JP3351298B2 - フランジを有する形鋼の圧延方法及び装置 - Google Patents
フランジを有する形鋼の圧延方法及び装置Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ｈ形鋼等のフラン
ジを有する形鋼のウェブ高さを圧延中に自在に調整する
圧延方法及びその装置に関する。
ジを有する形鋼のウェブ高さを圧延中に自在に調整する
圧延方法及びその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】Ｈ形鋼、Ｉ形鋼などのフランジを有する
形鋼は、一般に図１１に示すような圧延設備で製造され
る。具体例としてＨ形鋼の場合について説明すると、加
熱炉から出た素材鋼片は、まず、２重式の圧延機である
ブレークダウン圧延機ＢＤによって、目的とする製品寸
法に適する形状に造形圧延される。続いて、粗ユニバー
サル圧延機Ｕ１、Ｕ２とエッジャ圧延機Ｅ１、Ｅ２から
なる粗ユニバーサル圧延機群Ｒ１、Ｒ２において厚みを
減じられるとともにフランジ端部の成形が行われる。さ
らに、仕上げユニバーサル圧延機Ｆによってフランジが
ウェブと直角になるように成形され、Ｈ形の製品とな
る。
形鋼は、一般に図１１に示すような圧延設備で製造され
る。具体例としてＨ形鋼の場合について説明すると、加
熱炉から出た素材鋼片は、まず、２重式の圧延機である
ブレークダウン圧延機ＢＤによって、目的とする製品寸
法に適する形状に造形圧延される。続いて、粗ユニバー
サル圧延機Ｕ１、Ｕ２とエッジャ圧延機Ｅ１、Ｅ２から
なる粗ユニバーサル圧延機群Ｒ１、Ｒ２において厚みを
減じられるとともにフランジ端部の成形が行われる。さ
らに、仕上げユニバーサル圧延機Ｆによってフランジが
ウェブと直角になるように成形され、Ｈ形の製品とな
る。
【０００３】この従来のユニバーサル圧延法によって得
られるＨ形鋼の寸法は図１０に示されるように、ウェブ
高さＨ、ウェブ内幅ＬＨ、フランジ厚ｔ２とすると、Ｈ
＝ＬＨ＋２×ｔ２の関係となる。ウェブ内幅ＬＨは仕上
げユニバーサル圧延機Ｆの水平ロール幅とほぼ同一であ
ることから、ウェブ高さＨは仕上げユニバーサル圧延機
Ｆの水平ロール幅とフランジ厚により決定される。この
ため例えば、フランジ厚の変化量に関係なくウェブ高さ
が一定のＨ形鋼や、逆にフランジ厚が一定でウェブ高さ
を任意の寸法にすることができるＨ形鋼を製造しようと
した場合、粗ユニバーサル圧延機及び仕上げユニバーサ
ル圧延機の水平ロール幅を、圧延するＨ形鋼のサイズに
合わせて準備する必要がある。従って、圧延する寸法サ
イズ数がフランジ厚ｔ２やウェブ内幅ＬＨに関係なく増
大することは、ロール保有数が増加し、さらに、圧延す
る寸法サイズが変わる毎に、その都度そのサイズに合致
した幅の水平ロールに組み替える必要が生じ、そのため
操業度は大幅に低下する。
られるＨ形鋼の寸法は図１０に示されるように、ウェブ
高さＨ、ウェブ内幅ＬＨ、フランジ厚ｔ２とすると、Ｈ
＝ＬＨ＋２×ｔ２の関係となる。ウェブ内幅ＬＨは仕上
げユニバーサル圧延機Ｆの水平ロール幅とほぼ同一であ
ることから、ウェブ高さＨは仕上げユニバーサル圧延機
Ｆの水平ロール幅とフランジ厚により決定される。この
ため例えば、フランジ厚の変化量に関係なくウェブ高さ
が一定のＨ形鋼や、逆にフランジ厚が一定でウェブ高さ
を任意の寸法にすることができるＨ形鋼を製造しようと
した場合、粗ユニバーサル圧延機及び仕上げユニバーサ
ル圧延機の水平ロール幅を、圧延するＨ形鋼のサイズに
合わせて準備する必要がある。従って、圧延する寸法サ
イズ数がフランジ厚ｔ２やウェブ内幅ＬＨに関係なく増
大することは、ロール保有数が増加し、さらに、圧延す
る寸法サイズが変わる毎に、その都度そのサイズに合致
した幅の水平ロールに組み替える必要が生じ、そのため
操業度は大幅に低下する。
【０００４】このような問題を解決する技術として、特
開平４−２８８９０２号公報に開示された方法がある。
これは図１２に示すように、ブレークダウン圧延機Ｂ
Ｄ、粗ユニバーサル圧延機Ｕ１、Ｕ２、エッジャ圧延機
Ｅ１、Ｅ２及び仕上げユニバーサル圧延機Ｆからなる通
常のＨ形鋼の熱間圧延設備のエッジャ圧延機Ｅ２の後面
に、ロール幅が調整可能な圧延ロールを上下一対装着し
てなる圧延機Ｙを近接して設置した圧延設備を使用する
ものである。その圧延方法は図１３に示すように、ま
ず、粗ユニバーサル圧延機により、フランジとウェブの
付け根部分及びウェブ両端部に余肉を形成する工程を行
う。引き続いてロール幅が調整可能な圧延ロールを上下
一対装着した圧延機Ｙにて粗ユニバーサル圧延工程にお
けるウェブ内幅よりもロール幅を大きく設定して圧延す
ることにより、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の
拡大とともに、粗ユニバーサル圧延工程でのウェブ中央
部と同一厚さまで余肉部を圧下することにより、その減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる工程を
行う。この２つの工程を繰り返すことにより所定のウェ
ブ高さとなるまで、ウェブ内幅を拡大するものである。
開平４−２８８９０２号公報に開示された方法がある。
これは図１２に示すように、ブレークダウン圧延機Ｂ
Ｄ、粗ユニバーサル圧延機Ｕ１、Ｕ２、エッジャ圧延機
Ｅ１、Ｅ２及び仕上げユニバーサル圧延機Ｆからなる通
常のＨ形鋼の熱間圧延設備のエッジャ圧延機Ｅ２の後面
に、ロール幅が調整可能な圧延ロールを上下一対装着し
てなる圧延機Ｙを近接して設置した圧延設備を使用する
ものである。その圧延方法は図１３に示すように、ま
ず、粗ユニバーサル圧延機により、フランジとウェブの
付け根部分及びウェブ両端部に余肉を形成する工程を行
う。引き続いてロール幅が調整可能な圧延ロールを上下
一対装着した圧延機Ｙにて粗ユニバーサル圧延工程にお
けるウェブ内幅よりもロール幅を大きく設定して圧延す
ることにより、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の
拡大とともに、粗ユニバーサル圧延工程でのウェブ中央
部と同一厚さまで余肉部を圧下することにより、その減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる工程を
行う。この２つの工程を繰り返すことにより所定のウェ
ブ高さとなるまで、ウェブ内幅を拡大するものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、被圧延材の粗ユニバーサル圧延工程においてウェブ
内幅の拡大を行うために、粗ユニバーサル圧延機群に専
用の圧延機を必要とし、圧延設備の増加による設備費の
増大を余儀なくされていた。
は、被圧延材の粗ユニバーサル圧延工程においてウェブ
内幅の拡大を行うために、粗ユニバーサル圧延機群に専
用の圧延機を必要とし、圧延設備の増加による設備費の
増大を余儀なくされていた。
【０００６】本発明の目的は、圧延機の数を増やすこと
なく従来と同様のウェブ内幅の拡大が可能な圧延方法及
び装置を提供することである。また、他の目的は、専用
の圧延機を設置した場合には、従来よりもウェブ内幅を
効率よく拡大することが可能な圧延方法及び装置を提供
することである。
なく従来と同様のウェブ内幅の拡大が可能な圧延方法及
び装置を提供することである。また、他の目的は、専用
の圧延機を設置した場合には、従来よりもウェブ内幅を
効率よく拡大することが可能な圧延方法及び装置を提供
することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の第１の圧延方法
は、粗ユニバーサル圧延機と、孔型幅が調整可能なエッ
ジャ圧延機とを用いて、被圧延材の粗ユニバーサル圧延
とウェブ内幅の拡大を行うものである。すなわち、この
第１の圧延方法は、被圧延材の粗ユニバーサル圧延を行
う工程において、粗ユニバーサル圧延機の後面に、孔型
幅が調整可能なエッジャロールを上下一対装着してなる
エッジャ圧延機を設置し、粗ユニバーサル圧延工程で
は、前記エッジャの孔型幅は前記粗ユニバーサル圧延機
の水平ロール幅とほぼ同じとして、粗ユニバーサル圧延
を実施し、被圧延材の粗ユニバーサル圧延後に、前記エ
ッジャ圧延機にて、その孔型幅を前記粗ユニバーサル圧
延機の水平ロールの幅よりも大きく設定して圧延するこ
とにより、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大
を１パスないし更に孔型幅を大きく設定しながら数パス
行うことを特徴とするものである。
は、粗ユニバーサル圧延機と、孔型幅が調整可能なエッ
ジャ圧延機とを用いて、被圧延材の粗ユニバーサル圧延
とウェブ内幅の拡大を行うものである。すなわち、この
第１の圧延方法は、被圧延材の粗ユニバーサル圧延を行
う工程において、粗ユニバーサル圧延機の後面に、孔型
幅が調整可能なエッジャロールを上下一対装着してなる
エッジャ圧延機を設置し、粗ユニバーサル圧延工程で
は、前記エッジャの孔型幅は前記粗ユニバーサル圧延機
の水平ロール幅とほぼ同じとして、粗ユニバーサル圧延
を実施し、被圧延材の粗ユニバーサル圧延後に、前記エ
ッジャ圧延機にて、その孔型幅を前記粗ユニバーサル圧
延機の水平ロールの幅よりも大きく設定して圧延するこ
とにより、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大
を１パスないし更に孔型幅を大きく設定しながら数パス
行うことを特徴とするものである。
【０００８】第１の圧延方法によれば、孔型幅が調整可
能なエッジャ圧延機を粗ユニバーサル圧延機の後面に配
するだけであるので、従来のようにウェブ内幅拡大のた
めの専用の圧延機は不要となり、圧延設備の簡略化が可
能となる。
能なエッジャ圧延機を粗ユニバーサル圧延機の後面に配
するだけであるので、従来のようにウェブ内幅拡大のた
めの専用の圧延機は不要となり、圧延設備の簡略化が可
能となる。
【０００９】本発明の第２の圧延方法は、被圧延材のウ
ェブ両端部に余肉部を形成できる形状にした水平ロール
を上下一対装着した粗ユニバーサル圧延機と、孔型幅だ
けでなく孔型深さも調整可能なエッジャロールを上下一
対装着したエッジャ圧延機とを用いて、被圧延材の粗ユ
ニバーサル圧延とウェブ内幅の拡大を行うものである。
第２の圧延方法は以下のとおりである。まず、粗ユニバ
ーサル圧延時には、エッジャ圧延機の孔型深さを調整し
て余肉部を圧下せずにフランジ幅を制御する圧延を行っ
て、被圧延材のウェブ両端部に余肉部を形成する。次
に、粗ユニバーサル圧延が完了した被圧延材をエッジャ
圧延機によりウェブ内幅の拡大圧延を行う際には、エッ
ジャ圧延機の孔型深さを調整して余肉部を圧下できる深
さにするとともに孔型幅を粗ユニバーサル圧延機の水平
ロールの幅よりも大きく設定して圧延することにより、
ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大とともに、
余肉部を粗ユニバーサル圧延の最終パスにおけるウェブ
中央部と同一厚さとなるまで圧延することによりその減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を
行う。これを１パスないし更に孔型幅を大きく設定しな
がら数パス行うことにより、ウェブ内幅の拡大を行うも
のである。
ェブ両端部に余肉部を形成できる形状にした水平ロール
を上下一対装着した粗ユニバーサル圧延機と、孔型幅だ
けでなく孔型深さも調整可能なエッジャロールを上下一
対装着したエッジャ圧延機とを用いて、被圧延材の粗ユ
ニバーサル圧延とウェブ内幅の拡大を行うものである。
第２の圧延方法は以下のとおりである。まず、粗ユニバ
ーサル圧延時には、エッジャ圧延機の孔型深さを調整し
て余肉部を圧下せずにフランジ幅を制御する圧延を行っ
て、被圧延材のウェブ両端部に余肉部を形成する。次
に、粗ユニバーサル圧延が完了した被圧延材をエッジャ
圧延機によりウェブ内幅の拡大圧延を行う際には、エッ
ジャ圧延機の孔型深さを調整して余肉部を圧下できる深
さにするとともに孔型幅を粗ユニバーサル圧延機の水平
ロールの幅よりも大きく設定して圧延することにより、
ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大とともに、
余肉部を粗ユニバーサル圧延の最終パスにおけるウェブ
中央部と同一厚さとなるまで圧延することによりその減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を
行う。これを１パスないし更に孔型幅を大きく設定しな
がら数パス行うことにより、ウェブ内幅の拡大を行うも
のである。
【００１０】第２の圧延方法によれば、第１の圧延方法
と同様、圧延設備の簡略化が可能であるとともに、ウェ
ブ内幅拡大圧延の際には、粗ユニバーサル圧延機により
被圧延材のウェブ両端部に形成される余肉部をエッジャ
圧延機の孔型深さの調整により圧下するため、エッジャ
圧延機の孔型幅の拡幅調整と相俟って、第１の圧延方法
よりも大きなウェブ内幅の拡大が可能となる。
と同様、圧延設備の簡略化が可能であるとともに、ウェ
ブ内幅拡大圧延の際には、粗ユニバーサル圧延機により
被圧延材のウェブ両端部に形成される余肉部をエッジャ
圧延機の孔型深さの調整により圧下するため、エッジャ
圧延機の孔型幅の拡幅調整と相俟って、第１の圧延方法
よりも大きなウェブ内幅の拡大が可能となる。
【００１１】本発明の第３の圧延方法は、第２の圧延方
法と同様、ウェブ両端部に余肉部を形成可能な粗ユニバ
ーサル圧延機と、孔型幅及び孔型深さが調整可能なエッ
ジャ圧延機を使用し、第２の圧延方法の圧延工程の終了
後に続けて、次の２つの段階を行うものである。 粗ユニバーサル圧延機にて、被圧延材のフランジを圧
下しないように竪ロールと水平ロール側壁間のロール隙
を開いておき、上下水平ロールのみで被圧延材のウェブ
を圧延することにより、ウェブの減厚を行うとともに、
ウェブの両端部に余肉部を形成する段階、 エッジャ圧延機にて、孔型幅を前段階の時よりも大き
く設定して前記余肉部を圧延することにより、ウェブ内
幅を更に拡大させる圧延を、１パスないしこれら２つの
段階を繰り返しながら数パス行う段階。
法と同様、ウェブ両端部に余肉部を形成可能な粗ユニバ
ーサル圧延機と、孔型幅及び孔型深さが調整可能なエッ
ジャ圧延機を使用し、第２の圧延方法の圧延工程の終了
後に続けて、次の２つの段階を行うものである。 粗ユニバーサル圧延機にて、被圧延材のフランジを圧
下しないように竪ロールと水平ロール側壁間のロール隙
を開いておき、上下水平ロールのみで被圧延材のウェブ
を圧延することにより、ウェブの減厚を行うとともに、
ウェブの両端部に余肉部を形成する段階、 エッジャ圧延機にて、孔型幅を前段階の時よりも大き
く設定して前記余肉部を圧延することにより、ウェブ内
幅を更に拡大させる圧延を、１パスないしこれら２つの
段階を繰り返しながら数パス行う段階。
【００１２】この第３の圧延方法によれば、第２の圧延
方法に比べて、さらに大きなウェブ内幅拡大量が得られ
る。
方法に比べて、さらに大きなウェブ内幅拡大量が得られ
る。
【００１３】本発明の第４の圧延方法は、前記の孔型幅
が調整可能なエッジャ圧延機、または孔型幅と孔型深さ
が調整可能なエッジャ圧延機の後面に、さらに水平ロー
ル幅が調整可能な圧延機を設置し、これら２基の圧延機
によりウェブ内幅の拡大を行うものである。孔型深さが
固定のエッジャ圧延機を用いた場合のウェブ内幅拡大方
法は次のとおりである。粗ユニバーサル圧延が終了した
後、エッジャ圧延機の孔型幅は被圧延材のウェブ内幅よ
りも大きくなるように設定され、さらにロール幅が調整
可能な圧延機は、その水平ロールの幅がエッジャ圧延機
の孔型幅よりも大きくなるように設定される。これら２
基の圧延機で被圧延材を圧延すると、エッジャ圧延機で
は、被圧延材のウェブ内幅がロール幅差により機械的に
拡大され、さらにロール幅が調整可能な圧延機では、機
械的なウェブ内幅の拡大とともに、余肉部を圧延するこ
とによりその減面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転
化させる圧延が行われ、２基の圧延機により効率的にウ
ェブ内幅を拡大することができる。エッジャ圧延機が孔
型深さをも調整できる場合には、エッジャ圧延機の孔型
深さを調整してエッジャ圧延時においても余肉部の圧延
を行い、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大と
ともに余肉部を圧延することによりその減面量のほとん
どをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を行う。このよ
うな圧延を１パスだけでなく複数パス繰り返す場合に
は、第３の圧延方法と同様、粗ユニバーサル圧延機の水
平ロールによりウェブの両端部に余肉部を形成し、この
余肉部を圧延するようにすればよい。
が調整可能なエッジャ圧延機、または孔型幅と孔型深さ
が調整可能なエッジャ圧延機の後面に、さらに水平ロー
ル幅が調整可能な圧延機を設置し、これら２基の圧延機
によりウェブ内幅の拡大を行うものである。孔型深さが
固定のエッジャ圧延機を用いた場合のウェブ内幅拡大方
法は次のとおりである。粗ユニバーサル圧延が終了した
後、エッジャ圧延機の孔型幅は被圧延材のウェブ内幅よ
りも大きくなるように設定され、さらにロール幅が調整
可能な圧延機は、その水平ロールの幅がエッジャ圧延機
の孔型幅よりも大きくなるように設定される。これら２
基の圧延機で被圧延材を圧延すると、エッジャ圧延機で
は、被圧延材のウェブ内幅がロール幅差により機械的に
拡大され、さらにロール幅が調整可能な圧延機では、機
械的なウェブ内幅の拡大とともに、余肉部を圧延するこ
とによりその減面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転
化させる圧延が行われ、２基の圧延機により効率的にウ
ェブ内幅を拡大することができる。エッジャ圧延機が孔
型深さをも調整できる場合には、エッジャ圧延機の孔型
深さを調整してエッジャ圧延時においても余肉部の圧延
を行い、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大と
ともに余肉部を圧延することによりその減面量のほとん
どをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を行う。このよ
うな圧延を１パスだけでなく複数パス繰り返す場合に
は、第３の圧延方法と同様、粗ユニバーサル圧延機の水
平ロールによりウェブの両端部に余肉部を形成し、この
余肉部を圧延するようにすればよい。
【００１４】以上のように、エッジャ圧延機の孔型幅が
可変で、かつエッジャ圧延機の後面にロール幅が調整可
能な圧延機を設置した場合には、従来に比べて同じパス
数で大きなウェブ内幅の拡大量が得られるという効果が
ある。
可変で、かつエッジャ圧延機の後面にロール幅が調整可
能な圧延機を設置した場合には、従来に比べて同じパス
数で大きなウェブ内幅の拡大量が得られるという効果が
ある。
【００１５】本発明に係るフランジを有する形鋼の圧延
装置は、粗ユニバーサル圧延機群が、被圧延材のウェブ
両端部に余肉部を形成可能な形状を有する水平ロールを
上下一対装着してなる粗ユニバーサル圧延機と、粗ユニ
バーサル圧延機の後面に設置され、孔型幅および孔型深
さが調整可能なエッジャロールを上下一対装着してなる
エッジャ圧延機とを備えたものである。また、エッジャ
圧延機の後面に、さらにロール幅が調整可能な水平ロー
ルを上下一対装着してなる圧延機を設置した構成とす
る。
装置は、粗ユニバーサル圧延機群が、被圧延材のウェブ
両端部に余肉部を形成可能な形状を有する水平ロールを
上下一対装着してなる粗ユニバーサル圧延機と、粗ユニ
バーサル圧延機の後面に設置され、孔型幅および孔型深
さが調整可能なエッジャロールを上下一対装着してなる
エッジャ圧延機とを備えたものである。また、エッジャ
圧延機の後面に、さらにロール幅が調整可能な水平ロー
ルを上下一対装着してなる圧延機を設置した構成とす
る。
【００１６】
【発明の実施の形態】図１は本発明を実施する圧延ライ
ンの一例を示す構成図である。この圧延ラインにおける
粗ユニバーサル圧延機群は、粗ユニバーサル圧延機Ｕの
後面に、孔型幅が調整可能なエッジャロール２１を上下
一対装着してなるエッジャ圧延機Ｅａを設置することに
より構成されている。加熱炉で加熱された素材鋼片はブ
レークダウン圧延機ＢＤにより続く粗ユニバーサル圧延
に適した形状になるように圧延される。この概略Ｈ形状
の被圧延材１は、以下に述べるように、上記の粗ユニバ
ーサル圧延機群にて粗ユニバーサル圧延とウェブ内幅の
拡大が行われる。なお、粗ユニバーサル圧延機群に装入
される被圧延材１として、連続鋳造機等により成形され
た粗形鋼片を用いることができる。
ンの一例を示す構成図である。この圧延ラインにおける
粗ユニバーサル圧延機群は、粗ユニバーサル圧延機Ｕの
後面に、孔型幅が調整可能なエッジャロール２１を上下
一対装着してなるエッジャ圧延機Ｅａを設置することに
より構成されている。加熱炉で加熱された素材鋼片はブ
レークダウン圧延機ＢＤにより続く粗ユニバーサル圧延
に適した形状になるように圧延される。この概略Ｈ形状
の被圧延材１は、以下に述べるように、上記の粗ユニバ
ーサル圧延機群にて粗ユニバーサル圧延とウェブ内幅の
拡大が行われる。なお、粗ユニバーサル圧延機群に装入
される被圧延材１として、連続鋳造機等により成形され
た粗形鋼片を用いることができる。
【００１７】図２に本発明の粗ユニバーサル圧延工程の
概略を示す。図２において、エッジャ圧延機Ｅａの孔型
幅ＥＨは粗ユニバーサル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨと
ほぼ同じとしてある。すなわち、ＥＨ≒ＲＨである。こ
のようにして従来と同様の粗ユニバーサル圧延を行う。
ここで、粗ユニバーサル圧延機Ｕの水平ロール１１の端
部を被圧延材１のフランジとウェブの付け根部及びウェ
ブ両端部に余肉部２を形成する形状とすれば、後に続く
ウェブ内幅の拡大においてウェブの端部に形状不良が発
生するのを防止する効果がある。余肉部２の形状を図９
に示す。余肉量をあらわす幅ａ及び高さｂは後工程での
ウェブ内幅の拡大量及び圧延の安定性を考慮して決定さ
れる。
概略を示す。図２において、エッジャ圧延機Ｅａの孔型
幅ＥＨは粗ユニバーサル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨと
ほぼ同じとしてある。すなわち、ＥＨ≒ＲＨである。こ
のようにして従来と同様の粗ユニバーサル圧延を行う。
ここで、粗ユニバーサル圧延機Ｕの水平ロール１１の端
部を被圧延材１のフランジとウェブの付け根部及びウェ
ブ両端部に余肉部２を形成する形状とすれば、後に続く
ウェブ内幅の拡大においてウェブの端部に形状不良が発
生するのを防止する効果がある。余肉部２の形状を図９
に示す。余肉量をあらわす幅ａ及び高さｂは後工程での
ウェブ内幅の拡大量及び圧延の安定性を考慮して決定さ
れる。
【００１８】粗ユニバーサル圧延が終了した被圧延材
は、続いてウェブ内幅の拡大が行われる。図３には本発
明の第１の圧延方法である孔型幅が調整可能なエッジャ
ロール２１を用いてウェブ内幅を拡大する工程の概要を
示す。エッジャ圧延機Ｅａの孔型は、幅ＥＨが粗ユニバ
ーサル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨよりも広く（ＥＨ＞
ＵＨ）なるようにセットされる。このとき、エッジャロ
ール２１のロール隙Ｒｃは、被圧延材１のウェブ厚ｔｗ
よりも大きくしておく。被圧延材１のフランジ端部はこ
の圧延において圧下してもしなくても良い。上記のよう
に孔型幅を調整してエッジャ圧延機Ｅａでの圧延を行え
ば、被圧延材１を咬み込んでいく過程でロール幅差によ
り機械的にウェブが引き伸ばされるため、ウェブ内幅の
拡大が実施される。
は、続いてウェブ内幅の拡大が行われる。図３には本発
明の第１の圧延方法である孔型幅が調整可能なエッジャ
ロール２１を用いてウェブ内幅を拡大する工程の概要を
示す。エッジャ圧延機Ｅａの孔型は、幅ＥＨが粗ユニバ
ーサル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨよりも広く（ＥＨ＞
ＵＨ）なるようにセットされる。このとき、エッジャロ
ール２１のロール隙Ｒｃは、被圧延材１のウェブ厚ｔｗ
よりも大きくしておく。被圧延材１のフランジ端部はこ
の圧延において圧下してもしなくても良い。上記のよう
に孔型幅を調整してエッジャ圧延機Ｅａでの圧延を行え
ば、被圧延材１を咬み込んでいく過程でロール幅差によ
り機械的にウェブが引き伸ばされるため、ウェブ内幅の
拡大が実施される。
【００１９】ウェブ内幅の拡大量をさらに大きくする場
合には、図３の最初のエッジャ圧延の後、右向きの矢印
Ａに従う工程でエッジャ圧延機Ｅａにて往復圧延を実施
し、ウェブ内幅拡大圧延の回数を増やす。このとき、エ
ッジャロール２１の孔型幅は、前段階での孔型幅よりも
広く（ＥＨ1 ＜ＥＨ2 ＜ＥＨ3 ）なるように調整して圧
延を実施し、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡
大を実施する。
合には、図３の最初のエッジャ圧延の後、右向きの矢印
Ａに従う工程でエッジャ圧延機Ｅａにて往復圧延を実施
し、ウェブ内幅拡大圧延の回数を増やす。このとき、エ
ッジャロール２１の孔型幅は、前段階での孔型幅よりも
広く（ＥＨ1 ＜ＥＨ2 ＜ＥＨ3 ）なるように調整して圧
延を実施し、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡
大を実施する。
【００２０】ウェブ内幅が目標とする寸法まで拡大され
た後に、被圧延材は仕上げユニバーサル圧延機Ｆに搬送
され、フランジを直角に起こしてＨ形断面とする圧延が
行われる。仕上げユニバーサル圧延機Ｆはその水平ロー
ル４１をロール幅が調整可能なものとして、被圧延材の
ウェブ内幅に応じた寸法となるように水平ロール幅を調
整して、圧延が行われる。
た後に、被圧延材は仕上げユニバーサル圧延機Ｆに搬送
され、フランジを直角に起こしてＨ形断面とする圧延が
行われる。仕上げユニバーサル圧延機Ｆはその水平ロー
ル４１をロール幅が調整可能なものとして、被圧延材の
ウェブ内幅に応じた寸法となるように水平ロール幅を調
整して、圧延が行われる。
【００２１】次に、図４及び図５を用いて、本発明の第
２の圧延方法を説明する。第２の圧延方法では、孔型幅
だけでなく孔型深さも調整が可能なエッジャ圧延機Ｅｂ
を使用してウェブ内幅の拡大を行うものである。このエ
ッジャ圧延機Ｅｂの配置構成は図１と同様である。この
ような孔型幅と孔型深さが調整可能なエッジャ圧延機と
しては特に機構を限定する必要はないが、ここでは特公
平７−１０２３６３号公報に開示されているエッジャ圧
延機を例とする。
２の圧延方法を説明する。第２の圧延方法では、孔型幅
だけでなく孔型深さも調整が可能なエッジャ圧延機Ｅｂ
を使用してウェブ内幅の拡大を行うものである。このエ
ッジャ圧延機Ｅｂの配置構成は図１と同様である。この
ような孔型幅と孔型深さが調整可能なエッジャ圧延機と
しては特に機構を限定する必要はないが、ここでは特公
平７−１０２３６３号公報に開示されているエッジャ圧
延機を例とする。
【００２２】図４にこの第２の圧延方法における粗ユニ
バーサル圧延工程を示す。エッジャ圧延機Ｅｂのエッジ
ャロール２１は、被圧延材１のウェブに当接するウェブ
用エッジャロール２１ａと、フランジ端部に当接するフ
ランジ端部用エッジャロール２１ｂとに軸方向に分離さ
れており、ウェブ用エッジャロール２１ａとフランジ端
部用エッジャロール２１ｂはそれぞれ独立に軸方向に移
動可能となっている。図４において、エッジャ圧延機Ｅ
ｂの孔型幅ＥＨは第１の圧延方法と同様、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨと同じ幅となっている。
エッジャロール２１の孔型深さＥＤ（ここでは、ウェブ
用エッジャロール２１ａの外周面と内側のフランジ先端
縁との距離を「孔型深さ」と称する）は、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕにおいて被圧延材１のウェブ両端部に形成さ
れる余肉部２を圧下しないよう、その深さを小さくして
おく。このような状態で粗ユニバーサル圧延機Ｕとエッ
ジャ圧延機Ｅｂによる往復圧延を実施し、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕではウェブ両端部に余肉部２を形成し、エッ
ジャ圧延機Ｅｂでは余肉部２を圧下せずにフランジ端部
用エッジャロール２１ｂによりフランジ端部の圧下のみ
を行い、フランジ幅を目標とする幅に制御する。
バーサル圧延工程を示す。エッジャ圧延機Ｅｂのエッジ
ャロール２１は、被圧延材１のウェブに当接するウェブ
用エッジャロール２１ａと、フランジ端部に当接するフ
ランジ端部用エッジャロール２１ｂとに軸方向に分離さ
れており、ウェブ用エッジャロール２１ａとフランジ端
部用エッジャロール２１ｂはそれぞれ独立に軸方向に移
動可能となっている。図４において、エッジャ圧延機Ｅ
ｂの孔型幅ＥＨは第１の圧延方法と同様、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕの水平ロール幅ＵＨと同じ幅となっている。
エッジャロール２１の孔型深さＥＤ（ここでは、ウェブ
用エッジャロール２１ａの外周面と内側のフランジ先端
縁との距離を「孔型深さ」と称する）は、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕにおいて被圧延材１のウェブ両端部に形成さ
れる余肉部２を圧下しないよう、その深さを小さくして
おく。このような状態で粗ユニバーサル圧延機Ｕとエッ
ジャ圧延機Ｅｂによる往復圧延を実施し、粗ユニバーサ
ル圧延機Ｕではウェブ両端部に余肉部２を形成し、エッ
ジャ圧延機Ｅｂでは余肉部２を圧下せずにフランジ端部
用エッジャロール２１ｂによりフランジ端部の圧下のみ
を行い、フランジ幅を目標とする幅に制御する。
【００２３】粗ユニバーサル圧延終了後のウェブ内幅拡
大の概要を図５に示す。エッジャ圧延機Ｅｂの孔型はウ
ェブ両端に形成された余肉部２の圧下が可能となるよう
孔型深さと孔型幅を大きくする調整が行われる。すなわ
ち、ＥＤ1 ＞ＥＤ、ＥＨ1 ＞ＥＨとなるように調整して
余肉部２を圧延する。このようにエッジャ圧延機Ｅｂの
孔型深さと孔型幅を調整して圧延することにより、ロー
ル幅差による機械的なウェブ内幅の拡大とともに、余肉
部２を粗ユニバーサル圧延の最終パスにおけるウェブ中
央部と同一厚さとなるまで圧延することにより、その減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を
行う。これを１パスないし更に孔型幅を大きく設定しな
がら複数パスを行うことにより、ウェブ内幅寸法の調整
を行う。ウェブ内幅の調整後、仕上げユニバーサル圧延
機Ｆにより、第１の圧延方法と同様の仕上げユニバーサ
ル圧延が実施される。
大の概要を図５に示す。エッジャ圧延機Ｅｂの孔型はウ
ェブ両端に形成された余肉部２の圧下が可能となるよう
孔型深さと孔型幅を大きくする調整が行われる。すなわ
ち、ＥＤ1 ＞ＥＤ、ＥＨ1 ＞ＥＨとなるように調整して
余肉部２を圧延する。このようにエッジャ圧延機Ｅｂの
孔型深さと孔型幅を調整して圧延することにより、ロー
ル幅差による機械的なウェブ内幅の拡大とともに、余肉
部２を粗ユニバーサル圧延の最終パスにおけるウェブ中
央部と同一厚さとなるまで圧延することにより、その減
面量のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を
行う。これを１パスないし更に孔型幅を大きく設定しな
がら複数パスを行うことにより、ウェブ内幅寸法の調整
を行う。ウェブ内幅の調整後、仕上げユニバーサル圧延
機Ｆにより、第１の圧延方法と同様の仕上げユニバーサ
ル圧延が実施される。
【００２４】本発明の第３の方法として、さらにウェブ
内幅を拡大する場合には、図６に示すように、逆方向に
２パス目の圧延を行うが、エッジャ圧延機Ｅｂによるウ
ェブ内幅の拡大を行った後に、粗ユニバーサル圧延機Ｕ
では、ウェブの中央部を水平ロール１１で圧延し、ウェ
ブの減厚を行うとともに、ウェブの両端に余肉部２ａを
形成する。このとき、竪ロール１２はフランジを圧下し
ない位置までロール隙を開いておく。続く３パス目にお
いて、エッジャ圧延機Ｅｂの孔型幅ＥＨ3 は２パス目の
孔型幅ＥＨ2 よりも大きくなるようにセットする。この
状態で１パスでのウェブ内幅拡大の場合と同様の圧延を
行い、ウェブ内幅を拡大し、その後仕上げユニバーサル
圧延を行う。より一層大きなウェブ内幅の拡大が必要で
ある場合には、目標のウェブ高さとなるまでウェブ内幅
の拡大と余肉部の形成を繰り返せばよい。
内幅を拡大する場合には、図６に示すように、逆方向に
２パス目の圧延を行うが、エッジャ圧延機Ｅｂによるウ
ェブ内幅の拡大を行った後に、粗ユニバーサル圧延機Ｕ
では、ウェブの中央部を水平ロール１１で圧延し、ウェ
ブの減厚を行うとともに、ウェブの両端に余肉部２ａを
形成する。このとき、竪ロール１２はフランジを圧下し
ない位置までロール隙を開いておく。続く３パス目にお
いて、エッジャ圧延機Ｅｂの孔型幅ＥＨ3 は２パス目の
孔型幅ＥＨ2 よりも大きくなるようにセットする。この
状態で１パスでのウェブ内幅拡大の場合と同様の圧延を
行い、ウェブ内幅を拡大し、その後仕上げユニバーサル
圧延を行う。より一層大きなウェブ内幅の拡大が必要で
ある場合には、目標のウェブ高さとなるまでウェブ内幅
の拡大と余肉部の形成を繰り返せばよい。
【００２５】さらに本発明の第４の圧延方法は、図７に
示すように従来と同様、エッジャ圧延機の後面にロール
幅が調整可能な圧延機Ｙを設置する。この場合、ウェブ
内幅の拡大をエッジャ圧延機Ｅａ（またはＥｂ）とロー
ル幅が調整可能な圧延機Ｙの２基の圧延機で行う。孔型
深さが固定のエッジャ圧延機Ｅａを用いた場合のウェブ
内幅拡大方法を図８に示す。粗ユニバーサル圧延が終了
した後、エッジャロール２１はその孔型幅ＥＨが被圧延
材１のウェブ内幅よりも大きくなるように設定され、さ
らにロール幅ＹＨが調整可能な圧延機Ｙは、水平ロール
３１の幅ＹＨがエッジャロール２１の孔型幅ＥＨよりも
大きくなるように設定される。これらの２基の圧延機で
被圧延材１を圧延すると、エッジャ圧延機Ｅａでは被圧
延材１のウェブ内幅がロール幅差により機械的に拡大さ
れ、さらにロール幅が調整可能な圧延機Ｙでは、機械的
なウェブ内幅の拡大とともに、粗ユニバーサル圧延の際
に形成された余肉部２を圧延することによりその減面量
のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延が行わ
れ、２基の圧延機により効率的にウェブ内幅が拡大され
る。また、図示は省略するが、エッジャ圧延機が孔型深
さをも調整できる場合には、前述したようにエッジャ圧
延機Ｅｂの孔型深さを調整してエッジャ圧延時において
も余肉部２の圧延を行い、ロール幅差による機械的な拡
幅とともに余肉部を圧延することによりその減面量のほ
とんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を行う。
示すように従来と同様、エッジャ圧延機の後面にロール
幅が調整可能な圧延機Ｙを設置する。この場合、ウェブ
内幅の拡大をエッジャ圧延機Ｅａ（またはＥｂ）とロー
ル幅が調整可能な圧延機Ｙの２基の圧延機で行う。孔型
深さが固定のエッジャ圧延機Ｅａを用いた場合のウェブ
内幅拡大方法を図８に示す。粗ユニバーサル圧延が終了
した後、エッジャロール２１はその孔型幅ＥＨが被圧延
材１のウェブ内幅よりも大きくなるように設定され、さ
らにロール幅ＹＨが調整可能な圧延機Ｙは、水平ロール
３１の幅ＹＨがエッジャロール２１の孔型幅ＥＨよりも
大きくなるように設定される。これらの２基の圧延機で
被圧延材１を圧延すると、エッジャ圧延機Ｅａでは被圧
延材１のウェブ内幅がロール幅差により機械的に拡大さ
れ、さらにロール幅が調整可能な圧延機Ｙでは、機械的
なウェブ内幅の拡大とともに、粗ユニバーサル圧延の際
に形成された余肉部２を圧延することによりその減面量
のほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延が行わ
れ、２基の圧延機により効率的にウェブ内幅が拡大され
る。また、図示は省略するが、エッジャ圧延機が孔型深
さをも調整できる場合には、前述したようにエッジャ圧
延機Ｅｂの孔型深さを調整してエッジャ圧延時において
も余肉部２の圧延を行い、ロール幅差による機械的な拡
幅とともに余肉部を圧延することによりその減面量のほ
とんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を行う。
【００２６】このような圧延を１パスだけでなく複数パ
ス繰り返す場合には、第３の圧延方法と同様、粗ユニバ
ーサル圧延機Ｕの水平ロール１１によりウェブの両端部
に余肉部２を形成し、この余肉部２を圧延するようにす
ればよい。
ス繰り返す場合には、第３の圧延方法と同様、粗ユニバ
ーサル圧延機Ｕの水平ロール１１によりウェブの両端部
に余肉部２を形成し、この余肉部２を圧延するようにす
ればよい。
【００２７】以上のようにエッジャ圧延機の孔型幅が可
変で、かつエッジャ圧延機の後面にロール幅が調整可能
な圧延機を設置した場合には、従来に比べて同じパス数
で大きなウェブ内幅拡大量が得られるという効果があ
る。
変で、かつエッジャ圧延機の後面にロール幅が調整可能
な圧延機を設置した場合には、従来に比べて同じパス数
で大きなウェブ内幅拡大量が得られるという効果があ
る。
【００２８】
【実施例】ウェブ高さ６００ｍｍ、フランジ幅３００ｍ
ｍのＨ形鋼のウェブ内幅を拡大する場合を例にとって、
本発明と従来技術を比較する。図１に示す本発明の圧延
設備と図１２に示す従来の圧延設備を用いて、ウェブ厚
さ１１ｍｍ、フランジ厚さ１７ｍｍの製品を圧延し、ウ
ェブ内幅の拡大を行った。従来のウェブ内幅拡大専用の
圧延機を使用した場合、１パスあたり１５ｍｍのウェブ
内幅の拡大量が得られた。これに対して、図３に示す本
発明の第１の方法では１０ｍｍ、図５に示す本発明の第
２の方法と図６に示す本発明の第３の方法では１５ｍｍ
のウェブ内幅拡大量が得られた。以上のように、本発明
の方法によれば専用の圧延機を準備することなく、エッ
ジャ圧延機のロールをその孔型幅と深さが調整可能なも
のに交換するだけで専用の圧延機を設けた場合と同等の
ウェブ高さの拡大を行うことが可能であり、設備費を増
加させることなくウェブ内幅の拡大が実施できた。
ｍのＨ形鋼のウェブ内幅を拡大する場合を例にとって、
本発明と従来技術を比較する。図１に示す本発明の圧延
設備と図１２に示す従来の圧延設備を用いて、ウェブ厚
さ１１ｍｍ、フランジ厚さ１７ｍｍの製品を圧延し、ウ
ェブ内幅の拡大を行った。従来のウェブ内幅拡大専用の
圧延機を使用した場合、１パスあたり１５ｍｍのウェブ
内幅の拡大量が得られた。これに対して、図３に示す本
発明の第１の方法では１０ｍｍ、図５に示す本発明の第
２の方法と図６に示す本発明の第３の方法では１５ｍｍ
のウェブ内幅拡大量が得られた。以上のように、本発明
の方法によれば専用の圧延機を準備することなく、エッ
ジャ圧延機のロールをその孔型幅と深さが調整可能なも
のに交換するだけで専用の圧延機を設けた場合と同等の
ウェブ高さの拡大を行うことが可能であり、設備費を増
加させることなくウェブ内幅の拡大が実施できた。
【００２９】また、図７に示す本発明の圧延設備を用い
て、同じ板厚の製品を圧延した場合、本発明の図７の圧
延設備では１パスあたりのウェブ内幅拡大量は、エッジ
ャ圧延機の孔型深さが固定の場合には２５ｍｍ、孔型深
さが可変の場合には３０ｍｍであり、従来に比べて２倍
程度のウェブ内幅拡大量が得られた。このように効率的
なウェブ内幅拡大が可能となったことにより、圧延時間
が短縮され、圧延能率が向上するとともに、従来よりも
被圧延材温度の低下を小さくすることが可能となり、圧
延安定性が向上した。
て、同じ板厚の製品を圧延した場合、本発明の図７の圧
延設備では１パスあたりのウェブ内幅拡大量は、エッジ
ャ圧延機の孔型深さが固定の場合には２５ｍｍ、孔型深
さが可変の場合には３０ｍｍであり、従来に比べて２倍
程度のウェブ内幅拡大量が得られた。このように効率的
なウェブ内幅拡大が可能となったことにより、圧延時間
が短縮され、圧延能率が向上するとともに、従来よりも
被圧延材温度の低下を小さくすることが可能となり、圧
延安定性が向上した。
【００３０】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、粗ユニ
バーサル圧延機と孔型幅が調整可能なエッジャ圧延機を
用いて、被圧延材の粗ユニバーサル圧延とウェブ内幅の
拡大を行うものであるから、従来のようにウェブ内幅拡
大のための専用の圧延機は不要となり、圧延設備のコン
パクト化が可能で、設備費を低減することができる。ま
た、粗ユニバーサル圧延機孔型幅及び孔型深さが調整可
能なエッジャ圧延機を用いた場合には、さらに大きな内
幅拡大量を得ることができる。また、粗ユニバーサル圧
延機と、孔型幅または孔型幅と孔型深さが調整可能なエ
ッジャ圧延機と、ロール幅が調整可能な圧延機を用いた
場合には、より一層の内幅拡大量を得ることができ、従
来よりも効率的なウェブ内幅の拡大を実施することがで
きる。さらに、圧延能率が向上するとともに、従来より
も被圧延材温度の低下を小さくすることができ、圧延安
定性が向上する。
バーサル圧延機と孔型幅が調整可能なエッジャ圧延機を
用いて、被圧延材の粗ユニバーサル圧延とウェブ内幅の
拡大を行うものであるから、従来のようにウェブ内幅拡
大のための専用の圧延機は不要となり、圧延設備のコン
パクト化が可能で、設備費を低減することができる。ま
た、粗ユニバーサル圧延機孔型幅及び孔型深さが調整可
能なエッジャ圧延機を用いた場合には、さらに大きな内
幅拡大量を得ることができる。また、粗ユニバーサル圧
延機と、孔型幅または孔型幅と孔型深さが調整可能なエ
ッジャ圧延機と、ロール幅が調整可能な圧延機を用いた
場合には、より一層の内幅拡大量を得ることができ、従
来よりも効率的なウェブ内幅の拡大を実施することがで
きる。さらに、圧延能率が向上するとともに、従来より
も被圧延材温度の低下を小さくすることができ、圧延安
定性が向上する。
【図１】本発明の方法に使用する圧延設備の構成図であ
る。
る。
【図２】本発明における粗ユニバーサル圧延工程を示す
図である。
図である。
【図３】本発明の第１の圧延方法を示す図である。
【図４】本発明の第２の圧延方法における粗ユニバーサ
ル圧延工程を示す図である。
ル圧延工程を示す図である。
【図５】本発明の第２の圧延方法を示す図である。
【図６】本発明の第３の圧延方法を示す図である。
【図７】本発明の第４の圧延方法を実施する圧延設備の
構成図である。
構成図である。
【図８】本発明の第４の圧延方法を示す図である。
【図９】粗ユニバーサル圧延終了時の被圧延材の余肉部
の形状を示す図である。
の形状を示す図である。
【図１０】Ｈ形鋼の寸法関係を示す断面図である。
【図１１】従来の圧延設備の一例を示す構成図である。
【図１２】従来の圧延設備の他の例を示す構成図であ
る。
る。
【図１３】図１２の圧延設備によるウェブ内幅の拡大方
法を示す図である。
法を示す図である。
１ 被圧延材 ２、２ａ 余肉部 １１ 粗ユニバーサル圧延機の水平ロール １２ 粗ユニバーサル圧延機の竪ロール ２１ エッジャロール ２１ａ ウェブ用エッジャロール ２１ｂ フランジ端部用エッジャロール ３１ 圧延機の水平ロール ＢＤ ブレークダウン圧延機 Ｕ 粗ユニバーサル圧延機 Ｅａ エッジャ圧延機 Ｅｂ エッジャ圧延機 Ｙ 圧延機 Ｆ 仕上げユニバーサル圧延機
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−265903（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−288902（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−288901（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−135403（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 27/02
Claims (6)
- 【請求項１】 被圧延材の粗ユニバーサル圧延を行う工
程において、 粗ユニバーサル圧延機の後面に、孔型幅が調整可能なエ
ッジャロールを上下一対装着してなるエッジャ圧延機を
設置し、粗ユニバーサル圧延工程では、前記エッジャの孔型幅は
前記粗ユニバーサル圧延機の水平ロール幅とほぼ同じと
して、粗ユニバーサル圧延を実施し、 被圧延材の粗ユニバーサル圧延後に、前記エッジャ圧延
機にて、その孔型幅を前記粗ユニバーサル圧延機の水平
ロールの幅よりも大きく設定して圧延することにより、
ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大を１パスな
いし更に孔型幅を大きく設定しながら数パス行うことを
特徴とするフランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項２】 被圧延材の粗ユニバーサル圧延を行う工
程において、 被圧延材のウェブ両端部に余肉部を形成可能な形状を有
する水平ロールを上下一対装着してなる粗ユニバーサル
圧延機と、孔型幅が調整可能でかつ孔型深さが調整可能
なエッジャロールを上下一対装着してなるエッジャ圧延
機とを使用し、 粗ユニバーサル圧延時には、前記エッジャ圧延機の孔型
深さを調整して前記余肉部を圧下せずにフランジ幅を制
御する圧延を行って被圧延材のウェブ両端部に前記余肉
部を形成する段階と、 粗ユニバーサル圧延が完了した被圧延材を、前記エッジ
ャ圧延機にて、孔型深さを調整して前記余肉部を圧下で
きる深さにするとともに孔型幅を前記粗ユニバーサル圧
延機の水平ロールの幅よりも大きく設定して圧延するこ
とにより、ロール幅差による機械的なウェブ内幅の拡大
とともに前記余肉部を圧延することによりその減面量の
ほとんどをウェブ内幅の拡大に転化させる圧延を１パス
ないし更に孔型幅を大きく設定しながら数パス行う段階
と、 を有することを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延
方法。 - 【請求項３】 請求項２に記載の圧延工程の終了後に続
けて、前記粗ユニバーサル圧延機にて、被圧延材のフラ
ンジを圧下しないように竪ロールと水平ロール側壁間の
ロール隙を開いておき、上下水平ロールのみで被圧延材
のウェブを圧延することにより、ウェブの減厚を行うと
ともに、ウェブの両端部に余肉部を形成する段階と、 前記エッジャ圧延機にて、孔型幅を前段階の時よりも大
きく設定して前記余肉部を圧延することにより、ウェブ
内幅を更に拡大させる圧延を、１パスないしこれら２つ
の段階を繰り返しながら数パス行う段階と、 を有することを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延
方法。 - 【請求項４】 請求項１または請求項２に記載のエッジ
ャ圧延機の後面に、ロール幅が調整可能な水平ロールを
上下一対装着してなる圧延機を設置し、請求項１または
請求項２に記載の圧延工程が完了した被圧延材を、前記
圧延機にて、その水平ロール幅を前記エッジャ圧延機の
孔型幅よりも大きく設定して圧延することにより、ウェ
ブ内幅の拡大を行うことを特徴とするフランジを有する
形鋼の圧延方法。 - 【請求項５】 被圧延材のウェブ両端部に余肉部を形成
可能な形状を有する水平ロールを上下一対装着してなる
粗ユニバーサル圧延機と、 前記粗ユニバーサル圧延機の後面に設置され、孔型幅お
よび孔型深さが調整可能なエッジャロールを上下一対装
着してなるエッジャ圧延機と、 からなる粗ユニバーサル圧延機群を備えたことを特徴と
するフランジを有する形鋼の圧延装置。 - 【請求項６】 被圧延材のウェブ両端部に余肉部を形成
可能な形状を有する水平ロールを上下一対装着してなる
粗ユニバーサル圧延機と、 前記粗ユニバーサル圧延機の後面に設置され、孔型幅お
よび孔型深さが調整可能なエッジャロールを上下一対装
着してなるエッジャ圧延機と、 前記エッジャ圧延機の後面に設置され、ロール幅が調整
可能な水平ロールを上下一対装着してなる圧延機と、 からなる粗ユニバーサル圧延機群を備えたことを特徴と
するフランジを有する形鋼の圧延装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16367097A JP3351298B2 (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | フランジを有する形鋼の圧延方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16367097A JP3351298B2 (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | フランジを有する形鋼の圧延方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1110201A JPH1110201A (ja) | 1999-01-19 |
| JP3351298B2 true JP3351298B2 (ja) | 2002-11-25 |
Family
ID=15778369
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16367097A Expired - Fee Related JP3351298B2 (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | フランジを有する形鋼の圧延方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3351298B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102794298A (zh) * | 2012-08-16 | 2012-11-28 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | H型钢的轧制工艺和装置 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5803523B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-11-04 | 新日鐵住金株式会社 | Ｈ形鋼の圧延方法および仕上ユニバーサル圧延機 |
| CN110935725B (zh) * | 2019-11-14 | 2021-06-01 | 江阴康瑞成型技术科技有限公司 | 钛合金手机sim卡托专用异形材的加工工艺 |
-
1997
- 1997-06-20 JP JP16367097A patent/JP3351298B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102794298A (zh) * | 2012-08-16 | 2012-11-28 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | H型钢的轧制工艺和装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1110201A (ja) | 1999-01-19 |
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