JP3346745B2 - 藻場造成用基盤並びにそれを用いた藻場造成方法及び藻場 - Google Patents

藻場造成用基盤並びにそれを用いた藻場造成方法及び藻場

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JP3346745B2 JP00604999A JP604999A JP3346745B2 JP 3346745 B2 JP3346745 B2 JP 3346745B2 JP 00604999 A JP00604999 A JP 00604999A JP 604999 A JP604999 A JP 604999A JP 3346745 B2 JP3346745 B2 JP 3346745B2
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  • Cultivation Of Seaweed (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻特に多年性海
藻の人工的な育成に最適な藻場造成用基盤並びにそれを
用いた藻場造成方法及び藻場に関する。
【0002】
【背景技術】藻場は、魚が産卵し、稚魚が隠れ、あわ
び、さざえが育つ場であることが良く知られている。こ
の種の藻場は、古くから魚民によって経験的に、重要な
場所として大切に保護されている。
【0003】さらに、近年、藻場に生育する生き物が有
機物を分解して、都市から排出される窒素やリン等を取
り込んで海水を浄化する水質浄化や、社会的に深刻な問
題となっているCO2を吸収する等の環境保全の観点か
ら、この種の藻場は重要な役割を担っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の藻場
は内海、内湾領域での急激で広大な沿岸域の埋立や、岩
礁領域の磯焼けの発生によって消滅しており、昭和53
年以降でも数千ha規模で消滅したと言われている。
【0005】このため、藻場を再生したり、また新たに
造成することが社会的なニーズとなっている。
【0006】人工的な藻場としては、従来より、自然石
やコンクリートブロックによりマウンドを造成するもの
が知られている。この方法では、洗堀によってマウンド
の沈下が生じたり、波浪が激しい海岸では自然石、コン
クリートブロックが散乱するため、耐波浪性が問題とな
っている。さらに、この種の人工藻場は台形構造のため
占有面積が広い反面、その内部空間は石等で埋められて
いるため、藻場として利用できるのはマウンド表面のみ
に限られてしまう。
【0007】一方、従来より護岸提あるいは離岸提とし
て、防波構造体あるいは消波構造体等の構造物が知られ
ている。この種の構造物には、天然の海藻等が付着する
ことが観測されている。
【0008】しかし、この種の構造物に付着する海藻
は、一年藻と呼ばれるもので、春に生育した一年藻は夏
に枯れてしまい、年間を通して水質浄化やCO2吸収等
の環境保全の役割は期待できない。
【0009】そこで、本発明の目的は、海藻特に多年性
海藻の育成に最適な藻場造成用基盤並びにそれを用いた
藻場造成方法及び藻場を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、砂浜海岸、水深が深
い場所、海底勾配が急な場所にも安定して設置すること
ができる藻場造成用基盤並びにそれを用いた藻場造成方
法及び藻場を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る藻
場造成用基盤は、杭打孔を備えて海底地盤に設置される
支持構造体と、前記杭打ち孔に挿通されて前記海底基盤
内に打ち込まれ、前記支持構造体を固定する基礎杭と、
前記支持構造体上にて、1〜5mの水深位置の水中にて
ほぼ水平に支持され、表裏面に貫通する消波スリットを
有する水平消波板と、前記水平消波板に設けられ、海藻
を着床させる着床手段と、を有することを特徴とする。
【0012】請求項1の発明によれば、支持構造体が基
礎杭により地盤に強固に固定されているため、たとえ砂
浜海岸に藻場造成用基盤が設置される場合にあっても、
その支持構造体に支持された水平消波板は、海藻が着生
するための安定した基盤となり得る。また、この藻場造
成用基盤は、消波構造体であるため耐波浪性が高く、し
かも杭式構造であるため洗堀による沈下も生ずることが
ない。
【0013】さらに、着生基盤としての水平消波板は、
海底基盤よりも水深が浅い場所に設置されるため、海藻
にとって適度な水深と日当たりとを確保することができ
る。このため、多年性海藻の育成に最適な環境を確保で
きるため、年間を通しての水質浄化やCO2吸収等の環
境保全の機能を果たすことができる。
【0014】また、海底地盤よりも水深が浅い位置に設
置された水平消波板上にて海藻を育成できるため、ウニ
や魚等の食害を防ぐことができる。これにより、水平消
波板上に着生された海藻特に多年性海藻の食害を防止す
ることが可能となる。
【0015】さらに、水平消波板上の水域は、波の少な
い静穏領域とすることができる。従って、海藻が着床い
された直後の期間であって、海藻の根が生育して十分に
固定される以前の期間であっても、海藻が流されたり、
その茎が折れたりすることを防止できる。
【0016】また、この藻場造成用基盤の支持構造体
は、幼生の着底基盤となり得、支持構造体の周囲に魚類
が集まる結果、藻場造成用基盤の周囲の海域の生物相を
豊かにすることができる。
【0017】請求項2に示すように、前記着床手段は、
前記海藻が着床される着床ブロックを前記水平消波板上
に支持固定するための支持固定具とすることができる。
この支持固定具として、例えばアンカーボルトを挙げる
ことができる。
【0018】あるいは、請求項3に示すように、前記着
床手段は、前記海藻の茎部分が挿通される保護筒を含
み、前記保護筒が前記水平消波板に固定されるようにし
てもよい。
【0019】保護筒は、海藻の茎部分を保護してそれが
折れることを防止できる。保護筒は、好ましくは弾性の
材質が良く、波に揺れる海藻の移動に追従するものが好
ましい。また、保護筒に縦スリットを形成しておくと、
海藻の収容が容易となる。
【0020】さらには、請求項4に示すように、前記着
床手段は、前記海藻の根が絡み付くメッシュを含み、前
記メッシュが前記水平消波板に固定されるようにしても
よい。
【0021】メッシュに海藻の根が絡み付くことで、海
藻を水平消波板上に強固に着床させることができる。
【0022】請求項5の発明に示すように、前記支持構
造体には、少なくとも湾外に臨んで配置され、湾外から
の波を消波する鉛直消波板が支持されるようにしてもよ
い。あるいは、請求項6に示すように、前記支持構造体
には、湾外及び湾内に臨んでそれぞれ配置され、湾外及
び湾内からの波をそれぞれ消波する第1,第2の鉛直消
波板が支持されることが好ましい。
【0023】これらの鉛直消波板は、水平消波板上をよ
り静穏領域として、海藻が流されたり、その茎が折れた
りすることを防止できる。
【0024】また、これらの鉛直消波板は、水平消波板
上に生き物が侵入する際の物理的な障壁となるので、海
藻の食害を防止できる効果も大きい。
【0025】請求項7の発明に係る藻場の造成方法は、
杭打孔を備えた支持構造体を海底地盤に設置する第1工
程と、前記杭打孔に挿通される基礎杭を前記海底基盤中
に打ち込んで、前記支持構造体を固定する第2工程と、
前記支持構造体上にて、1〜5mの水深位置の水中にて
ほぼ水平に、表裏面に貫通する消波スリットを有する
平消波板を支持する第3工程と、前記水平消波板を足場
にて、前記水平消波板上に海藻を着床させる第4工程
と、を有することを特徴とする。
【0026】こうすると、作業員は、安定した足場とな
る水平消波板上にて、安全に作業を行なうことができ
る。
【0027】この場合、請求項8に示すように、前記第
4工程は、前記海藻が着床された着床ブロックを前記水
平消波板上に支持固定するようにしてもよい。
【0028】また、請求項7または8に記載された方法
により造成された請求項9の発明に係る藻場によれば、
海藻特に多年性海藻の育成に最適な藻場を、砂浜海岸、
水深が深い場所、海底勾配が急な場所などにも安定して
設置することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。
【0030】(藻場造成用基盤の構造)図1及び図2
は、本発明の実施の形態に係る藻場造成用基盤を示して
いる。各図において、この藻場造成用基盤は、大別し
て、支持構造体となる下部構造体100と、それに支持
される上部構造体200と、下部及び上部構造体10
0,200を海底地盤10上に支持固定する例えば4本
の基礎杭110とを有する。
【0031】下部構造体100は、4本の基礎杭110
に挿通されて海底地盤10上に設置される例えばトラス
状の鋼製ジャケット120にて構成されている。この鋼
製ジャケット120は、基礎杭案内ロッド122、梁1
24及び筋かい126を、例えば溶接等により連結固定
して構成される。また、4本の基礎杭案内ロッド122
の各2本にはそれぞれ、湾内及び湾外に向けて鉛直消波
板128がそれぞれ固着されている。
【0032】一方、上部構造体200は、予め鉄骨鉄筋
コンクリート(SRC)にて打設したプレキャスト製コ
ンクリートにて構成されている。この上部構造体200
は、第1,第2の鉛直消波板210,220と、水平消
波板230と、基礎杭案内ロッド240と、梁250と
を有する。
【0033】第1の鉛直消波板210は、湾の外側に臨
んで配置され、湾の外側から来る外界の波の消波を行な
うもので、その表面から離面にかけて貫通する消波用ス
リット212を有している。
【0034】一方、第2の鉛直消波板220は、湾の内
側に臨んで配設され、船の航行等によって生じる航跡波
等の湾内の波の消波を行なうものである。この第2の鉛
直消波板220にも、その表面から離面に貫通した消波
用スリット222が形成されている。
【0035】これら第1,第2の鉛直消波板210,2
20は、その上端高さ位置が、高波時の状態を想定して
満潮時の海面の水位よりも、例えば約3m程高く設定し
てある。
【0036】さらに、第1,第2の鉛直消波板210,
220にそれぞれ形成された消波用スリット212,2
22は、各消波板の全体表面積の20〜40%になるよ
うに設定されている。
【0037】第1,第2の鉛直消波板210,220の
間に水平消波板230に配置された水平消波板230
は、干潮時の水位よりも十分に低い位置に配設されてい
る。この水平消波板230は、その表面より面に貫通
して消波用スリット232を有する。この水平消波板2
30を設けることで、波の周期に関わりなく、この藻場
造成用基盤による波のエネルギー損失率(消波率)がほ
ぼ安定する。
【0038】なお、第1,第2の鉛直消波板210,2
20及び水平消波板230にそれぞれ形成された消波用
スリット212,222,232は、各消波板の前後で
水を透過させる透水孔であればよく、この透水孔の形状
は丸孔等種々の形状を適用することができる。
【0039】また、これら第1,第2の鉛直消波板21
0,220及び水平消波板230は、4本の基礎杭案内
ロッド240と、上下4本の梁250とにより連結され
ている。
【0040】水平消波板230の上面には、図1に示す
着床ブロック300を固定するためのアンカーボルト2
60が多数突出形成されている。
【0041】この着床ブロック300は、図1に示すよ
うに、海藻特に多年性海藻20を着床したもので、図2
に示すアンカーボルト260に挿入された後に、ナット
310により水平消波板230上に締結固定される。
【0042】このように構築された藻場造成用基盤を、
図2に示す矢印A方向に複数連接することで、離岸提が
構築される。
【0043】(藻場造成用基盤の構築方法)次に、上述
した藻場造成用基盤の構築方法について、図3〜図7を
も参照して説明する。
【0044】まず、図3に示すように、海底地盤10に
対して、複数本の仮杭112を打ち込む。この仮杭11
2の上端部には、鋼製ジャケット120を載置するため
の載置台114が形成されている。
【0045】その後、図4に示すように、複数本の仮杭
112の各載置台114上に、鋼製ジャケット120を
図示しないクレーン等により吊り下げて載置する。
【0046】鋼製ジャケット120の載置が終了した
後、図5に示すように、鋼製ジャケット120の基礎杭
案内ロッド122により案内しながら、4本の基礎杭1
10を海底地盤10に対して打ち込む。これにより、鋼
製ジャケット120は、海底地盤10上に安定して設置
される。
【0047】その後、図6に示すように、この鋼製ジャ
ケット120上に、上部構造体200の設置を行なう。
この上部構造体200は予め地上にて打設形成されてい
る。この上部構造体200をクレーン等により吊り下
げ、上部構造体200に形成された基礎杭案内ロッド2
40内に基礎杭110を挿通させながら、上部構造体2
00を鋼製ジャケット120上に設置する。
【0048】その後、図7に示すように、鋼製ジャケッ
ト120の基礎杭案内ロッド122にグラウト剤注入ホ
ース130を連結し、鋼製ジャケット120及び上部構
造体200の各基礎杭案内ロッド122,240と基礎
杭110との間にグラウト剤を注入する。この作業によ
り、基礎杭110、下部構造体100及び上部構造体2
00が連結固定され、藻場造成用基盤の構築が完了す
る。
【0049】(着床ブロックの設置)この着床ブロック
300も、クレーン等により吊り下げながら、水平消波
板230上に設置される。この着床ブロック300に
は、図示しない4つの孔が形成され、水平消波板230
より上方に向けて突出した四本のアンカーボルト260
がその孔に挿通されることで、着床ブロック300は水
平消波板230上に設置される。この後、図1に示すよ
うに、アンカーボルト260の上端にナット310を締
結することで、水平消波板230上にて着床ブロック3
00が強固に固定される。
【0050】この着床ブロック300の設置作業は、水
平消波板230上に作業員を配置することで行われる。
すなわち、水平消波板230は、着床ブロック300の
設置の際の足場として兼用される。従って作業員は、安
定した足場となる水平消波板230上にて、安全に作業
を行なうことができる。
【0051】(藻場造成用基盤の機能)次に、上述した
藻場造成用基盤の機能について説明する。
【0052】(1)この藻場造成用基盤は、下部及び上
部構造体100,200が、基礎杭110により地盤1
0上に強固に固定されているため、海藻が着生するため
の安定した基盤となり得る。特に、砂の移動が激しい砂
浜海岸にこの藻場造成用基盤を構築する場合にあって
も、基礎杭110が地盤10よりも深く打ち込まれるこ
とで、安定した基盤を構築することができる。
【0053】また、この藻場造成用基盤は、消波構造体
であるため耐波浪性が高く、しかも杭式構造であるため
洗堀による沈下も生ずることがない。
【0054】(2)本実施の形態の藻場造成用基盤は、
水深が十数mから数十mの地盤10上に設置されること
になるが、着生基盤としての水平消波板230は、水面
12の近くに設置されるため、海藻にとって適度な水深
と日当たりとを確保することができる。この水平消波板
230が設置される水深位置としては、その上に配置さ
れる海藻20に十分な光がとどく距離が好ましく、例え
ば水深1〜5mが好ましい。このようにすると、着床ブ
ロック300上に着床された多年性海藻に十分な日当た
りを確保できるため、年間を通しての水質浄化やCO2
吸収等の環境保全の機能を果たすことができる。
【0055】(3)着生基盤としての水平消波板230
は、海底地盤10上でなく水深が浅い位置に設置される
ため、ウニや魚等の草食動物の侵入を防ぐことができ
る。これにより、水平消波板230上に着生された海藻
特に多年性海藻の食害を防止することが可能となる。特
に、本実施例のように第1,第2の鉛直消波板210,
220を有する場合には、それらが物理的な障壁となる
ので、多年性海藻20の食害を防止できる効果が大き
い。
【0056】(4)本実施の形態では、湾外及び湾内側
にそれぞれ第1,第2の鉛直消波板210,220が配
置されているため、その間の水平消波板230上の水域
は、たとえ波の荒い海域であったとしても、波の少ない
静穏領域とすることができる。従って、着床ブロック3
00が設置された直後の期間であって、海藻20の根が
まだ十分着床ブロック300に強固に固定される以前の
期間であっても、海藻20が流されたり、その茎が折れ
たりすることを防止できる。
【0057】(5)この藻場造成用基盤の下部構造体1
00は、幼生の着底基盤となり得る。この下部構造体1
00に付着した付着動物を餌として狙う魚類が集まった
り、あるいは下部構造体100の陰影あるいはそれによ
り生ずる渦流が魚類を引き寄せたり、あるいはこの下部
構造体100を非難場所として求めて魚類が集まる効果
もある。これにより、藻場造成用基盤の周囲の海域の生
物相を豊かにすることができる。
【0058】(藻場造成用基盤の変形例)次に、本発明
の他の実施の形態として、藻場造成用基盤の変形例につ
ていて、図8〜図11を参照して説明する。
【0059】図8に示す藻場造成用基盤は、図1に示す
藻場造成用基盤の上部構造体200を、上部構造体40
0に変更したものである。その他の点は、図1に示す構
造と同一である。
【0060】この上部構造体400は、湾内または沖側
に配置された基礎杭案内ロッド240側にのみ第1の鉛
直消波板210が配置され、湾内に位置する基礎杭案内
ロッド240には第2の鉛直消波板220が設けられて
いない。
【0061】この図8に示す藻場造成用基盤によれば、
特に波の激しい湾外からの波を第1の鉛直消波板210
により消波できるため、それよりも湾内側に位置する水
平消波板230上の領域を静穏領域として確保すること
ができる。従って、図1に示す藻場造成用基盤の場合と
同様に、海藻特に多年性海藻の育成に最適な藻場を構築
することができる。
【0062】図9に示す藻場造成用基盤は、その上部構
造体500には第1,第2の鉛直消波板210,220
が共に設けられていない。この図9に示す藻場造成用基
盤は、波の激しくない海域に設置することが望ましい。
なお、この藻場造成用基盤は水平消波板230を有する
ため、上述した通り、波の周期に拘らず水平消波板23
0による消波機能を安定して行なうことができ、これに
より水平消波板230上の水域を静穏とすることができ
る。
【0063】図10に示す藻場造成用基盤は、図8に示
す鋼製ジャケット120に代えて、プレキャスト製の下
部構造体600を用いている。この下部構造体600
は、4本の基礎杭案内ロッド610を梁620にて連結
固定することで構築される。
【0064】図1,図8及び図9に示す鋼製ジャケット
120は、軽量である点が優れ、そのため水深が深くて
も設置しやすい点で優れているが、図10に示すプレキ
ャスト製の下部構造体600を採用すれば、錆の発生を
防止できるという効果があり、水深が浅ければ設置が困
難となることもない。
【0065】図11に示す藻場造成用基盤は、図10に
示すプレキャスト製の下部構造体600の上に、図9に
示す上部構造体500を設置したものである。この他、
図示してはいないが、図10及び図11に示すプレキャ
スト製下部構造体600上に、図1に示す上部構造体2
00を設置することもできる。
【0066】(海藻着生させるための構造)図1に示す
着床ブロック300の例としては、例えば登録実用新案
第3039192号に開示されたものを用いることがで
きる。すなわち、海藻20は着床ブロック300上に例
えば接着剤により接着して仮固定される。この他、海藻
20の根を、紐剤によって着床ブロック300上に固定
するようにしてもよい。この時、この紐剤を引っかける
ための突起等を着床ブロック300に突出形成しておく
とよい。
【0067】いずれの場合も、着床ブロック300上に
て多少の波によっても海藻20が流されることがなく、
生育した根により着床ブロック300に上にて海藻20
が固定されるまでの間に仮固定できるものであればよ
い。生育した海藻20の根が着床ブロック20に固定さ
れ易いように、ブロック表面を粗面にしたり、あるいは
多数の凹凸を形成しておくとさらによい。
【0068】図12は、着床ブロックの変形例を示して
いる。図12に示された着床ブロック700は、四方の
側壁710と着床盤720とを有し、着床盤720の下
方の領域は空間となっている。この着床盤720にはそ
の表面から離面に貫通する孔730が設けられ、この孔
730に保護筒740が固定されている。また、着床盤
720の下方の領域にはメッシュ750が固定されてい
る。
【0069】この着床ブロック700は、側壁710に
貫通形成された取付孔760に、水平消波板230に固
定されているアンカーボルト260を挿通し、ナット3
10固定することで、水平消波板230上に着床ブロッ
ク700が設置される。
【0070】海藻20は、その茎部分22が、着床盤7
20に形成された孔730及び保護筒740内に配置さ
れ、その根24がメッシュ750にからみついて固定さ
れる。メッシュ750は、金属性よりもむしろ合成樹脂
性あるいは紐性等の錆びない材質のものが好ましい。
【0071】また、保護筒740は、弾性なる材質にて
形成されることが好ましく、例えばゴムにて形成するこ
とができる。こうすると、保護筒740が波に揺られる
海藻20の移動に追随し、海藻20の茎部分22が破損
する等の事態を防止することができる。
【0072】海藻20は、水平消波板230上に直接着
床するようにしてもよい。このために、上述した通り、
水平消波板230上に海藻20の根を接着したり、ある
いはさらに加えて紐等でその固定を補強してもよい。
【0073】図13は、図12に示す着床ブロック70
0が持つ構造を、水平消波板230自体に適用したもの
を示している。すなわち、水平消波板230の表面から
離面に貫通した孔234を設け、そこに保護筒740が
固定されている。また、水平消波板230の下方にメッ
シュ750を配置している。これにより、水平消波板2
30自体に直接に海藻20を着床させることができる。
【0074】ここで、図12及び図13に示す保護筒7
40は、図13に示すように、筒部に縦スリット742
を形成すると、海藻20の茎部分22を保護筒740内
に収容する作業が容易となる。
【0075】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変
形実施が可能である。
【0076】例えば、上述した実施の形態では、基礎杭
110により下部及び上部構造体100,200を海底
地盤10上に支持固定するようにしたが、下部支持構造
体100のみを基礎杭110にて海底地盤10上に支持
してもよい。この場合、上部構造体200は下部構造体
100に支持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る藻場造成用基盤の概
略説明図である。
【図2】図1に示す藻場造成用基盤の分解斜視図であ
る。
【図3】図1に示す藻場造成用基盤の第1の構築工程を
示す概略説明図である。
【図4】図1に示す藻場造成用基盤の第2の構築工程を
示す概略説明図である。
【図5】図1に示す藻場造成用基盤の第3の構築工程を
示す概略説明図である。
【図6】図1に示す藻場造成用基盤の第4の構築工程を
示す概略説明図である。
【図7】図1に示す藻場造成用基盤の第5の構築工程を
示す概略説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る藻場造成用基盤
の概略説明図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係る藻場造成
用基盤の概略説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係る藻場造
成用基盤の概略説明図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態に係る藻場造
成用基盤の概略説明図である。
【図12】図1に示す着床ブロックの変形例を示す概略
断面図である。
【図13】水平消波板の変形例を示す概略断面図であ
る。
【図14】図12及び図13に示す保護筒の変形例を示
す概略斜視図である。
【符号の説明】
100 下部構造体 110 基礎杭 120 鋼製ジャケット 122 基礎杭案内ロッド 200 上部構造体 210 第1の鉛直消波板 212,222,232 消消波用スリット 220 第2の鉛直消波板 230 水平消波板 240 基礎杭案内ロッド 250 梁 260 アンカーボルト 300 着床ブロック 310 ナット 400,500 上部構造体 600 プレキャスト製の下部構造体 700 着床ブロック 710 側壁 720 着床盤 730 孔 740 保護筒 742 縦スリット 750 メッシュ 760 取付孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−18266(JP,A) 登録実用新案3043999(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 33/00 A01K 61/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】杭打孔を備えて海底地盤に設置される支持
    構造体と、 前記杭打ち孔に挿通されて前記海底基盤内に打ち込ま
    れ、前記支持構造体を固定する基礎杭と、 前記支持構造体上にて、1〜5mの水深位置の水中にて
    ほぼ水平に支持され、表裏面に貫通する消波スリットを
    有する水平消波板と、 前記水平消波板に設けられ、海藻を着床させる着床手段
    と、 を有することを特徴とする藻場造成用基盤。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記着床手段は、前記海藻が着床される着床ブロックを
    前記水平消波板上に支持固定するための支持固定具であ
    ることを特徴とする藻場造成用基盤。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記着床手段は、前記海藻の茎部分が挿通される保護筒
    を含み、前記保護筒が前記水平消波板に固定されている
    ことを特徴とする藻場造成用基盤。
  4. 【請求項4】 請求項1または3において、 前記着床手段は、前記海藻の根が絡み付くメッシュを含
    み、前記メッシュが前記水平消波板に固定されているこ
    とを特徴とする藻場造成用基盤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記支持構造体には、少なくとも湾外に臨んで配置さ
    れ、湾外からの波を消波して、前記水平消波板上を静穏
    とする鉛直消波板が支持されていることを特徴とする藻
    場造成用基盤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記支持構造体には、湾外及び湾内に臨んでそれぞれ配
    置され、湾外及び湾内からの波をそれぞれ消波して、前
    記水平消波板上を静穏とする第1,第2の鉛直消波板が
    支持されていることを特徴とする藻場造成用基盤。
  7. 【請求項7】杭打孔を備えた支持構造体を海底地盤に設
    置する第1工程と、 前記杭打孔に挿通される基礎杭を前記海底基盤中に打ち
    込んで、前記支持構造体を固定する第2工程と、 前記支持構造体上にて、1〜5mの水深位置の水中にて
    ほぼ水平に、表裏面に 貫通する消波スリットを有する
    平消波板を支持する第3工程と、 前記水平消波板を足場にて、前記水平消波板上に海藻を
    着床させる第4工程と、 を有することを特徴とする藻場の造成方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記第4工程は、前記海藻が着床された着床ブロックを
    前記水平消波板上に支持固定する工程を含むことを特徴
    とする藻場の造成方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載された方法によ
    り造成されたことを特徴とする藻場。
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