JP3411369B2 - 車両の障害物検知装置および安全装置 - Google Patents

車両の障害物検知装置および安全装置

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JP3411369B2
JP3411369B2 JP05721894A JP5721894A JP3411369B2 JP 3411369 B2 JP3411369 B2 JP 3411369B2 JP 05721894 A JP05721894 A JP 05721894A JP 5721894 A JP5721894 A JP 5721894A JP 3411369 B2 JP3411369 B2 JP 3411369B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自車周辺における所
定の検知領域内に存在する障害物を検出して当該障害物
と自車との距離を演算するようにした車両の障害物検知
装置、および上記障害物と自車との距離に基づいて危険
状態を判定するようにした車両の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両の障害物検知装置
として、自車周辺における所定の検知領域内に存在する
障害物(他の車両等の移動体をも含む)を検出する障害物
検出手段を備え、該障害物検出手段からの検出信号に基
づいて上記障害物と自車との距離を演算するようにした
ものは、一般に良く知られている。また、この障害物と
自車との距離の演算値に基づいて、自車の当該障害物と
の接触あるいは衝突の危険状態を判定するようにした安
全装置が知られている。かかる障害物検知装置や安全装
置に用いられる障害物検出手段としては、例えば、レー
ダ波としてのパルスレーザ光を発信部から所定の方向に
向けて発信するとともに、この方向における検知領域内
に存在する障害物に当たって反射してくる反射波を受信
部で受信するようにした、いわゆるレーダユニットが良
く知られており、発信部から発信するパルスレーザ光を
水平方向に比較的広角度で走査させるスキャン式のもの
が一般的である。
【0003】上記レーダユニットで自車周辺(例えば自
車前方)における所定の検知領域内に存在する障害物(例
えば前方車両)を検出する場合、路面の反射を拾うこと
を回避するために、パルスレーザ光(所謂レーザビーム)
は、通常、その下限側が路面に対してほぼ水平となり、
この下限側から上側に所定の幅を持って発信されるよう
に設定されている。ところが、例えば悪路走行時等にお
いて車体にピッチングが生じた場合など、走行状況によ
っては、パルスレーザ光のビームが上下に振れて検知領
域が上下方向に変動する結果、レーダユニットの受信デ
ータに欠落が生じ、検知対象たる前方車両を継続的に検
出できない場合が生じ得る。
【0004】すなわち、実際には自車前方に検知すべき
前方車両が存在するにも拘わらず、車体のピッチングに
伴ってビームによる検知領域が上下に振れる結果、検知
対象たる前方車両が瞬間的に検知領域から外れて検出す
ることができなくなることがあり、この瞬間については
前方車両の検出信号が得られなくなる。従って、この部
分の受信データに欠落が生じることとなり、かかる欠落
部分を含んだデータに基づいて前方車両との距離を演算
した場合には、まちがった値が算出され、前方車両との
距離演算の信頼性に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0005】かかる問題に関連して、例えば特開昭53
−16230号公報では、レーダ装置が障害物を検出で
きなくなったときには、それまでに得られた情報を用い
て上記障害物と自車との距離や相対速度の現在値を推測
計算し、この推測計算値に基づいて危険判断を行うよう
にしたものが開示されている。また、本願出願人は、特
願平4−330313号において、レーダ装置から障害
物の情報が出力されなくなったときには、記憶部に記憶
されたそれまでの情報に基づいて上記障害物と自車との
距離の現在値を推測し、この推測値に基づいて自車と障
害物との接触可能性を判断するとともに、レーダ装置か
ら障害物の情報が出力されなくなったときの状況(例え
ば障害物と自車との相対位置関係)に応じて、上記推測
を規制するようにしたものを提案し、更に、特願平5−
1505号において、レーダ装置から障害物の情報が出
力されなくなったときには、記憶部に記憶されたそれま
での情報に基づいて上記障害物と自車との距離の現在値
を所定時間継続的に推測し、この推測値に基づいて自車
と障害物との接触可能性を判断するとともに、自車のピ
ッチング量に応じて上記推測方法を変更するようにした
ものを提案した。
【0006】上述のように、パルスレーザ光のビームが
上下方向に振れて、つまり、レーダユニットによる検知
領域が上下に変動してデータの欠落が生じた場合、デー
タが欠落した部分の前後では距離の演算値が不連続的に
変動する結果、距離演算の信頼性に悪影響を及ぼすとい
う問題があるが、このような問題に対して、レーダユニ
ットからの検出信号をローパスフィルタを介して入力
し、所定周波数以上の信号を濾波して受信データを滑ら
かになます処理をした上で、実際の距離演算はこのフィ
ルタ処理を行った二次データで行う方法が知られてい
る。すなわち、例えば図10に示すような欠落部分を含
んだ受信データを、所定の濾波特性を有するローパスフ
ィルタを通すことによって、例えば図11に示すよう
に、滑らかになまされた二次データが得られる。そし
て、このデータを用いて距離演算を行うことにより、元
の受信データが欠落部分を含んでいる場合でも、演算値
の急変を緩和することができる。従って、上記ローパス
フィルタでデータを滑らかになます処理を行う方法によ
れば、例えば悪路走行時など、走行状況に起因するレー
ダユニットの検知領域の変動によって検知対象たる前方
車両等の障害物が当該検知領域から外れることにより受
信データに欠落が生じた場合でも、このデータ欠落によ
る障害物との距離の演算値の急変を緩和するように補正
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、上記ローパスフィルタのカット周波数が一定値に設
定されている関係上、例えば悪路状態がひどい場合な
ど、受信データの欠落頻度が特に高い場合には、ローパ
スフィルタを用いても受信データを十分滑らかになます
ことができず、得られた二次データに不連続的な急変部
分が含まれることがある。すなわち、図12に示すよう
に受信データの欠落頻度がある程度以上高い場合には、
カット周波数が通常どうりに設定されたローパスフィル
タで濾波しても、十分滑らかにデータをなますことがで
きず、図13に示すように、得られた二次データには、
やはり不連続的な急変部分が含まれる。そして、このよ
うな急変部分を含んだデータに基づいて距離演算を行っ
た場合には、やはり演算精度に悪影響を及ぼすことにな
る。
【0008】この問題に対しては、ローパスフィルタの
カット周波数を予めかなり低く設定しておくことによ
り、上記のような受信データの欠落頻度が高い場合で
も、十分滑らかにデータをなますことができるようにす
ることが考えられる。ところが、上記ローパスフィルタ
のカット周波数を低くすることは、不可避的に受信デー
タの変化(換言すれば自車と障害物との距離の変化)に対
する応答性の低下を招くので、一律にローパスフィルタ
のカット周波数を低く設定したのでは、受信データに欠
落がない通常の場合についても、不必要に上記応答性を
低下させるという問題を生じる。
【0009】また、上記ローパスフィルタのカット周波
数をある程度以上低く設定した場合、上述のように、こ
れに伴って障害物と自車との距離の変化に対する応答性
がある程度低下することとなるが、この距離の演算結果
に基づいて、自車の障害物との接触あるいは衝突の危険
状態を判定するようにした安全装置では、両者間の距離
変化に対する応答性が低下する結果、危険状態の判定に
遅れが生じるという問題があった。
【0010】この発明は、上記諸問題に鑑みてなされた
もので、通常時は受信データの変化に対する応答性を確
保する一方、必要な場合には受信データを十分滑らかに
なますことができる車両の障害物検知装置、および、受
信データを十分滑らかになました場合でも、危険状態の
判定に遅れが生じることのない車両の安全装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、自車周辺に
おける所定の検知領域内に存在する障害物を検出する障
害物検出手段と、該障害物検出手段からの検出信号をロ
ーパスフィルタを介して入力し、該入力信号に基づいて
上記障害物と自車との距離を演算する距離演算手段とを
備えた車両の障害物検知装置において、上記障害物検出
手段からの一次データと上記ローパスフィルタを通過し
た後に上記距離演算手段に入力された二次データとを比
較し、その差からデータ欠落頻度を判定するデータ欠落
頻度判定手段と、上記ローパスフィルタのカット周波数
を低く設定するカット周波数変更回路とを備え、走行状
況に起因する上記検知領域の変動により上記障害物が当
該検知領域から外れる可能性が高まる場合には、上記カ
ット周波数変更回路により、上記データ欠落頻度に基づ
いて上記ローパスフィルタのカット周波数低く設定
ることを特徴としたものである。
【0012】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、自車周辺における所定の検知領
域内に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、該
障害物検出手段からの検出信号をローパスフィルタを介
して入力し、該入力信号に基づいて上記障害物と自車と
の距離を演算する距離演算手段と、該距離演算手段の演
算結果に基づいて危険状態を判定する危険判定手段とを
備えた車両の安全装置において、走行状況に起因する上
記検知領域の変動により上記障害物が当該検知領域から
外れる可能性が高まる場合には、上記ローパスフィルタ
のカット周波数を低く設定するとともに、該カット周波
数を低く設定した場合には、上記危険判定手段で危険状
態の判定を行う際の上記障害物と自車との距離の閾値を
長く設定することを特徴としたものである。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、走行状況に
起因する上記検知領域の変動により上記障害物が当該検
知領域から外れる可能性が高まる場合(例えば、悪路状
態がある程度以上ひどい場合など)、つまり、受信デー
タの欠落頻度がある程度以上高まる可能性がある場合に
は、データ欠落頻度判定手段で判定されたデータ欠落頻
度に基づいて、カット周波数変更回路によって上記ロー
パスフィルタのカット周波数を低く設定するようにした
ので、かかる場合については、受信データを十分滑らか
になますことができ、フィルタ処理された二次データに
不連続的な急変部分が含まれることをなくすることが可
能になる。すなわち、走行状況に起因する障害物検出手
段の検知領域の変動によって検知対象たる前方車両等の
障害物が当該検知領域から外れることにより受信データ
に欠落が生じた場合でも、このデータ欠落による障害物
との距離の演算値の急変を緩和するように補正すること
ができ、距離演算の信頼性をより高めることができる。
しかも、上記ローパスフィルタのカット周波数は、受信
データの欠落頻度がある程度以上高まる可能性がある場
合にのみ低く設定されるので、一律にローパスフィルタ
のカット周波数を低く設定する場合のように、受信デー
タに欠落がない通常の場合について、不必要に受信デー
タに対する応答性を低下させることはない。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、走行状
況に起因する上記検知領域の変動により上記障害物が当
該検知領域から外れる可能性が高まる場合(例えば、悪
路状態がある程度以上ひどい場合など)、つまり、受信
データの欠落頻度がある程度以上高まる可能性がある場
合には、上記ローパスフィルタのカット周波数を低く設
定するようにしたので、かかる場合については、受信デ
ータを十分滑らかになますことができ、フィルタ処理さ
れた二次データに不連続的な急変部分が含まれることを
なくすることが可能になる。すなわち、走行状況に起因
する障害物検出手段の検知領域の変動によって検知対象
たる前方車両等の障害物が当該検知領域から外れること
により受信データに欠落が生じた場合でも、このデータ
欠落による障害物との距離の演算値の急変を緩和するよ
うに補正することができ、距離演算の信頼性をより高め
ることができる。しかも、上記ローパスフィルタのカッ
ト周波数は、受信データの欠落頻度がある程度以上高ま
る可能性がある場合にのみ低く設定されるので、一律に
ローパスフィルタのカット周波数を低く設定する場合の
ように、受信データに欠落がない通常の場合について、
不必要に受信データに対する応答性を低下させることは
ない。更に、上記ローパスフィルタのカット周波数を低
く設定した場合には、上記危険判定手段で危険状態の判
定を行う際の上記障害物と自車との距離の閾値を長く設
定するようにしたので、両者間の距離変化に対する応答
性の低下を補って、危険状態の判定を安全サイドに行う
ことができ、この危険状態の判定に遅れが生じることを
防止できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る車両の安
全装置1の全体構成を概略的に示すブロック構成図であ
る。この図に示すように、上記安全装置は、自車周辺
(本実施例では自車前方)における所定の検知領域内に存
在する障害物(他の車両等の移動体をも含む)を検出する
障害物検出手段としてのレーダヘッドユニット2と、後
で詳しく説明するように、上記レーダヘッドユニット2
からの信号(受信データ)を濾波して所定以上の周波数の
信号部分をカットするローパスフィルタ3と、該ローパ
スフィルタ3を介して入力された入力信号(二次データ)
に基づいて、上記障害物と自車との車間距離を演算する
距離演算手段としての演算処理部4と、該演算処理部4
での演算結果に基づいて、上記障害物と自車との接触・
衝突に関する危険状態を判定する危険状態判定部5とを
備えている。
【0016】この危険状態判定部5には、自車のドライ
バに警報を発する警報装置6および車両の走行状態を制
御するための車両制御コントロールユニット7が信号授
受可能に接続されており、更に、上記車両制御コントロ
ールユニット7には、車両Aに自動的に制動する自動制
動装置のアクチュエータ8が信号授受可能に接続されて
いる。そして、後で詳しく説明するように、上記障害物
と自車との車間距離が第1の所定値(警報開始車間距離)
よりも短くなると、上記危険状態判定部5からの制御信
号によって警報装置6が作動させられてドライバに対し
て警報が発せられる。この警報装置6としては、例えば
ブザーあるいはランプ等が用いられる。また、上記車間
距離が更に短くなり、上記第1の所定値よりも小さい第
2の所定値(自動制動開始車間距離)よりも短くなると、
上記危険状態判定部5からの制御信号により、車両制御
コントロールユニット7を介して自動制動装置のアクチ
ュエータ8が駆動させられ、各車輪に制動力が加えられ
て車両が自動的に制動され、障害物との接触・衝突が回
避されるようになっている。
【0017】上記レーダヘッドユニット2は、例えば図
2に示すように、車体前部に取り付けられており、レー
ダ波としてのパルスレーザ光を発信部から所定の方向
(本実施例では自車Aの前方)に向けて発信するととも
に、この方向における検知領域内に存在する障害物Bに
当たって反射してくる反射波を受信部で受信するように
構成され、発信部から発信するパルスレーザ光を水平方
向に比較的広角度で走査させるスキャン式のものが採用
されている。本実施例では、標準周波数として例えば3
3Hz(ヘルツ)の周波数でパルスレーザ光を発信させな
がら、所定の角度範囲内での走査が行なわれるように設
定されている。また、上記レーダヘッドユニット2は、
自車Aの周辺における所定の検知領域内に存在する障害
物Bを検出する際に、路面の反射を拾うことを回避する
ために、パルスレーザ光(レーザビーム)が、その下限側
が路面に対してほぼ水平となり、この下限側から上側に
所定の幅を持って発信されるように設定されている。
【0018】上記ローパスフィルタ3は、レーダヘッド
ユニット2からの信号を濾波して所定以上の周波数の信
号部分をカットするもので、レーダヘッドユニット2の
受信信号に欠落部分が生じた場合には、これをフィルタ
処理して滑らかになました上で、上記演算処理部4にデ
ータを入力するものである。すなわち、例えば悪路走行
時に車体Aにピッチングが生じた場合など、所定の走行
状況において、実際には自車Aの前方に検知すべき前方
車両Bが存在するにも拘わらず、走行状況に起因して、
つまり、例えば車体Aのピッチングに伴って、ビームに
よる検知領域が上下に振れる結果、検知対象たる前方車
両Bが瞬間的に検知領域から外れて消失し、検出するこ
とができなくなることがあり(図2における破線表示参
照)、この瞬間については前方車両Bの検出信号が得ら
れなくなる。
【0019】従って、この部分の受信データに欠落が生
じることとなり(例えば図10参照)、かかる欠落部分を
含んだデータに基づいて前方車両Bとの車間距離を演算
した場合には、まちがった値が算出されるおそれがあ
る。そこで、上記ローパスフィルタ3を通し、所定周波
数以上の信号を濾波して受信データを滑らかになます処
理をした上で、実際の距離演算はこのフィルタ処理を行
った二次データ(例えば図11参照)で行うことにより、
元の受信データが欠落部分を含んでいる場合でも、演算
値の急変を緩和し、車間距離の演算値の信頼性を高める
ようになっている。本実施例では、上記ローパスフィル
タ3のカット周波数は、通常時は、例えば15Hzに設
定されている。
【0020】また、本実施例では、例えば悪路状態がひ
どくなった場合など、走行状況に起因する上記レーダヘ
ッドユニット2の検知領域の変動により、前方車両B当
該検知領域から外れる可能性が高まる場合、つまり、例
えば図12に示すように、受信データの欠落頻度がより
高まる可能性がある場合にでも、例えば図9に示すよう
に、受信データを十分滑らかになますことができ、フィ
ルタ処理された二次データに不連続的な急変部分が含ま
れることをなくすることができるように、上記ローパス
フィルタ3のカット周波数を低く設定するカット周波数
変更回路11が設けられている。更に、このようなカッ
ト周波数の変更が、受信データの欠落頻度がより高まる
可能性がある場合にのみ行なわれるように、データ欠落
頻度判定部12が設けられている。このデータ欠落頻度
判定部12は、レーダヘッドユニット2からの生データ
(一次データ)と、ローパスフィルタ3を通過した後に演
算処理部4に入力されたデータ(二次データ)とを比較
し、その差からデータ欠落頻度を判定するものである。
尚、上記カット周波数変更回路11,データ欠落頻度判
定部12,演算処理部4および危険状態判定部5は、よ
り好ましくは、いずれも安全装置1のコントロールユニ
ット10内に組み込まれている。
【0021】また、本実施例では、上記カット周波数変
更回路11によるローパスフィルタ3のカット周波数の
変更は、悪路状態がある程度以上ひどい場合に行なわれ
る。すなわち、悪路状態がある程度以上ひどく、かつ、
受信データの欠落頻度がある程度以上高いばあいにの
み、上記ローパスフィルタ3のカット周波数がより低く
設定されることになる。上記悪路状態の判定は、上記車
両Aに搭載されたアンチスキッドブレーキ装置(以下、
ABS装置と略称する)のコントロールユニット15に
よって行なわれる。このABS装置は、周知のように、
車両急制動時に、各車輪毎の制動圧を例えば周期的に増
減制御することにより、急制動時における車輪のロック
ないしスキッド状態の発生を防止するもので、悪路状態
に応じて各車輪の制動圧の制御閾値等が変更される。
尚、この安全装置1のコントロールユニット10,上記
車両制御コントロールユニット7およびABS装置のコ
ントロールユニット15は、ともに例えばマイクロコン
ピュータを主要部として構成されたものである。
【0022】上記ABSコントロールユニット15に
は、車輪速センサ16の電磁ピックアップ17が接続さ
れており、この電磁ピックアップ17からの入力信号に
基づいて悪路判定を行う。すなわち、上記電磁ピックア
ップ17からの入力信号は、例えば図3に示すようにパ
ルス状であるが、路面状態が悪い場合には、このパルス
間隔が一定でなくなり、このパルス間隔のバラツキを算
出することによって悪路状態を判定することができる。
本実施例では、この悪路状態を示す悪路指数(車輪速の
変動指数)Kを次式によって算出した。 K=(|T1−T2|+|T2−T3|+…+|Tn-1−Tn|)/T−|α| 上式において、Tは所定時間、αは車体加速度をそれぞ
れ表している。
【0023】図4は、上記カット周波数変更回路11に
よるローパスフィルタ3のカット周波数の変更ルーチン
を示すフローチャートである。すなわち、ステップ#1
およびステップ#2で悪路指数Kおよびデータ欠落頻度
Jが入力され、これらの入力データに基づいて、ステッ
プ#3でローパスフィルタ3のカット周波数が設定され
る。このとき、新たなカット周波数fcは次式によって算
出される。 fc=fo・k・j・β この式において、foは通常時における基準のカット周波
数(本実施例では15Hz)、k及びjは図5及び図6のマ
ップから各々求められる係数、またβは補正係数をそれ
ぞれ表している。尚、本実施例では、上記カット周波数
の下限値は3Hzに設定した。
【0024】次に、上記車両の安全装置1の作動につい
て、図7のフローチャートを参照しながら説明する。シ
ステムがスタートすると、まず、ステップ#11で、レ
ーダヘッドユニット2の受信信号を含む各種信号が読み
込まれる。次に、ステップ#12で、自動制動装置のア
クチュエータ8を作動させるべき車間距離である自動制
動開始車間距離L0,警報装置6を作動させるべき車間
距離である警報開始車間距離L2、並びに警報および自
動制動を解除すべき車間距離である警報・自動制動解除
車間距離L3が算出される。
【0025】これら車間距離L0,L2,L3は、図8に
示すマップから自車速vに基づいてそれぞれの基準車間
距離L0',L2',L3'を読み取り、読み取られた基準
車間距離L0',L2',L3'を、以下の各式に示すよう
に、ローパスフィルタ3のカット周波数によって補正し
て得られる。 L0=L0'+l0・(fo−fc)/fo L2=L2'+l2・(fo−fc)/fo L3=L3'+l3・(fo−fc)/fo これら各式において、l0,l2,l3は距離定数、foは基準カ
ット周波数(本実施例の場合は15Hz)、またfcは変更
後のカット周波数である。すなわち、ローパスフィルタ
3のカット周波数を低く設定した場合には、レーダヘッ
ドユニット2からの受信信号が滑らかになまされること
によって安全装置1の作動遅れが生じることのないよう
に、安全装置1の作動開始の閾値である上記各車間距離
L0,L2,L3が各々の基準車間距離L0',L2',L
3'よりも長くなるように補正されることになる。尚、
上記各車間距離L0,L2,L3のうち、警報・自動制動
解除車間距離L3は、安全装置1の作動を解除するもの
であるが、本実施例では、より好ましくは、車間距離が
ある程度以上安全に保たれている場合にも、警報あるい
は自動制動が行なわれる不具合が生じるおそれをなくす
るために、カット周波数が低く設定された場合には、長
く設定されるようにした。
【0026】次に、ステップ#13で、自車Aの前方車
両Bとの相対速度V1が0(零)以上であるか否か、つま
り両者A,Bが接近中もしくは一定車間距離であるか否
かが判定される。この両者A,Bが接近中である場合(ス
テップ#13:YESの場合)には、ステップ#14で、
計測された実際の車間距離L1が警報開始車間距離L2
よりも小さいか否かが判定され、小さい場合(ステップ
#14:YES)には、ステップ#15でドライバに対し
て警報装置6による警報が発せられる。そして、更に、
ステップ#16で、上記実測車間距離L1が自動制動開
始車間距離L0よりも小さいか否かが判定され、小さい
場合(ステップ#16:YES)には、ステップ#17で
車両Aが自動制動される。また、上記ステップ#14,
ステップ#16での判定結果がNOの場合には、ステッ
プ#11に戻ってそれ以降のステップが繰り返される。
一方、上記ステップ#13での判定結果がNOの場合、
つまり、自車Aと前方車両Bとが離れつつある場合に
は、ステップ#18で、実測車間距離L1が上記警報・
自動制動解除車間距離L3よりも小さいか否かが判定さ
れ、小さい場合(ステップ#18:YES)には自動制動
中であればこれが継続され(ステップ#19)、大きい場
合(ステップ#18:NO)には警報および自動制動が行
なわれていてもこれらが解除される(ステップ#20)よ
うになっている。
【0027】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、悪路状態がある程度以上ひどく、レーダヘッドユニ
ット2の受信データの欠落頻度がある程度以上高い場合
(例えば図12参照)には、上記ローパスフィルタ3のカ
ット周波数を低く設定するようにしたので、かかる場合
については、受信データを十分滑らかになますことがで
き(例えば図9参照)、フィルタ処理された二次データに
不連続的な急変部分が含まれることをなくすることが可
能になる。すなわち、走行状況(路面状態)に起因するレ
ーダヘッドユニット2の検知領域の変動によって検知対
象たる前方車両Bが当該検知領域から外れることにより
受信データに欠落が生じた場合でも、このデータ欠落に
よる前方車両Bとの距離の演算値の急変を緩和するよう
に補正することができ、距離演算の信頼性をより高める
ことができるのである。しかも、上記ローパスフィルタ
3のカット周波数は、受信データの欠落頻度がある程度
以上高まる場合にのみ低く設定されるので、一律にロー
パスフィルタのカット周波数を低く設定する場合のよう
に、受信データに欠落がない通常の場合について、不必
要に受信データに対する応答性を低下させることはな
い。
【0028】更に、上記ローパスフィルタ3のカット周
波数を低く設定した場合には、上記危険状態判定部5で
危険状態の判定を行う際の上記前方車両Bと自車Aとの
距離の閾値L0,L2を長く設定するようにしたので、
両者A,B間の距離変化に対する応答性の低下を補っ
て、危険状態の判定を安全サイドに行うことができ、こ
の危険状態の判定(つまり安全装置1の作動)に遅れが生
じることを防止できるのである。
【0029】尚、上記実施例は、路面状態に起因してレ
ーダヘッドユニット2の検知領域が変動する場合につい
てのものであったが、本発明は、この場合に限定される
ものではない。障害物検知手段によって検知されるべき
障害物が上記検知手段の検知領域から外れる可能性が高
まるような検知領域の変動を生じさせ得る走行状況とし
ては、上記路面状態(悪路)のみによる以外にも以下のよ
うなものがあり、本発明は、これらの場合に対しても有
効に適用することができるものである。
【0030】 検知対象たる障害物との距離が遠い場
合 この場合には、レーザ光のビームの上下方向の角度変化
が小さくても、つまり検知領域の変動が小さくても、障
害物が検知領域から外れ易くなる。従って、障害物との
距離が遠い程、ローパスフィルタのカット周波数を低く
設定するようにすれば良い。
【0031】 検知対象たる複数の障害物の検出デー
タが同時に欠落する頻度が高い場合 この場合は、自車のピッチングによる場合が多く、ロー
パスフィルタのカット周波数の変更で対応する場合が多
いのであるが、例えば、他の前方車両の影に入ったよう
な場合には、上記複数の障害物の角度情報から、他の車
両の影に入ったものかどうかを推定し、データ保持の形
で処理すれば良い。また、道路の起伏による場合には、
検知領域から外れてから再び現れるまでの時間が比較的
長いという特徴から判断し、やはりデータ保持の形で処
理するのが良い。
【0032】 サスペンション装置の上下ストローク
の変化が大きい場合 この場合には、車高センサや上下Gセンサ等で判定す
る。 ABS装置やトラクションコントロール装置が作動
中の場合 この場合には、車両の加減速が大きく、車体の上下振動
も生じ易い。 定常走行でない場合 舵角速度やスロットル開度の変化で判定でき、やはり検
知領域の変動が大きくなる。 通常タイヤより径が小さいスペアタイヤを装着して
いる場合 この場合にも、車体の上下の振れが大きくなり、検知領
域の変動が通常よりも大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る車両の安全装置のブロ
ック構成図である。
【図2】 レーダヘッドユニットによる前方車両の検出
状態を示す説明図である。
【図3】 車輪速センサの信号パルスの一例を示す図で
ある。
【図4】 ローパスフィルタのカット周波数変更ルーチ
ンを説明するためのフローチャートである。
【図5】 悪路指数に基づく係数を算出するマップの一
例を示す図である。
【図6】 データ欠落頻度に基づく係数を算出するマッ
プの一例を示す図である。
【図7】 上記安全装置の作動を説明するためのフロー
チャートである。
【図8】 上記安全装置の作動開始のための各基準車間
距離を算出するマップの一例を示す図である。
【図9】 上記安全装置のローパスフィルタでフィルタ
処理した二次データの一例を示す図である。
【図10】 フィルタ処理前の受信データの一例を示す
図である。
【図11】 ローパスフィルタでフィルタ処理した二次
データの一例を示す図である。
【図12】 悪路状態がひどい場合におけるフィルタ処
理前の受信データの一例を示す図である。
【図13】 従来のローパスフィルタでフィルタ処理し
た二次データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…車両の安全装置 2…レーダヘッドユニット 3…ローパスフィルタ 4…演算処理部 5…危険状態判定部 10…安全装置コントロールユニット 11…カット周波数変更回路 12…データ欠落頻度判定部 A…自車 B…前方車両 L0…自動制動開始車間距離 L2…警報開始車間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−201584(JP,A) 特開 平6−324142(JP,A) 特開 平3−191890(JP,A) 特開 平2−212791(JP,A) 実開 平5−14966(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 B60R 21/00 G08G 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車周辺における所定の検知領域内に存
    在する障害物を検出する障害物検出手段と、該障害物検
    出手段からの検出信号をローパスフィルタを介して入力
    し、該入力信号に基づいて上記障害物と自車との距離を
    演算する距離演算手段とを備えた車両の障害物検知装置
    において、上記障害物検出手段からの一次データと上記ローパスフ
    ィルタを通過した後に上記距離演算手段に入力された二
    次データとを比較し、その差からデータ欠落頻度を判定
    するデータ欠落頻度判定手段と、上記ローパスフィルタ
    のカット周波数を低く設定するカット周波数変更回路と
    を備え、 走行状況に起因する上記検知領域の変動により上記障害
    物が当該検知領域から外れる可能性が高まる場合には、
    上記カット周波数変更回路により、上記データ欠落頻度
    に基づいて上記ローパスフィルタのカット周波数低く
    設定されることを特徴とする車両の障害物検知装置。
  2. 【請求項2】 自車周辺における所定の検知領域内に存
    在する障害物を検出する障害物検出手段と、該障害物検
    出手段からの検出信号をローパスフィルタを介して入力
    し、該入力信号に基づいて上記障害物と自車との距離を
    演算する距離演算手段と、該距離演算手段の演算結果に
    基づいて危険状態を判定する危険判定手段とを備えた車
    両の安全装置において、 走行状況に起因する上記検知領域の変動により上記障害
    物が当該検知領域から外れる可能性が高まる場合には、
    上記ローパスフィルタのカット周波数を低く設定すると
    ともに、該カット周波数を低く設定した場合には、上記
    危険判定手段で危険状態の判定を行う際の上記障害物と
    自車との距離の閾値を長く設定することを特徴とする車
    両の安全装置。
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