JP3349197B2 - トロカール管 - Google Patents

トロカール管

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JP3349197B2
JP3349197B2 JP15980793A JP15980793A JP3349197B2 JP 3349197 B2 JP3349197 B2 JP 3349197B2 JP 15980793 A JP15980793 A JP 15980793A JP 15980793 A JP15980793 A JP 15980793A JP 3349197 B2 JP3349197 B2 JP 3349197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は体腔鏡下外科手術におい
て腹腔内に内視鏡、鉗子、電気メス等を出し入れするた
めに用いられるトロカール管(套管針)に関する。
【0002】
【従来の技術】トロカールは腹壁を穿刺し、体腔内に手
術用器具を挿入するのに用いられる外科用器具であり、
管状のトロカール管と、該トロカール管に挿入される鋭
く尖った釘状の穿刺端を有するトロカール内針とからな
る。使用時には、トロカール内針をトロカール管に挿入
した状態で、トロカール内針の穿刺孔端により腹壁を穿
通して体腔内に差し込み、その後トロカール管を残して
トロカール内針のみを抜去するものであり、残されたト
ロカール管により、腹腔内に内視鏡、鉗子、電気メス、
ガス等を出し入れすることを可能とするものである。
【0003】図14に従来の体腔鏡下外科手術の概念を
示す。体腔鏡下外科手術では、腹壁7に小切開を加え、
この部分よりトロカールの穿刺を行い、トロカール内針
(図示せず)を抜去した後、トロカール管3にて確保さ
れた通路からCO2や空気などのガスを注入して体腔内
を膨らませるか、または吊り上げ法と呼ばれる腹壁に針
金を串刺しして腹壁を持ち上げる方法により、体腔内に
術空間を確保する。その後、軟性鏡や硬性鏡のような内
視鏡1を体腔内8に挿入し、体腔内8を内視鏡1の小型
カメラで撮影したモニタ画面2を観察しながら、複数箇
所にトロカールの穿刺を行い、同様にトロカール管3に
て確保された通路から、鉗子4、ハサミ5、電気メス6
等の長尺の処置器具を挿入し、胆嚢摘出や腸吻合を行
う。
【0004】従来、この種のトロカール管は内径5mm
または10mmであり、長さは約100mm程度で、ス
テンレス鋼等の金属や硬質プラスチック樹脂のような硬
度の高い材料にて作られており、通常これらのトロカー
ル管を通過できる器具は、トロカール管の内径寸法以下
の径を持つ棒状の器具に限られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、手術中に使用
中のトロカール管内径寸法よりも太い径の器具の挿入が
必要になった場合は、使用中のトロカール管を抜去して
当該器具の外径寸法に合致した内径を有するトロカール
管を挿入する必要があり、時間的問題と余計な手術操作
が伴い、かつ、数多くのトロカール管を必要とすること
から経済的な問題点がある。
【0006】また、トロカール管の径が固定されている
現状では、鉗子で摘出物を把持した状態でトロカール管
を介して該摘出物を体外に摘出するのは困難であり、摘
出毎にトロカール管を抜去する必要があり、操作が繁雑
になるという問題がある。
【0007】さらに、内径10mm程度の太いトロカー
ル管を挿入するためには、患者に対し大きな切開を加え
る必要があり、患者への侵襲が増し、かつ術者にとって
も穿刺抵抗の増大によりトロカール管挿入手技にかかる
負担が大きくなるという問題がある。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、トロカール管の交換操作を必要
とせず、器具の変更、摘出物の取り出しを容易とし、患
者への侵襲を少なくすることが可能なトロカール管を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のトロカール管
は、伸縮性を有する管状部と、該管状部に配置されたバ
ネ弾性を有する補強材と、前記管状部の管壁内に形成さ
れた少なくとも1つのルーメンと、該ルーメン内に配置
され、先端が前記管状部の先端付近に固定された棒状体
とを有し、該棒状体を摺動することにより、前記管状部
の内径および外径が変化することを特徴とする。
【0010】なお、本発明において、管状部は、自然状
態、すなわち何の力も加わってない状態で細径に形成し
ても、また逆に太く形成してもよく、あるいは、その中
間の太さとしてもよい。
【0011】前記トロカール管は、前記棒状体の基端部
が固定され、前記棒状体を摺動させる摺動部材を有して
いることが好ましい。また、前記トロカール管は、該摺
動部材を任意の位置で係止し、これにより前記管状部の
内径および外径を任意の大きさで保持するロック機構を
有していることが好ましい。また、前記トロカール管
は、前記摺動部材を先端方向に付勢する付勢手段を有す
ることが好ましい。さらに、前記トロカール管は、前記
棒状体の移動距離に対応して前記管状部の外径を表示す
る表示部を有することが好ましい。
【0012】上記弾性を有する補強材は、線材を編組し
た管状ブレードからなり、前記管状部の管壁に埋設され
ていることが望ましい。
【0013】そして、上記トロカール管は、管状部先端
部に弾性部材からなり、管状部軸方向に対し傾斜する外
面を有する厚肉の挿入鍔を有することが望ましい。
【0014】
【作用】前記管状部が自然状態、すなわち何の力も加え
られてない状態である時に、前記棒状体を先端方向に動
かし、管状部内部に押し入れると、前記棒状体は先端が
前記管状部に固定されているため、伸縮性を有する前記
管状部および弾性を有する前記補強材が先端方向に伸展
し、管状部は細径となる。この状態から、棒状体を基端
方向に戻すと、管状部の伸展が解除されて、管状部の径
が太くなる。
【0015】他方、管状部が自然状態である時に、棒状
体を基端方向に動かすと、棒状体が管状部を基端方向に
牽引し、管状部が収縮して太くなる。この状態から、棒
状体を先端方向に戻すと、管状部の収縮が解除されて、
管状部が再び細径となる。
【0016】そして、管状部は補強材によって補強され
ているため、管状部が伸展・収縮してもその内腔は潰れ
ることが無く、管状構造が保たれる。
【0017】前記管状部が自然状態で太く形成されてい
る場合は、上記のように前記棒状体を先端方向に動かし
て前記管状部を伸展させ、また基端方向に戻してこの伸
展を解除することにより、管状部の径が変化する。ま
た、前記管状部が自然状態で細径に形成されている場合
は、上記のように前記棒状体を基端方向に牽引して前記
管状部を収縮させ、また先端方向に戻してこの収縮を解
除することにより、やはり管状部の径が変化する。
【0018】前記棒状体の基端部が固定され、前記棒状
体と連動して摺動する摺動部材を設ければ、この摺動部
材を操作することにより前記棒状体が摺動する。
【0019】また、上記摺動部材を任意の位置で係止す
るロック機構を設ければ、上記管状部の径を任意の大き
さに固定でき、鉗子操作や内視鏡挿入・抜去操作等の一
連の手術操作を良好に行うことができる。
【0020】さらに、前記摺動部材を前記管状部が最も
細径となる位置に付勢する付勢手段を設ければ、管状部
を細径にした状態でトロカール管の体腔内への挿入操作
を行うことができ、該挿入操作が極めて容易となる。
【0021】また、管状部先端部に弾性部材からなり、
管状部軸方向に対し傾斜する外面を有する厚肉の挿入鍔
を設けた場合は、腹壁の刺通時に抵抗が少なくなり、ト
ロカール管が変形し挿入が困難となることを防止する。
【0022】
【実施例】以下、添付図面にしたがって本発明による実
施例を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係
るトロカール管9Aを示す斜視図、図2は、図1に示す
トロカール管9Aの縦断面図である。図1において、1
1は伸縮性を有する管状部であり、この管壁内部には、
弾性を有する線材を編組した管状ブレードが補強材12
として埋設されている。さらに、管状部11の基端部に
は、グリップ部21が固定されている。図1において、
14は管状部11の先端部に設けられた、シリコーン等
の弾性部材からなる挿入鍔である。挿入鍔14は、トロ
カール管が長手方向の力に弱いため腹壁への挿入時に腹
壁に負けて曲がることを防ぐために設けられており、挿
入鍔14により刺通時の抵抗が低減し、確実な挿入が可
能となる。挿入鰐24は、図1ないし図2のように管状
部11の中心軸に向かって外面が傾斜しながら先端に向
かって厚みが漸減する、先端が開口した円錐状に形成さ
れており、この傾斜により、刺通時の抵抗を低減でき
る。
【0023】なお、挿入鰐24としては、上記形状のみ
ならず、例えば図3のように、円筒状部材の開口が斜め
に切断された形状であってもよい。また、挿入鰐24
は、管状部11と一体に形成されてもよい。
【0024】管状部11は例えばシリコーンゴム、天然
ゴム(ラテックス)、ポリウレタン等の伸縮性を有する
材料で構成されている。管状部11の体内挿入部長およ
び外径は、後述するように管状部11の伸展・収縮する
範囲において、体内挿入部長は50〜200mm程度が
好ましく、外径は3〜20mm程度が好ましい。体内挿
入部長が50mmを下回ると操作性が悪くなり、挿入時
にトロカール管が腹壁から抜ける虞れがあり、また20
0mmを上回ると、トロカール管に挿入する器具が被手
術部位に届かない虞れやトロカール管が内臓を傷つける
虞れがある。また、上記外径が3mmを下回ると、挿入
できる器具が限られてしまい、20mmを上回ると患者
への侵襲が大きくなる。
【0025】また、管状部11の内外表面は、生体適合
性に優れたシリコンオイルや親水性ポリマーで表面修飾
されることが好ましく、特に、管状部11の内面は、無
水マレイン酸系の親水性ポリマーによって表面の摺動性
を高めることが好ましい。
【0026】補強材12を構成する線材は、ステンレス
線、ピアノ線等の金属材料、またはポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ABS系樹脂等からなる合
成樹脂、あるいは、好ましくは49〜58原子%Niの
Ti−Ni合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−
Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X
=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%
AlのNi−Al合金等の超弾性合金(超弾性金属体)
等の材質から構成される。なお、ここでいう超弾性合金
とは、一般に形状記憶合金ともいわれ、少なくとも生体
温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。
【0027】また、上記線材の太さは直径0.1〜1m
m程度が好ましく、管状部11の寸法に合わせて適宜選
ばれる。また、この線材の断面は、円形、楕円形を標準
とするが、これに限定されず、例えば正方形や長方形等
の矩形、あるいは、後述する棒状体13と同じように、
V字形やU字形であってもよい。
【0028】上記ブレードを構成する線材の本数は、右
巻き、左巻き各4本以上20本以下が好ましく、管状部
11の外径によりその本数を調整する。ブレードの直径
は3〜20mm、長さは50〜200mmであることが
好ましい。
【0029】なお、本発明における補強材としては、図
1ないし図2に示すような線材を編組したものに限定さ
れず、例えば図4のように上記線材を螺旋状に巻回した
ものや、図5のように直線状の線材を4本以上管状部1
1の長手方向に埋め込んだものでもよい。しかしなが
ら、図示のような上記線材を編組して形成した管状ブレ
ードは、管強度に優れ、かなりの屈曲にも潰れずに耐え
ることができ、その線構造の性質上、管状部11の内径
および外径の可変範囲も大きくなり好ましい。
【0030】管状部11の管壁には、管状部11の基端
より先端付近まで延長して形成されたルーメン15が形
成されている。このルーメン15の内径は0.1〜1m
m程度とするのが好ましく、また、ルーメン15の管状
部11に形成する個数は1〜10個程度が好ましい。ル
ーメン15を管状部11に複数形成する場合は、各ルー
メン15を管状部周方向に当角度で配置するのが好まし
い。
【0031】図6は、図2のII−II線における横断面図
である。図示の例においては、ルーメン15は管状部周
方向に60°離間して3つ設けられている。
【0032】そして、ルーメン15内には棒状体13が
収納されている。図示の例では、3つのルーメン15内
に棒状体13がそれぞれ1本ずつ収納されている。棒状
体13の先端は、ルーメン15の先端内壁を貫通して補
強材12の先端部にそれぞれ溶接、接着あるいは溶着等
により固定され、これにより管状部11に固定されてい
る。なお、管状部11への棒状体13先端の固定は、上
記に限定されず、例えばルーメン15を管状部先端へ開
口してさせ、充填剤の使用によりルーメン15内壁に棒
状体13の先端を固着することにより行ってもよい。
【0033】棒状体13の構成材料としては、上記した
超弾性合金やステンレス線、アルミニウム線等の金属材
料、あるいはポリエチレンテレフタレート、塩化ビニ
ル、ポリエチレン等の樹脂が挙げられる。また、棒状体
13の径は、ルーメン15と同じか若干小さく形成する
のが好ましい。
【0034】また、棒状体13の断面形状は、図示のよ
うな円形に限定されず、例えば長方形や正方形等の矩形
であってもよく、また、図7(a)に示すU字形や、図
7(b)に示すV字形であってもよい。特に、図7に示
すU字形やV字形に形成した場合は、棒状体13の強度
が増大するため、摺動に伴う棒状体13の折れや弛みを
有効に防止できる。
【0035】管状部11の基端部には、中空管51が挿
入、固定され、この状態で、管状部11の基端部が中空
管51と共にグリップ部21に挿入、固定されている。
グリップ部21は、術者が腹壁にトロカール管を穿刺し
たり、穿刺後器具を挿入する時に握りやすい形状に作ら
れており、その基端側の開口(中空管51の基端側の開
口)は、トロカール管9Aに鉗子等の器具を挿入するた
めの器具挿入口52となっている。棒状体13の基端
は、それぞれ、グリップ部21の内部へ延長し、グリッ
プ部21に設けられた摺動部材31に溶接、接着あるい
は溶着等により固定されている。
【0036】図8は、図2のIII −III 線における横断
面図である。同図に示すように、摺動部材31は、中空
管51およびグリップ部21の間の空間に中空管51と
同軸に設けられ、操作レバー32が突出して形成された
環状の部材であり、棒状体13の基端が周方向60°離
間してそれぞれ固定されている。
【0037】グリップ部21の外面には長方形の窓部2
2が設けられ、この窓部22より、摺動部材31と一体
に形成された操作レバー32が外方に突出している。こ
の操作レバー32を手指で操作して、摺動部材44を窓
部22内で基端方向に動かすと、棒状体13の基端も基
端方向に移動して、棒状体13が管状部11内に繰り出
される。逆に操作レバー32を先端方向に動かすと、棒
状体13の基端も先端方向に移動して、棒状体44がグ
リップ部21側に牽引される。
【0038】窓部22の内壁面には、図9に示すように
ラチェット歯23が設けられ、また操作レバー32の側
面には、図8および図9に示すようにラチェット歯23
の凹部と係合可能な突起33が形成されており、これら
の係合により、摺動部材31はグリップ部21に移動不
能に係止される。摺動部材31および中空管51との間
には、摺動部材31が軸に対し直交する方向に若干移動
できるように隙間があり、これにより、操作レバー32
を手指にてグリップ部21の内部に向かって押圧する
と、ラチェット歯23および突起33の係合が解除さ
れ、摺動部分28が摺動自在となる。そして、操作レバ
ー32を先端または基端方向に動かし、操作レバー32
を押圧していた手指を離して突起33をラチェット歯2
3に再び係合させることにより、摺動部材31は突起3
3がラチェット歯23に係合できる任意の位置にて係止
される。
【0039】さらに、グリップ部21と中空管51との
間には、グリップ部基端内壁に一端側が固定され、他端
側が摺動部材31の基端に接触するバネ41が設けられ
ている。このバネ41は、摺動部材31を先端方向に押
し出すように作用しており、これにより、突起33とラ
チェット歯23との係合を解除して手指を操作レバー3
2より離すと、摺動部材31は先端方向に押し出され、
窓部22の先端内側壁に当接して係止される。
【0040】グリップ部21の側壁には、図1ないし後
述する図10に示すように、周辺に目盛りが付された窓
部24が設けられている。この目盛りは、後述のように
変化する管状部11の外径に対応して移動する、摺動部
材31の外周面に形成された目盛線34の位置に対応し
て設けられ、この目盛線34の示す目盛りにより、管状
部11の外径が表示される。
【0041】次に、図10に基づき、本実施例の作用を
説明する。図1に示す状態より、操作レバー32を手指
にて押圧して突起33とラチェット歯23との係合を解
除し、窓部22内で基端方向に動かすと、摺動部材31
に基端が固定された棒状体13が基端方向に牽引され
る。棒状体13の先端は伸縮性を有する管状部11の先
端部に固定されているため、棒状体13の牽引力が管状
部11および弾性を有する補強材12に作用し、これに
より、図10(a)に示すように、管状部11および補
強材12が軸方向に収縮し、管状部11の内径および外
径が増大する。
【0042】次に、図10(a)に示す状態より、操作
レバー32を押圧して突起33とラチェット歯23との
係合を解除すると、バネ41が摺動部材31を先端方向
に押し出すように作用し、これにより、棒状体13が管
状部11内に繰り出される。図10(b)に示すよう
に、管状部11および補強材12が軸方向に伸展し、管
状部11の内径および外径が減少する。
【0043】そして、窓部24に付された目盛りおよび
摺動部材31の目盛線34により、操作レバー32の操
作に伴って変化する管状部11の外径が表示される。
【0044】上記したトロカール管9Aを腹壁に穿刺す
る際には、まず、図11に示すように、グリップ部21
の基端側よりトロカール内針60を挿入する。トロカー
ル内針60は、穿刺針61と、内針グリップ62、保護
スリーブ63とからなり、通常穿刺針61は内針グリッ
プ62に固定され、摺動可能な保護スリーブ63によっ
て覆われている。腹壁刺通時には、図示のようにトロカ
ール管9Aにトロカール内針60が挿入された状態で腹
壁を穿刺する。その際、保護スリーブ63は腹壁に押さ
れ引っ込み、穿刺針61が露呈され腹壁を穿刺する。腹
壁を貫通すると腹壁からの抵抗が無くなるため、保護ス
リーブ63は、内針グリップ62内に設置されたスプリ
ング64により押され、再び穿刺針61を覆う。保護ス
リーブ63によって、穿刺針61が腸などの内臓を傷つ
けることを防止することができる。
【0045】この腹壁刺通時に、上記した操作によりト
ロカール管9Aの外径を予め小さくし、その径に合致し
たトロカール内針を使用することにより、刺通時に患者
に与える侵襲をより低減できる。
【0046】その後、トロカール内針60は引き抜か
れ、続いて残されたトロカール管9Aに鉗子や内視鏡等
の器具を挿入し、一連の手術操作等を行う。この時も、
上記した操作により使用する器具の大きさに合わせてト
ロカール管9Aの径を変化でき、異なる径を有するトロ
カール管との交換作業が不要となる。
【0047】図12に本発明の他の実施例にかかるトロ
カール管9Bの構造を示す。図12に示すトロカール管
9Bは、図1に示す例とほぼ同一の構成であるが、挿入
鍔14の先端開口が、管状部11の最小内径以下、すな
わち、棒状体13が最も先端方向に移動した時における
管状部11の内径以下となっており、図1に示す例と同
様の弾性を有する材料から構成されているため、挿入鍔
14は管状部11が伸展、収縮してもその円錐形状を保
つ。これにより、体腔内がCO2等で膨らまされた患者
の腹壁にこのトロカール管9Bを穿刺し、挿入鍔14の
開口以上の太さを有する鉗子等の器具をトロカール管9
Bに挿入すると、挿入鍔14の先端開口が上記器具を隙
間なく包み込み、体腔内を膨らませるCO2等のガスが
トロカール管9Bより漏れることを有効に防止する。
【0048】図13に本発明のさらに他の実施例にかか
るトロカール管9Cの構造を示す。図12に示すトロカ
ール管9Cは、図1に示す例とほぼ同一の構成である
が、グリップ部21の操作レバー32が設けられた側と
反対側には、中空管51を貫通して管状部11の内部と
連通する注入口25が設けられており、この注入口25
より、体腔内を膨らませるためのガスが注入される。注
入口25は、図示しない栓により塞ぐことができる。
【0049】また、トロカール管9Cの器具挿入口52
には、前述した体腔内のガスの漏出を防ぐため、切れ込
みの入ったゴム製の逆止弁71が設けられている。
【0050】図13に示すトロカール管9Cを使用する
際には、図1に示す例と同様にトロカール内針を用いて
トロカール管9Cを腹壁に穿刺したあと、注入口25か
ら、体腔内にガスが送り込まれ、体腔内を膨らませた後
注入口25には栓がされる。トロカール内針が引き抜か
れたあとの器具挿入口52は逆止弁71によって塞がれ
るため、前記ガスが漏れることは無い。
【0051】以上、本発明を図面に示す実施例に基づき
説明したが、本発明は上記構成に何ら限定されるもので
はない。
【0052】
【発明の効果】以上述べた如く、伸縮性を有する管状部
と、該管状部に配置されたバネ弾性を有する補強材と、
前記管状部の管壁内に形成された少なくとも1つのルー
メンと、該ルーメン内に配置され、先端が前記管状部の
先端付近に固定された棒状体とを有し、該棒状体を摺動
することにより、前記管状部の内径および外径が変化す
ることを特徴とする本発明のトロカール管は、外径およ
び内径を適宜変化させることが可能であるため、使用中
のトロカール管内径寸法よりも太い径の器具を挿入する
際にもトロカール管を交換する手間がなく、また、摘出
物を容易に取り出すこともでき、さらに、患者の腹壁穿
刺時には外径寸法を小さくして、患者への侵襲を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るトロカール管の斜視図
である。
【図2】図1に示すトロカール管の縦断面図である。
【図3】挿入鍔の他の構成を示す部分断面図である。
【図4】補強材の他の構成を示す模式図である。
【図5】補強材の他の構成を示す模式図である。
【図6】図2のII−II線における断面図である。
【図7】棒状体の他の構成例を示す断面図である。
【図8】図2のIII −III 線における断面図である。
【図9】図1に示すトロカール管の係合部の形状を示す
説明図である。
【図10】図1に示すトロカール管の作用を示す説明図
である。
【図11】図1に示すトロカール管にトロカール内針を
挿入した状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係るトロカール管の
縦断面図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係るトロカール管の
縦断面図である。
【図14】従来の体腔鏡下外科手術を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 9 トロカール管 11 管状部 12 補強材 13 棒状体 15 ルーメン

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮性を有する管状部と、該管状部に配
    置されたバネ弾性を有する補強材と、前記管状部の管壁
    内に形成された少なくとも1つのルーメンと、該ルーメ
    ン内に配置され、先端が前記管状部の先端付近に固定さ
    れた棒状体とを有し、該棒状体を摺動することにより、
    前記管状部の内径および外径が変化することを特徴とす
    るトロカール管。
  2. 【請求項2】 前記棒状体の基端部が固定され、前記棒
    状体を摺動させる摺動部材を有している請求項1に記載
    のトロカール管。
  3. 【請求項3】 前記摺動部材を任意の位置で係止し、こ
    れにより前記管状部の内径および外径を任意の大きさで
    保持するロック機構を有している請求項2に記載のトロ
    カール管。
  4. 【請求項4】 前記摺動部材を先端方向に付勢する付勢
    手段を有している請求項2又は3に記載のトロカール
    管。
  5. 【請求項5】 前記棒状体の移動距離に対応して前記管
    状部の外径を表示する表示部を有する請求項1ないし4
    のいずれかに記載のトロカール管。
  6. 【請求項6】 前記補強材は、線材を編組した管状ブレ
    ードからなり、前記管状部の管壁に埋設されている請求
    項1ないし5のいずれかに記載のトロカール管。
  7. 【請求項7】 前記管状部の先端部に、弾性部材からな
    り、前記管状部の軸方向に対し傾斜する外面を有する厚
    肉の挿入鍔を有している請求項1ないし6のいずれかに
    記載のトロカール管。
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