JP3360043B2 - 編み機の制御方法及び装置 - Google Patents

編み機の制御方法及び装置

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JP3360043B2 JP18471899A JP18471899A JP3360043B2 JP 3360043 B2 JP3360043 B2 JP 3360043B2 JP 18471899 A JP18471899 A JP 18471899A JP 18471899 A JP18471899 A JP 18471899A JP 3360043 B2 JP3360043 B2 JP 3360043B2
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真一 宮川
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淳 高島
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Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、編み針を該編み針
毎に設けられたアクチュエータにより進退させる横編み
機、特に横編み機の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】横編み機の1つとして、キャリッジレス
式横編み機がある(特公平1−12855号公報)。キ
ャリッジレス式横編み機は、編み針を進退させるカムの
代わりに、リニアモータ、サーボモータ、パルスモータ
等のアクチュエータを編み針毎に設け、各アクチュエー
タを横編み機に予め登録された所定の位置制御パターン
に基づいて給糸口の実際の又は仮想的な移動(走行)と
同期して駆動させ、それにより編み針を位置制御パター
ンにしたがって進退させる。
【0003】位置制御パターンは、編み針の進退位置
(変位量)を縦軸とし、給糸口の実際の又は仮想的な走
行位置を横軸として表すことができる。このような位置
制御パターンは、ウエーブパターン、編成パターン、制
御パターン、移動パターン、駆動パターン、カムパター
ン等として知られている。
【0004】位置制御パターンは、平編み、ゴム編み、
タック編み、目移し等の編成の種類、編み目の大きさ、
編み糸の太さ等の編み組織により異なる。したがって、
位置制御パターンは、そのような編み組織に応じて編み
針毎及びコース毎に予め設定される。
【0005】一般的なニット編み用の位置制御パターン
の例を図5に実線で示し、タック編み用の位置制御パタ
ーンの例を図5に点線で示す。ニット編み用の位置制御
パターンは、編み針に対する給糸口の位置Xとこれに対
応する編み針針先の複数の位置Yとによって決定され
る。
【0006】編み針先端の複数の位置Yとしては、編み
針が編成のために進退を開始する進退開始位置PA1、
編み針が進退開始位置PA1から最も前進する最前進位
置PA2、編み針が編み糸を受けるべく一時的に停止す
る停止位置PA3、度目の形成のために編み針が最も後
退する最後退位置(度目形成位置)PA4、及び編み針
が度目形成後にわずかに前進されて待機する待機位置P
A5とすることができる。
【0007】タック編みの場合、タック編み用位置制御
パターンの最前進位置PA2’は編み目形成用位置制御
パターンにおける最前進位置PA2より後退した位置に
設定され、一時停止位置PA3’は編み目形成用位置制
御パターンにおける一時停止位置PA3と同一位置又は
それより後退した位置に設定される。
【0008】従来の位置制御パターンにおいては、進退
開始位置PA1と待機位置PA5とは、同じ位置に設定
されていると共に、編み針の先端が針床の歯口の位置
(換言すれば、シンカーの先端位置、以下単に「歯口位
置」という。)に一致するように設定されている。すな
わち、従来では、歯口位置を原点とし、進退開始位置P
A1=待機位置PA5=歯口原点として位置制御パター
ンを設定している。したがって、従来の横編み機におい
ては、両針床の歯口の間隔がそのまま待機位置における
両針床の編み針の間隔となっている。
【0009】そのような従来の横編み機において、歯口
間隔を広めた構造にすると、以下のa)及びb)ような
問題が発生する。
【0010】a)ゴム編みのように、編み糸を前後の針
床の対向する編み針に供給して編成を行う場合に、度目
形成時に対応する編み針間にわたる編み糸の長さ寸法が
大きくなるから、ループ高さ(すなわち、ループ長さ)
が必然的に大きくなり、その結果編み地の厚さ寸法が大
きくなり、薄い編み地を形成することができない。
【0011】b)編み地の厚さ寸法を小さくするために
は、度目(編み針による編み糸の引き込み量)を小さく
しなければならない。しかし、度目を小さくしすぎる
と、編み目がノックオーバーをし難くなり、編成不良が
発生して編み地の品質低下を招く。したがって、結果的
には編み地を余り薄くすることができない。
【0012】これに対し、歯口間隔を狭い構造とするな
らば、薄いゴム編み地を編成する場合であっても、度目
を比較的大きくすることができるから、編み針がノック
オーバーをしやすくなり、編み地の品質低下を招くおそ
れはなくなる。
【0013】しかし、歯口間隔が狭いと、編み地が前後
の針床の間に詰まって、編み地の引下げが円滑に行われ
ず、編成不良を招くおそれがあるから、太い編み糸によ
る編成が行えない、という問題が発生する。このため、
歯口間隔が狭い横編み機では、編成可能の編み地の種類
が制限され、多様な編成に対応することができない。
【0014】結果として、横編み機においては、その構
造上、歯口間隔、すなわち針床の間隔を容易に変更する
ことはできない。したがって、従来の横編み機において
は、編成可能の編み地に制限を受ける歯口間隔の狭い構
造とすることができず、歯口間隔を広めにした構造とせ
ざるを得ない。その結果、従来の横編み機においては、
前述のa)及びb)の問題が残ってしまう。
【0015】また、従来の横編み機では、多数(3から
6)のコースにわたって一回のタック編みを行う場合、
度目形成後に編み針を待機位置まで前進させると、編み
目が編み針から外れることがあり、それによって編み地
の品質が低下する。
【0016】
【解決しようとする課題】それゆえに、横編み機におい
ては、高品質の編み地を安定に編成し得ることが重要で
ある。
【0017】
【解決手段、作用、効果】本発明の編み機の制御方法
は、編み針の進退位置を制御すべくその編み針用のアク
チュエータを作動させる複数の位置制御パターンであっ
て少なくとも待機位置が互いに異なる複数の位置制御パ
ターンと特定の編成に用いる位置制御パターンをコース
毎及び編み針毎に指定する情報とをメモリに記憶してお
き、メモリに記憶されている位置制御パターンを基に、
前コースの待機位置を現コースの進退開始位置としかつ
現コースの編み組織に対応する複数の編み針進退位置を
含む位置制御パターンを現コースの編成に用いる位置制
御パターンとして決定することを含むことを特徴とす
る。
【0018】本発明の編み機の制御装置は、編み針の進
退位置を制御すべくその編み針用のアクチュエータを作
動させる複数の位置制御パターンであって少なくとも待
機位置が互いに異なる複数の位置制御パターンと編成に
用いる位置制御パターンをコース毎及び編み針毎に指定
する情報とを記憶しているメモリと、メモリに記憶され
ている位置制御パターンを基に、前コースの待機位置を
現コースの進退開始位置としかつ現コースの編み組織に
対応する複数の編み針進退位置を含む位置制御パターン
を現コースの編成に用いる位置制御パターンとして決定
することを含むことを特徴とする。
【0019】編み針が編成のために進退を開始する位置
と、編み針が度目形成後にわずかに前進して待機する位
置とは、前回のコースいわゆる前コースと今回のコース
いわゆる現コースとの編み組織すなわち編成条件に応じ
て、同じになる場合もあるし、異なる場合もある。
【0020】しかし、現コースの編成に用いる位置制御
パターンは、前コースの待機位置を現コースの進退開始
位置とし、かつ、編成の種類、太さのような糸種等、現
コースの編み組織に応じた複数の編み針位置を含むパタ
ーンに決定される。複数の編み針進退位置には、少なく
とも待機位置が含まれる。
【0021】そのように、編み組織に応じた待機位置を
有する位置制御パターンで編成すると、例えば、ゴム編
みの場合は、待機位置を歯口位置より前進した位置にす
る、タック編みの場合は、待機位置を歯口位置より後退
した位置にする、というように、編み組織により異なる
待機位置とすることができるから、厚さ寸法の小さい薄
い編み地を得ることができ、また、編み目を編み針から
外すことなく多くのコースで一回の編成を行うタック編
みを行うことができる。その結果、高品質の編み地を得
ることができる。
【0022】また、編成中に、前コースの待機位置と現
コースの待機位置とが異なっても、現コースでは、アク
チュエータは、前コースの待機位置を進退開始位置と
し、かつ、現コースの編み組織に必要な複数の編み針進
退位置を含む位置制御パターンに基づいて駆動される。
このため、たとえ、位置制御パターンにおける、前コー
スの待機位置と現コースの待機位置とが異なっていて
も、編み針は滑らかに移動を開始し、編成が安定する。
【0023】位置制御パターンは、給糸口の複数の位置
に関連して設定された編み針の複数の進退位置からなっ
ていてもよい。
【0024】上記したように、現コースにおける編み針
の進退開始位置及び待機位置は、前コースと現コースと
の編み組織により、同じになる場合もあるし、異なる場
合もある。それゆえに、新たな位置制御パターンは、少
なくとも前コースにおける編み針の待機位置と現コース
における編み針の待機位置とが異なる際に決定すること
ができる。
【0025】現コースの編成に用いる位置制御パターン
は、前記メモリに記憶されている位置制御パターンであ
って現コースの編成に指定された位置制御パターンの少
なくとも一部と、少なくとも前コースの待機位置とに基
づいて決定することができる。
【0026】例えば、現コースの編成に用いる位置制御
パターンは、位置制御パターンを前後2つの区間に分け
る分離合成位置を前記メモリに記憶する各位置制御パタ
ーンに含ませておき、前コースの位置制御パターンの待
機位置と同じ進退開始位置を有する位置制御パターンの
前側部分と、現コースの位置制御パターンの後側部分と
を前記分離合成位置を利用して合成することにより決定
してもよい。
【0027】また、例えば、前コースの待機位置とメモ
リに記憶されている位置制御パターンであって現コース
の編成に指定された位置制御パターンの進退開始位置と
が異なる場合に、現コースの位置制御パターンの前側部
分を修正することにより決定してもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。
【0029】実施例1
【0030】図1及び図2を参照するに、横編み機の制
御装置10は、給糸口12を往復移動させる複数の給糸
口駆動装置14と、編み針16を往復移動させる複数の
編み針駆動装置18と、複数の給糸口制御回路20と、
複数の編み針制御回路22と、主制御回路24とを含
む。
【0031】各給糸口駆動装置14は、給糸口12に対
応されており、対応する給糸口12を往復移動させる。
このため、横編み機に備えられた給糸口12の数と同数
の給糸口駆動装置14が編み機に設けられている。給糸
口駆動装置14は、複数のグループに分けられており、
またグループ毎に共通の給糸口制御回路20に接続され
ている。
【0032】各編み針駆動装置18は、編み針16に対
応されており、対応する編み針16を往復移動させる。
このため、横編み機に備えられた編み針16の数と同数
の編み針駆動装置18が編み機に設けられている。編み
針駆動装置18は、複数のグループに分けられており、
またグループ毎に共通の編み針制御回路22に接続され
ている。
【0033】各給糸口12は、複数のプーリ26にかけ
られた無端ベルト28に取り付けられており、無端ベル
ト28がアクチュエータ30により移動されることによ
り左右方向へ往復移動される。アクチュエータ30はサ
ーボモータのような回転式の電動機であり、その変位量
(回転量)はロータリーエンコーダのような回転式の位
置センサ32により検出される。位置センサ32は、ア
クチュエータ30が所定角度回転するたびに、パルス信
号を出力する。
【0034】各編み針16は、リニアモータのような直
線移動式のアクチュエータ34により往復移動(進退)
される。アクチュエータ34の変位量(移動量)は、リ
ニアエンコーダのような直線式の位置センサ36により
検出される。位置センサ36は、アクチュエータ34の
可動子が所定量移動するたびに、パルス信号を出力す
る。
【0035】アクチュエータ30として、リニアモータ
のような直線移動式のものを用いてもよい。また、アク
チュエータ34として、サーボモータのような回転式の
ものを用いて、その回転運動を直線運動に変換するよう
にしてもよい。
【0036】各給糸口駆動装置14は、給糸口制御回路
20から出力される制御信号S1を信号発生器38に受
け、駆動信号S2を信号発生器38からドライバ40に
出力する。制御信号S1は、駆動信号S2のパルス幅(す
なわち、デューティ比)を特定する信号である。
【0037】各信号発生器38は、一定周波数のパルス
信号を制御信号S1によりパルス幅変調したPWM信号
を駆動信号S2としてドライバ40に出力する。これに
より、ドライバ40は、駆動信号S2が入力するたびに
そのパルス幅に対応する時間の間アクチュエータ30に
通電する。
【0038】各給糸口駆動装置14は、また、位置セン
サ32からのパルス信号をアップダウンカウンタ42に
受け、カウンタ42の計数値を周期的に読み出して記憶
器44に一時的に記憶する。カウンタ42は、アクチュ
エータ30が正転していると位置センサ32からのパル
ス信号をアップ状態で計数し、逆転しているとパルス信
号をダウン状態で計数する。
【0039】記憶器44に記憶されたデータは、対応す
るアクチュエータ30及び給糸口12の現在位置S4と
して制御回路20に周期的に読み取られる。しかし、カ
ウンタ42が所定の値、例えば歯口の位置(歯口原点)
に対応する値に歩進するたびに、記憶器44の記憶内容
を更新するようにしてもよい。
【0040】各編み針駆動装置18は、直線移動式のア
クチュエータ34を駆動させる点で給糸口駆動装置14
と相違する点を除いて、給糸口駆動装置14と同様に構
成されており、同様に作用する。したがって、各編み針
駆動装置18は、制御回路22からの制御信号を受けて
一定周波数のパルス信号のパルス幅を変調したPWM信
号を駆動信号として出力する信号発生器と、駆動信号を
受けてアクチュエータ34を駆動するドライバと、位置
センサ36からのパルス信号を計数するアップダウンカ
ウンタと、このカウンタの計数値を編み針の現在位置と
して記憶する記憶器とを備える。
【0041】各制御回路20は、制御信号S1を発生す
る比較演算器46と、主制御回路24から供給される各
給糸口駆動装置14に対応する複数の目標位置S5を一
時的に記憶する記憶器48とを備える。目標位置S5
は、対応するアクチュエータ30及び給糸口12をその
原点位置すなわち移動基準位置から変位させるべき位置
(走行位置)を表す。
【0042】比較演算器46は、対応する記憶器48に
記憶されている複数の目標位置S5から所定の給糸口駆
動装置14の目標位置S5を読み込むと共に、所定の給
糸口駆動装置14の記憶器44に記憶されている現在位
置S4を読み込み、読み込んだ目標位置S5と現在位置S
4とを比較し、両者の偏差に対応するデューティ比を算
出し、そのデューティ比を意味する制御信号S1を対応
する給糸口駆動装置14の信号発生器38に供給する。
これらの処理は、給糸口毎にかつ周期的に実行される。
記憶器48内のデータは、目標位置S5が主制御回路2
4から供給されるたびに更新される。
【0043】各制御回路22も、制御回路20と同様に
構成されており、同様に作用する。したがって、各制御
回路22は、制御回路20と同様に、主制御回路24か
ら供給される編み針駆動装置18のための目標位置を一
時的に記憶する記憶器と、この記憶器に記憶された目標
位置及び対応する編み針駆動装置18の記憶器に記憶さ
れている現在位置とを用いて制御信号を発生する比較演
算器とを備える。制御回路22における目標位置は、対
応するアクチュエータ34及び編み針16を歯口位置か
ら変位させるべき位置(進退位置)を表す。
【0044】主制御回路24は、横編み機全体を制御す
る編み機制御部50と、フロッピーディスク52に書き
込まれている編成データすなわち編成情報を読み込んで
編み機制御部50に入力するディスクドライブ54と、
編み機制御部50に対して各種のデータの受け渡しをす
る制御演算器56と、それぞれが編み組織に対応された
複数の位置制御パターンが記憶された記憶器58とを備
える。
【0045】位置制御パターンの実施例を図5から図9
に示す。図5及び図7において、実線で示すパターン6
0は一般的なニット編み用の位置制御パターン(ニット
パターン)であり、点線で示すパターン62及び64は
それぞれ一般的なタック編み用の位置制御パターン(タ
ックパターン)及びループを形成しないウエルト用の位
置制御パターン(ウエルトパターン)である。
【0046】図5及び図7において、ニット編み用の位
置制御パターンは、待機している編み針を、編成のため
に進退を開始する進退開始位置PA1を起点として、先
ず編み糸から退避する最前進位置PA2に進出させ、次
いで編み糸を受ける停止位置PA3に後退させ、次いで
度目を形成する最後退位置(度目形成位置)PA4に後
退させ、次いで待機位置PA5に戻すことを表す。
【0047】タックパターン62は、編み針を位置PA
2まで進出させることなく、破線で示すように進出途中
の位置まで進出させてその位置に、又はそれよりわずか
に後退した位置に一時停止することを除いて、ニットパ
ターン60と同じであることを表す。ウエルトパターン
64は、編み針を待機位置PA1又はPA5に維持する
ことを表す。
【0048】ニットパターン、タックパターン等の編み
目形成用の位置制御パターンのように、編み針の進退時
に給糸口の移動をともなう位置制御パターンは、給糸口
の実際の走行位置に関連して設定される。しかし、目移
し用の位置制御パターンのように、編み針の進退時に給
糸口の移動をともなわない位置制御パターンは、給糸口
の仮想的な走行位置に関連して設定される。
【0049】上記のように位置制御パターンは、給糸口
の位置(詳細には、給糸口の走行位置)に関連して設定
されているから、給糸口の走行方向に配列された複数の
編み針(…、N1…N16、…)をそれぞれ同様の位置制御
パターン、例えばニットパターンに基づいて進退運動さ
せると、それらの編み針は、図6に示すように用いられ
たニットパターンと同様の形状を描くことになる。
【0050】位置制御パターンは、平編み、ゴム編み、
タック編み、目移し等の編成の種類、編み目の大きさ、
編み糸の太さ等、いわゆる編み組織により異なる。した
がって、編み組織に応じた複数の位置制御パターンが予
め設定され、位置制御パターンを特定するパターン番号
(WP番号=WPNo)を付けられて図3に示すよう
に、位置制御パターンとパターン番号との組合せからな
る表の形で記憶器58に記憶されている。
【0051】図3において、左右に伸びる点線66は歯
口の位置(歯口原点)であり、上下に伸びる点線68は
給糸口が給糸すべき編み針の配置位置に到達したときの
給糸口の位置(標準走行位置)である。各位置制御パタ
ーンは、給糸口の位置に対する歯口原点からの編み針の
進退位置(mm)を表す2値情報として設定されて記憶
されている。
【0052】図3から明らかなように、位置制御パター
ンの、歯口原点66に対する位置PA1,PA2,PA
3,PA4又はPA5の位置、編み針の移動速度及び加
速度等は互いに異なる。この理由は、1つの編み地の編
成に複数の編み組織を適用する場合に、編み組織に応じ
た最適の位置制御パターンを用いることができるように
することにある。図3においては、各位置制御パターン
における進退開始位置PA1と待機位置PA5とは、同
じ位置としている。
【0053】各位置制御パターン、特に編み目形成用の
各位置制御パターンは、位置制御パターンを前後の2つ
の区間に分ける分離合成位置Hを含む。分離合成位置H
は、歯口原点66からの編み針の進出位置であり、また
全ての位置制御パターンで同じ値に設定されており、さ
らに2値情報として記憶されている。分離合成位置H
は、給糸口が標準走行位置68に達したときの編み針の
位置としてもよい。
【0054】編成情報は、位置制御パターンを特定する
コード(パターン番号)を編み針毎及びコース毎に含ん
でいるとともに、編成に用いる給糸口とその移動方向と
を特定するコード(キャリア番号)をコース毎に含んで
いる。編成情報として、図4に示すデータを用いること
ができる。それらのデータは、2進コードとしてフロッ
ピーディスク52に予め記憶されている。
【0055】図4に示す編成情報は、用いる給糸口を特
定する給糸口番号(キャリアNo)と位置制御パターン
(WP)を特定するパターン番号(WPNo)とをコー
ス毎及び編み針毎の表にしたデータ(コース毎のキャリ
アNo及びWPNoデータ)である。
【0056】図6は、また、編み糸70と、その編み糸
70を供給する給糸口12と、給糸口12を支持するキ
ャリア72を案内するガイド74と、複数のシンカー7
6と、複数の編み針N1〜N16との関係を示す。各給糸口
12は、編み機の左端又は右端の給糸口原点位置(移動
基準位置)から右方又は左方へ移動される。
【0057】図8に示すように、各給糸口12はその給
糸口用として設けられた無端ベルト28にその給糸口1
2に対応するキャリア72により組み付けられており、
各無端ベルト28はその給糸口に対応するアクチュエー
タ30により移動される。
【0058】図7に示す位置制御パターン60は、給糸
口12を右方から左方へ移動させたときの同一の編み針
に関する進退位置を示す。これに対し、図3及び図5を
含む他の全ての図に示す位置制御パターンは、給糸口を
左方から右方へ移動させたときの給糸口と同一の編み針
に関する進退位置との関係を示す。
【0059】各位置制御パターンは、給糸口の移動可能
範囲より狭い一定範囲内における一定距離毎の給糸口位
置(例えば、一定範囲の基端位置から距離毎の給糸口位
置、又は、一定範囲内における編み針から一定距離毎の
給糸口位置)に対する編み針位置として記憶することが
好ましい。
【0060】上記のようにすれば、位置制御パターンを
連続的な曲線として記憶させる場合に比べ、位置制御パ
ターンの記憶に必要な記憶部の容量が小さくてよい。ま
た、各位置制御パターンを多くの編み針で共通に使用す
ることができる。
【0061】編み機制御部50は、ディスクドライブ5
4から供給される編成情報を内部メモりに格納してお
き、その編成情報を基に、給糸口駆動装置14及び編み
針駆動装置18以外の駆動装置を制御する。編み機制御
部50は、また、給糸口毎及び編み針毎の位置制御パタ
ーンを含む編成情報をコース毎に読み出して制御演算器
56に供給する。
【0062】制御演算器56は、編み機制御部50から
供給される編成情報を基に、各編み針に対応した位置制
御パターンをコース毎に読み出し、読み出した位置制御
パターンと編成情報に示される前コースの位置制御パタ
ーンとを基に新たな位置制御パターンを編み針毎に決定
し、給糸口位置X(移動基準位置からの距離)を算出
し、算出した給糸口位置Xと決定した位置制御パターン
とから編み針の目標位置を求め、求めた目標位置を所定
の編み針制御回路22の記憶器に供給する。これらの処
理は、コース毎及び編み針毎に周期的(例えば、1m秒
毎)に実行される。
【0063】上記の結果、制御回路22の記憶器内のデ
ータが周期的に更新されるから、以後は、新たなデュー
ティ比が比較演算器で算出され、新たな制御信号が対応
する制御回路22の比較演算器から対応する駆動装置1
8の信号発生器に出力され、新たな駆動信号が対応する
駆動装置18のドライバに供給される。これにより、各
編み針は給糸口の移動に同期して進退される。
【0064】制御演算器56は、また、給糸口の位置制
御をする。このため、制御演算器56は、給糸口の移動
開始からの経過時間とその給糸口の設定速度(例えば、
毎秒70cm)との積を給糸口の目標位置として算出
し、算出した目標位置を制御回路20の記憶器48に供
給する。制御回路20の比較演算器46は、駆動装置1
4の記憶器44に入力されている給糸口の現在位置(給
糸口位置X)と比較してデューティ比を算出し、算出し
たデューティ比に対応した制御信号を駆動装置14に出
力する。この処理も、コース毎及び給糸口毎に周期的
(例えば、1m秒毎)に実行される。
【0065】上記の結果、前記処理が実行されるたび
に、新たな駆動信号が各制御回路20から対応する駆動
装置14に供給され、対応する給糸口は往復移動され
る。
【0066】制御演算器56における新たな位置制御パ
ターンの決定は、編成情報に示された前コースのパター
ン番号に対応する位置制御パターン(以下、単に「前コ
ース用の位置制御パターン」という。)のうちの前半部
と、編成情報に示された現コースのパターン番号に対応
する位置制御パターン(以下、単に「現コース用の位置
制御パターン」という。)のうちの後半部とを合成して
新たな位置制御パターンを編集し、編集した新たな位置
制御パターンを現コースにおいて実際に用いる新たな位
置制御パターンとすることにより行うことができる。
【0067】上記のようにして得られた新たな位置制御
パターンの一例を図9に示す。新たな位置制御パターン
の進退開始位置PA1は前コースの待機位置PA5であ
り、歯口原点66からの新たな位置制御パターンの一時
停止位置PA3、最後退位置及び待機位置PA5の高さ
位置は異なる。
【0068】上記のように新たな位置制御パターンを編
集する場合は、新たな位置制御パターンを一時的に記憶
する必要があるから、それだけ多くの記憶領域を要す
る。このため、後述するように、制御演算器56が、目
標位置S5を求めるべく記憶器58から読み出す対象と
する位置制御パターンを給糸口位置に応じて切り換える
ことにより、結果的に新たな位置制御パターンを決定す
ることが望ましい。
【0069】前半部と後半部との境界は、図3,図5及
び図6に示すように、編み針が分離合成位置Hに達した
とき、換言すれば歯口原点66からの編み針の進出高さ
がHに達したときとすることができる。
【0070】制御演算器56は、給糸口位置がX0のと
きから給糸口が標準走行位置68に達するまでは前コー
ス用の位置制御パターンを記憶器58から読み出して、
目標位置S5を制御回路22の記憶器に出力し、給糸口
が標準走行位置68から位置XT(図7参照)に達する
までは現コース用の位置制御パターンを記憶器58から
読み出して、目標位置S5を制御回路22に出力する。
【0071】給糸口が標準走行位置68に達したとき
に、読み出す位置制御パターンを切り換える代わりに、
予め設定された他の給糸口位置において切り換えるよう
にしてもよい。
【0072】上記のように、前コース用の位置制御パタ
ーンの前半部と現コース用の位置制御パターンの後半部
を含む新たな位置制御パターンが決定されると、編み針
の進退制御は、先ず前コース用の位置制御パターンで行
われ、次いで最前進位置からの後退途中から現コース用
の位置制御パターンに切り換えられる。これにより、編
み針は、前コースの待機位置から進出をし始め、現コー
スの編み組織に応じた度目を形成した後、現コースの編
み組織に応じた待機位置に待機するように制御される。
読み出しの対象とするパターンの切換は、目標位置S5
が分離合成位置Hと等しくなったときに行ってもよい。
【0073】上記の結果、例えば、ゴム編みの場合は、
待機位置を歯口位置より前進した位置にする、タック編
みの場合は、待機位置を歯口位置より後退した位置にす
る、というように、編み組織により異なる待機位置とす
ることができるから、高品質の編み地を得ることができ
る。
【0074】また、編成中に、前コースの待機位置と現
コースの待機位置とが異なっても、現コースでは、編み
針は、前コースの待機位置を現コースの進退開始位置と
し、かつ、現コースの編み組織に必要な最前進位置、停
止位置、度目形成位置及び待機位置を含む新たな位置制
御パターンに基づいて駆動されるから、たとえ前コース
用の位置制御パターンにおける待機位置と現コース用の
位置制御パターンにおける進退開始位置とが異なってい
ても、編み針は滑らかに移動を開始し、編成が安定す
る。
【0075】さらに、待機位置PA5が相互に異なる複
数の位置制御パターンを1つの編み地の編成に併用すれ
ば、例えば、歯口位置を進退開始位置及び待機位置とし
た従来の位置制御パターンと、待機位置PA5を歯口位
置と異なる位置とした1以上の位置制御パターンとを併
用する等の手法により、従来できなかった薄手のゴム編
みと厚手のゴム編みとが混在する編み地を編成すること
ができ、模様を厚さ寸法により変化させる等、編み地に
変化を持たせることができる。
【0076】次に、制御演算器56における編み針の目
標位置の算出方法を編み針N16の場合について代表して
説明する。
【0077】図7に示すように、各位置制御パターンが
給糸口の移動可能範囲より狭い一定範囲X0〜XT内に
おける一定距離ΔXS(例えば、1mm)毎の給糸口位
置に対する編み針位置(進退位置)として設定されたも
のとし、編み針N16の場合、給糸口の移動基準位置から
編み針N16の配置位置までの距離がXN16であるものと
し、給糸口と編み針N16との距離がL0になったとき、編
み針N16が移動を開始するものとすると、編み針N16の目
標位置は制御演算器56により以下のように算出され、
出力される。
【0078】制御演算器56は、先ず新たなコースの編
成開始に際し、編成情報を基に記憶器58からそのコー
ス(現コース)と前コースとに関する各編み針に対応す
る位置制御パターンを読出し、次いで編み針毎に読み出
した両位置制御パターンから既に述べたように合成し
て、その編み針のために現コースにおいて実際に用いる
新たな位置制御パターンを決定する。
【0079】次いで、例えば編み針N16に対応する新た
な位置制御パターンについては、編み針N16用の新たな
位置制御パターンにおける横軸の原点(X0)に対応す
る給糸口位置すなわちオフセット量を求め、その位置制
御パターンにおける横軸の座標値X0を編み針N16の座標
値(XN16−L0−X1)に補正した後、給糸口位置が
(XN16−L0)になるまでは編み針N16の進退開始位置
PA1を目標位置として出力する。なお、L0−X1を係
数αとしてもよい。
【0080】給糸口位置が(XN16−L0)を越えると、
制御演算器56は、編み針N16を位置PA2へ進出させ
るべく、位置PA1より大きい値を目標値として出力す
る。その後、制御演算器56は、算出した給糸口位置
と、横軸座標値を補正後の位置制御パターンとに応じて
編み針用の所定の目標位置を出力する。
【0081】上記のようにして得られた複数コース分の
新たな位置制御パターンに対する給糸口12の位置関係
の一例を図8に示す。上記のように、新たな位置制御パ
ターンをコース毎及び編み針毎に編集し、各編み針を新
たな位置制御パターンにしたがって制御する工程を最終
コースまで継続することにより、高品質の編み地が安定
して編成される。
【0082】実施例2
【0083】前半部及び後半部を有する図3に示す位置
制御パターンを記憶器58に記憶しておく代わりに、図
10及び図11に示すように、1つの前半部パターン
と、この前半部パターンに結合可能(合成可能)の複数
の後半部パターンとからなる複数の組合せデータを記憶
器58に記憶しておく。また、編成情報として、給糸口
番号と後半部パターン番号とがコース毎及び編み針毎に
表として記憶器58に設定される。
【0084】そして、編成情報に示される前コースにお
ける後半部のパターン番号に対応する後半部パターン
(以下、単に「前コース用の後半部パターン」とい
う。)の待機位置と同じ進退開始位置を有する前半部パ
ターンと、編成情報に示される現コースにおける後半部
パターンの番号に対応する後半部パターン(以下、単に
「現コース用の後半部パターン」という。)とを用いる
(合成する)ことにより、新たな位置制御パターンを決
定してもよい。
【0085】実施例2において、記憶器58には、複数
の前半部パターン及び複数の後半部パターンがそれらの
パターン番号(WP番号)と共に前半部及び後半部に分
けて、組合せ毎に予め記憶される。
【0086】前半部パターンは、進退開始位置が後半部
パターンの待機位置と同じであれば、度目形成位置すな
わち最後退位置の異なる複数の後半部パターンに共通に
用いられる。各パターンの歯口原点に対する分離合成位
置Hは、同じに設定されている。
【0087】実施例2においては、後半部のパターン番
号が編成情報に含まれており、前コースの後半部のパタ
ーン番号から前コースにおける編み針の待機位置を特定
し、進退開始位置PA1が特定した待機位置と等しくな
る前半部パターンを特定し、特定した前半部パターンと
現コースの後半部パターンとを結合して新たな位置制御
パターンを決定する。
【0088】実施例2において、制御演算器56は、給
糸口位置がX0のときから給糸口が標準走行位置68に
達するまでは、特定した前半部パターンを記憶器58か
ら読み出して、対応する目標位置S5を制御回路22の
記憶器に出力し、給糸口が標準走行位置68から位置X
Tに達するまでは現コース用の後半部パターンを記憶器
58から読み出して、対応する目標位置S5を制御回路
22の記憶器に出力する。
【0089】実施例3
【0090】図3に示すように、進退開始位置PA1と
待機位置PA5とが同じである位置制御パターンを予め
位置PA1,PA5の異なる値毎に複数ずつ記憶器58
に記憶しておき、現コース用の位置制御パターンにおけ
る進退開始位置が前コース用の位置制御パターンにおけ
る待機位置と異なる場合に、現コース用の位置制御パタ
ーンを修正するようにしてもよい。
【0091】実施例3において、制御演算器56は、先
ず前コース用の位置制御パターンから待機位置PA5
(α)を特定し、次いで現コース用の位置制御パターン
からその進退開始位置PA1(β)を特定し、次いでα
とβとを比較し、次いでその結果に基づいて以下のよう
な工程を実行する。
【0092】αがβと等しい(α=β)と、制御演算器
56は、現コース用の位置制御パターンを新たな位置制
御パターンと決定し、その位置制御パターンを用いて給
糸口位置に応じた目標位置S5を対応する制御回路22
の記憶器に出力する。
【0093】しかし、図12に示すように、αがβより
大きい(α>β)であると、制御演算器56は、目標位
置S5がαになるまで、つまり給糸口が位置X0から距
離R走行するまでは、アクチュエータを静止させて編み
針を現在の停止位置に維持させ、それ以後は、現コース
用の位置制御パターンを用いて給糸口位置に応じた目標
位置S5を対応する制御回路22の記憶器に出力する。
【0094】上記のように、制御演算器56は、給糸口
位置X0からRまでの間目標位置がαである補助パター
ンと、給糸口位置X0+RからXTに対応する現コース用
の位置制御パターンとを組み合わせた位置制御パターン
を現コースで実際に用いる位置制御パターンとして決定
する。
【0095】また、図13に示すように、αがβ未満の
とき(α<β)は、制御演算器56は、最初は現コース
用の位置制御パターンにより規定される速度より速い速
度を有する補助パターンγを用いて目標位置を対応する
制御回路22に出力し、編み針の進出位置が現コース用
の位置制御パターンの目標位置と一致した後(給糸口位
置t)は、現コース用の位置制御パターンを用いて給糸
口位置に応じた目標位置S5を対応する制御回路22に
出力する。
【0096】図13に示す実施例の場合においては、補
助パターンγの一部と、それに続く現コース用の位置制
御パターンの部分との組合せが新たな位置制御パターン
として決定される。補助パターンγは、Kを1より大き
い係数としたとき、次式で表すことができる。
【0097】γ={(現コース用の位置制御パターンの
目標位置)−β}×K+α
【0098】図12及び図13において、α及びβは、
歯口原点66に対する高さ位置である。したがって、α
及びβは、それが歯口原点66より高い位置のときは正
の値で表され、歯口原点66より低い位置のときは負の
値で表される。
【0099】実施例4
【0100】図3に示すように、進退開始位置PA1と
待機位置PA5とが同じであって待機位置の異なる複数
の位置制御パターンを予め記憶器58に記憶しておくと
共に、図14に示すように、進退開始位置PA1(S
k:但し、k=1,2…n)と最前進位置PA2(A
h:但し、h=1,2…m)とを結ぶn×m個の曲線パ
ターン記憶器58に記憶しておき、前コースの待機位置
PA5(α)と現コースの進退開始位置PA1(β)と
を比較し、その結果に基づいて新たな編成パターンを決
定してもよい。この実施例においては、コース毎及び編
み針毎に位置制御パターンのパターン番号が編成情報と
して記憶される。
【0101】実施例4において、制御演算器56は、先
ず前コース用の位置制御パターンから待機位置PA5
(α=Sk)を特定し、次いで現コース用の位置制御パ
ターンからその最前進位置PA2(Ah)を特定し、次
いでαとβとを比較し、次いでその結果に基づいて以下
の工程を実行する。
【0102】αがβと等しい(α=β)と、制御演算器
56は、現コース用の位置制御パターンを新たな位置制
御パターンと決定し、その位置制御パターンを用いて給
糸口位置に応じた目標位置S5を対応する制御回路22
に出力する。
【0103】αとβとが異なる(α≠β)と、制御演算
器56は、α=Skと、現コース用の位置制御パターン
の最前進位置PA2(Ah)とを結ぶ曲線パターンを特
定し、最初は特定した曲線パターンを用いて給糸口位置
に応じた目標位置S5を対応する制御回路22に出力
し、その後は現コース用の位置制御パターンを用いて給
糸口位置に応じた目標位置S5を対応する制御回路22
に出力する。
【0104】この実施例4においては、新たな位置制御
パターンは、特定された曲線パターンと、これに続く現
コース用の位置制御パターンの後半部とを合成すること
により決定される。曲線パターンは、パターン自体を記
憶しておいてもよいが、αとAhとHとを用いた2次元
以上の関数を記憶しておき、その関数にαとAhとHと
を代入して演算することにより得てもよい。
【0105】実施例5
【0106】図3に示すように進退開始位置PA1と待
機位置PA5とが同じである位置制御パターンを記憶器
58に記憶しておくと共に、図15に示すように前半部
を用いる位置制御パターンのパターン番号と後半部に用
いる位置制御パターンのパターン番号とを編成情報にコ
ース毎及び編み針毎に記憶器58に記憶しておき、制御
演算器56において編成情報に基づいて標準走行位置6
8を境に前半部と後半部とを切り換えて読み出すように
してもよい。この場合、各編み針について、前コースの
後半部に対応するパターン番号と現コースの前半部に対
応するパターン番号とは、両者が一致するように設定さ
れる。
【0107】実施例6
【0108】進退開始位置PA1と待機位置とが同一あ
るか又は異なるかを問わず、用いられる、複数の進退開
始位置PA1、複数の最前進位置PA2、複数の一時停
止位置PA3、複数の最後退位置PA4及び複数の待機
位置PA5の各組合せからなる多数の位置制御パターン
をパターン番号と共に記憶器58に記憶しておき、編成
情報が示す現コース用の位置制御パターンそのものを新
たな位置制御情報と決定してもよい。
【0109】なお、上記の実施例において、現コースの
新たな位置制御パターンをリアルタイムに決定する代わ
りに、1コース毎(最初の編み針の駆動開始前)、編成
開始時、編成開始前後の任意のタイミング(例えば、数
コース分毎に先読みする)等の手法により、編成情報か
ら前コースと現コースにおける位置制御パターンとを特
定し、両者の前半部と後半部とを合成し、合成した新た
な位置制御パターンを別の記憶部に設定しておき、駆動
時にはその別の記憶部から読み出した新たな位置制御パ
ターンにしたがって編み針を進退させてもよい。
【0110】また、上記の実施例において、位置制御パ
ターンを前半部と後半部とに分ける分離合成位置は、位
置制御パターンを前後の2つの領域に区分する任意な位
置であればよい。
【0111】上記の各実施例においては、目移しや目払
いのように給糸口の走行をともなわない編成時において
は、給糸口があたかも走行しているかのようにみなして
制御している。詳細には、制御演算器56は、仮想の給
糸口の移動開始からの経過時間と仮想の給糸口の設定速
度とから、仮想の給糸口の現在位置を算出し、算出した
現在位置と位置制御パターンとから編み針の目標位置を
求め、求めた目標位置を対応する制御回路22の記憶器
に出力する。目移し用及び目払い用の位置制御パターン
も、それを前半部と後半部とに分ける分離合成位置を有
する。
【0112】本発明は、ニット編みに用いる位置制御パ
ターン以外の、タック編み、目移し、目払い等に用いる
位置制御パターンにも適用することができる。
【0113】本発明は、上記実施例に限定されない。本
発明は、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置を備えた編み機の電気回路の
一実施例を示すブロック図
【図2】図1に示す制御装置の電気回路の一実施例を示
すブロック図
【図3】記憶器に記憶する位置制御パターンの一実施例
を示す図
【図4】コース毎の給糸口番号と編み針毎の位置制御パ
ターンの一実施例を示す図
【図5】基本的な位置制御パターンの一実施例を示す図
である。
【図6】複数の編み針を同一の位置制御パターンで制御
したときの編み針の進出位置及び給糸口の走行位置の関
係を示す図
【図7】位置制御パターンに対する編み針の進出位置及
び給糸口の走行位置の関係を示す図
【図8】位置制御パターンに対する編み針の位置制御を
説明するための図
【図9】位置制御パターンに対する編み針の進出位置及
び給糸口の走行位置と関係を示す図
【図10】記憶器に記憶する位置制御パターンの第2の
実施例の一部を示す図
【図11】記憶器に記憶する位置制御パターンの第2の
実施例の残りの部分を示す図
【図12】第3の実施例における第1の制御法を説明す
るための図
【図13】第3の実施例における第2の制御法を説明す
るための図
【図14】第4の実施例で用いる曲線パターンの一実施
例を示す図
【図15】第5の実施例で用いるコース毎の給糸口番号
と編み針毎の位置制御パターンの一実施例を示す図
【符号の説明】
10 制御装置 12 給糸口 16 編み針 30 給糸口用のアクチュエータ 32,36 位置センサ 34 編み針用アクチュエータ PA1 進退開始位置 PA2 最進出位置 PA3 一時停止位置 PA4 最後退位置 PA5 待機位置 H 分離合成位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高島 淳 石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田 駒工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−152655(JP,A) 特開 平6−158490(JP,A) 特開 平6−207348(JP,A) 特開 平9−302559(JP,A) 特開 平8−127947(JP,A) 特開2000−64159(JP,A) 特許2981175(JP,B2) 特公 平1−12855(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 15/00 - 15/99

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編み針を該編み針毎に設けられたアクチ
    ュエータにより進退させる編み機の制御方法において、 前記編み針の進退位置を制御すべく前記アクチュエータ
    を作動させる複数の位置制御パターンであって少なくと
    も待機位置が互いに異なる複数の位置制御パターンと、
    特定の位置制御パターンをコース毎及び編み針毎に指定
    する情報とをメモリに記憶しておき、 前記メモリに記憶されている位置制御パターンを基に、
    前コースの待機位置を現コースの進退開始位置としかつ
    現コースの編み組織に対応する複数の編み針進退位置を
    含む位置制御パターンを現コースの編成に用いる位置制
    御パターンとして決定することを含む、編み機の制御方
    法。
  2. 【請求項2】 前記位置制御パターンは、給糸口の複数
    の位置に関連して設定された編み針の複数の進退位置か
    らなる、請求項1に記載の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記メモリに記憶されている位置制御パ
    ターンは少なくとも待機位置が異なる複数の位置制御パ
    ターンを含み、現コースの編成に用いる位置制御パター
    ンは、前記情報により指定される前コースの位置制御パ
    ターンの前半部分と前記情報により指定される現コース
    の位置制御パターンの後半部分とを予め定められた給糸
    口位置を利用して合成することにより決定する、請求項
    2に記載の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記メモリに記憶されている位置制御パ
    ターンは、進退開始位置が異なる前半部のみの複数の前
    半部パターンと、待機位置が異なる後半部からなる複数
    の後半部パターンとを含み、現コースの編成に用いる位
    置制御パターンは、前記情報により指定される前コース
    の後半部パターンの待機位置と同じ進退開始位置を有す
    る前半部パターンと前記情報により指定される現コース
    の後半部パターンとを予め定められた給糸口位置を利用
    して合成することにより決定する、請求項2に記載の制
    御方法。
  5. 【請求項5】 前記メモリに記憶されている位置制御パ
    ターンは待機位置が異なる複数の位置制御パターンを含
    み、現コースの編成に用いる位置制御パターンは、前記
    情報により指定される前コースの位置制御パターンの待
    機位置が前記情報により指定される現コースの位置制御
    パターンの進退開始位置より小さいとき、初期時は現コ
    ースの位置制御パターンにより規定される速度より早い
    速度を有する補助パターンを用い、その補助パターンに
    おける編み針進退位置と前記現コースの位置制御パター
    ンにおける編み針の進退位置とが一致した後は現コース
    の位置制御パターンを用いることにより決定する、請求
    項2に記載の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記メモリに記憶されている位置制御パ
    ターンは待機位置が異なる複数の位置制御パターンを含
    み、現コースの編成に用いる位置制御パターンは、前記
    情報により指定される前コースの位置制御パターンの待
    機位置が前記情報により指定される現コースの位置制御
    パターンの進退開始位置より大きいとき、前コースの位
    置制御パターンの待機位置を編み針進退位置とする補助
    パターンを用い、その補助パターンにおける編み針進退
    位置と前記現コースの位置制御パターンにおける編み針
    の進退位置とが一致した後は現コースの位置制御パター
    ンを用いることにより決定する、請求項2に記載の制御
    方法。
  7. 【請求項7】 前記メモリに記憶されている位置制御パ
    ターンは、進退開始位置が異なる前半部のみの複数の前
    半部パターンと、待機位置が異なる複数の位置制御パタ
    ーンとを含み、現コースの編成に用いる位置制御パター
    ンは、前記情報により指定される前コースの位置制御パ
    ターンの待機位置と同じ進退開始位置を有する前半部パ
    ターンと前記情報により指定される現コースの位置制御
    パターンとを予め定められた給糸口位置を利用して合成
    することにより決定する、請求項2に記載の制御方法。
  8. 【請求項8】 編み針を該編み針毎に設けられたアクチ
    ュエータにより進退させる編み機の制御装置において、 前記編み針の進退位置を制御すべく前記アクチュエータ
    を作動させる複数の位置制御パターンであって少なくと
    も待機位置が互いに異なる複数の位置制御パターンとコ
    ース毎及び編み針毎に特定の位置制御パターンを指定す
    る情報とを記憶しているメモリと、 前記メモリに記憶されている位置制御パターンを基に、
    前コースの待機位置を現コースの進退開始位置としかつ
    現コースの編み組織に対応する複数の編み針進退位置を
    含む位置制御パターンを現コースの編成に用いる位置制
    御パターンとして決定する制御演算器とを含む、編み機
    の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記位置制御パターンは、給糸口の位置
    に関連して関連して設定された編み針の進退位置からな
    り、前記制御演算器は、前記設定された位置制御パター
    ンを用いて給糸口の位置に対応する編み針位置に進退位
    置を求め、その進退位置を目標位置として出力する、請
    求項8に記載の制御装置。
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