JP3425585B2 - 押釦スイッチ用カバー部材 - Google Patents

押釦スイッチ用カバー部材

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JP3425585B2
JP3425585B2 JP09122194A JP9122194A JP3425585B2 JP 3425585 B2 JP3425585 B2 JP 3425585B2 JP 09122194 A JP09122194 A JP 09122194A JP 9122194 A JP9122194 A JP 9122194A JP 3425585 B2 JP3425585 B2 JP 3425585B2
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和房 横山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は押釦スイッチ用カバー部
材、特には低抵抗値で耐久性をもつ接点部をもつ各種用
途に多用される押釦スイッチ用カバー部材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】リモコン、電卓、電話などの入力操作は
一般的に押釦スイッチ用カバー部材によって行なわれて
いる。この押釦スイッチ用カバー部材11は一般的には図
3に示したように、その天面に入力操作を表示する文字
13、記号、絵柄などの符号が形成されている、指で押圧
操作を行なうキートップ部12、押圧されたキートップ部
12を旧の状態に復帰するようなスプリングの役目をする
薄肉部14、複数のキートップ部12と薄肉部14を連接して
いるベース部15および基盤上の回路を直接またはクリッ
ク板を介して間接的に開閉せしめる接点部ないし、クリ
ック板押圧部としての突出部16からなるものとされてい
る。
【0003】そして、この押釦スイッチ用カバー部材は
通常ゴム状弾性体から製造されており、このゴム状弾性
体としては天然ゴム、ブチルゴム、EPDM、アクリル
ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが例示される
が、耐寒性、耐熱性、耐候性、精密成形性、電気絶縁性
が優れていることからこれには特にシリコーンゴムコン
パウンドに架橋剤、充填剤、顔料などの着色剤を配合し
たシリコーンゴムが汎用されており、これらのゴム状弾
性体からの押釦スイッチ用カバー部材の製造は一般に圧
縮成形、射出成形などの成形方法で行なわれている。
【0004】この押釦スイッチ用カバー部材について最
も機能的に優れているシリコーンゴム製のものは、その
突出部を直接に回路を開閉する場合には導電性の、クリ
ック板を介して間接に回路を開閉する場合には絶縁性
の、チップで別工程で準備し、これを押釦スイッチ用カ
バー部材成形時に一体成形して形成するか、予め押釦ス
イッチ用カバー部材を形成したのち、導電性インキによ
るスクリーン印刷かパッド印刷、もしくはポッティング
で突出部形成予定部位に導電性の接点部を形成するとい
う方法で得られている。なお、ここに使用される導電性
インキはシリコーンゴムに強固に接着する必要があるた
め、シリコーンの生ゴムをベースとし、これにシランカ
ップリング剤、硬化触媒、ニッケルや銀などの金属もし
くはカーボンなどのいずれかからなる導電性付与剤、ト
ルエンやケロシンなどの溶剤を適宜配合したシリコーン
系のインキのみが使用可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来公知
の押釦スイッチ用カバー部材で、この突出部を導電性の
接点チップで製作したものは突出部が厚く、したがって
耐摩耗性の優れたものであるが、しかし、これには接点
チップ製造工程が別途必要とされるし、接点チップを金
型の接点チップ用掘り込み部に充填後、未硬化のシリコ
ーンゴムを充填し、一体成形のために加圧するときに、
接点チップ用掘り込み部から流出することが起りやす
く、成形時の良品率が低下するという不利がある。
【0006】また、従来の押釦スイッチ用カバー部材で
突出部を印刷やポッティングで形成してなるタイプのも
のには、導電性の接点部を形成するインキがシリコーン
ゴム製のものであることから、素材自体が摩耗し易く、
劣化するほど加熱を施しても架橋密度を大きくできない
ので抵抗値を低くすることができないという不利があ
る。なお、この種の押釦スイッチ用カバー部材について
は指からの脂肪酸エステルがキートップ部の天面から浸
透してこれが突出部にまで到達すると、この突出部の抵
抗値が上昇するという不具合が発生するという問題点も
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点、問題点を解決した押釦スイッチ用カバー部材
に関するものであり、これは接点形成予定部位に 184.9
nmと 253.7nmの波長の紫外線を、積算光量 200〜35,000
mJ/cm2の範囲、放射照度が 200mW/cm2未満で照射して表
面改質をしたのち、この上に導電性付与剤と有機物から
なる導電性インキで接点部を設けてなることを特徴とす
るものである。
【0008】すなわち、本発明者らは上記したような不
利、問題点を解決した押釦スイッチ用カバーを開発すべ
く種々検討した結果、これについてはキートップ部、薄
肉部、ベース部および接点部形成予定部位からなる基材
(照射前の押釦スイッチ用カバー部材)を成形したの
ち、この接点部形成予定部位に波長が 184.9nmと 253.7
nmの紫外線を好ましくは同時に(同時でない場合には 1
84.9nmの照射を先にする必要がある)、一定範囲の積算
光量、一定の放射照度で照射すると、シリコーンゴムな
どのゴム状弾性体からなる基材について、表面洗浄効果
のみでなく、表面改質が行なわれて濡れ性が高まるた
め、ここに導電性の被覆層を強固に接着することができ
るということを見出し、この積算光量、放射照度、被膜
層の種類などについての研究を進めて本発明を完成させ
た。以下にこれをさらに詳述する。
【0009】
【作用】本発明は押釦スイッチ用カバー部材に関するも
のであり、これは接点部形成予定部位に、184.9nm と 2
58.7nmの波長の紫外線を好ましくは同時に、積算光量 2
00〜35,000mJ/cm2の範囲、放射照度 200mW/cm2未満で照
射して表面改質し、ついでこの上に導電性付与剤と反応
硬化性の有機物とからなる導電性インキで接点部を設け
てなるものであるが、この接点部形成予定部位はこの紫
外線照射により表面の異物が除去されるほかその表面が
物理的には表面粗さが増し、静摩擦係数も小さくなり、
化学的には炭素(C)を減少して酸素リッチとなり、濡
れ性の高い表面に改質されるので、この表面に導電性イ
ンキで印刷などを行なうと接点部がくっきりと形成さ
れ、これは極めて強固にこの部位に接着し、これは抵抗
値も低く、さらにはキートップ部の天面からの脂肪酸エ
ステルの浸透による抵抗値の上昇もないという有利性が
与えられる。
【0010】本発明の押釦スイッチ用カバー部材は、公
知の方法で成形された基材の接点部形成予定位置に特定
波長の紫外線を一定の積算光量、一定の放射照度で照度
して表面改質を行なうものである。この紫外線照射につ
いては、これを照射するとガラス板、金属、セラミック
ス板などに付着している油などの有機物が洗浄され、こ
の紫外線は一般的には波長が 100〜380nm 範囲のものを
意味しているが、本発明者らはこの紫外線として波長が
184.9nmと 253.7nmのものを、所定の積算光量、放射照
度で照射すると、ゴム状弾性体、特にシリコーンゴムか
らなる基材の表面改質が有効に行なわれることを見出し
た。
【0011】この場合、それぞれの波長の紫外線は単独
に照射してもよいが、作業環境からはこの二種類の波長
の紫外線を同時に照射することがよい。この 184.9nmの
紫外線はこれを照射するとこれが空気中の酸素(O2
と以下のように反応してオゾン(O3 )を発生する。 O2 →O+O O+O2 →O3
【0012】このオゾンは極めて強力な酸化力を有して
おり、これが基材などのゴム状弾性体の表面改質に作用
をもつものと推定される。しかし、このオゾンは人体に
大量に取り込まれると健康の害となるので、これはゴム
状弾性体の表面改質後はこれを取り除くことがよいが、
253.7nmの紫外線はこのオゾン(O3 )を分解する作用
をもっているので、この2種の紫外線は同時に照射する
ことがよい。なお、市販の低圧水銀灯は 253.7nmの紫外
線を90%、184.9nm の紫外線を数%放射することが解っ
ているので、本発明の実施にはこれを用いてもよい。
【0013】しかし、この波長の異なる紫外線の照射も
基材に対する積算光量が 200mJ/cm2未満ではこれに充分
な表面改質を与えないし、これが35,000mJ/cm2より多く
なると基材を劣化させ、色が変色したり、ゴム物性を低
下させるので、これは 200〜35,000mJ/cm2の範囲とする
ことが必要であるし、これはまたその放射照度が 200mW
/cm2未満でないと適正ではない。すなわち、短時間で表
面改質しようとして紫外線照射源と基材との距離を極め
て小さくすると照度が大きすぎて基材の劣化が生ずる。
放射照度の下限は実用上の処理時間を考慮すると10mW/c
m2以上とすることがよいが、これは必要な条件ではな
い。
【0014】なお、この紫外線照射は対象とする基材の
接点部形成予定部位に一様に行なうことが好ましいもの
とされるので、これはバッチ処理用の炉、またはコンベ
ア方式の炉で行えばよい。紫外線が常に基材の必要な部
分のうちの一部にのみ照射されると処理条件によって局
部のみに表面改質が行なわれるようになり、均一に処理
されず、局部劣化が生じる。これは均一処理のためにバ
ッチ処理用の炉のタイプのときも基材を所定速度で連続
的に移動する仕組みとすることがよい。なお、例えば後
工程で自動梱包を行なう場合やその他の二次加工などの
後工程が必要である場合には、連続的に処理できるコン
ベア方式の装置を選択することが好ましい。
【0015】このように紫外線の照射によって表面改質
の行なわれた基材にはついでこの接点部形成予定部位に
接点部が形成されるのであるが、これは導電性付与剤と
反応硬化性の有機物とからなる導電性インキをスクリー
ン印刷やパッド印刷などの印刷法かポッティング法で所
定の位置に付着させ、硬化させればよく、これによれば
ここに導電性の接点部が形成されるが、この接点部の厚
みは15〜 200μmとすれば充分である。
【0016】この導電性インキを構成する導電性付与剤
としては、導電性を有する金、銀、銅、ニッケルなどの
金属の粉末やカーボンブラックなどから任意に選択した
ものとすればよいが、このものの配合比率はインキ全重
量の10〜50%とすればよく、これはこれらにカップリン
グ剤と触媒などを入れたものとしてもよい。また、この
導電性インキを構成する反応硬化性の有機物としては、
耐摩耗性に優れていることから、ウレタン樹脂系、ポリ
エステル樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系のも
のとすることが好ましい。これはシリコーン樹脂系のも
のとしてもよいが、耐摩耗性に劣るため、変成されたも
の、例えばウレタン変成シリコーン樹脂系、ポリエステ
ル変成シリコーン樹脂系、エポキシ変成シリコーン樹脂
系のものとすることがよい。
【0017】しかし、これらの樹脂はジイソシアネート
またはポリイソシアネート、エポキシ、2官能酸無水
物、ホルムアルデヒド、キシレン、フェノール、メラミ
ン、クロロスルホン、ジメチロール尿素、ジビニルスル
ホンなどを主成分として含む樹脂のいずれを含有させて
もよく、これによればこの導電性インキが基材に強固に
接着するようになる。
【0018】なお、この基材は一般的に前記したゴム材
料で成形されるが、これをシリコーンゴムで製造すると
きには、これを一般式RaSiO(4-a)/2で示される、Rがメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニ
ル基、トリル基などのアリール基、またはこれら基の炭
素原子に結合している水素原子の一部または全部をハロ
ゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、ト
リフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択さ
れる、同一または異種の非置換または置換の1価炭化水
素基、aは1.90〜2.05のもので、好ましくは80モル%以
上がメチル基で、 0.1〜 0.5モル%がビニル基であり、
25℃における粘度が 100cS以上、好ましくは 1,000cS以
上であるオルガノポリシロキサンをベースとするものと
し、これに必要に応じてシリカ系を主体とする充填剤、
着色剤を加え、さらに有機過酸化物などの架橋剤を配合
したものを用いればよい。
【0019】なお、架橋剤としてはベンゾイルパーオキ
サイド、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ブチルパ
ーオキシ−2−オクチルヘキサネート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、ブチル
パーオキシラウレート、シクロヘキサンパーオキサイ
ド、ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パー
オキシアリルカーボネートなどが例示される。このシリ
コーンゴム材料はアルケニル基などの脂肪族不飽和基を
含有するオルガノポリシロキサンと、分子中にけい素原
子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンおよび塩化白金酸または
白金系錯体、または塩化白金酸とアルコール、アルデヒ
ド、オレフィン、ビニルシロキサンとの錯塩とからなる
白金系触媒とからなる付加反応型のものとしてもよい。
【0020】本発明の押釦スイッチ用カバー部材は図1
に示したものとされる。図1は本発明の押釦スイッチ用
カバー部材1の縦断面図を示したものであるが、このも
のはキートップ部2、文字3などの符号、薄肉部4、ベ
ース部5、接点部6からなるものであるが、このものは
図2に示した予め形成されたキートップ部2、文字3な
どの符号、薄肉部4、ベース部5、接点部形成予定部位
7よりなる基材の接点部形成予定部位7に波長が 184.9
nmと 253.7nmの紫外線を好ましくは同時に、積算光量 2
00〜35,000mJ/cm2、放射照度 200mW/cm2未満で照射して
この表面を改質したのち、ここに導電性付与剤と反応硬
化性の有機物とからなる導電性インキで接点部6を形成
することによって作ることができる。
【0021】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中における接着強度、耐摩耗性は以下の方法による結
果を示したものである。 (接着強度)被覆層と基材の境界部にカッターナイフで
1mmの深さの切れ目を入れ、爪でその切れ目をきっかけ
に両者を分離させたときの結果をつぎの記号で示した。 〇…母材破壊、△…強い力を要する界面剥離、×…未接
着 (耐摩耗性)これは打鍵試験の結果で評価することと
し、打鍵回数が 800万回であっても接触抵抗値が初期の
20%以内であれば可(〇で表示)とした。
【0022】実施例1、比較例1 シリコーンゴムコンパウンド・KE−9510U[信越化学
工業(株)製商品名]100重量部と架橋剤・C−8[信
越化学工業(株)製商品名]2重量部および各種顔料数
重量部からなるシリコーンゴム組成物を圧縮加熱成形し
て接点部形成予定部位をもつ基材を成形した。ついでこ
の基材の接点部形成予定部位が紫外線ランプに対向する
ようにし、紫外線ランプ・UV−ドライ−プロセッサー
のインライン処理装置・VCM−3164−B[(株)オー
ク製作所製商品名]を用いて 184.9nmと 253.7nmの波長
の紫外線を表1に示した条件で照射したのち、この接点
部形成予定部位にウレタン変性アクリル樹脂系の導電イ
ンキ・シントロンD−4256[神東塗料(株)製商品名]
をスクリーン印刷し、硬化させて、 100μmの厚みの導
電性の接点部を形成させた。
【0023】つぎに、このようにして得た押釦スイッチ
用カバー部材について打鍵試験を行ない、接点部の接点
強度、耐摩耗性をしらべたところ、つぎの表1に示した
とおりの結果が得られたが、積算光量 200〜35,000mJ/c
m2の範囲であり、放射照度が200mW/cm2未満であれば、
この押釦スイッチ用カバー部材は接点強度と耐摩耗性が
優れたもので、劣化することもないことが確認された。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2、比較例2 シリコーンゴムコンパウンド・KE−9610U[信越化学
工業(株)製商品名]100重量部と架橋剤・C−8(前
出)2重量部および各種顔料数重量部よりなるシリコー
ンゴム組成物を圧縮加熱成形して接点部形成予定部位を
もつ基材を成形した。ついで、これをUV−ドライ−プ
ロセッサーのバッチ処理装置・VCM−3073−B
[(株)オーク製作所製商品名]中に接点部形成予定部
位が紫外線ランプに対向するように投入し、これに 18
4.9nmと 253.7nmの波長の紫外線を、放射照度200mW/cm2
未満で積算光量が 500〜35,000mJ/cm2の範囲で照射した
のち、この接点部形成予定位置にウレタン変性アクリル
樹脂系の導電性インキ・シントロンE−3073[神東塗料
(株)製商品名]をパッド印刷し、硬化させて、 100μ
mの導電性の接点部を形成させた。
【0026】つぎに、このようにして得た押釦スイッチ
用カバー部材について打鍵試験を行ない、その接着強度
をしらべたところ、表2に示したとおりの結果が得られ
た。しかし、比較のためにこの表面改質をプラズマ照射
により行なったもの、コロナ放電で行なったもの、また
表面改質を行なわなかったものについて上記の同様のパ
ッド印刷を行ない、この改質直後、8時間後の被覆層と
基材との接着強度をしらべたところ、表2に示したとお
りの結果が得られ、本発明の実施例2のものは比較例2
のものにくらべて接着強度が強く、被覆層の表面剥離も
なく、これは表面改質後時間経過してもすぐれた接着強
度をもつことが確認された。
【0027】また、これらの押釦スイッチ用カバー部材
については、積算光量が 4,800mJ/cm2で紫外線照射した
ときの表面粗さと静摩擦係数をしらべると共に、その化
学的変化をESCA分析で調査したところ、表3に示し
たとおりの結果が得られ、このものは表面粗さが60%程
度上昇し、静摩擦係数は15%程度減少しており、ESC
A分析では炭素原子が減少し、酸素原子が増加してお
り、これらが被覆層の接着性を強固にしていることが確
認された。
【0028】
【表2】
【表3】
【0029】実施例3 シリコーンゴムコンパウンド・SH851U[東レ・ダ
ウコーニング(株)製商品名] 100重量部と架橋剤・C
−8(前出)2重量部とを配合したシリコーンゴム組成
物から射出成形法で接点部形成予定部位をもつ基材を成
形した。ついで、この接点部形成予定部位を紫外線ラン
プに対向させるように、UV−ドライ−プロセッサーの
バッチ処理装置・VUM−3333−A[(株)オーク製作
所製商品名]内に載置し、これに放射照度40mW/cm2、積
算光量 5,000mJ/cm2の範囲で 184.9nmを先に、ついで 2
53.7nmの波長の紫外線を照射したのち、この接点部形成
予定部位にポリエステル系導電インキ・ドータイトFC
−404CA[フジクラ化成(株)製商品名]をポッテ
ィング法でインキ部を作り、 120℃、5分間加熱の硬化
条件で硬化させて厚さ 150μmの接点部を形成させたと
ころ、このものは接着強度が優れており、耐摩耗性の評
価も〇であった。
【0030】実施例4、比較例3 シリコーンゴムコンパウンド・KE−9601U(前出) 1
00重量部と架橋剤・C−8(前出)2重量部および各種
顔料数重量部とからなるシリコーンゴム組成物を圧縮加
熱成形して接点部形成予定部位をもつ基材を成形した。
ついで、これらを複数個用意し、この接点部形成予定部
位が紫外線ランプと対向するようにし、UV−ドライ−
プロセッサーのVCM−3164−B(前出)から184.9nm
と 253.7nmの波長の紫外線を、放射照度50mW/cm2、積算
光量20,000mJ/cm2で照射して表面改質をした。
【0031】つぎに、この接点部形成予定位置にスクリ
ーン印刷法で、表4に示したベース材料に表4に示した
添加材料3重量と導電性付与剤(固成分のうちの30%)
を添加した導電性インキを用いて導電性の接点部を形成
させ、これについてそのものの接触抵抗値、接着強度、
耐摩耗性、エステル浸透性をしらべたところ、表4に示
したとおりの結果が得られた。なお、この接触抵抗値は
シリコーン樹脂系のインキで導電性付与剤と同一とした
ときに何倍となったかで評価したもの、エステル浸透性
は牛脂をキートップ天面に0.2g塗布し、80℃、70%RH
の設定で恒温恒湿器に24時間放置したときの抵抗値上昇
の有無で評価した。
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明は押釦スイッチ用カバー部材に関
するものであり、これは前記したように接点部形成予定
部位に 184.9nmと 253.7nmの波長の紫外線を、積算光量
500〜35,000mJ/cm2の範囲、放射照度 200mW/cm2未満で
照射して表面改質し、ついでこの上に導電性付与剤と反
応硬化性の有機物とからなる接点部を設けてなることを
特徴とするものであるが、このものはその接点部形成予
定部位が紫外線照射で表面改質されているので、接点部
がここに強固に接着し、これは耐摩耗性も優れたものと
なり、これはまたキートップの天面から浸透してくる油
脂分によって抵抗値上昇もなくなるという有利性が与え
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押釦スイッチ用カバー部材の一例の縦
断面図を示したものである。
【図2】本発明の押釦スイッチ用カバー部材を製造する
ための接点形成予定部位を設けた基材の縦断面図を示し
たものである。
【図3】従来公知の押釦スイッチ用カバー部材の縦断面
図を示したものである。
【符号の説明】
1,11…押釦スイッチ用カバー部材 2,12…キートップ部 3,13…文字 4,14…ドーム部 5,15…ベース部 6,16…接点部 7…接点部形成予定部位
フロントページの続き (72)発明者 中藤 登 長野県松本市大字寿小赤字塚畑758番地 しなのポリマー株式会社 第一技術部 内 (56)参考文献 特開 平6−5150(JP,A) 特開 平2−82415(JP,A) 特開 平6−187871(JP,A) 特開 平7−282687(JP,A) 特開 平7−288054(JP,A) 特開 昭61−233025(JP,A) 特開 平5−125203(JP,A) 特開 平5−67410(JP,A) 特開 平6−192439(JP,A) 特開 平11−144549(JP,A) 特開 平7−238177(JP,A) 特開 昭56−38719(JP,A) 特開 平6−271707(JP,A) 実開 平4−124730(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 11/00 H01H 13/14 B29D 31/00 C08J 7/00 304

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接点部形成予定部位に 184.9nmと 253.7
    nmの波長の紫外線を、積算光量 200〜35,000mJ/cm2の範
    囲、放射照度 200mW/cm2未満で照射して表面改質し、つ
    いでこの上に導電性付与剤と反応硬化性の有機物とを含
    む導電性インキで接点部を設けてなることを特徴とする
    押釦スイッチ用カバー部材。
  2. 【請求項2】 有機物がジイソシアネートまたはポリイ
    ソシアネート、エポキシ、2官能酸無機物、ホルムアル
    デヒド、キシレン、フェノール、メラミン、クロロスル
    ホン、ジメチロール尿素、ジビニルスルホンなどを主成
    分として含む樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有し
    てなるものである請求項1に記載した押釦スイッチ用カ
    バー部材。
JP09122194A 1994-04-28 1994-04-28 押釦スイッチ用カバー部材 Expired - Fee Related JP3425585B2 (ja)

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