JP3307646B2 - 治療・影像用体腔プローブと、それを用いた治療装置 - Google Patents

治療・影像用体腔プローブと、それを用いた治療装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は治療（処置）および影像（視覚化）用の体腔
プローブ（sonde endocavitaire）に関するものであ
る。
この体腔プローブはプローブ本体とこのプローブ本体
の内部に可動状態で取付けられた画像波を出す少なくと
も１つの画像化用変換器と治療波を出す少なくとも１つ
の治療用変換器とを有し、さらに画像化用変換器および
治療用変換器用の各駆動手段を備えている。
本発明は、さらに、この体腔プローブを用いた治療装
置に関するものである。
治療用の変換器と画像（視覚化）用の変換器とを組み
合わせた治療装置は古くから知られており、例えばドー
リイの米国特許第4,658,828号を参照することができ、
こうした装置は一般に体外から治療を行う体外（extrac
orporel）治療装置である。この体外治療装置は一般に
満足すべきものであるが、患部へアクセスする経路が常
に確保できるとは限らず、体外治療装置では健康な組織
部分を治療波である超音波が通過しなければならないた
め人体内の深い所にある組織の治療は困難である。その
ため、治療すべき組織のみを高い信頼性で正確に治療す
ることができる体腔プローブを使用するのが一般には望
ましい。
治療・処置用プローブや治療・画像化プロープも既に
公知である。
欧州特許第317,049号に記載の超音波プローブは超音
波変換器を取り囲む窓を有し、超音波変換器は１つの直
径を中心にして回動可能な第１円板上に取付けられ、こ
の第１円板は軸線の回りを面内で回転可能な第２円板に
取付けられていて、超音波変換器が全平面内で所定角度
の領域を走査できるようになっている。
フランス国特許第2,673,542号には腫瘍破壊装置、特
に前立腺治療用の直腸プローブと、それを用いた装置と
が開示されている。この特許の破壊装置はこの直腸プロ
ーブと超音波式尿道プローブとで構成される。治療用直
腸プローブは圧電変換器を有し、この圧電変換器はプロ
ーブを直腸中に挿入するための剛体案内手段と連結した
支持体に取り付けられた音響超音波伝送面を有してい
る。この集合体は変形可能なシリコンまたはゴムの膜で
覆われ、この膜の下側にはプローブ挿入後に液体が充填
される。
フランス国特許第2,673,542号には実時間でモニタリ
ングしながら腫瘍組織を破壊するという課題を解決する
方法が開示されている。この特許ではエコーグラフを用
いた画像化兼超音波尿道プローブを用いてこの課題を解
決している。
この特許に記載の解決方法には幾つかの問題点があ
る。第１の問題点は尿道プローブと直腸プローブとを同
時に用いるため外傷（traumatisme）が増加することで
ある。さらに、エコーグラフ用と治療用の２つのプロー
ブを動かす必要があるため外傷がさらに増加する。ま
た、装置の精度は直腸プローブおよび尿道プローブの共
通支持手段の機械精度で制限され、精度を高くするため
には複雑な機械系を使用しなければならない。また、直
腸プローブのゴムまたはシリコンの膜が破断した場合に
プローブを移動すると深刻な外傷の原因となる。さら
に、直腸プローブと尿道プローブとを組み合わせたため
治療波の伝送中はエコーグラフの変換器が飽和状態とな
り、実時間で影像をモニタリングすることはできない。
WO−Ａ−87/07909号に記載、特に図５に記載の位置決
め兼治療用の直腸プローブは画像化（可視化）用の超音
波を伝送するフォーカシング変換器を有している。この
変換器は柔かいプローブの外側スリーブに対して相対移
動可能なロッドに取付けられている。このプローブは治
療用フォーカシング変換器を有し、この治療用フォーカ
シング変換器はプローブの柔かい外側スリーブに対して
相対移動可能なアームの１つの直径を中心として回動で
きるようになっている。治療用変換器は方向転換ミラー
に向かっ超音波を出し、方向転換ミラーは治療すべき領
域へ向かって超音波を反射する。
この装置の欠点は多数の部品を必要とし、大型になる
ことである。さらに、この装置は高い精度が得られない
多数の機構が含まれている。また、柔かい外側スリーブ
が破断した場合には欧州特許第317,049号の場合と同じ
危険がある。
この特許の体腔プローブでは治療用変換器が出した超
音波を方向転換用ミラーによって治療すべき組織へ向か
って反射するように治療用変換器と画像用変換器とを組
み合わせたため、機構が複雑である。また、ミラーが存
在するため直径／焦点距離の比で与えられる治療用変換
器の口径比を焦点に超音波を最適状態で集中させるよう
な最適値にすることができない。事実、この特許の装置
の構成では治療用変換器の口径比を１近くすること、ま
してや１以上にすることは物理的に不可能である。その
結果、治療がさらに制限される。
本発明は上記の欠点を解決するものである。本発明は
外傷の危険が少ない簡単で信頼性の高い組織の画像化・
治療方法を提供する。本発明装置は前立腺の治療に特に
適している。
本発明は治療および画像化の効率および精度を失わず
に公知のもの、特にWO−Ａ−89/07909号に記載のものに
比べてより小型なプローブを提供する。
本発明の他の目的は治療用変換器と画像化用変換器と
を有し、変換器の直径／焦点距離比で定義される口径比
ができるだけ高く、好ましくは１付近、さらに好ましく
は１以上で、焦点領域での超音波濃度が最大となり、治
療効果が大幅に向上した体腔のプローブを提供すること
によって新規な技術的課題を解決することにある。
本発明の１つの実施例での本発明の他の目的は、治療
用変換器の最適口径を維持したまま体腔プローブの挿入
軸線に対して直角な面内での外周寸法を小さくし、画像
化用変換器が治療用変換器と入れ代って正確に同じ場所
に確実に置かれ、映像化または治療いずれの場合でも体
腔プローブ本体を単一位置に配置して治療すべき組織の
画像を得ることができる治療用変換器と画像化用変換器
とを有する体腔プローブを提供するという新規な技術上
の課題を解決することにある。
本発明の１つの実施例での本発明の他の目的は、効果
的な治療を行うための最適な口径を有する画像化用変換
器を治療用変換器と組み合わせ、治療精度をより高める
ため、特に体腔プローブの挿入軸線に対して平行な回転
軸線を中心とした回転運動のみを行うように治療用変換
器の移動を制限した体腔プローブを提供するという新規
な技術上の課題を解決することにある。この技術的課題
は映像化段階と治療段階との間で体腔プローブ本体を並
進運動しないで治療すべき組織の領域、例えば器官が移
動するという危険を完全に無くすことによって解決でき
る。
本発明の他の目的は市販の任意タイプの画像プローブ
を用いて製造コストを下げることができるようにするた
めに独立した画像プローブが使用できるようにするとい
う新規な技術的課題を解決することにある。
本発明は工業的規模および医学的規模で使用可能な簡
単で信頼性が高く、相対的に安価で、上記の技術的課題
を同時に解決した装置を提供する。
本発明は、プローブ本体と、このプローブ本体内に可
動な状態で取付けられた画像波を出す少なくとも１つの
画像化用変換器と治療波を出す少なくとも１つの治療用
変換器とを有し、さらに画像化用変換器と治療用変換器
用の各駆動手段を備えた治療・映像化用の体腔プローブ
において、治療用変換器と画像化用変換器とが体腔プロ
ーブに可動な状態で取付けられており、治療波を出す際
に治療用変換器が画像化用変換器が画像波を出す際に画
像波を出す方向とほぼ同じ方向に治療波を直接出すこと
を特徴とする体腔プローブを提供する。
本発明プローブは機械的構造が単純で、小型で、口径
の広い治療用変換器を組み込むことができる。
本発明の１つの実施例では、治療用変換器と画像化用
変換器とが共通の回転軸線に対して可動であり、駆動手
段が画像化用変換器と治療用変換器とに共通である。従
って、治療モードから映像化モードへの変更およびその
逆への変更を容易に行うことができ、この場合、プロー
ブは全く動かず、非常に高い治療精度が保証され、さら
に、プローブの可動機械要素の数を少なくすることがで
きる。
本発明の１つの実施例では、プローブの長手方向軸線
に沿った領域の治療および／または映像化が可能にな
る。この治療用変換器および画像化用変換器は一体化す
ることができる。この場合、治療から映像化への切り換
えに起因する精度は一体構造物の品質にのみ依存する。
本発明の簡単な実施例では、治療用変換器と画像化用
変換器とが各々円盤形で、同心で背中合わせに配置され
ている。
治療用変換器はフォーカシング可能な凹形にすること
ができる。
プローブは中心部に凹部を有する第２の治療用変換器
と、この凹部内に配置されて画像化用変換器と治療用変
換器とを有しすることもできる。そうすることによって
治療精度を犠牲にせずにプローブを小型化することがで
きる。
本発明の１つの実施例では、体腔プローブが体腔中へ
挿入するための一般軸線を規定する細長い形状をしてお
り、さらに下記特徴を有ししている： １）画像化用変換器は画像化用変換器を後退位置と伸張
位置との間で体腔プローブの一般軸線とほぼ平行に移動
させる第１の支持手段に取付けられており、 ２）治療用変換器が治療用変換器を体腔プローブの一般
軸線とほぼ平行で且つ画像化用変換器に対してズレた回
転軸線の回り、好ましくは画像化用変換器の最大寸法よ
りも外側で回転させる第２の支持手段に取付けられてい
て、画像化用変換器が治療用変換器によって治療すべき
領域の画像を作製できるようにするために、画像化用変
換器が並進運動によって伸張位置に引き出され、その前
に治療用変換器が占めていた場所を占めるようになる後
退位置または非動作位置と、画像化用変換器が後退する
位置である治療位置との間で治療用変換器を回転できる
ようになっている。
本発明の有利な実施例では、治療用変換器と画像化用
変換器が水またはオイル等の音響カップリング液体が充
填された柔かい膜の内部に配置されている。
本発明の別の有利な実施例では、治療用変換器が、プ
ローブの一般軸線に対して直角な面で切った断面が同じ
面で切った治療用変換器の断面の外周断面にできるだけ
近いような、第２の支持手段と一体な支持部材に取付け
られている。
本発明のさらに別な有利な実施例では、治療用変換器
の外形が円盤状で、その輪郭形状はほとんどの部分でほ
ぼ円形で、プローブの全体軸線に対して直角な方向では
直径が短くなっている。
本発明のさらに別な有利な実施例では、画像化用変換
器は複数の平面、特にプローブの全体軸線に対して直角
な放射方向の第１平面と全体軸線を含む前後に延びた平
面との互いに直交する２つの平面内の画像を与え、それ
によって治療中でも治療領域の画像が得られるようにな
っている。
本発明のさらに別な有利な実施例では、治療用変換器
は体腔挿入時の全体軸線に対してほぼ直角な方向でフォ
ーカシングできるようになっている。
本発明の特に有利な実施例では、治療用変換器用の支
持部材の外形がほぼ円形または多角形で、ほぼ円形また
は多角形である治療用変換器の外形に近似し、治療用変
換器用の支持部材がその先端近くで第２の支持手段と一
体になっていて、治療用変換器が後退位置と治療位置と
の間を容易に移動できるようになっている。
本発明の好ましい実施例では、治療用変換器の外形が
挿入軸線に対してほぼ平行な対称軸線を規定する。
本発明の１つの有利な治療用変換器の外形が円盤形
で、その外側の輪郭形状はほぼ円形の実施例、特に、必
要に応じて外側の輪郭形状の直径が挿入軸線に対して直
角な方向が短い実施例では、変換器の対称軸線は挿入軸
線に対してほぼ平行である。
本発明の１つの有利な特徴は、画像化用変換器が独立
した画像化用変換器の一部を構成する点にある。この画
像化用変換器は任意の種類の市販のプローブで構成で
き、市販プローブは複数の平面、特に上記２つの平面で
の画像が得られるものが有利である。
本発明の１つの有利な特徴は治療用変換器の口径比す
なわち直径と焦点距離との比が0.8〜1.5、好ましくは１
付近で、治療時に焦点領域での効率が高く、治療用変換
器と焦点領域との間の領域での二次的外傷がないという
重要な利点を有する点にある。
本発明のさらに好ましい特徴は治療用変換器をその軸
線を中心に手動またはモーター駆動で回転させる手段
と、画像化用変換器を手動またはモータ駆動で並進運動
させる手段とを有し、この回転または並進運動が第１お
よび第２の支持手段で行うことができる。
治療用変換器は焦点距離を変化させるための機械的に
変形可能なレンズを有することができる。これによって
治療範囲を拡げることができる。
本発明の１つの実施例では、治療・画像化プローブが
少なくとも部分的に変換器を取り囲んだ剛体の壁を有し
している。これによって変換器の移動による患者に対す
る危険を完全に防ぐことができる。剛体壁は窓を有しし
ていてもよく、この窓によって超音波を患者へ通過させ
ることができる。
本発明の１つの実施例では、治療・画像化プローブが
部分的に変形可能な外側スリーブまたはケースを有し、
この外側スリーブまたはケースは治療および／または映
像化領域と接触し、超音波を通過させる。
本発明はさらに上記定義の体腔プローブを含む治療装
置を提案する。
本発明の１つの特殊実施例の哺乳類、特に人間の体内
の目標領域を治療するためのの治療装置はプローブを体
腔内に挿入する手段を有ししている。この体腔は自然の
ものでも外科手術、特に切開で意図的に開けたものでも
よい。
本発明の１つの特定な実施例では、目標領域は治療す
べき組織領域、特に悪性または良性の組織、通常は良性
または悪性の腫瘍である。
本発明の別の１つの実施例の治療装置は尿道または直
腸経路で前立腺組織を治療するための装置である。前立
腺癌の治療には直腸経路が好ましいとされている。
本発明はさらに、下記操作を含むことを特徴とする哺
乳類、特に人間の体内の目標領域を治療する方法を提供
する： １）体腔内に挿入される全体軸線を規定する細長い形状
の体腔プローブを用意し、 ２）後退位置と伸張位置との間で体腔プローブ全体軸線
に対して平行に並進運動させる第１の支持手段に取付け
られた画像化用変換器を用意し、 ３）治療用変換器を体腔プローブの全体軸線とほぼ平行
で且つ画像化用変換器に対してはズレた回転軸の回り
で、好ましくは画像化用変換器の最大寸法よりも外側
で、回転させ、画像化用変換器が並進運動で伸張位置ま
で移動されて、その前には治療用変換器が占めていた場
所を占めるようになる治療用変換器の後退位置または非
動作位置と、画像化用変換器が後退位置にくる治療位置
との間で移動できるように第２の支持手段に取付けられ
た治療用変換器を用意し、 ４）体腔プローブを治療用変換器が目標領域とほぼ対面
するまで体腔内に挿入し、 ５）必要な場合には治療用変換器を回転させて後退非動
作位置に配置し、 ６）画像化用変換器を並進運動で伸張位置へと移動させ
て治療用変換器の場所を占めるようにし、 ７）画像化用変換器を用いて、治療用変換器によって治
療すべき目標領域の画像を作り、目標領域を映像化し、 ８）画像化用変換器を後退位置まで後退させ、 ９）治療用変換器を回転させて治療位置へ移動させ、 10）治療を行うために必要な所定間隔で超音波治療波を
発生させる。
本発明の特徴および利点は添付図面を参照した本発明
プローブの１つの実施例の下記説明から明らかになろ
う。
図面の簡単な説明 図１は本発明の第１実施例のプローブとその支持機構
との組立体の概念図。
図２は図１のプローブの頭部拡大図。
図３は本発明の別の実施例のプローブの図２に類似な
図。
図４は違う深さの治療を行う場合の図３のプローブ。
図５は本発明のさらに別の実施例の図２に似た図。
図6a〜ｄは変換器の各種具体例を示す図。
図７は合焦点手段を備えた治療用変換器の詳細断面
図。
図８は本発明の体腔プローブを備えた本発明の治療装
置と、その基本駆動部材とを示す概念図。
図９は本発明の１つの実施例の体腔プローブを縦軸線
で切断した断面図で、挿入または治療位置での体腔プロ
ーブの前方部分と後方部分とを示している。
図10は治療用変換器を図９の位置から90゜回転させ、
画像化用変換器を伸ばした位置に位置決めした後の図９
と類似の断面図で、治療用変換器の回転制御手段の一部
は除いてある。
図11は図８〜10のプローブの画像化用変換器の２つの
断面の概念図。
図12は図８〜11の体腔プローブを人間の体腔、この場
合は直腸へ挿入する最初の状態を示す概念図。
図13は治療対象となる患者の前立腺に対する画像化用
変換器の画像位置の断面概念図で、患者（仰向けで寝て
いる）は図８に対して90゜回転した後、身体の側面を下
にしている。
図14は治療プローブの焦点が治療体積TVの内部にある
治療位置での図13と類似な図。
本発明は、プローブ本体と、このプローブ本体内に可
動状態で配置された画像波を出すための少なくとも１つ
の画像化用変換器および治療波を出す少なくとも１つの
治療用変換器と、画像化用変換器および治療用変換器用
の各駆動手段とを備えた治療・画像化用体腔プローブで
あり、その特徴は治療用変換器と画像化用変換器とが体
腔プローブに可動な状態で取付けられており、治療波を
出す際に治療用変換器が画像化用変換器が画像波を出す
際に画像波を出す方向とほぼ同じ方向に治療波を直接出
す点にある。
治療用変換器が画像ショットと同じまたはほぼ同じ発
射方向に治療波を直接出るのでミラーは不用になり、プ
ローブの機械的構造が単純になり、プローブに含まれる
相互移動する部品数が少なくなるので治療精度および治
療と映像化との間の相関度が向上する。本発明では治療
効果を上昇させ、プローブの寸法を小さくすることがで
きる。
図１〜７を参照して説明する本発明の実施例の第１グ
ループでは変換器（単数／複数）が共通回転軸線上に取
付けられている。従って、治療用変換器の駆動手段と画
像化用変換器の駆動手段との少なくとも一部は共通であ
り、全ての変換器は共通回転軸線の回りで回転でき、治
療波および画像波の伝送方向は共通回転軸線に対してほ
ぼ直角な共通方向に一致する。
図８〜12を参照して説明する本発明の実施例の第２グ
ループでは、治療用変換器と画像化用変換器の駆動手段
が互いに独立している。
図１は本発明のプローブとその支持機構との組立体を
示す概念図である。プローブ１はプローブ本体２と、患
者体内に挿入される頭部３とを有している。プローブ本
体２は支持機構４に連結され、プローブ１はこの支持機
構４によって所定位置に移動および／または固定され
る。支持機構４は任意の形状にすることができる。図１
の実施例では支持機構４がカラー５を有し、その内部に
プローブ本体２が回転自在な状態で取付けられており、
カラー５は剛体のロッド６の一端に連結されている。ロ
ッド６の他端は回転継手７内で可動であり、プローブ１
はこの回転継手７によって図１の矢印８、９に示すよう
にロッド６を中心として回転でき、回転継手７を中心と
して回動することができる。回転継手７は図１の矢印10
方向に自由に並進移動可能な状態で支持体11に取付けら
れている。支持体11は矢印12で示すように図の面内で垂
直方向に移動することができる。
図１にはポンプ14と組み合せた液体容器13が示してあ
る。ポンプ14によって汲み上げられた液体は導管15を介
してプローブ１へ供給される。プローブ１内での液体の
循環については図２を参照してさらに詳しく説明する。
プローブ１から出た液体は導管16を介して容器13へ戻
る。
図２は図１のプローブの頭部の拡大図である。このプ
ローブは変形可能な区域21を含む柔かい外側スリーブ20
を有し、この柔かい外側スリーブ20は、例えば患者毎に
交換できるように、取外し自在になっている。プローブ
は窓23を有する剛体壁22を有し、この剛体壁22は細長い
形状を有し、柔かい外側スリーブ20で覆われている。柔
かい外側スリーブ20の変形可能な区域21は剛体壁22の窓
23と対向するように配置されている。図１、図２を参照
して説明する実施例では、窓23はプローブの側面に設け
られている。以下の図から分かるように、他の実施形態
にすることもでき、窓23がプローブの全周に形成されて
いても、プローブの周りの一部のみにあってもよい。
プローブは剛体壁22の内側に剛体壁23に対して回転可
能なシャフト24を有している。このシャフト24の先端に
は画像化用変換器25と治療用変換器26とが窓23および変
形可能な区域21に対向した状態で支持されている。プロ
ーブには変換器25、26を励起するための電気信号を伝え
る導体を有しているが、それらは図示していない。図２
の実施例では変換器25、26がプローブの軸線に対してほ
ぼ対称となるようにシャフト24に取付けられており、画
像化用変換器25は窓23と対向し、治療用変換器26は窓と
は反対な方向を向いている。
上記の各変換器は患者を画像化し、治療するための超
音波を出す。超音波を用いた画像化および／または治療
方法は公知文献に記載されており、当業者に公知であ
る。
画像化用変換器は例えば直径が10mmで、焦点距離が45
mmで、共振周波数が7.5 MHzの圧電複合変換器である。
治療用変換器は超音波を焦点に集めるために凹状をして
いる。治療用変換器は例えば直径が25mmで、焦点距離が
50mmで、共振周波数が3.5KHzの変換器で構成することが
できる。
プローブ１内での液体の循環は以下ように行われる。
ポンプから出た液体は剛体壁22と柔かい外側スリーブ20
との間に送られる。この液体は窓23を通過して剛体壁22
の内部に入り、シャフト24と剛体壁22との間を通過して
容器13へ流れる。変換器はプローブ内を流れる流体によ
って冷却される。この流れはさらに、変形可能な区域21
を膨張させて患者の組織と確実に接触させる。この接触
によって変換器から出た超音波は治療すべき領域へ確実
に進む。
図１、図２のプローブは直腸を介して前立腺を治療す
るのに特に適している。以下、前立腺の治療を例にとっ
てその使用法を説明する。
先ず最初に、窓23が前立腺の近くに来るようにプロー
ブ１を患者の直腸内に挿入する。次いで、ポンプから液
体を供給して柔かい外側スリーブ20を膨張させる。変形
可能な膜の部分21が患者組織と接触させ、治療および／
または映像化すべき領域に向かって超音波が通過できる
ようにする。次に、画像化用変換器を用いて治療すべき
領域の映像化を行う。そのためにはシャフト24を回転し
て画像化用変換器を窓23と対向するように配置し、固定
して、Ａモードのエコーグラフ（超音波探査画像）を得
る。次いでシャフト24を回転させて超音波走査してＢモ
ードエコーグラフを得る。走査範囲は窓23の寸法で決ま
り、これは適当に調節できる。図１の実施例ではプロー
ブの軸線に対して直角な面内の画像が得られる。
治療領域が映像化され、その位置が決定された後、治
療モードに切り換える。そのためにはシャフト24を回転
させて治療用変換器26を窓23と治療すべき区域へ向ける
だけでよい。この場合プローブは全く移動せず、剛体壁
23の内側でシャフト24だけを回転する。従って、本発明
では公知装置の精度不良の問題を解決することができ
る。すなわち、精度は２つの変換器の機械的位置に依ら
ず、またプローブの機械的移動にも依存しない。本発明
では画像モードから治療モードへ切り換える時の精度は
変換器25、26の相対位置の精度とシャフト24の回転精度
とにのみ依存する。
治療モードから画像モードへの切り換えも簡単であ
り、その際に必要なことは画像化変換器を再度窓23と対
向させることだけである。すなわち、治療モードから画
像モードへの変換およびその反対方向への変更を高い柔
軟性で行うことができる。
本発明装置では可動部品すなわち各変換器を支持する
シャフトが剛体壁の内側にあるので、柔かい外側スリー
ブ20が破損または破断しても、患者を傷付ける危険はな
いので、安全性が高くなる。
本発明では治療モードから画像モードへ自在・迅速に
切り換えることができる。画像化用超音波と治療用超音
波とを交互に出しながら治療を行うことができる。それ
によって治療の進行を実時間で追うことができる。ま
た、治療した領域を時々検査してチェックするような方
式を選択することもできる。
本発明の１つの実施例では、治療用変換器26の伝送面
に屈折率の異なる液体を入れたポケットが備えられてい
て、このポケットを膨張させることによって変換器26の
焦点距離を変化させる。このポケットは柔かい外側スリ
ーブ20の変形可能区域26の変形に合わせて変形して治療
用変換器の焦点距離を変化させる。従って、本発明では
プローブを機械的に移動させずに種々の深さの腫瘍を治
療することができる。この点は図７で説明する。
図３は本発明の別の実施例を示す図２に似た図であ
り、同じ要素には同一の参照番号で示してあり、それら
については再度説明しない。図３のプローブは図２とほ
ぼ同じであるが、図３のプローブは変換器を支持する単
一シャフト24の代わりに２本のハーフシャフト30、31を
有し、ハーフシャフト30が画像化変換器25支持し、ハー
フシャフト31は互いに異なる焦点距離を有する２つの治
療用変換器32、33を支持している。図３、図４に示す実
施例では発射深さをさらに変更することができる。ハー
フシャフト31は長手方向軸線に沿ってハーフシャフト30
に対して長手方向へ移動できるように構成されているの
で、変換器32または変換器33を窓23に対して画像化変換
器25よりも後ろに持って来ることができる。
図３では治療用変換器32は画像化変換器25と並んで配
置されているので、ハーフシャフト30、31を同時に回転
させることによって、必要に応じて膨張可能なレンズに
よって修正された変換器32の焦点距離に相当する深さで
の画像化と治療とを確実に行うことができる。
図４は図３のプローブを治療のために別の深さに設定
した状態を示している。図３の位置に比べて治療用変換
器33が窓23のところに来るようにハーフシャフト31を移
動する。図３で説明したように、２本のハーフシャフト
30、31を同時に回転することによって変換器32の焦点距
離に相当する深さで映像化と治療を施すことができる。
図３、図４の画像モードを有するプローブは図１、図
２で説明したプローブと同様に動作し、同様の利点を有
するとともに広範囲の深さで超音波治療を実行すること
ができる。
図５は図２に類似した図であるが、本発明のさらに別
の実施例を示している。図１〜図４で説明したプローブ
はプローブに対して横河にある組織の映像化および治療
に適しており、特に直腸プローブとして使用することに
よって前立腺の治療をすることができる。これに対して
図５のプローブはプローブの長手方向軸線に沿って存在
する組織の映像化と治療を行うためのものである。従っ
て、この装置は肝臓癌または繊維腫の治療に適してい
る。
図５のプローブば図１と類似した構造を有し、頭部の
みが異なる。図５は頭部のみを図２と類似した断面図で
示している。このプローブは末端に変形可能な区域41を
有する柔かい外側ケース40と、末端に窓43を有する剛性
壁42とを有している。この窓43はプローブ末端の長手方
向の軸線上に開口している。剛性壁42の内部には２本の
アーム44が設けられている。
このプローブは互いに同心で背中合わせに取付けられ
た画像化用変換器45と治療用変換器46とを有している。
こうして得られた集合体がプローブの２本のアーム44に
取付けられていて、一つの直径を中心に回動できるよう
になっている。
すなわち、図５の矢印47に示すように、２つの変換器
の回転軸となる直径はプローブの軸線と直交している。
プローブには変換器の電源手段と回転制御手段とが設け
られているが、これらの手段は図５には示していない。
図１、図２で説明したプローブの場合と同様に、図５の
プローブにも流体供給回路を設けて、変形可能部分41を
液体で膨張させ、変換器45、46を確実に冷却させること
ができる。
図５のプローブは任意の面で映像化と治療とを行うこ
とができる。プローブ全体を回転させるとプローブのス
キャンまたは走査平面が変えることができ、変換器を回
転させると所定面内での走査または治療を行うことがで
きる。図５のプローブは上記のプローブと同じ利点を有
している。
図５に示すプローブの窓45の寸法および形状は上記以
外のものに変えることができる。
図６は本発明プローブの変換器の各種実施例である。
図6aは本発明プローブ用変換器集合体の断面図で、この
集合体は焦点距離が互いに異なる２つの治療用変換器5
0、51と、画像化用変換器52とで構成されている。３つ
の変換器50、51、52はその各直径が三角形を成すように
設置されている。図6aの変換器集合体は図２に示すプロ
ーブに取付けることができる。この場合にはこの集合体
を各変換器の直径で構成される三角形に対してシャフト
24の軸線が垂直となるようにシャフト24に取付けられ
る。回転シャフト24を用いて２つの治療用変換器のいず
れか一方か画像化用変換器が窓23の正面に確実に来させ
ることができる。図6aの変換器集合体は図５に示すプロ
ーブに取付けることもできる。この場合にはこの集合体
を回転軸線が各変換器の直径で構成される三角形に対し
て垂直となるようにアーム44の間に取付けるることによ
って、治療用変換器のいずれか一つまたは画像化用変換
器を窓43の正面に来させることができる。
図6bは本発明プローブ用の変換器集合体のさらに別の
実施例の断面図である。この変換器集合体はディスク型
の治療用変換器53を有し、中心部に孔が形成され、この
孔の中に画像化用変換器54が配置されている。図6bの装
置は図２のプローブの変換器26と変換器25の位置に設置
することができ、それによって上記利点を有する治療と
映像化を行うことができる。図6bの装置も図５のプロー
ブに取付けることもできる。
図6Cは治療兼画像化用変換器56の断面図で、この変換
器56は治療用変換器と画像化変換器として同時に使用さ
れる。従ってこの変換器はその焦点距離を変えるための
レンズ57を有している。図6cの変換器は図２または図７
に示す本発明プローブに取付けることができる。
図6dも本発明変換器集合体の別の実施例の断面であ
る。図6dの装置も図6bの治療用変換器と同様に中央部に
孔を有する第２の治療用変換器58を有し、治療用変換器
55と画像化用変換器59とで構成される変換器集合体がこ
の孔の内に配置されている。変換器55と59との集合体は
第２の治療用変換器58に対して回転自在に取付けられ、
従って、第２の治療用変換器58の中心且つ治療用超音波
の放出側に、変換器55か画像化用変換器59かのいずれか
を位置させることができる。図6dで実線で示すように治
療用変換器55を第２の治療用変換器58の超音波の放出面
側に向けると、治療用変換器55、58の共同して大きな放
出表面で治療を行うことができる。図6dで点線で示すよ
うに、画像化用変換器59を第２の治療用変換器の放出面
側に向けた場合には、治療領域を映像化することができ
る。
図6dの装置は変換器55、59の集合体を駆動する手段、
特に複数の方向に走査ができるように駆動する手段を備
えているのが好ましい。例えば、この駆動手段は変換器
55、59を共通軸線に対して回転させたり、プローブ軸線
に対して共通軸線の角度を変化させる。すなわち、画像
化用変換器59が第２の治療用変換器58の放出面側を向い
ている場合には、プローブ軸線を含む平面か、プローブ
軸線に対して直角な平面のいずれかで映像化することが
できる。
図6dの実施例は図6bの実施例に比較して治療用超音波
の放出面を増加させることができる。さらに、第２の治
療用変換器58は映像化用に必ずしも半回転する必要が無
いので、図２の実施例に比較してプローブを小型にする
ことができる。
図6dの第２の治療用変換器58は所望の任意形状、特に
スプーン形にすることができる。これは図８〜14を参照
して説明する治療用変換器の形である。変換器集合体5
5、58は円形にして第２の治療用変換器58の軸線上に配
置するのが好ましい。共通の駆動手段で変換器集合体5
5、59を回転駆動する。さらに、例えば治療中に変換器5
5、58、59を同時に走査させる駆動手段を設けることも
できる。
図７は焦点距離を変えるためのレンズを備えた本発明
治療用変換器の詳細図である。この変換器60は放出面61
を有し、この放出面61は例えば圧電素子で構成できる。
放出表面61上には超音波を透過させる弾性膜62が張られ
ている。この弾性膜62と伝送表面61との間には液体63が
入っている。
この液体63は超音波を伝搬する外部の媒体とは異なる
伝搬速度を有している。図１〜図５で説明したようなプ
ローブの場合には外部媒体は水で構成されており、液体
63は水とは異なる伝搬率または伝搬速度を有している。
ポンプ等の加圧手段（図示せず）で液体63の量を変化さ
せて膜62の形状を変えて変換器60の焦点距離を変えるこ
ともできる。膜62は液体63の圧力の作用でほぼ球形のド
ーム状になる。
圧電素子61の中央部分に形成された凹部64内には小さ
な圧電装置65が収容されている。この圧電装置65で超音
波パルスが液体63中を通過するのに要する時間を計算す
ることによって、凹部64からの直線距離から膜62の位置
を知ることができる。放出表面61の直径は分かっている
のでこの位置から膜62が形成する球形ドームの半径を求
め、それから変換器60の焦点距離を計算することができ
る。また、膜62を膨張させるために用いた液体63の圧力
を測定して予め較正を行っておくことによって焦点距離
を求めることもできる。この変換器60は圧電素子61と圧
電装置65とを励起するための手段を有しているが、図示
してはいない。放出面61は所望の任意形状、例えば凹型
にして、膜62の変形量を制限して所定の焦点距離にする
ことができる。
変換器60は図１〜図５に示す本発明プローブで用いる
ことができる。
図７の変換器は、変換器を移動させたり、治療すべき
領域で超音波放射入力面の寸法を変えずに、変換器の焦
点距離を変化させて各種の深さで治療を行うことがで
き、従って、機械装置が不要になり、火傷の危険も低下
するという利点がある。
例えば、直径が約35mmで中央に直径4mmの凹部を有す
る圧電素子61を使用することができる。焦点調節手段を
設けることによって、５〜40mmの範囲の深さ、焦点距離
にして15〜50mmの治療を行うことができる。
次に、本発明プローブを用いた各種の治療方法を説明
する。
第１の治療モードでは、固定した治療用変換器から照
射（ショット）し、次いで画像化用変換器を回転し、走
査して治療された領域を映像化する。その後、変換器の
回転を止めて新たに治療用の照射を行う。以上を繰り返
す。
第２の治療モードでは、に定期的に走査して治療すべ
き領域の画像を得る。この走査の間に複数回の治療用照
射を行い、各照射中は治療用変換器を静止させる。一回
の治療用照射と次の治療用照射との間に治療用変換器を
移動させるか、その焦点距離を変えてより遠い領域を破
壊することもできる。
第３の治療モードでは、変換器を連続的に回転駆動
し、回転中に治療用照射をするか画像化を行う。
第４の治療モードでは、変換器を連続的に回転駆動
し、回転中に治療用照射と画像化とのの両方を行う。
第３および第４の治療モードでは、変換器を断続的ま
たは連続的に回転させる間に照射するか否かを決定する
ことができるということは明らかである。
本発明の上記いずれの治療モードでも、治療用変換器
は平らにするか、所定形状にして予め焦点合わせを行う
ことができ、図７で説明したような機械的合焦点装置を
治療用変換器に取り付けることができる。必要名場合に
は電子式の合焦点装置を取り付けることもできる。
治療用／画像化用変換器を上記以外の構造にすること
もできる。例えば図２と類似の実施例では治療用変換器
と画像化用変換器とをシャフトの同じ側に配置し、シャ
フトに対してわずかに傾けることもできる。同様に、本
発明は上記の窓形状および寸法に限定されるものではな
い。剛体壁は超音波を透過させるものでもよい。その場
合には窓は不用である。
図８〜図12は本発明治療装置（全体を参照番号10'で
表示）の好ましい実施例を示している。この治療装置は
少なくとも１つの治療用変換器30'と、少なくとも１つ
の画像化用変換器40'とを備え、50',60'で表される支持
手段上に支持されたプローブ20'とを有している。ま
た、この治療装置はコンピュータまたはマイクロコンピ
ュータ72'と通常の周辺機器、例えばモニタ74',データ
入力キーボード76'およびRAMおよび／またはROMメモリ
手段78'を有する制御ユニット70'を備えている。制御ユ
ニット70'は治療装置の各種手段および／または装置を
並進および／または回転運動させる指令手段80'と治療
用変換器30'の治療用超音波の出力を制御する手段82'と
を制御するということは当業者には容易に理解できよ
う。また、画像化用変換器40'から供給される画像デー
タを画像表示手段84'（例えばビデオモニター）へ送
り、さらに制御ユニット70'へと送るように構成するこ
ともできる。
体腔のプローブ20'を指令手段80'によって制御される
回転駆動手段90'によって矢印Ｒで示すようにその長手
方向軸線の回りで回転することもできる。回転駆動手段
90'は矢印TX、TY、TZで表されるＸ、Ｙ、Ｚの方向に移
動可能なテーブル上に支持するのが有利である。このよ
うなテーブルおよび対応する指令手段80'は当業者に公
知であり、ここでは詳細な説明を省略する。
図９、図10は体腔プローブ20'の詳細な長手方向の断
面図である。この体腔プローブ20'は一般にほぼ円筒形
の細長い本体22'を有し、この本体22'の後部下側に図８
の駆動手段90'への接続用フランジ24'を有し、プローブ
20'をその長手方向の軸線Ｘ−Ｘを中心にして回転駆動
できるようになっている。
体腔プローブ本体22'の内側には体腔プローブ20の長
手方向の軸線Ｘ−Ｘに対してズレた軸線X1−X1を有する
第１の円筒形要素26'が設けられている。この円筒形要
素26'は治療用変換器30'の支持手段であるロッド28'を
収容し、その回転を案内する役目をする。
体腔プローブ本体22'はその軸線Ｘ−Ｘに対して同心
またはわずかにズレた軸線X2−X2を有する第２の円筒形
要素32'を有ししている。この円筒形要素32'は画像化用
変換器40'の支持手段であるロッド34'を収容し、その縦
方向運動を案内する役目をする。
治療用変換器30'は支持ロッド28'を介して独立した駆
動手段100'によって軸線X1−X1を中心として回転され
る。この駆動手段100'はフランジ24'の対応する凹部10
4'と螺合したネジ等の固定手段102'によって第１位置
（図９に示す挿入時にも用いられるいわゆる治療位置）
と第２位置（図10に示すいわゆる後退位置で、治療用変
換器30'を軸線X1−X1を中心に図９の治療位置で規定さ
れる平面に対してほぼ直角な位置まで90゜回転させた後
の位置）とに固定できるようになっている。図示した実
施例ではこの駆動手段100'は手動で駆動できるが、別の
実施例では当業者に公知の電動駆動手段を用いて制御ユ
ニット70'から自動制御することもできるということは
理解できよう。
画像化用変換器40'の支持ロッド34'は、独立した駆動
手段110'によって回転駆動できる。この駆動手段110'は
手動ま自動で駆動できるが、それ自体は当業者に周知で
あるのでその詳細は省略する。
画像化用変換器40'を図９の後退位置と図10の伸張位
置との間で並進させることだけの目的の場合には第２の
円筒状要素32'の断面は円形以外の例えば矩形または正
方形にすることができる。この場合には、例えば図10で
34'で示す画像化用変換器40'の支持ロッド34'もそれに
対応した断面、例えば矩形断面にする。音波の連続性を
提供するために、ロッド34'と第２の円筒状要素32'との
間の液体122'を密閉する要素36'を設けるのが有利であ
る。この密閉要素36'は画像化用変換器40'の並進運動の
各位置に合わせることができる蛇腹要素にするのが好ま
しく、必要に応じて画像化用変換器40'を図９の後退位
置まで引っ込めるのを容易にするためのバネ作用を有す
るのが好ましい。また、治療用変換器30'のインピーダ
ンス整合部品（これは当業者には周知の電子回路にする
ことができる）を収容するボックス130'を設けることも
できる。このインピーダンス整合装置は体腔プローブと
一体化することもできる。
本発明では、画像化用変換器40'を市販のプローブの
ように独立した別の画像化プローブ34'内に取付けたも
のにすることもできる。このような画像プローブは市販
されており、当業者に周知のものである。しかし、本発
明では既に述べたように複数の面、特に直交した２つの
面で画像を形成することができるプローブが好ましい。
図９から分かるように、画像化用変換器40'が後退位
置にある時には、治療用変換器30'用に空間ができ、治
療用変換器30'を図10の位置から90度回転して図９の治
療位置に設定できるとともに、後退位置にある画像化用
変換器40'によって引続き目標領域を実時間で映像化す
ることができる。この場合には画像化用変換器40'によ
って２つの互いに直交する平面（後で説明する図11の平
面PS）内の画像が得られる。
治療用変換器30'の図９の治療位置での中心点Ｐは、
図10の画像化用変換器40'の伸張位置での中心点Ｐに近
くにくるので治療が行われた時に治療用変換器30'があ
った位置に近い位置に目標ボリューム（TV）の画像を得
ることができる。
治療用変換器30'と画像化用変換器40'とが移動自在な
状態で配置されている体腔プローブの先端の柔かい膜12
0'の内部に区画される空間内には音響カップリング液
体、特に脱気済みの水またはオイル122'が充填されてい
る。膜120'の構造とその取付け方法は本出願人のフラン
ス特許第2,67,542号（PCT/EP−9200400）に記載のもの
と同じであり、この特許の内容は本明細書の一部を成
す。
治療用変換器30'は挿入方向軸線に対して垂直な断面
での体積を最小にするために、上記フランス特許第2,6
7,542号（PCT/EP−9200400）に記載のものと、対応する
支持部材31'とによって構成するのが好ましい。すなわ
ち、支持手段（ここではロッド28'）と一体な治療用変
換器30'は、上記特許に詳細に記載してあるように、挿
入軸線Ｘ−Ｘに対して直角な面上の断面が同じ平面内の
治療用変換器30'の断面形状にできるだけ近い断面形状
を有する支持部材31'上に支持されているのが好まし
い。
治療用変換器30'を外側形状が円盤状で、断面輪郭が
ほぼ全ての部分で円で、挿入軸線に対して直角な方向の
直径が小さいものにすることもできる。この点に関して
は上記特許の図５〜図９を参照されたい。この特許全体
が本明細書に含まれる。
画像化用変換器としては市販の任意の画像プローブを
使用することができるが、好ましい画像化用変換器40'
の実施例は図11に示すいわゆるデュアルプレーンイメー
ジすなわち放射方向に延びた第１平面PRとその前後に延
びた第２平面PSとを出すもので、第１平面は第１の変換
器要素40'aの挿入軸線Ｘ−Ｘに対して垂直な面であり、
第２平面は挿入軸線を含むかそれに対してほぼ平行な平
面で、図８、図11から容易に理解できるように治療中に
治療ボリュームTVの画像が得られるものである。画像化
用変換器要素40'は自転するように取付けられていて、
画像平面PRか、画像平面PSかのいずれかを与えるように
なっているということは当業者には理解できよう。
本発明によって上記の技術的課題が解決し、上記の重
要な技術適利点が得られるということは理解できよう。
以下、上記治療方法を行うための本発明装置の操作方
法を説明する。
本発明の治療装置は全ての目標、特に生物、特に哺乳
類、好ましくは人体内の組織領域の治療に使用すること
ができる。目標領域は器官内部の組織でよく、悪性また
は良性の組織、例えば良性または悪性の腫瘍にすること
ができる。
本発明は特に前立腺腫瘍の治療に有効である。図12は
その場合の概念図であり、図12は体腔プローブ20'が矢
印方向に沿った並進運動で患者Ｐの直腸PR中に挿入され
る段階を示している。器官Ｏ（例えば前立腺）に対して
正確な位置決めを行うために体腔プローブ20'に回転運
動を与えることもできる。この器官Ｏには治療すべき組
織ボリュームTV、例えばこの器官Ｏ（例えば前立腺）の
悪性または良性の腫瘍が存在する。この挿入段階では治
療用変換器30'は図９の位置に置かれている。従って導
入位置は治療位置にも相当する。
正確な位置決めが終わった後、回転駆動手段100'を操
作して治療用変換器30'を図10'に示す後退位置へ戻し、
画像化用変換器−40'を図10に示す伸張位置へと前進さ
せて治療ボリュームTVの画像を得る。得られた画像は表
示手段84'および／または74'に表示される。目標領域TV
の容量は内蔵計算手段を用いて制御ユニット70'によっ
て自動的に求められ、制御ユニット70'はキーボード76'
からオペレータが必要に応じて導入したデータとメモリ
78'に記憶された命令とを用いて画像化用変換器40'を図
９に示すように後退させた後に治療用変換器30'を再び
図９に示す位置へ戻すように治療用変換器30'の制御手
段82'へ指令を送る。
治療用変換器による目標領域TVの実際の治療は当業者
には周知であり、ここでは詳細な説明は省略する。この
点については上記フランス国特許第2,67,542号（PCT/EP
9200410）を参照されたい。治療用変換器要素30'は手動
または電子装置で配置することができ、その直径と焦点
距離の比は0.8〜1.5にすることができる。
変換器要素30'の周波数は１〜4MHz、ショートパルス
の継続時間が50ms〜5s、好ましくは１〜4s、焦点Ｆ（図
８）での電力強度は1,000〜10,000W/cm2である超音波を
出すのが好ましい。
この治療用変換器30'は上記フランス国特許第2,67,54
2号（PCT/EP9200410）に記載の圧電変換器を含むことが
でき、この特許の全体が本明細書の一部を成す。
目標領域TV、例えば器官Ｏ内部の腫瘍全体を治療する
ためには、体腔プローブ20'をその回転軸線Ｒを中心と
して回転運動および／または並進運動（ここでは並進軸
線TXに沿った移動）させる必要がある。
図８〜図12は本発明の一部を成し、本明細書の一部を
成すものである。
図13は画像化用変換器40'の映像化位置を示してい
る。治療用変換器30'は図９の挿入位置に対して90゜回
転された後退位置にある。この後退位置は治療前の映像
化段階を示した図10にも示されている。図13の位置では
患者は身体の側面を下にして横になっているが、それ以
前すなわちプローブ挿入時点（この場合は直腸内に挿入
する時点）では初めに図８に示すように仰向けに寝てい
た。
図14は治療位置を示し、この位置は並進運動によって
画像化用変換器40'を図９に示す位置へ後退させた後に
得られる。治療用変換器30'は回転軸線X1−X1を中心に9
0゜回転されて図９の位置に到達している。腫瘍ボリュ
ームTVの治療を１回で治療するには治療用変換器30'の
焦点領域Ｆが狭すぎるということが理解できよう。従っ
て、焦点を各位置に移動させて腫瘍ボリューム全体を治
療する必要がある。この移動は体腔プローブ20'の後部9
0'を矢印Ｒの方向に回転させて焦点領域Ｆを軸線Ｘに沿
って移動させ、同時に軸線TXと軸線TYに沿った並進運動
によって焦点領域をＸ軸およびＹ軸の方向に移動させて
XYZ空間のボリュームTVを治療することができる。この
治療中には、画像化用変換器40'によって画像平面PSが
得られるので、治療ボリュームTVおよび焦点領域が確実
に映像化でき、従って治療を実時間で追うことが可能に
なり、治療の完全な安全性にとっては決定的な要因とな
る。
図１〜図７に示す実施例と図８〜図14に示す実施例と
を組み合わせて、図９または図10のような全体がスプー
ン形の治療用変換器を図１または図２のプローブで使用
するのが好ましい。すなわち、図14の治療用変換器の放
出特性を本発明の治療用変換器の全てのモードの実施例
に適用することができ、従って、電気的合焦点装置を有
する全ての複合変換器を用いることができる。
本発明の各実施例の各プローブの支持手段またはプロ
ーブ本体は相互に交換可能である。
図１〜図14を含む本明細書全体に記載の従来技術に対
して新規な全ての特性は本明細書の一部を成し、本発明
の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドリー，ジャック フランス国 77580 ヴィリエール―ス ュル―モラン リュ ムーラン―ブリュ レ（番地なし) (72)発明者 コンスタンティヌ，ジョルジュ フランス国 94210 ラ ヴァレンヌ― サン―ティレール アヴニュ ライモン ―ラディグ 38―40 (72)発明者 シャプロン，ジャン−イヴ フランス国 69100 ヴィルールバンヌ アレ マルセル アシャール ６ (72)発明者 ブラン，エマニュエル フランス国 69230 サン―ジュニ―ラ ヴァル アレ アントナン―デュマ 47 (72)発明者 ラコステ，フランソワ フランス国 69006 リヨン リュ ボ ワロー 61 (72)発明者 ジル，ジェラール フランス国 77440 コンジ―スュル― テルアンヌ シュマン デ カロー ５ (56)参考文献 特開 平１−249041（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−300938（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−216558（ＪＰ，Ａ) 国際公開89／7909（ＷＯ，Ａ１) 国際公開92／15253（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 1/00 - 1/32 A61B 8/12 A61B 17/36 A61B 19/00 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ) ＥＰＡＴ（ＱＵＥＳＴＥＬ)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】下記（１）〜（３）： （１）長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）を規定するプローブ本体
    と、 （２）画像化用の画像波を出す少なくとも１つの画像化
    用変換器（40'）と、 （３）治療波を出す少なくとも１つの治療用変換器（3
    0'）と、 を有し、 画像化用変換器（40'）は第１支持手段に取付けられ、
    この第１支持手段は後退位置と伸長位置との間で上記長
    手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対して平行に画像化用変換器
    （40'）をプローブ本体に対して相対運動させ、 治療用変換器（30'）は第２支持手段に取付けられ、こ
    の第２支持手段は画像化用変換器（40'）からズレた位
    置で上記長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対して平行な回転軸
    線（X1−X1）を中心として治療用変換器（30'）をプロ
    ーブ本体に対して相対回転運動させ、 上記第２支持手段は、画像化用変換器（40'）が後退位
    置に来た時には治療用変換器（30'）が治療位置を占
    め、画像化用変換器（40'）が平行移動して先に治療用
    変換器（30'）が占めていた治療位置に来た時には治療
    用変換器（30'）が後退位置を占めるように、治療用変
    換器（30'）を支持しており、 治療位置で治療用変換器（30'）が出す治療波の方向が
    伸長位置で画像化用変換器（40'）が出す画像波の方向
    と実質的に同じである、 ことを特徴とする治療／映像化用プローブ。
  2. 【請求項２】治療用変換器（30'）と画像化用変換器（4
    0'）とが音響カップリング液体が充填された柔かい膜の
    内部に配置されている請求項１に記載のプローブ。
  3. 【請求項３】第２の支持手段が支持部材を有し、治療用
    変換器（30'）はこの支持部材に取付けられており、こ
    の支持部材のプローブの長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対し
    て直角な断面形状が同一面内での治療用変換器（30'）
    の断面形状と同じである請求項１または２に記載のプロ
    ーブ。
  4. 【請求項４】治療用変換器（30'）の外形が円板形をし
    ており、その断面形状は円形であるが、円板の面内での
    プローブの長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対して直角な方向
    の直径が短くなっている請求項３に記載のプローブ。
  5. 【請求項５】プローブの長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対し
    て直角な半径方向の第一平面（PR）と長手方向軸線（Ｘ
    −Ｘ）を含む前後に延びる面（PS）との互いに直交する
    ２つの面を含む複数の面の画像を与えるように画像化用
    変換器（40'）が配置され、画像化用変換器（40'）が後
    退位置に戻り且つ治療用変換器（30'）が治療位置に来
    た時にも画像を与えることができる請求項１〜４のいず
    れか一項に記載のプローブ。
  6. 【請求項６】治療用変換器（30'）が長手方向軸線（Ｘ
    −Ｘ）に対して直角な方向のフォーカシングを行うよう
    に配置されている請求項１〜５のいずれか一項に記載の
    プローブ。
  7. 【請求項７】治療用変換器（30'）の支持部材の外形が
    円形または多角形の治療用変換器の外形に近似した円形
    または多角形であり、この支持部材の先端近くは第２の
    支持手段と一体になっていて、治療用変換器（30'）を
    後退位置と治療位置との間で容易に移動できるようにし
    ている請求項１〜６のいずれか一項に記載のプローブ。
  8. 【請求項８】治療位置で、治療用変換器（30'）の円板
    の外形を規定する面が上記の長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）を
    含む請求項４に記載のプローブ。
  9. 【請求項９】治療位置で、治療用変換器（30'）がプロ
    ーブ本体の上記の長手方向軸線（Ｘ−Ｘ）に対して左右
    対称に位置する請求項４に記載のプローブ。
  10. 【請求項１０】治療用変換器（30'）を手動またはモー
    ター駆動で回転させる手段（100'）と、画像化用変換器
    （40'）を手動またはモータ駆動で並進運動させる手段
    （110'）とをさらに有する請求項１〜９のいずれか一項
    に記載のプローブ。
  11. 【請求項１１】治療用変換器（30'）の直径と焦点距離
    との比が0.8〜1.5である請求項１〜10のいずれか一項に
    記載のプローブ。
  12. 【請求項１２】治療用変換器（30'）がパルス周波数が
    １〜4MHz、ショートパルスの継続時間が50ms〜5s、焦点
    Ｆでの強度が1,000〜10,000W/cm2である超音波を出す請
    求項１〜11のいずれか一項に記載のプローブ。
  13. 【請求項１３】治療用変換器（60）が焦点距離を変更す
    るための機械的に変形可能なレンズ（62）を有する請求
    項１〜12のいずれか一項に記載のプローブ。
  14. 【請求項１４】変換器の少なくとも一部を取り囲む剛体
    壁（22、42）を有する請求項１〜13のいずれか一項に記
    載のプローブ。
  15. 【請求項１５】剛体壁（22、42）が窓（23、43）を有す
    る請求項14に記載のプローブ。
  16. 【請求項１６】部分的に変形可能な柔かいケースを有す
    る請求項１〜15のいずれか一項に記載のプローブ。
  17. 【請求項１７】請求項１〜16のいずれか一項に記載の治
    療／映像化用プローブを備えたことを特徴とする治療装
    置。
  18. 【請求項１８】上記プローブを体腔に挿入する手段を有
    する哺乳類の体内の目標領域を治療するための請求項17
    に記載の治療装置。
  19. 【請求項１９】目標領域が良性または悪性の治療すべき
    組織領域である請求項18に記載の治療装置。
  20. 【請求項２０】尿道経路または直腸経路で前立腺を治療
    するための請求項18または19に記載の治療装置。
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