JP3297979B2 - 温度制御装置 - Google Patents

温度制御装置

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JP3297979B2
JP3297979B2 JP06289596A JP6289596A JP3297979B2 JP 3297979 B2 JP3297979 B2 JP 3297979B2 JP 06289596 A JP06289596 A JP 06289596A JP 6289596 A JP6289596 A JP 6289596A JP 3297979 B2 JP3297979 B2 JP 3297979B2
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  • Control Of Resistance Heating (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気カーペットや
電気毛布等に最適な温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気カーペットは、図7に示す
ように、カーペット本体50と、カーペット本体50内
部に蛇行配置された一線式発熱体51と、一線式発熱体
51への通電を設定温度に応じて制御する温度制御装置
52とを備えている。一線式発熱体52は図8に示すよ
うに、巻芯53と、巻芯53の周面に巻き付けられた発
熱線54と、発熱線54の上から巻芯53の周面を覆う
内部被覆55と、内部被覆55の周面に巻き付けられた
検知線56と、検知線56の上から内部被覆55の周面
を覆う外部被覆57とからなっている。
【0003】このように構成される電気カーペットに組
み込まれる上記温度制御装置52は、従来から、次のよ
うにして温度制御を行っていた。すなわち、一線式発熱
体51内に一体に収納されている検知線56は、発熱線
54によって加熱されるとその抵抗が上がる特性を有し
ている。そこで、発熱線54への通電時、同時に検知線
56にも微弱電流を通電したうえで検知線56の両端電
圧を測定する。そして、測定した検知線56の両端電圧
が設定した温度に応じた上下限値を越えないように、発
熱線54を入切制御する。具体的には、検知線56の両
端電圧が上限値に達すると、発熱線54の周囲温度(カ
ーペット本体50の温度)が設定された加熱温度の上限
値を上回ったと判断して、温度制御装置52(具体的に
は、温度制御装置52が内蔵しているスイッチング手
段)が発熱線54の通電を停止する。そして、この状態
で、検知線56への通電を継続しつつその両端電圧の測
定を行い、両端電圧が下限値に達すると発熱線54の周
囲温度(カーペット本体50の温度)が設定された加熱
温度の下限値を下回ったと判断して、発熱線54の通電
を再開する。このような制御方法によって発熱線54の
通電を入切制御することで、電気カーペットの加熱温度
を一定に維持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして、電気カーペットの加熱温度を制御している温
度制御装置52には、電気カーペット上に座布団等の断
熱体が局部的に載置されると、断熱体が載置された部分
が異常に温度が上がってしまい、そのために、一線式発
熱体51の寿命を縮めるばかりか、最悪の場合には一線
式発熱体51の断線を引き起こすという課題があった。
【0005】以下、詳細に説明する。電気カーペット上
に座布団等の断熱体が局部的に載置された状態で電気カ
ーペットに通電すると、断熱体が配置された断熱領域は
断熱体によって放熱が阻止されるため、他の領域より降
温勾配がなだらかになる。つまり、断熱領域は冷めにく
くなる。したがって、断熱領域では、蓄熱が進行してし
まい、他の領域の検知線56に比べて検知線56の抵抗
が相対的に高くなってしまう。ところが、検知線56の
温度を測定するために検出する電圧はその両端間の電圧
である。そのため、検出される両端電圧は断熱領域の電
圧と他の領域の電圧とを平均化したものとなり、これで
は断熱領域が局部的に昇温していることを判定すること
ができなかった。このような理由により、電気カーペッ
トに対する電力供給時間が長くなると、前記した断熱領
域の温度が急激に上昇してしまい、このような状態を長
時間持続すると、一線式発熱体51の寿命を縮めるばか
りか、最悪の場合には、一線式発熱体51が断線してし
まう可能性もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のような手
段によって、上述した課題の解決を達成している。
【0007】すなわち、請求項1に記載する本発明で
は、電熱体への通電を入切するスイッチング手段と、電
熱体の加熱状態を示す変数を測定する変数測定手段と、
電熱体の加熱状態が安定したか否かを判定する判定手段
と、前記判定手段によって電熱体の加熱状態が不安定で
あると判定された期間は、前記変数が予め設定しておい
た上下限値を越えないように前記スイッチング手段を入
切制御する一方、前記判定手段によって電熱体の加熱状
態が安定していると判定された期間は、加熱安定状態に
おける通電入切周期に沿って前記スイッチング手段を入
切制御する制御を含む制御手段とを備え、前記制御手段
は、加えて前記判定手段によって加熱状態が安定してい
ると判定された期間において、前記通電入切周期におけ
る入時間経過前に前記変数が前記上限値を越えると、前
記通電入切周期を更新する制御を含むことで上述した課
題を解決している。
【0008】請求項4に記載する本発明では、請求項1
ないし3に係る発明において、前記変数測定手段は、電
熱体の加熱状態によってその電気特性を変動させる温度
検知体と、この温度検知体の電気特性、すなわち抵抗、
電圧、ないし電流もしくは電熱体の温度または電熱体周
囲の温度を前記変数として測定する測定部とを備えるも
のであるとして、上述した課題を解決している。
【0009】請求項5に記載する本発明では、請求項1
ないし4のいずれかに係る発明において、前記制御手段
は、前記判定手段によって電熱体の加熱状態が安定した
と判定された時点での通電入切周期を加熱安定状態にお
ける通電入切周期として用いるものであるとして、上述
した課題を解決している。
【0010】請求項6に記載する本発明では、請求項1
ないし4のずれかに係る発明において、前記通電入切周
期を更新する更新方法としては、前記通電入切周期を増
減することなく前記入時間を短縮させる、もしくは前記
通電入切周期における切時間を増減することなく前記入
時間を短縮させる、もしくは前記入時間を増減すること
なく前記切時間を延長させる、もしくは前記入時間を短
縮させるとともに前記切時間を延長させる等の手段を用
いて、上述した課題を解決している。
【0011】請求項8に記載する本発明では、請求項1
ないし7のいずれかに係る発明において、前記制御手段
は、加えて前記判定手段によって加熱状態が安定してい
ると判定された期間において、前記入時間経過後も前記
変数が前記上限値の許容領域に達しない場合は、前記ス
イッチング手段の制御を、加熱状態が安定しない期間に
応じた制御に切り換える、もしくは、加熱状態が安定し
た期間における制御の初期設定に戻す制御を含むことに
より、上述した課題を解決している。
【0012】請求項9に記載する本発明では、請求項1
ないし8のいずれかに係る発明において、前記制御手段
は、加えて前記判定手段によって加熱状態が安定してい
ると判定された期間において、前記切時間が経過する前
に、前記変数が前記下限値の許容領域の底値に達する場
合は、前記上下限値を下方側に移行させる制御を含むこ
とにより、上述した課題を解決している。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態であ
る温度制御装置1を図面を参照して詳細に説明する。こ
の温度制御装置1は、図7、図8に示す電気カーペット
の加熱温度制御に用いられるものであって、図1に示す
ように、電気カーペットに対する交流電源Aからの通電
を入切するスイッチング手段2と、スイッチング手段2
の入切制御を行う制御手段3と、一線式発熱体51に一
体に組み込まれた検知線56(図7参照)の両端電圧V
を測定する測定部4と、スイッチング手段2の通電入切
動作等によって、一線式発熱体51に組み込まれた発熱
体54(図7参照)の加熱状態が安定したか否かを判定
する判定手段5と、電気カーペットの加熱温度等の設定
を行って、その設定を制御手段3に指示する操作部6と
を備えている。スイッチング手段2は継電器やサイリス
タで構成してもよいし、スイッチングトランジスタとい
った他の素子や回路で構成してもよい。制御手段3と測
定部4と判定手段5とは、例えば、マイクロコンピュー
タで構成される。
【0014】次に、この温度制御装置1による電気カー
ペットの温度制御を図2のフローチャートおよび、図3
〜6に示す検知線56の両端電圧Vの昇降特性に基づい
て説明する。
【0015】電気カーペットのオンオフスイッチ(図示
省略)を操作して、電気カーペットの通電を開始する。
すると、オン操作されることを制御手段3が検知して、
まず、設定しておいた上下限値(VOFF(n),VON(n))の
間に検知線56の両端電圧Vが収まるように、スイッチ
ング手段2を入切制御する、以下、このような制御を電
圧制御と称す(S1)。
【0016】すなわち、制御手段3は、設定加熱温度に
応じた前記両端電圧Vの上限値VOFF(n)および下限値V
ON(n)を記憶した記憶部(図示省略)を有している。電
気カーペットの通電が開始されると、操作部6で設定さ
れている設定加熱温度に応じた上下限値VOFF(n),V
ON(n)を前記した記憶部から読み出したうえで、スイッ
チング手段2を入操作して一線式発熱体51に対する通
電(検知線56に対する微弱電流の通電を含む)を開始
する。すると、発熱線54の加熱状態に比例して検知線
56の抵抗が上昇するので、検知線56の両端電圧Vは
上昇する。
【0017】両端電圧Vは測定部4によって検出された
のち、制御手段3に入力されており、制御手段3は、入
力された両端電圧Vが、予め読み出しておいた上限値V
OFF(n)に達するまでは、スイッチング手段2の入操作を
継続して、一線式発熱体51に通電する。そして、入力
された両端電圧Vが上限値VOFF(n)に達したことを制御
手段3が検知すると、制御手段3は電気カーペットの温
度が所定の加熱温度に到達したと判断して、スイッチン
グ手段2を切操作して一線式発熱体51の通電を停止す
る。
【0018】一線式発熱体51への通電を停止している
間も検知線56への通電は継続しており、測定部4は両
端電圧Vを測定している。そして、両端電圧Vがその下
限値VON(n)まで下降したことを測定部4を通じて制御
手段3が検知すると、制御手段3は電気カーペットの温
度が所定の加熱温度を下回ったと判断して、スイッチン
グ手段2を入操作して一線式発熱体51の通電を再開す
る。そして、このような電圧制御を繰り返すことで、電
気カーペットの加熱温度が設定加熱温度になるように制
御する。
【0019】制御手段3が上述した電圧制御を行ってい
る間、判定手段5では、スイッチング手段2の各通電入
切周期Tと、各通電入切周期T中の入時間(通電してい
る時間)tONとをそれぞれカウントし、隣接する通電入
切周期T(X)とT(X+1)とにおいて、入時間tON(X),t
ON(X+1)どうしが等しくなるか否かを監視する(S
2)。
【0020】そして、隣接する通電入切周期T(X),T
(X+1)において、その入時間tON(X),tON(X+1)が互いに
等しくないと判断された場合(図3におけるT1〜T2
間)では、一線式発熱体51の加熱状態が不安定(カー
ペット本体50が設定された加熱温度まで十分加熱され
ていない)と判定手段5がみなして、そのことを制御手
段3に知らせる。すると、制御手段3はS1に戻って上
述した電圧制御を継続する。
【0021】一方、隣接する通電入切周期T(X),(X+1)
において入時間tON(X),tON(X+1)が互いに等しいと判
断された場合では、一線式発熱体51の加熱状態が安定
(カーペット本体50が設定された加熱温度まで十分加
熱された)と判定手段5がみなして、そのことを制御手
段3に知らせる。すると、制御手段3は、スイッチング
手段2の入切制御を上述した電圧制御から、通電入切周
期Tによる制御(以下、時間制御と称す)に切り換える
(S3)。
【0022】なお、一線式発熱体51の加熱状態を安定
したと判定する方法としては、上記の他、次のようなも
のでもよい。すなわち、 ・単位時間当たりの通電時間(入時間tONの合計)が安
定する、 ・通電入切周期Tが安定する、 ・隣接する通電入切周期において、その通電入切周期T
(X),T(X+1)と、入時間tON(X),tON(X+1)とが両方と
も安定する、 ・単位時間当たりのスイッチング手段2の入切回数が安
定する、 ・単位時間当たりの両端電圧Vの変化量(勾配)が安定
する、といった状態になれば、一線式発熱体51の加熱
状態が安定したと判定してもよい。
【0023】一方、上述した時間制御とは、次のような
ものをいう。すなわち、電圧制御を行った状態におい
て、判定手段5が最終的に加熱状態が安定したと判断す
ると、そのとき通電入切周期Tとそのときの入時間tON
(図3におけるT(X+1)およびtON(X+1))とを安定通電
周期(T(B),tON(B))として制御手段3が記憶し、そ
の安定通電周期(T(B),tON(B))に基づいてスイッチ
ング手段2を入切制御する。
【0024】したがって、時間制御に切り替われば、加
熱が安定している状態における安定通電入切周期T(B)
(安定入時間tON(B)を含む)に基づいた通電制御にな
るので、一線式発熱体51は、安定した加熱状態を維持
することができる。
【0025】なお、安定通電入切周期T(B)(安定入時
間tON(B)を含む)の設定方法としては、この他、制御
手段3において、環境温度および設定加熱温度等を変数
とした安定通電入切周期T(B)の換算式を記憶してお
き、図示しない温度センサで電気カーペットの環境温度
を測定したうえで、測定した環境温度と操作部6を介し
て設定された設定加熱温度とを制御手段3で記憶してい
る換算式に代入して安定通電入切周期T(B)を算出する
ようにしてもよい。
【0026】制御手段3は時間制御を行いつつ、次のよ
うな監視を行う。すなわち、時間制御は、安定通電入切
周期T(B)(安定入時間tON(B)を含む)に基づいた通電
制御であるため、各安定通電入切周期T(B)における安
定入時間tON(B)が経過すれば、検知線56の両端電圧
Vは、理論上、上限値VOFF(n)に到達することになる。
しかしながら、電気カーペット上に座布団等の断熱材が
載置されていると、断熱材が載置された断熱領域の放熱
が不十分となるために、検知線56の両端電圧Vは、安
定入時間tON(B)が経過する以前に上限値VOFF(n)に到
達してしまうことになる。そこで、測定部4で測定した
検知線56の両端電圧Vを制御手段3で監視しておき、
両端電圧Vが上限値VOFF(n)に到達するまでに要する入
時間(以下、上限値到達時間VtOFF(n)という:図4参
照)を測定し、上限値到達時間VtOFF(n)と設定してお
いた安定入時間tON(B)とを比較する(S4)。
【0027】そして、S4で上限値到達時間VtOFF(n)
が安定入時間tON(B)より短い(VtOFF(n)<tON(B)
と判断された場合は、電気カーペット上に座布団等の断
熱材が載置されているとみなして、通電入切周期T(B)
を更新する(S5)。
【0028】通電入切周期T(B)の更新とは、図4に示
すように、安定通電入切周期T(B)を増減することな
く、安定入時間tON(B)を(tON(B)→tON(B-1)→t
ON(B-2)→tON(B-3)→tON(B-n))といったように所定
時間だけ徐々に短縮する、換言すれば、安定通電入切周
期T(B)を増減することなく、安定切時間tOFF(B)(安
定通電入切周期T(B)における無通電時間)を所定時間
だけ徐々に延長することで、デューティ比を下げること
をいう。
【0029】このような安定通電入切周期T(B)の更新
を繰り返し行いつつ、更新した安定通電入切周期T
(B-n)でスイッチング手段2を入切制御する、すなわ
ち、S3,S4,S5で構成されるループ状の制御を繰
り返して通電入切周期T(B)を更新することで、一線式
発熱体51はその発熱量が徐々に低下するとともに放熱
量が徐々に増加し、電気カーペットの温度は下がってい
くことになる。
【0030】一方、S4で上限値到達時間Vt
OFF(n)が、更新された安定入時間tON(B-n)と同等、も
しくはそれ以上の長さ(VtOFF(n)≧tON(B-n))と判
断された場合には、断熱材が電気カーペット上から取り
除かれた可能性があるとして、次の判断に移る。
【0031】すなわち、上限値到達時間VtOFF(n)が、
更新した安定入時間tON(B-n)と同等、もしくはそれ以
上の長さ(VtOFF(n)≧tON(B-n))となった場合、制
御手段3は、各通電入切周期T(B)における両端電圧V
が上限値VOFF(n)の許容領域Wtに達するか否かを監視
する。許容領域Wtとは、上限値VOFF(n)を天井値とし
て、上限値VOFF(n)より所定の値だけ低い値を底値V
OFF(n)’(VOFF(n)’>VON(n))とした領域をいい、
上記した監視行為をさらに具体的いえば、両端電圧Vが
底値VOFF(n)’に達する(V≧VOFF(n)’)か否かを監
視することをいう(S6)。
【0032】そして、S6で図5に示すように、両端電
圧Vが底値VOFF(n)’に達しない(V<VOFF(n)’)判
断された場合は、前記した断熱材が取り除かれたとみな
して、S1に戻る。すなわち、スイッチング手段2の入
切制御を電圧制御に戻す。一方、両端電圧Vが底値V
OFF(n)’に達する(V≧VOFF(n)’)と判断された場合
には、電気カーペット上に局部的に載置されていた断熱
材が取り除かれていないとみなして、今度は、設定温度
を下げるか否かの判断に移る。
【0033】S6で電気カーペット上に局部的に載置さ
れていた断熱材が取り除かれていないと判断されると、
各通電入切周期T(B)が終了する前に、両端電圧Vが下
限値VON(n)の許容領域Wbを越えて下降するか否かを
監視する。許容領域Wbとは、下限値VON(n)を天井値
として、下限値VON(n)より所定の値だけ低い値を底値
ON(n)’とした領域をいい、上記した監視行為をさら
に具体的いえば、両端電圧Vが底値VON(n)’に達する
(V≦VON(n)’)か否かを監視することをいう(S
7)。
【0034】そして、S7で各通電入切周期T(B)が終
了する前に、両端電圧Vが底値VON(n)’に達しない
(V>VON(n)’)と判断された場合には、S3に戻
る。すなわち、断熱領域の温度はそれほど下がっていな
いとみなして、前回設定した設定温度に基づいた上下限
値VOFF(n)、VON(n)の下でのスイッチング手段2の時
間制御を継続する。
【0035】一方、S7で各通電入切周期T(B)が終了
する前に、両端電圧Vが底値VON(n)’に達する(V≦
ON(n)’)と判断された場合は、入時間tONがどんど
ん短縮されたために、切時間が極端に長くなった状態、
つまり前記した断熱材が取り除かれていない状態である
とみなして、設定温度を更新する。すなわち、一段低い
設定温度に基づいた上下限値VOFF(n-1)、VON(n-1)
制御手段3が有する図示しない記憶部から読み出す(S
8)。
【0036】S8で設定温度の更新を行った後は、更新
された設定温度に応じた上下限値VOFF(n-1),V
ON(n-1)に基づいて、スイッチング手段2を初期状態に
おける制御、すなわち、電圧制御する。
【0037】なお、S5における通電入切周期T(B)
更新方法としては、上述した他、 ・入時間tON(B)を所定時間だけ短縮するとともとに切
時間tOFF(B)を所定時間だけ延長する ・切時間tOFF(B)を増減することなく、入時間tON(B)
所定時間だけ短縮する、 ・入時間tOFF(B)を増減することなく、切時間TOFF(B)
を所定時間だけ延長する、 ・複数の通電入切周期を単位期間とし、この単位期間
を、上記した方法により設定した通電入切周期を組み合
わることで構成し、デューティ比の増減必要に応じて、
単位期間を構成する通電入切周期を変更する、といった
更新方法も同様に用いることができる。
【0038】また、上述したS6では、両端電圧Vが底
値VOFF(n)’に達しない(V<VOFF(n)’)場合は、S
1に戻る、すなわち、スイッチング手段2の入切制御を
電圧制御に戻していたが、前回設定した設定温度に基づ
いた安定通電入切周期の初期周期T(B)に戻って、スイ
ッチング手段2を入切制御してもよい。
【0039】ところで、上記した実施の形態では、電気
カーペットが局部的に断熱材で断熱された場合に、その
断熱領域が過熱された状態になることを防止する制御と
して、本発明を説明したが、この温度制御装置1を用い
れば、座布団等の断熱体が載置された領域(この領域に
使用者が位置する可能性が高い)のみを適温に加熱し、
それ以外の領域を低温加熱状態に維持することで、電力
使用量を削減して、電気カーペットのランニングコスト
を低減することも可能である。
【0040】また、上記実施の形態では、検知線56の
両端電圧Vを、発熱線54の加熱状態を示す変数として
用いていたが、発熱線54の加熱状態を示す変数として
は、この他、検知線56の抵抗でも電流でもよい。さら
には、発熱体56加熱温度、もしくはその周囲の温度を
直接前記変数として用いてもよい。前記温度を前記変数
として用いる方法としては、検知線56もしくは発熱線
の電圧、抵抗、ないし電流の値を温度(加熱温度)に換
算することが考えられる。
【0041】さらには、上述した実施の形態では、一線
式発熱体51を備えた電気カーペットの温度制御を行う
例を示したが、発熱線54と検知線56とをそれぞれ別
体に構成した二線式発熱体を備えた電気カーペットにお
いても同様に実施できるのはいうまでもない。
【0042】さらにまた、上述した実施の形態では、こ
の温度制御装置1を電気カーペットの温度制御として用
いたが、この他、電気毛布等の他の加熱装置においても
同様に用いることができるのもいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果を奏する。
【0044】請求項1の効果 判定手段によって電熱体の加熱状態が不安定であると判
定された期間は、予め設定しておいた上下限値を変数が
越えないようにスイッチング手段を入切制御し、電熱体
の加熱状態が安定していると判定された期間は、加熱安
定状態における通電入切周期に沿ってスイッチング手段
を入切制御するので、安定した加熱状態を維持すること
ができる。また、判定手段によって加熱状態が安定して
いると判定された期間において、通電入切周期における
入時間経過前に変数が上限値を越えると、通電入切周期
を更新することで電熱体が局部的に過熱状態にならない
ように抑制することがことが可能となった。そのため、
局部的な過熱を原因とする電熱体の耐久性能の劣化や破
損(断線)を防止することができる。
【0045】請求項4の効果 電熱体の加熱状態によってその電気特性を変動させる温
度検知体と、この温度検知体の電気特性、すなわち抵
抗、電圧ないし電流、もしくは電熱体の温度または電熱
体周囲の温度を変数として測定する測定部とを備えて変
数測定手段を構成するので、確実に変数を測定すること
ができるうえに、変数測定手段の構成が複雑化すること
なく簡単になってコストダウンも図れる。
【0046】請求項5の効果 制御手段は、判定手段によって電熱体の加熱状態が安定
したと判定された時点での通電入切周期を加熱安定状態
における通電入切周期として用いるので、簡単にしかも
確実に加熱安定状態における通電入切周期を得ることが
できる。
【0047】請求項6の効果 判定手段によって加熱状態が安定していると判定された
期間において、通電入切周期における入時間経過前に変
数が上限値を越えると、電熱体上に局部的に断熱体が載
置されたと判断して、通電入切周期を増減することなく
入時間を短縮したり、切時間を増減することなく入時間
を短縮したり、入時間を増減することなく切時間を延長
したり、入時間を短縮させるとともに切時間を延長する
ことで、簡単にしかも確実に通電入切周期を更新するこ
とができ、また、通電入切周期を更新することで、電熱
体が局部的に過熱状態にならないように抑制することが
ことが可能となった。そのため、局部的な過熱を原因と
する電熱体の耐久性能の劣化や破損(断線)を防止する
ことができる。
【0048】また、電熱体上に局部的に断熱体が載置さ
れた場合に、断熱体が載置された領域(この領域に使用
者が位置する可能性が高い)を適温状態に加熱して、そ
の以外の領域を低温状態に維持することも可能となり、
そうすれば、電熱体の電力使用量を削減して、ランニン
グコストを低減することができる。
【0049】請求項の効果判定手段によって加熱状態が安定していると判定された
期間において、入時間経過後も変数が上限値の許容領域
に達しない場合は、電熱体上に局部的に載置されていた
断熱材が取り除かれたと判断して、スイッチング手段の
制御を、加熱状態が安定しない期間に応じた制御に切り
換える、もしくは、加熱状態が安定した期間における制
御の初期設定に戻すので、断熱体がなくなった場合であ
っても、それに応じて電熱体を適温に温度制御すること
ができ、その分、温度制御の精度が向上する。
【0050】請求項の効果判定手段によって加熱状態が安定していると判定された
期間において、切時間が経過する前に、変数が下限値の
許容領域の底値に達する場合は、断熱体は載置されたま
まで、断熱体が載置された領域の温度が若干下がったと
判断して、上下限値を下方側に移行させる、すなわち、
設定温度を更新するので、断熱体が載置されたままであ
っても、それに応じて電熱体を適温に温度制御すること
ができ、その分、さらに温度制御の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る温度制御装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の温度制御装置による温度制御方法
の手順を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態の温度制御装置による温度制御方法
における検知線の両端電圧の変化を示す線図である。
【図4】実施の形態の温度制御装置による温度制御方法
における検知線の両端電圧の変化を示す線図である。
【図5】実施の形態の温度制御装置による温度制御方法
における検知線の両端電圧の変化を示す線図である。
【図6】実施の形態の温度制御装置による温度制御方法
における検知線の両端電圧の変化を示す線図である。
【図7】本発明の温度制御装置が適用される電気カーペ
ットの構成を示す平面図である。
【図8】電気カーペットを構成する一線式発熱体の構成
を示す側面図である。
【符号の説明】
2 スイッチング手段 3 制御手段 4 測定部 5 判定手段 51 一線式発熱体 54 発熱線 56 検知線 V 両端電圧 T(n) 通電入切周期 tON(n) 入時間 VOFF(n) 上限値 VON(n) 下限値 VtOFF(n) 上限値到達時間 T(B) 安定通電入切周期 tON(B) 安定入時間 tOFF(B) 安定切時間 Wt 上限値VOFF(n)の許容領域 VOFF(n)' 許容領域Wtの底値 Wb 下限値VON(n)の許容領域 VON(B)’ 許容領域Wbの底値

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電熱体への通電を入切するスイッチング
    手段と、 電熱体の加熱状態を示す変数を測定する変数測定手段
    と、 電熱体の加熱状態が安定したか否かを判定する判定手段
    と、 前記判定手段によって電熱体の加熱状態が不安定である
    と判定された期間は、前記変数が予め設定しておいた上
    下限値を越えないように前記スイッチング手段を入切制
    御する一方、前記判定手段によって電熱体の加熱状態が
    安定していると判定された期間は、加熱安定状態におけ
    る通電入切周期に沿って前記スイッチング手段を入切制
    御する制御を含む制御手段とを備え、前記制御手段は、
    加えて前記判定手段によって加熱状態が安定していると
    判定された期間において、前記通電入切周期における入
    時間経過前に前記変数が前記上限値を越えると、前記通
    電入切周期を更新する制御を含むことを特徴とする温度
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記スイッチング手段
    の通電入切周期が安定すると電熱体の加熱状態が安定し
    たと判定するものであることを特徴とする請求項1記載
    の温度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、単位時間あたりの通電
    時間が安定すると電熱体の加熱状態が安定したと判定す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の温度制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記変数測定手段は、電熱体の加熱状態
    によってその電気特性を変動させる温度検知体と、この
    温度検知体の電気特性を前記変数として測定する測定部
    とを備えていることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか記載の温度制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記判定手段によって
    電熱体の加熱状態が安定したと判定された時点での通電
    入切周期を加熱安定状態における通電入切周期として用
    いるものであることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか記載の温度制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、加えて前記通電入切周
    期を増減することなく前記入時間を短縮させることで、
    前記通電入切周期の更新を行う制御を含むことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか記載の温度制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、加えて前記入時間を短
    縮するとともとに前記切時間を延長することで前記通電
    入切周期の更新を行う制御を含むことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか記載の温度制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、加えて前記判定手段に
    よって加熱状態が安定していると判定された期間におい
    て、前記入時間経過後も前記変数が前記上限値の許容領
    域に達しない場合は、前記スイッチング手段の制御を、
    加熱状態が安定しない期間に応じた制御に切り換える、
    もしくは、加熱状態が安定した期間における制御の初期
    設定に戻す制御を含むことを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか記載の温度制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、加えて前記判定手段に
    よって加熱状態が安定していると判定された期間におい
    て、前記切時間が経過する前に、前記変数が前記下限値
    の許容領域の底値に達する場合は、前記上下限値を下方
    側に移行させる制御を含むことを特徴とする請求項1な
    いし8のいずれか記載の温度制御装置。
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