JP3347480B2 - ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents
ヘモグロビンの測定方法Info
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Description
ビン含有試料中のヘモグロビンの分解抑制方法に関す
る。該分解抑制方法を、ヘモグロビン含有試料の保存を
必要とする臨床検査法に適用することにより、正確なヘ
モグロビンの測定方法が提供される。
て、消化管からの出血に起因する糞便中の潜血成分(ヘ
モグロビン)を、抗ヘモグロビン抗体を用いた免疫学的
測定法により測定する方法が行われている。これらの臨
床検査法において、ヘモグロビンを含有した被検試料は
測定までに数日間放置されることが多くあり、保存期間
中に試料中のヘモグロビンが分解し、正確にヘモグロビ
ンを測定できないことがある。
る目的でチメロサール、クロルヘキシジン、アジ化ナト
リウム等一般的抗菌剤が用いられている。また、動物血
清を被検液に添加する方法(特開平4−145366号
公報)、含窒素複素環化合物を被検液に添加する方法
(特開昭60−35270号公報)、鉄プロトポルフィ
リンを添加する方法(特開平5−281227号公
報)、動物ヘモグロビンを添加する方法(特開平2−2
96149号公報)が知られているが、鉄輸送タンパク
質を用いる方法は知られていない。
腸癌の検診等が普及するのに伴い、公知の方法よりも強
力な被検試料中のヘモグロビンの分解抑制方法の開発が
望まれている。本発明の分解抑制方法をヘモグロビン含
有試料の保存を必要とする臨床検査法に適用することに
より、正確なヘモグロビンの測定が可能な臨床検査法が
提供される。
有試料に鉄輸送タンパク質を含有することを特徴とする
ヘモグロビンの分解抑制方法に関する。さらに本発明に
より、該ヘモグロビンの分解抑制方法を適用し、被検試
料中に鉄輸送タンパク質を含有することを特徴とするヘ
モグロビンの測定法を提供することができる。
抑制作用を有するヒト、ウシ、ブタ、馬、マウス、ウサ
ギ、ヒツジ、ヤギ等哺乳動物の鉄輸送タンパク質であれ
ばどのようなものでもよく、血液のトランスフェリン、
乳汁のラクトフェリン、子宮液のウテロフェリンまたは
これらを遺伝子工学等で改変したものが用いられる。ヘ
モグロビン含有試料に含有される鉄輸送タンパク質は、
ヘモグロビン1に対して0.00002〜200万の重
量比で用いられるが、ヘモグロビン1に対して0.00
08〜100万の重量比で用いることが好ましい。鉄輸
送タンパク質として純度95%以上、鉄含有量90%以
上の精製トランスフェリン標品を用いる場合は、試料中
の濃度が0.5〜2000μg/ml、好ましくは20
〜1000μg/mlであるように含有されればよい。
ビンを含有する試料であればどのようなものでもよい
が、糞便、血液、尿、痰等があげられる。
で、ヘモグロビンの測定に供せられる。緩衝液としては
リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、イミダゾール緩衝液、グ
リシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液などが用いられ、これ
らの緩衝液はpH6.0〜9.0、好ましくは6.5〜
8.5の範囲がよく、緩衝液中には塩化ナトリウム、抗
生物質、アジ化ナトリウム等の抗菌剤、乳酸またはアル
ブミンを1種以上含んでいてもよい。
スピラマイシン、ミノサイクリン等があげられ、アルブ
ミンとしては、ヒト、ウサギ、羊、山羊、馬、牛、ブタ
等の動物アルブミン、卵白アルブミン等があげられる。
緩衝液中に抗生物質、アルブミン、アジ化ナトリウム、
乳酸等を加えるときは、抗生物質0.005〜0.5重
量%、好ましくは0.01〜0.2重量%、アルブミン
0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、ア
ジ化ナトリウム0.05〜0.5重量%、好ましくは
0.1〜0.3重量%、乳酸0.1〜15重量%、好ま
しくは0.5〜5.0重量%の濃度で加える。これらの
添加剤は試料中のヘモグロビンに対しては、ヘモグロビ
ン1に対して重量比で、抗生物質0.002〜500
万、アルブミン0.02〜5000万、アジ化ナトリウ
ム0.02〜500万、乳酸0.04〜1億5000万
の比で用いればよい。該緩衝液を用いた試料の保存条件
は0〜45℃、好ましくは4〜10℃である。
しては、ヘモグロビンの検出方法または定量法であれば
いずれでもよいが、例えば抗ヘモグロビン抗体を用いた
免疫学的測定法等があげられる。
抗ヘモグロビン抗体を用いた免疫学的測定法であればど
のようなものでもよく、例えば、寒天平板上で抗ヘモグ
ロビン抗体と被検試料中のヘモグロビンとを反応させる
単純免疫拡散法、二重免疫拡散法等の免疫拡散法、抗ヘ
モグロビン抗体を感作した動物血球を用いる逆受身赤血
球凝集法、酵素で標識した抗ヘモグロビン抗体を用いる
酵素免疫法、抗ヘモグロビン抗体を感作したラテックス
粒子を用いるラテックス凝集法、ラテックス凝集阻止
法、抗ヘモグロビン抗体を感作した金コロイド粒子を用
いる金コロイド凝集法等があげられる。
測定法について例示する。
験生物学講座14,「免疫生物学」,村松繁ら編,19
85年,丸善刊)に従い、ヒトヘモグロビンを抗原とし
てウサギ、羊、山羊、等の抗体産生能のある動物に該抗
原で免疫した後、採血する。採血後、通常用いられる精
製方法(例えば、硫酸アンモニウムによる塩析、DEA
EセルロースでのIgG分画)で精製して抗ヒトヘモグ
ロビン抗体を得る。なお抗ヒトヘモグロビン抗体は常法
(モノクローナルとがん,谷内昭ら編,1985年,サ
イエンスフォーラム社刊;単クローン抗体,岩崎辰夫ら
編,1984年,講談社サイエンティフィック社刊)等
により作製したモノクローナル抗体を用いてもよいし、
市販の抗ヒトヘモグロビン抗体を用いてもよい。
法[タンパク質化学1(アミノ酸、ペプチド),赤堀四
郎ら編,1969年,共立出版刊]等の常法によりラテ
ックス粒子(0.1〜0.6μm)に結合させ、牛血清
アルブミン等を含む緩衝液などで遠心分離洗浄を行い抗
ヒトヘモグロビン抗体感作ラテックス試薬を作製する。
い、スライド板法によりスライド板上での凝集像を判定
する方法や、凝集反応の速度を分光光度計、濁度計等に
より光学的または電気的に測定する方法によってヒトヘ
モグロビンを測定する。
製 ヒトヘモグロビンをウサギに免疫して作製したポリクロ
ーナルの抗ヒトヘモグロビン抗体2mgを含む0.2M
トリス塩酸緩衝液(pH8.2)2mlと1%のポリス
チレンラテックス〔粒径0.35μm;協和発酵工業社
製〕を懸濁させた0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH8.
2)2mlとを混合し、4℃で24時間撹拌してラテッ
クスに抗体を吸着させた。その後、遠心分離機を用いて
ラテックスを上記のトリス塩酸緩衝液で洗い、ラテック
スが1%になるように0.5%牛血清アルブミン(BS
A)を含む0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH8.2)に
懸濁させ、抗ヒトヘモグロビン抗体感作ラテックス試薬
を調製した。
リウム0.85%が入った0.05Mホウ酸緩衝液(p
H8.0)に、ウシトランスフェリン〔生化学工業社
製、純度95%以上、鉄含有量90%以上〕を溶解さ
せ、ウシトランスフェリン濃度0.5、20、100、
1000μg/mlの糞便溶解用緩衝液を作成した。
ナトリウム0.1%、BSA0.2%、塩化ナトリウム
0.85%が入った0.05Mホウ酸緩衝液(pH8.
0)を作製した。
した対照用糞便溶解用緩衝液にヒトヘモグロビンの濃度
を変えて溶解し、更に健常人の糞便を6mg/ml濃度
で溶解させた。この被検液100μlと前記ラテックス
試薬25μlをスライド板上に滴下し、撹拌棒で両液を
混和してスライド板の円一杯に広げた。スライド板を前
後左右に3分間ゆるやかに動かした後、ラテックス試薬
の凝集像を観察した。その結果を第1表に示した。
法どちらもヒトヘモグロビン125ng/mlまで測定
可能であった。
便溶解用緩衝液または(3)で作製した対照用糞便溶解
用緩衝液にヒトヘモグロビンを濃度を変えて溶解し、更
に健常人の糞便を6mg/ml濃度で溶解させた。得ら
れた溶液を23℃で7日間保存した後、(4)と同様の
方法で前記ラテックス試薬を滴下し凝集像を観察した。
結果を第2表に示した。
も本発明法は高い感度を有し、ヒトヘモグロビンの分解
を抑制した。
した対照用糞便溶解用緩衝液にヒトヘモグロビンを濃度
を変えて溶解し、更に健常人の糞便を6mg/ml濃度
で溶解させた。得られた溶液を37℃で1日間保存した
後、(4)と同様の方法で前記ラテックス試薬を滴下し
凝集像を観察した。結果を第3表に示した。
ても本発明法は高い感度を有し、ヒトヘモグロビンの分
解を抑制した。
ランスフェリンを0.01%、BSAを0.2%もしく
はアジ化ナトリウムを0.1%溶解させた溶液または無
添加の溶液を糞便溶解用緩衝液として用いる以外は、実
施例1と同様の方法により、ヘモグロビン溶液を23℃
で7日保存後のヘモグロビンを測定した。結果を第4表
に示した。
感度を有し、ヒトヘモグロビンの分解を抑制した。
分解が抑制され、大腸癌の診断に用いられる臨床検査法
において、ヘモグロビンの高精度測定が可能となる。
Claims (14)
- 【請求項1】 鉄輸送タンパク質を含有することを特徴
とするヘモグロビン含有試料中のヘモグロビンの分解抑
制用試薬。 - 【請求項2】 緩衝液を含む請求項1記載の試薬。
- 【請求項3】 鉄輸送タンパク質を含有することを特徴
とするヘモグロビン含有試料保存用試薬。 - 【請求項4】 緩衝液を含む請求項3記載の試薬。
- 【請求項5】 鉄輸送タンパク質を含有する緩衝液から
なるヘモグロビン含有試料溶解用試薬。 - 【請求項6】 鉄輸送タンパク質を含有することを特徴
とするヘモグロビン含有試料中のヘモグロビンの測定用
試薬。 - 【請求項7】 抗ヘモグロビン抗体を含有する請求項6
記載の試薬。 - 【請求項8】 ヘモグロビン含有試料が糞便である請求
項1〜7のいずれかに記載の試薬。 - 【請求項9】 鉄輸送タンパク質がトランスフェリンで
ある請求項1〜8のいずれかに記載の試薬。 - 【請求項10】 鉄輸送タンパク質を含有させることを
特徴とするヘモグロビン含有試料中のヘモグロビンの分
解抑制方法。 - 【請求項11】 鉄輸送タンパク質を含有させることを
特徴とするヘモグロビン含有試料の保存方法。 - 【請求項12】 鉄輸送タンパク質を含有させることを
特徴とするヘモグロビン含有試料中のヘモグロビンの測
定方法。 - 【請求項13】 ヘモグロビン含有試料が糞便である請
求項10〜12のいずれかに記載の方法。 - 【請求項14】 鉄輸送タンパク質がトランスフェリン
である請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
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---|---|---|---|
JP16137694A JP3347480B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | ヘモグロビンの測定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0829429A JPH0829429A (ja) | 1996-02-02 |
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JP (1) | JP3347480B2 (ja) |
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1994
- 1994-07-13 JP JP16137694A patent/JP3347480B2/ja not_active Expired - Fee Related
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