JP3289802B2 - 半透明ポリプロピレン積層シートおよびその製造方法 - Google Patents

半透明ポリプロピレン積層シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半透明ポリプロピレン積
層シートおよびその製造方法に関し、詳しくは、少なく
とも片面にシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
物を積層してなる半透明ポリプロピレン積層シートおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは安価で機械的特性、耐
湿性、耐熱性が優れており、透明性も比較的良好である
ことから各種の用途に使用されている。また表面光沢も
良好で光沢感の求められている分野には用いられてい
る。一方表面の光沢があることが好ましくない製品もあ
り、その様な用途には表面の艶を消すためポリプロピレ
ンと相溶性の悪いポリエチレンや熱可塑性樹脂を添加し
て半透明化する方法が行われている。表面の艶を消した
ポリプロピレンの半透明フィルムやシートの原料はアイ
ソタクチックポリプロピレンが用いられており、半透明
といっても樹脂そのものの透明性が低く、また半透明に
するためポリプロピレンと相溶性の悪いポリエチレンや
熱可塑性樹脂を添加して半透明化するため白っぽい濁っ
た感じのシートしか得られなかった。その様な欠点を改
良するためにシートの表面のみを特殊な加工方法で加工
することも検討されているが、充分な性能を有するシー
トは得られていなかった。また、シートを積層して表面
層のみにポリプロピレンと相溶性の悪いポリエチレンや
熱可塑性樹脂を添加した樹脂組成物を用いる方法も知ら
れているが充分な性能ではない。
【0003】一方、高立体規則性のシンジオタクチック
ポリプロピレンはカミンスキー触媒と呼ばれるメタロセ
ン触媒の一種を用いて合成する(特開平2−41303
号公報)ことができることが知られており、その成形体
は透明性に優れ、しかも比較的柔らかいポリプロピレン
としての性質を有する。この方法で合成されたシンジオ
タクティックポリプロピレンの成形加工特性はまだ充分
わかっておらず、所望の透明感や光沢感をだすための検
討がなされており、たとえば透明性、表面光沢に優れた
軟質のフィルムやシートとしてその用途が期待されてい
る。また特開平4−25514号公報には本出願人によ
るプロピレン単位が実質的にシンジオタクチック構造を
有しているプロピレン/ジエン共重合体およびその製造
方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シートの表面のみを特
殊な加工方法で加工する方法ではコストがかかるだけで
なく、充分な性能を有する物が得られない。またシート
を積層して表面層のみにポリプロピレンと相溶性の悪い
ポリエチレンや熱可塑性樹脂を添加した樹脂組成物を用
いる方法でも良好な性質のシートが得られない。シンジ
オタクチックポリプロピレンは樹脂自体の透明性が非常
に良好で表面光沢に優れたシートが得られるが、逆に光
沢を下げて、半透明のシートを成形できれば有用であ
る。樹脂自体の透明性を損なうことなく表面の艶を消し
た半透明のフィルムやシートの製造が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して半透明ポリプロピレン積層シートを得るために
鋭意検討したところ、特定のシンジオタクチックポリプ
ロピレン樹脂組成物をポリプロピレン積層シートの少な
くとも1つの表面に積層成形することにより樹脂自体の
透明性を損なわずに機械的特性に優れた表面の艶を消し
たシートが得られることを見いだし本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、アイソタクチックポリプロ
ピレンからなる基材層の少なくとも片面に、シンジオタ
クチックペンタッド分率が0.6 以上の結晶性ポリプロピ
レンが20重量%ないし80重量%と、プロピレンと両末端
にビニル基を有するα−ωジエンとの共重合体が80重量
%ないし20重量%よりなるシンジオタクチックポリプロ
ピレン樹脂組成物からなる積材層を積層してなることを
特徴とする半透明ポリプロピレン積層シートである。ま
た本発明は、アイソタクチックポリプロピレンからなる
基材層の少なくとも片面に、シンジオタクチックペンタ
ッド分率が0.6以上の結晶性ポリプロピレンが20重量%
ないし80重量%と、プロピレンと両末端にビニル基を有
するα−ωジエンとの共重合体が80重量%ないし20重量
%よりなるシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
物からなる積材層を積層することを特徴とする半透明ポ
リプロピレン積層シートの製造方法である。
【0007】本発明において基材層として使用されるア
イソタクチックポリプロピレンとしては公知のプロピレ
ン単独重合体、あるいはエチレン−プロピレンブロック
共重合体及び結晶性エチレン−プロピレンランダム共重
合体等の他のオレフィンとのランダム共重合体やブロッ
ク共重合体であつてもよく、工業的にポリオレフィンを
製造する方法で或いは市場で広く入手できるものが支障
なく使用できる。このアイソタクチックポリプロピレン
の分子量としては、135 ℃のテトラリン溶液で測定した
極限粘度数〔η〕として0.1 〜20dl/g程度、他のオ
レフィンの含量としては0〜50重量%である。
【0008】これらアイソタクチックポリプロピレンを
製造する方法としては、重合に用いる触媒は、例えば、
三塩化チタン触媒あるいはマグネシウム化合物に三塩化
チタンや四塩化チタンなどのチタン化合物を担持した触
媒成分に、アルキルアルミニウムを助触媒成分とする担
体触媒等が用いられる。さらにジシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロリドとアルミノキサンの組み合わせ
で代表されるようなシクロペンタジエニル化合物を配位
子とする周期律表第3族、第4族、第5族の金属錯体と
アルミノキサン化合物よりなる触媒、あるいはシクロペ
ンタジエニル化合物を配位子とする周期律表第3族、第
4族、第5族の金属カチオン錯体を触媒として用いる均
一系の触媒も利用できる。
【0009】その重合方法は溶媒重合法あるいは実質的
に溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法などの従来
の方法が利用でき、また重合条件についても特に制限は
なく通常、反応温度は常温〜200 ℃、圧力が常圧〜50kg
/cm2 で行われる。
【0010】本発明において用いられるシンジオタクチ
ックペンタッド分率が 0.6以上の結晶性ポリプロピレン
(以下、シンジオタクチックポリプロピレンと記す。)
としては、結晶性である限りプロピレンの単独重合体の
みならずプロピレンとエチレン、ブテン-1、ヘキセン-1
等の他のオレフィンとのランダム共重合体やブロック共
重合体であつてもよい。このシンジオタクチックポリプ
ロピレンの分子量としては、135 ℃のテトラリン溶液で
測定した極限粘度数〔η〕として0.1 〜20dl/g程度、
他のオレフィンの含量としては0〜50重量%である。
【0011】これらシンジオタクチックポリプロピレン
の製造方法としては非対称な配位子を有する遷移金属化
合物とアルミノキサンからなる触媒を用いてプロピレン
を重合する方法(特開平2−41303号公報)が知ら
れているが、触媒が異なっていてもシンジオタクチック
ペンタッド分率が 0.6を越えるシンジオタクチックポリ
プロピレンの製造方法であれば良く、いずれの方法で合
成されたものでも使用できる。
【0012】本発明において用いられるプロピレンと両
末端にビニル基を有するα−ωジエンとの共重合体(以
下、プロピレン/ジエン共重合体と記す。)は、1,2,4-
トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMR においてテ
トラメトキシシランを基準として約20.2 ppmに観測され
るピーク強度がプロピレンのメチル基に帰属される全ピ
ーク強度の 0.6以上であり、このような構造を有する共
重合体の製造は、特開平4−25514号公報に記載し
ているように上記のシンジオタクチックポリプロピレン
を製造する方法とほぼ同様にしてプロピレンと両末端に
ビニル基を有するα−ωジエンとを共重合して得られ
る。この重合方法としては溶媒重合法あるいは実質的に
溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法などの従来の
方法が利用でき、また重合条件についても特に制限はな
く通常、反応温度は常温〜200 ℃、圧力が常圧〜50kg/
cm2 で行われる。
【0013】ここで用いられるα−ωジエンとしては両
末端にビニル基を有するジエン化合物であれば直鎖でも
分岐があってもよく、酸素、硫黄、硼素、等のヘテロ原
子や原子団を含んでいてもよい。例えば、1,3-ブタジエ
ン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタ
ジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカ
ジエン、1,10- ウンデカジエン、1,11- ドデカジエン、
1,13- テトラデカジエン、ジビニルベンゼンなどが例示
される。
【0014】このようにして得られるプロピレン/ジエ
ン共重合体は、ランダム共重合体またはブロック共重合
体であつてもよい。この共重合体の分子量としては、13
5 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕とし
て0.1 〜10dl/g程度が好ましい。また、該共重合体にお
けるプロピレン連鎖部分の1,2,4-トリクロロベンゼン溶
液で測定した13C-NMR においてテトラメトキシシランを
基準として約20.2 ppmに観測されるピーク強度がプロピ
レンのメチル基に帰属される全ピーク強度の 0.6以上で
ある。約20.2 ppmに観測されるピーク強度がプロピレン
のメチル基に帰属される全ピーク強度の 0.6よりも小さ
い共重合体はポリプロピレン単位の立体規則性が低いも
のであり、ポリオレフィンの剛性と耐衝撃性のバランス
が悪くなり、結晶化速度も遅くなるため成形性が悪くな
るので好ましくない。
【0015】本発明のシンジオタクチックポリプロピレ
ン樹脂組成物は、沸騰パラキシレン不溶分が1重量%以
下のプロピレン/ジエン共重合体を用いることを特徴と
している。沸騰パラキシレン不溶分が1重量%を越える
共重合体、すなわち架橋したゲル分が1重量%よりも多
いとシンジオタクチックポリプロピレンとの混合が均一
にできず、外観が不良になるばかりでなく、ゲルが成型
品中に存在するため、結果として均一な表面の艶消し効
果が発現しなくなるので好ましくない。
【0016】シンジオタクチックポリプロピレン樹脂組
成物におけるシンジオタクチックポリプロピレンとプロ
ピレン/ジエン共重合体との混合割合は、シンジオタク
チックポリプロピレン20重量%ないし80重量%と、プロ
ピレン/ジエン共重合体80重量%ないし20重量%であ
る。ここでシンジオタクチックポリプロピレンの混合割
合が20重量%よりも少ないと表面の艶消し効果が小さ
く、80重量%を越えて用いてもそれ以上の効果の向上は
期待できない。
【0017】上記各成分の混合、あるいは必要に応じ添
加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止
剤、あるいは他の核剤など公知の添加剤との混合方法に
ついては特に制限は無く、それぞれの成分をヘンシェル
ミキサー、V型ブレンダー等で混合後、押出機あるいは
ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混合し
一度造粒してペレット状にしておくことが好ましい。
【0018】上述のようにして得られたシンジオタクチ
ックポリプロピレン樹脂組成物からなる積材層をアイソ
タクチックポリプロピレンからなる基材層の少なくとも
片面に積層することで半透明なポリプロピレン積層シー
トが製造でき、本発明における目的を達成することがで
きる。
【0019】このようにして得られる積層シートの全ヘ
イズが50%以上であることから、本発明の半透明ポリプ
ロピレン積層シートとして用いることができる。また、
シンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物を積層し
た積材層表面の中心面平均粗さが 0.1μmないし1.0 μ
mであることも本発明の特徴の一つである。この積材層
表面の中心面平均粗さが 0.1μmに満たないとヘイズ値
が小さくなって半透明感がなく、また1.0 μmを越える
とヘイズ値は大きくなるものの積材層表面が不均一にな
り好ましくない。
【0020】本発明の積層シートの製造方法としては公
知の方法が用いられる。例えばシンジオタクチックポリ
プロピレン樹脂組成物(積材層)とアイソタクチックポ
リプロピレン(基材層)をそれぞれ独立した押出機によ
りダイヘッドで合流させて同時に押出し積層する。ここ
で使用されるダイとしては多層フィルム用ダイや多層シ
ート用ダイが使用され、さらに別々のダイで押し出して
おいてダイ外で積層することも可能である。さらに3層
以上の積層体も製造することもできる。本発明の積層シ
ートにさらに酸素等のガスや香気成分に対する耐透過性
を付与する場合にはさらにビニルアルコール共重合体や
ナイロン等を積層することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに説明す
る。
【0022】実施例1 〔プロピレン/ジエン共重合体の合成〕内容積2リット
ルのステンレス製オートクレーブにトルエン1リットル
を入れ、さらにメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ
社製、重合度16.2)0.64gと1,9-デカジエン5.3 gを装
入した。さらに20℃でプロピレンガスを導入して3kg/
cm2-G として、常法にしたがって合成したイソプロピル
(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド2mgを10mlのトルエンに
溶解した溶液を加えて、20℃で2時間重合した。
【0023】重合終了後、未反応のプロピレンをパージ
してポリマーをろ過して取り出し、80℃で8時間真空乾
燥して秤量したところ145.6 gのプロピレン/1,9-デカ
ジエン共重合体(以下、共重合体aと記す。)を得た。
重合前後の反応液の組成をガスクロマトグラフで分析し
て1,9-デカジエンの反応量を計算すると2.1 gであっ
た。沸騰パラキシレン可溶分は99.5%であり、ゲルは生
成していなかった。
【0024】1H-NMRでは末端ビニル基のシグナルが6pp
m 付近に観測され、その量は約0.2重量%であり、ほと
んどの二重結合は反応しているものと考えられる。また
1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NMR にお
いてテトラメトキシシランを基準として約20.2 ppmに観
測されるピーク強度はプロピレンのメチル基に帰属され
る全ピーク強度の比(以下、シンジオタクチックペンタ
ッド分率と記す。)は0.92であり、135 ℃テトラリン溶
液で測定した極限粘度数(以下、〔η〕と記す。)は1.
36、1,2,4-トリクロロベンゼンで測定した重量平均分子
量と数平均分子量との比(以下、MW/MN と記す)は8.6
であった。
【0025】〔シンジオタクチックポリプロピレンの製
造〕内容積 200リットルのステンレス製オートクレーブ
にトルエン 100リットルを入れ、さらにメチルアルミノ
キサン(東ソー・アクゾ社製、重合度16.2)64gを装入
した。さらに20℃でプロピレンガスを導入して3kg/cm
2-G としてイソプロピル(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.2gを1リットル
のトルエンに溶解した溶液を加えて、20℃で2時間重合
した。重合終了後、未反応のプロピレンをパージしてポ
リマーをろ過して取り出し、80℃で8時間真空乾燥して
秤量したところ15.6 kgのシンジオタクチックポリプロ
ピレンを得た。シンジオタクチックペンタッド分率は0.
91であり、〔η〕は1.05、MW/MN は2.2 であった。
【0026】〔シンジオタクチックポリプロピレン樹脂
組成物および積層シートの製造〕上記で得たシンジオタ
クチックポリプロピレン100 重量部に対し共重合体aを
40重量部の割合で加え、さらに酸化防止剤 0.1重量部を
加えヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で 230℃
で加熱混合しシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組
成物を得た。この組成物とアイソタクチックポリプロピ
レン(三井東圧化学株式会社製、JS−G、〔η〕が
2.1dl/g) を用いてそれぞれ独立した20mmφ押出機に供
給して、210 ℃および230 ℃で2層Tダイにより押出
し、ロール温度30℃、引取速度3m/分で積層シートと
した。このシートの厚みはシンジオタクチックポリプロ
ピレン樹脂組成物層が10μm、アイソタクチックポリプ
ロピレン層が30μmであった。シートの成形性は良好で
あり結果は(表1)に示す。シートヘイズはASTM
D1003、表面粗さはJIS B0601に準じて粗
さ測定器(小坂研究所RA−40A)を用いて中心面平
均粗さを求めた。
【0027】実施例2 実施例1においてシンジオタクチックポリプロピレン10
0 重量部に対し共重合体aを100 重量部の割合で加えた
他は実施例1と同様にして積層シートを成形した。成形
性は良好であり結果は(表1)に示す。
【0028】比較例1 アイソタクチックポリプロピレン(三井東圧化学株式会
社製、JS−G、〔η〕が 2.1dl/g) だけを用いて、押
出温度 230℃、引取速度3m/分で単層シートの成形を
行い、厚さ40μmのシートを得た。物性を測定した結果
を(表1)に示す。
【0029】実施例3 プロピレン/ジエン共重合体の合成において、イソプロ
ピル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフル
オレニル)ジルコニウムジクロリド2mgに代えイソプロ
ピリデン(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド5mgを用い、1,9-デカジエン5.3 gに
代え1,7-オクタジエン 3.2gを用いてメチルアルミノキ
サンの量を1.44gとした他は実施例1と同様にして共重
合を行ったところ114.5 gのプロピレン/1,7-オクタジ
エン共重合体(以下、共重合体bと記す。)を得た。重
合前後の反応液の組成をガスクロマトグラフで分析して
1,7-オクタジエンの反応量を計算すると1.85gであっ
た。沸騰パラキシレン可溶分は99.5%であり、ゲルは生
成していなかった。
【0030】1H-NMRでは末端ビニル基のシグナルが6pp
m 付近に観測され、その量は約 0.3重量%であり、ほと
んどの二重結合は反応しているものと考えられる。また
シンジオタクチックペンタッド分率0.86であり、〔η〕
は1.38、MW/MN は8.4 であった。さらにこの共重合体b
を実施例1で得たシンジオタクチックポリプロピレン10
0 重量部に対し、100 重量部の割合で用いた他は実施例
1と同様に行った。結果は(表1)に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は、従来公知の艶消しポリプロピ
レンシートに比較して濁り感のない半透明シートを提供
することが可能となり工業的に極めて価値がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイソタクチックポリプロピレンからなる
    基材層の少なくとも片面に、シンジオタクチックペンタ
    ッド分率が0.6 以上の結晶性ポリプロピレンが20重量%
    ないし80重量%と、プロピレンと両末端にビニル基を有
    するα−ωジエンとの共重合体が80重量%ないし20重量
    %よりなるシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
    物からなる積材層を積層してなることを特徴とする半透
    明ポリプロピレン積層シート。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン積層シートの全ヘイズが50
    %以上で、かつシンジオタクチックポリプロピレン樹脂
    組成物を積層した積材層表面の中心面平均粗さが 0.1μ
    mないし1.0 μmである請求項1記載の半透明ポリプロ
    ピレン積層シート。
  3. 【請求項3】プロピレンと両末端にビニル基を有するα
    −ωジエンとの共重合体が、1,2,4-トリクロロベンゼン
    溶液で測定した13C-NMR においてテトラメトキシシラン
    を基準として約20.2 ppmに観測されるピーク強度がプロ
    ピレンのメチル基に帰属される全ピーク強度の 0.6以上
    であり、沸騰パラキシレン不溶分が1重量%以下で、 1
    35℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕が0.
    1 ないし10dl/gの範囲にあるプロピレン/ジエン共重
    合体である請求項1記載の半透明ポリプロピレン積層シ
    ート。
  4. 【請求項4】アイソタクチックポリプロピレンからなる
    基材層の少なくとも片面に、シンジオタクチックペンタ
    ッド分率が0.6 以上の結晶性ポリプロピレンが20重量%
    ないし80重量%と、プロピレンと両末端にビニル基を有
    するα−ωジエンとの共重合体が80重量%ないし20重量
    %よりなるシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
    物からなる積材層を積層することを特徴とする半透明ポ
    リプロピレン積層シートの製造方法。
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