JP3402308B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
高周波加熱装置Info
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Description
周波加熱装置の出力制御に関するものである。
を高周波加熱で解凍する場合、被加熱物内部の水分が固
体から液体に変化するという過程を通る。液体の水は固
体の水つまり氷より数千倍高周波電磁波による誘電加熱
がされやすいため、水に変化した被加熱部の部分は急速
に温度が上昇する。このような特性のため高周波加熱装
置による解凍では”煮え”という現象が問題となってい
た。この問題を解決する手段として、特開平11−24
09号公報に示されるように高周波電磁波の加熱周期を
不規則にし被加熱物の温度むらを低減する方法が開示さ
れている。
周波電磁波を発生するマグネトロンであり、マグネトロ
ン1から発生した高周波電磁波は被加熱物2を誘電加熱
し、被加熱物の加熱調理を行う。また、導波管3はマグ
ネトロン1から発生した高周波電磁波を加熱室4内に導
く役目を果たす。被加熱物2は加熱室4で加熱調理が行
われる。5は被加熱物を載置する載置台であり、回転台
6に載置する。7は回転台6とともに載置台5を回転駆
動させる駆動手段である駆動モータである。この駆動モ
ータ7には重量センサーが設けてあり、検出した重量は
制御手段8に送られる。制御手段8は検出した重量を用
いて加熱特性を次式のように決定していた。
経験から定められた定数、Wは重量センサーで検出した
重量である。
周波電磁波による解凍制御では以下の課題が生じる。
チロール製のトレーに載せられており、そのトレーの重
さは約7g程度である。一方、家庭では様々なお皿が使
用されており、その重量はまちまちである。例えば牛ス
ライス肉300gをトレーに載せた状態と仮に350g
のお皿の載せた状態で解凍する場合を考える。定数A3
を0.45、B3を225とすると、調理時間は Ttotal(トレー)=0.45*307+225=363(少数切捨) Ttotal(お皿)=0.45*650+225=517 となる(実際はセンサデータの取込時間中は加熱開始し
ないので調理時間はこれよりも長くなる)。トレーに載
せて行う解凍よりもお皿に肉を載せた解凍の方が、同じ
300gの牛スライス肉を解凍しても約2分30秒時間
が長くなる。300gの肉の解凍の場合、6〜7分程で
煮えもなく手でほぐしやすい出来になるのにさらに2分
30秒も加熱を継続すると、煮えの発生箇所が多数でて
くる。
には対応していなかった。しかし、実際の被加熱物は室
温でしばらく放置された場合、冷凍庫に買い物してきた
品物をたくさん入れた直後、冷蔵庫で半解凍させた状態
等、初期温度には様々な状態が考えられる。今までは使
用者が仕上がり調節(強め、弱め等)機能を用いて設定
する手間があった。仕上がり調節といってもせいぜい5
段階程の調節幅しかもっていないので、微妙な調節がで
きず、初期温度が冷凍庫温度でない場合にも満足な出来
を提供するのは困難であった。
中しやすく、形状が厚い部分よりも薄い部分に集中する
という特性がある。被加熱物の重量、初期温度が設計値
通りでも、被加熱物の形状によっては電磁波の特性によ
り電磁波が集中して部分的に過加熱となり、その部分が
煮えてしまうという問題もあった。
で、煮えが生じない加熱制御方法を提供することを目的
とする。
するために、被加熱物の重量を検出する検出手段と、前
記検出手段によって検出された重量によって加熱特性を
決定する加熱特性決定手段と、前記加熱特性に従って被
加熱物を加熱する加熱手段と、前記被加熱物の温度を検
出する温度検出手段と、制御手段とを備え、前記制御手
段は被加熱物の重量と被加熱物が設定温度に達するまで
の時間より食品だけの重量を推定し、この推定重量に基
づき以降の調理時間の再計算を行うことによって被加熱
物の加熱特性を制御する構成とし、前記加熱特性の制御
は解凍調理制御であって、前記被加熱物の重量より第1
ステージの調理時間を計算し、前記被加熱物の温度取り
込みを開始した後加熱を開始し、第1ステージ中に被加
熱物の最低温度が設定温度になったかどうかを判断し、
設定温度以上になった場合は加熱開始から設定温度以上
になった時までの経過時間より食品だけの重量を推定し
て第1ステージを終了し、設定温度にならなかった場合
は前記被加熱物の重量を食品だけの重量と推定して第1
ステージを終了し、前記推定重量に基づき以降の調理時
間の再計算を行うようにしたものである。
を検出できるので、被加熱物の重量と設定温度に達する
までの時間より食品だけの重量を推定し、以降の加熱時
間を推定重量によって再計算するので被加熱物の食品の
みの重量に応じた適正加熱時間で調理を行うことができ
る。
なった場合は出力を落とすので、初期温度が高かった場
合や、被加熱物の形状で局部的に電磁波が集中して温度
が上昇した場合でも、出来過ぎることなく、加熱するこ
とができる。
る検出手段と、前記検出手段によって検出された重量に
よって加熱特性を決定する加熱特性決定手段と、前記加
熱特性に従って被加熱物を加熱する加熱手段と、前記被
加熱物の温度を検出する温度検出手段と、制御手段とを
備え、前記制御手段は被加熱物の重量と被加熱物が設定
温度に達するまでの時間より食品だけの重量を推定し、
この推定重量に基づき以降の調理時間の再計算を行うこ
とによって被加熱物の加熱特性を制御する構成とし、前
記加熱特性の制御は解凍調理制御であって、前記被加熱
物の重量より第1ステージの調理時間を計算し、前記被
加熱物の温度取り込みを開始した後加熱を開始し、第1
ステージ中に被加熱物の最低温度が設定温度になったか
どうかを判断し、設定温度以上になった場合は加熱開始
から設定温度以上になった時までの経過時 間より食品だ
けの重量を推定して第1ステージを終了し、設定温度に
ならなかった場合は前記被加熱物の重量を食品だけの重
量と推定して第1ステージを終了し、前記推定重量に基
づき以降の調理時間の再計算を行うような構成とした。
そして高周波加熱調理が進み、被加熱物の食品温度が設
定温度に達したら、それまでの加熱時間より被加熱物重
量を推定し、以降の加熱時間を推定重量から再計算する
ので、加熱時間を適正にすることができる。
達した場合、高周波電磁波の出力を変更できるようにし
た。加熱中、初期温度が高かった場合や、被加熱物の形
状によって局部的に電磁波が集中し温度が上昇した場合
でも、あらかじめ設定した温度に達したら、高周波電磁
波の出力を落とすことで解凍肉の煮えを防ぐことができ
る。
て説明する。
加熱室4内の載置台5上に載置されている。載置台5は
回転機構7により加熱室4内で回転し、被加熱物2を回
転させる構成である。回転機構7には重量センサーが設
けられており、被加熱物2の重量を検出し、制御手段8
に信号を入力する。高周波電磁波を発生するマグネトロ
ン1は導波管3を介して加熱室4に結合し、給電開口部
11から給電される構成となっている。マグネトロン1
は制御手段8に接続する駆動用電源12(インバータ)
によって放射レベルすなわち出力の変更を行う。導波管
3の上部には温度検出手段である赤外線センサー13が
設けられている。赤外線センサー13は4個の検出素子
を有し、各検出素子は右側壁面に設けた孔14、15を
介して載置台5の表面の赤外線量あるいは被加熱物2が
載置された状態では被加熱物2の表面の赤外線量を検出
し、検出した信号は制御手段8に入力させている。赤外
線センサ13の4個の検出素子の検出領域は図2におい
て一点破線の丸印16a〜16dで示す領域に設定して
いる。検出領域16aは載置台5の略中央領域、検出領
域26dは載置台5の周縁領域、検出領域16b、16
cはその間の領域に設定している。載置台5はセラミッ
ク材料で構成し、回転台6は金属材料にて構成してい
る。底壁面17および上壁面18の加熱室4の外側には
輻射加熱用のヒータ(図示せず)を設けている。
「解凍」キーや「あたため」キー、使用者の意図に基づ
いて加熱を実行する「加熱時間入力部」や「加熱温度入
力部」加熱中の被加熱物温度や調理残り時間を表示する
表示部、加熱開始を入力する「スタート」キー、および
入力条件をクリアしたり加熱を中断する場合に使用する
「取消」キー等を備えている。
作手順と制御内容について図3、4を用いて説明する。
1、P2、P3の3ステージからなる。まず使用者は被
加熱物2を載置台5の上に載せ、加熱室4内に収納載置
した後、操作部上の「解凍」キーを選択する(S10
1)。次に「スタート」キーを押す(S102)ことで
解凍調理が開始される。なお、S103は「スタート」
キーが押されたことを確認するものであり、「スター
ト」キーに先だって「取消」キーが押されるとS101
に戻る。
の駆動モーター7を動作させて載置台5を回転させる
(S104)。駆動モータ7は同期モータで構成してお
り、商用電源周波数が60Hzの場合、載置台5を1回
転させるのに要する時間は10秒である。次に、制御手
段8は被加熱物の重量を取り込む(S105)。取込が
完了したら、この時の重量をWとし(S106)、ステ
ージP1の時間T1を以下の式で計算する(S10
7)。
は初期食品温度により定まる定数である。T1の計算が
終了すると制御手段8は、赤外線センサ13の検出信号
の取り込みを開始する(S108)。赤外線センサ13
の4素子の取り込みは0.5秒間隔で行われ、20回行
うと丁度載置台1周分のデータ(80ポイント)を取り
込むことができる。温度計測開始から1周目の80ポイ
ントのうち最低温度を初期食品温度とし、調理時間の計
算に用いる。重量の検出、載置台1周分の温度データが
検出完了(S109)すると制御手段8はマグネトロン
1の駆動電源であるインバータ12に信号を送り誘電加
熱が開始される(S110)。P1ステージ中、被加熱
物2のポイント中の最低温度があらかじめ設定していた
温度K1以上になったかどうかを判断し(S111)、
K1以上になったらそれまで経過した時間をt1とし
て、S113の食品重量の推定に移る。K1まで温度上
昇がない場合はT1時間を経過したか判断し(S11
2)、経過した時点でステージP1は終了する。終了す
るまではS111の温度判断工程に戻る。被加熱物2の
温度がK1以上になった場合、先のt1より被加熱物2
の食品重量を再計算する(S113)。
間経過した時点でW’=Wとする。この算出されたW’
に基づき、以降の調理時間の再計算を行う(S11
4)。
度ポイントの最高温度がK2以上になったら(S11
5)、制御手段8はインバータ12への信号出力をスト
ップし、加熱が停止するようにした(S116)。この
場合、T2時間が経過するまではS115の判断を繰り
返す。P2ステージが終了したら最終ステージのP3ス
テージに移り、誘電加熱を再開する(S118)。P3
ステージにも同様に温度限度値K3を設定してあり、被
加熱物2の温度ポイントの最高値がK3以上になれば
(S119)加熱を停止する(S120)。最終ステー
ジの終了時間がくれば(S121)、マグネトロン1を
OFF(S122)、駆動モータ7をOFF(S12
3)して調理終了する。
った結果を述べる。まず冷凍庫(−20℃)から出した
ばかりのトレーに載った牛スライス肉の重量を測定する
と295gであった。この牛スライス肉を解凍開始する
と、重量センサの測定誤差もあり、この時は308gと
検出され、トータル調理時間は7分3秒であった。温度
分布を測定すると−2.0〜8.2℃で煮えもなく良好
な出来映えであった。
同様の実験を行った。実際の重量288gに対し、セッ
トが検出した重量は304gでトータル調理時間は6分
35秒であった。温度分布を測定すると−1.5〜2
3.8℃とこの場合でも良好に解凍することができた。
トレーでなく陶器製皿に載せての解凍も行った。−20
℃の牛スライス肉300gを陶器製皿に載せるとトータ
ル重量が630gであった。この時のトータル調理時間
が7分5秒であった。温度分布を測定すると−0.8〜
34.5℃となりトレーがお皿に変わってもほぼ同じ時
間で解凍調理が終了し、出来映えも良好であった。
定数K1、K2、K3は実験により設定した値を制御手
段8にあらかじめ記憶してある。使用者によっては調理
容器が決まっている、牛ミンチしか解凍しない、等好み
から使用状況が限定される場合がある。その場合でも、
使用者の経験から温度判断定数K1、K2、K3を操作
部から入力設定すれば、同じ制御方法を利用して、使用
者好みに応じた解凍調理ができる。
の温度を検出し、重量で定めた加熱特性を調理途中で変
更することで良好な解凍性能を得ることができる。
出する温度検出手段13は赤外線を検出する複数の素子
を4個のものについて説明したが4個に限定するもので
なく載置台5の大きさ等から最適な個数の素子を選択す
ればよく、温度が検出できるものであれば赤外線センサ
以外のセンサを使用してもよい。また加熱特性には電磁
波の放射レベルや加熱時間だけでなく、ヒータの制御を
含めてもよい。
によれば、温度検出手段と被加熱物を回転させる回転機
構により加熱中の被加熱物の各部の温度分布を検出する
ことができ、検出した温度によって調理終了時間や高周
波電磁波の放射パターン等の加熱特性を変更することに
よって、トレー以外のお皿に載せた場合や被加熱物の初
期温度が一般的な冷凍庫温度(−20℃)以外の場合で
も適温で仕上がる解凍調理ができる。
図
ート
ングチャート
ングチャート
Claims (3)
- 【請求項1】 被加熱物の重量を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された重量によって加熱特性
を決定する加熱特性決定手段と、前記加熱特性に従って
被加熱物を加熱する加熱手段と、前記被加熱物の温度を
検出する温度検出手段と、制御手段とを備え、前記制御
手段は被加熱物の重量と被加熱物が設定温度に達するま
での時間より食品だけの重量を推定し、この推定重量に
基づき以降の調理時間の再計算を行うことによって被加
熱物の加熱特性を制御する構成とし、前記加熱特性の制
御は解凍調理制御であって、前記被加熱物の重量より第
1ステージの調理時間を計算し、前記被加熱物の温度取
り込みを開始した後加熱を開始し、第1ステージ中に被
加熱物の最低温度が設定温度になったかどうかを判断
し、設定温度以上になった場合は加熱開始から設定温度
以上になった時までの経過時間より食品だけの重量を推
定して第1ステージを終了し、設定温度にならなかった
場合は前記被加熱物の重量を食品だけの重量と推定して
第1ステージを終了し、前記推定重量に基づき以降の調
理時間の再計算を行う高周波加熱装置。 - 【請求項2】 被加熱物が設定温度に達した場合に以降
の加熱時間を短縮することを特徴とする請求項1記載の
高周波加熱装置。 - 【請求項3】 被加熱物が設定温度に達した場合に加熱
手段の出力を下げることを特徴とする請求項1記載の高
周波加熱装置。
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JP2000114778A JP3402308B2 (ja) | 2000-04-17 | 2000-04-17 | 高周波加熱装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Families Citing this family (3)
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- 2000-04-17 JP JP2000114778A patent/JP3402308B2/ja not_active Expired - Fee Related
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