JP3300454B2 - 高配向性黒鉛粉末の製造方法および該方法により製造された高配向性黒鉛粉末 - Google Patents

高配向性黒鉛粉末の製造方法および該方法により製造された高配向性黒鉛粉末

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JP3300454B2
JP3300454B2 JP04391293A JP4391293A JP3300454B2 JP 3300454 B2 JP3300454 B2 JP 3300454B2 JP 04391293 A JP04391293 A JP 04391293A JP 4391293 A JP4391293 A JP 4391293A JP 3300454 B2 JP3300454 B2 JP 3300454B2
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久典 杉本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は黒鉛材料として各種電池
用導電材料、各種摺動材用潤滑剤、各種樹脂およびゴム
の導電材料等の広範囲に利用できる高配向性を有する黒
鉛粉末を一度に多量に得る製造方法および該方法により
製造された黒鉛粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒鉛材料は導電性、潤滑性、耐熱性、耐
薬品性等に優れた特性を有しており、広範囲な分野で使
用されている。これらの分野において使用されている黒
鉛粉末は、天然リン状黒鉛や人造黒鉛を乾式法あるいは
湿式法により機械的に衝撃粉砕して得るため配向性に劣
っている。
【0003】高配向性の黒鉛粉末を得る手段として、黒
鉛粉末を酸化性媒体中に浸漬し強力な酸化剤を添加して
酸化するかあるいは酸化性媒体中で電気化学的に酸化す
ることによって得られた酸処理黒鉛を 300〜1000℃の温
度で加熱膨張処理を行って得た膨張黒鉛を粉砕すること
が考えられているが、通常の粉砕機などの直接的な機械
的荷重衝撃を用いた粉砕方法では膨張黒鉛粒子は嵩高で
軽いため飛散しやすく粉砕されにくい。また、柔らかい
ために押しつぶされて固まってしまうという問題があ
る。
【0004】この問題を解決するための方法として膨張
黒鉛の空隙内に液体を充填しこの液体を凍結して粉砕す
る方法が考えられている。この方法によれば飛散の問題
は解決されるが、充填した液体を凍結させるなどの装置
が必要となり工業的に多量に製造するのに問題点が残さ
れている。
【0005】また、膨張黒鉛を液体中に分散させ、超音
波を作用させて粉砕する方法が考えられている。この場
合も飛散の問題点は解決されるが、液体中の膨張黒鉛の
濃度が 1%以下と非常に低濃度で取り扱う必要があり、
かつ粉砕に長時間かかりコスト的に高価となり非合理的
で工業的生産に向いていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題点を解決し、天然リン状黒鉛、熱分解黒鉛、キッシ
ュ黒鉛、膨張黒鉛から高配向性の黒鉛粉末を一度に多量
に容易に得る優れた製造方法および該製造方法により得
られた高配向性黒鉛粉末を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究の結果、高配向性の黒鉛を一
度に多量に製造するには、嵩密度0.0025〜0.15g/cm3
膨張黒鉛粒子 5重量%〜30重量%を液体中に分散させ、
前記液体の粘度が 0.3〜 200センチポイズであり、該液
体中にて直径 2mm〜50mmの球状、または直径 3mm〜50mm
長さ 6mm以上 (長さ/直径= 2以上) のロッド状の形状
のメディアを作用させてボールミル又はグレンミル中に
て磨砕すればよいことを見出し、本発明を達成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明の高配向性黒鉛粉末の製
造方法の特徴は、嵩密度0.0025〜0.15g/cm3 の膨張黒鉛
粒子 5重量%〜30重量%を液体中に分散させ、前記液体
の粘度が 0.3〜 200センチポイズであり、該液体中にて
直径 2mm〜50mmの球状、または直径 3mm〜50mm長さ 6mm
以上 (長さ/直径= 2以上) のロッド状の形状のメディ
アを作用させてボールミル又はグレンミル中にて磨砕す
ることで、粒子厚さ 1μm 以下、粒子径 0.1〜 500μm
である高配向性黒鉛粉末を製造することが可能となる。
本発明の高配向性黒鉛粉末の製造方法は膨張黒鉛の空隙
内に充填した液体を凍結させるための特別な装置も必要
とせず、そのまま液体中に黒鉛粒子を分散させ簡単な装
置で一度に多量に低コストで製造でき工業的製造方法と
して適している。
【0009】本発明において用いる膨張黒鉛について
は、その履歴については何ら特に制限されるものではな
い。例えば、天然リン状黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒
鉛等の黒鉛粒子を濃硫酸と硝酸等の強力な酸化剤の混酸
にて得られた酸処理黒鉛を加熱膨張化処理して製造する
ことができる。また使用する膨張黒鉛の嵩密度の限定、
すなわち 0.15g/cm3を超えるとその膨張性が悪く、磨砕
を行っても高配向性の黒鉛粉末が得られにくく不可であ
る。また下限を0.0025g/cm3 としたのは膨張黒鉛として
これ以下の嵩密度のものは工業的に得られにくいためで
ある。
【0010】次に磨砕するときの黒鉛粒子の濃度限定、
すなわち黒鉛濃度が30重量%を超える場合、粘度が高す
ぎるため磨砕が十分できなくなり高配向性が得られにく
く不可であり、また、 5重量%未満の場合には濃度が薄
く合理的でなく不可である。
【0011】本発明において用いる液体の粘度限定、す
なわち 200センチポイズを超える場合、粘度が高すぎる
ため磨砕が十分できなくなり高配向性が得られにくく、
また0.3センチポイズ未満の場合粘度が低くなりすぎる
ため粉砕力が働きすぎて高配向性が得られず共に不可で
ある。
【0012】また用いる液体としては油、有機溶剤等の
親油性の高いもの、例えば水、メタノール、メチルエチ
ルケトン、ケロシンまたはスピンドルオイル等の 1種ま
たは2種以上の混合液が好ましい。さらに粘度を調整す
るために、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル
酸ナトリウム等の増粘剤を添加することもできる。
【0013】次に磨砕に用いるメディアの形状の限定、
すなわち、球状において直径50mmを超える場合、磨砕効
率が悪くなり不可である。また直径が 2mm未満の場合磨
砕力が弱くなり高配向性が得られにくくなり不可であ
る。好ましくは直径 5mm〜30mmの球状である。またロッ
ド状において長さ/直径= 2以上としたのは磨砕効率か
ら検案してであり、好ましくは 4以上である。また上記
材質については何ら制限されるものではなく、例えば、
ステンレス製、アルミナ製、鉄のゴムライニング製のメ
ディア等が使用できる。また処理を行う容器としては通
常のボールミル等を用いることができる。
【0014】前記磨砕処理により黒鉛粒子は磨砕され、
粒子厚さ 1μm 以下、粒子径 0.1〜500μm の高配向性
黒鉛粒子を得ることができる。また使用する液体の種
類、メディアの種類、および形状あるいは処理時間を適
当に選択することにより、目的とする高配向性黒鉛粉末
の粒径、形状、粒度分布を制御することができる。磨砕
処理後、メディアを除去しろ過を行って加熱乾燥するこ
とにより液体を除去すれば高配向性黒鉛粉末を得ること
ができる。本発明の方法によって得られる高配向性黒鉛
粉末は、異方性が非常に大きく、導電性、潤滑性に優れ
た黒鉛粉末である。この優れた特性から種々の用途に利
用が可能であるが、特に樹脂、ゴム、塗料に添加して使
用した場合、高強度、高導電性が得られる。また、成形
性にも優れているため導電性成形粉末として電極用のフ
ィラー、刷子用のフィラーなど多方面に利用できる。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により説明
する。尚、例中の部は重量部を意味する。 実施例1 粒度分布250 〜500 μm の天然リン状黒鉛 100部を濃度
98%の硫酸 150部中に浸してかき混ぜながら濃度28%の
過酸化水素20部を添加して30分間浸漬かき混ぜた後、pH
6になるまで水洗を行い乾燥した後、温度 800℃の電気
炉で加熱膨張化処理を行い嵩密度0.0040g/cm3 の膨張黒
鉛粒子を得た。この膨張黒鉛粒子 7重量%を水 (粘度 1
センチポイズ)93 重量%中に混合浸漬し、直径20mmのス
テンレス製ボールをメディアとしてボールミル中にて20
時間磨砕を行った。得られた黒鉛粉末の分散液をボール
ミルから取り出し、ろ過した後 150℃で乾燥して厚さ 1
μm 以下、粒子径 0.1〜 500μm の高配向性黒鉛粉末を
得た。
【0016】上記のようにして得た実施例1の黒鉛粉末
を分級して平均粒径 2μm 、10μm、 100μm に分け
た。これらをそれぞれノボラックフェノール樹脂 (住友
デュレス製商品名PR-11078) に対して70重量%混合し、
圧縮成形して、比抵抗、曲げ強度を評価し、得た結果を
表1に示す。 テストピース: 3×10×55mm またEPDMに対して平均粒径10μm の黒鉛粉末50重量%混
合し、ロールにて厚さ0.5mmのシート状に成形して、比
抵抗を評価し、得た結果を表3に示す。
【0017】実施例2 実施例1で用いた粒度分布 250〜500 μm の天然リン状
黒鉛の代わりに粒度分布50〜 300μm の天然リン状黒鉛
を用いた以外はすべて実施例1と同様にして高配向性黒
鉛粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の
分級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例
1と同様にその比抵抗、曲げ強度を評価を行い、得た結
果を表1、表3に示す。
【0018】実施例3 粒度分布150 〜375 μm の熱分解黒鉛 100部を濃度98%
の硫酸 250部中に浸しかき混ぜながら濃度28%の過酸化
水素30部を添加して30分間浸漬かき混ぜた後、pH 6にな
るまで水洗を行い乾燥した後、温度 500℃の電気炉で加
熱膨張化処理を行い、嵩密度0.035g/cm3の膨張黒鉛粒子
を得た。この膨張黒鉛粒子25重量%を水9に対してメタ
ノール 1の割合の混合液 (粘度 0.96 センチポイズ)75
重量%中に混合浸漬し、直径 7mm長さ 100mmのステンレ
ス製ロッドをメディアとしてボールミル中にて15時間磨
砕を行った。得られた黒鉛粉末の分散液をボールミルか
ら取り出し、ろ過した後、 110℃で乾燥して厚さ 1μm
以下、粒子径 0.1〜 400μm の高配向性黒鉛粉末を得
た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の分級を行
い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様
にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表
1、表3に示す。
【0019】参考例1 実施例3で用いた膨張黒鉛粒子の代わりに粒度分布50〜
300μm の熱分解黒鉛を用いた以外はすべて実施例3と
同様にして高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末につ
いて実施例1と同様の分級を行いそれぞれの粒径の黒鉛
粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の
評価を行い得た結果を表1、表3に示す。
【0020】実施例4 実施例1で得られた膨張黒鉛粒子10重量%をメチルエチ
ルケトン (粘度 0.4センチポイズ) 90重量%中に混合浸
漬し、直径 3mmのアルミナ製ボールをメディアとしてグ
レンミル中にて10時間磨砕を行った。得られた黒鉛粉末
の分散液をグレンミル中から取り出しろ過した後、80℃
で乾燥して厚さ 1μm 以下、粒子径 0.1〜 500μm の高
配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1
と同様の分級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末につい
て実施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行
い、得た結果を表1、表3に示す。
【0021】参考例2 実施例4で用いた膨張黒鉛粒子の代わりに粒度分布50〜
300μm の天然リン状黒鉛を用いた以外はすべて実施例
4と同様にして高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末
について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒径
の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲げ
強度の評価を行い得た結果を表1、表3に示す。
【0022】実施例5 実施例1の方法において、加熱膨張化処理を 500℃で行
い嵩密度 0.017g/cm3の膨張黒鉛粒子を得た。この膨張
黒鉛粒子15重量%をケロシン (粘度 2センチポイズ)85
重量%中に混合浸漬し、直径 3mm、長さ50mmの鉄製ロッ
ドをメディアとしてボールミル中にて15時間磨砕を行っ
た。得られた黒鉛粉末の分散液をボールミルから取り出
し、ろ過した後、燃焼によりケロシンを除去し乾燥して
厚さ 1μm 以下、粒子径 0.1〜 400μm の高配向性黒鉛
粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の分
級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1
と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果
を表1、表3に示す。
【0023】参考例3 実施例5で用いた膨張黒鉛粒子の代わりに粒度分布50〜
300μm の天然リン状黒鉛を用いた以外はすべて実施例
5と同様にして高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末
について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒径
の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲げ
強度の評価を行い、得た結果を表1、表3に示す。
【0024】実施例6 実施例5で得られた膨張黒鉛粒子10重量%をカルボキシ
メチルセルロースを溶解した水溶液 (粘度 120センチポ
イズ) 90重量%中に混合浸漬し、直径 5mmのアルミナ製
ボールをメディアとしボールミル中にて20時間磨砕を行
った。得られた黒鉛粉末の分散液をボールミル中から取
り出し、カルボキシメチルセルロースを十分洗浄して、
ろ過した後、 150℃で乾燥して厚さ 1μm 以下、粒子径
0.1〜 400μm の高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉
末について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒
径の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲
げ強度の評価を行い、得た結果を表1、表3に示す。
【0025】参考例4 実施例6で用いた膨張黒鉛粒子の代わりに粒度分布50〜
300μm の天然リン状黒鉛を用いた以外はすべて実施例
6と同様にして高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末
について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒径
の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲げ
強度の評価を行い、得た結果を表1、表3に示す。
【0026】実施例7 実施例1で得られた膨張黒鉛粒子20重量%をスピンドル
オイル (粘度 100センチポイズ)80 重量%中に混合浸漬
し、直径 5mmの鉄製ボールをメディアとしてグレンミル
中にて 6時間磨砕を行った。得られた黒鉛粉末の分散液
をグレンミル中から取り出し、ろ過した後、燃焼により
スピンドルオイルを除去し乾燥して厚さ1μm 以下、粒
子径 0.1〜 400μm の高配向性黒鉛粉末を得た。この黒
鉛粉末について実施例1と同様の分級を行い、それぞれ
の粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵
抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表1、表3に示
す。
【0027】実施例8 実施例2の方法において、加熱膨張化処理を 800℃で行
い嵩密度 0.003g/cm3の膨張黒鉛粒子を得た。この膨張
黒鉛粒子 5重量%をメタノール (粘度0.59センチポイ
ズ)95 重量%中に混合浸漬し、直径 5mm、長さ50mmのア
ルミナ製ロッドをメディアとしてボールミル中にて15時
間磨砕を行った。得られた黒鉛粉末の分散液をボールミ
ルから取り出しろ過した後、90℃で乾燥して厚さ 1μm
以下、粒子径 0.1〜 500μm の高配向性黒鉛粉末を得
た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の分級を行
い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様
にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表
1、表3に示す。
【0028】実施例9 実施例8で得られた膨張黒鉛粒子15重量%をポリアクリ
ル酸ナトリウムを溶解した水溶液 (粘度 180センチポイ
ズ) 85重量%中に混合浸漬し、直径 3mmのジルコニア製
ボールをメディアとしてボールミル中にて10時間磨砕を
行った。得られた黒鉛粉末の分散液をボールミル中から
取り出し、ポリアクリル酸ナトリウムを十分洗浄して、
ろ過した後、 150℃で乾燥して厚さ 1μm 以下、粒子径
0.1〜 500μm の高配向性黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉
末について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒
径の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲
げ強度の評価を行い、得た結果を表1、表3に示す。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1 粒度分布50〜 300μm の天然リン状黒鉛をハンマーミル
にて衝撃粉砕して粒子径 0.1〜 400μm の黒鉛粉末を得
た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の分級を行
い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様
にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表
2、表3に示す。
【0031】比較例2 粒度分布50〜 300μm の熱分解黒鉛をハンマーミルにて
衝撃粉砕して粒子径 0.1〜 400μm の黒鉛粉末を得た。
この黒鉛粉末について実施例1と同様の分級を行い、そ
れぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様にその
比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表2、表3
に示す。
【0032】比較例3 実施例1で得られた膨張黒鉛粒子をハンマーミルにて衝
撃粉砕して粒子径80〜2,000 μm の黒鉛粉末を得た。こ
の黒鉛粉末を分級して平均粒径 100μm の黒鉛粉末を得
た (この粉砕では80μm 以下の黒鉛粉末はほとんど得ら
れなかった) 。この粒径の黒鉛粉末について実施例1と
同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を
表2、表3に示す。
【0033】比較例4 実施例1で用いた嵩密度 0.0040g/cm3の膨張黒鉛粒子の
代わりに嵩密度 0.18g/cm3の膨張黒鉛粒子を用いた以外
はすべて実施例1と同様に粉砕して粒子径 0.1〜 500μ
m の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1と
同様の分級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について
実施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、
得た結果を表2、表3に示す。
【0034】比較例5 実施例3で用いた水とメタノールの代わりに鉱物油 (粘
度 500センチポイズ)を用いた以外はすべて実施例3と
同様に粉砕して粒子径 0.1〜 400μm の黒鉛粉末を得
た。この黒鉛粉末について実施例1と同様の分級を行
い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実施例1と同様
にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得た結果を表
2、表3に示す。
【0035】比較例6 実施例2で用いた水の代わりに鉱物油 (粘度 300センチ
ポイズ) を用いた以外はすべて実施例2と同様に粉砕し
て粒子径 0.1〜 500μm の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉
末について実施例1と同様の分級を行い、それぞれの粒
径の黒鉛粉末について実施例1と同様にその比抵抗、曲
げ強度の評価を行い、得た結果を表2、表3に示す。
【0036】比較例7 実施例1で得られた膨張黒鉛粒子35重量%をケロシン
(粘度2センチポイズ)65重量%中に混合浸漬した以外
はすべて実施例1と同様に粉砕して粒子径0.1 〜400 μ
m の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1と
同様の分級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について
実施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い得
た結果を表2,表3に示す。
【0037】比較例8 実施例2で用いた粒度分布50〜300 μm の天然リン状黒
鉛の代わりに粒度分布25μm 以下の天然リン状黒鉛を用
いた以外はすべて実施例1と同様に粉砕して粒子径0.1
〜20μm の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末を分級して平
均粒径10μm の黒鉛粉末を得た。この粒径の黒鉛粉末に
ついて実施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を
行い、得た結果を表2、表3に示す。
【0038】比較例9 実施例5で用いた直径3mm、長さ50mmの鉄製ロッドの代
わりに直径5mm、長さ7mmの鉄製ロッドを用いた以外は
すべて実施例5と同様に粉砕して粒子径0.1 〜400 μm
の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末について実施例1と同
様の分級を行い、それぞれの粒径の黒鉛粉末について実
施例1と同様にその比抵抗、曲げ強度の評価を行い、得
た結果を表2、表3に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表1、2、3に示すとおり実施例の製造方
法で得られた高配向性黒鉛粉末は異方性が非常に大き
く、高導電性、高強度の成形体あるいは高導電性のゴム
シートが得られ、その導電性、強度は従来製造である乾
式衝撃粉砕による黒鉛粉末に比べてはるかに優れてい
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように所定の膨張黒鉛粒子
を所定の液体中に分散させ、該液体中にて所定のメディ
アを作用させてボールミル又はグレンミル中にて磨砕す
る本発明の高配向性黒鉛粉末の製造方法は、従来の乾式
衝撃粉砕に比べ得られた黒鉛粉末の配向性が大きく、ま
た樹脂、ゴム等に添加して成形体とした時の導電性、強
度が優れている。これにより本発明の方法により得られ
た高配向性黒鉛粉末は耐熱、気密性、導電性、強度に優
れた産業用の成形体用フィラーとして信頼性が上がり、
利用できる分野も広がっていくことが期待できる。また
簡単な装置にて一度に多量に製造できるためコスト面で
大きなメリットがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−147810(JP,A) 特公 昭45−13444(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 17/00 - 17/24 C01B 31/04 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵩密度0.0025〜0.15g/cm3 の膨張黒鉛粒
    子 5重量%〜30重量%を液体中に分散させ、前記液体の
    粘度が 0.3〜 200センチポイズであり、該液体中にて直
    径 2mm〜50mmの球状、または直径 3mm〜50mm長さ 6mm以
    上 (長さ/直径=2以上) のロッド状の形状のメディア
    を作用させてボールミル又はグレンミル中にて磨砕する
    ことを特徴とする高配向性黒鉛粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高配向性黒鉛粉末が、粒子厚さ 1μ
    m 以下、粒子径 0.1〜 500μm を有する、請求項1記載
    の高配向性黒鉛粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高配向性黒鉛粉末を分級し、ノボラ
    ックフェノール樹脂に対して混合し、圧縮成形された成
    形体が、テストピース(3×10×55mm) で評価して、44〜
    88μΩ-cm の比抵抗及び730 〜830 kgf/cm2 の曲げ強度
    を有する、請求項1又は2記載の高配向性黒鉛粉末の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記高配向性黒鉛粉末を分級し、エチレ
    ン−プロピレン−ジエンターポリマーゴムに対して混合
    し、ロールにて厚さ0.5mm のシート状に成形されたゴム
    シートが、3920〜4340μΩ-cm の比抵抗を有する、請求
    項1又は2記載の高配向性黒鉛粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の製造方法により得られた
    粒子厚さ 1μm 以下、粒子径 0.1〜 500μm である高配
    向性黒鉛粉末。
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