JP3342757B2 - 粘弾性体の応力測定装置 - Google Patents

粘弾性体の応力測定装置

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JP3342757B2
JP3342757B2 JP29204593A JP29204593A JP3342757B2 JP 3342757 B2 JP3342757 B2 JP 3342757B2 JP 29204593 A JP29204593 A JP 29204593A JP 29204593 A JP29204593 A JP 29204593A JP 3342757 B2 JP3342757 B2 JP 3342757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粘弾性体試料なかで
もゴム組成物試料を、複数個のダイ又は一対のダイ及び
ロータが形成する円柱状中空部又はその一部を試料室と
するその内部で未加硫状態から初期加硫状態まで所定温
度で加熱する間、該試料の一方の面側を固定した上でこ
れと対向する他方の面側を回転させて、これら両面間の
試料にせん断を生じせしめるに必要なトルクを検出する
粘弾性体の応力測定装置に関し、特に従来は試料室から
の良好な試料離型性の保持と高精度な検出トルクデータ
の確保との両立が困難とされていた主たる問題を有利に
解決することができ、これにより試料の離型性との関連
に煩わされることなく、粘弾性体材料の重要な基本特性
としてのせん断応力値及び粘度(例えばムーニー粘度や
スコーチタイムに係わる粘度)を常時高精度で得ること
が可能であり、ゴム組成物などの粘弾性体の開発、設
計、生産、またこれを用いた物品の生産などの効率の顕
著な向上及びこの物品の優れた品質確保に有利に寄与す
る粘弾性体の応力測定装置を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】従来粘弾性体、なかでもゴム組成物は材
料としての未加硫段階において、例えばロール練り工
程、圧延工程さらに押出し工程など外部から加熱される
加工工程を経るのが通例であり、加えてこれらの工程作
業中におけるゴム組成物は大きなせん断応力を受けるの
で自己発熱も伴う結果高温度を示す。その際有利な加工
条件設定のため未加硫ゴム組成物が示す所定温度下での
せん断応力及び粘度を予め把握しておくことが不可欠で
あるり、それも所定の加熱条件下での加熱経過時間に対
応するせん断応力及び粘度を知ることが重要である。
【0003】そこで一つの方法としてJISーK 63
00にて定めるムーニー粘度試験方法に従い、或いはこ
れに準拠した方法により粘度を測定することが一般に広
く実施されている。この試験装置は、主として電動機に
より回転駆動される粘度測定用のロータと、このロータ
を内包する中空部を形成する一対の円筒形ダイスと、ロ
ータを回転させるに要するトルクを検出する手段と、ダ
イスを所定温度に保持する加熱装置とにより構成され
る、いわゆるロータタイプの装置であり、その試験はロ
ータの周囲に充填した未加硫ゴム組成物試料が所定温度
に達しかつ安定した後、ロータを回転させることにより
ロータシャフトに作用するトルクを検出してこの値をム
ーニー単位(必要に応じせん断応力に換算)にてあらわ
すものである。その際ロータの上下面及びダイ中空部対
向面と試料との間のすべりを防ぐため、前者はいげた状
に刻みこんだ多数の角形溝を、後者については放射状に
延びる多数のV形溝又は角形溝を備える。
【0004】しかし上記のロータタイプによる試験方法
では得られたデータにバラツキが生じ勝ちであること、
またせん断応力について言えばロータに接する試料部分
に限られるため試料全体の正確な値を示し得ないことな
どの不利を有するとして、その解決のため、特開平3ー
274442号公報では試料を収容する試料室を回転ダ
イ及びトルク検出用ダイと、このダイの外周に設けた固
定ダイと、回転ダイの外周面と緩く嵌まり合う外筒ダイ
とから構成し、試料室を形成する回転ダイと、トルク検
出用ダイ及び固定ダイとが対向する各面には上記同様な
試料に対するすべり止め加工を施したいわゆるロータレ
スタイプの粘弾性体の応力測定装置を提案している。
【0005】さらに特開平4ー177145号公報は、
上記公報が開示するダイと同種の各ダイが形成する試料
室の対向各面にすべり止め加工を施した上で、該公報に
よる装置に比し試料の自動着脱を一層容易として測定装
置の完全自動稼働化を可能とし、これにより試験効率の
大幅向上を実現し得るロータレスタイプの粘弾性体の応
力測定装置を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで発明者らは、
上述の粘弾性体の応力測定装置又はムーニー粘度試験装
置が具備すべき基本的な重要特性として、(1)得られ
たせん断応力及び粘度のデータが安定して高精度である
特性、(2)すべり止め溝の形状及び配列が高い加工精
度を容易ならしめる特性、(3)すべり止め溝の形状及
び配列が非溝部の耐磨耗性を著しく損なわない実用性を
伴う優れたメインテナンス特性、(4)高い試験効率を
可能とする他、自動化にも対応できる良好な試料離形特
性、の4特性に着目し、さらにこれら各特性毎にその適
合度を上述のロータタイプ及びロータレスタイプを含む
従来タイプの装置について詳細に調べ評価したところ、
これらの何れの装置も上掲の4特性全てを満たすことは
なく、少なくとも一つの特性に対し不満足な結果を示す
ことを見出した。なかでも深刻な問題として、最も重視
すべき、上記(1)項におけるデータの高精度と、
(4)項における試験終了後の容易な試料離型とは常に
両立しないことが判明した。
【0007】ここに上述の適合度評価について、上記
(1)項は、計測検出したトルク(せん断応力及び粘
度)値と計測経過時間との関係をあらわすトルク曲線に
ノイズとも言うべきリップル成分の重畳の有無、又は該
成分の多寡により、併せて同一ゴム組成物による多数の
試料を同一試験条件下で測定したときのトルク値の再現
性の良否により、上記(2)項は、すべり止め溝の仕上
がり寸法の設計仕様に対する誤差を多数個のダイ及びロ
ータにつき計測したその誤差の大小により、上記(3)
項は、試料にせん断回転を与えた際の試料にすべりが生
じるまでの測定回数により、上記(4)項は、短時間加
熱後の試料が最も低い値の粘度を示すムーニー粘度測定
直後と、そこからさらに加硫反応を進めたムーニースコ
ーチタイム測定直後とにおける試料のダイ又はロータと
ダイからの離型性によった。
【0008】よって上述の4特性の全てを同時に満たす
ことができ、とりわけゴム組成物試料が最小粘度を示す
故にダイ又はロータからの離型が最も困難な状態にある
ムーニー粘度測定直後における十分良好な試料離型特性
と、試料から得られるトルク(せん断応力、粘度)デー
タの高度な高精度特性とを両立し得る粘弾性体の応力測
定装置を提供するのがこの発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明のその一における粘弾性体の応力測定装置は、
同じ軸心上に位置して外縁が円形の対向面を形成する回
転ダイ及びトルク検出用ダイを有するとともに、該トル
ク検出用ダイの外周側で該ダイと共に上記回転ダイに対
する対向面を形成する固定ダイと、上記回転ダイの外周
面と緩く嵌り合う外筒ダイとを備え、該外筒ダイ内面と
上記各対向面とにより粘弾性体試料を収容する中空部を
形成するものとし、該中空部を満たして加熱した試料に
対し回転ダイを上記軸心まわりに回転させることにより
該試料にせん断を生じせしめる間の、上記各対向面に対
する試料のすべり防止のため、多数のすべり止め溝をこ
れら各対向面に設けてなる粘弾性体の応力測定装置にお
いて、上記回転ダイ及びトルク検出用ダイのすべり止め
溝は、各対向面それぞれで互いに異なる本数の放射状溝
の配列からなる他、回転ダイ及びトルク検出用ダイの各
対向面を上記軸心を法線とする仮想平面に投影したと
き、トルク検出用ダイの対向面の半径の0.8倍を半径
とする円から外側で各対向面が互いに重なり合う円環部
分内にて、回転ダイの回転に伴い各対向面における放射
状溝が互いに重なり合う部分の合計面積(GO ) と上記
円環部分面積(A)との比率(GO /A)を溝の重なり
率(R)として、この重なり率(R)は回転ダイの回転
につれ増減を交互に繰り返して最大重なり率(RMAX )
と最小重なり率(RMIN ) とを示し、これら重なり率の
差(ΔR=RMAX −RMI N )に対する溝の重なり率の平
均(RA ) の倍率(RA /ΔR)が10倍以上である溝
配列配分になることを特徴とする。
【0010】またこの発明のその二における粘弾性体の
応力測定装置は、同じ軸心上に対向して位置する一対の
ダイを有し、それらのうち少なくとも一方のダイの対向
側に設けた円形凹部が互いに係合した一対のダイ内部に
中空部を形成するその中空部の中央位置に、ダイを貫い
て延びる回転軸に固定したトルク検出用円板状ロータを
備え、該ロータを内包した中空部の間隙を満たして加熱
した粘弾性体試料に対しロータを回転させることにより
該試料にせん断を生じせしめる間の、ロータの両円板面
及び中空部両対向面に対する試料のすべり防止のため、
多数のすべり止め溝を両円板面及び中空部両対向面に設
けてなる粘弾性体の応力測定装置において、上記ロータ
両円板面及び中空部両対向面の各々につき、互いに向い
合うロータ円板面及び中空部対向面におけるすべり止め
溝は、それぞれ互いに異なる本数の放射状溝の配列から
なる他、上記軸心を法線とする仮想平面に、互いに向い
合う上記円板面及び対向面をそれぞれ組として別個に投
影したとき、ロータ半径の0.8倍を半径とする円から
外側で円板面及び対向面が互いに重なり合う円環部分内
にて、ロータの回転に伴い円板面及び対向面における放
射状溝が互いに重なり合う部分の合計面積(GO) と上
記円環部分面積(A)との比率(GO /A)を溝の重な
り率(R)として、この重なり率(R)はロータの回転
につれ増減を交互に繰り返して最大重なり率(RMAX )
と最小重なり率(RMIN ) とを示し、これら重なり率の
差(ΔR=RMAX −RMIN )に対する溝の重なり率の平
均(RA ) の倍率(RA /ΔR)が10倍以上である溝
配列配分になることを特徴とする。
【0011】まずこの発明のその一を、その要部断面の
みを示す図1(a)及び図1(a)の一部を投影した図
1(b)、(c)に基づいて以下詳細に説明する。図1
(a)において1は回転ダイ、2はトルク検出用ダイ、
3は固定ダイ、4は外筒ダイであり、回転ダイ1及びト
ルク検出用ダイ2は同じ軸心(図にZで示す)上に位置
して外縁が円形の対向面1s、2sを形成する。固定ダ
イ3はトルク検出用ダイ2の外周側で該ダイ2と共に回
転ダイ1に対し外縁が円形の対向面3sを形成するもの
であり、外筒ダイ4は回転ダイ1の外周面と緩く嵌まり
合い、相対的動き、例えば回転ダイ1のみの回転、或い
は軸心Zに沿う何れか一方のみの移動などを許容する。
そしてこれら回転ダイ1、トルク検出用ダイ2、固定ダ
イ3、その外周側を取囲む別の固定ダイ3ー1及び外筒
ダイ4が相互に係合して図示するように、外筒ダイ4の
内面4isと各対向面1s、2s、3sとによりゴム組
成物試料を収容する中空部Chを形成する。5はシール
リングである。
【0012】図1(a)で中空部Ch内部にゴム組成物
試料Rs(小点の散布部分)を収容したありさまを示す
ように、中空部Chを満たして加熱する(加熱手段の図
示は省略)試料Rsに対し回転ダイ1をその軸心Zのま
わりに回転させることにより、試料Rsにせん断を生じ
せしめるものとし、その間、各対向面1s、2s及び3
sに対し試料Rsがすべるのを防止するためのすべり止
め溝として、図示するように対向面1sには溝G1 、対
向面2sには溝G2 、対向面3sには溝G3 をそれぞれ
設ける。なお回転ダイ1の回転数は毎分1〜20回転の
低速回転が適合する。これは以降の場合も同様である。
【0013】上述の回転ダイ1の対向面1sにおけるす
べり止め溝G1 及びトルク検出用ダイ2の対向面2sに
おけるすべり止め溝G2 は、対向面1s及び対向面2s
それぞれの中央部から外方に向かって延びる多数の放射
状溝からなり、さらにこれらの放射状溝の本数は対向面
1sと対向面2sとで異なることを必要とする。
【0014】このありさまを、図1(a)に示す軸心Z
を法線とする仮想平面Pに対向面1s及び対向面2sを
対向面3sと共に投影した図形例として対向面1sは図
1(b)に、対向面2s、3sは図1(c)にそれぞれ
示す。この例ではトルク検出用ダイ2側の溝本数が回転
ダイ1側のそれに比しより多いものを示しているもの
の、その逆であってもよい。なお図1(c)に示された
二つの同心円のうち内側の円(Coにて示す)はトルク
検出用ダイ2の外縁をあらわし、外側の円は対向面3s
の外縁をあらわす。
【0015】ここに図1(b)及び図1(c)におい
て、回転ダイ1及びトルク検出用ダイ2の軸心Z上の点
をそれぞれ図にてZ1 及びZ2 で示し、トルク検出用ダ
イ2の対向面2sの外周円Coの半径roの0.8倍を
半径ri(0.8ro)とする円Ciから外側で各対向
面2s、1sが互いに重なり合う部分、すなわち図示の
二つの円CoとCiとの間に囲まれる円環部分内にて、
回転ダイ1の回転に伴い各対向面1s及び2sにおける
放射状溝G1 及びG2 が互いに重なり合う部分の合計面
積GO と上記円環部分の面積Aとの比率GO /Aを溝の
重なり率Rとして、この重なり率Rは回転ダイ1の回転
につれ増減を交互に繰り返して最大重なり率RMAX と最
小重なり率RMIN とを示し、これら重なり率の差ΔR
(RMAX −R MIN )に対する溝の重なり率の平均RA
倍率RA /ΔRが10倍以上である、放射状溝G1 及び
放射状溝G2 の配列配分になることが必要である。なお
ここでRA =(RMAX +RMIN )/2とするのが好都合
である。
【0016】上記放射状溝G2 はそのまま固定ダイ3の
対向面3sの外縁まで延長してこれを溝G3 とすること
が望ましく、そうでなくとも対向面3sと重なり合う回
転ダイ1の対向面1sとの間で上述の倍率RA /ΔRに
相当する倍率が10倍以上である関係を満たす放射状溝
1 及び放射状溝G3 の配列配分が望ましい。また放射
状溝G1 、G2 、G3 それぞれの断面形状は平底をもつ
角形が適合し、それらの溝幅は1〜3mmで、溝深さは
0.1〜0.5mmであるのが望ましく、また溝本数は
18本以上であるのが望ましい。
【0017】なお図1(a)が試料Rsの測定開始から
終了に至るまでのありさまを示すのに対し、測定終了後
における試料Rsの離型について図2に基づき説明すれ
ば、この例ではまず外筒ダイ4が先にトルク検出ダイ2
及び固定ダイ3、3ー1から離れるように軸心Zに沿っ
て所定位置まで移動し、それから回転ダイ1がこの移動
に追随し外筒ダイ4と共にさらに先の所定位置まで移動
して停止し、試料Rsの離型を容易にする構成とするの
が望ましい。測定前の試料Rsの装着は上述したところ
と逆の経過を辿らせればよく、ただし試料Rsを加圧す
るようにして上記各ダイが相互に係合するのが望まし
い。
【0018】図3はこの発明のその一における別の例の
要部断面を示す。図3において回転ダイ1の対向面1s
は円錐面又はそれに近い面をなし、これに対しトルク検
出用ダイ2及び固定ダイ3、3ー1の対向面は平面をな
す。さらに図示は省略するがトルク検出用ダイ2及び固
定ダイ3、3ー1の各対向面の何れもが円錐面又はそれ
に近い面であることを可とし、またそれの軸心Z付近を
面取りした面とすることもできる。図3の例において
も、前に述べた仮想平面Pに対する各対向面1s、2
s、3sの投影にあらわれる放射状溝G1 、G2 、G3
と、それらの相互関係は図1に基づき説明したところと
同一である。
【0019】図3の例では試料Rsに加熱を施す加熱源
として図示するようにリード線7に結線した電熱ヒータ
6を回転ダイ1、トルク検出用ダイ2及び固定ダイ3、
3ー1内部にそれぞれ埋設し、これら各ダイの温度は温
度検出センサ8により常時測定可能であり、またこれに
より試料Rsの温度制御を有利に行うことができる構成
としている。なお9は断熱部材、10は固定ダイ3ー1
の固定支持部材である。
【0020】次にこの発明のその二につき、その要部断
面を示す図4(a)及びその一部を投影した図4
(b)、(c)に基づき以下詳細に説明する。図4
(a)において、101及び102は一対のダイ、10
3はトルク検出用円板状ロータ、104は回転軸であ
り、一対のダイ101及び102は同じ軸心Z上に対向
して位置し、これらのダイ101、102のうち少なく
とも一方のダイ、図示の例では一対のダイの対向側に円
形凹部101a、102aを設け、これらの円形凹部1
01a、102aが係合した一対のダイ(図示の状態)
101及び102内部に中空部Chを形成する。ロータ
103は上記軸心Zを軸心として、図示の例ではダイ1
02を貫いて延びる回転軸104に固定されて中空部C
hの中央位置を占める。
【0021】ロータ103を内包した中空部Chの間隙
に粘弾性体試料(図示せず)を満たし、この試料は一対
のダイ101、102を固定支持する熱盤(図示を省
略)、又は該ダイ101、102内部の加熱源(図示を
省略)などにより加熱するものとし、加熱した試料に対
しロータ103を回転することにより該試料にせん断を
生じせしめる。ここに図示の101s及び102sは円
形凹部101a及び102aの対向面であり、また10
3su及び103slはロータ103の両円板面であ
り、上述の試料にせん断を生じせしめる間、この両円板
面103su、103sl及び円形凹部101a及び1
02aの対向面すなわち中空部Chにおける対向面10
1s、102sに対し試料がすべりるのを防止するため
のすべり止め溝として、図示するように中空部Ch対向
面101s及び102sにはすべり止め溝G1 及びG2
と、ロータ103の両円板面103su及び103sl
にはすべり止め溝G3U及びG3lとを設ける。
【0022】ここに、上述の中空部Ch対向面101s
及び102sにおけるすべり止め溝G1 及びG2 と、ロ
ータ103の両円板面103su及び103slにおけ
るすべり止め溝G3U及びG31とは、これら各対向面10
1s、102s及び両円板面103su、103slそ
れぞれの中央部から外方に向かって延びる多数の放射状
溝からなり、さらにこれらの放射状溝の本数は対向面1
01s及び102sと両円板面103su及び103s
lとで異なることを要し、さらに言えば互いに向い合う
対向面101sと円板面103suとで異なり、かつ対
向面102sと円板面103slとで異なることを必要
とする。
【0023】このありさまを、図4(a)に示す軸心Z
を法線とする仮想平面Pに対向面101s及び円板面1
03suと、対向面102s及び円板面103slとを
それぞれ組として投影するところ、ここでは前者の組を
投影した図形の例として対向面101sは図4(b)
に、円板面103suは図4(c)にそれぞれ示す。こ
の例ではロータ103側の溝本数がダイ101側のそれ
に比しより多いものを示しているものの、その逆であっ
てもよい。
【0024】図4(b)及び図4(c)において、ダイ
101及びロータ103の軸心Z上の点をそれぞれ図に
てZ1 及びZ2 で示し、ロータ103の外周円Coの半
径roの0.8倍を半径ri(0.8ro)とする円C
iから外側でロータ103の円板面103su及び対向
面101sが互いに重なり合う部分、すなわち図示の二
つの円CoとCiとの間に囲まれる円環部分内にて、ロ
ータ103の回転に伴い対向面101s及び円板面10
3suにおける放射状溝G1 及びG3Uが互いに重なり合
う部分の合計面積GO と上記円環部分の面積Aとの比率
O /Aを溝の重なり率Rとして、この重なり率Rはロ
ータ103の回転につれ増減を交互に繰り返して最大重
なり率RMAX と最小重なり率RMIN とを示し、これら重
なり率の差ΔR(RMAX −RMIN )に対する溝の重なり
率の平均RA の倍率RA /ΔRが10倍以上である、放
射状溝G1 及び放射状溝G3Uの配列配分になることが必
要である。
【0025】上述したところは、残余の組の対向面10
2sと円板面103slとについても適用するのは勿論
である。また放射状溝G1 、G2 、G3U及びG31それぞ
れの断面形状は平底をもつ角形が適合し、それらの溝幅
は1〜3mmで、溝深さは0.1〜0.5mmであるの
が望ましい。なお投影溝輪郭については、溝幅が一定の
もの又は各対向面に向うにしたがい幅が先細り状となる
ものの何れもが適合する。また溝本数は18本以上であ
るのが望ましい。なお一対のダイ101、102の中空
部Ch側面及びロータの側面もやはりすべり止め溝、例
えば内接歯車及び外接歯車状溝を備えるのが望ましく、
また図示を省略したが粘弾性体試料の装填、取出しの際
には一対のダイ101、102のうち何れか一方のダイ
を軸心Zに沿って移動させ、特に試料装填については中
空部Chを隙間なく十分満たすに足る加圧力を試料に負
荷するのが望ましい。
【0026】
【作用】従来のロータレスタイプ、ロータタイプにおけ
るダイ対向面又はロータ両円板面に設けるすべり止め溝
として図5(a)、(b)に示す溝(投影溝)が知られ
ている。図5(a)のすべり止め溝は、それらを各々1
本の実線にて示すように縦横90°にて交差する多数の
いげた状溝GX からなり、図5(b)のすべり止め溝
は、面の中央部から外方に向け放射状に延びる多数の溝
Z からなる。
【0027】上記いげた状溝GX を備えるダイ又はロー
タは、一般にそれから得られるトルクデータの精度が高
い傾向を示す反面、粘弾性体試料の離型性に対しては不
利であり、この点は試料の粘度が最も低い値を示すムー
ニー粘度を測定した直後などの流動性に富む試料の離型
に対し殊更顕著にあらわれ、これは多くの場合溝GX
に試料の一部が残留するという大きな支障をもたらす。
加えて、この種のダイ又はロータは、すべりを十分に抑
制して正確なデータを得るために図示する如く著しく多
数の溝GX を備える必要が生じ、その結果いげた内陸部
の耐磨耗性が損なわれるばかりでなく、溝GX の加工精
度の保持に対し限界を生じる故に多数のダイ又はロータ
相互間にて、データの再現性の点で無視できない溝の形
状又は配分のバラツキがもたらされるなどの不利を伴
う。
【0028】一方図5(b)に示すような放射状溝GZ
を備えるダイ又はロータを用いれば、上述の不利を有利
に回避することができる反面、得られたトルクデータ
(せん断応力及び粘度データ)の精度が実用上不十分で
あることが判明した。このことは図6に示す、粘弾性体
試料についてのトルク曲線を得ることによりはじめて明
確にすることができた。
【0029】ここに図6は、縦軸にトルク値(kgfー
cm)、横軸に測定時間(分)をとり、所定温度に加熱
した試料にせん断を生じせしめるに要したトルク値を測
定時間の経過との関連で得られたトルク曲線を示すもの
である(スタート後の0レベルは予熱時間)。図6が特
徴的に示すところは、元来トルク曲線は滑らかに連なる
曲線L(二点鎖線で示す)として得られるべきところ、
実際はあたかもリップルとも言うべきノイズ成分が曲線
Lに重畳された多数の凹凸部が連なる曲線Loが検出さ
れている点である。発明者らはこのことがトルクデータ
の精度を著しく低下させる主要な原因となっていること
を解明したのである。なお図中MLはムーニー粘度を示
すトルク値、Mstはムーニースコーチタイムをあらわ
す。
【0030】そこで上記ノイズ成分の発生メカニズムに
ついて、ロータレスタイプの回転ダイ及びトルク検出用
ダイを用いて実験及びその結果の究明を進めた結果、下
記の結論に到達した。すなわちまず、同じ配列本数から
なる放射状溝GZ を各対向面に設けた従来の各ダイにつ
いて、先に述べた回転ダイの回転に伴う溝の重なり率R
の変化と、図6に示したリップルとの関連に着目してこ
れを調べたところ、互いに隣合う溝の最大重なり率R
MAX 間のピッチが、互いに隣合うリップル最小値間のピ
ッチに対応するか、又は互いに隣合う溝の最小重なり率
MIN 間のピッチが、互いに隣合うリップル最大値間の
ピッチに対応するかの何れかが常に成立するという注目
すべき事実を見出した。
【0031】なお上記の関連が前者になるか後者となる
かは、各対向面に設ける放射状溝の配列本数、溝幅及び
溝深さなどの溝の形状、試料厚さなどによって定まる。
例えば回転ダイの対向面の直径が50mm、トルク検出
用ダイのそれが35mm(固定ダイの内径36mm、外
径50mm)であり、溝については幅が2mm、溝深さ
が共に0.7mmで溝の配列本数が32本の場合は前者
の関連が当てはまる。この例における回転ダイの所定位
置からの回転角度と溝の重なり率Rとの関係グラフを図
7の上段に示し、下段左に回転ダイ、下段右にトルク検
出用ダイ及び固定ダイそれぞれの対向面の投影を示し
た。なおこの場合より溝配列本数が少ないダイを用いた
実験では上記と逆の結果が得られている。
【0032】つぎに上述の事実に鑑み、試料Rsから生
じるせん断力のリップル変動を、トルク検出用ダイ及び
回転ダイに設けた放射状溝の相対的位置関係との関連で
詳細に観察し考究したところを図8に基づき説明する。
図8(a)、(b)、(c)はトルク検出用ダイ及び回
転ダイの各溝部分を、前者の対向面の外周寄り円周に沿
って切断した断面の一部を展開して示すものであり、各
図の上部が回転ダイ、下部がトルク検出用ダイである。
図においてGZR、GZTは溝部、LPR、LPTは互いに隣合
う溝に挟まれる陸部をあらわす。なお回転ダイは矢印の
向きに回転するものとする。
【0033】図8(a)は溝部GZR、GZT同士及び陸部
PR、LPT同士がそれぞれ互いに向い合う状態、図8
(b)は図8(a)の状態から回転が少し進んだ状態、
図8(c)は図8(b)の状態からさらに回転が進み、
陸部LPRが溝GZTのほぼ中央部に相対する位置にある状
態をそれぞれあらわす。これらの各状態のそれぞれが、
各対向面の半径方向で陸部LPR、LPTの幅に相違はある
ものの、各対向面の全周にわたり同時に生じる。
【0034】ここで加熱された粘弾性体、なかでもゴム
組成物のような可塑性に富む材料に固有なせん断特性、
すなわちせん断をひき起す力は材料内部の面に引きちぎ
りを強制する外側部分の形状に大きく依存する特性に基
づき、試料Rsから発生するせん断力は、図8(a)の
状態で最小値を、図8(c)の状態で最大値を示し、図
8(b)の状態では両者の間の値を示す。つまりこれら
のことが個々に各対向面の全周にわたり同時に生じる結
果、著しく大きな振幅をもつリップル、すなわちノイズ
が重畳して発生しているとの結論を導き出したのであ
る。
【0035】上述した放射状溝GZ の配列に由来するデ
ータ精度の劣化に対し、この発明のその一による回転ダ
イ1及びトルク検出用ダイ2の各対向面1s、2sに設
ける放射状溝G1 、G2 は、互いに異なる本数の溝配列
からなること、かつ先に述べた溝の最大重なり率RMAX
と最小重なり率RMIN との差ΔRに対する溝の重なり率
の平均RA の倍率RA /ΔRが10倍以上である溝配列
配分になることにより、回転ダイ1のトルク検出用ダイ
2に対するいかなる回転位置においても、図8(a)、
(b)、(c)に示す各状態又はこれに近い状態と、こ
れらの間の状態との混在を先に述べた円環部分面積A内
にて同時に得ることができ、かつ差ΔRを十分に小さな
値とすることができる。
【0036】このことはとりもなおさず、両円環部分面
積Aの間に挟まれる試料Rsの各部に生じる大きなせん
断力から小さなせん断力(最大せん断力〜最小せん断
力)に至るまでのせん断力を、回転ダイ1の一回転の間
のいかなる回転位置においても有利に相殺して均すこと
にほかならない。これにより試料Rsのトルク測定中、
回転ダイ1の回転に伴い試料から発生するせん断力の変
動、すなわちトルク検出用ダイ2に加えられるトルクの
変動(ノイズ)を有効に抑制できることになり、その結
果データ精度を顕著に高めることが可能となる。
【0037】ここに、上記円環部分面積Aを取上げたの
は、対向面2sの外周寄り部分における試料Rsから生
じるせん断力がトルク値に対して支配的である事実に基
づくものである(因みにトルクは半径の3乗に比例す
る)。また円環部分面積Aを定める内側の円Ciの半径
riを、トルク検出用ダイ2の対向面2sにおける外周
半径roの0.8倍としたのは、それ未満ではすべり止
め効果を発揮し得る放射状溝G2 の加工スペースの確保
が困難となる上、トルク変動に対する影響が小さくなる
からである。また上記の倍率RA /ΔRが10倍以上と
したのは10倍未満ではリップル成分の十分な抑制が不
足して、期待に沿うデータ精度が得られないからであ
る。さらに、この発明のその一を固定ダイ3まで拡大適
用すればデータ精度の一層の向上に寄与する。
【0038】かくしてこの発明のその一によれば、安定
して高精度なトルク(せん断応力、粘度)値を検出する
特性と、良好な試料離型特性との両立が実現可能であ
り、加えて、容易に高い加工精度が得られ、かつ顕著に
優れた耐磨耗性を保持し得るすべり止め溝を備えたダイ
の実現も可能となる。
【0039】上述したところはロータレスタイプの粘弾
性体の応力測定装置における回転ダイ及びトルク検出用
ダイに限られるものではなく、勿論従来のロータタイプ
の粘弾性体の応力測定装置における一対のダイ及びロー
タについても言えるものであり、この発明のその二に従
うロータタイプの粘弾性体の応力測定装置における一対
のダイ101、102及びロータ103についても、上
述のこの発明のその一に従う回転ダイ1及びトルク検出
用ダイ2と同様な作用効果を発揮する。
【0040】
【実施例】図1に従うこの発明のその一における実施例
1と、図4に従うこの発明のその二における実施例2と
を準備した。 (1)実施例1;回転ダイ1、トルク検出用ダイ2及び
固定ダイ3は何れもスチールを焼入れ処理した材質から
なり、それぞれのダイの諸元は下記のようにした。 回転ダイ1;対向面1sの直径=50mm、溝本数=
28本、溝幅=2.0mm、溝深さ=0.4mm、 トルク検出用ダイ2;対向面2sの直径=35mm、
溝本数=32本、溝幅=2.0mm、溝深さ=0.4m
m、 固定ダイ3;対向面3sの内径=36mm、その外径
=50mm、溝本数=32本、溝幅=2.0mm、溝深
さ=0.4mm。 なお上記溝の断面形状は何れも両壁が平底に向うにつれ
やや先細りとなる角形とした。
【0041】実施例1に対する比較例1〜3を、溝の配
列を除く他は全て実施例1に合わせて準備した。 比較例1;図7下に示す放射状溝配列に従い、溝本数は
各ダイともに32本であり、溝諸元は実施例1と同一と
した。 比較例2;回転ダイは比較例1に合わせ、トルク検出用
ダイ及び固定ダイは図5(a)に示すいげた状溝GX
適用し、これらの溝GX の幅を0.8mm、深さを0.
5mmとして、縦横の溝の刻み間隔をそれぞれ1.5m
mとした。 比較例3;各ダイ全て比較例2のいげた状溝GX を適用
した。
【0042】(2)実施例2;一対のダイ101、10
2及びロータ103は何れもスチールを焼入れ処理した
材質からなり、これらの諸元は下記のようにした。 一対のダイ101、102;対向面101s、102
sの直径=50mm、溝本数=28本、溝幅=2.0m
m、溝深さ=0.4mm、 ロータ103;円板面103su、103slの直径
=35mm、溝本数=32本、溝幅=2.0mm、溝深
さ=0.4mm。 なお上記溝の断面形状は何れも溝両壁が平底に向うにつ
れやや先細りとなる角形とした。
【0043】実施例2に対する比較例4〜6を、溝の配
列を除く他は全て実施例2に合わせて準備した。 比較例4;一対のダイの各対向面及びロータの両円板面
に比較例1と同一の放射状溝配列を適用した。 比較例5;一対のダイの各対向面に比較例3と同一仕様
のいげた状溝GX を適用し、ロータの両円板面に比較例
4と同一の放射状溝配列を適用した。 比較例6;一対のダイの各対向面及びロータの両円板面
に比較例5と同一仕様のいげた状溝GX を適用した。
【0044】ここに上述の実施例1、2における放射状
溝の重なり率を線図として図9に示す。図中に記載した
12.9°は互いに隣合う溝の最大重なり率RMAX 間の
回転ピッチ角度を示す。
【0045】上述の実施例1、2及び比較例1〜6をそ
れぞれ粘弾性体の応力測定装置に装着して、粘弾性体に
はその代表としてゴム組成物を用い、この試料を中空部
に隙間がないように加圧しながら装填し、試料温度13
5℃、回転ダイ及びロータの回転数3rpmの試験条件
下でトルクを測定する比較評価試験を実施した。一つの
実施例、比較例につきこの測定を10回繰り返して得ら
れたデータ精度、試料離型性について評価した結果を表
1に示す。評価結果を、大幅に良好は◎、良好は○、や
や劣るは△、劣るは×、大幅に劣るは××の記号にてあ
らわし、これらを表中に記載した。さらに溝の加工精度
及び陸部の耐磨耗性についても別途比較評価を施し、上
記と同様な基準に基づく◎〜×までの記号にて表中に記
載した。
【0046】なお表1の中でデータ精度は単に精度と略
記し、これをノイズの項と再現性の項とに分けて記載し
た。また試料離型性はムーニー粘度測定直後及びムーニ
ースコーチタイム測定直後に分けて評価し、表中前者は
ML、後者はMstと略記した。さらに表中、溝の重な
り率の差はΔR(RMAX −RMIN )、溝の重なり率の平
均をRA で示している。
【0047】
【表1】
【0048】上述の比較評価試験結果から実施例1、2
はともに優れたデータ精度と試料の良好な離型性とを同
時に発揮し、加えて十分な溝部分の加工精度及び耐磨耗
性を示しているのに対し、何れの比較例においてもデー
タ精度と試料の離型性のうちどちらかの特性に実用上大
きな不具合を有し、また加工精度や耐磨耗性についても
不利な点を有していることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】この発明のその一及びその二によれば、
粘弾性体試料から得られるトルク(せん断応力及び粘
度)データが安定して高精度である特性、高い試験効率
の実現を可能とし、自動化にも十分対応可能な試料離型
特性、すべり止め溝の形状及び配列が高い加工精度を容
易ならしめる特性及び非溝部(陸部)の優れた耐磨耗性
がもたらす高度に高いメインテナンス特性の4特性の全
てを同時に満たすことができ、とりわけゴム組成物試料
が最小粘度を示す故にダイ又はロータからの離型が最も
困難な状態にあるムーニー粘度測定直後における十分良
好な試料離型特性と、試料から得られるトルク(せん断
応力、粘度)データの高度な高精度特性との両立が可能
なところに特徴を有する粘弾性体の応力測定装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のその一に従う一例の要部の断面図及
びすべり止め溝の投影図である。
【図2】図1の作動の一部を説明する要部断面図であ
る。
【図3】この発明のその一に従う別の要部断面図であ
る。
【図4】この発明のその二に従う一例の要部の断面図及
びすべり止め溝の投影図である。
【図5】従来のすべり止め溝の投影図である。
【図6】従来のトルク曲線(実線)をあらわす線図であ
る。
【図7】従来のすべり止め溝の重なり率をあらわす線図
及びその溝の投影図である。
【図8】従来のすべり止め溝と測定試料との関係を説明
する断面図である。
【図9】この発明の実施例におけるすべり止め溝の重な
り率をあらわす線図である。
【符号の説明】
1 回転ダイ 2 トルク検出用ダイ 3 固定ダイ 4 外筒ダイ 1s、2s 対向面 G1 、G2 すべり止め放射状溝 Ch 中空部 101、102 一対のダイ 103 ロータ 101s、102s 一対のダイ対向面 103su、103sl ロータ円板面 104 回転軸 G3U すべり止め放射状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚原 登 東京都北区滝野川5−16−4 (56)参考文献 特開 昭60−120253(JP,A) 特開 平3−274442(JP,A) 特開 平3−177145(JP,A) 特開 昭46−297(JP,A) 実開 昭61−96358(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 19/00 G01L 3/00 G01N 3/00 G01N 11/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じ軸心上に位置して外縁が円形の対向
    面を形成する回転ダイ及びトルク検出用ダイを有すると
    ともに、該トルク検出用ダイの外周側で該ダイと共に上
    記回転ダイに対する対向面を形成する固定ダイと、上記
    回転ダイの外周面と緩く嵌り合う外筒ダイとを備え、該
    外筒ダイ内面と上記各対向面とにより粘弾性体試料を収
    容する中空部を形成するものとし、該中空部を満たして
    加熱した試料に対し回転ダイを上記軸心まわりに回転さ
    せることにより該試料にせん断を生じせしめる間の、上
    記各対向面に対する試料のすべり防止のため、多数のす
    べり止め溝をこれら各対向面に設けてなる粘弾性体の応
    力測定装置において、 上記回転ダイ及びトルク検出用ダイのすべり止め溝は、
    各対向面それぞれで互いに異なる本数の放射状溝の配列
    からなる他、 回転ダイ及びトルク検出用ダイの各対向面を上記軸心を
    法線とする仮想平面に投影したとき、トルク検出用ダイ
    の対向面の半径の0.8倍を半径とする円から外側で各
    対向面が互いに重なり合う円環部分内にて、回転ダイの
    回転に伴い各対向面における放射状溝が互いに重なり合
    う部分の合計面積(GO ) と上記円環部分面積(A)と
    の比率(GO /A)を溝の重なり率(R)として、この
    重なり率(R)は回転ダイの回転につれ増減を交互に繰
    り返して最大重なり率(RMAX )と最小重なり率(R
    MIN ) とを示し、これら重なり率の差(ΔR=RMAX
    MI N )に対する溝の重なり率の平均(RA ) の倍率
    (RA /ΔR)が10倍以上である溝配列配分になるこ
    とを特徴とする粘弾性体の応力測定装置。
  2. 【請求項2】 同じ軸心上に対向して位置する一対のダ
    イを有し、それらのうち少なくとも一方のダイの対向側
    に設けた円形凹部が互いに係合した一対のダイ内部に中
    空部を形成するその中空部の中央位置に、ダイを貫いて
    延びる回転軸に固定したトルク検出用円板状ロータを備
    え、該ロータを内包した中空部の間隙を満たして加熱し
    た粘弾性体試料に対しロータを回転させることにより該
    試料にせん断を生じせしめる間の、ロータの両円板面及
    び中空部両対向面に対する試料のすべり防止のため、多
    数のすべり止め溝を両円板面及び中空部両対向面に設け
    てなる粘弾性体の応力測定装置において、 上記ロータ両円板面及び中空部両対向面の各々につき、
    互いに向い合うロータ円板面及び中空部対向面における
    すべり止め溝は、それぞれ互いに異なる本数の放射状溝
    の配列からなる他、 上記軸心を法線とする仮想平面に、互いに向い合う上記
    円板面及び対向面をそれぞれ組として別個に投影したと
    き、ロータ半径の0.8倍を半径とする円から外側で円
    板面及び対向面が互いに重なり合う円環部分内にて、ロ
    ータの回転に伴い円板面及び対向面における放射状溝が
    互いに重なり合う部分の合計面積(GO) と上記円環部
    分面積(A)との比率(GO /A)を溝の重なり率
    (R)として、この重なり率(R)はロータの回転につ
    れ増減を交互に繰り返して最大重なり率(RMAX ) と最
    小重なり率(RMIN ) とを示し、これら重なり率の差
    (ΔR=RMAX −RMIN )に対する溝の重なり率の平均
    (RA ) の倍率(RA /ΔR)が10倍以上である溝配
    列配分になることを特徴とする粘弾性体の応力測定装
    置。
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