JP3428295B2 - 偏光板保護フィルム及び偏光板 - Google Patents

偏光板保護フィルム及び偏光板

Info

Publication number
JP3428295B2
JP3428295B2 JP16278796A JP16278796A JP3428295B2 JP 3428295 B2 JP3428295 B2 JP 3428295B2 JP 16278796 A JP16278796 A JP 16278796A JP 16278796 A JP16278796 A JP 16278796A JP 3428295 B2 JP3428295 B2 JP 3428295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
thin film
film layer
protective film
plate protective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16278796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1010317A (ja
Inventor
敏則 町田
昌希 柳沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP16278796A priority Critical patent/JP3428295B2/ja
Publication of JPH1010317A publication Critical patent/JPH1010317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3428295B2 publication Critical patent/JP3428295B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐傷性と反射防止
性を有する偏光板保護フィルム、及び該偏光板保護フィ
ルムをプラスチック製偏光子に積層してなり、液晶表示
機器分野,表示材料分野,光学製品分野,光学測定機器
分野,建築材料分野に使用される偏光板に関する。さら
に詳しくは、ノートブック型パーソナルコンピューター
や車載テレビジョンを代表とする、コンピューター,事
務機器,テレビジョン,時計,電卓等の液晶表示機器用
偏光板、サングラス,スポーツ用ゴーグル,ディスプレ
イ,自動車用ヘッドライト,窓ガラス等の防眩用偏光
板、写真用フィルター,光学用レンズ,光学測定機器等
の光学機器用偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の振動方向の光だけを透過し他の光
は吸収する機能を持つ偏光板は、近年の光工学技術の進
歩により広範囲の用途に応用される様になってきた。そ
の中でも、市場の成長率が非常に大きな値を示し、デジ
タル情報機器のパーソナル化とマルチメディア普及の鍵
となると期待されている液晶表示機器においても、偏光
板は非常に重要な構成部品の一つである。
【0003】偏光板には、広い波長域にわたり高い偏光
度を有することが求められている。偏光度を決定するプ
ラスチック製偏光子としては、大きな2色性を有する必
要があるため、無延伸のポリビニルアルコール(PV
A)系フィルムに沃素等を吸収させた後、一軸に延伸し
たものが用いられることが多い。この沃素等を吸収させ
た一軸延伸ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム
製の偏光子は、可視領域全域に渡りフラットな偏光特性
を持ち、偏光度も高く、大量生産が容易である長所を持
つが、一方で以下の短所を持っているため、偏光子単独
では偏光板として使用できなかった。
【0004】1.空気中の水蒸気により、ポリビニルア
ルコール(PVA)系フィルムが加水分解してしまい、
偏光度が低くなってしまう。 2.空気中の水蒸気により沃素等が水に溶解してしま
い、偏光度が低くなってしまう。 3.光を受けることにより沃素等が昇華し、偏光度が低
くなってしまう。 これらの短所を少しでも補うため、工業的に作られるフ
ィルムの中で比較的光線透過率の高い三酢酸セルロース
(TAC)フィルムを偏光子の両面に積層することによ
り、ポリビニルアルコール系フィルムに対する防湿、及
び沃素等の昇華の低減を図っている。
【0005】しかし、三酢酸セルロースフィルムは、非
常に表面が柔らかく、傷つきやすいため、前述のプラス
チック製偏光子を三酢酸セルロースフィルムと張り合わ
せる場合に、ガイドロール等との接触により、三酢酸セ
ルロースフィルムの表面が傷ついてしまうことがある。
この傷は、プラスチック製偏光子と三酢酸セルロースフ
ィルムを張り合わせて得られる偏光板の偏光特性に異常
をきたす。そこで、三酢酸セルロースフィルムの表面
に、ハードコート処理することが望まれるが、ハードコ
ート処理時にフィルムに熱がかかり、フィルム物性が変
化してしまうことと、三酢酸セルロースより屈折率の高
い物質を表面に積層すると、高い光線透過率を落として
しまうことが問題となる。
【0006】一方、耐湿性を改善することを目的とし
て、特開昭55−114563号公報には、三酢酸セル
ロースフィルムの表面に、アンカー層を介してSiO2
等の金属酸化物層を設ける発明が、特開昭60−159
705号公報には、酢酸セルロース系フィルムにマグネ
シウム酸化物層を形成する発明が、特開昭60−159
706号公報には、酢酸セルロース系フィルムに、Si
2 , B2 3 , BaOおよびAl2 3 からなるホウ
珪酸ガラスを形成する発明が開示されている。
【0007】これらの発明のように、珪素酸化物、マグ
ネシウム酸化物、ホウ珪酸ガラスなどの比較的堅く屈折
率の低い耐湿性層を三酢酸セルロースの表面に設ける
と、耐傷性が向上し、光線透過率も問題がない。しか
し、耐湿性層を設けた三酢酸セルロースフィルムを、耐
湿性層がプラスチック製偏光子と反対側(外側)になる
ように積層してなる偏光板は、耐湿性層の高度な水蒸気
バリヤー性能のため、高温高湿下で長時間(例えば、6
0℃,90%RHで1000時間)保存すると、褐色に
変色してしまう。
【0008】これは、高温高湿の環境では、酢酸セルロ
ース系フィルム中に含まれるトリフェニルフォスフェー
トやジエチルフタレート等の可塑剤がフィルムから抜け
出る傾向があるが、耐湿層が外側にあると、可塑剤がフ
ィルム外に抜け出ることを遮断してしまうため、その可
塑剤が、褐色に変色してしまったと推定される。つま
り、高温高湿下に曝されることによる添加剤の外部移行
を耐湿層がバリヤーしてしまう現象である。そこで、市
場では、高温高湿の条件下でも変色を起こさず、更に、
表面の耐傷性に富み、表面反射の少ない偏光板保護フィ
ルムと偏光板が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、沃素
を吸収させた一軸延伸ポリビニルアルコール(PVA)
系フィルムを代表とするプラスチック製偏光子に保護フ
ィルムを積層してなる偏光板の耐傷性を向上させ、高温
高湿下における変色を抑え、偏光板表面の表面反射を減
少させ、さらに温度,湿度,光などの環境に対する耐久
性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明者らは、プラスチックフィルムの片
面に、水蒸気を透過する光線透過性無機薄膜層を形成
し、且つその反対面にバリヤー性薄膜層を形成すること
により、高温高湿下で変色せず、耐傷性と表面の反射防
止性を有し、さらに耐湿性に優れる偏光板保護フィルム
が得られることを見出した。また、本発明者らは、プラ
スチック製偏光子の片面または両面に、接着剤層を介し
て、上記偏光板保護フィルムを光線透過性無機薄膜層が
外側になるように積層してなる偏光板は、耐傷性に優
れ、高温高湿下で変色せず、表面の反射防止性を有する
のに加えて、温度,湿度,光などの環境に対して耐性を
有し、且つ偏光特性が安定していることを見出した。
【0012】すなわち、本発明は、プラスチック製偏光
子の片面または両面に積層する偏光板保護フィルムであ
って、プラスチックフィルムのプラスチック製偏光子と
積層するときに外側になる面に、水蒸気透過率が300
〜1000g/m2・24hrs・40℃90%RHの光
線透過性無機薄膜層を形成し、且つその反対面に水蒸気
透過率が0〜10g/m2・24hrs・40℃90%R
Hのバリヤー性薄膜層を形成してなることを特徴とする
偏光板保護フィルムに関する。
【0013】また、本発明は、バリヤー性薄膜層が、珪
素酸化物および金属フッ化物からなる層であることを特
徴とする上記偏光板保護フィルムに関する。また、本発
明は、バリヤー性薄膜層の厚さが、300〜5000オ
ングストロームであることを特徴とする上記偏光板保護
フィルムに関する。また、本発明は、光線透過性無機薄
膜層が、金属酸化物および/または金属フッ化物からな
る層であることを特徴とする上記偏光板保護フィルムに
関する。また、本発明は、光線透過性無機薄膜層が、珪
素酸化物および金属フッ化物からなる層であることを特
徴とする上記偏光板保護フィルムに関する。
【0014】また、本発明は、光線透過性無機薄膜層の
厚さが、50〜500オングストロームであることを特
徴とする上記偏光板保護フィルムに関する。また、本発
明は、プラスチックフィルムが、酢酸セルロース系フィ
ルムであることを特徴とする上記偏光板保護フィルムに
関する。さらに、本発明は、プラスチック製偏光子の片
面または両面に、接着剤層を介して、上記偏光板保護フ
ィルムを光線透過性無機薄膜層が外側になるように積層
してなることを特徴とする偏光板に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】プラスチックフィルムとしては、
酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PE
T),ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PE
N),ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂(EVA),ポリプロピレン,ポリアクリロニトリ
ル,ポリメタクリル酸メチル,ポリ塩化ビニル,ナイロ
ン,ポリカーボネート,ポリスチレン,フッ素樹脂,ア
クリル樹脂,ポリウレタン,ポリブテン,ポリイミド,
ポリメチルペンテン,ポリフェニレンサルファイド,ポ
リエーテルイミド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリ
エーテルサルホン,ポリサルホン等のフィルムが使用で
きる。
【0016】なかでも、酢酸セルロースが、光線透過率
が高いため好ましい。酢酸セルロースとして具体的に
は、三酢酸セルロースや二酢酸セルロースが挙げられる
が、本発明では三酢酸セルロースが好適に用いられる。
プラスチックフィルムの厚みは特に限定されないが、5
0〜300μmの間が好ましい。
【0017】偏光板保護フィルムを構成する光線透過性
無機薄膜層は、水蒸気バリヤー性を発現せずに、耐傷性
と表面の反射防止性を発現するものである。光線透過性
無機薄膜層の水蒸気バリヤー性は、水蒸気透過率が30
0〜1000、好ましくは300〜500g/m2・24
hrs・40℃90%RHでなければならない。該薄膜
層としては、金属酸化物や金属フッ化物の単独化合物、
混合物、複合化合物からなる層が挙げられ、なかでも、
金属フッ化物単独からなる層、珪素酸化物と金属フッ化
物からなる層は、光線透過率が高いため好ましい。
【0018】金属酸化物としては、珪素酸化物,マグネ
シウム酸化物,珪素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸
化物,カルシウム酸化物,バリウム酸化物,硼素酸化
物,アルミニウム酸化物,インジウム酸化物,ゲルマニ
ウム酸化物,錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,ジ
ルコニア酸化物,セシウム酸化物が挙げられ、なかでも
珪素酸化物の一種である二酸化珪素は、屈折率が低いた
め好ましい。これらの金属酸化物は、単独または混合物
して用いられる。珪素酸化物は、SiOx (X=1.0
以上、2.0以下)で表される化合物であれば特に限定
されず、SiO,Si2 3 , Si3 4 , SiO2
が含まれる。珪素酸化物と他の金属酸化物を併用する場
合の組成比は、珪素酸化物/他の金属酸化物=99.5
〜80モル%/0.5〜20モル%程度であることが好
ましい。
【0019】金属フッ化物としては、フッ化マグネシウ
ム,フッ化カルシウム,フッ化ストロンチウム,フッ化
バリウム,フッ化リチウム,フッ化ナトリウム,フッ化
カリウム,フッ化セシウム,フッ化アルミニウムが挙げ
られ、なかでも特にフッ化マグネシウム,フッ化カルシ
ウムが好ましい。珪素酸化物と金属フッ化物の混合物や
複合化合物を用いる場合は、珪素酸化物/金属フッ化物
の組成比は、99.5〜50モル%/0.5〜50モル
%の範囲が好ましく、特に95〜70モル%/5〜30
モル%の範囲が好ましい。
【0020】光線透過性無機薄膜層を形成する方法とし
ては、真空薄膜形成技術を用いた方法が好ましく、具体
的には、真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリ
ング等の一般的にPVDと呼称される方法や、プラズマ
CVDやマイクロウエーブCVD等の一般的にCVDと
呼称される方法が適用できる。真空蒸着の加熱方法とし
ては、その蒸着中にスプラッシュと呼称される蒸着飛沫
が発生しない、または支障なく取り除ける程度に少なけ
れば特に制限はなく、高周波誘導加熱、抵抗加熱、電子
線加熱などの従来公知の加熱方法を用いることができ
る。また、基材の供給方式としては、連続巻き取り方
式,枚葉方式どちらでもよい。
【0021】なかでも、真空蒸着方法が好ましく、真空
蒸着の蒸発源としては、一般的なルツボ方式でもかまわ
ないが、特開平1−252768号公報に示される蒸発
原料を連続的に供給排出する方式が特に好ましい。特開
平1−252768号公報に示される蒸発原料を連続的
に供給排出する方式で真空蒸着を行うと、水蒸気バリヤ
ー性を発現しないで、耐傷性と表面の反射防止性を発現
させる光線透過性無機薄膜層を容易に形成することが可
能である。
【0022】珪素酸化物と金属フッ化物からなる光線透
過性無機薄膜層を形成する場合、蒸発原料は、珪素酸化
物,金属フッ化物,シリコン,有機珪素化合物等の無機
化合物や有機化合物の単独または混合物の何れでも構わ
ない。つまり、真空蒸着等の方法により、珪素酸化物と
金属フッ化物の混合物を原料とし直接薄膜層を形成させ
ても、また金属または有機金属化合物のような金属を含
む化合物を酸化またはフッ化させながら真空蒸着し薄膜
層としても、また金属フッ化物と珪素を蒸発原料として
真空蒸着し、後加工で蒸着層を酸化処理して薄膜層とし
ても構わない。酸化処理の方法としては、特に限定され
ず、蒸着中の酸素ガス導入法、放電処理法、酸素プラズ
マ法、後加工の熱酸化法、放電処理法、オゾン酸化法等
が挙げられる。
【0023】光線透過性無機薄膜層の厚さは、プラスチ
ックフィルムの種類、要求される耐久性能、および要求
される光学特性に合わせて選定されるが、50〜500
オングストロームが好ましく、50〜300オングスト
ロームが特に好ましい。50オングストロームより薄い
と、高い耐傷性や表面の反射防止性が得られ難く、また
500オングストロームより厚いと、水蒸気バリヤー性
が発現してしまう。また、光線透過性無機薄膜層は、最
終的に得られる層の必要機能が得られていれば、2重積
層や多重積層でもよく、異種類の化合物を積層しても構
わない。
【0024】偏光板保護フィルムを構成するバリヤー性
薄膜層は、水蒸気バリヤー性および表面の反射防止性を
発現するものである。バリヤー性薄膜層の水蒸気バリヤ
ー性は、水蒸気透過率が0〜10g/m2・24hrs・
40℃90%RHでなければならない。バリヤー性薄膜
層としては、有機または無機の薄膜層があるが、薄い厚
さで高度な水蒸気バリヤー性が得られるため、無機の薄
膜層が好ましく、水蒸気バリヤー性と光線透過率が高い
ため、特に珪素酸化物および金属フッ化物からなる無機
薄膜層が好ましい。
【0025】バリヤー性有機薄膜層としては、ポリ塩化
ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルな
どからなる薄膜層が挙げられる。バリヤー性無機薄膜層
は、光線透過性無機薄膜層と同様の化合物を用いて形成
することができる。バリヤー性薄膜層として珪素酸化物
と金属フッ化物の混合物や複合化合物を用いる場合は、
珪素酸化物/金属フッ化物をの組成比は、99.5〜8
0モル%/0.5〜20モル%の範囲が好ましく、特に
95〜90モル%/5〜10モル%の範囲が好ましい。
【0026】バリヤー性無機薄膜層は、光線透過性無機
薄膜層と同様の真空薄膜形成技術を用いた方法で形成す
ることが好ましい。特に、特開平1−252768号公
報に開示される蒸発原料を連続的に供給排出する方式
に、特開平7−331436号公報や特開平7−331
437号公報に開示される、原料を連続的に蒸発させる
蒸発部と被蒸発部であるフィルムの位置関係をコントロ
ールする方式を組み合わせることにより、高度な水蒸気
バリヤー性を有し、且つ表面の反射防止性に優れたバリ
ヤー性無機薄膜層を形成することができる。
【0027】珪素酸化物と金属フッ化物からなるバリヤ
ー性薄膜層を形成する場合、蒸発原料は、珪素酸化物,
金属フッ化物,シリコン,有機珪素化合物等の無機化合
物や有機化合物の単独または混合物の何れでも構わな
い。つまり、真空蒸着等の方法により、珪素酸化物と金
属フッ化物の混合物を原料とし直接バリヤー性薄膜層を
形成させても、また金属または有機金属化合物のような
金属を含む化合物を酸化またはフッ化させながら真空蒸
着しバリヤー性薄膜層としても、また金属フッ化物と珪
素を蒸発原料として真空蒸着し、後加工で蒸着層を酸化
処理してバリヤー性薄膜層としても構わない。酸化処理
の方法としては、特に限定されず、蒸着中の酸素ガス導
入法、放電処理法、酸素プラズマ法、後加工の熱酸化
法、放電処理法、オゾン酸化法等が挙げられる。
【0028】バリヤー性薄膜層の厚さは、プラスチック
フィルムの種類、要求される耐久性能、および要求され
る光学特性に合わせて選定されるが、300〜5000
オングストロームが好ましく、500〜2000オング
ストロームが特に好ましい。300オングストロームよ
り薄いと水蒸気バリヤー性が得られ難く、また5000
オングストロームより厚いと、曲げ応力により膜にクラ
ックが入り易くなったり、着色したりしてしまう。ま
た、バリヤー性薄膜層は、最終的に得られる層の必要機
能が得られていれば、2重積層や多重積層でもよく、異
種類の化合物を積層しても構わない。
【0029】本発明の偏光板保護フィルムを、プラスチ
ック製偏光子の片面または両面に、接着剤層を介して、
光線透過性無機薄膜層が外側になるように積層すること
により、偏光板が得られる。積層方法としては、従来公
知の方法が適用でき、接着剤としては、ウレタン系、ア
クリル系、及びエポキシ系の接着剤が挙げられる。ブロ
ッキングが問題とならない接着剤は、あらかじめ偏光板
保護フィルムに設けておくことができる。偏光板は、位
相差フィルム,反射板,ハードコートフィルム,半透明
フィルム,反射防止フィルム,防眩フィルム,紫外線遮
断フィルム,粘着フィルム等の他のフィルムと積層した
ものであってもかまわない。
【0030】プラスチック製偏光子は、沃素,沃素錯
体,2色性染料などを吸収させ、偏光特性を持たせた一
軸延伸のプラスチックフィルムまたはシートである。プ
ラスチックとしては、ポリビニルアルコール(PV
A),エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化樹脂,ポリ
エチレンテレフタレート(PET),ポリエチレン−
2,6−ナフタレート,ポリブチレンテレフタレート,
ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(E
VA),ポリプロピレン,ポリアクリロニトリル,ポリ
ビニレン,ポリ塩化ビニル,ナイロン,ポリカーボネー
ト,ポリスチレン,フッ素樹脂,アクリル樹脂,ポリウ
レタン,ポリブテン,ポリイミド,ポリメチルペンテ
ン,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルイミ
ド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルサルホ
ン,ポリサルホン,ポリアリレート等が挙げられる。
【0031】プラスチック製偏光子の代表例としては、
下記のものが挙げられる。 1.ポリビニルアルコール系樹脂やエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物等のビニルアルコール系樹脂の一軸
延伸フィルムまたはシートに、公知の方法により沃素を
染色させたもの。 2.ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル
樹脂,ナイロン-6、ナイロン-12 等のポリアミド樹脂,
ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂,ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂,ポリ塩化ビニル樹
脂,ポリスチレン樹脂に、2色性染料を公知の方法によ
り混合、成形してフィルムまたはシート状としたもの。
【0032】本発明のバリヤー性薄膜層を有する偏光板
保護フィルムをプラスチック製偏光子に積層してなる偏
光板は、バリヤー性薄膜層が水分子や酸素分子に対し非
常に高度なバリヤー性能を有し、なおかつ温度や湿度の
変化に対するバリヤー性能の変化が非常に少ないため、
高度な耐久性(温度,湿度等の環境に対する偏光特性の
安定性)を有する。具体的に理由を説明すると、先ず第
一に、バリヤー性薄膜層の水蒸気バリヤー性がプラスチ
ック製偏光子のプラスチックフィルムへの水分子の接触
を極端に少なくする。その結果、水蒸気に曝されること
による、プラスチックフィルムの膨潤,溶解,加水分
解,寸法の変化,延伸配向特性の劣化,曇化等の劣化が
防止される。また、この機能は、温度変化に対して非常
に安定している。
【0033】第二に、バリヤー性薄膜層の水蒸気バリヤ
ー性能がプラスチック製偏光子の沃素等の染料への水分
子の接触を極端に少なくし、水蒸気に曝されることによ
り、染料が水に溶解,加水分解して偏光特性を劣化させ
てしまうことを防止する。この機能は、温度変化に対し
て非常に安定している。なお、本発明の光透過性無機薄
膜層のみをプラスチックフィルムの片面または両面に形
成してなる(バリヤー性薄膜層を有さない)偏光板保護
フィルムを偏光子の片面または両面に積層してなる偏光
板は、バリヤー性薄膜層を有する偏光板保護フィルムを
積層してなる偏光板に比べ、温度、湿度などの環境に対
する高度な耐久性は有していない。
【0034】第三に、それでも僅かに溶解,加水分解し
てしまった沃素等の染料や、熱,光によって蒸発,昇華
しようとする沃素等の染料に対して、それらの分子の大
きさが水分子のそれより格段に大きく、バリヤー性薄膜
層が水分子に対するバリヤー性能に比べてより高度なバ
リヤー性能を示すため、染料の透過,蒸発,昇華を極端
に少なくし、さらなる染料の溶解,加水分解,蒸発,昇
華を抑止する。また、この機能は、温度変化に対して非
常に安定している。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で行
った試験の方法は以下のとおりである。 水蒸気透過率試験(無機薄膜層):ASTM E 96
(透湿カップ法)に準じて、40℃、90%RHの条件
で、カップの重量増加を測定し、水蒸気透過率を求め
た。 水蒸気透過率試験(バリヤー性薄膜層):ASTM F
−1249に準じて、水蒸気透過率測定器(モダンコン
トロールズ社製「PERMATRAN−W−TWI
N」)を用いて40℃、90%RHの条件にて測定し
た。
【0036】光線透過率試験:保護フィルムの表面反射
率評価の代用試験として、500nmでの光線透過率を
評価した。評価には、分光光度計(日本分光社製「U−
best30」)を用いた。つまり、プラスチックフィ
ルムの500nmにおける透過率に比べ、薄膜層を形成
したプラスチックフィルム(保護フィルム)の透過率が
向上していれば、この薄膜層により表面反射を低減して
いると考えた。 耐傷性試験:保護フィルムの無機薄膜層面をセーム皮で
10回擦った後、スクリーン上に100倍に拡大して映
写し、傷の具合いを調べた。評価は、擦り傷無し
(○)、擦り傷やや有り(△)、擦り傷有り(×)の3
段階で行った。このうち擦り傷あり(×)は実用上問題
になると推定されるレベルである。
【0037】偏光板外観試験:偏光板を60℃,90%
RHの環境に1000時間曝露後の偏光板の外観につい
て目視評価した。 偏光度測定試験:多光源分光測色計(スガ試験機株式会
社製「HGM−2K」)を用い、JIS−K7105に
準じて全光線透過率を測定した。2枚の試験片を重ねて
測定し、偏光軸を平行にした状態で測定した全光線透過
率をHp、偏光軸を直交させた状態で測定した全光線透
過率をHcとし、偏光度P(%)を次式により計算し
た。 P={(Hp−Hc)/(Hp+Hc)}1/2 ×100 (%)
【0038】〔参考例1〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、特
開平1−252768号公報に記載された蒸発原料を連
続的に供給排出する方式の抵抗加熱方式の真空蒸着装置
を用い、珪素,二酸化珪素,フッ化マグネシウムの混合
物(混合比40モル%:40モル%:20モル%)を蒸
発原料として、1350℃で真空蒸着(酸素導入なし)
して厚さ約150オングストロームの光透過性無機薄膜
層を形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空
度は3×10-4torrであった。得られた偏光板保護
フィルムの水蒸気透過率を測定したところ、350g/
m2・24hrs・40℃90%RHであった。
【0039】〔参考例2〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1で用いた真空蒸着装置を用い、フッ化カルシウム
を蒸発原料として、1300℃で真空蒸着(酸素導入な
し)して厚さ約300オングストロームの光透過性無機
薄膜層を形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の
真空度は5×10-4torrであった。得られた偏光板
保護フィルムの水蒸気透過率を測定したところ、360
g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。
【0040】〔参考例3〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1で用いた真空蒸着装置を用い、二酸化珪素を蒸発
原料として、1450℃で真空蒸着(酸素導入なし)し
て厚さ約50オングストロームの光透過性無機薄膜層を
形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空度は
5×10-4torrであった。得られた偏光板保護フィ
ルムの水蒸気透過率を測定したところ、水蒸気透過率
は、300g/m2・24hrs・40℃90%RHであ
った。
【0041】〔参考例4〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの両面に、参
考例1で用いた真空蒸着装置を用い、珪素,二酸化珪
素,フッ化アルミニウムの混合物(混合比45モル%:
45モル%:10モル%)を蒸発原料として、1330
℃で真空蒸着(酸素導入なし)して厚さ約100オング
ストロームの光透過性無機薄膜層を形成し、偏光板保護
フィルムを得た。その時の真空度は3×10-4torr
であった。得られた偏光板保護フィルムの水蒸気透過率
を測定したところ、320g/m2・24hrs・40℃
90%RHであった。
【0042】〔実施例1〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1と同様にして、光透過性無機薄膜層を形成した。
得られた積層体の水蒸気透過率を測定したところ、35
0g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。次
に、光透過性無機薄膜層を設けた面と反対の面に、参考
例1で用いた真空蒸着装置に特開平7−331436号
公報に記載された蒸発ヒーター構造を加えた装置を用
い、一酸化珪素を蒸発原料として、酸素ガスを導入しな
がら1400℃で真空蒸着して厚さ約1000オングス
トロームのバリヤー性薄膜層を形成し、偏光板保護フィ
ルムを得た。その時の真空度は5×10-4torrであ
った。得られた偏光板保護フィルムの水蒸気透過率を測
定したところ、20g/m2・24hrs・40℃90%
RHであった。
【0043】〔実施例2〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1と同様にして、光透過性無機薄膜層を形成した。
得られた積層体の水蒸気透過率を測定したところ、35
0g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。次
に、光透過性無機薄膜層を設けた面と反対の面に、電子
線加熱方式の真空蒸着装置を用い、フッ化マグネシウム
を蒸発原料として、1350℃で真空蒸着(酸素導入な
し)して厚さ約1000オングストロームのバリヤー性
薄膜層を形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の
真空度は5×10-4torrであった。得られた偏光板
保護フィルムの水蒸気透過率を測定したところ、100
g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。
【0044】〔実施例3〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1と同様にして、光透過性無機薄膜層を形成した。
得られた積層体の水蒸気透過率を測定したところ、35
0g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。次
に、光透過性無機薄膜層を設けた面と反対の面に、実施
例1のバリヤー性薄膜層の形成に用いた真空蒸着装置を
用い、珪素,二酸化珪素,フッ化マグネシウムの混合物
(混合比45モル%:45モル%:10モル%)を蒸発
原料として、1400℃で真空蒸着(酸素導入なし)し
て厚さ約1000オングストロームのバリヤー性薄膜層
を形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空度
は5×10-4torrであった。得られた偏光板保護フ
ィルムの水蒸気透過率を測定したところ、8g/m2・2
4hrs・40℃90%RHであった。
【0045】〔実施例4〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1で用いた真空蒸着装置を用い、フッ化マグネシウ
ムを蒸発原料として、1300℃で真空蒸着(酸素導入
なし)して厚さ約500オングストロームの光透過性無
機薄膜層を形成した。その時の真空度は5×10-4to
rrであった。得られた積層体の水蒸気透過率を測定し
たところ、360g/m2・24hrs・40℃90%R
Hであった。次に、実施例3と同様にして、バリヤー性
薄膜層を形成し、偏光板保護フィルムを得た。得られた
偏光板保護フィルムの水蒸気透過率を測定したところ、
8g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。
【0046】〔実施例5〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、ス
パッタリング装置を用い、二酸化珪素を蒸発原料として
スパッタリングを行い、厚さ約50オングストロームの
光透過性無機薄膜層を形成した。得られた積層体の水蒸
気透過率を測定したところ、300g/m2・24hrs
・40℃90%RHであった。次に、実施例3と同様に
して、バリヤー性薄膜層を形成し、偏光板保護フィルム
を得た。得られた偏光板保護フィルムの水蒸気透過率を
測定したところ、8g/m2・24hrs・40℃90%
RHであった。
【0047】〔実施例6〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1と同様にして、光透過性無機薄膜層を形成した。
得られた積層体の水蒸気透過率を測定したところ、35
0g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。次
に、光透過性無機薄膜層を設けた面と反対の面に、実施
例1のバリヤー性薄膜層の形成に用いた真空蒸着装置を
用い、珪素,二酸化珪素,フッ化カルシウムの混合物
(混合比48モル%:48モル%:4モル%)を蒸発原
料として、1400℃で真空蒸着(酸素導入なし)して
厚さ約1000オングストロームのバリヤー性薄膜層を
形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空度は
5×10-4torrであった。得られた偏光板保護フィ
ルムの水蒸気透過率を測定したところ、10g/m2・2
4hrs・40℃90%RHであった。
【0048】〔実施例7〕 厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムの片面に、参
考例1と同様にして、光透過性無機薄膜層を形成した。
得られた積層体の水蒸気透過率を測定したところ、35
0g/m2・24hrs・40℃90%RHであった。次
に、光透過性無機薄膜層を設けた面と反対の面に、実施
例1のバリヤー性薄膜層の形成に用いた真空蒸着装置を
用い、珪素,二酸化珪素,フッ化アルミニウムの混合物
(混合比40モル%:40モル%:20モル%)を蒸発
原料として、1400℃で真空蒸着(酸素導入なし)し
て厚さ約500オングストロームのバリヤー性薄膜層を
形成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空度は
5×10-4torrであった。得られた偏光板保護フィ
ルムの水蒸気透過率を測定したところ、5g/m2・24
hrs・40℃90%RHであった。
【0049】〔比較例1〕厚さ80μmの三酢酸セルロ
ースフィルムを偏光板保護フィルムとする。なお、厚さ
80μmの三酢酸セルロースフィルムの水蒸気透過率は
400g/m2・24hrs・40℃90%RHであっ
た。
【0050】〔比較例2〕厚さ80μmの三酢酸セルロ
ースフィルムの片面に、スパッタリング装置を用い、二
酸化珪素を蒸発原料としてスパッタリングを行い、厚さ
約1000オングストロームの光透過性無機薄膜層を形
成して偏光板保護フィルムを得た。得られた偏光板保護
フィルムの水蒸気透過率を測定したところ、25g/m2
・24hrs・40℃90%RHであった。
【0051】〔比較例3〕厚さ80μmの三酢酸セルロ
ースフィルムの片面に、実施例5のバリヤー性薄膜層の
形成に用いた真空蒸着装置を用い、珪素,二酸化珪素の
混合物(混合比50モル%:50モル%)を蒸発原料と
して、1350℃で真空蒸着(酸素導入なし)して厚さ
約1500オングストロームの光透過性無機薄膜層を形
成し、偏光板保護フィルムを得た。その時の真空度は3
×10-4torrであった。得られた偏光板保護フィル
ムの水蒸気透過率を測定したところ、10g/m2・24
hrs・40℃90%RHであった。
【0052】〔比較例4〕厚さ80μmの三酢酸セルロ
ースフィルムの片面に、珪素,二酸化珪素,フッ化マグ
ネシウムの混合物(混合比40モル%:40モル%:2
0モル%)を蒸発原料として、1400℃で真空蒸着
(酸素導入なし)して厚さ約1000オングストローム
の光透過性無機薄膜層を形成した。その時の真空度は3
×10-4torrであった。得られた積層体の水蒸気透
過率を測定したところ、9g/m2・24hrs・40℃
90%RHであった。次に、無機薄膜層を設けた面と反
対の面に、同様の真空蒸着装置を用い、珪素,二酸化珪
素,フッ化マグネシウムの混合物(混合比45モル%:
45モル%:10モル%)を蒸発原料として、1400
℃で真空蒸着(酸素導入なし)して厚さ約1000オン
グストロームのバリヤー性薄膜層を形成し、偏光板保護
フィルムを得た。その時の真空度は5×10-4torr
であった。得られた偏光板保護フィルムの水蒸気透過率
を測定したところ、6g/m2・24hrs・40℃90
%RHであった。
【0053】実施例および比較例で得られた偏光板保護
フィルムの無機薄膜層表面について、耐傷性試験を行っ
た。また、偏光板保護フィルムについて、光線透過率試
験を行った。結果を表1に示す。また、偏光子の両面
に、ウレタン系ラミネート接着剤(東洋モートン社製
「AD−585」)と硬化剤(東洋モートン社製「CA
T−10」)(重量混合比=100/8)を乾燥塗布量
3g/m2になるように塗布したのち、実施例および比較
例で得られた偏光板保護フィルムと無機薄膜層面が外側
になるように積層して偏光板を作成し、偏光板を60
℃,90%RHの環境に1000時間曝露前後での偏光
度の測定と暴露後の偏光板の外観評価を行った。結果を
表1に示す。なお、偏光子は、厚さ75μmの無延伸ポ
リビニルアルコールフィルム(クラレ社製「ビニロンV
F−9X75R」)を、沃素1重量%、ヨウ化カリウム
2重量%の水溶液に30℃で1分間浸漬後、ウエット状
態で3倍に1軸延伸し分子配向をさせて乾燥して作成し
た。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明により、高温高湿下でも変色をお
こすことなく、表面の耐傷性に富み、かつ表面反射の少
ない偏光板保護フィルムと偏光板が得られるようになっ
た。本発明のバリヤー性薄膜層を有する保護フィルムを
プラスチック製偏光子に積層してなる偏光板は、耐湿性
に優れるため、車載テレビ用液晶ディスプレイなどの温
度,湿度,光の環境が過酷な条件下での使用される用途
や、精密光学機器の様な長期間の使用安定性が要求され
る用途にも適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック製偏光子の片面または両面に
    積層する偏光板保護フィルムであって、プラスチックフ
    ィルムのプラスチック製偏光子と積層するときに外側に
    なる面に、水蒸気透過率が300〜1000g/m2・2
    4hrs・40℃90%RHの光線透過性無機薄膜層を
    形成し、且つその反対面に水蒸気透過率が0〜10g/
    m2・24hrs・40℃90%RHのバリヤー性薄膜層
    を形成してなることを特徴とする偏光板保護フィルム。
  2. 【請求項2】バリヤー性薄膜層が、珪素酸化物および金
    属フッ化物からなる層であることを特徴とする請求項1
    記載の偏光板保護フィルム。
  3. 【請求項3】バリヤー性薄膜層の厚さが、300〜50
    00オングストロームであることを特徴とする請求項1
    または2記載の偏光板保護フィルム。
  4. 【請求項4】光線透過性無機薄膜層が、金属酸化物およ
    び/または金属フッ化物からなる層であることを特徴と
    する請求項1ないし3いずれか1項に記載の偏光板保護
    フィルム。
  5. 【請求項5】光線透過性無機薄膜層が、珪素酸化物およ
    び金属フッ化物からなる層であることを特徴とする請求
    項1ないし4いずれか1項に記載の偏光板保護フィル
    ム。
  6. 【請求項6】光線透過性無機薄膜層の厚さが、50〜5
    00オングストロームであることを特徴とする請求項1
    ないし5いずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
  7. 【請求項7】プラスチックフィルムが、酢酸セルロース
    系フィルムであることを特徴とする請求項1ないし6い
    ずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
  8. 【請求項8】プラスチック製偏光子の片面または両面
    に、接着剤層を介して、請求項1ないし7いずれか1項
    に記載の偏光板保護フィルムを光線透過性無機薄膜層が
    外側になるように積層してなることを特徴とする偏光
    板。
JP16278796A 1996-06-24 1996-06-24 偏光板保護フィルム及び偏光板 Expired - Fee Related JP3428295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16278796A JP3428295B2 (ja) 1996-06-24 1996-06-24 偏光板保護フィルム及び偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16278796A JP3428295B2 (ja) 1996-06-24 1996-06-24 偏光板保護フィルム及び偏光板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1010317A JPH1010317A (ja) 1998-01-16
JP3428295B2 true JP3428295B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=15761208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16278796A Expired - Fee Related JP3428295B2 (ja) 1996-06-24 1996-06-24 偏光板保護フィルム及び偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3428295B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001143733A (ja) * 1999-11-16 2001-05-25 Daikin Ind Ltd 燃料電池システムの加湿装置
JP4779241B2 (ja) * 2001-06-18 2011-09-28 住友ベークライト株式会社 光学用フィルムシート及びこれを用いた表示装置
JP4222042B2 (ja) * 2003-01-30 2009-02-12 旭硝子株式会社 光ヘッド装置と光ヘッド装置に用いられる位相板の製造方法
TWI383003B (zh) * 2005-02-02 2013-01-21 Mitsubishi Gas Chemical Co 聚脂薄膜、及其製法、以及其用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1010317A (ja) 1998-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100582972B1 (ko) 광학 편광자 및 그의 제조 방법
US5783299A (en) Polarizer plate with anti-stain layer
KR101991202B1 (ko) 편광자 및 그 제조 방법
TWI359287B (ja)
US5759643A (en) Polarizing plate and method of production
CN104375230A (zh) 偏光膜、光学功能膜层叠体及制造方法、有机电致发光显示装置
JP3979688B2 (ja) 偏光フィルムの製造方法
CN111295605A (zh) 带防反射层的偏振片及其制造方法
JPH0564765B2 (ja)
JP3269002B2 (ja) 偏光フィルムの製造法
WO2019188779A1 (ja) 偏光子、偏光フィルム、積層偏光フィルム、画像表示パネル、および画像表示装置
JP3428295B2 (ja) 偏光板保護フィルム及び偏光板
JPH09243823A (ja) 偏光フィルムの製造方法
JP4280597B2 (ja) 位相差板の製造方法
JPH0531122B2 (ja)
TWI254137B (en) Optical anisotropic film
JPH03148603A (ja) 偏光板
JPH07119845B2 (ja) 光学部品
JP2003228047A (ja) 液晶表示装置および光学積層体
JPH08240709A (ja) 偏光フィルム
JP3440608B2 (ja) 耐久性位相差板
JP2001188103A (ja) 反射防止膜
JPH0756017A (ja) 偏光フィルム
JPH0862419A (ja) 偏光子用保護フィルムおよび偏光フィルム
JPH09184915A (ja) 偏光フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees