JP3298427B2 - 熱源用管型白熱電球 - Google Patents

熱源用管型白熱電球

Info

Publication number
JP3298427B2
JP3298427B2 JP26287796A JP26287796A JP3298427B2 JP 3298427 B2 JP3298427 B2 JP 3298427B2 JP 26287796 A JP26287796 A JP 26287796A JP 26287796 A JP26287796 A JP 26287796A JP 3298427 B2 JP3298427 B2 JP 3298427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
time
tube
value
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26287796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10106510A (ja
Inventor
忠和 河村
由紀夫 上嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP26287796A priority Critical patent/JP3298427B2/ja
Publication of JPH10106510A publication Critical patent/JPH10106510A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3298427B2 publication Critical patent/JP3298427B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electric Stoves And Ranges (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば加熱ローラ
装置に発熱源として組み込まれる熱源用管型白熱電球に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば電子写真複写機、プリンターなど
の定着装置においては加熱ローラが設けられている。図
4はこのような加熱ローラの一例を示す説明用側面図で
ある。この図において、加熱ローラ10は、スリーブ状
ローラ体11の内部に、熱源用管型白熱電球20が配置
されており、ローラ体11の一端に回転駆動用ギア12
が固定されると共に他端が回転支持部材13によって支
持されることにより回転可能に構成されている。
【0003】このような加熱ローラのための熱源用管型
白熱電球20としては、図5に示すように、ガラス製の
管型バルブ21内に、その管軸方向に沿って複数の発光
部と非発光部とが交互に配置されてなるフィラメントF
が配設された管型白熱電球が広く使用されている。22
はバルブ21の両端のピンチシール部に埋設された金属
箔、23は金属箔22から伸びる外部リード棒、25は
フィラメントサポータである。
【0004】然るに、定着装置用の加熱ローラにおいて
は、装置のメインスイッチの投入直後は短時間のうちに
ローラ表面温度が使用可能温度域にまで上昇してウォー
ミングアップ時間が短いこと、並びに一旦使用可能温度
域に上昇した後の処理可能期間(スタンバイ期間)中
は、いつでも所期の加熱処理が実行されるよう、ローラ
表面温度が当該使用可能温度域に安定に維持されること
が必要である。このため、熱源用管型白熱電球を動作さ
せる点灯回路として、ウォーミングアップ期間中は当該
管型白熱電球に連続的に通電して点灯させる連続点灯機
能と、ウォーミングアップ終了後の処理可能期間中は比
較的短時間の通電を断続的に行うオン・オフ制御機能と
を具えるものが用いられる。実際の例において、ウォー
ミングアップ期間の長さは例えば2分間であり、オン・
オフ制御におけるオン時間(通電持続時間)は例えば1
秒間でオフ時間(通電停止時間)は例えば3秒間程度と
される。
【0005】一方、処理可能期間中の加熱ローラは、そ
の長さ方向における表面温度が均一であることが必要で
あるが、ローラ体11の両端部分では、回転駆動用ギア
12や回転支持部材13などに熱が奪われ、また中央領
域に比較して放熱作用が大きいため、ローラ体を長さ方
向において均一に加熱するのみでは、加熱ローラの表面
温度は両端部分において大幅に低下したものとなる。
【0006】このような事態を解消し、加熱ローラの表
面温度を長さ方向全長にわたって均一性の高いものとす
るためには、加熱ローラの両端部分に対する加熱の程度
を、それら以外の中央領域より大きくすればよい。この
ような理由から、従来においては、両端部分の発熱量が
中央領域より大きいフィラメントを具える管型白熱電球
が熱源用として使用されている。
【0007】図6は、そのようなフィラメントの構成を
示す説明図である。このフィラメントFは、加熱ローラ
の両端部分に対応して両端に配置される2個の端部発光
部HAと、加熱ローラの中央領域に対応する残りの9個
の中央領域発光部HBとを有しているが、これらの発光
部は、製造上の理由から、1本のタングステンワイヤを
コイリングすることにより、同一のコイル形態を有する
ものとして形成されている。ここに「同一のコイル形
態」とは、コイルを形成する線材の素線径、コイル内径
およびコイルピッチという3種のファクターがいずれも
同一であることをいう。ここに、「コイルピッチ」と
は、図7に示すように、線径aの線材によるコイルにお
ける1ターン分の進み距離をbとするときに(b/a)
で表わされるファクターをいう。そして、端部発光部H
Aをより大きい発熱量のものとするために、端部発光部
HAは、中央領域発光部HBよりコイル長が大きいもの
とされている。
【0008】従来における具体的な寸法例を示すと、定
格電圧120V、定格電力500Wの管型白熱電球用の
フィラメントは、各々7mmの単線部による非発光部N
を介して、各々長さ30mmの端部発光部HA(2個)
および各々長さ12mmの中央領域発光部HB(9個)
が一連に接続されてなり、コイル形態は、素線径0.2
2mm、コイル内径0.7mm、コイルピッチ1.3と
されている。このフィラメントによれば、各端部発光部
HAは電力密度が2.98W/mmで点灯時の色温度が
2420Kであり、中央領域発光部HBの各々は電力密
度が1.81W/mmで点灯時の色温度が2380Kで
あった。
【0009】図8は、上記の従来例に係るフィラメント
の端部発光部HAを構成するコイルおよび中央領域発光
部HBを構成するコイルについて、各々に通電したとき
の発熱量の経時変化を示す曲線図である。この図から明
らかなように、フィラメントのコイルに連続的に通電す
ると、通電を開始した時点T0から発熱量が大きく立ち
上がり、その後発熱量の増加割合が小さくなり、長時間
が経過すると発熱量が飽和するようになる。このときの
発熱量を「平衡発熱量」というが、端部発光部HAは、
平衡発熱量が中央領域発光部HBよりも大きいコイルに
より構成されている。
【0010】以上のような構成のフィラメントを有する
管型白熱電球によれば、これを点灯させると、フィラメ
ントの両端の端部発光部HAの発熱量が中央領域発光部
HBより大きいために、加熱ローラの両端部分が中央領
域よりも強く加熱され、その結果、加熱ローラの表面温
度は長さ方向において均一性の高いものとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱源用管型白熱電球においては、加熱ローラのウォーミ
ングアップ期間中の連続点灯では、両端部分の加熱の程
度が中央領域よりも強いために、加熱ローラの両端部分
の温度が低温となることが防止されるが、ウォーミング
アップが終了した後にオン・オフ制御によって動作させ
る処理可能期間においては、逆に、加熱ローラの両端部
分の表面温度が過大となって長さ方向に不均一となるこ
とが判明した。そして、これは、オン・オフ制御による
オン時間(通電継続時間)が短時間であっても、発熱量
の大きい端部発光部HAによる加熱の影響がそのまま現
れることが原因であることが究明された。
【0012】図9は、上述のフィラメントを有する熱源
用管型白熱電球の配熱特性を示す特性曲線図であって、
連続通電による連続点灯の場合、オン・オフ制御による
断続的点灯であって、オン時間が1秒間でオフ時間が3
秒間の場合、オン時間が0.5秒間でオフ時間が3秒間
の場合およびオン時間が0.2秒間でオフ時間が3秒間
の場合が示されている。この図から明らかなように、従
来の管型白熱電球では、オン・オフ制御による動作にお
いても、連続点灯の場合と同様に、両端部分における発
熱量が中央領域よりも顕著に高くなっており、その結
果、加熱ローラの両端部分の表面温度が過度に高くなる
ことが理解される。なお、この図において、オン時間が
短くなるに従って両端部分の発熱量が高くなる理由は、
中央領域の発熱量に対する両端部分の発熱量の割合が、
オン時間が短くなるに従って大きくなるからである。
【0013】そして、近年においては、加熱ローラのロ
ーラ体を構成する金属スリーブが肉厚の小さいものとさ
れる傾向があるが、そのようなローラ体による加熱ロー
ラでは、上記の影響の現れ方が顕著である。また、加熱
ローラの表面温度が両端部分で過大となる現象は、横幅
が小さい像形成シート(通常は紙である。)を定着処理
することにより、加熱ローラの中央部分のみの熱が消費
されることによっても促進される。
【0014】本発明は、以上のような問題点を解決する
ものであって、その目的は、連続点灯では、両端部分の
発熱量が中央領域より十分に大きく、またオン・オフ制
御による動作においては、両端部分の発熱量を抑制する
ことができる熱源用管型白熱電球を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の熱源用管型白熱
電球は、加熱ローラの内部に配置されてオン・オフ制御
で点灯される熱源用管型白熱電球において、 前記熱源用
管型白熱電球は、管型バルブ内に、その管軸方向に沿っ
て複数の発光部と非発光部とが交互に配置されてなるフ
ィラメントを具え、フィラメントの両端側に位置された
端部発光部が平衡発熱量の大きい高発熱量コイルにより
構成されると共に、端部発光部以外の中央領域発光部が
平衡発熱量の小さい低発熱量コイルにより構成されてお
り、高発熱量コイルは、低発熱量コイルより熱量立ち上
がり時間が遅く、 オン・オフ制御におけるオン時間が、
通電が開始された時点から高発熱量コイルの発熱量が低
発熱量コイルの発熱量と等しくなる時点までの低発熱量
コイルの先行加熱時間より短い長さに設定されている
とを特徴とする。
【0016】以上において、高発熱量コイルは、コイル
ワイヤの素線径が低発熱量コイルより大きいものとされ
る形態、コイル内径が低発熱量コイルより大きいとされ
る形態、またはコイルピッチが低発熱量コイルより大き
いものとされる形態の少なくともいずれかの形態が採用
される。
【0017】本発明の熱源用管型白熱電球によれば、フ
ィラメントの両端側に位置された端部発光部が平衡発熱
量の大きい高発熱量コイルにより構成されると共に、端
部発光部以外の中央領域発光部が平衡発熱量の小さい低
発熱量コイルにより構成されており、しかも高発熱量コ
イルは低発熱量コイルよりも熱量立ち上がり時間が遅い
ものであるので、連続点灯では両端部分を中央領域より
強く加熱することができると共に、オン・オフ制御によ
る動作では、端部発光部の実際の発熱量が中央領域発光
部の発熱量よりも小さい時間内に通電が停止されること
により、両端部分での発熱量が抑制された状態とするこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は、本発明に係る熱源用管型白熱電球
の一例におけるフィラメントの構成示す説明図である。
このフィラメントFは、2個の端部発光部HAと、9個
の中央領域発光部HBとの合計11個の発光部を有して
おり、隣接する発光部の間は非発光部Nによって接続さ
れている。そして、端部発光部HAは、平衡発熱量の大
きい高発熱量コイルにより構成されると共に、中央領域
発光部HBは平衡発熱量の小さい低発熱量コイルにより
構成され、かつ、高発熱量コイルは、低発熱量コイルよ
りも熱量立ち上がり時間が遅いものとなるコイル形態で
形成されている。
【0019】本発明において、コイルについて「熱量立
ち上がり時間」とは、当該コイルに通電したときの発熱
量の経時変化を示す曲線において、当該コイルの平衡発
熱量を100%とするとき、通電を開始した時点から発
熱量が例えば80%に達した時点までの時間をいい、こ
れを本明細書では「80%立ち上がり時間」ということ
とする。
【0020】本発明においては、中央領域発光部HBを
構成する低発熱量コイルとしては、80%立ち上がり時
間が例えば0.5〜2.0秒、好ましくは1.0〜1.
5秒のものが用いられ、端部発光部HAを構成する高発
熱量コイルとしては、80%立ち上がり時間が例えば
2.0〜7.0秒、好ましくは3.0〜5.0秒のもの
が用いられる。高発熱量コイルは、その80%立ち上が
り時間が低発熱量コイルよりも遅いことまたは長いこと
が必要であるが、その程度は、80%立ち上がり時間の
差が例えば0.5〜8.0秒間、好ましくは1.0〜
5.0秒間である。
【0021】以上のような高発熱量コイルと低発熱量コ
イルの特性は、そのコイル形態を変えることによって実
現することができる。ここに「コイル形態」とは、コイ
ルを形成する線材の素線径(図7のa)、コイル内径
(図7のr)およびコイルピッチ(図7のb/a)とい
う3種のファクターによって規定されるものであって、
高発熱量コイルは、低発熱量コイルに比して、少なくと
も一のファクターが大きいものとして形成されることが
必要である。なお、コイルの長さを選定することによっ
て、所要の平衡発熱量を有するコイルとすることができ
る。
【0022】具体的には、高発熱量コイルは、次の
(1)〜(7)のいずれかのコイル形態を有するものと
されるのが、フィラメントの製造の便宜上、好ましい。 (1)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルと同一、
コイル内径が低発熱量コイルと同一、コイルピッチが低
発熱量コイルよりも大。 (2)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルと同一、
コイル内径が低発熱量コイルよりも大、コイルピッチが
低発熱量コイルと同一。 (3)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルよりも
大、コイル内径が低発熱量コイルと同一、コイルピッチ
が低発熱量コイルと同一。 (4)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルと同一、
コイル内径が低発熱量コイルよりも大、コイルピッチが
低発熱量コイルよりも大。 (5)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルよりも
大、コイル内径が低発熱量コイルと同一、コイルピッチ
が低発熱量コイルよりも大。 (6)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルよりも
大、コイル内径が低発熱量コイルよりも大、コイルピッ
チが低発熱量コイルと同一。 (7)コイルワイヤの素線径が低発熱量コイルよりも
大、コイル内径が低発熱量コイルよりも大、コイルピッ
チが低発熱量コイルよりも大。
【0023】高発熱量コイルは、その熱量立ち上がり時
間が低発熱量コイルより遅いものであればよく、従っ
て、この条件が満たされるのであれば、高発熱量コイル
は、コイル形態のファクターのいずれかが低発熱量コイ
ルより小さいものであってもよい。しかし、そのような
フィラメントは、高い製造コストが必要となる場合があ
る。
【0024】本発明の熱源用管型白熱電球によれば、後
述する実施例の説明から明らかなように、端部発光部H
Aの高発熱量コイルは、中央領域発光部HBの低発熱量
コイルより平衡発熱量が大きいが、低発熱量コイルより
も熱量立ち上がり時間が遅いものであるので、連続通電
では、両端部分の発熱量を中央領域より大きくすること
ができると共に、オン・オフ制御では、オン時間の長さ
を或る特定の長さ以下の短い時間に設定することによ
り、端部発光部HAの実際の発熱量が中央領域発光部H
Bの発熱量よりも小さい状態とすることができる。この
ようなオン・オフ制御では、オン時間が開始したときに
端部発光部HAおよび中央領域発光部HBの両者が同時
に発熱を開始するが、熱量立ち上がり時間が遅い高発熱
量コイルよりなる端部発光部HAの発熱量が、熱量立ち
上がり時間の速い低発熱量コイルよりなる中央領域発光
部HBの発熱量を超える以前の時点で、当該オン時間が
終了するからである。
【0025】そして、このような熱源用管型白熱電球を
組み込んでなる加熱ローラ装置においては、ウォーミン
グアップ期間中は、連続点灯により両端部分が中央領域
より強く加熱されると共に、ウォーミングアップ終了後
の処理可能期間中は、オン・オフ制御による動作によ
り、両端部分の加熱の程度が抑制された状態とされるこ
とにより、加熱ローラの表面温度を長さ方向において均
一性の高い状態に安定に維持することができ、その結
果、所要の定着処理などの加熱処理をきわめて良好に実
行することができる。
【0026】
【実施例】図1に示した構成に準じ、タングステンワイ
ヤを用いて、定格電圧120V、定格電力500Wの管
型白熱電球用のフィラメントを作製した。このフィラメ
ントは、各々7mmの単線部による非発光部Nを介し
て、各々長さ30mmの端部発光部HA(2個)および
各々長さ12mmの中央領域発光部HB(9個)が一連
に接続されてなり、端部発光部HAのコイル形態は、ワ
イヤの素線径0.26mm、コイル内径0.9mm、コ
イルピッチ1.3とされると共に、中央領域発光部HB
のコイル形態は、ワイヤの素線径0.22mm、コイル
内径0.7mm、コイルピッチ1.3とされている。こ
のフィラメントは、高発熱量コイルのコイル形態は、低
発熱量コイルに比して、コイルピッチは同一であるが、
コイルワイヤの素線径およびコイル内径が共に大きいも
のである。
【0027】このような構成のフィラメントを有する管
型白熱電球を点灯したところ、各端部発光部HAは電力
密度が2.98W/mmで点灯時の色温度が2250K
であり、中央領域発光部HBの各々は電力密度が1.8
1W/mmで点灯時の色温度が2380Kであった。
【0028】なお、点灯中における各発光部のコイルの
色温度とその熱量立ち上がり時間との間には、熱量立ち
上がり時間が短いものほど色温度が高くなる直線的な関
係がある。従って、本発明の管型白熱電球のフィラメン
トにおいては、端部発光部HAの高発熱量コイルは熱量
立ち上がり時間が遅いものであるので、色温度が低発熱
量コイルよりも低いものである。
【0029】この図1のフィラメントは、図6の従来の
フィラメントに比して、中央領域発光部HBのコイル形
態は同一であるが、端部発光部HAのコイル形態が異な
り、その結果、端部発光部HAは、電力密度は従来と同
一であっても色温度が従来より低いものとなっている。
なお、従来のフィラメントでは、端部発光部HAのコイ
ルは80%立ち上がり時間が1.15秒のものであり、
中央領域発光部HBのコイルは、80%立ち上がり時間
が1.78秒のものである。両者を比較すると、次の表
1のとおりである。
【0030】
【表1】
【0031】図2は、上記の実施例に係るフィラメント
の端部発光部HAの高発熱量コイルおよび中央領域発光
部HBの低発熱量コイルについて、各々に通電したとき
の発熱量の経時変化を示す曲線図である。この図2から
も明らかなように、高発熱量コイルは、その平衡発熱量
は低発熱量コイルより大きいが、熱量立ち上がり時間が
遅いものである。図中、T0は通電開始時点、TLは低
発熱量コイルの80%立ち上がり時間経過時点、THは
高発熱量コイルの80%立ち上がり時間経過時点であ
る。具体的には、高発熱量コイルの80%立ち上がり時
間は4.25秒、低発熱量コイルの80%立ち上がり時
間は1.24秒である。そして、この図に示されている
ように、両曲線は例えば低発熱量コイルの80%立ち上
がり時間を超えた時点Txにおいて交点Pを有してお
り、この時点Txでは高発熱量コイルの発熱量と低発熱
量コイルの発熱量が等しいものとなる。そして、通電が
開始された時点T0から当該等発熱量時点Txまでの時
間tを「低発熱量コイルの先行加熱時間」という。
【0032】以上のような構成の熱源用管型白熱電球に
よれば、連続点灯では時点Txを超える時間以上連続し
て通電する連続点灯により、端部発光部HAの高発熱量
コイルにより両端部分の発熱量が中央領域より大きいた
め、加熱ローラ装置においては、両端部分の加熱の程度
が中央領域より十分に大きくなり、両端部分を低温とす
ることなく短時間で十分なウォーミングアップを行うこ
とができる。
【0033】そして、ウォーミングアップ終了後、加熱
ローラの表面温度が使用可能温度域に達した後の処理可
能期間においては、管型白熱電球が点灯回路によるオン
・オフ制御により動作されてオン時間とオフ時間とが交
互に繰り返されるが、このオン・オフ制御におけるオン
時間の長さが、低発熱量コイルの先行加熱時間tより短
い時間に設定される。
【0034】その結果、当該管型白熱電球はオン時間の
間は発熱することとなるが、その発熱量は、高発熱量コ
イルにおいて少なく、低発熱量コイルにおいて多いもの
となる。このことは、図2から明らかである。すなわ
ち、図2の例において、設定オン時間を、例えば低発熱
量コイルの80%立ち上がり時間と等しい時間に設定す
ると、この時点(TL)での高発熱量コイルの発熱量は
低発熱量コイルの発熱量の約半分となり、その後はオフ
時間となるので発熱が停止される。このようなオン・オ
フ制御が継続されることにより、加熱ローラの両端部分
に対する加熱の程度が抑制された状態となるため、両端
部分の温度が過度に高くなることが防止され、加熱ロー
ラの表面温度が、使用可能温度域において、長さ方向に
均一となった状態に安定に維持される。
【0035】図3は、図1の実施例に係る管型白熱電球
の配熱特性を示す特性曲線図であって、連続通電による
連続点灯の場合、オン・オフ制御による断続的点灯であ
って、オン時間が2秒間でオフ時間が3秒間の場合、オ
ン時間が1秒間でオフ時間が3秒間の場合およびオン時
間が0.5秒間でオフ時間が3秒間の場合が示されてい
る。この曲線図は、当該管型白熱電球の中心軸(バルブ
の管軸)から15mmだけ離れた位置において、感熱セ
ンサをバルブの長さ方向に走査させることによって測定
されたものであり、縦軸は中央領域の中央位置の発熱量
を100%とする相対スケールであり、横軸はバルブの
長さ方向の中央点を0とした距離を示している。
【0036】この図から明らかなように、例えばオン時
間が1秒間でオフ時間が3秒間の場合およびオン時間が
0.5秒間でオフ時間が3秒間の場合では、確実に端部
発光部HAの発熱量を抑制した状態とすることができ
る。そして、その結果、当該管型白熱電球を組み込んで
なる加熱ローラ装置においては、処理可能期間において
も、加熱ローラの表面温度は長さ方向に均一な分布を有
し、良好な加熱処理を実行できるものとなる。
【0037】本発明の他の実施例に係る管型白熱電球の
フィラメントの構成を次に示す。このフィラメントは、
定格電圧120V、定格電力500Wの管型白熱電球に
配設されるものであって、各々7mmの単線部による非
発光部Nを介して、各々長さ40mmの端部発光部HA
(2個)および各々長さ12mmの中央領域発光部HB
(9個)が一連に接続されてなり、端部発光部HAのコ
イル形態は、ワイヤの素線径0.22mm、コイル内径
0.7mm、コイルピッチ1.8とされると共に、中央
領域発光部HBのコイル形態は、ワイヤの素線径0.2
2mm、コイル内径0.7mm、コイルピッチ1.3と
されている。
【0038】このフィラメントは、高発熱量コイルのコ
イル形態は、低発熱量コイルに比して、コイルワイヤの
素線径およびコイル内径が同一で、コイルピッチが大き
いものである。このフィラメントを有する管型白熱電球
を点灯したところ、各端部発光部HAは電力密度が2.
98W/mmで点灯時の色温度が2250Kであり、中
央領域発光部HBの各々は電力密度が1.81W/mm
で点灯時の色温度が2380Kであった。
【0039】以上、本発明の熱源用管型白熱電球につい
て説明したが、本発明においては、種々の変更を加える
ことができる。例えば中央領域発光部HBの数および特
性は特に限定されるものではなく、目的に応じて変える
ことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の熱源用管型白熱電球によれば、
連続点灯では両端部分を中央領域より強く加熱すること
ができると共に、オン・オフ制御による動作では、オン
時間の長さが制御されて端部発光部の実際の発熱量が中
央領域発光部の発熱量よりも小さい時間領域内で通電が
停止されることにより、両端部分での発熱量が抑制され
た状態とすることができる。
【0041】その結果、本発明の熱源用管型白熱電球が
組み込まれた加熱ローラ装置によれば、その熱源用管型
白熱電球が上記のように動作されることにより、ウォー
ミングアップ期間では連続通電によって両端部分が中央
領域より強く加熱され、また処理可能期間ではオン・オ
フ制御によって両端部分の加熱の程度が抑制された状態
とされるため、加熱ローラの表面温度を、使用可能温度
域において、長さ方向において均一性の高い状態に安定
に維持することができるので、所要の定着処理などの加
熱処理をきわめて良好に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱源用管型白熱電球の一例におけ
るフィラメントの構成示す説明図である。
【図2】図1の例におけるフィラメントの端部発光部お
よび中央領域発光部を構成するコイルに通電したときの
発熱量の経時変化を示す曲線図である。
【図3】図1の例に係る管型白熱電球の配熱特性を示す
特性曲線図であっ
【図4】加熱ローラの一例を示す説明用側面図である。
【図5】熱源用管型白熱電球の一例の構成を示す説明図
である。
【図6】従来の熱源用管型白熱電球のフィラメントの構
成を示す説明図である。
【図7】コイルピッチについての説明図である。
【図8】図6のフィラメントの端部発光部および中央領
域発光部を構成するコイルに通電したときの発熱量の経
時変化を示す曲線図である。
【図9】図5に示した従来の管型白熱電球の配熱特性を
示す特性曲線図である。
【符号の説明】
10 加熱ローラ 11 ローラ体 12 回転駆動用ギア 13 回転支持部材 20 熱源用管型白熱電球 21 管型バルブ F フィラメント 22 金属箔 23 外部リード棒 25 フィラメントサポータ HA 端部発光部 HB 中央領域発光部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−153940(JP,A) 特開 平5−82104(JP,A) 特開 平8−202193(JP,A) 実開 昭55−72773(JP,U) 実開 昭57−119350(JP,U) 実開 昭56−10650(JP,U) 実開 昭60−186465(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01K 1/24 H01K 1/14 H01K 7/00 G03G 15/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱ローラの内部に配置されてオン・オ
    フ制御で点灯される熱源用管型白熱電球において、 前記熱源用管型白熱電球は、 管型バルブ内に、その管軸
    方向に沿って複数の発光部と非発光部とが交互に配置さ
    れてなるフィラメントを具え、 フィラメントの両端側に位置された端部発光部が平衡発
    熱量の大きい高発熱量コイルにより構成されると共に、
    端部発光部以外の中央領域発光部が平衡発熱量の小さい
    低発熱量コイルにより構成されており、 高発熱量コイルは、低発熱量コイルより熱量立ち上がり
    時間が遅く、 オン・オフ制御におけるオン時間が、通電が開始された
    時点から高発熱量コイルの発熱量が低発熱量コイルの発
    熱量と等しくなる時点までの低発熱量コイルの先行加熱
    時間より短い長さに設定されている ことを特徴とする熱
    源用管型白熱電球。
  2. 【請求項2】 高発熱量コイルは、コイルワイヤの素線
    径が低発熱量コイルより大きいものである請求項1に記
    載の熱源用管型白熱電球。
  3. 【請求項3】 高発熱量コイルは、コイル内径が低発熱
    量コイルより大きいものである請求項1または請求項2
    に記載の熱源用管型白熱電球。
  4. 【請求項4】 高発熱量コイルは、コイルピッチが低発
    熱量コイルより大きいものである請求項1〜請求項3の
    いずれか一に記載の熱源用管型白熱電球。
JP26287796A 1996-10-03 1996-10-03 熱源用管型白熱電球 Expired - Fee Related JP3298427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26287796A JP3298427B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 熱源用管型白熱電球

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26287796A JP3298427B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 熱源用管型白熱電球

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10106510A JPH10106510A (ja) 1998-04-24
JP3298427B2 true JP3298427B2 (ja) 2002-07-02

Family

ID=17381880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26287796A Expired - Fee Related JP3298427B2 (ja) 1996-10-03 1996-10-03 熱源用管型白熱電球

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3298427B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005258042A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP5267765B2 (ja) * 2007-11-08 2013-08-21 ウシオ電機株式会社 フィラメントランプおよび光照射式加熱処理装置
KR100970334B1 (ko) 2008-08-06 2010-07-16 한국전력공사 배전전압(220v)용 백열전구의 특성파라미터 산출시스템 및 방법
CN102317872B (zh) * 2009-02-10 2015-05-06 奥西-技术有限公司 用于将记录材料定影在介质上的方法和装置
JP5311285B2 (ja) * 2009-03-23 2013-10-09 ウシオ電機株式会社 フィラメントランプ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10106510A (ja) 1998-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4985690B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
US4442374A (en) Dual length copier lamp
JP3298427B2 (ja) 熱源用管型白熱電球
JP3873635B2 (ja) 加熱ローラ用ヒータランプ装置
EP0168015A2 (en) Low wattage double filament tungsten-halogen lamp
JP2001202926A (ja) 熱源用白熱ランプ
US6911625B2 (en) Heating roller
JP3826683B2 (ja) 熱源用白熱ランプ
GB2074828A (en) Electric heater
JP3576661B2 (ja) 希ガス放電灯
JP3829598B2 (ja) 管型白熱ランプ及びランプ取り付け部構造
JPH0258625B2 (ja)
JP2014232645A (ja) フィラメントランプ
JPH03206484A (ja) ヒートローラの温度コントロール方法
JPH076617Y2 (ja) 管型白熱電球
JP7415277B2 (ja) ハロゲンランプ
KR940001498B1 (ko) 냉음극 방전관
KR0154368B1 (ko) 형광등 안정기의 구조 및 코일 권선 방법
JPS6185760A (ja) 光源用温度制御装置
JPS58921Y2 (ja) 管形ハロゲン電球
JP2508679B2 (ja) 無電極放電灯装置
US20050040748A1 (en) Thermally optimized cold cathode heater
JP2712719B2 (ja) 熱陰極型希ガス放電蛍光ランプ装置
JPH0350257B2 (ja)
KR200211112Y1 (ko) 전열히터용 전열코일

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080419

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100419

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110419

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120419

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130419

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130419

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140419

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees