JP3384900B2 - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JP3384900B2
JP3384900B2 JP00152595A JP152595A JP3384900B2 JP 3384900 B2 JP3384900 B2 JP 3384900B2 JP 00152595 A JP00152595 A JP 00152595A JP 152595 A JP152595 A JP 152595A JP 3384900 B2 JP3384900 B2 JP 3384900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力センサに関し、さら
に詳しくは主に気体の圧力を測定する静電容量検出型の
圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空調機器のフィルタの目詰ま
り検出等には静電容量検出型の圧力センサが広く用いら
れている。
【0003】この静電容量検出型の圧力センサには、た
とえば図9及び図10に示すようにダイアフラムの片側
に電極をもつもの(以下、これを片側電極型ということ
がある)と図11に示すようにダイアフラムの両側に電
極をもつもの(以下、これを両側電極型ということがあ
る)とが知られている。
【0004】前記片側電極型の圧力センサは、図9に示
すように、例えばシリコンからなり周縁に肉厚部101
aを有するダイアフラム101と、このダイアフラム1
01の一方の面との間に空隙110を形成しつつダイア
フラム101の周縁の肉厚部101aと接合された絶縁
物102と、この絶縁物102におけるダイアフラム1
01と対向する面に形成された電極103と、ダイアフ
ラム101における絶縁物102が接合されていない側
で該ダイアフラム101との間に空隙120を形成しつ
つ該ダイアフラム101における肉厚部101aと接合
された支持体104とにより構成され、絶縁物102に
は測定圧を空隙110に導入する測定圧導入孔105が
形成され、支持体104には測定圧導入孔105から空
隙110内に導入された測定圧と比較される例えば大気
圧等の基準圧を空隙120内に導入する基準圧導入孔1
06が形成されている。
【0005】このような圧力センサにおいては、測定圧
導入孔105から空隙110内に導入された圧力と基準
圧導入孔106から空隙120内に導入された圧力との
差を計測している。具体的には、次のようにして圧力の
計測がなされる。
【0006】先ず、測定圧は絶縁物102に設けられて
いる測定圧導入孔105からこの絶縁物102とダイア
フラム101との間に形成されている空隙110に導入
され、ダイアフラム101の電極103と対向する面に
圧力が印加される。一方、この測定圧に対して基準とな
る基準圧は支持体104に形成されている基準圧導入孔
106からこの支持体104とダイアフラム101との
間に形成されている空隙120に導入され、ダイアフラ
ム101の支持体104と対向する面に印加される。そ
して、測定圧と基準圧とに差があると、その差圧により
ダイアフラム101に変位が生じ、この変位によりダイ
アフラム101と電極103との間の静電容量が変化す
る。この静電容量の変化を電気的に検出することにより
圧力を電気信号に変換して計測する。
【0007】すなわち、ダイアフラム101と電極10
3とは圧力により静電容量が変化するコンデンサとみな
すことができる。したがって、このような圧力センサに
より正確な圧力測定を行なうためには、ダイアフラム1
01と電極103との絶縁が保たれていなければならな
い。そのため、ダイアフラム101との対向面において
電極103の外周部外側には、通常、ドーナッツ状に絶
縁物102が露出している区域が形成され、これにより
ダイアフラム101と電極103との間の絶縁を保つよ
うにしている。
【0008】一方、前記両側電極型の圧力センサは、図
11に示すように、ダイアフラム101と、このダイア
フラム101との間に空隙110または120を形成し
つつダイアフラム101を挟持する一対の絶縁物10
2,102′と、各絶縁物102,102′におけるダ
イアフラム101と対向する面に形成された電極10
3,103′とにより構成され、一方の絶縁物102に
は空隙110に測定圧を導入するための測定圧導入孔1
05が形成され、他方の絶縁物102′には例えば大気
圧等の基準圧を導入する基準圧導入孔106が形成され
ている。
【0009】このような両側電極型の圧力センサにおい
ても、前述の片側電極型の圧力センサと同様に、測定圧
と基準圧との間に差があると、ダイアフラム101と電
極103,103′との間の静電容量が変化する。この
静電容量の変化を電気的に検出することにより圧力を電
気信号に変換して計測する。
【0010】したがって、この両側電極型の圧力センサ
においても、前述の片側電極型の圧力センサと同様に、
ダイアフラム101と電極103,103′とは圧力に
より静電容量が変化するコンデンサとみなすことがで
き、正確な圧力測定を行なうためには、ダイアフラム1
01と電極103,103′との間の絶縁が保たれてい
なければならず、ダイアフラム101との対向面におい
て電極103,103′の外周部外側には、通常、ドー
ナッツ状に絶縁物102,102′が露出している区域
が形成され、これによりダイアフラム101と電極10
3,103′との間の絶縁を保つようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば図9に示される上記構造の従来の圧力センサにおいて
は、圧力センサが高湿な雰囲気に晒されると、上述した
絶縁物の露出面に大気中の水が付着し、絶縁の低下を来
たす。かかる現象は、目に見える結露はもちろんのこ
と、分子層レベルの吸着においても同様である。
【0012】すなわち、上記の構造の圧力センサでは高
湿環境での圧力測定が不可能な場合が多い。このような
高湿度下の絶縁低下を防ぐ方法として、たとえば図10
に示すように、電極103の表面やダイアフラム101
の表面に例えば樹脂やガラス等をコーティングすること
により絶縁皮膜107を形成し、これにより電極103
やダイアフラム101に直接に水が触れないようにする
ことも行われている。
【0013】しかし、この方法は圧力センサのサイズが
大きい場合は可能であるが、電極103とダイアフラム
101との間隔やダイアフラム101の厚さが100μ
m程度以下になると絶縁皮膜107の厚さが相対的に厚
くなり過ぎ、圧力センサの特性に悪影響が生じる。
【0014】また、製造コストや工程の簡略化を考慮す
ると、圧力センサの組立が完成してから樹脂やガラスの
コーティングを行なって絶縁皮膜107を形成すること
が最も有効であるが、この絶縁皮膜107の形成を圧力
センサの組立後に行なうことはダイアフラム101と電
極103との間隔が100μm程度以下である場合、圧
力センサの内側にあるダイアフラム101の表面および
電極103の表面に樹脂やガラスをコーティングして絶
縁皮膜107を形成することは非常に困難である。
【0015】そして、これらの問題はたとえば図11に
示す前述の両側電極型の圧力センサにおいても全く同様
である。本発明はかかる事情に基づいてなされてもので
あり、本発明の目的は、電極とダイアフラムとの間隔や
ダイアフラム厚さが100μm程度以下である圧力セン
サの高湿度下での絶縁性の向上を図ることによって高湿
度下でも正確な圧力測定が可能な圧力センサを提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の圧力センサは、半導体または金属からなるダイ
アフラムが一対の絶縁物により挟持され、前記ダイアフ
ラムと一方の絶縁物との間及び前記ダイアフラムと他方
の絶縁物との間にはそれぞれ空隙が形成され、かつ各絶
縁物における前記ダイアフラムとの対向面には電極が形
成され、前記ダイアフラムの周縁部または前記一方の絶
縁物には一方の空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔が
形成され、前記ダイアフラムの周縁部または前記他方の
絶縁物には他方の空隙に基準圧を導入する基準圧導入孔
が形成され、前記各電極と前記ダイアフラムとの間の静
電容量の変化を電気的に検出することにより圧力を計測
する圧力センサであって、前記各絶縁物における前記空
隙内での露出面を構成する分子または原子の少なくとも
一部に疎水基を有する分子を結合させることによりこれ
らの面に撥水性を付与してなり、前記疎水基を有する分
子をシランカップリング剤の分子とした構成とし、半導
体または金属からなるダイアフラムが絶縁物と支持体と
により挟持され、前記ダイアフラムと前記絶縁物との間
及び前記ダイアフラムと前記支持体との間にはそれぞれ
空隙が形成され、かつ前記絶縁物における前記ダイアフ
ラムとの対向面には電極が形成され、前記ダイアフラム
の周縁部または前記絶縁物にはこれら両者の間に形成さ
れている前記空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔が形
成され、前記ダイアフラムの周縁部または前記支持体に
はこれら両者の間に形成されている前記空隙に基準圧を
導入する基準圧導入孔が形成され、前記電極と前記ダイ
アフラムとの間の静電容量の変化を電気的に検出するこ
とにより圧力を計測する圧力センサであって、前記絶縁
物における前記空隙内での露出面を構成する分子または
原子の少なくとも一部に疎水基を有する分子を結合させ
ることにより当該面に撥水性を付与してなり、前記疎水
基を有する分子をシランカップリング剤の分子とした
成とし、必要に応じ、上記いずれかの圧力センサにおい
て、前記疎水基を有する分子がシランカップリング剤の
分子である構成とし、必要に応じ、上記いずれかの圧力
センサにおいて、前記絶縁物における前記空隙内での露
出面を構成する分子または原子の少なくとも一部に、蒸
気法によって、疎水基を有する分子を結合させる構成と
した。
【0017】
【作用】本発明の圧力センサは、半導体または金属から
なるダイアフラムが一対の絶縁物により挟持され、ダイ
アフラムと一方の絶縁物との間及びダイアフラムと他方
の絶縁物との間にはそれぞれ空隙が形成され、かつ各絶
縁物におけるダイアフラムとの対向面には電極が形成さ
れ、ダイアフラムの周縁部または一方の絶縁物には一方
の空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔が形成され、ダ
イアフラムの周縁部または他方の絶縁物には他方の空隙
に基準圧を導入する基準圧導入孔が形成され、各絶縁物
における前記空隙内での露出面を構成する分子または原
子の少なくとも一部に疎水基を有する分子であるシラン
カップリング剤の分子を結合させることによりこれらの
面に撥水性を付与してなり、また、半導体または金属か
らなるダイアフラムが絶縁物と支持体とにより挟持さ
れ、ダイアフラムと絶縁物との間及びダイアフラムと支
持体との間にはそれぞれ空隙が形成され、かつ絶縁物に
おけるダイアフラムとの対向面には電極が形成され、ダ
イアフラムの周縁部または絶縁物にはこれら両者の間に
形成されている空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔が
形成され、ダイアフラムの周縁部または支持体にはこれ
ら両者の間に形成されている空隙に基準圧を導入する基
準圧導入孔が形成され、絶縁物における空隙内での露出
面を構成する分子または原子の少なくとも一部に疎水基
を有する分子であるシランカップリング剤の分子を結合
させることにより当該面に撥水性を付与してなるもので
ある。したがって、この圧力センサにおいては、分子層
レベルで水の吸着が確実に防止され、電極とダイアフラ
ムとの間隔やダイアフラムの厚さが100μm程度以下
である場合にも高湿度環境下での絶縁性が確実に確保さ
れ、正確な圧力測定が可能である。また、疎水基を有す
る分子であるシランカップリング剤の分子により形成さ
れる撥水層の厚さは、通常、分子層レベルであり、ミク
ロンオーダーのダイアフラムや電極間距離に対しても無
視し得る厚さであるので、この撥水層がダイアフラムの
動きを妨げることがない。しかも、蒸気圧の比較的高い
シランカップリング剤を選択して使用することにより微
少間隔を形成する面にも隅無く撥水性を付与することが
可能であるので、圧力センサの組立後に撥水性を付与す
ることができ、コスト面および工程の簡略化の点で有利
である。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の圧力センサの一例を示
す説明図である。
【0019】図1に示す圧力センサは、周縁に肉厚部1
aを有するダイアフラム1と、それぞれが肉厚部1aと
接合されてダイアフラム1との間に空隙を形成しつつダ
イアフラム1を挟持する一対の絶縁物2,2′と、各絶
縁物2,2′におけるダイアフラム1と対向する面に設
けられた電極3,3′とにより構成され、一方の絶縁物
2には、この絶縁物2とダイアフラム1との間の空隙に
測定圧を導入する測定圧導入孔4が形成され、他方の絶
縁物2′には、この絶縁物2′とダイアフラム1との間
の空隙に測定圧と比較される基準圧を導入する基準圧導
入孔5が形成されている。
【0020】なお、図2に示すように、ダイアフラム1
の周縁に肉厚部1aを設けるのに代えて絶縁物2,2′
の周縁に肉厚部2a,2′aを設けてもよく、その場合
には、ダイアフラム1の形状は平板なものとなる。
【0021】ダイアフラム1の形成材料としては、半導
体または金属が挙げられ、特に単結晶シリコンが好適に
用いられる。ダイアフラム1の厚さは、圧力センサの用
途や目的に応じて適宜に決定すればよく、例えば空調機
等に用いられるフィルタの前後の差圧を検出することに
よりフィルタの目詰りを検知する目的に使用する圧力セ
ンサの場合、このダイアフラム1の厚さは、通常、5〜
30μm程度である。
【0022】図1に示すように、このダイアフラム1は
中心に平板部1bが形成され、この平板部の外周には肉
厚部1aが形成されている。たとえば、ダイアフラム1
が単結晶シリコンからなる場合、ダイアフラム1のこの
ような形状はエッチングにより成形することができる。
【0023】ダイアフラム1は、肉厚部1aにおいて対
向する一対の絶縁物2,2′と接合され、これによりこ
のダイアフラム1は平板部1bにおいて各絶縁物2,
2′との間に空隙を形成する状態でこれら一対の絶縁物
2,2′により挟持される。
【0024】ここで、絶縁物2,2′の形成材料として
は、ガラスが好適に用いられる。なお、この実施例にお
いて、単結晶シリコンからなるダイアフラム1とガラス
からなる絶縁物2,2′との接合には、一般に陽極接合
と呼ばれる接合方法を用いている。この接合方法は、3
00〜500℃程度の高温雰囲気下で積層状態のガラス
及びシリコンに数百〜1kv程度の高電圧を印加して接
合を行なう方法であり、接着剤等の介在物無しに材料同
士を直接に接合する方法である。
【0025】図1に示すように、一対の絶縁物2,2′
のうち一方の絶縁物2には、この絶縁物2とダイアフラ
ム1の平板部1bとの間の空隙に測定圧を導入する測定
圧導入孔4が形成され、他方の絶縁物2′には、この測
定圧導入孔4から導入された測定圧と比較される例えば
大気圧等の基準圧を、この絶縁物2′とダイアフラム1
の平板部1bとの間の空隙に導入する基準圧導入孔5が
形成されている。
【0026】ここで、測定圧導入孔4の形成位置は、一
方の絶縁物2とダイアフラム1の平板部1bとの間の空
隙に測定圧を導入することができればよく、例えば図3
に示すように、ダイアフラム1の周縁の肉厚部1aに測
定圧導入孔4を設けてもよい。また、基準圧導入孔5の
形成位置についても、他方の絶縁物2′とダイアフラム
1の平板部1bとの間の空隙に例えば大気圧等の基準圧
を導入することができればよく、例えば図4に示すよう
に、ダイアフラム1の周縁の肉厚部1bに設けてもよ
い。したがって、図示はしないが測定圧導入孔4および
基準圧導入孔5のいずれもがダイアフラム1の周縁部1
aに設けられていてもよい。また、図2に示すように、
絶縁物2,2′に肉厚部2a,2′aが設けられている
場合には、測定圧導入孔4および/または基準圧導入孔
5を肉厚部2a,2′aに設けてもよい。
【0027】そして、一対の絶縁物2,2′のそれぞれ
には、ダイアフラム1の平板部1bと対向する面に電極
3,3′が設けられている。図1に示すように、一方の
電極3は一方の絶縁物2の外側表面における測定圧導入
孔4の開口部周縁から測定圧導入孔4の内周面を経て絶
縁物2におけるダイアフラム1との対向面にかけて連続
する薄膜状に形成されている。また、他方の電極3′は
他方の絶縁物2′の外側表面における基準圧導入孔5の
開口部周縁から基準圧導入孔5の内周面を経て絶縁物
2′におけるダイアフラム1との対向面にかけて連続す
る薄膜状に形成されている。
【0028】これらの電極3,3′の形成材料として
は、例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白
金(Pt)などが挙げられる。このような電極3,3′
の厚さは、通常、0.2〜数μm程度であり、好ましく
は1μm程度である。
【0029】なお、各絶縁物2,2′とダイアフラム1
の平板部1bとの間に形成される各空隙内で電極3,
3′は各電極3,3′の外側外周に各絶縁物2,2′の
露出面を残して形成され、これにより各電極3,3′と
ダイアフラム1との絶縁が図られている。
【0030】この圧力センサにおいて重要な点の一つ
は、空隙内における各絶縁物2,2′の露出面を構成す
る分子または原子の少なくとも一部に疎水基を有する分
であるシランカップリング剤の分子を結合させること
によりこれらの面に撥水性を付与することにある。この
ようにして撥水性が付与された面を図中模式的に×印で
示す。
【0031】
【0032】ここで、シランカップリング剤は、次の一
般式で表され、1分子中に炭素官能基と珪素原子に結合
した加水分解性基とを併せもつ化合物である。
【0033】
【化1】 ここで、上記式において、Xは加水分解性基、Yは炭素
官能基、Rは1価の炭化水素基、R′は炭素官能基と珪
素原子とを結ぶ2価の炭化水素基である。
【0034】上記一般式で表されるシランカップリング
剤の具体例としては、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシ
ラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、オクタデシルジメチ1[3−(トリメト
キシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシ
ランなどが挙げられる。これらのなかでも、特に好まし
いのはヘキサメチルジシラザン(HMDS)[(C
3 3 Si−NH−Si(CH3 3 ]である。
【0035】シランカップリング剤は、ガラスからなる
絶縁物2,2′の表面の吸着水と反応し、吸着水を除い
た後、次のシランカップリング剤分子がガラス表面の水
酸基(−OH)と反応することによりガラス表面に結合
し、その表面のエネルギーを低下させ、新たな水分の吸
着を防ぐ作用があるが、ヘキサメチルジシラザン(HM
DS)はかかる作用が特に優れているからである。一例
を挙げれば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処
理したSiO2 表面の吸着水量は水1分子以上/μm2
であり、未処理表面の吸着水量;水35分子以上/μm
2 に対して耐水性が飛躍的に向上する。
【0036】この実施例においては、空隙内での各絶縁
物2,2′の露出面を構成する分子または原子の少なく
とも一部に上記のヘキサメチルジシラザン(HMDS)
の分子を結合させるシランカップリング処理により撥水
性の付与が行われている。
【0037】ここで、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)の分子と、空隙内での各絶縁物2,2′の露出面を
構成する分子または原子とは、次式で示される反応機構
により結合する。
【0038】
【化2】 シランカップリング処理の方法としては、組み立てが完
了し形状的に完成した圧力センサ(以下、これを圧力セ
ンサチップという)をシランカップリング剤の100%
溶液中に浸した後、この圧力センサチップを引き上げる
浸漬法、上面が開放されている容器にシランカップリン
グ剤を入れ、このシランカップリング剤を入れた容器を
気密容器内に収納するとともにこの気密容器内に圧力セ
ンサチップを収納し、さらにこの気密容器内に例えばN
2 ガス等の不活性ガスを導入してこの不活性ガスとシラ
ンカップリング剤との混合ガスを圧力センサチップに導
く蒸気法、およびシランカップリング剤の100%溶液
またはキシレン、トリクロロフロロエタン等を溶媒に用
いたシランカップリング剤の希釈液を圧力センサチップ
にスピンナー塗布するスピンナー法が挙げられる。これ
らのなかでも、好ましいのは蒸気法である。
【0039】蒸気法を採用する場合、たとえば図5に示
すようなシランカップリング処理装置が好適に使用され
る。このシランカップリング処理装置を用いたシランカ
ップリング処理は次のようにして行なう。
【0040】まず、上面が開放した容器10内にシラン
カップリング剤20を入れ、この容器10を気密容器3
0内に収納する。組み立てが完了し形状的に完成した圧
力センサチップ40を棚状の治具50に並べ、気密容器
30内に収納する。なお、このときバルブV1 、V2
いずれも閉じておく。その後、バルブV1 を開き、気密
容器30内を真空排気する。次いで、バルブV1 を閉め
た後、バルブV2 を開き窒素(N2 )パージを行なう。
窒素(N2 )ガスが大気圧程度まで気密容器30内に充
填されたら、バルブV2 を閉める。以後、このバルブ操
作を数回繰返す。これにより、圧力センサチップ40を
構成するダイアフラム1と電極3,3′との微少間隔に
も気相のシランカップリング剤が行き渡り、空隙内での
各絶縁物2,2の露出面を構成する分子または原子にシ
ランカップリング剤の分子が結合し、シランカップリン
グ処理が完了する。最後に窒素(N2 )パージされた状
態でバルブV2 を閉め、気密容器30を開放し、治具5
0を取り出して圧力センサの完成品を回収する。
【0041】以上にダイアムラム1が一対の絶縁物2,
2′により挟持された構造の圧力センサについて説明し
たが、本発明の圧力センサは、図6に示すように、周縁
に肉厚部1aを有するダイアフラム1と、このダイアフ
ラムの一方の面との間に空隙を形成しつつダイアフラム
1の肉厚部1aと接合された絶縁物2と、このダイアフ
ラム1の他方の面との間に空隙を形成しつつダイアフラ
ム1の肉厚部1aと接合された支持体6と、絶縁物2に
おけるダイアフラム1との対向面に形成された電極3と
により構成され、絶縁物2には、この絶縁物2とダイア
フラム1との間の空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔
4が形成され、支持体6には、この支持体6とダイアフ
ラム1との間の空隙に例えば大気圧等の基準圧を導入す
る基準圧導入孔5が形成されている。すなわち、この圧
力センサは、図1に示す圧力センサにおける他方の絶縁
物2′の代わりに支持体6を用いて構成されたものであ
り、この支持体6以外は図1に示す圧力センサと同様に
構成されている。また、図7に示すように、ダイアフラ
ム1の周縁に肉厚部1aを設けるのに代えて絶縁物2お
よび支持体6にそれぞれ肉厚部2a,6aを設けてもよ
い。
【0042】ここで、支持体6の形成材料としては、金
属またはガラスが好適に用いられる。なお、この支持体
6以外は、図1に示す圧力センサと同様であるので説明
を省略する。
【0043】図6に示す構造の圧力センサについて25
℃における相対湿度(60〜95%RH)と電極−ダイ
アフラム間の絶縁抵抗との関係を調べたところ図8に示
す結果が得られた。
【0044】図8から明らかなように、95%RHにお
いて、シランカップリング処理を行なわない圧力センサ
の電極−ダイアフラム間の絶縁抵抗は20GΩ程度であ
るのに対し、この実施例の圧力センサの電極−ダイアフ
ラム間の絶縁抵抗は2000GΩ以上であり、高湿環境
下でも絶縁が保たれていることが確認された。なお、図
8においては、便宜上、2000GΩ以上を2000G
Ωとして表わしてある。
【0045】
【発明の効果】以上に詳述したことから明らかなよう
に、本発明の圧力センサは、ダイアフラムを挟持すると
ともにこのダイアフラムとの対向面にそれぞれ電極が形
成されている一対の絶縁物、またはダイアフラムの一方
の面との間に空隙を形成しつつこのダイアフラムに接合
された絶縁物とダイアフラムの他方の面との間に空隙を
形成しつつこのダイアフラムに接合された支持体との組
合わせにおける絶縁物の空隙内での露出面を構成する分
子または原子の少なくとも一部に疎水基を有する分子
あるシランカップリング剤の分子を結合させることによ
りこれらの面に撥水性を付与してなる構成としたので、
本発明によれば、電極とダイアフラムとの間隔やダイア
フラム厚さが100μm程度以下である場合にも高湿度
下での絶縁性が確実に確保され、高湿度下でも正確な圧
力測定が可能な圧力センサが提供される。
【0046】また、組立後に撥水性を付与する処理を行
なうことができるので、この圧力センサはコストや工程
の簡略化の点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図2】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図3】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図4】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図5】本発明の圧力センサについてシランカップリン
グ処理を行なう場合に好適に使用可能なシランカップリ
ング装置の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図7】本発明の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図8】シランカップリング処理を行なった本発明の圧
力センサおよびシランカップリング処理を行なう前の圧
力センサについて相対湿度と電極間絶縁抵抗との関係を
示すグラフである。
【図9】従来の圧力センサの一例を示す断面説明図であ
る。
【図10】従来の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【図11】従来の圧力センサの一例を示す断面説明図で
ある。
【符号の説明】 1…ダイアフラム 1a…肉厚部 2,2′…絶縁物 2a…肉厚部 3,3′…電極 4…測定圧導入孔 5…基準圧導入孔 6…支持体 6a…肉厚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−88904(JP,A) 特開 平6−213925(JP,A) 特開 平2−275331(JP,A) 実開 昭56−110330(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体または金属からなるダイアフラム
    が一対の絶縁物により挟持され、前記ダイアフラムと一
    方の絶縁物との間及び前記ダイアフラムと他方の絶縁物
    との間にはそれぞれ空隙が形成され、かつ各絶縁物にお
    ける前記ダイアフラムとの対向面には電極が形成され、
    前記ダイアフラムの周縁部または前記一方の絶縁物には
    一方の空隙に測定圧を導入する測定圧導入孔が形成さ
    れ、前記ダイアフラムの周縁部または前記他方の絶縁物
    には他方の空隙に基準圧を導入する基準圧導入孔が形成
    され、前記各電極と前記ダイアフラムとの間の静電容量
    の変化を電気的に検出することにより圧力を計測する圧
    力センサであって、前記各絶縁物における前記空隙内で
    の露出面を構成する分子または原子の少なくとも一部に
    疎水基を有する分子を結合させることによりこれらの面
    に撥水性を付与してなり、前記疎水基を有する分子がシ
    ランカップリング剤の分子であることを特徴とする圧力
    センサ。
  2. 【請求項2】 半導体または金属からなるダイアフラム
    が絶縁物と支持体とにより挟持され、前記ダイアフラム
    と前記絶縁物との間及び前記ダイアフラムと前記支持体
    との間にはそれぞれ空隙が形成され、かつ前記絶縁物に
    おける前記ダイアフラムとの対向面には電極が形成さ
    れ、前記ダイアフラムの周縁部または前記絶縁物にはこ
    れら両者の間に形成されている前記空隙に測定圧を導入
    する測定圧導入孔が形成され、前記ダイアフラムの周縁
    部または前記支持体にはこれら両者の間に形成されてい
    る前記空隙に基準圧を導入する基準圧導入孔が形成さ
    れ、前記電極と前記ダイアフラムとの間の静電容量の変
    化を電気的に検出することにより圧力を計測する圧力セ
    ンサであって、前記絶縁物における前記空隙内での露出
    面を構成する分子または原子の少なくとも一部に疎水基
    を有する分子を結合させることにより当該面に撥水性を
    付与してなり、前記疎水基を有する分子がシランカップ
    リング剤の分子であることを特徴とする圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁物における前記空隙内での露出
    面を構成する分子または原子の少なくとも一部に、蒸気
    法によって、疎水基を有する分子を結合させることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力センサ。
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WO2005075969A1 (de) * 2004-02-06 2005-08-18 Micronas Gmbh Sensor und verfahren zu dessen herstellung
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