に、CAVクロック
が何クロックあるかをカウントすることで、両者の周波
数の差を定量化する構成としてもよい。Wobbleク
ロックを例えば128分周し、この分周クロックの一周
期に、CAVクロックが128クロックある場合には、
周波数の差は0%、CAVクロックが127(129)
クロックの場合、0.008%のずれという具合に定量
化して算出する。この場合、Wobbleクロックを1
28分周した信号の立ち上がりエッジでカウンタをリセ
ットし、CAVクロックを該カウンタのクロックとして
計数する。その際、カウンタの値がリセットされる直前
にいくらであったかをラッチしておくことで、128の
+/−のいずれにどれだけ進んでいるかがわかる。
【0057】一方、ヒステリシスロックステートマシン
(Hysterisis LockState Mac
hine)回路206は、図5を参照すると、Wobb
lePLL10から出力されるLOCK信号と、CAV
PLL20のLOCK信号と、その直前のフィルタの選
択状態(どのフィルタを選択しているかの情報は、ラッ
チ回路等に保持される)を用いて、現在の最適なループ
フィルタを判断する手段206−1と、ループフィルタ
を切替える判断間隔を、ある周期で行う制御を行うサン
プリング手段206−2と、切替え判断がなされた時の
判断結果が連続して同じであった場合に、その結果をカ
ウントする連続数カウント手段206−3と、マイコン
などを通してレジスタ30に設定されたロック回数、ア
ンロック回数に基づき、連続数カウント手段の連続回数
を設定する手段206−4を備え、ループフィルタの切
替を制御し、切替のための選択信号を生成する。サンプ
リング手段206−2は、プログラマブルな周波数比較
回路205のリセット信号等によりLOCK信号のサン
プリングを行い、この場合、プログラマブルな周波数比
較回路205の比較判定を行う周期が、連続回数カウン
ト手段206−3のサンプリング周期となる。
【0058】例えば「軽いフィルタを選択」すると、4
回連続で、連続回数を検出したら軽いループフィルタに
実際に切替える信号を出力し、「重いフィルタを選択す
る」と、8回連続で連続回数を検出したら重いループフ
ィルタに実際に切替える信号を出力するように、切替え
る方向により、個別に設定できるようにも構成されてい
る。このような構成とすることで、確実なフィルタ切替
え信号を生成することができる。
【0059】また、二種類のフィルタを用いる場合、軽
いLPFは、WobblePLLとほぼ同じような時定
数に設定することで、WobblePLLに素早く追従
すること(すなわち追従性の向上と引き込み時間の短
縮)になり、また重いLPFは、軽いLPFの5倍(カ
ットオフ周波数fcが1/5)程度に設定することでジ
ッタを軽減し、回転むらに緩やかに追従することになる
ことは、図4に示すように、実際のシミュレーション結
果からも検証されている。図4に示すように、アンロッ
ク時に軽いフィルタに接続することでクロック(CL
K)への追従を速くし、ロック時に重いフィルタに接続
することでジッタ(エッジのばらつき)を低減している。
【0060】なお、ループフィルタを軽くするとは、カ
ットオフ周波数fcについて、 fc=1/(2πRC)[Hz] より、R(抵抗)、もしくは、C(容量)の値を小さく
することで、カットオフ周波数を上げることと同等であ
り、逆に、重くするとは、R(抵抗)もしくはC(容
量)の値を大きくすることで、カットオフ周波数を下げ
ることと同等である。なお、図1において、二つのフィ
ルタ210、211を設けるかわりに、一つのループフ
ィルタのフィルタ定数を可変させて、カットオフ周波数
等フィルタ特性を可変させるような構成としてもよいこ
とは勿論である。
【0061】以上の構成により、本発明においては、新
たにプログラマブル周波数比較回路205、ヒステリシ
スロックステートマシン回路206、及び、時定数の異
なる二種類のループフィルタ210、211を追加する
ことで、WobbleのSyncパターン通過時などに
よる揺れに対しても、最適なループフィルタを選択でき
るようになり引き込み時間、追従性、ジッタの問題を解
決することができる。
【0062】本発明の一実施例の動作について説明す
る。
【0063】まず、プログラマブル周波数比較回路20
5について説明する。このプログラマブル周波数比較回
路205では、WobblePLL10の出力であるW
obbleクロックとCAPLL20の出力であるCA
Vクロックの周波数比較を行う。この周波数比較は、W
obbleクロックよりもCAVクロックが早いか遅い
かのみでなく、Wobbleクロックの何%以内(すな
わち比率等の定量値)にCAVクロックが入っているか
の周波数差相対量を定量的に検出している。
【0064】さらに、マイコンなどを通して、外部から
基準値をレジスタ30に可変に設定できる構成とされ、
基準値以内に周波数差の相対量が入っていれば、CAV
PLL20がWobbleクロックにロック(LOC
K)している(周波数一致:CAVPLL LOCK)
と判断し、もしくは、その基準値以内に周波数差の相対
量が入っていなければ、CAVPLL20がWobbl
eクロックにロック(LOCK)していない(周波数不
一致:CAVPLL UNLOCK)と判断し、CAV
LOCK信号を出力する。つまり、周波数のずれが何%
以内からLOCKと見なすかという判断が可能であり、
周波数誤差許容範囲(ロック許容範囲)を、マイコンな
どを通して外部から自由に設定することができる。
【0065】これは、ヒステリシスロックステートマシ
ン回路206において、フィルタ選択信号を生成する上
で、重要な働きをなす。
【0066】次にヒステリシスロックステートマシン回
路206について説明する。ヒステリシスロックステー
トマシン回路206は、WobblePLL10のLC
OK判定信号と、プログラマブル周波数比較回路205
からのCAVPLL20のLOCK判定信号から得られ
る四値状態と、現在選択されているフィルタの接続状態
により、接続すべき最適なループフィルタを選択する選
択信号を生成する。
【0067】また、ヒステリシスロックステートマシン
回路206ではフィルタを重くする、軽くするの選択信
号の連続回数が検出されており、さらにこの連続回数
は、マイコンなどを通して、外部から自由に、かつ、切
替えるフィルタの重さ毎に、個別に設定できるようにな
っている。かかる構成のヒステリシスロックステートマ
シン回路206は、最適なフィルタ選択信号を生成する
ことができる。
【0068】図2は、二種類のフィルタを、現在選択さ
れている状態と、WobblePLLのロック状態と、
CAVPLLのロック状態により、どのようにループフ
ィルタを切替えているかの説明するための状態遷移図で
ある。図3は、本発明の一実施例におけるフィルタの切
替えフロチャートである。ヒステリシスロックステート
マシン回路206は、図2に示す状態遷移図に従い、状
態(ステート)を可変させるステートマシン(論理回
路)である。
【0069】現在軽いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がアンロック状態であり、
かつ、CAVPLL20もアンロック状態である場合に
は、初期状態等に見られる状態であるが、この時点で
は、WobblePLLに追従し、いち早くLOCKし
たい状態であるため、軽いフィルタを選択(軽いフィル
タのままの状態保持)するようにしている。なお、リセ
ットデフォルト状態は、追従性の向上と引き込み時間の
短縮から、この状態になるように、全体をセットしてい
る。
【0070】現在軽いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がアンロック状態であるに
もかかわらず、CAVPLL20がロック状態である場
合は、WobblePLL10がWobble信号に追
従途中であり、その変動するWobblePLL10に
いち早く追従したい状態であるから、軽いフィルタを選
択(軽いフィルタのままの状態保持)するようにしてい
る。
【0071】現在軽いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がロック状態であるにもか
かわらず、CAVPLL20がアンロック状態である場
合は、WobblePLL10にいち早く追従し、CA
VPLL20をロック状態にしたい場合であるから、軽
いフィルタを選択(軽いフィルタのままの状態保持)す
るようにしている。
【0072】現在軽いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がロック状態であり、か
つ、CAVPLL20もロック状態である場合には、ど
ちらも正確に追従している状態であり、安定状態にする
べき状態であるため、軽いフィルタから重いフィルタへ
切替える(状態変更)ようにしている。
【0073】要するに、安定した書き込みが可能になっ
た時に、重いLPFに切替え、ディスクへの書き込みを
開始するようしている。
【0074】実際には、マイコンより設定した重いLP
Fに切替えるための連続回数以上になった時、始めて重
いフィルタに切替えているので、誤った切替え判定を防
ぐことができる。
【0075】現在重いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がアンロック状態であり、
かつ、CAVPLL20もアンロック状態である場合に
は、Wobble信号が突然に乱れるなど、初期状態に
戻して、再度、位相同期ループをかけ直す必要があるた
め、重いフィルタから軽いフィルタへ切替える(状態変
更)ようにしている。要するに、CAVPLL20の同
期が外れたということは、安定した書き込みが保証でき
ないということであり、軽いLPFに接続するのは、W
obblePLLに対して、素早く追従を行い周波数を
一致させる必要があるためである。
【0076】現在重いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がアンロック状態であるに
もかかわらず、CAVPLL20がロック状態である場
合は、Wobble信号の一瞬の乱れなどによりWob
blePLLが一瞬だけ外れた場合も考えられるため
に、むやみにフィルタを切替えず重いフィルタを選択
(重いフィルタのままの状態保持)するようにしてい
る。
【0077】現在重いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がロック状態であるにも関
わらず、CAVPLL20がアンロック状態である場合
は、WobblePLL10は安定状態にあり、正しい
追従をしていると見なせるので、WobblePLL1
0にいち早く追従し、CAVPLL20をロック状態に
したい場合であるから軽いフィルタを選択(状態変更)
するようにしている。
【0078】要するに、これもCAVPLLが外れたと
いうことは安定した書き込みが保証できないということ
で、軽いLPFに接続するのは、WobblePLL1
0に対して素早く追従を行い周波数を一致させる必要が
あるためである。
【0079】現在重いフィルタが選択されている状態
で、WobblePLL10がロック状態でありかつ、
CAVPLL20もロック状態である場合は、どちらも
正確に追従している状態で、安定状態にするべき状態で
あるため、重いフィルタを選択(重いフィルタのままの
状態保持)するようにしている。
【0080】一度重いLPFが接続されたら、Wobb
lePLL10のロック/アンロック状態は、フィルタ
の切替えには一切影響を及ぼさない。また、この時、C
AVPLL20のアンロック連続回数が検出されてお
り、CAVPLL20のアンロック連続回数が、マイコ
ンより設定した、軽いLPFに切替えるための連続回数
以上になった時、始めて、選択信号を生成する構成とさ
れているため、アンロック・エラーを防ぐことができ
る。
【0081】図3を参照すると、ヒステリシスロックス
テートマシン回路206ではロック連続回数をリセット
し(ステップS1)、軽いLPF211を選択し(ステ
ップS1)、WobblePLL10のロック信号とC
AVPLL20のロック信号を判定し(ステップS
3)、二つともロックしている場合、ロック連続回数を
インクリメントとし(ステップS4、S5)、二つとも
ロックしていない場合、ステップS1へ戻る。
【0082】ロック連続回数と、マイコンよりレジスタ
30に設定されるロック連続回数と比較し、設定された
ロック連続回数以上の場合(ステップS6、S7)、重
いLPF210への接続に切替え(ステップS8)、設
定されたロック連続回数以下の場合、ステップS1に戻
る。
【0083】ヒステリシスロックステートマシン回路2
06ではアンロック連続回数をリセットし(ステップS
11)、重いLPF210を選択し(ステップS1
2)、CAVPLL20のロック信号を判定し(ステッ
プS13)、アンロックの場合、アンロック連続回数を
インクリメントとし(ステップS14)、ロックしてい
る場合、ステップS11へ戻る。
【0084】アンロック連続回数と、マイコンよりレジ
スタ30に設定されるアンロック連続回数と比較し、設
定されたアンロック連続回数以上の場合(ステップS1
6、S17)、軽いLPF211への接続に切替え(ス
テップS18)、設定されたロック連続回数以下の場
合、ステップS11に戻る。
【0085】例えば周波数比較回路205のリセット信
号のタイミングで、二つのクロックの周波数差が0.1
%以内と判断された場合、CAVPLLがWobble
PLL10の周波数に追従しているので、ロックしたも
のと判断し、ロック連続回数カウンタをインクリメント
して1とし、次の周波数比較の結果、二つのクロックの
周波数差が0.1%以内の場合、ロック連続回数カウン
タをさらにインクリメントして2とし、逆に、周波数差
が0.5%の場合、ロック連続回数カウンタをリセット
し、アンロック連続回数カウンタを1つインクリメンン
トする。
【0086】以上のように、周波数許容範囲、ロック/
アンロックの連続回数を、マイコンを通して、外部から
自在、かつ、個別に設定する構成としたことで、ロッ
ク、アンロック・エラーを低減することができ、システ
ムの処理性能を向上することができる。最適なフィルタ
選択信号の生成が可能である。
【0087】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図6は、本発明の第2の実施例の構成を示す図で
ある。図6を参照すると、本発明の第2の実施例は、C
AVPLL20に接続されているフィルタが二種類以上
の場合は、WobbleクロックとCAVクロックの周
波数差が、何%高い、もしくは低いという相対量を数段
階に分けて判断することで、複数のフィルタを切替え
る。
【0088】プログラマブル周波数比較回路205にお
いて、WobblePLL10の出力であるWobbl
eクロックとCAPLL20出力であるCAVクロック
の周波数比較を行う時に、周波数差相対量を、例えば1
%以内、2%以内、4%以内と段階的に検出し、1%以
内であれば、最も重いフィルタ、2%以内であれば次に
重いフィルタと切替える。この何%以内ならどのフィル
タに接続するかは、マイコンなどを通して自由に設定す
ることができる。
【0089】本発明の第2の実施例においては、特性の
異なるフィルタを三つ以上備えたことにより、前記第1
の実施例よりも、さらに最適なフィルタを適時選択でき
るようになる。
【0090】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図7は、本発明の第3の実施例の構成を示す図で
ある。図7を参照すると、本発明の第3の実施例におい
ては、WobllePLL10から出力されるWobb
leクロックとCAVPLL20によって生成されるC
AVクロックの周波数の差を比較するプログラマブル周
波数比較回路205Aに加えて、プログラマブル周波数
比較回路205Bを備え、プログラマブル周波数比較回
路205Bは、CAVPLL20によって生成されるC
AVクロック(分周器204の出力)の周波数と、例え
ば水晶振動子Xtalのように一定の周波数で発振する
一定発振信号の周波数とを比較し、その周波数差が、何
%高い、もしくは低いという相対量を、数段階に分けて
判断する。
【0091】プログラマブル周波数比較回路205Bで
CAVクロックと一定発振信号を段階的に検出した結果
と、プログラマブル周波数比較回路205Aで、Wob
bleクロックとCAVクロックの周波数比較結果を、
混合器(Mix)250にて、ミックスした結果を用い
て、複数のフィルタ241〜245を切替える。混合器
250は、プログラマブル周波数比較回路205A、2
05Bの比較結果に対して所定の重み付けを行い、フィ
ルタを選択する。
【0092】すなわちWobble信号の周波数変化に
伴いWobbleクロックの周波数が変化した場合であ
っても、混合器(Mix)250は、一定周波数とCA
Vクロックの周波数を比較するプログラマブル周波数比
較回路205Bの周波数比較結果によって、複数のフィ
ルタ241〜245を段階的に切替えるようにする。
【0093】二つのプログラマブル周波数比較回路20
5A、205Bの周波数誤差許容範囲はマイコン(不図
示)などを通して外部から別々にレジスタ30を介して
設定する。
【0094】WobbleクロックとCAVクロックの
相対的な周波数差だけでなく、CAVクロックと一定周
波数(絶対的な周波数)により、フィルタを選択する構
成としているため、CAV記録などの周波数が大きく変
動する場合においても、最適なフィルタを、適時、選択
できる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。
【0096】本発明の第1の効果は、第1のPLLのW
obbleクロックと第2のPLLのCAVクロックが
早いか遅いかのみでなく、何%周波数が高い、もしくは
低いというように相対量を定量的に判断し、周波数範囲
を参照してロック、アンロックを検出することで、ロッ
ク、アンロック・エラーを低減することができる、とい
うことである。
【0097】また本発明の第2の効果は、Wobble
クロックとCAVクロックにおける周波数比較のCAV
LOCK判定条件(何%以内か)をマイコンなどを通し
て外部から自由に設定する構成としたことにより、ロッ
ク、アンロック・エラーを低減することができるととも
に、システムのパフォーマンスを向上する、ということ
である。
【0098】本発明の第3の効果は、第2のPLLのロ
ック信号を用いて、第2のPLLのフィルタのカットオ
フ周波数を切替え、第2のPLL(CAVPLL)がロ
ック状態であると判断した場合は、カットオフ周波数の
低い(重い)フィルタを選択(接続)することで、Wo
bble信号のSync通過時の揺れを軽減するととも
に、ジッタを減少するように動作し、アンロック状態で
あると判断した場合は、カットオフ周波数の高い(軽
い)フィルタを選択(接続)することで、引き込み時間
の短縮と、追従性の向上を図ることができる、というこ
とである。
【0099】本発明の第4の効果は、第2のPLL(C
AVPLL)のロック信号と、第1のPLL(Wobb
lePLL)のロック信号と、現在どちらのフィルタが
接続されているかを示す選択信号の3信号の値を用いる
ことで最適なループフィルタを選択できる、ということ
である。
【0100】本発明の第5の効果は、第2のPLL(C
AVPLL)に接続されているフィルタが二種類以上の
場合には、WobbleクロックとCAVクロックの周
波数差が、何%高い、もしくは低いという相対量を数段
階に分けて判断することで、複数のフィルタを切替える
ことができる、ということである。
【0101】本発明の第6の効果は、二つ以上のフィル
タ切替え判断がなされた時の判断結果が、連続して同じ
であった場合にその連続数をカウントし、マイコンなど
を通して連続回数のしきい値が外部から自由に、かつ個
別に設定できるようすることで、確実なフィルタ選択信
号を生成することができる、ということである。
【0102】本発明の第7の効果は、回転むらに追従で
き、かつ、ジッタを低減できる光ディスク装置を実現す
る、ということである。
【0103】本発明の第8の効果は、第2のPLLの出
力(CAVクロック)と一定の周波数で発振する一定発
振信号の周波数差が、何%高い、もしくは低いという相
対量を数段階に分けて判断することで、Wobble信
号の周波数変化に伴い第1のPLLの出力であるWob
bleクロックの周波数が変化しても、複数のフィルタ
を段階的に切替えることができる、ということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例における状態遷移を説明する
ための図である。
【図3】本発明の一実施例におけるフィルタ切替えの処
理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例におけるフィルタ特性を説明
するための図である。
【図5】本発明の一実施例におけるヒステリシスステー
トマシンの構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図8】従来のPLLの構成を示す図である。
【図9】従来のPLLの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 Wobble PLL 20 CAV PLL 201 位相周波数比較回路 202 チャージポンプ 203 電圧制御発振器(電流制御発振器) 204 分周器 205、205A、205B プログラマブル周波数比
較回路 206 ヒステリシスロックステートマシン 206−1 フィルタ切替判定手段 206−2 サンプリング手段 206−3 連続回数カウント手段 206−4 連続回数設定手段 207 インバータ 208、209、221〜225 スイッチ 210 重いLPF 211 軽いLPF 231〜235、241〜245 LPF 250 混合器 30 レジスタ 41 FM検波PLL 42 138MHzVCOPLL 43 位相周波数比較回路 44 チャージポンプ 45 電圧制御発振器(電流制御発振器) 46 分周器 47、48 スイッチ 49 重いLPF 50 軽いLPF
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−313917(JP,A) 特開 平6−112817(JP,A) 特開 平6−338128(JP,A) 特開 平9−284269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03L 7/06 - 7/14

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を入力し該入力信号に追従した第
    1の信号を生成する第1のPLL回路と、 前記第1のPLL回路から出力される前記第1の信号に
    追従した第2の信号を生成する第2のPLL回路と、 前記第1のPLL回路によって生成される前記第1の信
    号の周波数と前記第2のPLL回路によって生成される
    前記第2の信号の周波数を比較する周波数比較回路と、
    を備え、 前記周波数比較回路は、前記第1の信号と前記第2の信
    号の周波数を比較するにあたり、前記第1の信号に較べ
    て前記第2の信号が早いか遅れているかだけでなく、前
    記第1の信号と前記第2の信号の周波数との差定量化
    する手段を備え、 前記周波数比較回路による前記周波数の差定量化した
    値に基づき、前記第2のPLL回路のループフィルタの
    フィルタ特性を可変させる手段を備え、前記第2のPLL回路が、前記ループフィルタとして、
    フィルタ特性の異なる複数のフィルタと、前記複数のフ
    ィルタを切替える切替手段とを備え、 前記切替手段が、前記第2のPLL回路がロックしてい
    るか否かを示すロック信号と、前記第1のPLL回路が
    前記第1のPLL回路に入力される前記入力信号にロッ
    クしているか否かを示すロック信号と、前記複数のフィ
    ルタのうち現在どのフィルタが接続されているかを示す
    情報に基づき、前記複数のフィルタを切替え、前記ルー
    プフィルタのフィルタ特性を可変させる、 ことを特徴と
    するPLL装置。
  2. 【請求項2】前記第1のPLL回路に入力される前記入
    力信号が、一定周期もしくはその遷移エッジのタイミン
    グが一定とならない場合を含む、ものである、ことを特
    徴とする請求項1記載のPLL装置。
  3. 【請求項3】前記周波数比較回路が、前記第1の信号の
    周波数と前記第2の信号の周波数との差に対して基準と
    なるの設定値(「基準値」という)を可変に設定する
    手段と、 前記第1の信号の周波数と前記第2の信号の周波数の差
    が、与えられた前記基準値内にある場合には、前記第2
    のPLL回路がロック状態であるものと判断し、一方、
    前記第1の信号の周波数と前記第2の信号の周波数の差
    が前記基準値を超えている場合には、アンロック状態で
    あるものと判断し、その判断結果を、前記第2のPLL
    回路のロック信号として出力する手段を備えている、こ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のPLL装置。
  4. 【請求項4】前記周波数比較回路において、前記第1の
    信号と前記第2の信号の周波数の差を定量化する手段
    は、前記第1の信号と前記第2の信号の周波数の差が、
    基準となる信号の周波数との比率で、どの程度大きい
    か、もしくは小さいかという相対量を求める、ことを特
    徴とする請求項1又は2記載のPLL装置。
  5. 【請求項5】前記第2のPLL回路は、ループフィルタ
    として、カットオフ周波数の異なる少なくとも二つのフ
    ィルタを備え、 前記切替手段が、前記第2のPLL回路の前記ロック信
    号に基づき、前記二つのフィルタの切替えを制御し、そ
    の際、前記第2のPLL回路の前記ロック信号がロック
    状態を示す場合には、前記二つのフィルタのうち、カッ
    トオフ周波数の低いフィルタ(「重いフィルタ」とい
    う)を選択し、前記第2のPLL回路の前記ロック信号
    が、アンロック状態を示す場合には、前記二つのフィル
    タのうち、カットオフ周波数の高いフィルタ(「軽いフ
    ィルタ」という)を選択する、ことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一に記載のPLL装置。
  6. 【請求項6】前記切替手段が、前記第1のPLL回路が
    ロックしているか否かを示す前記第1のPLL回路のロ
    ック信号と、前記第2のPLL回路のロック信号とに基
    づき、前記二つのフィルタの切替えを制御する構成とさ
    れ、 前記第1のPLL回路と前記第2のPLL回路がロック
    状態であると判断された場合は、前記二つのフィルタの
    うち、カットオフ周波数の低いフィルタ(「重いフィル
    タ」という)を選択し、前記第1のPLL回路と前記第
    2のPLL回路がアンロック状態であると判断された場
    合には、前記二つのフィルタのうち、カットオフ周波数
    の高いフィルタ(「軽いフィルタ」という)を選択する
    ように制御する、ことを特徴とする請求項記載のPL
    L装置。
  7. 【請求項7】前記第1のPLL回路のロック信号と、前
    記第2のPLL回路のロック信号のうちいずれか一つで
    もアンロック状態を示し、かつ、現在、軽いフィルタが
    接続されている場合には、前記切替手段において、前記
    軽いフィルタを選択したままの状態を保持するように
    し、 前記第1のPLL回路のロック信号と前記第2のPLL
    回路のロック信号の両方がロック状態を示し、かつ、現
    在、軽いフィルタが接続されている場合には、前記切替
    手段において、重いフィルタを選択するように切替え、 前記第1のPLL回路のロック状態にかかわらず、前記
    第2のPLL回路のロック信号がアンロック状態を示
    し、かつ、現在、重いフィルタが接続されている場合に
    は、前記切替手段において、軽いフィルタを選択するよ
    うに、切替え、 前記第1のPLL回路のロック状態にかかわらず、前記
    第2のPLL回路のロック信号がロック状態を示し、か
    つ、現在、重いフィルタが接続されている場合には、前
    記切替手段において、重いフィルタを選択したままの
    態を保持する、ことを特徴とする請求項記載のPLL
    装置。
  8. 【請求項8】前記第2のPLL回路の前記周波数比較回
    路は、前記第1の信号と前記第2の信号の周波数差が、
    比率で何%程度高い、もしくは何%低いという相対量
    を、複数の段階に分けて判断する手段を備え、 前記第2のPLL回路は、ループフィルタとして、複数
    のフィルタと、前記複数のフィルタを切替える手段と、 前記周波数比較回路の比較結果によって、前記複数のフ
    ィルタを段階的に切替える手段を備え、フィルタのカッ
    トオフ周波数(fc)を段階的に変更自在としてなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の
    PLL装置。
  9. 【請求項9】前記複数のフィルタを切替える判断間隔
    を、予め定められた所定周期で行うようにしたサンプリ
    ング手段と、 切替え判断がなされた時の判断結果が、連続して同じで
    あった場合に、その結果をカウントする連続数カウント
    手段と、 外部より連続数カウント回路の連続回数を設定する手段
    と、を備え、 連続回数が、予め定められた値に達した場合に、2つな
    いしは複数のフィルタを切替える、ことを特徴とする請
    求項1乃至のいずれか一に記載のPLL装置。
  10. 【請求項10】前記第2のPLL回路が、前記第2のP
    LL回路によって生成される第2の信号と、一定周波数
    で発振する発振回路からの一定発振信号の周波数差が、
    比率としてどの程度高い、もしくは低いという相対量
    を、数段階に分けて判断する第2の周波数比較回路を備
    えるとともに、複数のフィルタを有し、前記複数のフィ
    ルタを切替える手段を備え 前記第1のPLL回路に入力される信号の周波数変化に
    伴い前記第1のPLL回路によって生成される第1の信
    号の周波数が変化しても、前記第2の周波数比較回路の
    結果によって、前記複数のフィルタを段階的に切替える
    ことで、フィルタのカットオフ周波数を含むフィルタ特
    性を段階的に可変させ、常に、最適な追従性を保証可能
    とした、ことを特徴とする請求項記載のPLL装置。
  11. 【請求項11】入力信号を入力し該入力信号に追従した
    第1の信号を生成する第1のPLL回路と、前記第1の
    PLL回路から出力される前記第1の信号を入力とし該
    第1の信号に追従した第2の信号を生成する第2のPL
    L回路と、を備え、 前記第2のPLL回路は、与えられた制御信号に応じた
    周波数で発振する電圧制御発振器もしくは電流制御発振
    器よりなる信号発振器と、前記信号発振器の出力信号を
    分周する分周器と、前記第1のPLL回路の出力と前記
    分周器の出力との位相差及び周波数を比較する位相周波
    数比較回路と、前記位相周波数比較回路で検出された位
    相差に応じた信号を生成するチャージポンプと、前記チ
    ャージポンプの出力を平滑化するループフィルタと、を
    備え、前記ループフィルタの出力が前記制御信号として
    前記信号発振器に供給され、 前記第2のPLL回路は、さらに、 前記第1のPLL回路からの前記第1の信号と、前記分
    周器の出力信号とを入力し、前記第1のPLL回路から
    の前記第1の信号と前記分周器の出力信号の周波数の差
    定量化し、値が可変に設定されるロック許容設定範囲
    を参照して、前記第2のPLL回路がロック状態である
    か否かを判定する周波数比較回路と、 前記ループフィルタとしてフィルタ特性の異なる複数の
    フィルタと、 前記複数のフィルタのうちのいずれかを、前記ループフ
    ィルタとして、前記チャージポンプの出力端と前記信号
    発振器の入力端間に接続するスイッチと、 前記第1のPLL回路がロックしているか否かを示す第
    1のロック信号と、前記周波数比較回路から出力され
    る、前記第2のPLL回路がロックしているか否かを示
    す第2のロック信号とに基づき、前記スイッチを制御し
    て、前記複数のフィルタの中から、前記第2のPLL回
    路のループフィルタとなるフィルタを切替える切替制御
    手段と、 を備えたことを特徴とするPLL装置。
  12. 【請求項12】前記切替制御手段が、前記第1のPLL
    回路からロック信号と、前記第2のPLL回路のロック
    信号と、現在選択されているフィルタの情報に基づき、
    ループフィルタとして接続するフィルタを選択する手段
    と、 前記ループフィルタの切替えの判断を所定の周期で行う
    サンプリング手段と、 切替えの判断がなされた時の判断結果が連続して同じで
    あった場合に、その結果をカウントする連続数カウント
    手段と、 前記連続数カウント手段の連続回数を設定する手段と、 を備え、 ロック状態が連続して所定回数続いたか、もしくはアン
    ロック状態が連続して所定回数続いたかを管理し、ヒス
    テリシスを持たせて、前記スイッチに対する、前記ルー
    プフィルタの切替信号を生成する、ことを特徴とする請
    求項11記載のPLL装置。
  13. 【請求項13】前記複数のフィルタが、カットオフ周波
    数の相対的に高いフィルタ(「軽いフィルタ」という)
    と、カットオフ周波数の相対的に低いフィルタ(「重い
    フィルタ」という)とを備え、 前記切替制御手段は、前記第1のPLL回路のロック信
    号と、前記第2のPLL回路のロック信号のうちいずれ
    か一つでもアンロック状態を示し、かつ、現在、軽いフ
    ィルタが接続されている場合には、前記スイッチにおい
    て、前記軽いフィルタを選択したままの状態を保持する
    ようにし、 前記第1のPLL回路のロック信号と前記第2のPLL
    回路のロック信号の両方がロック状態を示し、かつ、現
    在、軽いフィルタが接続されている場合には、重いフィ
    ルタを選択するように、前記スイッチの接続を切替え、 前記第1のPLL回路のロック状態にかかわらず、前記
    第2のPLL回路のロック信号がアンロック状態を示
    し、かつ、現在、重いフィルタが接続されている場合に
    は、軽いフィルタを選択するように、前記スイッチの接
    続を切替え、 前記第1のPLL回路のロック状態にかかわらず、前記
    第2のPLL回路のロック信号がロック状態を示し、か
    つ、現在、重いフィルタが接続されている場合には、
    記スイッチにおいて、重いフィルタを選択したままの
    態を保持する、ことを特徴とする請求項11又は12
    載のPLL装置。
  14. 【請求項14】入力信号を入力し該入力信号に追従した
    第1の信号を生成する第1のPLL回路と、前記第1の
    PLL回路から出力される前記第1の信号を入力とし該
    第1の信号に追従した第2の信号を生成する第2のPL
    L回路と、を備え、 前記第2のPLL回路は、与えられた制御信号に応じた
    周波数で発振する電圧制御発振器もしくは電流制御発振
    器よりなる信号発振器と、前記信号発振器の出力信号を
    分周する分周器と、前記第1のPLL回路の出力と前記
    分周器の出力との位相差及び周波数を比較する位相周波
    数比較回路と、前記位相周波数比較回路で検出された位
    相差に応じた信号を生成するチャージポンプと、前記チ
    ャージポンプの出力を平滑化するループフィルタと、を
    備え、前記ループフィルタの出力が前記制御信号として
    前記信号発振器に供給され、 前記第2のPLL回路は、さらに、前記第1のPLL回
    路からの前記第1の信号と前記分周器の出力信号とを入
    力し、前記第1のPLL回路からの前記第1の信号と前
    記分周器の出力信号の周波数の差がどの程度のものであ
    るか、前記周波数の定量化し、値が可変に設定され
    るロック許容設定範囲を参照して、前記第2のPLL回
    路がロック状態であるか否かを判定する第1の周波数比
    較回路と、 一定周波数の信号と、前記分周器の出力とを入力しその
    周波数の差がどの程度のものであるか、値が可変に設定
    されるロック許容設定範囲を参照して、前記周波数の相
    対量を定量的に比較判定する第2の周波数比較回路と、 前記ループフィルタとしてフィルタ特性の異なる複数の
    フィルタと、 前記第1の周波数比較回路の比較結果と前記第2の周波
    数比較回路の比較結果とに基づき、前記複数のフィルタ
    のいずれかを選択して、前記ループフィルタとして前記
    チャージポンプと前記信号発振器の間に接続する手段
    と、 を備えたことを特徴とするPLL装置。
  15. 【請求項15】位相周波数比較回路、前記位相周波数
    比較回路で検出された位相差に対応した信号を生成する
    チャージポンプ、前記チャージポンプの出力を平滑化
    するループフィルタと、前記ループフィルタの出力を制
    御信号として入力し前記制御信号に応じた発振周波数の
    出力クロックを出力する電圧制御発振器又は電流制御発
    振器よりなる信号発振器と、前記信号発振器の出力クロ
    ックを分周する分周器と、を少なくとも備えたPLL回
    路を二つ備え(「第1、第2のPLL回路」という)、
    前記位相周波数比較回路は前記分周器の出力と、入力
    される基準信号との位相差を検出するものであり、 前記第1のPLL回路の出力クロックが、前記第2のP
    LL回路の基準信号として入力されるように接続され 、 前記第2のPLL回路のループフィルタを、前記第1の
    PLL回路のロック状態と、前記第2のPLL回路のロ
    ック状態によって切替え 前記第2のPLL回路のロック状態の判定基準と、アン
    ロック状態の判定基準とに、ヒステリシスを持たせる手
    段を備えた、ことを特徴とするPLL装置。
  16. 【請求項16】前記第1のPLL回路と前記第2のPL
    L回路の現在の状態がロック状態であるかアンロック状
    態であるかによって、前記第2のPLL回路のフィルタ
    特性を切替えることを特徴とする請求項15記載のPL
    L装置。
  17. 【請求項17】前記第2のPLL回路のロック状態の判
    定を、前記第1のPLL回路の出力クロックと、前記第
    2のPLL回路の出力クロックの周波数の差の測定を行
    う周波数比較回路で行い、 前記周波数比較回路は、前記周波数の差の大小を定量的
    に求め、誤差許容範囲に収まる場合には、前記第2のP
    LL回路がロック状態であると判定する、ことを特徴と
    する請求項15記載のPLL装置。
  18. 【請求項18】前記周波数比較回路の周波数測定結果の
    判定条件として、周波数の差が何%以内であればロック
    状態というように相対量が可変に指定される、ことを特
    徴とする請求項17記載のPLL装置。
  19. 【請求項19】前記周波数比較回路の周波数測定結果の
    判定条件として、何回連続条件を満たせばロック状態又
    はアンロック状態とするか、連続回数が可変に指定され
    る、ことを特徴とする請求項17記載のPLL装置。
  20. 【請求項20】前記連続回数の指定は、ロック及びアン
    ロックの判定条件で個別に設定されることを特徴とする
    請求項19記載のPLL装置。
  21. 【請求項21】前記ループフィルタとしてカットオフ周
    波数の異なるフィルタを複数備え、前記チャージポンプ
    と、前記電圧制御発振器又は前記電流制御発振器と、の
    間に挿入されるループフィルタを前記複数のフィルタの
    中から選択するスイッチを備えたことを特徴とする請求
    15記載のPLL装置。
  22. 【請求項22】請求項1乃至21のいずれか一のPLL
    装置を備え、 前記第1のPLL回路がWobble信号を入力し該W
    obble信号に追従し基準クロックを生成し、前記第
    2のPLL回路が前記基準クロックから内部クロックを
    生成するものである、ことを特徴とする光ディスク装
    置。
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