JP3342976B2 - 電荷結合素子と固体撮像装置 - Google Patents

電荷結合素子と固体撮像装置

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JP3342976B2 JP30624094A JP30624094A JP3342976B2 JP 3342976 B2 JP3342976 B2 JP 3342976B2 JP 30624094 A JP30624094 A JP 30624094A JP 30624094 A JP30624094 A JP 30624094A JP 3342976 B2 JP3342976 B2 JP 3342976B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電荷結合素子の改良に
係わり、特に二相駆動型の電荷結合素子とこれを用いた
固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラや電子スチルカメラ
等の撮像デバイスとして固体撮像装置が用いられてい
る。この固体撮像装置は、入力した光を信号電荷に変換
して光電変換蓄積領域に蓄積し、蓄積した信号電荷を垂
直転送電荷結合素子(垂直CCD)で水平転送電荷結合
素子(水平CCD)まで転送し、水平CCDでオンチッ
プアンプまで転送して画像信号を出力するものである。
【0003】水平CCDとしては通常、二相駆動のCC
Dが用いられる。二相駆動のCCDでは、埋込みチャネ
ルの中に、信号電荷を蓄積する蓄積領域とそれよりもチ
ャネルポテンシャルの低いバリア領域とが交互に形成さ
れている。一つの蓄積領域とこれに対して転送方向と逆
方向に隣り合うバリア領域は一つのペアを構成し、この
ペアの上の転送ゲートには等しい駆動電圧が印加される
ようになっている。このため、二種類の逆相で駆動され
る(二相のパルス)を一つのペアおきに印加することに
よって、信号電荷を転送方向のみに転送することが可能
となっている。
【0004】従来の技術では、通常5Vで駆動する二相
駆動の水平CCDにおいて、蓄積領域とバリア領域との
チャネルポテンシャルの差(バリアの高さ)を、駆動電
圧の約半分の2.0V程度にしていた。これは、バリア
の高さを高くして水平CCDの単位面積当たりの転送電
荷容量を稼ぎ、水平CCDの面積を縮小するためであ
る。
【0005】図8は、従来の二相駆動のCCDの転送方
向の断面及び転送チャネルのチャネルポテンシャルを示
す図である。図中の1はp型シリコン基板、2は埋込み
n型不純物層、3はn- 型不純物層、11,12,13
は転送ゲートを示している。この例では、蓄積領域とバ
リア領域とのチャネルポテンシャルの差(バリアの高
さ)を2.5Vとしている。このため、CCDの単位面
積当たりの転送電荷容量は大きくなっている。
【0006】二相駆動CCDにおける信号電荷の転送
は、次段の転送ゲート11への印加電圧φ1を高くし、
その下に信号電荷が蓄積されている転送ゲート12への
印加電圧φ2を低くして行う。一般に、転送ゲートへの
印加電圧は、途中の配線のディレイによって時間と共に
徐々に変化する。転送ゲート下のチャネルポテンシャル
も、印加電圧の変化に従って時間と共に徐々に変化して
いく。そして、転送ゲート11の下の蓄積領域のチャネ
ルポテンシャルが、転送ゲート12の下のチャネルポテ
ンシャルよりも高くなった時点から、転送が始まる。こ
のとき、バリアの高さが2.5Vもあるため、転送が始
まるまで時間がかかることが分かる。即ち、駆動周波数
を高くすると、完全に転送できずに取り残しが生じてし
まうという問題があった。
【0007】二相駆動CCDにおける信号電荷の転送の
様子を、以下に説明する。図9は、二相駆動CCDでの
信号電荷を転送する際のチャネルポテンシャルの変化と
信号電荷の動きを模式的に示す図である。φ1を“L”
レベルから“H”レベルへ、φ2を“H”レベルから
“L”レベルへと変化させて、信号電荷を左方向に転送
する場合を示している。。
【0008】(a)は、φ1が“L”レベル,φ2が
“H”レベルで、転送ゲート12の下に信号電荷が蓄積
されている様子を示す図である。次段の転送ゲート11
の下に信号電荷を転送するときには、φ1を“H”レベ
ルに、φ2を“L”レベルに徐々に変化させて行う。
【0009】(b)は、φ1及びφ2が丁度等しくなっ
た時の様子を示す図である。転送ゲート12の下の蓄積
領域のチャネルポテンシャルは、転送ゲート11の下の
バリア領域のチャネルポテンシャルよりも低いので、ま
だ転送は起こらない。
【0010】(c)は、φ1をさらに“H”レベル、φ
2をさらに“L”レベルにして、転送ゲート12の下の
蓄積領域のチャネルポテンシャルと、転送ゲート11の
下のバリア領域のチャネルポテンシャルが等しくなった
ときの様子を示す図である。このとき、信号電荷(電
子)の転送が始まり、転送ゲート11の下の蓄積領域に
信号電荷は移動し始める。
【0011】(d)は、φ1が完全に“H”レベル、φ
2が“L”レベルになって、転送が終了した時の様子を
示す図である。一般に固体撮像装置では、画素数を多く
するほど良好な再生画像が得られる。例えば、HDTV
用の固体撮像装置では、画素数がおよそ200万個にな
る。このように固体撮像装置を多画素化した場合、デー
タレートの増大が問題となる。データレートの増大は、
固体撮像装置の内部でCCDの駆動周波数を高くする必
要を生じさせる。例えば、HDTV用固体撮像装置の水
平CCDの駆動周波数は水平CCDをダブルチャネル構
造にしない場合、約74MHzとなる。このように駆動
周波数が高い場合、信号電荷を転送しきれずに取り残し
が生じることによる転送効率の劣化が問題となる。
【0012】なお、以上の説明では、信号電荷量が少な
いときの説明を行っているが、一般にCCDは信号電荷
量の少ないときに転送効率が劣化しやすく、CCDの性
能を決めるのはこのときの転送効率である。従って、信
号電荷量の少ないときの議論でほぼCCDの転送効率を
論じることが可能である。但し、信号電荷量の多いとき
も本発明は有効である。
【0013】また、以上では説明の簡単のため、「転送
ゲート11の下の蓄積領域のチャネルポテンシャルが、
転送ゲート12の下のチャネルポテンシャルよりも高く
なった時点から転送が始まる。」としていたが、厳密に
は等しくなってから、ポテンシャルポケットを抑圧する
電圧差ΔVだけ高くなって、転送ゲート間に存在するポ
テンシャルポケットがなくなってから転送が始まる。し
かし、本発明の本質には関係ないので、以下も同様に説
明する。
【0014】また、以上では説明の簡単のため、チャネ
ルポテンシャルの転送ゲートへの印加電圧に対する変調
係数を1としてきた。実際にはチャネルポテンシャル
は、印加電圧の変化Vに対してα×Vだけ変化する(α
は変調係数)。変調係数は0.8から0.9程度の値に
なるが、簡単のため以下も同様に、変調係数は1として
説明する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の二
相駆動CCDでは、転送方向のバリアの高さ(蓄積領域
とバリア領域とのポテンシャル差)が一般に2.5V程
度と大きく、このバリアのために転送が始まるまでに時
間がかかる。そして、駆動周波数を高くすると、電荷を
完全に転送できずに取り残しが生じてしまうという問題
があった。
【0016】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、二相駆動においてバリ
アの高さに起因する電荷転送の取り残しを防止すること
ができ、高速駆動を可能とした電荷結合素子とこれを用
いた固体撮像装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち、本
発明(請求項1)は、半導体基板上に一方向に沿って転
送ゲートを配列し、これらの転送ゲートを二相クロック
により駆動し、各ゲート下に蓄積領域とバリア領域を形
成して信号電荷を転送する電荷結合素子において、前記
転送ゲートに0Vを印加した時に、前記蓄積領域とバリ
ア領域とのポテンシャルの差が0.6V以下となるよう
に、各領域のポテンシャルを設定してなることを特徴と
している。
【0018】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 転送ゲート下には、不純物濃度の異なる蓄積領域と
バリア領域とが一つずつ形成されていること。 (2) 蓄積領域とバリア領域のポテンシャルの差を、ゲー
ト絶縁膜の膜厚の違いから生じさせていること。 (3) 転送ゲートが単一の導電層から形成されているこ
と。
【0019】また、本発明(請求項5)は、半導体基板
上に二次元的に配列された複数の光電変換蓄積領域と、
この光電変換蓄積領域から読み出された信号電荷を垂直
方向に転送する複数本の垂直転送電荷結合素子と、これ
らの垂直転送電荷結合素子の信号を受け水平方向に転送
する水平転送電荷結合素子とを備えた固体撮像装置にお
いて、前記水平転送電荷結合素子は、二相のクロックに
より駆動されて各転送ゲート下に蓄積領域とバリア領域
とを形成するもので、かつ蓄積領域のポテンシャルとバ
リア領域のポテンシャルとの差が0.6V以下に設定さ
れてなることを特徴としている。
【0020】
【作用】本発明によれば、信号電荷の次段への転送にお
いて、次段の転送ゲートの下のバリアの高さが1V以下
と低いため、転送ゲートへの印加電圧を変化させた時
に、信号電荷の転送が速く始まる。このため、信号電荷
の転送を速く終了させることが可能となる。従って、転
送効率の劣化なしに、二相駆動CCDの駆動周波数を高
くすることができる。より具体的には、バリアの高さを
0.6V以下とすることにより、HDTV等の水平CC
Dで使用される74MHzの駆動周波数においては勿論
のこと、100MHzの駆動周波数においても転送効率
の低下は全く認められず、信号電荷の良好な転送が可能
となった。
【0021】なお、本発明ではバリアの高さを0.6V
以下と低くしているため、単位面積当たりの転送電荷容
量の低下が生じる。これは、垂直CCDのように撮像領
域に多数本配置されるものでは問題となるが、水平CC
Dのように撮像領域外に1本又は2本しかないもので
は、その面積を大きくすることが容易であり、これによ
り十分な転送電荷容量を確保することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係わる二
相駆動CCDの転送方向の断面及びその転送チャネルの
ポテンシャルを示す図である。
【0023】図中1はp型シリコン基板であり、この基
板1の表面層に信号電荷転送方向に沿って埋込みn型不
純物層(埋込みチャネル)2が設けられている。n型埋
込みチャネル2上には、ゲート酸化膜4を介してポリシ
リコンからなる複数の転送ゲート10(11,12,1
3)が、信号電荷転送方向に沿って配置されている。そ
して、各転送ゲート下において、転送方向の前半分にバ
リア層となるn- 型不純物層3が設けられている。
【0024】本実施例では、蓄積領域のチャネルポテン
シャルとバリア領域のチャネルポテンシャルとの差(バ
リアの高さ)は、例えばイオン注入などの方法によっ
て、埋込みチャネルを形成するn型不純物拡散層2に、
バリア領域n- 層3を形成することによって作られてい
る。このバリアの高さは、イオン注入の条件によって設
定可能で、本実施例では0.5Vとするようにしてあ
る。なお、バリアの高さは、転送ゲートに0Vを印加し
た時の条件で規定している。印加電圧が高くなると前記
した変調係数αの影響でバリアの高さは上記値よりも若
干小さくなるが、実質的に同じと見なしても問題ない。
【0025】上記バリア形成のための具体例を説明して
おく。基板1は硼素(B)ドープのシリコンであり、B
濃度を3×1015cm-3とした。n型埋込みチャネル2
は燐(P)のドープにより形成され、Pピーク濃度を6
×1016cm-3とした。このとき、イオン注入により形
成するn- バリア層3のBピーク濃度を7×1015cm
-3とするとバリアの高さ1Vを得ることができた。n-
バリア層3のBピーク濃度をさらに低くするとより低い
バリアの高さとなる。ちなみに、従来のn- バリア層3
のBピーク濃度は2×1016cm-3程度であった。
【0026】本実施例のCCDが、前記図8に示した従
来例と比較して、転送開始が速い理由を図2を用いて説
明する。図2は、信号電荷がその下に蓄積してある転送
ゲート12への印加電圧φ2を“H”レベル(5V)か
ら“L”レベル(0V)に変化させ、次段の転送ゲート
11への印加電圧φ1を“L”レベルから“H”レベル
に変化させたときの、チャネルポテンシャルの変化を示
す図である。転送ゲートへの印加電圧は、入力波形を矩
形波とした場合でも、通常は途中の配線段階での寄生容
量のために波形がなまり、完全な矩形波にはならない。
これは特に駆動周波数が高いときに顕著になる。ここで
は、簡単のため、印加電圧は直線状に変化するとして説
明してある。
【0027】従来例における転送ゲート11の下のチャ
ネルポテンシャルはA、転送ゲート12の下のチャネル
ポテンシャルはBで示されている。また、実施例におけ
るチャネルポテンシャルは、同様に転送ゲート11下が
C、転送ゲート12の下がDで示されている。
【0028】従来例においては、転送ゲートへの印加電
圧の変化によって次段の転送ゲート下のチャネルポテン
シャルAがBよりも高くなるのは時刻t3である。これ
に対して、バリア高さの低い本実施例ではCがDよりも
高くなるのは時刻t2である。即ち、本実施例の方が信
号電荷の転送開始が速い。このため、転送の終了も速く
できる。特に、CCDを5Vで駆動するときには、1V
以下のバリアは5Vの駆動電圧と比較して十分に小さい
ので、本実施例の効果は大きい。
【0029】図3は、二相駆動CCDの転送効率の駆動
周波数依存性を測定した結果を示す図である。バリアの
高さが2Vの時は、1Vの時に比べて高周波数領域での
転送効率の劣化が顕著であり、HDTVの水平CCDで
用いられる74MHzの駆動周波数では転送効率100
%を達成できていない。しかしながら、本実施例のよう
にバリアの高さを1Vとした場合には、74MHzでも
転送周波数の劣化はみられない。
【0030】図4は、74MHzの駆動周波数における
チャネルポテンシャルと転送効率との関係を示す図であ
る。この図から、チャネルポテンシャルの差が1.2V
を越えると転送効率が急激に低下し、1V以下であれば
ほぼ100%の転送効率が得られることが分かる。従っ
て、74MHzの駆動周波数であれば、チャネルポテン
シャルの差を1V以下に設定することにより、転送効率
の劣化を防止できることになる。
【0031】また、図3においてバリアの高さを0.6
Vとした場合には、100MHzでも転送効率の劣化が
見られない。従って、より高い駆動周波数への適用を考
えると、バリアの高さを0.6V以下にするのが望まし
い。
【0032】このように本実施例によれば、蓄積領域と
バリア領域とのチャネルポテンシャルの差を0.5Vと
低くしているので、信号電荷の次段への転送の際に転送
ゲートへの印加電圧を変化させた際に転送が速く始ま
る。このため、信号電荷の転送が従来に比べて速やかに
行われる。従って、駆動周波数を高くしても転送効率の
劣化が少ないという利点がある。
【0033】なお、実施例ではバリアの高さが従来に比
べて低いことから、単位面積当たりの転送電荷容量が少
なくなるが、これはCCDのチャネル幅を大きくするこ
とで容易に解決できる。 (実施例2)図5は、本発明の第2の実施例に係わる二
相CCDの転送方向の断面図及びその転送チャネルのポ
テンシャルを示す図である。なお、図1と同一部分には
同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0034】本実施例におけるバリアの高さは、埋込み
チャネル及びゲート絶縁膜の形成後に、例えば反応性イ
オンエッチングなどの方法によって、ゲート絶縁膜を選
択的に薄くすることによって作られている。このバリア
の高さは、蓄積領域とバリア領域のゲート絶縁膜の膜厚
の差によって設定可能で、本実施例では蓄積領域のチャ
ネルポテンシャルと、バリア領域のチャネルポテンシャ
ルの差を0.5Vとするようにしてある。そして、バリ
ア領域の形成後に、転送ゲートが形成されている。
【0035】具体的には、基板11及び埋込みチャネル
層2の不純物濃度は第1の実施例と同様とし、蓄積領域
のゲート酸化膜4aの膜厚を90nm、バリア領域のゲ
ート酸化膜4bの膜厚を80nmにしたところ、バリア
の高さ0.5Vを得ることができた。そして、バリア領
域のゲート酸化膜4bの膜厚を90nmに近付ける程バ
リアの高さを低くすることができた。
【0036】本実施例においても、バリアの高さが低い
ことから、第1の実施例と同様に従来例に比べて駆動周
波数を高くすることが可能である。本実施例において
は、第1の実施例と比較してバリア領域と転送ゲートと
の合わせのインラインのQCが容易になるという利点が
ある。即ち、第1の実施例においてはバリア領域はイオ
ン注入で形成しているために、次のリソグラフィ工程の
ための合わせマークを作成不可能である。このため、バ
リア領域と転送ゲートとの合わせがどれだけであったか
を測定することが困難である。
【0037】これに対して、本実施例ではバリア領域を
反応性イオンエッチングなどの方法を用いて形成してい
るため、次のリソグラフィ工程のための合わせマークを
作成可能である。このため、バリア領域を転送ゲートと
の合わせがどれだけずれているかというQCが容易にな
る。
【0038】なお、本実施例においてはバリア領域は反
応性イオンエッチングを用いて形成しているが、バリア
領域のゲート絶縁膜を選択的に剥離した後、再度酸化、
堆積などの手段を用いてゲート絶縁膜を形成し、段差を
付けてもよい。 (実施例3)図6は、本発明の第3の実施例に係わる固
体撮像装置の基本構成を示す図である。
【0039】シリコン基板60上に複数のフォトダイオ
ード(光電変換蓄積領域)61が二次元状に配列形成さ
れ、隣接するフォトダイオード61間に垂直CCD62
が縦列方向に沿って複数本配置されている。垂直CCD
62の端には1本の水平CCD63が配置されている。
垂直CCD62は四相駆動であり、水平CCD63は二
相駆動である。そして、フォトダイオード61で光電変
換され蓄積された信号電荷は垂直CCD62に読み出さ
れて垂直方向に転送され、さらに水平CCD63により
水平方向に転送され、出力アンプ64を介して外部に出
力されるものとなっている。
【0040】ここで、水平CCD63は、先に説明した
第1又は第2の実施例のように構成されている。即ち、
水平CCD63は、二相のクロックφH1,φH2により駆
動されて各転送ゲート下に蓄積領域とバリア領域とを形
成するもので、かつ蓄積領域のポテンシャルとバリア領
域のポテンシャルとの差が1V以下になるように構成さ
れている。
【0041】このような構成であれば、HDTVのよう
に74MHzの駆動周波数においても水平CCD63で
電荷の取り残しが生じることもなく、高い転送効率で信
号電荷を転送することができる。また、水平CCD63
は垂直CCD62と異なり1本配置すればよいので、例
えCCDのチャネル幅を大きくしても、全体としてのチ
ップ面積の増大には殆んど影響を及ぼさない。従って、
バリアの高さを低くしても十分な転送容量を確保するこ
とができる。
【0042】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、転送ゲートを単層で形
成したが、図7に示すように二層のポリシリコンで形成
してもよい。具体的には、転送ゲート71,72,73
を1層目aと2層目bで構成し、1層目aと2層目bの
一方を蓄積領域、他方をバリア領域とする。さらに、蓄
積領域とバリア領域を形成するためには、各ゲート下の
不純物の濃度及びゲート絶縁膜の厚さの少なくとも一方
が異なるようにすればよい。その他、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、信
号電荷の次段への転送時において、次段の転送ゲートの
下のバリアの高さが0.6V以下と低いため、転送ゲー
トへの印加電圧を変化させたときに、転送が速く始ま
る。このため、信号電荷の転送を速く終了させることが
可能になる。従って、転送効率の劣化なしに、二相駆動
CCDの駆動周波数を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる二相駆動CCDの転送方
向の素子構造と転送チャネルのポテンシャルを示す図。
【図2】転送ゲートの印加電圧を変化させたときのポテ
ンシャルの変化を示す図。
【図3】バリアの高さを変えた時の駆動周波数と転送効
率との関係を示す図。
【図4】74MHzの駆動周波数におけるチャネルポテ
ンシャルと転送効率との関係を示す図。
【図5】第2の実施例に係わる二相駆動CCDの転送方
向の素子構造と転送チャネルのポテンシャルを示す図。
【図6】第3の実施例に係わる固体撮像装置の基本構成
を示す図。
【図7】本発明の変形例を示す図。
【図8】従来の二相駆動CCDの転送方向の素子構造と
転送チャネルのポテンシャルを示す図。
【図9】従来の二相駆動CCDにおいて信号電荷を転送
する際のチャネルポテンシャルの変化と信号電荷の動き
を模式的に示す図。
【符号の説明】
1…p型シリコン基板 2…n型不純物層(埋込みチャネル) 3…n- 型不純物層 4…ゲート酸化膜 11,12,13…転送ゲート 60…シリコン基板 61…フォトダイオード 62…垂直CCD 63…水平CCD 64…出力アンプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−177172(JP,A) 実開 昭56−129761(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/339 H01L 29/762

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に一方向に沿って単一の導電
    層からなる転送ゲートが配列され各々の転送ゲート下
    に不純物濃度の異なる蓄積領域とバリア領域とが一つず
    つ形成され、これらの転送ゲートを二相クロックにより
    駆動することにより信号電荷を転送する電荷結合素子に
    おいて、 前記転送ゲートに0Vを印加した時に、前記蓄積領域と
    バリア領域とのポテンシャルの差が0.6V以下となる
    ように設定したことを特徴とする電荷結合素子。
  2. 【請求項2】半導体基板上に二次元的に配列された複数
    の光電変換蓄積領域と、この光電変換蓄積領域から読み
    出された信号電荷を垂直方向に転送する複数本の垂直転
    送電荷結合素子と、これらの垂直転送電荷結合素子の信
    号を受け水平方向に転送する水平転送電荷結合素子とを
    備えた固体撮像装置において、 前記水平転送電荷結合素子は、半導体基板上に一方向に
    沿って単一の導電層からなる転送ゲートを配列し、各々
    の転送ゲート下に不純物濃度の異なる蓄積領域とバリア
    領域とを一つずつ形成して構成され、二相のクロックに
    より駆動されて信号電荷を転送するもので、かつ蓄積領
    域のポテンシャルとバリア領域のポテンシャルとの差が
    0.6V以下に設定されてなることを特徴とする固体撮
    像装置。
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