JP3320647B2 - 珪素系塗料用抗菌剤、抗菌性珪素系塗料組成物、その塗膜、およびその塗膜で被覆された抗菌性基材 - Google Patents

珪素系塗料用抗菌剤、抗菌性珪素系塗料組成物、その塗膜、およびその塗膜で被覆された抗菌性基材

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JP3320647B2 JP35064597A JP35064597A JP3320647B2 JP 3320647 B2 JP3320647 B2 JP 3320647B2 JP 35064597 A JP35064597 A JP 35064597A JP 35064597 A JP35064597 A JP 35064597A JP 3320647 B2 JP3320647 B2 JP 3320647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、珪素系塗料用抗菌剤、抗
菌性珪素系塗料組成物、その塗膜、およびその塗膜で被
覆された抗菌性基材に関し、さらに詳しくは、銀系抗菌
剤が配合されているにもかかわらず、黄変などの変色が
ない抗菌性珪素系塗料組成物及び該組成物から形成さ
れ、黄変などの変色がなく、耐熱性に優れた塗膜、並び
に該塗膜で被覆された抗菌性基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、アクリルシリコーン等
のオルガノポリシロキサンと、硬化剤とを含有する珪素
系塗料が用いられている。この珪素系塗料からなる塗膜
は、耐熱性、耐候性に優れているが、この珪素系塗料中
に含まれるオルガノシロキサン含量が多くなるにつれ
て、硬く、硬化膜に傷がつきにくいなど、無機系塗料か
らなる塗膜(無機系塗膜)の性質が強く現れ、またアク
リルシリコーン含量が多いほどひび割れしにくいなど有
機系塗膜の特性が強く現れる傾向がある。
【0003】なお珪素系塗膜と同様に、フッ素系塗膜も
耐熱性、耐候性に優れる傾向があるが、珪素系塗膜に比
して、傷つきやすいとの問題点がある。ところで、近年
では、衛生意識の高まりなどから、パネル、カーテンウ
ォールなど建造物の外壁、隔壁などのように人の手に触
れるものには、安全性に優れた銀、銀系化合物等の抗菌
剤が配合されたエポキシ系、アクリル系などの抗菌性塗
料が塗布されるようになっている。
【0004】このような用途に、上記抗菌剤を配合した
上記珪素系塗料を用いることができれば、傷がつきにく
く、耐熱性、耐候性に加えて、人体への安全性に優れ、
抗菌性を備えた塗装物の出現も期待できる。
【0005】しかしながら、本発明者らが、実際に、抗
菌剤として上記銀、銀系化合物を配合した珪素系塗料を
被塗物に塗布したところ、得られる珪素系塗膜はエポキ
シ系、アクリル系等の塗膜の場合と異なり、黄色、褐色
等に変色し、美観を著しく損ねてしまうとの問題点が存
在することが見出された。
【0006】そこで、本発明者らは鋭意研究を重ねたと
ころ、オルガノポリシロキサンと、有機金属化合物から
なる珪素系塗料に、特定の物質に担持された銀または銀
化合物を配合すれば、得られる塗膜は耐熱性、耐候性に
優れ、傷付きにくく、抗菌性を有し、しかも黄色、褐色
等に変色しないことなどを見出して本発明を完成するに
至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、珪素系塗料に
配合しても塗膜に黄変等の生じない珪素系塗料用抗菌剤
を提供することを目的としている。
【0008】本発明は、銀、銀化合物等の銀系抗菌剤が
配合されているにもかかわらず、黄変などの変色がない
抗菌性珪素系塗料組成物及び該組成物から形成され、黄
変などの変色がなく、耐熱性に優れた塗膜、並びに該塗
膜で被覆された抗菌性基材を提供することを目的として
いる。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る珪素系塗料用抗菌剤は、酸
化チタンに担持された銀または銀化合物からなることを
特徴としている。
【0010】本発明に係る抗菌性珪素系塗料組成物は、
(A)オルガノポリシロキサンおよび(a)珪素含有ビニ
ルポリマーと、(B)有機金属化合物としてのテトラメ
チルオルソシリケート(Si−(OCH 3 4 )または該
有機金属化合物からなる硬化剤である、テトラメチルオ
ルソシリケートの2〜6量体:
【化1】 を含む硬化剤と、(C)酸化チタンに担持された銀また
は銀化合物からなる抗菌剤と、を含むことを特徴として
いる。
【0011】発明に係る塗膜は、このような抗菌性珪
素系塗料組成物から形成されている。
【0012】本発明に係る抗菌性基材は、上記の抗菌性
珪素系塗料組成物からなる塗膜で被覆されている。本発
明によれば、銀、銀化合物等の銀系抗菌剤が配合されて
いるにもかかわらず、黄変、褐変などの変色がなく、耐
熱性、耐候性に優れ、傷付きにくく、抗菌性を有する塗
膜を形成しうる抗菌性珪素系塗料組成物が得られる。
【0013】また、本発明によれば、上記塗料組成物を
塗布硬化してなり、黄変等の変色がないなど上記諸特性
に優れた塗膜、並びに該塗膜で被覆された抗菌性基材が
得られる。
【0014】このような抗菌性珪素系塗料組成物は、上
記(C)成分を(A)成分および/または(B)成分に
配合することにより、好ましくはこの(C)成分を
(A)成分に配合することにより、二液型として用いら
れる。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る珪素系塗料用
抗菌剤、抗菌性珪素系塗料組成物、その塗膜、およびそ
の塗膜で被覆された抗菌性基材について具体的に説明す
る。 [珪素系塗料用抗菌剤及び抗菌性珪素系塗料組成物]本
発明に係る抗菌性珪素系塗料組成物には、(A)オルガ
ノポリシロキサンと、(B)有機金属化合物からなる硬
化剤と、(C)酸化チタンに担持された銀または銀化合
物からなる抗菌剤(珪素系塗料用抗菌剤)と、が含まれ
ている。
【0016】<オルガノポリシロキサン(A)>本発明
では、下記のような反応官能基(例:OR11基)を有す
るオルガノポリシロキサン(A)が用いられる。
【0017】
【化1】
【0018】[式(A)中、R11は、水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示し、R12,R13,R14,R
15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、OR11
または一価の炭化水素基を示し、好ましくはR12〜R16
の少なくとも1つは、Si原子に炭素数1〜4のアルキ
ル基が3個結合してなるトリアルキルシリル基が、主鎖
シロキサン結合中の珪素原子(Si)に、酸素原子を介
さずに、直接結合しているものが望ましい。gは1〜1
00、好ましくは1〜15の整数である。] このようなオルガノポリシロキサン(A)のうちでは、
gが大きいほど抗菌性珪素系塗料組成物の硬化時の収縮
歪を少なくできる傾向があるが、液の粘度が高くなり、
有機溶剤等で希釈して粘度調整する必要性も生じるな
ど、抗菌性珪素系塗料組成物の取扱い性が低下する傾向
がある。本発明では、オルガノポリシロキサンとして
は、その分子量が通常、102〜105程度の流動性のも
のが用いられる。
【0019】この式(A)で示されるオルガノポリシロ
キサン中の「一価の炭化水素基」としては、直鎖状また
は分岐したアルキル基、フロロアルキル基、ビニル基、
アリル基、アルケニル基、フェニル基、キセニル基、ナ
フチル基、アリール基、シクロヘキシル基、シクロへキ
セニル基、ベンジル基、アルアルキル基、アラルアリー
ル基、エポキシ基、アミノアルキル基等が挙げられ、こ
れらのうちでは、メチル基、エチル基、フェニル基が好
ましい。本発明では、このような種々のオルガノポリシ
ロキサンを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わ
せて用いることもできる。
【0020】なお、このオルガノポリシロキサン(A)
のOR11基は、後述する珪素含有ビニルポリマーの官能
基(例:OR3基)と共に、例えば、湿気硬化による施
工後のポリマー化(架橋)を進めていく上で重要であ
る。すなわち、このOR11基は、水との加水分解により
生じる脱アルコール反応によりシラノール基を形成した
り、硬化調整剤の共存下でOH基を有するシロキサン
(すなわちシラノール)との脱アルコール反応による重
合反応を促進する官能基として重要である。このOR11
基は、アルコキシ基(-OCn2n+1:nは1〜10の整
数)であることが望ましい。
【0021】このようなオルガノポリシロキサン(A)
は、抗菌性塗料組成物中の不揮発分100重量部に対し
て、通常、70〜98重量部、好ましくは90〜96重
量部の量で本発明の抗菌性珪素系塗料組成物中に含まれ
ていることが望ましい。このような量で上記反応性官能
基(例:OR3基)を有するオルガノポリシロキサン
(A)が抗菌性珪素系塗料組成物中に含まれていると、
この抗菌性珪素系塗料組成物のSiO2濃度を高めるこ
とができ、該組成物を硬化させて高緻密化された塗膜を
形成でき、不燃・難燃化用に好適となる。
【0022】<珪素含有ビニルポリマー(a)>本発明に
係る抗菌性珪素系塗料組成物には、上記ポリオルガノシ
ロキサン(A)と共に、下記のような珪素含有ビニルポ
リマー(a)が含まれても良い。
【0023】すなわち、下記式(a)で表される1種また
は2種以上のエチレン性二重結合含有オルガノシロキサ
ンモノマー(単に、「オルガノシロキサンモノマー、珪
素含有ビニルモノマー」とも言う)を(共)重合してな
る(共)重合体である。
【0024】(a): Rn・Si・(ORX4-n [式(a)中、n=1または2であり、n=1の場合、R
は炭素数2〜10のエチレン性不飽和基を有する基を示
し、n=2の場合、2個のRのうち、1個は上記エチレ
ン性不飽和基を有する基を示し、残部は上記エチレン性
不飽和基を有する基、水素原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基、炭素数1〜5のアルキル基で水素原子の1部が置
換されていてもよい芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素
基含有アルキレン基(アルキレン基の炭素数は1〜5)
を示し、R中の水素原子の一部はハロゲン原子で置換さ
れていてもよく、RXは、水素原子、ハロゲン原子、ハ
ロゲン原子で水素原子の一部が置換されていてもよい炭
素数1〜5のアルキル基を示し、複数のR,RXはそれ
ぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。] このような珪素含有ビニルポリマーには、2〜3量体程
度の低重合度のオリゴマーも含まれる。この珪素含有ビ
ニルポリマーは、本発明の抗菌性珪素系塗料組成物の硬
化時には、前記オルガノポリシロキサンの硬化反応とほ
ぼ同様、第1段階で官能基のアルコキシ基に水が反応し
て脱アルコール反応が起こり、シラノール基を生成す
る。次いで第2段階でこの生成シラノール基に架橋剤の
アルコキシ基が反応して脱アルコール、脱オキシム、脱
酢酸等の反応による縮合反応が起こり、ポリマー化が進
行し、三次元網状構造のポリマーシロキサン硬化体が形
成されるのであろうと考えられる。
【0025】上記式(a)で表されるエチレン性二重結合
含有オルガノシロキサンモノマー(オルガノシロキサン
モノマー)としては、さらに具体的には、下記式(a-
1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)、(a-5)、(a-6)で示すも
のが挙げられる。
【0026】
【化2】
【0027】[式(a-1)中、R1,R2は、水素原子、炭
素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基を示
し、R3は、ハロゲン原子、炭素数1〜10(好ましく
は1〜5)のアルキル基を示し、uは1〜8の整数を示
す。] この式(a-1)で示されるオルガノシロキサンモノマーと
しては、例えば、γ-(メタ)アクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリルオキシ
プロピルトリブトキシシラン等が挙げられる。
【0028】
【化3】
【0029】[式(a-2)中、R1,R2、R4は、式(a-
1)中のR1と同様、水素原子、炭素数1〜10(好まし
くは1〜5)のアルキル基を示し、R3は、式(a-1)の
3と同様、ハロゲン原子、炭素数1〜10(好ましく
は1〜5)のアルキル基を示し、uは1〜8の整数を示
す。] この式(a-2)で示されるオルガノシロキサンモノマーと
しては、例えば、γ-(メタ)アクリルオキシプロピル
メチルジメトキシシランが挙げられる。
【0030】
【化4】
【0031】[式(a-3)中、R1,R2,R3は、それぞ
れ(a-1)の場合と同様である。] この式(a-3)で示されるオルガノシロキサンモノマーと
しては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランが挙げられる。
【0032】
【化5】
【0033】[式(a-4)中、R1,R2,R3,R4は、そ
れぞれ(a-2)の場合と同様である。] この式(a-4)で示されるオルガノシロキサンモノマーと
しては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン等が挙
げられる。
【0034】
【化6】
【0035】[式(a-5)中、R1,R2,R3は、それぞ
れ(a-1)の場合と同様である。] このような式(a-5)で示されるオルガノシロキサンモノ
マーとしては、例えば、ビニルトリクロロシラン、プロ
ペニルトリクロロシラン等が挙げられる。
【0036】
【化7】
【0037】[式(a-6)中、R1,R2,R3は、それぞ
れ(a-1)の場合と同様である。uは1〜8の整数を示
す。] このような式(a-6)で示されるオルガノシロキサンモノ
マーとしては、例えば、γ-(メタ)アクリルオキシプ
ロピルトリクロロシランが挙げられる。
【0038】このようなオルガノシロキサンモノマー
は、そのアルコキシ基の一部が加水分解されて、水酸基
となっていてもよい(上記式(a)で、RXが水素原子の場
合に相当)。
【0039】本発明では、上記珪素含有ビニルポリマー
には、これらのオルガノシロキサンモノマーと共に、必
要により、 式:R6COOR7 ・・・・(A-X) [式(A-x)中で、R6は、炭素数2〜17のエチレン性不
飽和基を有する炭化水素基を示し、R7は、炭素数1〜
18のアルキル基を示す。]で表される不飽和カルボン
酸エステル等の各種モノマーが共重合されていてもよ
い。
【0040】このような不飽和カルボン酸エステルモノ
マーは、エチレン性不飽和基を有するカルボン酸エステ
ルであって、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられ、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
が入手の容易さ、得られる塗膜の物性面から好ましく用
いられる。
【0041】上記オルガノシロキサンモノマーに加えて
必要によりこの不飽和カルボン酸エステルモノマーなど
を(共)重合してなる未硬化珪素含有ビニルポリマー
[(共)重合体]の平均分子量は、通常、5000〜3
0000、好ましくは10000〜25000程度であ
る。本発明においては、このような珪素含有ビニルポリ
マーは、1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0042】ところで、本発明においては、抗菌性珪素
系塗料組成物中のシロキサン含量(SiO2換算)は、
特に限定されず、不燃・難燃化用などその用途あるい
は、硬化法などに応じて種々のものが用いられる。
【0043】例えば、本発明の抗菌性珪素系塗料組成物
が焼き付け用の場合には、シロキサン含量(SiO2
算)が例えば70重量%以上のものが用いられ、このよ
うな抗菌性珪素系塗料組成物を塗布硬化させると、特に
耐候性、耐汚染性に優れた硬化塗膜が得られる。加熱乾
燥用には、上記シロキサン含量(SiO2換算)が、例
えば30〜50重量%程度のものが用いられ、常温乾燥
用には、30〜40重量%程度のものが用いられる。
【0044】なお、焼き付け用など、シロキサン含量の
高い抗菌性珪素系塗料組成物を得るには、前記オルガノ
ポリシロキサンと共に必要により用いられる上記珪素含
有ビニルポリマーの量を適宜増量すればよく、この珪素
含有ビニルポリマーは、不揮発分換算で、通常、オルガ
ノポリシロキサン中の不揮発分100重量部に対して、
40〜80重量部の量で用いられる。
【0045】本発明の好ましい態様においては、前記オ
ルガノポリシロキサン(A)と共に、珪素含有ビニルポ
リマーの末端基(主鎖、側鎖を含む)として、メチル
基、エチル基などの炭素数1〜5のアルキル基、フェニ
ル基、トリアルコキシシリル基(アルコキシ基:炭素数
1〜5)を含有し、好ましくはシロキサン含量(SiO
2換算)が20重量%以上のもの(a−i)と、珪素含有ビ
ニルポリマーの末端基としてメチル基、エチル基などの
炭素数1〜5のアルキル基、トリアルコキシシリル基
(アルコキシ基:炭素数1〜5)を含有し、好ましくは
シロキサン含量(SiO2換算)が20重量%未満、さ
らに好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜1
0重量%程度のもの(a-ii)と、を組み合わせて用いる
ことが望ましい。
【0046】焼き付けタイプでは、ポリオルガノシロキ
サン(A)中の不揮発分100重量部に対して、(a-i)
は不揮発分換算で、通常50〜80重量部、好ましくは
60〜70重量部の量で、(a-ii)は、不揮発分換算
で、通常1〜30重量部、好ましくは5〜10重量部の
量で、組み合わせて用いることが望ましい。
【0047】加熱乾燥タイプでは、ポリオルガノシロキ
サン(A)中の不揮発分100重量部に対して、(a-i)
は不揮発分換算で、通常40〜70重量部、好ましくは
50〜60重量部の量で、(a-ii)は、不揮発分換算
で、通常1〜30重量部、好ましくは10〜20重量部
の量で、組み合わせて用いることが望ましい。
【0048】常温乾燥タイプでは、ポリオルガノシロキ
サン(A)中の不揮発分100重量部に対して、(a-i)
は不揮発分換算で、通常30〜60重量部、好ましくは
40〜50重量部の量で、(a-ii)は、不揮発分換算
で、通常1〜30重量部、好ましくは20〜30重量部
の量で、組み合わせて用いることが望ましい。
【0049】<有機金属化合物からなる硬化剤(B)>
上記抗菌性珪素系塗料組成物中には、有機金属化合物か
らなる硬化剤あるいは硬化促進剤(B)が含まれるが、
この有機金属化合物は、抗菌性珪素系塗料組成物の塗布
後、上記未硬化ポリオルガノシロキサン、珪素含有ビニ
ルポリマーの架橋、硬化などに寄与し、このような有機
金属化合物としては、具体的には、例えば、官能性側鎖
ORd基を有する金属のアルコキシド類である下記式
(B1)、(B2)で表される液状のものが挙げられ
る。
【0050】R22 pT・(ORd3-p・・・・(B1) R23 mQ・(ORd4-m・・・・(B2) [式(B1)、(B2)中で、Tはアルミニウムまたは
ホウ素原子であり、Qは珪素、チタンまたはジルコニウ
ム原子であり、Rdは炭素数1〜4のアルキル基であ
り、R22は水素原子、または、互いに同一でも異なって
いてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示し、R23は、
水素原子、ORd基、アミノ基を有する有機基、アシロ
キシ基、オキシム基、あるいは一価炭化水素基とこれら
の基(水素原子、一価炭化水素基を除く)とが結合して
なる基を示し、pは1または2を示し、mは1〜3の整
数を示す。] 式(B1)のTがアルミニウム原子である場合、pが0
でRdがイソプロピルまたはセカンダリーブチル基等で
あり、またTがホウ素原子である場合、pが0で、Rd
がメチル、エチルまたはブチル基等であるトリアルコキ
シ基を有する有機金属化合物であることが好ましい。
【0051】式(B2)のQが珪素原子である場合、R
23がメトキシまたはエトキシ基であるテトラメチルまた
はエチルオルソシリケート、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、γ-グリシドキシプロピルメトキシシラ
ン、ジメチルメチルトリフロロプロピルシラン、γ-メ
タクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ウレイドプ
ロピルトリエトキシシラン、γ-(2−アミノエチル)
アミノプロピルトリエトキシシラン等の有機金属化合物
が好ましい。
【0052】式(B2)のQがチタン原子である場合、
テトラ−i−プロピルチタネイト、テトラ−n−ブチル
チタネイト等の有機金属化合物が好ましい。また式(B
2)のQがジルコニウム原子である場合、テトラエチル
ジルコネイト、テトラ−i−プロピルジルコネイト、テ
トラ−n−ブチルジルコネイト等の有機金属化合物が好
ましい。
【0053】これらの有機金属化合物は、モノマーであ
ることが架橋効果を発揮する上で好ましいが、ダイマー
等のように重合を開始している化合物をモノマーに代え
て一部使用しても架橋反応速度をコントロールできる。
【0054】さらにまた、本発明においては、有機金属
化合物としては、上記以外に下記のような金属キレート
からなるものを挙げることができる。具体的には、例え
ば、ナフテン酸亜鉛、アルミニウムトリメトキシド、ジ
・トリス(アセチルアセテネート)アルミニウム、アル
ミニウムトリ−n−ブトキシド、ジアセチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクト
エート、オクチル酸錫等の有機金属化合物が用いられ
る。
【0055】本発明においては、これらの有機金属化合
物のうちでは、式(B2)が好ましく、さらには式(B
2)中のQが珪素原子である有機金属化合物が得られる
塗膜の耐クラック性などの点から好ましく用いられる。
【0056】なお、本発明では、上記有機金属化合物を
構成する金属元素としては、上記金属以外に、Cu、F
e、Pb、Cr、Co、Mn、Mo、Ni等が挙げられ
る。これらの元素は、一般に有色であり、その目的に応
じてこれらの元素を含有する化合物と、前記式(B
1)、(B2)で示す有機金属化合物とを併用してもよ
い。
【0057】これらの有機金属化合物は、オルガノポリ
シロキサン(A)中の不揮発分100重量部に対して、
この有機金属化合物の有効成分換算で0.01〜50重
量部、好ましくは0.05〜40重量部の量で用いられ
る。このような量で有機金属化合物を用いると、抗菌性
珪素系塗料組成物の硬化条件をコントロールでき、均質
固化し、耐溶剤性、耐汚染除去性に優れた塗膜を形成で
きる。
【0058】<珪素系塗料用抗菌剤(C)>本発明に係
る珪素系塗料用抗菌剤は、酸化チタンに担持された銀ま
たは銀化合物(C)からなっている。このような抗菌剤
が含有された抗菌性珪素系塗料組成物を塗布硬化して得
られる硬化膜では、耐熱性、耐候性に優れ、黄変、褐変
などの変色が殆ど生じない上に、安全性、抗菌性に優れ
ている。
【0059】銀化合物としては、有機系、無機系の何れ
であってもよく、例えば、硝酸銀、酸化銀等が挙げられ
る。通常は、銀金属が好ましく使用される。このよう銀
系抗菌剤としては、商品名:「ギンテック A121」
(川角技研(株)製)等が挙げられる。
【0060】上記抗菌剤のうちでは、無機系のものを配
合した抗菌性珪素系塗料組成物は、耐熱性、持続性に優
れ、広範囲の菌種例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌など
に対して有効であり、またこれら菌種に耐性が生じにく
く、ヒトや動物に対してより安全性に優れる傾向があ
り、有機系の抗菌剤を配合した抗菌性珪素系塗料組成物
では、速効性、耐変色性に優れる傾向がある。本発明に
おいては、これらの抗菌剤を1種または2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0061】このような珪素系塗料用抗菌剤(C)は、
抗菌性珪素系塗料組成物中に含まれる成分であるオルガ
ノポリシロキサン(A)(不揮発分62%)100重量
部に対して、通常0.2〜1.0重量部、好ましくは
0.4〜0.6程度の量で用いられる。この銀系抗菌剤
(C)の量が0.2重量部未満では、その添加効果が乏
しく、また2重量部を超えると塗膜表面の状態が不良と
なる傾向がある。
【0062】本発明に係る抗菌性珪素系塗料組成物に
は、上記オルガノポリシロキサン(A)と(必要により
珪素含有ビニルポリマー(a)と)、(B)有機金属化合
物からなる硬化剤と、(C)酸化チタンに担持された銀
または銀化合物からなる抗菌剤とが含まれているが、本
発明の特に好ましい態様においては、オルガノポリシロ
キサン(A)は、抗菌性珪素系塗料組成物100重量部
中に、通常15〜30重量部、好ましくは18〜22重
量部の量で、硬化剤(B)は、5〜15重量部、好まし
くは8〜12重量部の量で、抗菌剤(C)は、0.2〜
1.0重量部、好ましくは0.4〜0.6重量部の量
で、必要により含まれる珪素含有ビニルポリマー(a)
は、14〜18重量部の量で含まれていることが望まし
い。
【0063】このオルガノポリシロキサン(A)が上記
の量で抗菌性珪素系塗料組成物中に含まれていると、造
膜性に優れる傾向があり、硬化剤(B)が上記の量で含
まれていると、乾燥硬化速度が向上する傾向があり、抗
菌剤(C)が上記の量で含まれていると、抗菌作用が優
れる傾向がある。
【0064】このような抗菌性珪素系塗料組成物は、上
記各成分を任意の順序で混合・攪拌して得られる。ま
た、このような抗菌性珪素系塗料組成物は、例えば、抗
菌剤(C)をオルガノポリシロキサン(A)および/ま
たは硬化剤(B)に配合して、好ましくは抗菌剤(C)
をオルガノポリシロキサン(A)に配合して、二液型と
して保存・運搬し、使用時に、オルガノポリシロキサン
(A)と抗菌剤(C)との混合物と、硬化剤(B)とを
一緒にして用いることが望ましい。なお、必要により配
合される珪素含有ビニルポリマー(a)は、オルガノポリ
シロキサン(A)に配合することが好ましい。
【0065】<任意成分>本発明に係る抗菌性珪素系塗
料組成物には、上記以外に通常の塗料に配合されるよう
な各種成分が含まれていてもよい。
【0066】このような任意成分としては、顔料(着色
剤)、活性剤、充填剤等の他、後述する溶剤、溶剤、改
質剤、非架橋性ポリマー、硬化調整剤等が挙げられる。
顔料(着色剤)、活性剤、充填剤等の任意成分は、その
用途、機能、求められる物性等に応じて粉末状、塊状、
フレーク状、繊維状等任意の形状をとることができる。
【0067】顔料(着色剤を含む)としては、無機質系
のカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、水酸化
鉄、ベンガラ、酸化クロム、黄鉛、群青、各種合金、ホ
ワイトカーボン、アルミナ、溶融アルミナ、酸化亜鉛、
磁性酸化鉄、窒化ホウ素、炭化珪素、粘土類;有機質系
の不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合多環式顔料、キ
ナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、シアニン
ブルー、シアニングリーンなどが挙げられる。
【0068】活性剤としては、具体的には、例えば、ホ
ウ酸含有化合物、鉛含有化合物、クロム酸含有化合物、
リン酸含有化合物等が挙げられる。このような活性剤を
予め本発明の抗菌性珪素系塗料組成物中に配合しておく
と、被塗装物が鉄などの金属類である場合には、抗菌性
珪素系塗料組成物からなる塗膜と該被塗装物との密着性
が向上し、防食性が向上する傾向がある。
【0069】充填剤としては、具体的には、例えば、ス
テンレス、シリコン、亜鉛、アルミニウム、鉄などの金
属及び合金が挙げられ、これらはペースト状、フレーク
状、粉末状であってもよい。
【0070】この他に、ガラス、陶磁器、ダイヤモン
ド、酸化珪素(ケイ砂、ケイ石、シリカなど)、マグネ
シヤ、炭酸カルシウム、ジルコサンド、各種粘土、焼成
クレー(例:ボーキサイト、モンモリナイト、カオリン
など)、石膏、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、フッ化アルミニウム、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、炭酸バリ
ウム、水酸化バリウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、
マイカ、フライアッシュなどの粉末が挙げられる。
【0071】本発明においては、これらの成分を1種ま
たは2種以上適宜組み合わせて用いることができる。こ
れらの任意成分のうちで、例えば顔料(着色剤)、活性
剤、充填剤は、抗菌性珪素系塗料組成物中に含まれるオ
ルガノポリシロキサン中の不揮発分100重量部に対し
て、それぞれ、通常500重量部以下、好ましくは40
0重量部以下の量で用いられる。
【0072】溶剤としては、該抗菌性珪素系塗料組成物
中の各成分に対して実質的に不活性であり、該組成物中
のポリマーなどの成分を溶解あるいは分散しうる限り、
塗工作業性等の観点から従来より公知のものを広く用い
ることができる。
【0073】このような溶剤としては、具体的には、例
えば、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン等の炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン系;酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系;ジオキサン、
エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール系;等が挙げられる。これらの溶剤は、硬化
方法などにより、1種または2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0074】これらの溶剤は、配合各成分に対する溶解
・分散性、該抗菌性珪素系塗料組成物の塗工作業性など
を考慮すると、抗菌性珪素系塗料組成物中の非揮発分1
00重量部に対して、通常10〜2000重量部、好ま
しくは20〜1000重量部の量で用いられる。
【0075】改質剤としては、レベリング剤、分散剤、
消泡剤、粘性付与剤、貯蔵安定剤など、通常塗料に配合
されるような従来より公知のものが挙げられる。非架橋
性ポリマーとしては、一般に常温または加熱下におい
て、共存している上記溶剤が揮散することにより固化体
を形成し得るような、溶剤型または分散型の有機系ポリ
マーが挙げられ、具体的には、例えば、セルローズ系樹
脂(例:ニトロセルローズ、アセチルセルローズ、アセ
チルブチルセルローズ、エチルセルローズ等)、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル
オルガノゾル分散液、フッ素系樹脂、アルキッド系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、
シリコーン系樹脂、コロイダル状のシリカやアルミナ分
散液等が用いられる。
【0076】硬化調整剤としては、従来より公知のもの
を用いることができるが、本発明では、式:R4COO
H ・・・・(A-Y)[式(A-Y)中で、R4は、炭素数1〜
11の炭化水素基である。]で表されるカルボン酸また
はその無水物が好ましい。
【0077】このようなカルボン酸またはその無水物と
しては、飽和物あるいは不飽和物の何れであってもよ
く、具体的には、一価のカルボキシル基を有する飽和脂
肪酸の酢酸、ピルビン酸、トリメチル酢酸、酪酸、イソ
酪酸、バレリアン酸、イソバレリアン酸、カプロン酸、
エナンチル酸、カプリル酸(オクチル酸)、ベラルゴン
酸、ウンデカン酸や、二価のカルボキシル基を有する飽
和脂肪酸である無水コハク酸、無水グルタル酸、トリメ
チルコハク酸、無水フタル酸、オキシ酸であるグリコー
ル酸等が挙げられる。その他、不飽和カルボン酸の(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリ
ン酸等が挙げられる。本発明では、これらのカルボン酸
またはその無水物を1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0078】<塗装方法>本発明に係る抗菌性珪素系塗
料組成物は、モルタル状、ペースト状、液状、ペイント
状などの何れであってもよく、従来より公知の方法で各
種被塗物表面に塗工(塗装)される。
【0079】塗工方法としては、特に限定されず従来よ
り公知の方法を採用でき、例えば、吹付、エアレススプ
レー、エアスプレー、刷毛塗り、コテ塗り、ローラ塗り
(ロールコーター)、浸漬、引き上げ、流し塗り(フロ
ーコーター)、盛り付け、静電塗装などの方法を採用し
うる。
【0080】また、該抗菌性珪素系塗料組成物の乾燥・
硬化方法としては、抗菌性珪素系塗料組成物中の硬化
剤、触媒の種類などにもより異なるが、例えば、焼き付
け(例:200〜230℃の温度で20〜30分間保
持)、加熱乾燥(例:120〜150℃の温度で5〜1
5分間保持)、常温乾燥など種々の方法を採用しうる。
【0081】このような塗膜が形成される被塗物の材質
としては、特に限定されず、例えば、木質、コンクリー
ト、金属、プラスチック、不燃建材などが挙げられる。
なお、このような被塗物の材質に応じて、種々の下塗り
塗料、バインダー、プライマーなどと組み合わせて塗布
してもよい。
【0082】またこのような抗菌性珪素系塗料組成物を
被塗物に塗布硬化してなる抗菌性基材としては、住宅用
部材[例:パネル、カーテンウォール、パーティーショ
ンなど]、公共の大型鋼構造物など、広く、人の手に触
れるものが挙げられる。
【0083】このような抗菌性基材は、耐熱性、耐候
性、抗菌性、安全性に優れ、傷付きにくく、しかも黄
色、褐色などに変色しにくい。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、銀または銀系化合物を
含有し、珪素系塗膜に黄変、褐変などの変色を起こさな
いような珪素系塗料用抗菌剤が提供される。
【0085】本発明によれば、人体への安全性に優れた
銀または銀系化合物を抗菌剤として含有しており、塗布
硬化してなる塗膜は、耐熱性、耐候性に優れ、傷付きに
くく、しかも黄色、褐色等に変色しないような珪素系塗
料が得られる。
【0086】
【実施例】以下、本発明について実施例によりさらに具
体的に説明するが、本発明は、このような実施例により
何等制限されるものではない。
【0087】なお、以下の実施例、比較例などにおい
て、「部」は「重量部」の意味である。下記の実施例、
比較例で使用した各成分の商品名、組成、物性、製造元
等は以下の通り。
【0088】<(a)アクリルシリコーン樹脂> (1)「ASC-721」(MMA・γ-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、分子量2万〜2.5万、大
竹化学製) (2)「CF4177」(アクリルシリコーン・フェニル
トリメトキシシラン、分子量2万、東レ・ダウコーンン
グ製) <(b)メチルフェニルポリシロキサン樹脂> (1)「シリコーンKR-217」(メチルフェニルシリコ
ーン中間体、分子量5000、信越化学製) (2)「シリコーンSH840」(メチルフェニルシリコ
ーン中間体、分子量5000、東レ・ダウコーニング
製) <(c)メチルシリケート樹脂> (1)「Mシリケート51」(メトキシポリシロキサン、
分子量470、多摩化学製) メチルシリケート樹脂:
【0089】
【化8】
【0090】(2)「シリケート45」(エトキシポリシ
ロキサン、分子量900、多摩化学製) <(d)ルチル型酸化チタン> (1)「チタンR-960」(超耐候性型ルチルチタン、DU
PONT社製) <(e)抗菌剤> (1)「ギンテックA-121」(銀を担持した酸化チタ
ン、川角技研製) (2)「ノバロンAG300」(銀を担持したリン酸ジル
コニウム、東亜合成製) (3)「抗菌セラミック」(銀を担持したセラミック、新
東工業製) <(f)塗料用添加剤> (1)「ゼムラックZW-806Z」(脱水剤、金淵化学
製) (2)「BYK-163」(分散剤、Bykche社製) (3)「ディスパロンA630-20X」(沈澱防止剤、楠
本化成製) (4)「ディスパロンLS-015」(レベリング剤、楠本
化成製) <(g)溶剤> キシレン、イソブチルアルコール、酢酸ブチル <(h)硬化促進剤> (1):(イ)〜(ハ)のいずれかを使用。 (イ)「ネオスタン U-200」(ジブチル錫ジアセテー
ト、日東化成製) (ロ)「ネオスタン U-100」(ジブチル錫ジラウレー
ト、日東化成製) (ハ)「TBZr」(テトラブチルジルコニウム、日東化
成製)
【0091】
【実施例A】下記のような配合組成の抗菌性珪素系塗料
組成物を以下のようにして調製した。
【0092】 <配合組成> (a)アクリルシリコーン樹脂 ・・・・ 16 部 (b)メチルフェニルポリシロキサン樹脂 ・・・・ 15 部 (c)メチルシリケート樹脂 ・・・・ 6 部 (d)ルチル型酸化チタン ・・・・ 20 部 (e)抗菌剤(種類:銀を担持した酸化チタン)・・・ 0.5部 (f)塗料用添加剤(脱水剤、分散剤、沈澱防止剤、レベリング剤) ・・・・ 10 部 (g)溶剤(種類:キシレン、イソブチルアルコール、酢酸ブチル) ・・・・ 32.5部 (小計100重量部) (h)硬化促進剤 ・・・・ 10 部 (合計110重量部)
【0093】<上記抗菌性珪素系塗料組成物の調製法>
常温にてアクリルシリコーン樹脂16部に、脱水剤をプ
レミックスしたルチル型酸化チタンを20部、顔料分散
剤、溶剤20部を加え、練合せ混合し、メチルフェニル
ポリシロキサン樹脂15部、メチルシリケート樹脂6部
を攪拌しながら添加混合して白色塗料を調製した。この
白色塗料に残余の溶媒12.5部、残余の添加剤並びに
抗菌剤0.5重量部を加えてディスパー攪拌(分散する
ように攪拌)して抗菌性珪素系塗料組成物(主剤)を得
た。
【0094】<試験板の作成>被塗物SUS304を#
120〜240サンドペーパーにて面荒しした後、この
面荒しした被塗物表面に、抗菌性珪素系塗料組成物(主
剤)100部に硬化促進剤10部の量で混合したもの
を、その乾燥塗膜の膜厚が25〜30μmとなるように
エアースプレーにて塗装し、180℃にて20分間強制
乾燥した。
【0095】この試験板について、下記表3〜4に示す
試験法および評価基準にて鉛筆引っかき試験、付着性、
耐水性、耐沸騰水性、大腸菌およびMRSAに対する抗
菌性、促進耐候性の各評価試験を行った。結果をまとめ
て表3〜4に示す。
【0096】また、この抗菌性珪素系塗料組成物(コー
ティング組成物)の配合組成を表1〜2に併せて示す。
【0097】
【試験例B〜R】実施例Aにおいて、配合組成を表1〜
2に示すように変えた以外は、実施例Aと同様にして、
試験板を作成し、実施例Aと同様の試験を行った。
【0098】結果をまとめて表3〜4に示す。なお、表
1〜4中、試験番号A,E,Iは、本発明の実施例であ
り、それ以外は、比較例である。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 5/14 C09D 5/14 7/12 7/12 143/04 143/04 (72)発明者 森 本 耕 二 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−67835(JP,A) 特開 平9−24335(JP,A) 特開 平9−25437(JP,A) 特開 平10−363(JP,A) 特開 平10−225658(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/00 - 183/16 C09D 5/14 C09D 143/04 A01N 59/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オルガノポリシロキサンおよび(a)
    珪素含有ビニルポリマーと、(B)有機金属化合物とし
    てのテトラメチルオルソシリケート(Si−(OC
    3 4 )またはその2〜6量体: 【化1】 を含む硬化剤と、(C)酸化チタンに担持された銀また
    は銀化合物からなる抗菌剤と、を含むことを特徴とする
    抗菌性珪素系塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抗菌性珪素系塗料組成物か
    ら形成されている塗膜。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の塗膜で被覆された抗菌性
    基材。
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