JP3353688B2 - ほうろう用冷延鋼板とその製造方法 - Google Patents

ほうろう用冷延鋼板とその製造方法

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JP3353688B2
JP3353688B2 JP04190098A JP4190098A JP3353688B2 JP 3353688 B2 JP3353688 B2 JP 3353688B2 JP 04190098 A JP04190098 A JP 04190098A JP 4190098 A JP4190098 A JP 4190098A JP 3353688 B2 JP3353688 B2 JP 3353688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台所用品など、加
工が厳しくかつ表面の美麗さを特に要求される2回掛け
ないしはそれ以上のほうろう掛けに好適な、ほうろう用
冷延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】素地金属を鋼板とするほうろう製品に
は、鍋やケトルのような家庭用品、暖房器具や電気製品
の部品、流し台や水周りなどの台所用品、浴槽、建築用
パネルなどがある。通常のほうろう製品は、素地鋼板を
切断、所要形状への成形加工、溶接などにより部品形状
を整えた後、脱脂、酸洗をおこなって下釉を掛け、乾燥
後焼成し、検査後上釉を掛け乾燥、焼成し、場合によっ
てはその上に着色釉を掛けてさらに焼成する。
【0003】ほうろう製品は、このように二回またはそ
れ以上の焼成をおこなう二回掛けほうろう(以下二回ま
たはそれ以上の回数ほうろう掛けする場合も、単に二回
掛けほうろうと呼称する)が一般的であるが、下釉なし
で上釉を直接鋼板に焼き付ける一回掛けほうろうもあ
る。一回掛けほうろうでは、焼成が一回で済むので作業
工程が短縮できることの他、用途によっては膜厚が薄く
でき、熱衝撃性にすぐれたものを得ることができる。
【0004】ほうろう製品の製造に際し発生する素地鋼
板にもその原因があると考えられる欠陥に、ほうろう層
の密着不良、泡立ち、爪飛び、鋼板に起因する表面不
良、焼成歪みなどがある。ほうろう層の密着不良は、例
えばほうろう面へ鋼球を落下させ表面のほうろう層の破
壊あるいは剥離が生じた際に鋼板の素地が露出してしま
うもので、釉薬と素地鋼板との組み合わせの不適正、あ
るいは釉掛けの鋼板前処理の不適正などによるとされて
いる。鋼板側の原因としては、酸洗時の素地の荒れ方が
不十分で、焼成時の釉薬の鋼板面への投錨効果が不十分
であることによると考えられる。泡立ちは、焼成後ほう
ろう面に気泡が残るもので、鋼板中組成の主としてCと
釉薬とが焼成中に反応して気体が発生したり、鋼板面の
きず等に残留した気化成分によるもので、それの気泡が
はじけるとピンホールになる。爪飛びはフィッシュテイ
ルとも呼ばれ、焼成して冷却後、三日月状の爪を切った
ときの切断片のような形状にほうろう層が割れて飛ぶ欠
陥で、冷却直後から1週間程度までの間に発生する。こ
れは、ほうろう焼成などの処理過程で鋼板中に侵入し固
溶していた水素が、冷却後気体となって鋼板と釉薬の界
面に集まり、その圧力でほうろう層を破壊するためとい
われている。また、鋼に内在する介在物などが素地鋼板
の表面に現れて表面欠陥となり、これがほうろう後にも
表面外観に影響をおよぼすこともある。焼成歪みは、炭
素を少量含む鋼の変態温度がほうろうの焼成温度近傍に
あって変態温度近傍では昇温にともなう熱膨張が非直線
的になるので、これが原因で成形品が歪む現象である。
鋼板のほうろう性の良否は、これらすべての性能が、用
途に対し満足すべきものかどうかで判断される。
【0005】二回掛けほうろうの場合、鋼板との密着性
のよい、例えばCoを含む釉薬を下釉に用い、上釉に緻
密で美麗な表面の得られる釉薬を用いることにより、鋼
板の影響を少なくすることができる。すなわち、密着性
を向上させることにより、爪飛びも抑制する方向に作用
し、泡立ちは下釉の範囲内で止まり、鋼板の表面欠陥は
釉薬が厚くなることによって隠蔽効果が増す。
【0006】これに対し、一回掛けほうろうは、焼成が
一回で済む利点がある反面、素地鋼板の影響を強く受け
る難点がある。ほうろう製品の製造に際し発生する欠陥
は、二回掛けの場合と同じであるが、釉薬としては仕上
がり表面の美麗さを要求され、濃く着色するCoなどを
用いることができないので、二回掛けの下釉に比してど
うしても密着性の劣るものとなる。その上、ほうろうの
厚さが薄いので、鋼板の表面欠陥がそのまま現れ、また
美麗で緻密なほうろう層を鋼板面に直接形成させるため
水素の透過が妨げられて、爪飛びを発生させやすい。
【0007】従来、鋼板のほうろう性の良否は、主とし
てこの一回掛けほうろう用として使用できるかどうかで
判断されてきた。これは、二回掛けほうろうに比較して
一回掛けほうろうの方が鋼板の特性の影響を大きく受け
るため、一回掛けほうろうに適用できる鋼板は、二回掛
けほうろうに対しては問題なく使用できるからである。
この一回掛けほうろう用に従来すぐれたほうろう性を有
していたのは、リムド鋼ないしはキヤップド鋼を素材と
し、オープンコイル焼鈍法により脱炭した鋼板であっ
た。この鋼板は、表面には鋼塊のリム層から来る比較的
純度の高い層がある一方、リミングアクションが必要な
ため酸素を多く含み、これが鋼の内部に酸化物系の介在
物となって多数分散している。そして、焼成歪みやピン
ホールおよび気泡の原因となる鋼中のCは脱炭焼鈍によ
り十分低減され、リム層があるため表面は美麗で釉薬と
の密着性がよく、脱炭焼鈍によりセメンタイト中のCが
抜けてできた微小空洞や内部の介在物などが爪飛びの原
因となる水素をトラップするので、爪飛びが起こりにく
く、ほうろう用には最適の鋼板であった。
【0008】このリムド鋼やキヤップド鋼は、鋼塊を鋳
造しこれを分塊圧延して熱間圧延素材のスラブを作るた
め生産効率や歩留まりが悪く、その上鋳造工程は高熱と
粉塵の劣悪な作業環境であることもあって、通常の鋼板
製造のための素材は殆ど連続鋳造法によるスラブに置き
換えられてしまった。ところが連続鋳造法はリムド鋼や
キャップド鋼に相当する鋼が製造できず、通常の製造条
件においてはほうろう性の極めて劣る鋼板しか得られな
い。そこで、連続鋳造法のスラブによるほうろう性のす
ぐれた鋼板を得るための検討が種々おこなわれた。まず
連続鋳造材として密着性向上のための鋼組成が選定さ
れ、Cについては、溶製時の真空精錬によって極低炭素
化した鋼が用いられるようになった。鋼板の焼鈍もコイ
ル焼鈍法から連続焼鈍法に移行し、短時間では焼鈍時の
脱炭が十分できないので、この製鋼段階で極低炭素化し
た鋼が活用されている。
【0009】連続鋳造材による鋼板のほうろう性改善の
中で最も重要な課題は爪飛びであった。前述のように爪
飛びは、釉薬の密着性向上と、それに加えて鋼中の介在
物やボイドあるいは析出物などが水素をトラップするこ
とによって抑制される。一方、通常の連続鋳造材は、製
錬技術の進歩とよりすぐれた性能や美麗な鋼板表面など
の要求とから高純化や清浄化がすすみ、不純物や介在物
等は大幅に低減されるようになってきた。このため、ほ
うろう用を目的とする場合、介在物の原因となる酸素な
どをわざわざ高めて製造する方法が開発された。例え
ば、特開昭59-35657号公報では、Cを0.003%以下、O
を0.02%以上、Nbを酸化物として存在するものを除き
C量の2倍以上0.04%以下含有させた、連続鋳造による
ほうろう用鋼の発明が開示され、類似の発明として特開
昭59-229463号公報には、Cが0.005%以下、Oが0.016
〜0.030%のCがやや高めOがやや低めで、他に時効防
止を目的にNbまたはBを添加した鋼の発明が提示され
ている。また酸素を高めて酸化物系介在物を増加させる
と表面きずなど欠陥が増すので、連続鋳造中の鋳型内溶
鋼の下降流れ中にワイヤを介してZr、REM、Nb等
を添加し電磁攪拌をおこなって均一化することにより、
Oを0.020〜0.080%含むほうろう用の鋼を表面きずなし
に製造する方法の発明が特開平2-235550号公報に開示さ
れた。さらに、プレス成形性や溶接性までもすぐれてい
るとして、酸素を0.020超〜0.100%に増し、Nbを0.00
3〜0.100%含有させたほうろう用鋼板も特開平6-57374
号公報に示されている。
【0010】これらの発明における鋼に共通しているこ
とは、ほうろうの密着性改善にCu、P、S等が管理さ
れ、その上で酸素含有量を高めるために、通常冷延鋼板
用極低炭素鋼に含有されるAlやTiが、ほとんど使わ
れていないことである。AlやTiを含有していない場
合、Nによる歪み時効が現れるので、この窒素固定のた
めBやNbが添加されている。
【0011】このように、ほうろう性の改善を図るため
の酸素添加等による対策は、酸化物系の介在物を増加さ
せるものであり、その結果として、表面きずの増加、鋼
板のプレス成形性の劣化を来す結果となる。しかし近
年、ほうろう製品は台所用品など美的要因を追求される
ものが増加しており、製造工程合理化のために鋼板その
もののプレス加工性も、強く要求されるようになってき
ている。すなわち、ほうろう性、特に耐爪飛び性にすぐ
れ、しかも表面きずがなく、プレス加工性にすぐれた鋼
板が要求されるが、これに応えうる連続鋳造スラブを素
材としたほうろう用鋼板は十分なものがまだ得られてい
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主として二
回掛けほうろうに用いられるほうろう用鋼板を対象と
し、鋼板の表面はきずなどの欠陥がなく美麗で、プレス
成形性が良好であり、ほうろうの密着性および耐爪飛び
性のすぐれた鋼板を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】ほうろう製品において、
爪飛びは、製造の最終段階を終えてから発生すること、
発生したロット内ではかなりの比率にわたる場合が多い
こと、そして、殆ど補修不能であること等から、発生す
ればその被害は多額になるため、ほうろう用鋼板の最重
要課題として検討されてきた。その結果の対策として
は、鋼板では上述のように鋼中の介在物を大幅に増加さ
せることである。しかしながら、鋼中の介在物を増すこ
とは鋼板の加工性、とくに延性を劣化させるものであ
り、また表面きずを増大させる結果となる。
【0014】一方、ほうろうの方からは、鋼板のほうろ
う適性を顕著に検出する一回掛けは、ほうろうの美観、
質感、耐用性の面から台所用品などには多くは使用され
ず、二回掛けないしはそれ以上の回数ほうろう掛けが繰
り返される製品が主になっている。そして、ほうろう掛
けされる素材の鋼板も、溶接など工数のかかる作業は敬
遠され、プレス加工により最終形状にまで成形されるよ
うになっており、鋼板としてとくにすぐれた加工性も要
求されるようになってきた。
【0015】鋼中の介在物を増加させ、その上でその鋼
板の加工性をさらに向上させることは、材料の常識から
通常はほとんど不可能である。爪飛びは、ほうろう層と
鋼板の間に集まってきた水素に起因するものであるが、
ほうろう層と鋼板との間の密着力が十分であれば、一旦
集まってきた水素は、爪飛びを生じさせることができな
いままにやがては拡散し消失する。一回掛けほうろうで
は、ほうろうの外観仕上げ面のよいことも同時に要求さ
れ、釉薬の密着性向上には限界があると思われるが、二
回掛けほうろうの場合、密着性のすぐれた釉薬を下釉と
して選択できる。したがって、二回掛けほうろうが選択
できれば、耐爪飛び性に関する鋼板への要求の厳しさは
大幅に緩和されると考えられる。
【0016】このような観点から、本発明者らは二回掛
けほうろうを前提とし、その場合のほうろう性を十分に
確保した上で、プレス加工性をできるだけ向上させた鋼
板を開発することとした。一回掛けほうろうでは、鋼中
の介在物増加のため酸素を多く含有させる。しかし、介
在物減少による加工性向上と、表面きず低減のために
は、酸素は可能な限り減らさなければならない。そこで
まず二回掛けほうろうの場合の、爪飛びが発生しない限
界の含有量を確認し、その上でプレス加工性を向上させ
る方策を種々検討した。その結果、酸素の低めの制御
に、適量のNb含有を組み合わせるのが、最も効果的で
あることを見出したのである。
【0017】極低炭素鋼にて冷延後連続焼鈍法を適用す
る場合、Tiの添加がプレス加工性や深絞り性向上に著
しい効果がある。しかし、Tiを添加すると酸素の含有
量を大きくできず、プレス成形の際の二次加工脆化を生
じる危険性があり、酸素が高い状態ではそれがことに顕
著になるという問題がある。この二次加工脆化とは、鋼
板をプレス成形後、その成形品にさらに前とは異なる方
向の変形を急速に加えて加工しようとする際の、わずか
な変形で起こる割れ現象で、たとえば、ケトルのように
板を円筒状にプレス成形し、口絞りなどの加工をおこな
うとすると割れが生じて、成形できなくなる。
【0018】そこで、Tiに似て固溶Cを固定し、深絞
り性を向上させる効果のあるNbの使用を調査してみた
結果、適量添加により、酸素が多少あったとしてもプレ
ス加工性向上の効果が十分あり、耐二次加工脆化性にも
すぐれ、その上耐爪飛び性も改善されるていることがわ
かったのである。
【0019】さらに、二回掛けないしはそれ以上のほう
ろうでは、800℃を超える温度で再々加熱されることに
なるが、極低炭素鋼板の場合、プレス後の比較的低い加
工度の部分で繰り返し加熱により異常グレイングロース
を起こすことがある。甚だしい場合は、板厚に対し結晶
粒が 1個となり、小さな衝撃でも割れが生じたり、ほう
ろう表面にまで巨大結晶粒が影響したと思われる模様を
生じたりする。このようなグレイングロースの抑止に
も、Nb添加は効果的であった。
【0020】このような種々の好ましい効果は、Nbの
持つ特性によってもたらされたと考えられる。NbはT
iと同様、炭窒化物形成元素であり、極低炭素鋼に少量
添加することによりCを固定し、その鋼による冷延鋼板
のプレス成形性を著しく向上させることはよく知られて
いる。ただしTiに比較するとCとの結合力は若干弱
く、酸素や窒素との親和力もやや低く、その上少し含有
量を増しすぎると再結晶温度が上昇し、焼鈍温度を高く
しなけれはならない、といった難点がある。しかし、酸
素との親和力がやや低いため、酸素の高いレベルでの添
加が可能になり、Cとの結合力が若干弱いことは、わず
かに固溶Cが残存して耐二次加工脆化性を改善している
ようである。また酸素がやや多めに含有されているた
め、Cとの結合による微細なNbCの析出物に加えてN
bを含む酸化物が鋼中に混在してくるが、これらの分散
した非金属粒子は水素のトラップに効果的に作用し、耐
爪飛び性を向上させていると推定された。その上、微細
に析出したNbC粒子は、結晶粒界の移動を阻害し粒成
長を抑止するが、高温でも凝集しにくいのでとくに有効
に異常グレイングロースを抑止していると考えられる。
【0021】窒素の固定作用のあるAlやTiを酸素の
含有量を確保するため添加しない場合、固溶状態の窒素
が歪み時効を生じたり加工性を悪くしたりする。Nbに
もこの窒素固定作用はあるが、炭化物や酸化物を作るの
に消費されその作用は期待できない。そこで、鋼中の窒
素をできる限り低下させ、Bを微量添加してみた。その
結果、適量のBの添加は歪み時効を抑制し、その上耐爪
飛び性までも改善する効果のあることがわかった。この
鋼にはAlなど脱酸のための元素が添加されてなく酸素
が高いので、通常適用される微量のB添加では酸化され
てしまって効果が現れないのではないかと思われたが、
従来の極低炭素冷延鋼板にBを添加して得られる効果
が、この酸素の高いNb添加鋼においても発揮される。
他にほうろう釉薬の密着性に影響するとして、Cu、
P、Sなどの元素の含有が知られているが、これらの元
素もこの鋼に対し適量添加することにより同様にほうろ
う性改善に有効であることが確認できた。
【0022】成分を調整して得られた連続鋳造スラブに
より、熱間圧延、冷間圧延、および焼鈍等の通常工程に
て製品としての鋼板を製造するが、その製造条件も鋼板
のほうろう性に影響をおよぼす。とくに熱間圧延の巻取
り温度は高めに設定する方が耐爪飛び性を改善できる。
これは巻取り時に析出してくる微細粒子の大きさが、水
素のトラップ場所として適した大きさに成長することに
よると考えられた。また、冷間圧延後、連続焼鈍するこ
とは、同様にほうろうの耐爪飛び性改善に効果がある。
これは、冷間加工時、介在物周辺にできたボイドなどが
連続焼鈍の短時間の焼鈍では消失せず、水素をトラップ
する場所として機能するためであろう。連続焼鈍でも均
熱時間が長くなると爪飛び抑制効果が減退することがあ
る。また鋼板のプレス成形性の面からは、この酸素を適
度に含むNb添加極低炭素鋼の場合、巻取り温度を高め
にして得られた熱延コイルは、冷間圧延の圧下率を高く
取り、かつ焼鈍温度を、800℃以上の高温にするのがよ
いことも確認された。
【0023】以上の鋼化学組成、および熱間圧延以降の
製造条件について、より加工性がすぐれ、ほうろう性、
とくに二回掛けほうろう性が良好な、表面きずのないほ
うろう用鋼板を得るための範囲限界を明確にして本発明
を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
【0024】(1) 重量%にて、C:0.0005〜0.0030%、
Si:0.2%以下、Mn:0.5%以下、P:0.005〜0.020
%、S:0.005〜0.012%、Al:0.01%以下、N:0.00
3%以下、Cu:0.015〜0.060%、Nb:0.010〜0.050
%、B:0.0020〜0.0045%、O:0.006〜0.015%で、か
つ Cu(%)/P(%):1.0〜3.5 P(%)/S(%):0.6〜2.0 B(%)/N(%):0.77〜2.31 Nb(%)/C(%):10以上 であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼
組成を有することを特徴とする成形性と表面性状にすぐ
れた二回掛け以上のほうろうに適した冷延鋼板。
【0025】(2) 重量%にて、C:0.0005〜0.0030%、
Si:0.2%以下、Mn:0.5%以下、P:0.005〜0.020
%、S:0.005〜0.012%、Al:0.01%以下、N:0.00
3%以下、Cu:0.015〜0.060%、Nb:0.010〜0.050
%、B:0.0020〜0.0045%、O:0.006〜0.015%で、か
つ Cu(%)/P(%):1.0〜3.5 P(%)/S(%):0.6〜2.0 B(%)/N(%):0.77〜2.31 Nb(%)/C(%):10以上 であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼
組成を有する連続鋳造スラブを素材として、圧延開始温
度1100〜1250℃として熱間圧延をおこない、580〜720℃
で巻き取り、酸洗後圧延率75〜90%で冷間圧延し、800
℃以上の温度における均熱時間を120秒以内として連続
焼鈍することを特徴とする成形性と表面性状にすぐれた
二回掛け以上のほうろうに適した冷延鋼板の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施に際し、素材鋼の化
学組成および製造条件を規制するが、その規制範囲およ
び規制の理由を説明する。成分含有量はすべて重量%で
ある。
【0027】Cは、含有量を0.0005〜0.0030%とする。
これは含有量が0.003%を超えるとほうろうの泡欠陥を
生ずる傾向があり、また鋼板のプレス成形性も悪くなっ
てくる。一方、0.0005%以上とするのは、これを下回る
まで低下させるには精錬時間が長くかかりすぎ、酸素も
より多くする必要があって表面きずが増加してくるため
である。望ましいのは0.0005〜0.0020%の範囲である。
【0028】Siは、ほうろう性には大きくは影響しな
いが、多くなると、鋼板表面のきずを発生させたり外観
を悪くし、硬さを増してプレス成形性を悪くするので、
0.2%以下に限定する。下限は特には定めないが通常の
不純物程度の存在でよい。
【0029】Mnは、Sによる熱間脆性を防止するため
に鋼ではS含有量の7倍程度以上必然的に含有させる。
しかし、鋼の変態点を低下させるので、ほうろう用には
焼成温度範囲で変態を生じないようにするため多くない
方がよい。また多すぎる含有は鋼の加工性も悪くするの
で0.5%以下とする。
【0030】Pは、鋼の不可避的不純物の一つである
が、酸洗の際の鋼板の溶ける速度を早くする傾向があ
る。多くなりすぎると過剰な酸洗減量のためほうろうの
泡欠陥を生じやすくなる。また少なすぎると酸洗不十分
となり密着性を悪くする。そこで、Pの含有量の範囲は
0.005〜0.020%とする。
【0031】Sは、その含有範囲を0.005〜0.012%とす
る。SはPと同様鋼の不可避的不純物であり、熱間圧延
時の割れの原因となるので、通常Mnを添加しこれを抑
止する。その結果として生ずるMnSは、鋼中の代表的
な介在物であり、プレス成形性の向上のためには少なけ
れば少ないほど良い。しかしながら、ほうろうに対して
は、水素をトラップする介在物となり、また酸洗速度を
速め、適度の表面荒れをもたらして密着性を向上させる
効果がある。そこで、鋼板の加工性向上の点から上限を
0.012%までとし、ほうろう性の点から下限を0.005%す
る。
【0032】Pも、Sも酸洗時の溶解速度、すなわち酸
洗減量を増加させる元素であるが、密着性におよぼす影
響について調査の結果、PとSは相互作用があり、その
含有量の比が、大きすぎても小さすぎても、密着性が劣
ったり、泡などを発生しやすいことがわかった。そこで
P(%)/S(%)を0.6〜2.0の範囲に限定する。これは、
酸洗減量だけではなく、酸洗後の表面状態に関係してい
ると推定された。
【0033】Alは、鋳片の健全性確保に製綱段階の脱
酸剤として使用するが、Oを鋼に含有させるため、鋼中
にはできるだけ留めないようにする。したがってその含
有量は0.01%以下とする。
【0034】Nは、ほうろう性には影響しないが、ひず
み時効を生じ、鋼板の加工性を悪くするのでBを添加し
BNとして固定する。しかしBは鋼の加工性をわるく
し、多くは添加できないので、Nはできるだけ少なくし
たい。そこでNの含有量は0.003%以下とする。
【0035】Cuは、酸洗の際の鋼の溶解速度を下げる
が、ほうろうの密着性を向上させる効果がある。その含
有量が0.015%未満では密着性向上の効果は十分でな
く、0.060%を超えると溶解速度が下がりすぎ、酸洗に
よる表面の凹凸が十分得られず、これもまた密着性を低
下させる。したがって、その含有範囲を0.015〜0.060%
とするが、望ましいのは0.020〜0.050%である。
【0036】また、Cuは酸洗減量を低減させるのに対
し、Pは増加させる効果があり、それら相互の影響につ
いて調査の結果、密着性向上にはCuとPの比の値で管
理すれば、最適の範囲があり、それ範囲よりも大きくて
も小さくても密着性は劣ることがわかった。すなわちC
u(%)/P(%)は、1.0〜3.5の範囲内に規制する必要が
ある。
【0037】Nbは、CをNbCとして固定することに
より、鋼板のプレス成形性を向上させる。また、生じた
炭化物や酸化物は水素をトラップすることにより、耐爪
飛び性を向上させる。このような効果は、0.01%未満で
は不十分であるが、含有量が増して0.05%を超えるよう
になると、鋼板を硬くし、プレス成形性を悪くする。し
たがってその含有量を0.010〜0.050%とする。
【0038】ただしNbは、C量に対し、少なければ固
定効果が不十分で、プレス加工性の低下やひずみ時効な
どを引き起こすので、C量に対し十分な量添加する必要
がある。すなわちNb(%)/C(%)を、10以上とする。
【0039】Bは、Nを固定して非時効化させる目的で
添加する。酸素が多く含まれる状態にて窒素と結合させ
るため、少なくとも0.0020%以上の含有が必要である。
しかし多すぎると鋼を脆化させることがあるので、多く
ても0.0045%までである。すなわちBの含有量は0.0020
〜0.0045%とする。
【0040】なお、BはNに対し不足すると非時効化が
不十分となり、多すぎるとプレス加工性の劣化を招くの
で、含有量に対比してその量を規制する必要がある。上
記の組成範囲にて、化学組成をほぼ同じにしてBとNと
の含有量のみを変えて得られた鋼板を、100℃、60分の
時効後、引張り試験をおこなった場合の、B(%)/N
(%)の値と伸びおよび降伏点伸びとの関係を図1に示
す。B/Nが大きくなるにつれて降伏点伸びは0になる
が、伸びはB/Nが大きくなりすぎると低下してくるこ
とがわかる。したがってB/Nの値を0.77〜2.31の範囲
内に限定する。
【0041】O(酸素)は含有範囲を0.006〜0.015%と
する。Oは鋼中にてMnの酸化物を主体とする介在物を
形成し、この介在物が水素をトラップするので、爪飛び
発生を抑止することができる。本発明の場合、鋼中にN
bおよびBを含有させるが、これらの元素はMnと同程
度かそれ以上にOとの結合力が強く、酸化物の状態に影
響すると考えられる。
【0042】介在物等の水素トラップの効果は、鋼板中
の水素透過時間により比較できる。水素透過時間は、1.
4g/lのチオ尿素を含む5%H2SO4水溶液を電解液とし
て、鋼板の一方の面に電流密度50mA/dm2の電流を流して
水素を発生させ、反対側の面に水素が観察されるまでの
時間を測定する。水素透過時間が長いほど水素のトラッ
プ効果が大きく、ほうろうの耐爪飛び性がよいとされて
いる。そこで、鋼の他の化学組成はほぼ同一とし、O含
有量を種々変えた鋼にて、NbおよびBを添加しない鋼
板と、Nbを0.025%およびBを0.0030%添加し含有さ
せた鋼板を作製し、水素透過時間を測定した。
【0043】結果を図2に示すが、水素透過時間はOが
増すほど長くなる傾向があり、NbおよびBが存在する
とより一層長くなることがわかる。水素透過時間は、5
分以上あれば2回掛けほうろうにて爪飛びは発生せず、
これは酸素を0.02%含有させることにより達成できる。
しかしながら、介在物増加により表面きずが増し鋼板の
加工性を悪くするので、酸素はできるだけ低くすべきで
ある。この図2の結果は、NbおよびBが存在すると、
同じ効果を得る酸素量が少なくてもよいことを示してい
る。しかし、その場合でも0.006%を下回るようになる
と爪飛びが発生するようになる。
【0044】介在物が増すことにより、表面きずが生じ
やすくなり加工性が劣化してくるため、介在物の原因と
なる酸素は少なければ少ないほどよい。すぐれた加工性
を確保する観点から、含有されていても実質的にほとん
ど影響のない範囲として上限は0.015%までとするのが
よい。
【0045】以上のような理由から、酸素含有量を0.00
6%〜0.015%とするが、ほうろう性と加工性を両立させ
るためにより望ましいのは、0.010〜0.015%である。
【0046】上記組成の鋼スラブをほうろう用の冷延鋼
板とするのに際し、従来使用されている熱間圧延から、
冷間圧延、連続焼鈍の工程を経て製造すればよい。しか
し、これらの工程において、望ましくは次のような条件
にて処理されれば、よりすぐれた性能の鋼板を得ること
ができる。
【0047】スラブの加熱温度は1100〜1250℃とする。
これは1250℃を超えると、NbCやMnSなど析出物の
分布形態が変わり、ほうろうの耐爪飛び性に影響した
り、酸化によるスケールロスの増大を来すことになり、
1100℃を下回ると、プレス成形性が低下したり圧延加重
の増加により圧延困難となってくるためである。
【0048】熱間圧延の仕上げ温度は850から910℃程度
までが望ましい。高すぎても低すぎてもプレス加工性が
低下する傾向がある。
【0049】巻き取り温度は、580〜720℃がよい。Nb
の炭化物、Bの窒化物等を冷間圧延前に十分析出させ、
プレス成形性の向上とほうろうの耐爪飛び性の向上には
巻き取り温度は高い方がよく、580℃以上がよいが、高
すぎるとスケールの増加とそれにともなう表面性状の劣
化を招くおそれがあるので720℃までとする。
【0050】冷間圧延率は、プレス加工性、とくに深絞
り性の指標であるr値を大きくするため75%以上がよ
い。しかし大きくしすぎると圧延に負担がかかり、r値
も低下してくるので、90%までがよい。すなわち冷間圧
延の圧下率は75〜90%とする。
【0051】焼鈍は、耐爪飛び性向上の点から連続焼鈍
法が望ましい。これは、冷間圧延中に介在物近傍などに
できた微少割れやボイドなどが、連続焼鈍法の短時間均
熱では十分埋まらず、水素のトラップ場所になるためと
思われる。その場合の焼鈍温度は800〜900℃とする。こ
れは800℃未満では焼鈍不十分で加工性が劣ることがあ
り、900℃を超えるとr値が低下するおそれがあるから
である。望ましいのは840〜880℃である。また均熱時間
は、材料の温度が800℃以上になるなら数秒程度を超え
れば焼鈍の目的は実質的に達成できる。しかし長時間に
わたると短時間均熱の効果が失われることから、800℃
を超える温度範囲での焼鈍時間は120秒以下とするのが
よい。
【0052】
【実施例】〔実施例1〕表1に化学組成を示す鋼スラブ
を連続鋳造法にて鋳込み、以下の工程および条件で冷延
鋼板とした。
【0053】1)熱間圧延 スラブ均熱:1200℃ 仕上げ温度:880〜900℃ 巻取り温度:680℃ 仕上げ板厚:4.0mm 2)酸洗 10%HClにて40〜50秒 3)冷間圧延 圧下率:83%(厚さ0.7mm) 4)連続焼鈍 焼鈍温度:850℃ 均熱時間:100秒 5)調質圧延 伸び率:0.6%
【0054】
【表1】
【0055】得られた鋼板について、表面きずの有無を
目視調査し、100℃で60分時効処理した後に、引張り試
験および二次加工脆性の評価をおこなった。二次加工脆
性は、絞り比1.8として直径50mmの円筒カップを絞り成
形し、これを−40℃に冷却して100kgの重錘を1000mm落
下させ横から圧潰し、破面観察により脆性破壊面の有無
を調べた。脆性破面の見出されたものについては冷却温
度を高くして圧潰し、脆性破面の現れる限界の温度を求
めた。この場合発生限界温度は低い程良い。
【0056】ほうろう性は幅100mm、長さ200mmの鋼板切
り出し片を用いて、以下に示す条件にてほうろう掛けを
おこない、密着性についてはPEI法により密着指数を
求め、爪飛びおよび泡は外観目視によりその発生の有無
を調べた。
【0057】前処理 75℃の13%H2SO4水溶液中に5分浸漬後、中和し水洗乾
燥。
【0058】下掛けほうろう釉薬 グランドコート(日本フェロー社製#21269) 施釉 スプレーにより両面約100μm 焼成 820℃、4分 なお上掛けほうろうについては、下掛けほうろうにて十
分なほうろう皮膜が得られれば、まず問題を生じること
はないので、この場合試験はおこなわなかった。表2に
これら各試験の結果をまとめて示す。本発明で定める化
学組成の試験番号 1、3および 5の鋼板では、伸びが良
好で、降伏点伸びは認められず、表面きずもなく、ほう
ろう性は良好である。これに対し、番号 6ではほうろう
性はよいが、表面きずが認められ、伸びがよくない。こ
れはBおよびCの高すぎによると思われる。番号 7は爪
飛びが発生しており、O含有量が本発明で定める範囲よ
りも低すぎたためであろう。しかし、O含有量は多すぎ
ると、番号 8のように表面きずが現れる。また、番号 9
および10は、伸びが悪く降伏点伸びが認められ、しかも
二次加工脆性がよくない。これは、Bが含有されてない
か、含有していてもB/Nが本発明の定める範囲より小
さすぎ、時効劣化したためと考えられる。ことに番号 9
は、Nb/Cが本発明で定める範囲よりも低すぎ、これ
も伸びを悪くしている原因であろう。番号11および12は
Cu含有量ないしはCu/Pの値が本発明の定める範囲
を逸脱しており、これが酸洗時の鋼板表面の状態に影響
して密着性を悪くし、泡を生じたりしたものと思われ
る。
【0059】
【表2】
【0060】〔実施例2〕 表1の鋼Aの化学組成のスラブを用いて、スラブ均熱温
度は1200℃とし、巻取り温度を変えて熱間圧延をおこな
い、冷間圧延率は83%として冷間圧延し、連続焼鈍法に
て温度および時間を変えて焼鈍後、伸び率0.6%の調質
圧延を施した。得られた鋼板について、実施例1と同じ
方法にて、時効後引張り試験および二次加工脆性調査を
おこない、ほうろう性の評価をおこなった。
【0061】表3に熱間圧延の巻き取り温度、焼鈍温度
および焼鈍時間と、得られた鋼板の引っ張り試験結果お
よびほうろう試験結果まとめて示す。これらから明らか
なように、本発明範囲の化学組成の鋼であっても、製造
条件が好ましくない場合には、特性として十分な鋼板が
得られないことがわかる。すなわち、試験番号28は熱延
の巻き取り温度が低すぎるため伸びが劣り、ほうろう後
爪飛びが発生し、試験番号29は焼鈍時間が長すぎて爪飛
びを生じている。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明によるほうろう用冷延鋼板は、表
面にきずなどの欠陥がなく美麗で、プレス成形性が良好
であり、主として二回掛けないしはそれ以上の回数のほ
うろうに用いて、密着性がよく耐爪飛び性のすぐれた、
良好なほうろう性が得られる。この鋼板を用いることに
より、台所器物やシステムキッチン、家電部品等に用い
る美麗なほうろう部品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中のBとNとの含有量比と、時効処理をおこ
なった後の鋼板の引張り試験における伸びおよび降伏点
伸びとの関係を示す図である。
【図2】鋼板中の酸素含有量と、水素透過時間の関係に
ついて、NbおよびBを添加した場合としない場合の実
験結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−212546(JP,A) 特開 平6−279865(JP,A) 特開 平4−13849(JP,A) 特開 平1−275736(JP,A) 特開 平9−41086(JP,A) 特開 平11−229086(JP,A) 特開 平10−183300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、C:0.0005〜0.0030%、S
    i:0.2%以下、Mn:0.5%以下、P:0.005〜0.020
    %、S:0.005〜0.012%、Al:0.01%以下、N:0.00
    3%以下、Cu:0.015〜0.060%、Nb:0.010〜0.050
    %、B:0.0020〜0.0045%、O:0.006〜0.015%で、か
    つ Cu(%)/P(%):1.0〜3.5 P(%)/S(%):0.6〜2.0 B(%)/N(%):0.77〜2.31 Nb(%)/C(%):10以上 であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼
    組成を有することを特徴とする成形性と表面性状にすぐ
    れた二回掛け以上のほうろうに適した冷延鋼板。
  2. 【請求項2】重量%にて、C:0.0005〜0.0030%、S
    i:0.2%以下、Mn:0.5%以下、P:0.005〜0.020
    %、S:0.005〜0.012%、Al:0.01%以下、N:0.00
    3%以下、Cu:0.015〜0.060%、Nb:0.010〜0.050
    %、B:0.0020〜0.0045%、O:0.006〜0.015%で、か
    つ Cu(%)/P(%):1.0〜3.5 P(%)/S(%):0.6〜2.0 B(%)/N(%):0.77〜2.31 Nb(%)/C(%):10以上 であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼
    組成を有する連続鋳造スラブを素材として、圧延開始温
    度1100〜1250℃として熱間圧延をおこない、580〜720℃
    で巻き取り、酸洗後圧延率75〜90%で冷間圧延し、800
    ℃以上の温度における均熱時間を120秒以内として連続
    焼鈍することを特徴とする成形性と表面性状にすぐれた
    二回掛け以上のほうろうに適した冷延鋼板の製造方法。
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