JP3399377B2 - 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置 - Google Patents

光ファイバケーブルの製造方法および製造装置

Info

Publication number
JP3399377B2
JP3399377B2 JP33278398A JP33278398A JP3399377B2 JP 3399377 B2 JP3399377 B2 JP 3399377B2 JP 33278398 A JP33278398 A JP 33278398A JP 33278398 A JP33278398 A JP 33278398A JP 3399377 B2 JP3399377 B2 JP 3399377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
optical fiber
insertion point
slot rod
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33278398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000155249A (ja
Inventor
靖 伊藤
雅一 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP33278398A priority Critical patent/JP3399377B2/ja
Publication of JP2000155249A publication Critical patent/JP2000155249A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3399377B2 publication Critical patent/JP3399377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、らせん溝が形成さ
れたスロットロッドにテープ状光ファイバ心線が挿入さ
れた光ファイバケーブルの製造方法および製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】テープ状光ファイバ心線をらせん溝が形
成されたスロットロッドに挿入した光ファイバケーブル
は、各溝に挿入するテープ状光ファイバ心線の枚数を多
くすることにより、多心数の光ファイバケーブルを構成
することができる。
【0003】特公平6−64220号公報に記載された
光ファイバケーブルの製造方法では、らせん溝が形成さ
れたスロットロッドの溝内にテープ状光ファイバ心線を
1枚ずつ個別の集合ダイスで同一の溝内に順次積層させ
て集合する方法である。
【0004】しかし、実際のスロットロッドの溝のピッ
チが均一ではないから、各集合ダイスの位置において、
溝のねじれ角度が常に一定ではなく、長さ方向で変動す
る。上記公報に記載の光ファイバケーブルの製造方法で
は、溝のねじれ角度の変動についての考慮は払われてい
ない。また、スロットロッドの進行方向に順次個別に設
置された集合ダイスは、挿入しようとするテープ状光フ
ァイバ心線の枚数分だけ必要で、1つの溝に10枚のテ
ープ状光ファイバ心線を積層して収納するような構造の
光ファイバケーブルを製造するには、集合ダイスをスロ
ットロッドの長手方向に10箇所設ける必要がある。1
枚づつを集合する個別の集合ダイスは、デリケートなテ
ープ状光ファイバ心線を集線、案内する必要性から、そ
れぞれの個別ダイスの手前に集線用のスペースを作る必
要があり、このような集合ダイスを多箇所に設けるに
は、集合設備を長くせざるを得ないので、線製造設備が
長大化して、設置スペースが大きくなり設備投資がかさ
むという問題がある。
【0005】螺旋ピッチの変動に対応したらせん溝が形
成されたスロットロッドへの光ファイバ挿入方法が、特
公平6−72971号公報に記載されている。この方法
は、集合点近傍で溝内にピンを挿入して、溝のピッチ変
動によりピンに加えられる力をロードセルで測定しなが
ら、ピンに加えられる力が零になるようにスロットロッ
ドの移動速度を制御するものである。
【0006】この方法では、スロットロッドに収納する
テープ状光ファイバ心線は、全てが1箇所で挿入される
ことが必要であり、テープ状光ファイバ心線の集線時に
おけるテープ状光ファイバ心線相互の干渉や、溝内に収
納された後のテープ状光ファイバ心線の長さ(歪み)を
最適にすることは困難である。
【0007】特公平5−29087号公報に記載された
スロット型ケーブルの製造装置では、ドラムツイスト型
集合機で、らせん溝が形成されたスロットロッドを用い
た光ファイバケーブルを製造するもので、スロットロッ
ドのスロット溝のねじれ角の変動を回転可能な集合ダイ
スの回転角変化で検出し、集合ダイスの位置をスライド
させてねじれを吸収し、その集合ダイスのスライド位置
を検出して中立位置に戻すようにスロットロッドの引き
取り速度を制御するものである。
【0008】この製造装置も、スロットロッドに収納す
るテープ状光ファイバ心線は、全てが1箇所で挿入され
ることが必要であり、テープ状光ファイバ心線の集線時
におけるテープ状光ファイバ心線相互の干渉や、溝内に
収納された後のテープ状光ファイバ心線の長さ(歪み)
を最適にすることは困難であるという問題がある。
【0009】らせん溝が形成されたスロットロッドに収
納されたテープ状光ファイバ心線の収納状態について図
8で説明する。図中、44は溝底、45,46はテープ
状光ファイバ心線、47は側圧を受ける部分である。テ
ープ状光ファイバ心線をスロットロッドの溝に収納しよ
うとしたときに、各テープ状光ファイバ心線が溝の中に
着地する前に、溝底44側のテープ状光ファイバ心線4
5が、溝外側のテープ状光ファイバ心線46と接触する
と、進行速度の速い溝外側のテープ状光ファイバ心線4
6に引きずられて溝底44側のテープ状光ファイバ心線
45が幾何学的に最適な長さよりも長く収納されてしま
う。溝外側のテープ状光ファイバ心線46は適正な長さ
になるが、溝底44側のテープ状光ファイバ心線45は
余った状態になる。テープスロット型光ケーブルは、そ
の構造から溝底44側のテープ状光ファイバ心線45
は、溝上側のテープ状光ファイバ心線46によって溝底
側に押しつけられており、余った状態となったテープ状
光ファイバ心線は、スロット溝内で行き場を失い蛇行せ
ざるを得なくなる。このため、その程度によっては、矢
印47の部分で大きな側圧を受けて、光ファイバの伝送
損失特性が悪化するといった不具合を生じる。特にこの
現象は、1つの溝に積層収納されるテープ状光ファイバ
心線の枚数が多いと、当然ながら顕著となり、5枚積層
の場合よりも10枚積層の場合が伝送損失特性により深
刻な影響を及ぼす。
【0010】さらに、積層枚数が多いほど配列も不安定
になる。そのため、集合ダイス付近でテープ状光ファイ
バ心線のパスラインを変化させ、光ファイバケーブルが
ねじられたりすると、スロット溝内でのテープ状光ファ
イバ心線の配列が乱れやすいという問題がある。配列が
乱れやすいと、製造線速を低下させて対処せざるを得
ず、生産性、生産コスト、特に、生産量を確保するに必
要な設備台数が著しく多くなる問題がある。ちなみに、
テープ状光ファイバ心線の集合設備は、設備自体が高価
であるだけでなく、大きな設置面積が必要であり、それ
に伴う土地の確保や、建屋の増築といった大きな設備投
資負担を伴い、設備台数の増加は企業にとって深刻な問
題になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、溝のねじれ角度の長さ方向
の変動を制御吸収できるとともに、テープ状光ファイバ
心線の相互干渉や最適長さの制御が可能であり、しか
も、設備長も抑えることができる光ファイバケーブルの
集合方法および装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、らせん状に形
成された溝を有するスロットロッドを、その軸周りに回
転させながら軸方向へ移動させつつ、複数箇所の挿入点
において、それぞれ少なくとも1つの溝内に複数枚のテ
ープ状光ファイバ心線を積層挿入させる光ファイバケー
ブルの製造方法において、前記複数箇所の挿入点の間隔
を、前記スロットロッドの標準となる溝ピッチの略整数
倍とし、前記複数箇所の挿入点のうちの第1の挿入点の
近傍における溝の前記スロットロッドにおける周方向角
度位置を検出し、検出結果に基づいて前記スロットロッ
ドの軸方向の移動速度および/または軸周りの回転速度
を制御し、前記複数箇所の挿入点のうちの前記第1の挿
入点と異なる他の挿入点の近傍の検出点における溝の前
記スロットロッドにおける周方向角度位置を検出し、検
出結果に基づいて前記他の挿入点または前記他の挿入点
とその近傍の前記検出点を前記スロットロッドの軸方向
に移動させるよう制御することを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明は、らせん溝が形成されたス
ロットロッドをその軸周りに回転させながら軸方向へ移
動させつつ、複数箇所の挿入点において、それぞれ少な
くとも1つの溝内に複数枚のテープ状光ファイバ心線を
積層挿入させる光ファイバケーブルの製造装置におい
て、前記複数箇所の挿入点の間隔が、前記スロットロッ
ドの標準となる溝ピッチの略整数倍であって、前記複数
箇所の挿入点のうちの第1の挿入点の近傍に設けられ、
溝の前記スロットロッドにおける周方向角度位置を検出
する溝位置検出手段と、該溝位置検出手段の検出出力に
基づいて前記スロットロッドの軸方向の移動速度および
/または軸周りの回転速度を制御する制御手段と、前記
複数箇所の挿入点のうちの前記第1の挿入点と異なる他
の挿入点の近傍の検出点に設けられ、溝の前記スロット
ロッドにおける周方向角度位置を検出する溝位置検出手
段と、該溝位置検出手段の検出出力に基づいて前記他の
挿入点または前記他の挿入点と検出点を前記スロットロ
ッドの軸方向に移動させるよう制御する制御手段を有す
ることを特徴とするものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ファイバケー
ブルの製造方法および製造装置の実施の形態の一例を説
明するための光ファイバケーブル製造装置の概略構成図
である。図中、1はスロットロッド、2はスロットロッ
ド供給装置、3は供給ドラム、4は巻取装置、5は引取
装置、6は巻取ドラム、7は心線供給リール、8はテー
プ状光ファイバ心線、9は集合ダイス、10は心線供給
リール、11はテープ状光ファイバ心線、12は集合ダ
イス、13はテープ巻装置である。
【0035】スロットロッド1は、らせん溝が形成され
たものであり、スロットロッド供給装置2から供給され
て、溝にテープ状光ファイバ心線が挿入されて巻取装置
4で巻き取られる。スロットロッド供給装置2は、供給
ドラム3を内蔵してドラムツイスト型に構成され、繰り
出すスロットロッド1の中心軸を中心軸として軸周りに
回転駆動される。巻取装置4は、引取装置5と巻取ドラ
ム6を内蔵して、ドラムツイスト型に構成され、巻き取
るスロットロッド1の中心軸を中心軸として軸周りに回
転駆動される。スロットロッド供給装置2と巻取装置4
の回転は、同期して同一の回転速度であり、また、スロ
ットロッド1の供給速度と巻取速度も一致しており、ス
ロットロッド1は、スロットロッド供給装置2と巻取装
置4の間を直線状に延ばされた状態で、その軸周りに回
転しながら巻取機の方向に移動される。このとき、スロ
ットロッド1の移動速度と回転速度を、スロットロッド
1の外周面に形成されたらせん溝のピッチと一致させる
ことで、スロットロッド供給装置2と巻取装置4の間に
配置されている集合ダイス9,12、すなわち、テープ
状光ファイバ心線の挿入点において、理論的には溝の位
相、すなわち、溝のスロットロッドにおける周方向角度
位置が不変になる。
【0036】したがって、第1の挿入点において、心線
供給リール7から供給された、複数枚のテープ状光ファ
イバ心線8は、集合ダイス9において、溝の周方向角度
位置が変わることがなく、したがって、テープ状光ファ
イバ心線8は、常に同じ状態でスロットロッド1の溝に
挿入される。第2の挿入点においても、同様に、心線供
給リール10から供給された、テープ状光ファイバ心線
11は、集合ダイス12において、溝の周方向角度位置
が変わることがなく、したがって、テープ状光ファイバ
心線11も、常に同じ状態でスロットロッド1の溝に挿
入される。テープ状光ファイバ心線が挿入されたスロッ
トロッド1の上に、テープ巻装置13で押さえ巻きがさ
れて、引取装置5で引き取られながら巻取装置4の巻取
ドラム6に巻き取られる。
【0037】しかしながら、スロットロッド1の実際の
ピッチは、スロットロッドの製造のピッチ誤差や製造工
程中のガイドホイールでの曲がりなどによって、スロッ
トロッド1の長さ方向にバラツキが生じる。このため、
挿入点において溝のスロットロッド1の周方向角度位置
が変化し、挿入状態の同一性が保証されないという問題
がある。
【0038】挿入点における溝の周方向角度位置の変化
に対する補正制御として、上述した特公平6−7297
1号公報に記載されたように、スロットロッドの溝の周
方向角度位置の変化を溝に差し込んだピンが溝の内周面
より受ける力を検出し、この力を零となるように制御す
る方法は、一般的であり、かつ、安定している。この実
施の形態では、この検出方法を採用したが、溝の周方向
角度位置の変化の検出方法は、この方法に限られるもの
ではない。溝の周方向角度位置を直接光学的に検出する
ようにしてもよい。
【0039】図2は、溝の周方向角度位置を検出する溝
位置検出手段の一例を説明するためのもので、図2
(A)は要部を断面で示した側面図、図2(B)は下流
側からみた正面図である。1はスロットロッド、14は
基台、14a,14bは支持部、15はトルク検出ダイ
ス、15aはピン部材、15bは光ファイバ心線通過
孔、16は軸受、17はアーム部材、18はトルク検出
部、18aは入力軸、19は集合ダイス、20はテープ
状光ファイバ心線である。
【0040】基台14には、支持部14a,14bが形
成され、一方の支持部14aは溝位置検出手段を支持
し、他方の支持部14bは集合ダイス19を支持してお
り、両支持部14a,14bは可能な限り接近した位置
に設けられるのがよい。この実施の形態における溝位置
検出手段は、トルク検出ダイス15の回転トルクを検出
するのが検出原理である。トルク検出ダイス15は、軸
受16によって、基台14の支持部14aに回転可能に
支持され、その中心部には、スロットロッド1が通過で
きる孔が設けられている。また、スロットロッド1を通
過させる孔の内周部にスロット部材1の各溝に挿入可能
なピン部材15aが一体的に形成されている。この実施
の形態では、スロットロッド1として、4本の溝が形成
されたものを対象としたから、4本のピン部材15aが
形成され、光ファイバ心線通過孔15bも、4個形成さ
れている。しかし、ピン部材15aの数を1つとして、
1つの溝にだけ挿入させてもよく、ピン部材15aの数
を2つまたは3つとして、2つまたは3つの溝に挿入し
てもよい。ピン部材15aの数を2つとした場合には、
隣り合う2つの溝に挿入するようにピン部材15aを形
成してもよいが、1つおきの溝に挿入するようにピン部
材15aを形成してもよい。溝の数は、4本に限られる
ものではなく、3本以下でも、5本以上でもよい。溝が
5本以上のスロットロッドの場合も、全ての溝にピン部
材15aを挿入することに限られず、一部の溝のみ、例
えば1本おき、あるいは、2本おきの溝にピン部材15
aを挿入するようにしてもよい。
【0041】トルク検出ダイス15には、アーム部材1
7が取り付けられ、アーム部材17の先端は、トルク検
出部18の入力軸18aに連結されている。トルク検出
部18として、ロードセルを用いて入力軸18aが左右
方向(図2(B)における左右方向)に受ける回転力を
検出する構成とした。また、トルク検出部18は、トル
ク検出ダイス15の回転トルクを検出するものである
が、回転トルクを検出する代わりにトルク検出ダイス1
5を溝の周方向角度位置に伴って回転されるようにし
て、その回転変位を検出するようにしてもよい。回転変
位の検出方法としては、光電的な検出方法や差動トラン
スなどの電気的な検出方法など、一般の変位検出方法を
採用することができる。
【0042】トルク検出ダイス15による溝の周方向角
度位置の検出原理について説明しておく。トルク検出ダ
イス15とスロットロッド1の位置が、図2(B)に示
す位置である場合が、集合ダイス19においてテープ状
光ファイバ心線20を溝に挿入するに適正な位置であ
り、このときのトルク検出部18の出力が零となるよう
にセッティングする。スロットロッド1の溝が標準状態
を維持しており、図1で説明したように、スロットロッ
ド供給装置2と巻取装置4の回転速度と、スロットロッ
ド1の引取速度が、スロットロッド1の外周面に形成さ
れたらせん溝のピッチと一致している場合には、溝の周
方向角度位置は一定であり、したがって、トルク検出ダ
イス15が回転されることはなく、トルク検出部18が
受ける回転力はなく、トルク検出部18の出力は零を継
続する。
【0043】スロットロッド1のらせん溝のピッチが変
化すると、トルク検出ダイス15の位置における溝の周
方向角度位置が変化し、トルク検出ダイス15のピン部
材15aが溝の内周面で押されてトルク検出ダイス15
が回転されようとする。この回転トルクは、トルク検出
部18でロードセルにより受けとめられて検出されるこ
とによって、溝の周方向角度位置を検出することができ
る。
【0044】なお、基台14の支持部14a,14bに
よりそれぞれ支持されるトルク検出ダイス15と集合ダ
イス19との間隔は、可能な限り小さいことが望まし
い。しかし、両者の間隔を零にはできない。そうする
と、トルク検出ダイス15と集合ダイス19との間に
は、らせん溝のらせん角度に応じたずれが生ずる。両者
が極近傍に配置された場合には、このずれは無視しても
よいが、このずれを見越して標準ピッチでの両者間のず
れに応じた角度で集合ダイスでの溝の周方向角度位置に
対応させてトルク検出ダイス15の零位置をセットする
ようにしてもよい。
【0045】図1にもどって説明する。第1の挿入点、
および、第2の挿入点は、集合ダイス9,12ととも
に、図2で説明したように、溝位置検出手段が設けられ
ている。この実施の形態では、らせん溝のピッチの変化
による第1の挿入点で検出した溝の周方向角度位置の変
化に応じて、引取機5を制御して引取速度を変化させ
て、溝の周方向角度位置を正規の位置に戻す。例えば、
溝位置検出手段に上述したようにロードセルを用いた場
合には、その出力が零になるように制御する。引取速度
を制御する代わりに、スロットロッド供給装置2と巻取
装置4の回転速度を制御してもよいし、引取速度と回転
速度の両方を制御してもよい。一般に、回転系の慣性が
大きいので、引取速度を制御する方法が有利である。
【0046】引取速度および/または回転速度の制御に
より、第1の挿入点におけるテープ状光ファイバ心線の
挿入に際して溝の周方向角度位置のずれは解消できる。
しかし、第2の挿入点での溝の周方向角度位置のずれは
解消できない。
【0047】この実施の形態では、第2の挿入点におい
ても溝の周方向角度位置を検出する。溝位置検出手段
は、この実施の形態では図2で説明したと同様の構成の
ものを用いた。溝の周方向角度位置が変化して溝位置検
出手段に出力が生じた場合、この出力を制御入力とし
て、第2の挿入点をスロットロッド1の前方または後方
に移動させる。溝位置検出手段の出力が零となるように
制御することによって、第2の挿入点における溝の周方
向角度位置を正規の位置に制御することができる。
【0048】図3は、第2の挿入点の説明図である。図
中、1はスロットロッド、21は可動台、21a,21
bは支持部、22はナット、23はねじ軸、24,25
は軸受、26はサーボモータである。可動台21は、図
2で説明した基台に相当するもので、支持部21aは溝
位置検出手段を支持し、支持部21bは集合ダイスを支
持しており、それらの説明は、図2で説明したと同様で
あるので、説明を省略する。可動台21にはねじ軸23
に螺合したナット22が固定されており、ねじ軸23の
正逆回転により可動台21がスロットロッド1の軸方向
の前後に移動する。溝の周方向角度位置が正規の位置か
ら変化すると、上述したように、溝位置検出手段に変化
に応じた出力が生じる。その出力によりサーボモータ2
6を正転または逆転させて可動台21を移動させてロー
ドセルの出力が零になるように制御することによって、
溝の周方向角度位置を正規の位置にすることができる。
【0049】ねじ軸の駆動を行なう制御用のサーボモー
ター26としては、スロットロッド1のピッチの急速な
変化にも追随できるように、応答性に優れたサーボモー
ターを用いて、可動台21を基準位置から前後へ瞬時に
方向転換したり、移動速度を急速に変化できるものがよ
い。
【0050】図4は、制御系の一例の説明図である。図
中、図1〜図3と同様の部分には同じ符号を付して説明
を省略する。27は第1の挿入点、28は第2の挿入
点、29は増幅器、30はPLC、31は駆動回路、3
2は駆動モータ、33は増幅器、34はPLC、35は
駆動回路である。
【0051】第1の挿入点27における溝位置検出手段
の出力、例えば、ロードセルの出力は、増幅器29で増
幅され、標準信号S1とともにPLC30に入力され
て、ロードセルの出力信号があった場合に、その信号の
極性に応じて、標準信号が増減されて記憶され、その記
憶値に基づいて駆動回路31を介して、引取機5を駆動
する駆動モータ32が駆動される。標準信号S1は、ス
ロットロッド1のらせん溝のピッチが標準のピッチであ
る場合に、スロットロッド1を引き取る所定速度を与え
る信号である。例えば、らせん溝のピッチが標準のピッ
チより短くなった場合は、標準信号の値を小さくなる方
向に演算されて記憶され、引取速度が低い方向に変化さ
れる。第1の挿入点27において、溝の周方向角度位置
の変化が解消したことにより、増幅器29の出力信号は
零となるから、標準信号の値より小さくなった値が記憶
された状態で、テープ状光ファイバ心線8の挿入とスロ
ットロッド1の引取が行なわれる。らせん溝のピッチが
標準のピッチより大きくなった場合は、引取速度が高い
方向に制御される。
【0052】第2の挿入点28における溝位置検出手段
の出力、例えば、ロードセルの出力は、増幅器33で増
幅され、PLC34に入力されて、移動台21の移動信
号が作成され、駆動回路35を介してサーボモータ26
を駆動する。例えば、らせん溝のピッチが標準のピッチ
より短くなった場合は、サーボモータ26を正転させ
て、移動台21を第1の挿入点27に近づく方向に移動
させる。第2の挿入点28において、溝の周方向角度位
置の変化が解消したことにより、増幅器29の出力信号
は零となるから、サーボモータ26は停止し、その状態
で、テープ状光ファイバ心線11の挿入とスロットロッ
ド1の引取が行なわれる。らせん溝のピッチが標準のピ
ッチより長くなった場合は、サーボモータ26を逆転さ
せ、第1の挿入点27より遠くなる方向に移動させる。
【0053】第2の挿入点の他に、さらに挿入点を設け
てもよい。その場合は、さらに設けた挿入点におけるら
せん溝のピッチの変化に対しては、図3で説明した第2
の挿入点と同様に、挿入点を前後に移動させる制御を行
なう。
【0054】このように、複数の挿入点を設けた本発明
においては、第1の挿入点は、引取速度および/または
回転速度の制御により挿入点において正規の溝の周方向
角度位置となるように制御を行ない、第2の挿入点以下
の第1の挿入点以外の挿入点は、挿入点の位置を移動さ
せる制御を行なう。挿入点の配置としては、原理的に
は、各挿入点の配置の順序はどのような順序であっても
問題ないが、テープ状光ファイバ心線を溝内に設計通り
の色配列で配置する製造スタート前の作業性の問題か
ら、一般的には、第1の挿入点を最上流側に配置し、他
の挿入点をその下流側に配置するのが好ましい。
【0055】このように、本発明では、スロットロッド
の軸方向に複数の挿入点を設ける。多数の溝、多数の枚
数のテープ状光ファイバ心線をただ1箇所の挿入点でス
ロットロッドに挿入することは、物理空間的に困難な問
題を生じる。このために挿入点を複数設けたのである。
複数の挿入点におけるテープ状光ファイバ心線の挿入方
法としては、2つの方法を採用できる。
【0056】その1は、1つの溝に挿入するテープ状光
ファイバ心線の枚数を分けて複数箇所の挿入点で挿入す
る方法である。例えば、3箇所の挿入点で分けて挿入す
る場合には、1つの溝に挿入されるテープ状光ファイバ
心線の枚数を3つに分けて、3箇所で挿入する方法であ
る。この場合、テープ状光ファイバ心線の積層枚数が、
1つの溝当たり10枚以上のように多い場合、1つの挿
入点での積層枚数を5枚以下に制限するのがよい。例え
ば第1の挿入点で5枚、第2の挿入点で5枚、第3の挿
入点で残りの枚数といったように分けて挿入する。枚数
がさらに多い場合には、4箇所以上で挿入を行なう。ま
た、例えば、1つの溝当たりの積層枚数が6枚のような
ときには、第1の挿入点で3枚、第2の挿入点で残り3
枚を挿入するようにすれば、テープ状光ファイバ心線相
互の張り歪みを均一化できるので伝送損失特性確保がよ
り容易になる。
【0057】その2は、第1の挿入点で、一部の溝に挿
入を行ない、第2の挿入点で残りの溝に挿入するという
ように、挿入する溝の指定を分けて複数箇所の挿入点で
挿入する方法である。例えば、スロットロッドの溝の数
が12本である場合に、第1の挿入点で1つおきの6本
の溝への挿入を行ない、第2の挿入点で残りの1つおき
の6本の溝への挿入を行なうようにする。スロットロッ
ドの溝数が多くなると、1箇所で挿入しようとすると、
各溝への挿入を行なうための設備空間が狭くなり、設備
の配置が困難となるという問題が生じる。この方法のよ
うに、隣接する溝への挿入がスロットロッドの軸方向に
ずらされることにより、この問題を解消できる。溝を3
箇所に分けて挿入してもよい。この2つの方法を組み合
わせてもよいことはもちろんである。
【0058】具体例について説明する。先ず、図5によ
りテープ状光ファイバ心線を説明する。図中、36は光
ファイバ心線、37は共通被覆である。光ファイバ心線
36は保護被覆が施されたものを用いるのが普通であ
る。例えば、外径125μmの裸光ファイバに対して厚
さ62.5μmの紫外線硬化型樹脂による保護被覆を施
して外径250μmとした光ファイバ心線を並べて共通
被覆37により一体化したものである。共通被覆にも例
えば、紫外線硬化型樹脂を用いる。図5(A)は4心で
あり、図5(B)は8心である。4心の場合は、例え
ば、幅は約1.1mm、厚さは約0.3mmである。8
心の場合は、例えば、幅は約2.1mm、厚さは約0.
3mmである。
【0059】図6は、らせん溝が形成されたスロットロ
ッドを用いた光ファイバケーブルの一例の断面図であ
る。図中、38はスロットロッド、39はテンションメ
ンバ、40は溝、41はテープ状光ファイバ心線、42
は押さえ巻き、43はシースである。スロットロッド3
8の中心部には、テンションメンバ39が設けられ、周
囲には溝40が形成されている。この例では、溝40は
13本形成されており、各溝には、8心のテープ状光フ
ァイバ心線41が、10枚ずつ収納されている。テープ
状光ファイバ心線41を収納したスロットロッド38の
上に押さえ巻き42が施され、その上にシース43が施
されている。1040心の光ファイバケーブルである。
【0060】図7は、本発明の光ファイバケーブル製造
装置の具体例の要部の説明図である。図中、図1,図
3,図4と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略
する。この具体例では、第1の挿入点27と第2の挿入
点28の2つの挿入点を用いて、図6で説明した光ファ
イバケーブルを製造するものである。第1の挿入点27
で5枚ずつのテープ状光ファイバ心線8を挿入し、第2
の挿入点28で残りの5枚ずつのテープ状光ファイバ心
線11を挿入する。
【0061】第1の挿入点27と、第2の挿入点28と
の配置間隔Lは、スロットロッド1の標準ピッチの略整
数倍として製造スタート前の作業性とテープ状光ファイ
バ心線配置の確実性を向上させる。例えば、標準ピッチ
が500mmのスロットロッドの場合、第1挿入点と第
2挿入点の基準位置の間隔が2500mmとなるように
設置する。第3の挿入点を設ける場合には、第1の挿入
点と第3の挿入点との配置間隔は5000mmとなるよ
うに設置する。
【0062】このように、挿入点間の間隔は、標準ピッ
チの略整数倍とし、例えば、4〜10倍の範囲の略整数
倍とする。4倍の場合は、標準ピッチ500mmのとき
には挿入点間の間隔を2000mm、10倍の場合は5
000mmと設定する。もちろん、整数倍とすることは
必ずしも要件としなければならないものではなく、溝数
をn、mを整数とした場合、挿入点間の間隔は、標準ピ
ッチの(m+(1/n))倍とほぼ同じとすればよい。
【0063】第1の挿入点27以外の挿入点において、
挿入点をスロットロッド1の軸方向に移動させて制御す
るには、その移動可能長は、基準位置に対して、それぞ
れ巻取装置側方向と供給装置側方向に対して、スロット
ロッドの製造誤差長に、第1の挿入点と当該挿入点との
間隔を標準ピッチで除した値を乗じた移動可能長を持た
せる。したがって、移動可能長の全長は、第1の挿入点
と当該挿入点との間隔を標準となる溝ピッチで除した値
に溝ピッチの製造誤差範囲の長さを乗じた値以上とする
のがよいといえる。例えば、標準ピッチ500mmで、
製造誤差±30mmのスロットロッドを用いた場合で
は、挿入点の間隔が5000mmであれば、これを標準
ピッチ500mmで除した値10を、製造誤差範囲の長
さは60mmに乗じた600mm以上の移動可能長とな
る。移動可能長600mmは、標準ピッチでの可動台の
位置を上述したように5000mmとしておけば、±3
00mmの移動可能長となる。
【0064】上述したように、本発明によれば、より多
くの枚数のテープ状光ファイバ心線を、より多くの溝の
中に配置した光ファイバケーブルの製造を安定して行な
うことができる。
【0065】
【発明の効果】請求項1,7,8,9,17,18に記
載の発明によれば、スロットロッドに複数の挿入点でテ
ープ状光ファイバ心線を挿入できる。それぞれの挿入点
においては、スロットロッドの周方向の溝の位置が一定
を保たれるので、テープ状光ファイバ心線の溝内におけ
る配列が安定し、高速での製造が可能である。特に請求
項9,21に記載の発明では、スロットロッドの軸方向
に分布するらせん溝のピッチ変動を、溝に挿入させたピ
ンが溝の内周面より受ける力を検出することにより、挿
入点が固定され、テープ状光ファイバ心線のパスライン
を一定にできる。また、請求項8,18に記載の発明で
は、溝の位置を光学的に検出することにより、非接触で
精度よく溝の位置を検出することができる。さらに、複
数箇所の挿入点の間隔を、スロットロッドの標準となる
溝ピッチの略整数倍とすることにより、各挿入点でのス
ロットロッド溝の位相が統一され、製造スタート前の作
業において、テープ状光ファイバ心線の位置確認が容易
になりミスを減少させることができ、テープ状光ファイ
バ心線のパスラインの配置設計も容易になる。
【0066】製造を開始する前の作業では、必ず、各挿
入点において空のスロットロッドにテープ状光ファイバ
心線を設計された配列通りに1枚ずつ固定設置していく
作業を行う。この時、設計されたとおり、指定されたと
おりにテープ状光ファイバ心線を番号中に積層配置する
ことが品質管理上重要である。しかしながら、複数の挿
入点を持たせた場合には、例えば第1の挿入点でスロッ
トロッドの一番上に位置する溝をA溝として、ここで必
要なテープ状光ファイバ心線の積層を完了させて、次の
第2の挿入点に前進させ、さらに残りのテープ状光ファ
イバ心線を積層させようとした時に、請求項1,9に記
載のように挿入点の間隔を設置することにより、A溝が
作業側とは反対の位相になっていたり、真下に来ていた
りするようなことがなく、積層作業がやりにくくなるこ
とを防止できる。なぜならば、溝の周方向角度位置が真
下になった場合、テープ状光ファイバ心線の配列が真上
にある場合とスロットロッド軸に対して点対称位置にあ
る関係から配列を誤認したり、溝の周方向角度位置を誤
認しやすくなり、作業ミスを起こしやすい。ケーブル化
の場合この配列を間違えば致命的で、ケーブル全体を廃
却せざるを得ないこととなり、最初からの作り直しが必
要になる。したがって、請求項1,9のように挿入点間
隔を設定しておけば、A溝は、第1の挿入点でも、第2
の挿入点でも必ず同じ位相に現れるため、作業がしやす
く、配列間違いを防止することが容易になる。
【0067】請求項2,10に記載の発明によれば、複
数箇所の挿入点の間隔を、前記スロットロッドの標準と
なる溝ピッチの4〜10倍の範囲内の略整数倍とするこ
とにより、設備の長大化を防止できる。例えば、代表的
な1000心の光ファイバケーブルの場合、8心のテー
プ状光ファイバ心線の125枚が2箇所の挿入点でスロ
ットロッド内に積層される。このような場合、第1の挿
入点と第2の挿入点が接近しすぎていると、テープ状光
ファイバ心線が交錯し適切なパスラインを物理空間的に
配置できなくなる。一方、距離が離れると、第2の挿入
点までの距離が長くなりすぎ、設備的に長大にするとと
もに、より早い移動速度を要するため大きな駆動装置を
使用せざるを得ない。さらに、第2の挿入点における移
動可能長が長くなるのでテープ状光ファイバ心線のパス
ラインを構成するスペースもより広く長いものとならざ
るを得ない。このことは、テープ状光ファイバ心線のパ
スラインで支えるガイドローラーなどの設置間隔を最も
重要な挿入点付近で許容範囲を超えて広くせざるを得
ず、線ぶれが発生しやすくなり、配列の安定を損ねると
いった問題を引き起こす。以上の観点から、現実的な第
1の挿入点と第2の挿入点の設置間隔は、例えば、標準
溝ピッチが500mmの最も標準的なケーブル仕様で、
2000mmから5000mm程度である。つまり、標
準溝ピッチの4〜10倍が適している。このようにすれ
ば、下限値の4倍の場合、2000mmあればなんとか
パスラインが配置でき、上限値の5000mmを越える
と、スロットロッドの溝ピッチの標準的な製作仕様50
0±30mmの条件でも、移動可能長は±300mmと
なり線ぶれを起こさないで済む範囲に収めることができ
る。制御に必要な移動速度も適正な範囲にとどめること
ができる。挿入点を3箇所以上とした場合も同様であ
る。3箇所以上とした場合には、2箇所に比べて長大化
するがやむを得ない。
【0068】請求項3,13に記載の発明によれば、1
箇所の挿入点で1つの溝に積層するテープ状光ファイバ
心線の枚数が5枚以下であることにより、伝送損失特性
を安定できる。スロットロッドにテープ状光ファイバ心
線を収納した光ファイバケーブルでは、テープ状光ファ
イバ心線を溝底側から溝外側に向かって整列積層してい
く。その構造的な特徴から各テープ状光ファイバ心線の
位置によって溝底側のテープ状光ファイバ心線よりも溝
外側に位置するテープ状光ファイバ心線が一定の曲率を
描いているスロットロッドのらせん溝から順次遠い分だ
け同一のケーブル長の中に存在するテープ長が長い状態
になるのが自然である。これは全てのテープ状光ファイ
バ心線が同じ張り歪みを持っていることを前提に説明し
ている。しかし、極端な張り歪みの不均一や、座屈して
蛇行しないかぎり、歪みの違いは問題にならない。これ
が挿入点でのテープ状光ファイバ心線の挙動に次のよう
な影響を及ぼす。つまり、溝の底に順次積層される直前
においては、溝底側よりも溝外側のテープ状光ファイバ
心線の走行速度が速い。両テープ状光ファイバ心線が積
層される直前に接触を開始することは自明であり、この
接触の開始によって溝底側のテープ状光ファイバ心線
は、より速い速度で進んでいる溝外側のテープ状光ファ
イバ心線にテープ状光ファイバ心線間の摩擦力によって
引きずられる。色々な手段を用いて低摩擦力化すること
は一般的に実施されているが、摩擦力を零にできないこ
とは自明である。つまり、値は定かではないものの引き
ずられる力が働き、この力で、溝底側のテープ状光ファ
イバ心線は、自然に収納される場合のテープ状光ファイ
バ心線の状態よりもやや余った状態で最終的にスロット
ロッドの溝内に収納されてしまう。この状態は、その発
生原理からいって、テープ状光ファイバ心線の積層数が
多くなればなるほど一番溝底側のテープ状光ファイバ心
線は余った状態になる。通常テープ状光ファイバ心線は
0.05%程度の張り歪みでケーブル化されるので、実
際には目に見えるほど余っているわけではないが、局部
的に圧縮歪みを受けやすくなり、曲げなどの外乱要因に
よってテープ状光ファイバ心線が蛇行状態になることが
ある。さらに、テープ状光ファイバ心線が張り歪み状態
で積層されるので、溝底に位置するテープ状光ファイバ
心線にかかる側圧は、溝外側にあるテープ状光ファイバ
心線の枚数に応じて増加し、積層枚数が多いほど、より
伝送損失特性は悪化しやすい。しかしながら、同じ状態
で製造しても、光ファイバの特性などのバラツキによっ
て伝送損失が悪化するときと、しないときが確率的に存
在するため、より品質的に安定した製造を行うために
は、このことを考慮した対策が必要となる。したがっ
て、複数の挿入点での挿入を可能にしたことから、1箇
所の挿入点で積層する枚数を制限、減少させることがで
きる。このように、1箇所での積層枚数が多くなればな
るほど、溝底側のテープ状光ファイバ心線が溝外側のテ
ープ状光ファイバ心線に引きずられて最適な長さよりも
より長く収納されて溝内でより余った状態になる。テー
プ状光ファイバ心線の曲げられたときの損失増加する特
性から1箇所での積層枚数は、5枚以下が望ましいとい
える。例えば、1つの溝に10枚積層するタイプの構造
が標準的な光ケーブル構造であるが、2箇所で挿入する
ことにより、各挿入点で半数の5枚ずつ挿入することが
でき、伝送損失特性を安定して確保することができる。
第1の挿入点と同様にその他の挿入点もテープ状光ファ
イバ心線をねじることなくパスラインを一定に保つこと
ができ、かつスロットロッドの溝ピッチ変動にも制御対
応できる。また、複数の挿入点に分散しテープ状光ファ
イバ心線を溝内に収納するので溝外側テープ状光ファイ
バ心線による溝底側テープ状光ファイバ心線の引き込み
を軽減できるので伝送ロスの安定がはかれる。
【0069】請求項4,14に記載の発明によれば、一
般的な光ファイバケーブルの構造において、設備の長さ
や複雑さと伝送損失特性の確保の最適点とし、2箇所で
の挿入が実用的で適している。
【0070】請求項5,15に記載の発明によれば、第
1の挿入点でスロットロッドの溝の内1つおきの溝にテ
ープ状光ファイバ心線を挿入し、第2の挿入点で残りの
溝にテープ状光ファイバ心線を挿入することにより、溝
数の多いスロットロッドへの挿入空間の確保が容易とな
る。スロットロッドの外径が比較的小さく溝の数が多い
場合に、溝が接近して存在するために、テープ状光ファ
イバ心線を狭い場所に多数走行させる必要があり、現実
的にテープ状光ファイバ心線のパスラインをテープ状光
ファイバ心線に無理な曲げやひねりを与えずに、かつ相
互に干渉させることなく配置させることが物理的に困難
になり、デリケートなテープ状光ファイバ心線の信頼
性、伝送特性を損なうこともある。このような場合は1
箇所で挿入せずに、1つおきの溝(例えば奇数番目の
溝)に第1の挿入点でテープ状光ファイバ心線を挿入さ
せ、隣の溝(例えば偶数番目の溝)は第2の挿入点でテ
ープ状光ファイバ心線を挿入させることで物理的空間を
2倍に使用することが可能になり、無理のないテープ状
光ファイバ心線のパスラインを構成することができるよ
うになる。
【0071】請求項6,16に記載の発明によれば、第
1の挿入点で1つの溝に積層されるテープ状光ファイバ
心線の略半数を溝内に挿入し、第2の挿入点で残りの略
半数を溝内に挿入することにより、1箇所での積層枚数
を減少させることでテープ状光ファイバ心線相互の張り
歪み量をより均一化できる。均一化することで伝送損失
特性が容易に確保できる。
【0072】請求項11に記載の発明によれば、挿入点
の移動をサーボモーターにより行なうことにより、応答
性を良好にし、安価に構成できる。スロットロッドのね
じれ角度の変化は急激に現れることが経験的にあり、し
たがって、制御の応答性を良くしておく必要がある。こ
の制御応答性を得るには、サーボモーターが適している
といえる。安価に構成できる点からもサーボモータを用
いることは有利である。
【0073】請求項12に記載の発明によれば、第1の
挿入点以外の他の挿入点のスロットロッドの軸方向の移
動可能長が、第1の挿入点から個々の他の挿入点までの
間隔を標準となる溝ピッチで除した値に溝ピッチの製造
誤差範囲の長さを乗じた値以上であることにより、スロ
ットロッドのピッチ誤差を吸収可能な移動可能長を持た
せることができ、製造中のピッチ変動に対しても制御追
随が可能になる。スロットロッドの溝ピッチの製造誤差
に応じて各挿入点の位置を移動させるが、一般にピッチ
の製造誤差は、スロットロッドのある長さにわたって継
続して発生することが一般的である。例えば、標準ピッ
チ500mmのとき、実際のピッチが520mmになっ
たとすると、例えば10ピッチ分(5000mm)離れ
た場所にある第2の挿入点では、標準位置から20mm
×10=200mm離れた位置が挿入点になるように制
御される。このとき第2の挿入点の移動可能長が200
mm以上ないと、挿入点が設備的にオーバーランするこ
とになり正常な制御ができなくなることになる。また、
実際のピッチが530mmまで変化する可能性があるな
らば、30×10=300mmの移動可能長が制御する
ためには最低限必要となる。したがって、必要な移動可
能長をもたせることにより、ピッチ変動に対応できる。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブルの製造方法および
製造装置の実施の形態の一例を説明するための光ファイ
バケーブル製造装置の概略構成図である。
【図2】溝位置検出手段の一例を説明するためのもの
で、図2(A)は要部を断面で示した側面図、図2
(B)は下流側からみた正面図である。
【図3】第2の挿入点の説明図である。
【図4】制御系の一例の説明図である。
【図5】テープ状光ファイバ心線を説明するための断面
図である。
【図6】らせん溝が形成されたスロットロッドを用いた
光ファイバケーブルの一例の断面図である。
【図7】本発明の光ファイバケーブル製造装置の具体例
の要部の説明図である。
【図8】らせん溝が形成されたスロットロッドに収納さ
れたテープ状光ファイバ心線の収納状態についての説明
図である。
【符号の説明】
1…スロットロッド、2…スロットロッド供給装置、3
…供給ドラム、4…巻取装置、5…引取装置、6…巻取
ドラム、7…心線供給リール、8…テープ状光ファイバ
心線、9…集合ダイス、10…心線供給リール、11…
テープ状光ファイバ心線、12…集合ダイス、13…テ
ープ巻装置、14…基台、14a,14b…支持部、1
5…トルク検出ダイス、15a…ピン部材、15b…光
ファイバ心線通過孔、16…軸受、17…アーム部材、
18…トルク検出部、18a…入力軸、19…集合ダイ
ス、20…テープ状光ファイバ心線、21…可動台、2
1a,21b…支持部、22…ナット、23…ねじ軸、
24,25…軸受、26…サーボモータ、27…第1の
挿入点、28…第2の挿入点、29…増幅器、30…P
LC、31…駆動回路、32…駆動モータ、33…増幅
器、34…PLC、35…駆動回路、36…光ファイバ
心線、37…共通被覆、38…スロットロッド、39…
テンションメンバ、40…溝、41…テープ状光ファイ
バ心線、42…押さえ巻き、43…シース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 らせん状に形成された溝を有するスロッ
    トロッドを、その軸周りに回転させながら軸方向へ移動
    させつつ、複数箇所の挿入点において、それぞれ少なく
    とも1つの溝内に複数枚のテープ状光ファイバ心線を積
    層挿入させる光ファイバケーブルの製造方法において、
    前記複数箇所の挿入点の間隔を、前記スロットロッドの
    標準となる溝ピッチの略整数倍とし、前記複数箇所の挿
    入点のうちの第1の挿入点の近傍における溝の前記スロ
    ットロッドにおける周方向角度位置を検出し、検出結果
    に基づいて前記スロットロッドの軸方向の移動速度およ
    び/または軸周りの回転速度を制御し、前記複数箇所の
    挿入点のうちの前記第1の挿入点と異なる他の挿入点の
    近傍の検出点における溝の前記スロットロッドにおける
    周方向角度位置を検出し、検出結果に基づいて前記他の
    挿入点または前記他の挿入点とその近傍の前記検出点を
    前記スロットロッドの軸方向に移動させるよう制御する
    ことを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数箇所の挿入点の間隔が、前記ス
    ロットロッドの標準となる溝ピッチの4〜10倍の範囲
    内の略整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 1箇所の挿入点で1つの溝に積層するテ
    ープ状光ファイバ心線の枚数が5枚以下であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 挿入点が2箇所であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光ファイバケ
    ーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の挿入点でスロットロッドの溝の内
    1つおきの溝にテープ状光ファイバ心線を挿入し、第2
    の挿入点で残りの溝にテープ状光ファイバ心線を挿入す
    ることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバケーブ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の挿入点で1つの溝に積層されるテ
    ープ状光ファイバ心線の略半数を溝内に挿入し、第2の
    挿入点で残りの略半数を溝内に挿入することを特徴とす
    る請求項4に記載の光ファイバケーブルの製造方法。
  7. 【請求項7】 溝のスロットロッドにおける周方向角度
    位置を検出する手段が、該溝に挿入させたピンが該溝の
    内周面より受ける力を検出するものであることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光ファイ
    バケーブルの製造方法。
  8. 【請求項8】 溝のスロットロッドにおける周方向角度
    位置を検出する手段が、該溝の位置を光学的に検出する
    ものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    か1項に記載の光ファイバケーブルの製造方法。
  9. 【請求項9】 らせん溝が形成されたスロットロッドを
    その軸周りに回転させながら軸方向へ移動させつつ、複
    数箇所の挿入点において、それぞれ少なくとも1つの溝
    内に複数枚のテープ状光ファイバ心線を積層挿入させる
    光ファイバケーブルの製造装置において、前記複数箇所
    の挿入点の間隔が、前記スロットロッドの標準となる溝
    ピッチの略整数倍であって、前記複数箇所の挿入点のう
    ちの第1の挿入点の近傍に設けられ、溝の前記スロット
    ロッドにおける周方向角度位置を検出する溝位置検出手
    段と、該溝位置検出手段の検出出力に基づいて前記スロ
    ットロッドの軸方向の移動速度および/または軸周りの
    回転速度を制御する制御手段と、前記複数箇所の挿入点
    のうちの前記第1の挿入点と異なる他の挿入点の近傍の
    検出点に設けられ、溝の前記スロットロッドにおける周
    方向角度位置を検出する溝位置検出手段と、該溝位置検
    出手段の検出出力に基づいて前記他の挿入点または前記
    他の挿入点と検出点を前記スロットロッドの軸方向に移
    動させるよう制御する制御手段を有することを特徴とす
    る光ファイバケーブルの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記複数箇所の挿入点の間隔が、前記
    スロットロッドの標準となる溝ピッチの4〜10倍の範
    囲内の略整数倍であることを特徴とする請求項9に記載
    の光ファイバケーブルの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記他の挿入点はサーボモーターによ
    り駆動されることを特徴とする請求項9または10に記
    載の光ファイバケーブルの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記他の挿入点の前記スロットロッド
    の軸方向の移動可能長が、前記第1の挿入点から個々の
    前記他の挿入点までの間隔を標準となる溝ピッチで除し
    た値に溝ピッチの製造誤差範囲の長さを乗じた値以上で
    あることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1
    項に記載の光ファイバケーブルの製造装置。
  13. 【請求項13】 1箇所の挿入点で1つの溝に積層する
    テープ状光ファイバ心線の枚数が5枚以下であることを
    特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の
    光ファイバケーブルの製造装置。
  14. 【請求項14】 挿入点が2箇所であることを特徴とす
    る請求項9ないし13のいずれか1項に記載の光ファイ
    バケーブルの製造装置。
  15. 【請求項15】 第1の挿入点でスロットロッドの溝の
    内1つおきの溝にテープ状光ファイバ心線を挿入し、第
    2の挿入点で残りの溝にテープ状光ファイバ心線を挿入
    することを特徴とする請求項14に記載の光ファイバケ
    ーブルの製造装置。
  16. 【請求項16】 第1の挿入点で1つの溝に積層される
    テープ状光ファイバ心線の略半数を溝内に挿入し、第2
    の挿入点で残りの略半数を溝内に挿入することを特徴と
    する請求項14に記載の光ファイバケーブルの製造装
    置。
  17. 【請求項17】 前記溝位置検出手段が、該溝に挿入さ
    せたピンが該溝の内周面より受ける力を検出するもので
    あることを特徴とする請求項9ないし16のいずれか1
    項に記載の光ファイバケーブルの製造装置。
  18. 【請求項18】 前記溝位置検出手段が、該溝の位置を
    光学的に検出するものであることを特徴とする請求項9
    ないし16のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル
    の製造装置。
JP33278398A 1998-11-24 1998-11-24 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置 Expired - Lifetime JP3399377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33278398A JP3399377B2 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33278398A JP3399377B2 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000155249A JP2000155249A (ja) 2000-06-06
JP3399377B2 true JP3399377B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=18258779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33278398A Expired - Lifetime JP3399377B2 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3399377B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000155249A (ja) 2000-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7640774B2 (en) Wire drawing machine and method
RU2592647C2 (ru) Гибкая труба, способ и устройство для ее изготовления
EP0316798B1 (en) Apparatus for inserting optical fibers into a spacer having spiral grooves
JPS59103A (ja) 光フアイバ−ケ−ブル製造装置
US4620412A (en) Process and apparatus for inserting optical fibers in helical grooves of a cable core
JPS60262116A (ja) 光フアイバ‐送出装置の回転追随システム
JP3399377B2 (ja) 光ファイバケーブルの製造方法および製造装置
JP3328312B2 (ja) 光ケーブルを製造する方法及び装置
EP0327164B1 (de) Verfahren zur Herstellung eines optischen Kabels
JPH01209275A (ja) フイラメントの巻線方法及び巻線体
JPH11312620A (ja) 巻線装置
JP3309876B2 (ja) テープ状光ファイバの集合方法
JP3209214B2 (ja) 光ケーブル集合装置及び光ケーブル集合方法
EP0549843B1 (en) Apparatus for manufacturing slot-spacer type optical cable
JP2000329984A (ja) 光ケーブル集合方法及び光ケーブル集合装置
JPS6173913A (ja) 光フアイバケ−ブル及びその製造方法
JP2540368B2 (ja) 螺旋撚テ―プ型光ファイバケ―ブルの製造装置
JP3266462B2 (ja) 光ファイバテープ心線の挿入治具
JP4321938B2 (ja) 異形断面線状材の整列巻き装置
JP2786382B2 (ja) 多段落とし込み型光ファイバケーブルの製造装置
JPH0425803A (ja) スペーサ型光ファイバケーブルの製造方法
JP3337877B2 (ja) 光ファイバケーブルの製造方法
JP3389906B2 (ja) 多心・少心共用集合装置
JPH11218654A (ja) 光ファイバケーブル及びその製造方法、布設方法
JPS6133469A (ja) 光学繊維の積層方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130221

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140221

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term