JP3419192B2 - 紙幣収納庫 - Google Patents

紙幣収納庫

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JP3419192B2
JP3419192B2 JP04620996A JP4620996A JP3419192B2 JP 3419192 B2 JP3419192 B2 JP 3419192B2 JP 04620996 A JP04620996 A JP 04620996A JP 4620996 A JP4620996 A JP 4620996A JP 3419192 B2 JP3419192 B2 JP 3419192B2
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敏紀 邊見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、循環式紙幣処理機
(紙幣入出金機)等に用いられる紙幣収納庫に関し、特
に、出金処理のために入金処理で既に収納した紙幣を再
利用する循環式紙幣収納庫(紙幣リサイクル収納庫)に
好適な紙幣収納庫に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、循環式紙幣処理機に用いられる循
環式紙幣収納庫としては、図14〜図18に示すよう
に、箱型の収納庫筐体(収納ケース)14内でコイルス
プルング13等を以てその底面から反対方向に飛び出し
整列集積紙幣1の片面側を付勢する紙幣弾力圧迫板12
と、紙幣集積室12a内に積み重ねられた整列集積紙幣
1のうち最上位紙幣1cの対向辺縁(長辺縁)を当て受
ける往復直線運動可能のスキー板状の一対の可動辺縁受
け板(プッシャー板)102,102と、可動辺縁受け
板102,102間の中抜き開口部102c(図17参
照)に出没可能で紙幣1cの面中央領域を当て受ける中
央受け部11aを具えたベース11と、集積紙幣1の最
上位の紙幣1cに摩擦接触してその長手沿面方向へその
紙幣1cを蹴り出す主キックローラ7a及び補助キック
ローラ7bと、紙幣出入口2の近傍で長手沿面方向へ排
出される紙幣1cの先縁を圧接巻き込み域C(図19参
照)に受けて2重送りを防止しつつ1枚ずつ紙幣を送り
出すフィードローラ4及び阻止ローラ6と、これらロー
ラ4,6よりも紙幣出入口2寄りで庫外から搬送されて
来る紙幣を入出通路10へ引き込む引き込みローラ3
a,3bとを有している。
【0003】この引き込みローラ3a,3bの軸15
a,15bは外部からタイミングベルト等で回転駆動さ
れる。また、フィードローラ4の軸16も外部からタイ
ミングベルト等で回転駆動される。軸22aに固着した
2つの主キックローラ7aはフィードローラ4とタイミ
ングベルト18を介して同期回転されると共に、軸22
bに固着した補助キックローラ7bもタイミングベルト
17を介して主キックローラ7aと同期回転する。フィ
ードローラ4,主キックローラ7a,補助キックローラ
7bは円周方向の一部にそれぞれゴム等の高摩擦係数部
材5,8a,8bを具えている。
【0004】紙幣集積室12aの紙幣長手方向の両側で
可動辺縁受け板102,102を中央受け部11aの面
レベルを境に出没させて往復直線運動させる駆動機構
は、図16に示すように、両可動辺縁受け板102,1
02を片持ち支持で相互連結する連結板103と、この
連結板103の両端を貫通して収納庫筐体14に固定さ
れたガイド軸104,104と、ベース11に固定され
たDCモータ25と、そのモータ軸に固着した偏心ピン
付き回転板105とを有し、回転板105の偏心ピン1
06がカムフォロアの連結板103の長孔103aに嵌
入しており、回転板105と連結板103とは回転・往
復直線運動変換用の確動カムを構成している。
【0005】紙幣入金処理においては、入庫予定の紙幣
が引き込みローラ3a,3bにより紙幣出入口2から入
出通路10に引き込まれると共に、更にフィードローラ
4が図14で反時計方向に回転しているため、図17
(a),図18(a)に示す如く、入庫予定の紙幣1a
が両可動辺縁受け板102,102と中央受け部11a
とで挟まれた紙幣繰入待機室Gの空隙へ長手方向送りで
滑り込む。なお、フィードローラ4に圧接する阻止ロー
ラ6はワンウェイ・クラッチにより図18(a)で示す
如く時計方向のみ回転可能となっている。そして、この
紙幣1aの待機室Gへの挿入をセンサが検知すると、D
Cモータ25が起動して偏心ピン付き回転板105が回
転するので、カムフォロアの連結板103がガイド軸1
04に沿って摺動するため、可動辺縁受け板102,1
02が上昇し、図17(b),図18(b)に示す如
く、繰入予定の紙幣1aを持ち上げてこれを中央受け部
11aに当て付けるが、可動辺縁受け板102,102
が中央受け部11aの面レベルよりも上方に往動するの
で、紙幣1aの対向辺縁(長辺)Sが上方へ湾曲した
後、図17(c),図18(c)に示す如く、紙幣1a
のスプリングバックにより辺縁Sが可動辺縁受け板10
2,102の下面側に撥ね移り、紙幣1aは集積紙幣1
の上に繰り入れられて最上位の紙幣1cとなる。この
後、図17(d),図18(d)に示す如く、可動辺縁
受け板102,102が下降して復動すると、紙幣1c
の辺縁を押さえ付けながらコイルスプリング13の付勢
力に抗して紙幣集積室12a内の整列集積紙幣1を沈み
込ませて再び紙幣繰入待機室Gの受入空隙を確保する。
【0006】一方、紙幣出金処理においては、図17
(d),図18(d)に示す待機状態から可動辺縁受け
板102,102が上昇して図17(c),図18
(c)迄の状態になると、図14に示すように、主キッ
クローラ7a,補助キックローラ7bの時計方向(図示
矢印方向)の回転によりその高摩擦係数部材8a,8b
が最上位の紙幣1cに摩擦接触し、その紙幣1cは紙幣
長手沿面方向に蹴り出されると共に、図19に示す如
く、その紙幣1cの先縁が時計方向(図示矢印方向)に
回転しているフィードローラ4と阻止ローラ6の圧接巻
き込み域Cに当て付けられて紙幣間摩擦による共連れ紙
幣1bの2重送りが防止されつつ最上位の紙幣1cのみ
が繰り出され、一対の引き込みローラ3a,3bに挟み
込まれて紙幣出入口2を介して庫外の紙幣入出庫経路へ
放出される。
【0007】紙幣の続けざまの出庫処理の期間中はキッ
クローラ7a,8a及びフィードローラ4が回転し続け
ているが、所定枚数の出庫処理が終了すると、後処理動
作として、キックローラ7a,8a及びフィードローラ
4の回転が停止し、可動辺縁受け板102,102が図
17(c),図18(c)の離間状態から下降して図1
7(d),図18(d)に示す待機状態に戻る。ところ
が、可動辺縁受け板102,102をいきなり図17
(d),図18(d)の待機状態に戻してしまうと、次
のような不都合が生じる。
【0008】即ち、キックローラ7a,8aの摩擦接触
により上位紙幣1cの排出過程では、紙幣間摩擦により
図20(a)に示す如くの隣接の共連れ紙幣1bもフィ
ードローラ4と阻止ローラ6の圧接巻き込み域Cに当て
付けられた状態にあるため、キックローラ7a,8a及
びフィードローラ4の回転が停止すると、圧迫板12と
中央受け部11aとに挟まれた紙幣集積室12a内の整
列集積紙幣1の上位側数枚の先縁側が圧接巻き込み域C
に引きずり出されたままはみ出し域として残り、かかる
状態で可動辺縁受け板102,102を復帰させると、
図20(b)に示す如く、紙幣1c,1bの先縁側はみ
出し域が阻止ローラ6や紙幣収納筐体14の縁に引っ掛
かり、先端がめくれ上がって、紙幣繰入待機室Gの入口
を塞ぐおそれがある。従って、その直後に入庫紙幣が入
出通路10へ送り込まれて来ると、ジャミングが発生し
てしまう。
【0009】ここに、紙幣出庫後、共連れ紙幣1bのは
み出し域を紙幣集積室12a側に引き戻して整列集積の
揃え修正を行う処理が必要である。その方策として、紙
幣出庫後にキックローラ7a,7bを一時的に所定量だ
け逆回転(図19の矢印方向とは逆方向に回転)させて
最上位の紙幣1cを摩擦接触により擦り戻すと共に、こ
れに隣接紙幣を共連れさせて整列集積の修正を行う方法
が考えられるものの、圧迫状態の最上位の紙幣1cを強
引に高摩擦係数部材8a,8bで僅かの所定距離だけ変
移させることは非常に困難である上、隣接紙幣は共連れ
で引き戻り難いことが判った。
【0010】そこで、図14に示すように、専用の紙幣
はみ出し域の引き戻し機構として、ベース11に固定し
た電磁ソレノイド101と紙幣収納筐体14側の引き戻
し用ゴムローラ107とを通路10を挟む形で配置し、
紙幣の出庫終了後に電磁ソレノイド101を励磁してそ
のプランジャ101aをゴムローラ107の方へ押し付
けた後、このゴムローラ107を時計方向に回転させる
ようにしている。共連れ紙幣1bのはみ出した先縁側は
ゴムローラ10とプランジャ101aに挟まれて摩擦接
触により紙幣集積室12a側に押し込まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
直線往復式の可動辺縁受け板102,102を備えた循
環式紙幣収納庫においては、次のような問題点があっ
た。
【0012】即ち、ゴムローラ10と電磁ソレノイド1
01とから成る専用の紙幣はみ出し域の引き戻し機構を
用いても、複数枚の共連れ紙幣1b群のはみ出し部分の
縁ずれ傾斜面に筐体14側のゴムローラ10が圧接する
に過ぎないため、最上位の紙幣側ほど引き戻り難く、積
み重ねはみ出し部分は全体として整然と引き戻ることは
ない。また、集積紙幣1自体は弾力付勢圧迫板14で押
し付けられているため、はみ出し部分を沿面方向へ押し
込むことだけでは共連れ紙幣1aを全体的に沿面方向へ
変移させることは困難であり、ゴムローラ107とキッ
クローラ7aとの間で紙幣端が折り畳まれるだけであっ
た。その紙幣引き戻しの際に、弾力付勢圧迫板14の押
し付け力を緩和する方策も考えられが、集積紙幣1の集
積枚数により緩和加減が異なるため、その機構の実現が
難しく、また装置構成が複雑化してしまう。
【0013】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の第1
課題は、紙幣の出庫動作で紙幣分離手段の圧接巻き込み
域にはみ出した共連れ紙幣を紙幣集積室へ確実に引き戻
して積み揃すことができる紙幣収納庫を提供することに
ある。
【0014】また本発明の第2の課題は、装置構成の簡
素化及び低コスト化を可能とする紙幣収納庫を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の講じた手段は、紙幣収納庫において中央受
け部材の面レベルを境に同期的に出没して往復動をする
一対の可動辺縁受け部材の運動形態を変更した点にあ
る。即ち、本発明は、収納庫筐体内面から飛び出し紙幣
集積室の集積紙幣の片面側を弾力付勢する圧迫部材と、
上記圧迫部材に対峙して上記集積紙幣の他面側の面中央
領域を当て受ける中央受け部材と、上記集積紙幣の最上
位の紙幣の他面側対向辺縁を当て受けつつ、上記中央受
け部材の受け面レベルを境に同期的に出没して往復動可
能の一対の可動辺縁受け部材と、上記最上位の紙幣の他
面側に摩擦接触してその沿面方向へその紙幣を蹴り出す
紙幣排出手段と、紙幣口近傍で前記沿面方向へ排出され
る紙幣の先縁を圧接巻き込み域に受けて1枚ずつ紙幣を
送り出す紙幣分離手段とを有する紙幣収納庫において、
上記各可動辺縁受け部材は上記集積紙幣の上記辺縁方向
と法線方向とが成す2次元平面の上を循環運行する2次
元循環軌跡運動体であり、その循環運動方向は上記圧接
巻き込み域側の端部自身が上記圧接巻き込み域側から離
反して上記紙幣集積室寄りへ辿る部分軌跡を含む方向で
あることを特徴とする。
【0016】2次元循環軌跡運動体として、梃クランク
機構等を用いると、法線方向の引き下げ動作,辺縁方向
の戻り動作,法線方向の押し出し動作,辺縁方向の送り
動作から成る略矩形軌跡運動体とすることができるが、
簡易構成の点では、2次元循環軌跡運動体としては円形
軌跡運動体とし、平行クランク機構の連接リンクとする
ことが望ましい。かかる場合、平行クランク機構の一対
のクランクは偏心円盤とし、上記圧接巻き込み域側の偏
心円盤の外周面と可動辺縁受け部材の端部の外周面とが
略一致していることが好ましい。更に、上記圧接巻き込
み域側の上記偏心円盤は、上記部分軌跡を辿る過程で近
接配置のアイドルローラに接触して上記紙幣の圧接巻き
込み部分を挟み込んで上記紙幣集積室側へ引き戻す圧接
用突起を有して成ることが好ましい。
【0017】上記各平行クランク機構の一対のクランク
を同期回転させる機構としてはベルト伝動機構を採用す
ることが好ましい。かかる場合、一対のベルト伝動機構
の両原動車を同期回転させる駆動軸を設けることが好ま
しい。
【0018】また、上記部分軌跡過程の終了後の待機位
置で上記クランクの惰性回転を強制的に停止させるロッ
ク機構を設けることが好ましい。
【0019】上記紙幣排出手段は、上記圧迫部材の上記
圧接巻き込み域側に配された主キックローラを有してお
り、上記圧迫部材は、上記主キックローラに臨む部分に
圧接用凸部を有している。また、上記紙幣排出手段は、
上記圧迫部材の略中央に配され、上記主キックローラと
同期回転する補助キックローラを有しており、上記圧迫
部材は、上記補助キックローラに臨む部分に圧接用凸部
を有している。更に、上記中央受け部材は、上記圧接巻
き込み域とは反対側に密着防止用突起を有している。
【0020】〔作用〕本発明においては、一対の可動辺
縁受け部材が集積紙幣の辺縁方向と法線方向とが成す2
次元平面の上を循環運行する2次元循環軌跡運動体であ
り、その循環運動方向は圧接巻き込み域側の端部自身が
圧接巻き込み域側から離反して紙幣集積室寄りへ辿る部
分軌跡を含む方向であるため、可動辺縁受け部材が中央
受け部材の面レベルを境に出没して往復動作するだけで
なく、集積紙幣の沿面方向に変移する動作を伴ってお
り、可動辺縁受け部材の上記端部が圧接巻き込み域側か
ら離反して紙幣集積室寄りへ辿る部分軌跡を描く過程で
は、可動辺縁受け部材の受け面が紙幣の辺縁を撫で付け
るようにして全体的に引き戻すと共に、その端部が共連
れ紙幣のはみ出し部分に摩擦接触してこれを紙幣集積室
へ引き戻すように作用する。可動辺縁受け部材の端部形
状や長さを最適化することではみ出し部分の引き戻し作
用を充分達成できるため、装置構成の簡素化及び低コス
ト化を同時に達成できる。
【0021】特に、可動辺縁受け部材を平行クランク機
構の連接リンクとした場合、可動辺縁受け部材を円軌跡
運動させれば良いため、運動形態変換機構を必要とせ
ず、モータの回転駆動力をクランクに伝達するだけで済
み、装置構成の大幅な簡素化が実現する。平行クランク
機構は可動辺縁受け部材を両端で支持した堅牢な構造で
あるため、集積紙幣の収納枚数の増大を図ることができ
る。
【0022】平行クランク機構の一対のクランクを偏心
円盤とし、偏心円盤の外周面と可動辺縁受け部材の端部
の外周面とを略一致させた構成の場合、偏心円盤の外周
面も共連れ紙幣のはみ出し部分に摩擦接触してこれを紙
幣集積室へ引き戻すように作用する。部品点数を増大さ
せずに、引き戻し作用の増強に寄与する。
【0023】更に、圧接巻き込み域側の偏心円盤が、ア
イドルローラに接触してはみ出し紙幣の圧接巻き込み部
分を挟み込んで紙幣集積室側へ引き戻す圧接用突起を有
して成る構成においては、はみ出し紙幣の最上位の紙幣
に圧接用突起が摩擦接触しながら、集積紙幣を圧迫板に
抗して紙幣集積室へ押し出すように作用するので、紙幣
の引き戻しを確実に行うことができる。
【0024】各平行クランク機構の回転駆動力伝動系と
してベルト伝動機構を採用した場合、各平行クランク機
構については複数のベルトプーリに唯一のベルトを巻き
掛けてベルト伝動機構を構成でき、伝動機構系の構成を
簡素化できる。また、一対のベルト伝動機構の両原動車
を同期回転させる駆動軸を設けた構成では、唯一のモー
タでこの駆動軸を回転駆動することができ、駆動・伝動
系が全体として簡素化する。
【0025】上記部分軌跡過程の終了後の待機位置で上
記クランクの惰性回転を強制的に停止させるロック機構
を設けた構成においては、駆動源に位置サーボ精度が劣
るDCモータの使用が可能であり、モータ及び電気制御
系の低コスト化を図ることができる。
【0026】圧迫部材が主キックローラに臨む部分や補
助キックローラに臨む部分に圧接用凸部を有して成る場
合、圧迫板の付勢力が分散せずにキックローラに対し集
中的に加わるため、蹴り出し力が強くなり、また紙幣と
中央受け部材の受け面との圧接部分が少なくなり、紙幣
の蹴り出し負荷を低減できる。更に、中央受け部材が上
記圧接巻き込み域とは反対側に密着防止用突起を有して
成る場合、張りや剛さのないクシャクシャな紙幣でも、
突起の高さだけ中央受け部材の受け面から離間させるこ
とができ、その面との圧接による摩擦抵抗を抑制でき、
紙幣の蹴り出し負荷を低減できる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
循環式紙幣収納庫を示す縦断正面図、図2はその右側面
図、図3はその正面図、図4(a)〜(d)は同循環式
紙幣収納庫の動作状態を示す横断面図、図5(a)〜
(d)は同循環式紙幣収納庫の動作状態を示す縦断面
図、図6は同循環式紙幣収納庫において可動辺縁辺縁受
け板を連接リンクとして持つ平行クランク機構を示す斜
視図、図7(a)〜(d)は同可動辺縁辺縁受け板によ
るはみ出し紙幣の引き戻し過程を示す概略図、図8(a
−1)〜(f−1)は同可動辺縁辺縁受け板の運動に伴
い偏心円盤と圧接用勾玉形突起との関係を示す正面図、
図8(a−2)〜(f−2)はその関係を示す側面図、
図9は同循環式紙幣収納庫の平面図、図10は同循環式
紙幣収納庫の底面図である。
【0028】本例の循環式紙幣収納庫の筐体構造は、板
金製の細長箱状の収納庫筐体(収納ケース)14と、そ
の底面に臨んだ凸状の中央受け部11a及びその両側の
側溝11b,11bを持つベース11をから成り、ベー
ス11が収納庫筐体14の開口を蓋体として被さってい
る。収納庫筐体14とベース11との合わせ隙間を利用
して先端に紙幣出入口2を持つ入出通路10はくちばし
状に形成され、紙幣の入出をガイドするようになってい
る。収納庫筐体14内には枢軸に捩じりバネを巻装した
パンタグラフ機構(図示せず),円錐バネ(図示せず)
又はコイルスプリング13等を以て箱底面から反対方向
に飛び出し付勢された紙幣弾力圧迫板12が設けられて
いる。
【0029】また、紙幣繰入・繰出機構として、紙幣弾
力圧迫板12により押圧された紙幣集積室12a内の集
積紙幣1の最上位紙幣1cの対向辺縁(長辺縁)を当て
受け、相同期して真円軌跡の循環軌跡運動を行う一対平
行のスキー板状の可動辺縁受け板(プッシャー板)2
1,21を連接棒として持つ平行クランク機構が設けら
れている。各平行クランク機構(平行運動機構)は、ベ
ース11の側板11cに設けられたボールベアリングB
1,2 に対し回動自在の回転軸S1 , 2 を中心に持つ
偏心円盤D1 , 2 と、偏心円盤D1 , 2 の偏心軸P
1 , 2 に回り対偶で側面が挿し込まれた可動辺縁受け
板21,21とから成る。各可動辺縁受け板21は集積
紙幣1の辺縁(長辺)方向と紙幣面の法線方向とが成す
2次元平面の上を円軌跡運動を行なう。その円運動方向
は圧接巻き込み域C側の端部自身がその圧接巻き込み域
C側から離反して紙幣集積室12a寄りへ辿る部分軌跡
を含む方向である。
【0030】一対の可動辺縁受け板21はウォーキング
ビームであり、真直状梁は勿論のこと、図3に示すよう
に、端部が反って外側面が弓形状の曲がり梁でも構わな
い。
【0031】ここに、入出通路10側の偏心円盤D
2 は、その偏心軸P2 を中心に持つ2重の圧接用勾玉形
突起20a,20bを一体的に有している。圧接用勾玉
形突起20a,20bの外周面Oは、繰入待機時の直前
過程で後述する引き戻しゴムローラ(アイドルローラ)
28に接触する引き戻し接触面で、偏心円盤D2 の外周
面に一致した円弧面として形成されており、圧接用勾玉
形突起20a,20bの内側面Iは繰入待機状態で入出
通路10と可動辺縁受け板21との隙間を一時的に掩蔽
して紙幣の繰入待機室Gへの導入を案内する案内面とし
て形成されている。偏心円盤D2 側の内側の勾玉形突起
20aとこれに臨む外側の勾玉形突起20bとの間には
可動辺縁受け板の端部通過用の空き間20cが設けられ
ている。他方、可動辺縁受け板21の偏心円盤D2 側の
端部は偏心軸P2 に回動自在に嵌まる円弧状外周の軸受
部21abからなり、偏心円盤D2 と内側の張出受け部
21aaとの間に内側の勾玉形突起20aの通過用の空
き間21acが形成されていると共に、内側の張出受け
部21aaと外側の軸受部21abとの間に外側の勾玉
形突起20bの通過用の空き間21adが形成されてい
る。また、この偏心円盤D2 側の空き間21acと同様
に、偏心円盤D1 側にも空き間21aeが形成されてい
る。図2に示すように、ベース11の側板11cと可動
辺縁受け板21との間には収納庫筐体14の側板14a
が挟まれている。
【0032】上記一対の平行クランク機構の駆動機構
は、ベース11の略中央部に搭載されたDCモータ25
と、そのモータ軸に固定された原動節傘歯車26aと、
モータ軸に対し直交する駆動軸23に固定され、原動節
傘歯車26aに噛み合う従動節傘歯車26bと、ベース
11の側板11cにボールベアリングB3 を介して回転
自在に支持された駆動軸23の軸端に固定されたベルト
プーリ9aと、偏心円盤D1 の回転軸S1 に固定された
ベルトプーリ9bと、偏心円盤D2 の回転軸S2に固定
されたベルトプーリ9cと、これらのベルトプーリ9
a,9b,9cに巻き掛けられたタイミングベルト24
と、ベルトプーリ9cのベルト弛み側に近接配置された
テンションローラ27aと、ベルトプーリ9bのベルト
張り側に近接配置されたテンションローラ27bとを有
している。
【0033】ベース板11の一方の側板11cには強制
回転停止機構(ロック機構)が設けられている。この強
制回転停止機構は、図11に示す如く、ベルトプーリ9
aの隣接で駆動軸23の軸端に固定され、陥没部29a
を周面の一部に持つロックローラ29と、側板11cに
植設した支軸32の周りに回動可能の揺動アーム30
と、支軸32に巻装され、一端がアーム30の穴30a
に引っ掛けられると共に他端が側板11cに植設したス
トッパーピン34に掛かり止めされたトーションスプリ
ング33と、その揺動アーム30の先端部に回動可能に
設けられてロックローラ29の周面に圧接するローラ3
1とを有している。
【0034】中央受け部11aを具えたベース11は各
種ローラを搭載している。紙幣1の最上位の紙幣1cの
入出通路10側の縁近辺に摩擦接触してその長手沿面方
向へ紙幣1cを蹴り出す主キックローラ7aと、紙幣1
cの中央部に摩擦接触してその長手沿面方向へ紙幣1c
を蹴り出す補助キックローラ7bとは同期して回転す
る。紙幣出入口2の近傍で長手沿面方向へ排出される紙
幣1cの先縁を圧接巻き込み域C(図13参照)に受け
て2重送りを防止しつつ1枚ずつ紙幣を送り出すフィー
ドローラ4と阻止ローラ6とは紙幣分離装置を構成して
いる。また、これらローラ4,6よりも紙幣出入口2寄
りで庫外から搬送されて来る紙幣を入出通路10へ引き
込む引き込みローラ3a,3bが設けられている。
【0035】この引き込みローラ3a,3bの軸15
a,15bは外部からタイミングベルト等で回転駆動さ
れる。また、フィードローラ4の軸16も外部からタイ
ミングベルト等で回転駆動される。軸22aに固着した
2つの主キックローラ7aはフィードローラ4とタイミ
ングベルト18を介して同期回転されると共に、軸22
bに固着した補助キックローラ7bもタイミングベルト
17を介して主キックローラ7aと同期回転する。フィ
ードローラ4,主キックローラ7a,補助キックローラ
7bは円周方向の一部にそれぞれゴム等の高摩擦係数部
材(ゴム)5,8a,8bを具えている。
【0036】また本例における圧迫板12は、図1に示
す如く、主キックローラ7aに臨む部分に高さ5mm程度
の圧接用凸部12bと、補助キックローラ7bに臨む部
分に高さ4mm程度の圧接用凸部12cを有している。収
納庫筐体14内の中央受け部11aは、図12に示す如
く、紙幣出入口2とは反対側(下端部)に1.5mm 程度の
密着防止用突起35を有している。
【0037】(入庫処理)先ず、図4(a),図5
(b)に示す如く、可動辺縁受け板21の繰入待機状態
(可動辺縁受け板21,21と中央受け部11aとの間
の紙幣繰入待機室Gの空隙最大確保状態)では、紙幣出
入口2から入出通路10を介して入庫予定の紙幣1aが
紙幣繰入待機室Gに投入される。この待機状態において
は、入出通路10側の偏心円盤D2 の勾玉形突起20a
(20b)の向きは可動辺縁受け板21の配置方向(垂
直方向)と略同じで、可動紙幣辺縁受け板21の端部と
ゴムローラ28との隙間を塞いでおり、勾玉形突起20
a(20b)の内側面Iは入出通路10から紙幣繰入待
機室Gに投入される紙幣4aの紙幣辺縁のガイドとなっ
ている。
【0038】次に、偏心円盤D1,2 が図5の矢印方向
に回転すると、可動辺縁受け板21の外面(紙幣繰入待
機室Gの面)は下降しながら(図5の右方向に移動しな
がら)中央受け部11aに接近するので、入庫予定の紙
幣1aの片面全域に除々に接触しつつこれを下方(図5
の右方向)に撫で付ける。このため、入庫予定の紙幣1
aの先端側が紙幣繰入待機室Gの下面にまで達していな
い中途半端な待機状態にある場合でも、その状態の紙幣
1aに対しソフトタッチで擦り下げ力が付与されるの
で、繰入動作直前で待機室G内の紙幣の位置決めが達成
される。このような紙幣1aに対する擦り下げ力の付与
は図5(b)に示す平行クランク機構の下死点状態まで
行われるが、下死点に到る前に、可動辺縁受け板21の
外面が紙幣1aを押し込みつつ中央受け部11aに当て
付けながら変移する。この変移過程において可動辺縁受
け板21の外面が中央受け部11aの面レベルを過ぎる
と、図4(b)に示す如く、紙幣1aの対向辺縁Sを湾
曲させる。
【0039】次に、図4(b),図5(b)に示す下死
点状態と図4(c),図5(c)に示す待機位置より偏
心円盤D1,2 が180°回転した状態との中間過程に
おいては、紙幣1aの湾曲した辺縁Sがそのスプリング
バックにより可動辺縁受け21,21の内面側に撥ね移
るので、紙幣1aは紙幣集積室12a側に繰り入れら
れ、集積紙幣1の最上位に積み重なる。この後、可動辺
縁受け板21,21の円形軌跡運動により、その内面が
中央受け部11aの後方に退避するので、可動辺縁受け
板21,21に代わって、集積紙幣1は中央受け部11
aで受け止めされる。図4(c),図5(c)の状態か
ら図4(d),図5(d)の待機状態までは可動辺縁受
け板21,21の復帰過程にある。なお、この期間を短
縮するためには早戻り機構を採用しても良い。
【0040】可動辺縁受け板21,21が待機位置から
約315°回転した状態では、入出通路10側の偏心円
盤D2 の勾玉形突起20a(20b)の外側面Oがゴム
ローラ28に摩擦接触する。そして可動辺縁受け板2
1,21が更に回転して図4(d),図5(d)に示す
待機状態に戻る。
【0041】このように、待機状態で繰入待機室Gに投
入された紙幣1aがその端まで達していない不完全姿勢
の場合でも、円形軌跡運動を行う可動辺縁受け板21,
21の死点までの撫で付け力によりソフトタッチで紙幣
1aの姿勢矯正が行われた後、その死点後の回転により
紙幣集積室12a側への紙幣の繰り入れが行われる。
【0042】この投入された紙幣4aが正しく位置決め
されていない場合でも、姿勢矯正と繰入動作が達成でき
るので、本例のように、循環式紙幣収納庫は縦置きに設
定できる。勿論、斜め置きや横置きも可能となってい
る。
【0043】また、待機状態時には、入出通路10側の
偏心円盤D2 の勾玉形突起20a(20b)の内側面I
が繰入待機室G内への紙幣1aの導入ガイドになってい
るので、円滑な紙幣の投入が実現されている。
【0044】(出庫処理)次に、紙幣集積室12aから
最上位の紙幣1cを紙幣出入口2の外へ繰り出す場合、
やはり図4(d),図5(d)に示す待機状態から出庫
処理が開始する。
【0045】待機状態から偏心円盤D1,2 が回転して
図4(b),図5(b)のように可動辺縁受け板21,
21が退避すると、下死点位置の近傍で、主キックロー
ラ7a補助キックローラ7bの高摩擦係数部材8a,8
bが上位の紙幣1cに摩擦接触し、これをその沿面方向
に蹴り出す。この際、圧迫板12には圧接用凸部12
b,12cが設けられているので、コイルスプリング1
3の付勢力が分散せずにキックローラ7a,7bに対し
集中的に加わるため、蹴り出し力が強くなる。また紙幣
1cと中央受け部11aとの圧接部分が少なくなり、紙
幣1cの摩擦抵抗が少なくなるので、蹴り出し負荷を低
減できる。更に、中央受け部11aの下端には密着防止
用突起35が形成されており、図12に示す如く、集積
紙幣1が張りや剛さのないクシャクシャな紙幣でも、突
起35の高さだけ中央受け部11aの面から離間させる
ことができるので、その面との圧接による密着を少なく
できる。従って、紙幣出入口2への蹴り出し負荷を低減
できる。
【0046】最上位の紙幣1cの上端がフィードローラ
4と阻止ローラ6との圧接巻き込み域Cに差し出される
と、共連れ紙幣の進入が排除されて最上位の紙幣1cの
みが引き込みローラ3a,3bにより紙幣出入口2から
外部の紙幣入出庫経路上に排出される。
【0047】この紙幣繰出が完了すると、図13に示す
如く、紙幣間摩擦により隣接の共連れ紙幣1bもフィー
ドローラ4と阻止ローラ6の圧接巻き込み域Cに当て付
けられた状態にあるため、キックローラ7a,8a及び
フィードローラ4の回転が停止すると、紙幣弾力圧迫板
12と中央受け部11aとに挟まれた紙幣集積室12a
内の整列集積紙幣1の上位側数枚の先縁側が圧接巻き込
み域Cに引きずり出されたまま残っている。ところが、
図7(a),(b)に示す如く、可動辺縁受け板21が
上死点から更に回転すると、可動辺縁受け部材21の受
け面が紙幣1cの辺縁を撫で付けるようにして全体的に
引き戻すと共に、偏心円盤D2 側の可動辺縁受け板21
の端部及び勾玉形突起20a(20b)の外側面Oが圧
接巻き込み域Cの紙幣1cに接触する。この接触位置
(待機位置から約315°)では紙幣1c及び共連れ紙
幣1bのはみ出し部分がゴムローラ28と勾玉形突起2
0a(20b)の外側面Oとに挟まれる。このため、図
7(c),(d)に示す如く、紙幣1cや共連れ紙幣4
cのはみ出し側は偏心円盤D2 の回転に連れゴムローラ
28が回転されつつ紙幣集積室12aへ引き戻されるよ
うになっている。紙幣のはみ出し量は最上位の紙幣1c
が一番大きいため、本例では、この最上位の紙幣1cを
可動辺縁受け部材12の受け面,偏心円盤D2 の周面及
び勾玉形突起20a(20b)の外側面Oで摩擦接触さ
せるようにしている。勾玉形突起20a(20b)を設
けていない場合でも、偏心円盤D2 側の可動辺縁受け板
21の端部だけでもある程度の引き込み作用が発揮され
る。ただ、その場合、その端部を偏心軸P2 からある程
度長くすることが好ましい。
【0048】このように、可動辺縁受け板21を真円軌
跡運動させることにより、出庫時に不可避的に生じる共
連れ紙幣1bの紙幣集積室1cからのはみ出しを元に戻
すことが可能である。特に、可動辺縁受け板21の1回
転のうち待機状態直前で引き戻しが自動的に完了し、引
き戻し処理のための特殊なモードを追加せずに済むた
め、出庫処理後、直ちに入庫処理が実行でき、高速入出
庫が達成できる。また、紙幣引き戻しのために専用の原
動手段を配置せずに済み、装置構成の簡略化及び装置の
低コスト化を図ることができる。そして、本例の可動辺
縁受け板21は平行クランク機構の連結棒(連接リン
ク)に相当しているため、DCモータ25の回転力をそ
のまま伝動する機構系を配置するだけで済み、回転・直
線往復運動の変換機構を必要としない。このため、駆動
・伝動機構の簡素化も達成でき、装置の低コスト化を図
ることができる。そしてまた、図15に示すように、従
前の可動辺縁受け板102,102は連結板103で片
持ち支持されているが、本例の可動辺縁受け板21は偏
心円盤D1,2 で両端支持されており、堅牢な構造とな
っている。このため、集積収納枚数を増やすことができ
る。
【0049】本例においては、偏心円盤D1,2 が回転
して図4(d),図5(d)に示す待機状態に戻ると、
連続的に紙幣を繰り出さない場合は、この待機状態にタ
イミングを合わせて偏心円盤D1,2 が確実に停止する
ようになっている。ここで、本例で用いたDCモータ2
5はステッピングモータと比較して廉価等のメリットを
有しているが、位置サーボの精度が多少劣る。しかしな
がら、偏心円盤D1,2 が回転して図4(d),図5
(d)に示す待機状態(上死点と下死点の中間)に達す
ると、既にモータ励磁電流の給電が止んでも、モータ軸
は惰性回転しようとするが、その際、回動可能の揺動ア
ーム30の先端のローラ31がロックローラ29の陥没
部29aに落ち込むので、ロックローラ29の回転が即
刻阻止される。このため、駆動軸23の回転が急停止す
るため、偏心円盤D1,2 即ち可動辺縁受け板21は待
機位置で確実に停止する。
【0050】なお、上記実施形態において、循環式一括
紙幣収納庫は、入庫と出庫を行う紙幣リサイクル収納庫
に限らず、出庫専用収納庫にも適用できることは言う迄
もない。また、上記は紙幣処理機について説明してある
が、本発明は、紙幣に限らず、商品券などの紙葉類,可
撓性のシート,フィルム等について上記の紙幣収納庫を
用いることが可能であるので、本発明における「紙幣」
には紙葉類,可撓性のシート,薄板材,フィルム等の概
念をも内包するものである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る紙幣
収納庫は、中央受け部材の面レベルを境に出没する一対
の可動辺縁受け部材を集積紙幣の辺縁方向と法線方向と
が成す2次元平面の上を循環運行する2次元循環軌跡運
動体とし、その循環運動方向を圧接巻き込み域側の端部
自身が圧接巻き込み域側から離反して紙幣集積室寄りへ
辿る部分軌跡を含む方向としたところを特徴としてい
る。従って、次のような効果を奏する。
【0052】 可動辺縁受け部材の端部が圧接巻き込
み域側から離反して紙幣集積室寄りへ辿る部分軌跡を描
く過程では、可動辺縁受け部材の受け面が紙幣の辺縁を
撫で付けるようにして全体的にこれを引き戻すと共に、
その端部は共連れ紙幣のはみ出し部分に摩擦接触して紙
幣集積室へ引き戻すように作用する。可動辺縁受け部材
の端部形状や長さ等を最適化することで紙幣のはみ出し
部分の引き戻し作用がより確実化する。しかも、引き戻
し機構が可動辺縁受け部材で兼用されているため、装置
構成の簡素化及び低コスト化を同時に達成できる。
【0053】 可動辺縁受け部材を平行クランク機構
の連接リンクとした場合、可動辺縁受け部材を円軌跡運
動させれば良いため、運動形態変換機構を必要とせず、
モータの回転駆動力をクランクに伝達するだけで済み、
装置構成の大幅な簡素化が実現する。また、平行クラン
ク機構は可動辺縁受け部材の両端を支持した堅牢な構造
であるため、集積紙幣の収納枚数の増大を図ることがで
きる。
【0054】 平行クランク機構の一対のクランクを
偏心円盤とし、偏心円盤の外周面と可動辺縁受け部材の
端部の外周面とを略一致させた構成においては、偏心円
盤の外周面自体も共連れ紙幣のはみ出し部分に摩擦接触
して自動的に紙幣集積室へ引き戻すように作用する。か
かる場合も、部品点数を増大させずに、引き戻し作用の
増強に寄与する。
【0055】 圧接巻き込み域側の偏心円盤が、アイ
ドルローラに接触してはみ出し紙幣の圧接巻き込み域を
挟み込んで紙幣集積室側へ引き戻す圧接用突起を有して
成る構成においては、はみ出し紙幣の最上位の紙幣に圧
接用突起が摩擦接触しながら、集積紙幣を圧迫板に抗し
て紙幣集積室へ押し出すように作用するので、紙幣の引
き戻しを損傷無くなおさら確実に行うことができる。
【0056】 各平行クランク機構の回転駆動力伝動
系としてベルト伝動機構を採用した場合、各平行クラン
ク機構については複数のベルトプーリに唯一のベルトを
巻き掛けてベルト伝動機構を構成でき、伝動機構系の構
成を簡素化できる。
【0057】 また、一対のベルト伝動機構の両原動
車を同期回転させる駆動軸を設けた構成では、唯一のモ
ータでこの駆動軸を回転駆動することができ、駆動・伝
動系が全体として簡素化する。
【0058】 上記部分軌跡過程の終了後の待機位置
で上記クランクの惰性回転を強制的に停止させるロック
機構を設けた構成においては、駆動源に位置サーボ精度
が多少劣るDCモータの使用が可能となり、モータ及び
電気制御系の低コスト化を図ることができる。
【0059】 圧迫部材が主キックローラに臨む部分
に圧接用凸部や補助キックローラに臨む部分に圧接用凸
部を有して成る場合、圧迫板の付勢力が分散せずにキッ
クローラに対し集中的に加わるため、蹴り出し力が強く
なり、また紙幣と中央受け部材の受け面との圧接部分が
少なくなり、紙幣の蹴り出し負荷を低減できる。
【0060】 中央受け部材が上記圧接巻き込み域と
は反対側に密着防止用突起を有して成る場合、張りや剛
さのないクシャクシャな紙幣でも、突起の高さだけ中央
受け部材の受け面から離間させることができ、その面と
の圧接による摩擦抵抗が増大するのを低減でき、紙幣の
蹴り出し負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る循環式紙幣収納庫を
示す縦断正面図である。
【図2】同循環式紙幣収納庫を示す右側面図である。
【図3】同循環式紙幣収納庫を示す正面図である。
【図4】(a)〜(d)は同循環式紙幣収納庫の動作状
態を示す横断面図である。
【図5】(a)〜(d)は同循環式紙幣収納庫の動作状
態を示す縦断面図である。
【図6】同循環式紙幣収納庫において可動辺縁受け板を
連接リンクとして持つ平行クランク機構を示す斜視図で
ある。
【図7】(a)〜(d)は同可動辺縁辺縁受け板による
はみ出し紙幣の引き戻し過程を示す概略図である。
【図8】(a−1)〜(f−1)は同可動辺縁辺縁受け
板の運動に伴い偏心円盤と圧接用勾玉形突起との関係を
示す正面図、(a−2)〜(f−2)はその関係を示す
側面図である。
【図9】同循環式紙幣収納庫を示す平面図である。
【図10】同循環式紙幣収納庫を示す底面図である。
【図11】(a)は同循環式紙幣収納庫における強制回
転停止機構のローラがロックローラの陥没部に落ち込ん
だ状態を示す説明図、(b)は同ローラがロックローラ
周面上を転動している状態を示す説明図である。
【図12】同循環式紙幣収納庫において張りのない紙幣
を収納した状態を示す縦断正面図である。
【図13】同循環式紙幣収納庫において紙幣分離装置の
圧接巻き込み域にはみ出した紙幣の状態を示す概略図で
ある。
【図14】従来の循環式紙幣収納庫を示す縦断正面図で
ある。
【図15】従来の循環式紙幣収納庫を示す右側面図であ
る。
【図16】従来の循環式紙幣収納庫を示す底面図であ
る。
【図17】(a)〜(d)は従来の循環式紙幣収納庫の
動作状態を示す横断面図である。
【図18】(a)〜(d)は従来の同循環式紙幣収納庫
の動作状態を示す縦断面図である。
【図19】従来の循環式紙幣収納庫において紙幣分離装
置の圧接巻き込み域にはみ出した紙幣の状態を示す概略
図である。
【図20】(a)は従来の循環式紙幣収納庫において紙
幣分離装置の圧接巻き込み域にはみ出した紙幣が残った
まま可動辺縁受け板を往動する過程を示す説明図、
(b)はその往動完了時点を示す説明図である。
【符号の説明】
1…集積紙幣 1a…入庫予定の紙幣 1b…共連れ紙幣 2…紙幣出入口 3a,3b…引込みローラ 4…フィードローラ 5,8a,8b…高摩擦係数部材 6…阻止ローラ 7a…主キックローラ 7b…補助キックローラ 9a,9b,9c…ベルトプーリ 10…入出通路 11…ベース 11a…中央受け部 11b…側溝 11c…側板 12…紙幣弾力圧迫板 12a…紙幣集積室 12b,12c…圧接用凸部 13…コイルスプリング 14…収納庫筐体 14a…側板 20a,20b…圧接用勾玉形突起 20c…空き間 21…可動辺縁受け板 21aa…内側の張出受け部 21ab…軸受部 21ac,21ad,21ae…空き間 23…駆動軸 24…タイミングベルト 25…DCモータ 26a…原動節傘歯車 26b…従動節傘歯車 27a,27b…テンションローラ 28…ゴムローラ(アイドルローラ) 29…ロックローラ 29a…陥没部 30…揺動アーム 31…ローラ 32…支軸 33…トーションスプリング 34…ストッパーピン 35…密着防止用突起 B1,2 ,B3 …ボールベアリング S1,2 …回転軸 D1,2 …偏心円盤 P1,2 …偏心軸 O…外周面 I…内側面 G…紙幣繰入待機室 C…圧接巻き込み域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−258336(JP,A) 特開 平9−150962(JP,A) 実開 昭60−133835(JP,U) 実開 昭63−180650(JP,U) 実開 平4−133636(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/46 B65H 29/36 B65H 83/00 G06F 19/00 G07D 9/00 408

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収納庫筐体内面から飛び出し紙幣集積室
    の集積紙幣の片面側を弾力付勢する圧迫部材と、前記圧
    迫部材に対峙して前記集積紙幣の他面側の面中央領域を
    当て受ける中央受け部材と、前記集積紙幣の最上位の紙
    幣の他面側対向辺縁を当て受けつつ、前記中央受け部材
    の受け面レベルを境に同期的に出没して往復動可能の一
    対の可動辺縁受け部材と、前記最上位の紙幣の他面側に
    摩擦接触してその沿面方向へその紙幣を蹴り出す紙幣排
    出手段と、紙幣口近傍で前記沿面方向へ排出される紙幣
    の先縁を圧接巻き込み域に受けて1枚ずつ紙幣を送り出
    す紙幣分離手段とを有する紙幣収納庫において、 前記各可動辺縁受け部材は前記集積紙幣の前記辺縁方向
    と法線方向とが成す2次元平面の上を循環運行する2次
    元循環軌跡運動体であり、その循環運動方向は前記圧接
    巻き込み域側の端部自身が前記圧接巻き込み域側から離
    反して前記紙幣集積室寄りへ辿る部分軌跡を含む方向で
    あることを特徴とする紙幣収納庫。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記各2次元循環軌
    跡運動体は、平行クランク機構の連接リンクであること
    を特徴とする紙幣収納庫。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記平行クランク機
    構の一対のクランクは偏心円盤であり、前記圧接巻き込
    み域側の前記偏心円盤の外周面と前記可動辺縁受け部材
    の前記端部の外周面とが略一致していることを特徴とす
    る紙幣収納庫。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記圧接巻き込み域
    側の前記偏心円盤は、前記部分軌跡を辿る過程で近接配
    置のアイドルローラに接触して前記紙幣の圧接巻き込み
    部分を挟み込んで前記紙幣集積室側へ引き戻す圧接用突
    起を有して成ることを特徴とする紙幣収納庫。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に
    おいて、前記各平行クランク機構の一対のクランクを同
    期回転させるベルト伝動機構を有して成ることを特徴と
    する紙幣収納庫。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記一対のベルト伝
    動機構の両原動車を同期回転させる駆動軸を有して成る
    ことを特徴とする紙幣収納庫。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    おいて、前記部分軌跡過程の終了後の待機位置で前記ク
    ランクの惰性回転を強制的に停止させるロック機構を有
    して成ることを特徴とする紙幣収納庫。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に
    おいて、前記紙幣排出手段は、前記圧迫部材の前記圧接
    巻き込み域側に配された主キックローラを有しており、
    前記圧迫部材は、前記主キックローラに臨む部分に圧接
    用凸部を有して成ることを特徴とする紙幣収納庫。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記紙幣排出手段
    は、前記圧迫部材の略中央に配され、前記主キックロー
    ラと同期回転する補助キックローラを有しており、前記
    圧迫部材は、前記補助キックローラに臨む部分に圧接用
    凸部を有して成ることを特徴とする紙幣収納庫。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一項
    において、前記中央受け部材は、前記圧接巻き込み域と
    は反対側に密着防止用突起を有して成ることを特徴とす
    る紙幣収納庫。
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