JP3341271B2 - ポリウレタン系エラストマー組成物 - Google Patents

ポリウレタン系エラストマー組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン系エラス
トマー組成物に関する。更に詳しくは、ポリウレタン系
シール材および結束剤等に使用され、各種物性に優れ、
特に溶出物の少ない低粘度ポリウレタン系エラストマー
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気用シール剤および中空繊維分
離膜を用いた医療用、工業用流体分離装置の中空繊維結
束材として使用されるポリウレタン系エラストマーにお
いて、主剤(ポリイソシアネート)として、トリレンジ
イソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)のような芳香族ジイソシアネートを
ヒマシ油、アルコール変性ヒマシ油等のヒマシ油系ポリ
オールあるいはポリプレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエー
テルグリコールと反応させたプレポリマーが使用され、
硬化剤(活性水素含有化合物)として、ヒマシ油、アル
コール変性ヒマシ油等のヒマシ油系ポリオールあるいは
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等と、さらにN,N,N
´,N´,−テトラキス(2−ヒドロキプロピル)エチ
レンジアミン等のアミン系ポリオールとを組み合わせて
使用することが特公昭59−33605号により知られ
ている。これら芳香族ジイソシアネートを用いたポリウ
レタン系エラストマーからは芳香族ウレタンオリゴマー
が溶出することが知られており、その量によっては、特
に医療用の流体分離装置においては生体への安全性の点
で問題となる。
【0003】これに対して、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)のイソシアヌレート変性体を主剤成分
の一部に使用することが特開平2−215822号で検
討されている。これらはHDIをイソシアネート成分の
一部として導入することで芳香族ウレタンオリゴマーの
溶出物を削減している。しかし、これらHDI変性体
は、高い粘度のため作業性、生産性に劣るという欠点が
あった。主剤の粘度を下げる手段としては、HDIのイ
ソシアヌレート変性体にHDIモノマーを導入すること
が考えられるが、この手段はHDIモノマーの刺激性等
の問題から作業者の安全衛生上好ましくない。さらに、
粘度を下げる方法として主剤および硬化剤を加熱する方
法がある。しかし、電子部品および中空繊維分離膜の耐
熱性の点から、高温への加熱は避けられなければならな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は従来の欠点
を改良するため鋭意検討を重ねた結果、ポリイソシアネ
ートとして、(A)イソシアヌレート基とウレトジオン
基とを含むHDI変性体と、(B)イソシアネート基末
端プレポリマーを用いることにより、溶出物が少なく、
かつ低粘度で硬化性に優れたシステムが得られることを
見い出だし本発明に至った。
【0005】即ち、本発明は、ポリイソシアネートと硬
化剤とからなるポリウレタン系エラストマー組成物にお
いて、該ポリイソシアネートが(A)イソシアヌレート
基とウレトジオン基を含み、イソシアヌレート環状三量
体含有量が20〜45重量%、ウレトジオン二量体含有
量が20〜50重量%であるHDI変性体および,
(B)イソシアネート(NCO)基末端プレポリマーか
らなり、該硬化剤がアミン系ポリオールおよび/または
アミン系以外のポリオールからなることを特徴とするポ
リウレタン系エラストマー組成物に関するものである。
また、HDIのNCO基の一部をポリオール付加させた
後、イソシアヌレート基とウレトジオン基とを得るもの
である。さらに、NCO基末端プレポリマーが、有機ポ
リイソシアネートと分子量50〜7000のポリオール
とを反応させた、NCO含量が10〜25重量%である
ことを特徴とするポリウレタン系エラストマー組成物で
ある。
【0006】本発明でいうイソシアヌレート基とウレト
ジオン基を含むHDI変性体とは、HDIを原料として
特定の触媒の存在下でNCO基の環状三量化および二量
化反応により分子中にイソシアヌレート基およびウレト
ジオン基を導入させたものである。このようなHDI変
性体の出発原料としては、HDI単独またはHDIのN
CO基を一部ポリオール付加させたHDIのポリオール
付加物が用いられる。このポリオールとしては、分子量
50〜7000で2価のものが用いられる。例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタン
ジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタングリコール、1,10−デカング
リコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ル、2−
n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−
n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n
−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸−3−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチルプロピルエステル、水素化ビス
フェノールA、ポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポ
リカプロラクトン等があげられる。好ましくは、1,3
−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−
ルポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリブチレンアジペートである。この場合、ポ
リオール付加は全NCO基の10重量%以下である。好
ましくは、1〜7重量%である。
【0007】このようなイソシアネートを用いてウレト
ジオン二量体とイソシアヌレート環状三量体とを同時に
含有する化合物を得るために効果的な触媒としては、ト
リエチルフォスフィン、ジブチルエチルフォスフィン、
トリ−n−プロピルフォスフィン、トリイソプロピルフ
ォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、トリイソ
ブチルフォスフィン、トリ第3級ブチルフォスフィン、
トリアミルフォスフィン、トリオクチルフォスフィン、
トリベンジルフォスフィン、ベンジルメチルフォスフィ
ンなどの有機リン化合物などがあげられる。
【0008】さらに、これら触媒と同時にフェノール性
ヒドロキシ化合物、またはアルコール性ヒドロキシ化合
物を助触媒として用いると、反応はさらに容易に行うこ
とができる。フェノール性ヒドロキシ化合物としては、
フェノール、クレゾール、トリメチルフェノール等があ
り、アルコール性ヒドロキシ化合物としては、エタノー
ル、シクロヘキサノール、エチレングリコール等があ
る。
【0009】 HDIに対する触媒の使用量は、その触
媒の活性度によって異なり、助触媒との併用の有無によ
っても異なる。一般的に、触媒量は助触媒との併用によ
り減らすことができる。触媒単独の場合、その使用量は
HDIに対し0.01〜0.2重量%で良い。助触媒と
の併用においては、触媒は0.005〜0.1重量%、
助触媒は0.01〜0.2重量%の使用で十分である。
これらより少ない量では反応が遅くなり、逆に多すぎる
と不必要な副反応を伴い、高粘度の物しか得られない
か、または反応中にゲル化してしまう。反応温度は10
0℃以下が良く、特に35〜70℃が好ましい。100
℃以上では、副反応による高分子化を招き、粘度の上昇
や着色の原因となって好ましくない。反応時間は触媒
量、反応温度等によって異なるが、4〜時間で十分で
ある。本発明でいうイソシアヌレート基とウレトジオン
基を含むHDI変性体としては、イソシアヌレート環状
三量体含有量が20〜45重量%、ウレトジオン二量体
含有量が20〜50重量%であることが好ましい。
【0010】さらに、本発明では、樹脂の硬化性を速め
るために、上記のイソシアヌレート基とウレトジオン基
を含むHDI変性体に、HDIのイソシアヌレート体を
組合わせて使用することができる。HDIのイソシアヌ
レート体は、HDI単独またはHDIのNCO基を一部
ポリオール付加させたHDIのポリオール付加物を原料
として、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロ
ン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリ
ン酸、ウンデシル酸およびこれらの分岐脂肪酸のカリウ
ムまたはナトリウム塩を触媒として使用し、必要に応じ
て助触媒も併用し、100℃以下で反応を行い、イソシ
アヌレート化することで得られる。HDIのポリオール
付加物および助触媒としては、イソシアヌレート基およ
びウレトジオン基を含むHDI変性体の製造で使用した
化合物が用いられる。このHDIのイソシアヌレート体
は、イソシアヌレート基とウレトジオン基を含むHDI
変性体100重量部に対して200重量部以下、好まし
くは、160重量部以下を使用することができる。20
0重量部以上を使用すると粘度が高くなり、作業性が劣
るようになる。
【0011】本発明でいうNCO基末端プレポリマーと
は、NCO基と活性水素基とを反応させて得られるもの
で、プレポリマーを得るためのNCO基を有する化合物
としては、例えばTDI、MDI、パラフェニレンジイ
ソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタ
ン−4,4´,4”−トリイソシアネート、ポリフェニ
レンポリメチレンポリイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート、HDI、1,10−デカンジイソシアネー
ト、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタ
ン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−
および1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルイ
レンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,3−および
−1,4−フェニルジイソシアネート、ペルヒドロ−
2,4´−および−4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族または脂環族ジイソシアネート、
あるいはこれらイソシアネートの一部をビウレット、ア
ロハネート、ウレトジオン、ウレトイミン、カルボジイ
ミド、オキサゾリドン、アミド、イミド等に変性したも
のがある。
【0012】NCO基末端プレポリマーを得るための活
性水素基を有する化合物としては、1分子中に2個以上
の水酸基を有する、分子量が50から7000のポリオ
ールであって、低分子グリコール、ポリエーテル系ポリ
オール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポ
リオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリオレフィン系ポ
リオール等があげられる。これらは、単独もしくは2種
類以上の混合物として使用することができる。
【0013】低分子グリコールとしては、2価のもの、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,2−、1,3−または1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサング
リコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノ
ールAなど、3〜8価のもの、例えばグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、ソルビトールなどがあげられる。低分子グ
リコールの分子量は50から200である。
【0014】ポリエーテル系ポリオールとしては、上記
低分子ポリオールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4
個のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシド)付加物、および
アルキレンオキシドの開環重合物があげられ、具体的に
はポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、またはエチレンオ
キシドとプロピレンオキシドの共重合物であるチップド
エーテル等があげられる。ポリエーテル系ポリオールの
分子量は200〜7000で、好ましくは500〜50
00である。
【0015】ポリエステル系ポリオールとしては、ポリ
カルボン酸(脂肪族飽和もしくは不飽和ポリカルボン
酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、2量化リノール酸および/または芳香
族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸)とポリオール(上記低分子ポリオールおよ
び/またはポリエーテルポリオール)との縮合重合によ
り得られるポリオールがあげられる。ポリエステル系ポ
リオールの分子量は200〜5000で、好ましくは5
00〜3000である。
【0016】ポリラクトン系ポリオールとしては、グリ
コール類やトリオール類の重合開始剤に、ε−カプロラ
クトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル
−ε−カプロラクトン等、および/またはβ−メチル−
δ−バレロラクトン等を有機金属化合物、金属キレート
化合物、脂肪酸金属アシル化合物化物等の触媒の存在下
で付加重合させたポリオールがあげられる。ポリラクト
ン系ポリオールの分子量は200〜5000で、好まし
くは500〜3000である。
【0017】ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油
およびヒマシ油脂肪酸とポリオール(上記低分子ポリオ
ールおよび/またはポリエーテルポリオール)との線状
または分岐状ポリエステル、例えばヒマシ油脂肪酸のジ
グリセライド、モノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とト
リメチロールプロパンとのモノ、ジ、またはトリエステ
ル、ヒマシ油脂肪酸とポリプロピレングリコールとのモ
ノ、ジ、またはトリエステル等があげられる。ヒマシ油
系ポリオールの分子量は200〜3000で、好ましく
は500〜2000である。
【0018】ポリオレフィン系ポリオールとしては、ポ
リブタジエンもしくはブタジエンとスチレンあるいはア
クリロニトリルとの共重合体の末端に水酸基を導入した
ポリブタジエン系ポリオールがあげられる。
【0019】その他、末端にカルボキシル基および/ま
たはOH基を有するポリエステルにアルキレンオキシ
ド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド等を
付加反応させて得られるポリエーテルエステルポリオー
ルもあげられる。
【0020】本発明のNCO基末端プレポリマーを得る
ために、NCO基/活性水素基の当量比は1.1〜5
0.0、好ましくは1.2〜25.0とすることができ
る。反応は、通常行われるウレタン化反応を用いること
ができる。本発明のHDI変性体(A)とNCO基末端
プレポリマー(B)は、5:95から95:5の重量比
で混合、使用することができる。好ましくは、20:8
0〜80:20で混合される。HDI変性体が5%以下
の場合、本発明の効果が期待できない。また、95%以
上の場合、樹脂の硬化性が著しく低下する。
【0021】本発明の硬化剤として使用されるアミン系
ポリオールとしては、アミノ化合物のオキシアルキル化
誘導体であるN,N,N´,N´−テトラキス[2−ヒ
ドロキシプロピル]エチレンジアミン、N,N,N´,
N´−テトラキス[2−ヒドロキシエチル]エチレンジ
アミン等の、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロ
ピレンオキシドもしくはエチレンオキシド付加物があげ
られる。また、アミノアルコール類では、モノ、ジおよ
びトリエタノールアミン、N−メチル−N,N´−ジエ
タノールアミン等があげられる。アミン系ポリオールの
分子量としては50〜2000、好ましくは100〜1
000である。
【0022】本発明の硬化剤として使用されるアミン系
ポリオール以外のポリオールとしては、低分子グリコー
ル、ポリエーテルポリオール、ヒマシ油系ポリオール、
ポリオレフィン系ポリオールおよびポリエステルポリオ
ールがあげられる。これらは、NCO基末端プレポリマ
ーを得るために使用した活性水素基を有する化合物を使
用することができる。
【0023】本発明における硬化剤としては、上記アミ
ン系ポリオールおよびアミン系ポリオール以外のポリオ
ールを任意の割合で混合、使用することができる。この
場合、アミン系ポリオールが10重量%以下になると硬
化時間が長くなり、作業性、生産性の点で好ましくな
い。これら硬化剤には、シール剤、結束剤の要求特性に
応じて、他のポリオール等を適宜混合して使用すること
ができる。
【0024】本発明のポリイソシアネートと硬化剤は、
NCO基とOH基の当量比で0.8〜1.6、好ましく
は0.9〜1.2で混合、反応を行う。当量比が0.8
〜1.6の範囲を外れると、硬化しなかったり、樹脂の
物性が発現しなかったりする。反応は室温で進行し、そ
のゲル化時間は5〜30分である。ゲル化時間の短縮や
混合粘度の低下のためにポリイソシアネートおよび硬化
剤を30〜60℃に加温しても良い。
【0025】本発明のポリウレタン系エラストマーは、
その属性としての各種物性、例えば硬度、引張り強さ、
伸び、引裂き強さ等に優れているので、その属性を利用
して各種の産業用シール材、例えば電気用、自動車用、
建築用、土木用シール材或いは各種の緩衝材として、ま
た製紙、製鉄、印刷等の工業用ロール、紙送りロール、
クリーニングブレード等のOA機器部品に利用できる。
また、上述した優れた物性の他に、未反応物となる金属
あるいはアミン系触媒を含んでいない。したがって、中
空繊維分離膜を用いた医療用、工業用流体分離装置の中
空繊維結束材として有利である。これらの医療用、工業
用流体分離装置としては、血漿分離器、人工肺、人工腎
臓、人工肝臓、家庭用・工業用水処理装置等があげられ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明により得られるポリウレタン系エ
ラストマー組成物は粘度が低く、かつ良好な反応性を有
するので、成型性に優れている。また、得られたエラス
トマーは溶出物が低いため、中空繊維分離膜を用いた医
療用、工業用流体分離装置の中空繊維結束材として使用
することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげ本発明をさ
らに具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例
になんら限定されるものではない。実施例および比較例
における「部」および「%」は、特に言及しない限り全
て「重量部」、「重量%」である。
【0028】製造例1 HDI変性体(A−1)の製造 温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた反応器
に、HDI300部、触媒としてトリオクチルフォスフ
ィン0.6部を加え、70℃で5時間反応を行った。こ
の反応液にリン酸を0.19部加えて反応を停止させた
後、HDIモノマーを薄膜蒸留により除去した。得られ
た液は淡黄色透明液体で、NCO含有量23.2%、粘
度100mPa・s/25℃、HDIモノマー含有量
0.4%であり、GPC分析により求められたHDIの
ウレトジオン二量体は32%、イソシアヌレート環状三
量体は44%であった。このHDI変性体をA−1とす
る。
【0029】製造例2 HDI変性体(A−2)の製造 A−1製造と同様の反応器に、HDI300部、触媒と
してトリブチルフォスフィン0.6部を加え、70℃で
7時間反応を行った。この反応液にリン酸を0.35部
加えて反応を停止させた後、HDIモノマーを薄膜蒸留
により除去した。得られた液は淡黄色透明液体で、NC
O含有量18.7%、粘度580mPa・s/25℃、
HDIモノマー含有量0.3%であり、GPC分析によ
り求められたHDIのウレトジオン二量体は20%、イ
ソシアヌレート環状三量体は20%であった。このHD
I変性体をA−2とする。
【0030】製造例3 HDI変性体(A−3)の製造 A−1製造と同様の反応器に、HDI300部、2−n
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール2.
3部、触媒としてトリブチルフォスフィン0.3部を加
え、70℃で6時間反応を行った。この反応液にパラト
ルエンスルホン酸メチルを0.33部加えて反応を停止
させた後、HDIモノマーを薄膜蒸留により除去した。
得られた液は淡黄色透明液体で、NCO含有量22.3
%、粘度90mPa・s/25℃、HDIモノマー含有
量0.4%であり、GPC分析により求められたHDI
のウレトジオン二量体は48%、イソシアヌレート環状
三量体は32%であった。このHDI変性体をA−3と
する。
【0031】製造例4 HDI変性体(A−4)の製造 A−1製造と同様の反応器に、HDI300部、分子量
500のポリプロピレングリコール2.0部、触媒とし
てトリブチルフォスフィン0.3部を加え、70℃で8
時間反応を行った。この反応液にパラトルエンスルホン
酸メチルを0.33部加えて反応を停止させた後、HD
Iモノマーを薄膜蒸留により除去した。得られた液は淡
黄色透明液体で、NCO含有量22.5%、粘度350
mPa・s/25℃、HDIモノマー含量0.2%であ
り、GPC分析により求められたHDIのウレトジオン
二量体は45%、イソシアヌレート環状三量体は40%
であった。このHDI変性体をA−4とする。
【0032】製造例5 HDIのイソシアヌレート体(A−5)の製造 A−1と同様の反応器に、HDI100部、触媒として
プロピオン酸カリウム0.01部、助触媒としてフェノ
ール0.1部を加え、40℃で5時間イソシアヌレート
化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を
0.026部加え反応を停止させた後、HDIモノマー
を薄膜蒸留により除去した。得られた液は淡黄色透明液
体で、NCO含量22.0%、粘度2200mPa・s
/25℃、HDIモノマー含有量0.6%であり、赤外
吸収スペクトル分析によってイソシアヌレート基の生成
が認められた。このイソシアヌレート体をA−5とす
る。
【0033】製造例6 HDIのイソシアヌレート体(A−6)の製造 A−1と同様の反応器に、HDI300部、1,3−ブ
タンジオール2.4部、触媒としてカプリン酸カリウム
0.06部、助触媒としてフェノール0.3部を加え、
60℃で5時間イソシアヌレート化反応を行った。この
反応液に停止剤としてリン酸を0.042部加え反応を
停止させた後、HDIモノマーを薄膜蒸留により除去し
た。得られた液は淡黄色透明液体で、NCO含有量2
1.1%、粘度2200mPa・s/25℃、HDIモ
ノマー含有量0.4%であり、赤外吸収スペクトル分析
によってイソシアヌレート基の生成が認められた。この
イソシアヌレート体をA−6とする。
【0034】製造例7 NCO基末端プレポリマー(B)の製造 B−1の製造 温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた反応器
に、MDI(日本ポリウレタン工業製、商品名ミリオネ
ートMT)595部と脱水ヒマシ油(伊藤製油製、OH
価162)405部とを70℃で4時間反応させて、N
CO含量15%、粘度3600mPa・s/25℃のプ
レポリマーを得た。これをB−1とする。
【0035】製造例8 B−2の製造 B−1と同様の装置を用いて、カルボジイミド変性MD
I(日本ポリウレタン工業製、商品名ミリオネートMT
L)634部とPPG−1000(旭電化工業製、OH
価112)366部とを70℃で4時間反応させてNC
O含量15%、粘度3400mPa・s/25℃のプレ
ポリマーを得た。これをB−2とする。
【0036】製造例9 B−3の製造 B−1と同様の装置を用いて、HDI(日本ポリウレタ
ン工業製)457部とPPG−400(旭電化工業製、
OH価281)544部とを70℃で8時間反応させて
NCO含量10%、粘度6000mPa・s/25℃の
プレポリマーを得た。これをB−3とする。
【0037】実施例1〜22、比較例1〜9 HDI変性体、HDIのイソシアヌレート体およびNC
O基末端プレポリマーを用い、表1〜4に示す割合で混
合、ポリイソシアネートを調製した。硬化剤にはヒマシ
油とアミン系ポリオール(N,N,N′,N′−テトラ
キス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン)を
任意の割合で混合したものを用いた。各例の組成を表1
〜4に示す。上記のポリイソシアネートと硬化剤とを樹
脂温度25℃で反応当量比0.95になるよう配合し、
25℃で硬化させた。実施例ではいずれも、ポリイソシ
アネートと硬化剤は速やかに相溶均一化して初期粘度
500mPa・s以下の混合物となり、ゲル化時間(測
定温度25℃)も良好で、円滑な注型および成型が可能
であった。一方、比較例では初期粘度が高いか、もしく
はゲル化時間(測定温度25℃、比較例9は50℃)が
長いため、注型および成型が困難であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】製造したポリウレタンの硬度、引張り強
さ、伸びおよび引裂き強さ、耐熱性を見るため、硬度は
25℃と120℃で測定した。120℃での値は硬度の
低下率で示した。常温における物性は、実施例、比較例
共にほぼ同じであったが、比較例では120℃での硬度
低下が著しかった。測定結果を表5〜10に示す。
【0043】実施例1〜22および比較例1〜9の組成
物を使用して、グリセリンを約70%含む中空糸をセッ
トしたモールドに注入し、遠心成型法により成型した。
成型した中空糸接着部を25℃で7日間放置して完全に
硬化させた後、約1cm角に裁断したものを試験片として
以下の試験を行った。実施例は、いずれも溶出試験の基
準を下回った。測定結果を表5〜10に示す。
【0044】試験項目および測定方法 (1)硬度、引張り強さ、伸び、および引裂き強さ:J
IS K−6301に準じて測定を行った。 (2)溶出試験UV最大吸光度:透析型人工腎臓装置基
準(厚生省薬務局長通知494号)V−4中空糸接着部
分の溶出試験(注−1)に準じて吸光測定法により溶出
物の測定を行った。なお、測定波長は300〜200nm
に広げて行った。 注−1:透析型人工腎臓装置基準V−4内容 (3)中空糸接着部分の溶出試験:中空糸型透析器にあ
っては、透析器一本分の中空糸接着部分を切り取り、約
1cm角の大きさに細断する。これに水200mlを加え、
40℃で2時間緩やかに振とう、加温する。冷却後、上
澄液1.0mlを取り水を加えて正確に50mlとする。こ
の液を試験液とし、水を対照として、層長10mmで波長
280〜240nmにおける吸光度を日局の吸光度測定法
により測定する時、その吸光度は0.05以下でなけれ
ばならない。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【表10】
【0051】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/10 C08G 18/72 - 18/73 C08G 18/77 - 18/79

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネートと硬化剤とからなる
    ポリウレタン系エラストマー組成物において、該ポリイ
    ソシアネートが(A)イソシアヌレート基とウレトジオ
    ン基を含み、イソシアヌレート環状三量体含有量が20
    〜45重量%、ウレトジオン二量体含有量が20〜50
    重量%であるヘキサメチレンジイソシアネート変性体、
    および(B)イソシアネート基末端プレポリマーからな
    り、該硬化剤がアミン系ポリオールおよび/またはアミ
    ン系以外のポリオールからなることを特徴とするポリウ
    レタン系エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のヘキサメチレンジイソシア
    ネート変性体として、ヘキサメチレンジイソシアネート
    のイソシアヌレート基とウレトジオン基とを含有する化
    合物と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
    レート体とを併用することを特徴とする、請求項1記載
    のポリウレタン系エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のヘキサメチレンジイソシア
    ネート変性体を得るためのヘキサメチレンジイソシアネ
    ートのイソシアネート基の一部をポリオール付加させた
    後、イソシアヌレート基とウレトジオン基とを得ること
    を特徴とする、請求項1記載のポリウレタン系エラスト
    マー組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のイソシアネート基末端プレ
    ポリマーが、有機ポリイソシアネートと分子量50〜7
    000のポリオールを反応させて得られ、イソシアネー
    ト基含量が10〜25重量%であることを特徴とする、
    請求項1記載のポリウレタン系エラストマー組成物。
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