JP3276514B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP3276514B2
JP3276514B2 JP20800894A JP20800894A JP3276514B2 JP 3276514 B2 JP3276514 B2 JP 3276514B2 JP 20800894 A JP20800894 A JP 20800894A JP 20800894 A JP20800894 A JP 20800894A JP 3276514 B2 JP3276514 B2 JP 3276514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製造工程の一部にあって
は、被処理体としての半導体ウエハに対して各種の処
理、例えばプラズマエッチング等を施すために例えばプ
ラズマ処理装置が用いられている。この種のプラズマ処
理装置にあっては、例えば2枚の平板状の電極を平行に
処理容器内に位置させ、これらの間にプラズマ発生用の
高周波電源から例えば13.56MHzの高周波電圧を
印加することによりプラズマを発生させ、これによりウ
エハ表面にエッチング等の処理を施すようになってい
る。
【0003】上述のような平行平板電極間に発生したプ
ラズマは、電界が一方の電極から他方の電極に向けられ
た交番電界となることからこの電界に沿って電子が吸引
されて気体分子と衝突し、これにより活性種が発生し、
この活性種がウエハ表面と衝突してエッチングが行われ
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体製品
の高密度化、例えばDRAMに例をとれば4M、16M
ビットの記憶容量から64M、256Mビットの記憶容
量へ移行するに従って、更に細かな微細加工が要求され
ており、そのために、エッチング等の方向性を向上する
ために低い圧力領域でプラズマを発生させることが求め
られている。
【0005】しかしながら、上述したような平行平板電
極型のプラズマ処理装置にあっては、電極間に形成され
る静電容量による結合回路であるために両電極間に電界
は発生するが磁界が発生し難く、そのために磁場による
プラズマの閉じ込めが十分ではないことからプラズマの
圧力領域は1×10-2Torr以上となり、比較的圧力
が高かった。そのために、エッチングを行う時の活性種
が気体分子の散乱を受けやすくなって方向性が劣化し、
64Mや256MビットDRAM等において必要とされ
る、形状のシャープなエッチング加工を施すことができ
ないという問題点があった。
【0006】また、このようにエッチング圧力が高いと
エッチングによって発生した副生成物も十分に排出する
ことができず、このためにエッチング形状が一層劣化す
るのみならず、エッチングレートも劣化してしまうとい
う問題点も発生していた。また、プラズマ処理装置を用
いて例えば層間絶縁膜を堆積するためにプラズマCVD
処理を行う場合には、ウエハを比較的温度の高い、例え
ば400℃程度まで加熱するが、サセプタ上にウエハを
吸着保持する静電チャックは、一般的には耐熱性のあま
り高くない、例えば最大耐熱温度が約150℃のポリイ
ミド樹脂を用いているため、プロセス温度をあまり高く
できなくて、プラズマ電力も十分に加えることができな
いという問題もあった。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、アンテナ部材のインダクタンスによる誘導結
合と、アンテナ部材と処理容器或いはサセプタとの間の
容量結合とを組み合わせることにより1×10-3Tor
r以下の低圧力でもプラズマを発生させることができる
プラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上記問題
点を解決するために、気密な処理容器内にてサセプタ上
に載置された被処理体に対してプラズマ処理を施すプラ
ズマ処理装置において、前記処理容器内に、前記サセプ
タと対向する位置にアンテナ部材を配置し、このアンテ
ナ部材にプラズマ発生用の高周波電源を接続するように
構成したものである。
【0009】第2の発明は、上記問題点を解決するため
に、気密な処理容器内にてサセプタ上に載置された被処
理体に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置にお
いて、前記処理容器の天井部を、電波を透過する誘電体
により形成すると共に少なくとも前記天井部の内面側を
セラミック材により形成し、前記天井部の上面側に前記
サセプタと対向するようにアンテナ部材を配置し、この
アンテナ部材にプラズマ発生用の高周波電源を接続する
ように構成したものである。このセラミッ材としてはA
lNを用いることが好ましく、また、誘電体としては石
英或いはAlNを用いることができる。
【0010】また、サセプタ上に被処理体を吸着保持す
る静電チャックとしては、導電性薄膜をSiCにより被
覆してなる静電チャックを用いることができる。また、
このサセプタには、バイアス電圧源を接続して、1MH
z〜10MHzの範囲内の周波数のバイアス電圧を印加
することができる。更には、処理容器内を真空引きする
真空排気系には反応生成物を除去するコールドトラップ
を設けることもできる。
【0011】
【作用】第1の発明は、以上のように構成したので、処
理容器内においてサセプタと対向して配置されたアンテ
ナ部材に高周波電源を接続して高周波電圧を印加するこ
とにより、アンテナ部材からの電波及びアンテナ部材と
処理容器との間の電界の作用により処理容器内にプラズ
マが発生することになる。このプラズマは従来装置にお
いては発生し得なかった1×10-3Torr以下の低圧
力状態においても発生し、このため、例えばエッチング
時の方向性を改善して異方性に優れたエッチングが可能
となる。特に、アンテナ部材を処理容器内に収容したの
でアンテナ部材を被処理体と可能な限り接近させて設け
ることができ、効率良く電力を印加してプラズマの高密
度化及びプラズマの生成効率を高めることができる。
【0012】第2の発明は、処理容器の天井部の上面側
にアンテナ部材を配置して、これからの電波を天井部に
透過させて処理容器内へ導入させるようにしたので、こ
の電磁波の誘導作用により密度の濃いプラズマを発生さ
せることができる。従って、プラズマ処理、例えばプラ
ズマCVD処理を効率的に行うことができる。
【0013】また、天井部の少なくともプラズマに晒さ
れる内側面をAlN材により構成することにより、この
AlN材は例えば石英等より耐熱性及び耐腐食性が大き
いので、耐熱性及び耐腐食性を向上できるのみならず、
クリーニング時に削られる量も大幅に抑制することがで
きる。
【0014】また、SiNで被覆した静電チャックを用
いた場合には、これは耐熱性が非常に優れていることか
ら、十分なプラズマ電力を供給でき高いプロセス温度で
プラズマCVD処理を行うことができる。また、SiC
チャックを用いることにより、プラズマに対するサセプ
タ或いは被処理体の電位差を大きくしてイオンの引き込
みが強くなり、その結果、CVD時の垂直堆積効率が良
くなってボイド等の発生を抑制することができる。特
に、この時、サセプタに1MHz〜10MHzの範囲内
の周波数のバイアス電圧を印加することにより、このボ
イドの発生を一層抑制することが可能となる。
【0015】更には、真空排気系にコールドトラップを
設けることにより、例えばプラズマCVD処理時に生成
した反応生成物が排気ガス中に含まれていてもこれを除
去することができ、従って例えば真空ポンプ等に悪影響
を与えることを防止することができる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明に係るプラズマ処理装置の一
実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は第1の発
明に係るプラズマ処理装置の一例を示す断面図、図2は
図1に示す装置のアンテナ部材を示す平面図である。本
実施例においては、本発明に係るプラズマ処理装置をプ
ラズマエッチング装置に適用した場合について説明す
る。
【0017】このプラズマエッチング装置2は、処理容
器4内の天井部内側にアンテナ部材6を設け、このアン
テナ部材6の両端にプラズマ発生用の高周波電源8を接
続することにより特徴づけられる。すなわち、この処理
容器4はアルミニウムやステンレス等の導電性材料によ
り円筒体状に成形されており、この天井部10及び底部
12もアルミニウムやステンレス等の導電性材料により
形成され、この底部12は、処理容器4の下端開口部に
シール部材14を介して気密に取り付けられて内部を密
閉している。従って、処理容器4内には密閉された処理
室16が形成されることになる。
【0018】この処理容器4の側壁、天井部6及び底部
12をアルミニウムにより形成する場合には、その内側
表面に耐腐食性コーティングを施すためにアルマイト処
理が施される。また、この処理容器4は、電気的には接
地状態になされている。処理容器4の側壁には、被処理
体として例えば半導体ウエハWを搬出入する搬出入口1
6が形成されており、この搬出入口16には気密に開閉
可能になされたゲートバルブ17が設けられる。このゲ
ートバルブ17の反対側の処理容器側壁には、図示しな
い処理ガス源より、処理ガス、例えばHFガスなどを図
示しないマスフローコントローラを介して処理室16内
へ導入するための処理ガス供給管78が設けられてい
る。この処理ガス供給管78は、これにより高周波パワ
ーを吸収しないように石英やシリコン等の半導体により
構成するのが好ましい。また、処理容器4の底部には、
ガス排気管18が接続されており、図示しない真空ポン
プにより処理容器4内を真空引き可能としている。
【0019】処理容器4内には、被処理体としての半導
体ウエハWを載置するための円板状のサセプタ20が配
置され、この載置面には静電チャック(図示せず)等の
ウエハ保持部材が設けられてウエハを例えばクーロン力
により確実に吸着保持するようになっている。上記サセ
プタ20は、絶縁された配線22を介して、高周波電源
22と相互に開閉が逆になされた2連スイッチ24とよ
りなる並列回路に接続され、サセプタ20を接地する
か、これに高周波電力を印加するか選択し得るようにな
っている。
【0020】このサセプタ20の下部には、半導体ウエ
ハWの温度を調節するための温度調節装置、例えばセラ
ミックヒータ26が設けられ、更にこのセラミックヒー
タ26の下部には例えば液体窒素などの冷媒28を流通
させることができる冷却ジャケット30が設けられ、こ
の冷却ジャケット30と上記セラミックヒータ26とを
組み合わせることにより、ウエハ温度を液体窒素の温度
に近い低温域から高温域の範囲内にて任意の温度に設定
し得るようになっている。
【0021】上記サセプタ26から所定の間隙を隔てて
これと対向させて配置した本発明の特長とするアンテナ
部材6は、金或いは銅のような導電性部材よりなる断面
円形部材を図2に示すように例えば渦巻状に2ターン平
面的に巻回してなるアンテナ部32よりなり、このアン
テナ部32の内周端32Aと外周端32Bとから配線3
4を引き出し、この配線34間にプラズマ発生用の高周
波電源8とプラズマ安定発生のための容量を調整するマ
ッチングボックス36を接続している。従って、このア
ンテナ部材6からその下方の処理室16に向けて電波を
発射させると共にこのアンテナ部材6と処理容器側壁或
いはサセプタ20との間に電界を発生させて、これによ
り、いわゆる誘導結合方式により処理室16内にプラズ
マを立てるようになっている。
【0022】この場合、アンテナ部材6は断面円形のも
のに限定されず、断面長方形状の幅広板状部材を巻回し
たもの等を用いることができる。また、アンテナ部材6
の巻回数としては2ターンのものに限定されず、図3に
示すように1ターンのもの或いは、3ターン以上渦巻状
に巻回したものも用いることができ、いずれにしてもそ
の直径は、ウエハの直径と同一か、或いはこれより大き
く設定してウエハ表面全体に亘ってプラズマ密度の均一
性を確保する。また、プラズマ発生用の高周波電源8の
周波数は1〜200MHzの範囲内で設定され、好まし
くは、2MHz、13.56MHz或いは56MHz程
度に設定される。
【0023】また、処理容器4内に配置されるアンテナ
部材6全体は例えば石英やセラミック等の誘電体物質或
いは絶縁材よりなるアンテナ保護カバー38により被わ
れている。具体的には、このアンテナ保護カバー38は
アンテナ部材6全体を収容し得る大きさの円盤状の容器
として構成され、その中心部にはアルゴンガス等の不活
性ガスを導入するための不活性ガス導入管38が上下に
貫通されて、アンテナ保護カバー38を支持するように
して設けられている。この不活性ガス導入管39は、こ
れにより高周波パワーを吸収しないように石英やシリコ
ン等の半導体により構成するのが好ましい。
【0024】この不活性ガス導入管39の上方は、処理
容器4の天井部10の中心に設けた貫通孔に、例えば絶
縁性シール部材40を介して気密に貫通させて設けられ
ており、この導入管39は図示しないマスフローコント
ローラ等を介して不活性ガス源へ接続されている。従っ
て、上記アンテナ保護カバー38は、上記不活性ガス導
入管39により支持されることになる。尚、アンテナ保
護カバー38の取り付け状態はこれに限定されないのは
勿論である。
【0025】上記アンテナ保護カバー38の厚みL1
は、内部に収容するアンテナ部材6がプラズマによりス
パッタされて重金属が処理室16内に飛び出ることを防
止でき、しかもアンテナ部材6から発射される電波が形
状を変えることなく処理室16内に伝搬し得る厚さ、例
えば数mm程度に設定されている。
【0026】また、処理容器4の直径は、例えば被処理
体が8インチウエハの場合には50cm程度に設定し、
その時、サセプタ表面とアンテナ保護カバー38の下面
との間隔L2は30〜150mmの範囲内に設定する。
このようにアンテナ部材6を処理容器4内に収容して、
これとサセプタ20との間を小さくすることにより少な
い電力で効率的にプラズマを立てることが可能となる。
【0027】ここで、アンテナ部材6を収容容器4内で
はなく、この外側、例えば天井部10の上面側に設ける
ことも考えられるがこの場合には以下の点よりあまり好
ましくはない。すなわち、上述のようにアンテナ部材6
を天井部10の外側面の外部大気中に設けると、プラズ
マ処理時にアンテナ部材を構成する材料による重金属汚
染の問題は解決されるが、アンテナ部材6から発生する
電波を処理室16内に効率的に伝搬させるために天井部
の構成材料をアルミニウムやステンレススチール等の導
電性材料から石英板等の誘電体に変えなければならな
い。
【0028】この場合、石英板は、内外の圧力差に耐え
得るように数cmもの厚さに設定しなければならないば
かりか、ウエハサイズにもよるが12インチウエハ用の
処理容器の場合にはこの直径を50cm程に設定しなけ
ればならず、石英板が非常に高価なものになってしま
う。
【0029】また、上述のように石英板を耐圧性のもの
にしても、この石英板の外側面は常温の大気に接し、内
側面は温度が比較的高い処理室内雰囲気に接することか
ら表裏両面の温度差による破損が生じる可能性もあり、
特に、SiH4 等の有害処理ガスを用いている場合には
このガスが大気中へ漏れる危険性もある。更には、アン
テナ部材を処理容器外へ設置することにより、アンテナ
部材とウエハとの間の距離がかなり大きくなってしまう
のみならず、高周波電力は石英板を透過して供給される
ため、印加する高周波電力が不十分であったり或いはエ
ネルギロスが多くなり、効率的なRF電力の印加ができ
なくなる恐れがある。
【0030】また、処理容器外にアンテナ部材を配置す
ることから装置周辺への電磁波の漏れを防止するために
シールド対策を施さねばならず、装置自体の構造が複雑
化してしまう。更に、天井部の外側にアンテナ部材を設
けることから、プラズマ処理用の処理ガスや不活性ガス
はともに側壁部から処理室内に導入せざるを得ず、エッ
チング処理やCVD処理のウエハ面内の均一性が十分に
確保することができない恐れがある。以上のような点か
ら、本発明においては、アンテナ部材6を絶縁した状態
で処理容器内に設置することとしている。
【0031】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、ゲートバルブ17を介し
て半導体ウエハWを、図示しない搬送アームにより処理
室16内に収容し、これをサセプタ20の載置面に載置
して静電チャックのクーロン力により吸着保持する。
【0032】この処理室16内は、ガス排気管19に接
続される真空ポンプ(図示せず)により真空引きされ、
処理室16内へは側壁に設けた処理ガス供給管18及び
天井部10の中央部に気密に貫通させて設けた不活性ガ
ス導入管39からそれぞれHFガス等の処理ガス及びA
rガス等の不活性ガスを供給して例えば1×10-3To
rr程度のかなり低い圧力状態に維持し、同時にプラズ
マ発生用の高周波電源8より例えば13.56MHzの
高周波をアンテナ部材6の両端に印加する。
【0033】するとアンテナ部材6のインダクタンス成
分の誘導作用により下方全面に向けて電波が発射される
と同時に、サセプタ20にも高周波電源22からRF電
力を印加している場合にはこのアンテナ部材6とサセプ
タ20との間の容量成分の作用により交番電界が生じ、
この結果、処理室16内には処理ガスやArガスが活性
化されてイオン化してプラズマが立ち、プラズマ放電励
起によって生じた活性種によってウエハ表面に異方性の
非常に高いエッチングを施すことができる。尚、この場
合、サセプタ20には上述のようにRF電力を印加させ
ていてもよいし、これを接地させていてもよい。
【0034】活性種中の陰イオンは、例えば電波と電界
の作用により螺旋状に旋回しながらサセプタ20側へ移
動しており、従来の平行平板電極形の装置と比較して陰
イオンの移動できる距離が長くなってこの間にガス分子
と衝突して多くのイオンが生ずることになる。従って、
その分プラズマの発生効率が良くなってエッチングレー
トを向上させることが可能となる。
【0035】また、このプラズマは1×10-3Torr
〜1×10-6Torrの範囲内のかなり低い圧力下でも
発生するので、エッチングする時の活性種の散乱も少な
くて方向性が揃っており、従って、上述のように異方性
の高い、すなわち形状がシャープなエッチング加工を施
すことができ、例えば64Mや256MビットDRAM
に要求される微細加工を施すことが可能となる。
【0036】特に、本実施例においてはアンテナ部材6
を処理容器16内に収容するようにしたので、これとウ
エハWとの間の距離L2が短くなり、アンテナ部材6か
ら発射した電波がほとんど減衰することなく直ちに処理
室16内のガスに照射されてこれを励起するのでプラズ
マの生成効率を大幅に高めることができ、しかもプラズ
マの高密度化も達成することができる。尚、この場合、
アンテナ部材6全体は、アンテナ保護カバー38により
覆われているので、アンテナ部材6は活性種によりスパ
ッタされることはなく、ウエハが重金属汚染されること
もない。
【0037】また、アンテナ部材6を処理容器4内へ収
容することにより、処理容器4の天井部10が空くので
この部分に不活性ガス導入管39等のガス導入管を設け
て処理室16内の中心部にガスを直接導入することがで
き、従って、処理室16内のウエハ表面略全域に亘って
ガスを均等に分散させてプラズマを均一に発生させるこ
とができ、面内均一性を向上させることができる。
【0038】また、アンテナ部材6を処理容器4の外側
へ配置して天井部10を厚い円盤状の石英により構成す
る場合と比較して、本実施例によれば石英板をなくして
この天井部分を例えばアルミニウム等により側壁と一体
化構造にでき、大幅なコストダウンを図ることができる
のみならず、石英板を用いることによって生ずる破損の
問題及び有害ガスの漏出の問題も解決することができ
る。更には、アンテナ部材6から発生した電波は導電性
材料よりなる処理容器4によりシールドされるので、特
別なシールド対策を別個独立に施す必要もない。
【0039】上記実施例にあっては、アンテナ部材6と
して導体を平面状に渦巻状に巻回してなる平面状アンテ
ナ部32を用いた場合について説明したが、これに代え
て、図4に示すような筒状のコイル部42を用いるよう
にしてもよい。尚、これ以降に説明する実施例の図示例
中にはセラミックヒータや冷却ジャケット等が省略され
ているが、これを設けても設けなくてもよいのは勿論で
ある。この実施例においては銅等の導電性材料よりなる
太目の線材を、複数回、図示例にあっては3回螺旋状に
巻回して筒状のコイル部42を構成している。この場
合、コイル部42の直径は、処理すべきウエハWの直径
と略同一か、或いはそれより僅かに大きく設定してプラ
ズマがウエハ面内に略均一に立つように構成する。
【0040】そして、この筒状のアンテナ部材32は、
処理容器4の天井部10を上方へ円筒状に突出させて形
成したアンテナ収容突部10A内に収容し、コイル部4
2の巻回方向がウエハWの表面と直交するような方向と
なるようにコイル部42を配置する。
【0041】また、コイル部42全体も、例えば石英等
の誘電体よりなる内部が中空になされた円筒リング状の
アンテナ保護カバー38により被われている。この円筒
リング状のアンテナ保護カバー38の中心は、下端が開
口されてガス噴出口43となっており、上端は閉塞され
てこの部分に不活性ガス導入管39の下端が接続されて
おり、アンテナ部材6全体を支持している。尚、他の部
分の構成は図1に示す装置と同様に構成されている。
【0042】この実施例においては不活性ガス導入管3
9を介して内部に導入された不活性ガスは、円筒状アン
テナ部材6の中心空間部を流下しつつアンテナ部材6か
らの電波により励起されてプラズマ化され、下端のガス
噴出口44から流出する時に処理ガスと接触し、これを
活性化して活性種が形成されることになる。この場合に
も、1×10-3Torr〜1×10-6Torrの範囲内
のかなり低い圧力下でもプラズマが発生し、異方性の高
いシャープなエッチング加工を施すことができるのみな
らず、効率的にプラズマを発生させることができ、図1
に示した第1の実施例と同様な作用効果を発揮すること
ができる。
【0043】上記した第1及び第2の実施例は平面状の
アンテナ部材及び筒状のコイル状アンテナ部材をそれぞ
れ単独に設けた場合について説明したが、図5に示すよ
うにこれら平面状のアンテナ部材と筒状のコイル状アン
テナ部材を組み合わせるように構成してもよい。
【0044】すなわちこの第3の実施例にあっては、図
4に示したような筒状のコイル部42の上端部に図1に
示したような平板状のアンテナ部32を配置し、全体を
図4に示したと同様に石英等よりなるアンテナ保護カバ
ー38により被っている。そして、平板状のアンテナ部
32及び筒状のコイル部42の各両端には、それぞれ別
個のプラズマ発生用の高周波電源8A、8Bがマッチン
グボックス36A、36Bを介して接続されている。
【0045】この場合、各高周波電源8A、8Bの周波
数は1MHz〜200MHzの範囲内ならば任意に設定
でき、例えば2MHzと13.56MHz、或いは50
MHzと13.56MHzの組み合わせのように任意に
選択することができる。また、これら2つの平板状のア
ンテナ部材32と筒状のコイル部材42を直列に接続
し、これ全体に1つのプラズマ発生用の高周波電源を印
加するようにしてもよい。このように平板状のアンテナ
部材32と筒状のコイル部材42を組み合わせた場合に
も先の第1及び第2の実施例と同様な作用効果を発揮す
ることができる。
【0046】特に、平板状のアンテナ部材を単独で用い
た場合には、図6に示すようにエッチングレートやCV
D処理の場合にはCVD成膜レート等の処理レート曲線
44がウエハ中心にてやや低くなり、その周辺部をピー
クとしてウエハ周縁部に向かうに従って徐々に低下して
おり、厳密には均一状態になっていない。そこで、筒状
のコイル部42よりなるアンテナ部材を補助アンテナ部
材として組み合わせて用いることによりウエハ周縁部の
レート低下が修正されて処理レート曲線44が一点鎖線
にて示すように略直線状態となり、処理、例えばエッチ
ングの面内均一性を一層達成することができる。
【0047】上述した3つの実施例にあっては、まず、
アンテナ部材を形成し、この全体を容器状のアンテナ保
護カバー38内に収容して被うように構成したがこれに
限定されず、例えば図7乃至図10に示すようにアンテ
ナ部材を構成する導電性線材自体を、例えば石英等の誘
電体よりなる所定厚の保護層46により直接表面コーテ
ィングしてアンテナ保護カバー38を構成するようにし
てもよい。
【0048】図7、図9、図10に示す各アンテナ部材
6の配置は、図1、図4、図5に示すアンテナ部材とそ
れぞれ対応している。図8は、図7に示すアンテナ部材
38の部分を拡大した断面図であり、例えば厚み数mm
程度の保護層46により表面コーティングされたアンテ
ナ部材6は、処理容器4の天井部10の下面に支持部材
48により懸垂支持されている。この保護層46の厚み
は、前述したようにスパッタによる重金属汚染を防止し
得るだけの厚さに設定される。このような保護層46
は、例えばシリコン酸化物の溶液にアンテナ素線を浸漬
して結晶成長させることにより形成できる。
【0049】また、図9及び図10に示す装置例にあっ
ては、天井部10の中心に設けた不活性ガス導入管39
より導入した不活性ガスがアンテナ収容突部10A内を
流下する時に、螺旋状のコイル部42の凹凸により乱流
状態とならないようにするために、導入管39の下端に
は、例えば石英よりなる円筒状のプラズマ案内筒50が
連結されており、案内筒50の下端のガス噴出口43か
らは図4及び図5に示した場合と同様に整流状態のプラ
ズマが処理室16内に流下することになる。
【0050】また、以上説明した各実施例にあっては不
活性ガス導入管39からの不活性ガスは、直接処理容器
内へ導入されたが、これに限定されず例えば図11及び
図12に示すように不活性ガス導入管39の先端に例え
ば石英よりなる周知のシャワーヘッド52を設けるよう
にしてもよい。このシャワーヘッド52は、多数の通気
孔54を有する単数或いは複数の整流板56を有してお
り、ウエハ面内全域に亘って均一に不活性ガスを供給す
るようになっている。
【0051】図11に示す実施例にあっては、処理容器
4の天井部10の下面に直接上記シャワーヘッド52を
設け、このシャワーヘッド52の下面に図7に示すよう
にその表面が保護層46により直接コーティングされた
1ターンのアンテナ部材6を配置した構成が示されてい
る。また、図12に示す実施例にあっては、天井部10
の下面に図1に示したと同様にアンテナ保護カバー38
内に収容されたアンテナ部材6が配置され、更にこの下
面に上記シャワーヘッド52を配置するように構成され
ている。
【0052】これらの2つの実施例も、先の実施例と同
様な作用効果を発揮することができる。特に、シャワー
ヘッド52を用いることによりウエハ面内全域に亘って
不活性ガスを供給することができ、プラズマ処理の面内
均一性を一層向上させることができる。
【0053】尚、以上の各実施例においては、各アンテ
ナ部材の両端にプラズマ発生用の高周波電源を印加する
ように構成したが、これに限定されず、各アンテナ部材
の一端のみに高周波電源を印加し、他端を開放端となる
ように構成してもよい。また、アンテナ部材の巻回数も
上記各実施例のものに限定されないのも勿論であり、必
要に応じて更に巻回数を増加してもよい。
【0054】上記実施例では処理容器内にアンテナ部材
を配置したプラズマエッチング装置を例にとって説明し
たが、次の第2の発明においては、アンテナ部材を処理
容器の外側に配置したプラズマCVD装置を例にとって
説明する。
【0055】図13は第2の発明に係るプラズマ処理装
置(プラズマCVD装置)を示す断面図、図14はアン
テナ部材を示す平面図、図15は静電チャックを示す分
解図、図16はコールドトラップを示す断面図である。
図13に示すようにこのプラズマCVD装置60は、天
井部が開放された有底方形状或いは円筒状に成形された
例えばアルミニウム製の処理容器62を有している。こ
の処理容器62内には半導体ウエハWを載置する下部電
極としての例えばアルミニウム製のサセプタ64が容器
底部上に絶縁部材66を介して設けられている。このサ
セプタ64の上面である載置面には、例えば高圧直流源
68に開閉スイッチ70を介して接続された静電チャッ
ク72が設けられており、クーロン力によりウエハを吸
着保持するようになっている。
【0056】具体的には、図15にも示すようにこの静
電チャック72は、例えば銅等よりなる円板状或いは薄
膜状の導電性薄膜76を、その上下より絶縁性を有する
SiC薄膜78、78により挟み込むようにサンドイッ
チ状に被覆して形成されている。SiC薄膜78、78
の直径は、導電性薄膜76の直径よりも僅かに大きくな
されており、薄膜周端部も完全にSiC薄膜により被わ
れている。そして、上記導電性薄膜76に、上記高圧直
流源68の給電線80が接続されることになる。これに
より、後述するように静電チャックの耐熱性とCVD時
の垂直堆積効率を改善することが可能となる。
【0057】また、上記サセプタ64内には、加熱手段
例えばセラミックヒータ82が埋め込まれて、このヒー
タには加熱電源84が開閉スイッチ86を介して接続さ
れている。このサセプタ64は、開閉スイッチ88及び
高周波のバイアス電圧源90が給電線92を介して接続
されており、プラズマCVD処理時にこれにバイアス電
圧を印加するようになっている。この場合、静電チャッ
ク72のSiC薄膜78に対する電界の透過性及びセル
フバイアス効果を考慮してバイアス電圧の周波数を1M
Hzから10MHzの範囲内、好ましくは2MHz近傍
に設定する。
【0058】上記処理容器62の底部には、真空ポンプ
94が介設された真空排気系96が接続されており、こ
の真空排気系96の途中には、排ガス中に含まれる反応
生成物をトラップして除去するためのコールドトラップ
98が介設される。具体的には、このコールドトラップ
98は、図16にも示すように真空ポンプ94の上流側
に設けられて、真空排気系96の配管96Aに対して着
脱可能になされた例えばアルミニウム製のトラップボッ
クス100を有している。
【0059】このボックス100内には、対向する側壁
より相互に互い違いに延在された複数の邪魔板102
A、102B、102Cが設けられており、ボックス1
00の導入口104から排出口106に通ずる蛇行状乃
至ジグザグ状のトラップ通路108を形成している。こ
れにより、トラップ通路108を通過する排ガス中に含
まれる反応生成物を邪魔板表面に付着させてトラップす
るようになっている。ここで、このトラップ効率を向上
させるために、各邪魔板102A〜102Cの裏面には
パイプ状の多数の冷媒通路110が配設されており、冷
媒、例えば冷却水を流すことにより邪魔板の温度を下げ
てトラップ効率を向上させるようになっている。
【0060】一方、処理容器は接地されて零電位になっ
ており、この容器側壁にはウエハを搬入・搬出する時に
気密に開閉されるゲートバルブG1が設けられる。処理
容器24の少なくとも側壁は、純度がかなり高い、例え
ば純度99%以上程度の純粋アルミニウムにより構成さ
れており、その内壁面は硬質アルマイト処理等は何らな
されておらず、アルミニウムが剥き出し状態になされて
いる。これによりプラズマスパッタを受けてもMg等の
金属汚染物質を放出しないようになっている。
【0061】また、処理容器62の側壁には、処理ガス
を導入するためのガス導入ノズル112が貫通させて設
けられており、このノズル112にガス通路114が接
続されている。そして、このガス通路114には、成膜
用の処理ガスを供給する成膜用処理ガス供給源116が
接続される。この処理ガスとしては、シラン、O2 及び
Arの混合ガスや、有機系成膜ガスであるTEOS、O
2 及びArの混合ガス等が用いられ、そのため、この供
給源116にはこれら使用ガスを貯留する複数のボンベ
118が設けられ、必要量をマスフローコントローラ1
20により流量制御しつつ供給するようになっている。
【0062】一方、上記処理容器62の天井部の開放口
には、電磁波を透過し得る誘電体、例えばセラミック材
よりなる板状の天井部122が例えばOリング等のシー
ル部材124を介して気密に設けられている。この天井
部122の厚みは、処理容器62内の真空圧に耐え得る
ように厚く、例えば20mm程度に設定されている。
【0063】具体的には、このセラミック材としては、
石英よりも耐熱性、スパッタに対する耐久性及び耐腐食
性の高いAlN材を用いるのが好ましい。この場合、天
井部122全体をAlN材で構成してもよいし、また
は、天井部122の大部分を石英や他のセラミック材で
構成し、プラズマに晒されたことになる天井板内壁面側
のみに、所定の厚さのAlN層をコーティングするよう
にしてもよい。
【0064】上記セラミック製の天井部122の上面に
は、図14にも示すように略前面に亘って例えば2〜3
回渦巻状に巻回された導電体、例えば銅製のアンテナ部
材126が設けられている。そして、このアンテナ部材
126の中心端と外周端との間には、例えば13.56
MHzの高周波電源128が介設された高周波給電系1
30が接続されており、この給電系130の途中には高
周波印加効率を改善するマッチング回路132が介設さ
れている。
【0065】従って、アンテナ部材126に高周波電圧
を印加することによって発生した電磁波がセラミック製
の天井部122を透過して処理空間Sに至り、ここで処
理ガスを励起してプラズマを生ぜしめることになる。こ
こでアンテナ部材126の形状は、2〜3ターンの渦巻
状に限定されず、1ターンのリング状或いは4ターン以
上の渦巻状に設定してもよく、また、アンテナ部材12
6の断面形状は図示例のような円形のみならず、例えば
矩形状などに設定してもよい。
【0066】上記アンテナ部材126全体は外部に電磁
波が漏れることを防止するためにメッシュ状の例えば金
網よりなるシールド134により被われており、このシ
ールド134は接地されている。
【0067】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、サセプタ64の上面の載
置面上に半導体ウエハWを載置し、この静電チャック7
2の導電性薄膜76に高圧直流電圧を印加することによ
りウエハをクーロン力によって確実に吸着保持する。
【0068】次に、真空排気系96を駆動することによ
り処理容器62内を所定のプロセス圧力に維持しつつガ
ス導入ノズル112から成膜用の処理ガス、例えばシラ
ンと酸素とArの混合ガスを導入し、また、セラミック
ヒータ82を駆動することによりウエハWを所定のプロ
セス温度、例えば400℃程度に維持する。
【0069】そして、高周波電源128からアンテナ部
材126に、例えば13.56MHzの高周波電圧を印
加することにより、アンテナ部材126からは電波が放
射されて、この電波がAlNよりなる天井部122を透
過して処理空間Sに至る。また、アンテナ部材126と
処理容器側壁或いはサセプタ64との間には電界が発生
し、これら電界と電波との作用により処理ガスはプラズ
マ化され、このプラズマ放電励起によって活性種が生成
されて反応が促進される。この時生成される反応生成物
であるSiO2 がウエハ表面上に堆積することになる。
この時発生するプラズマ密度は、誘導結合作用の結果、
従来の平行平板方式の場合と比較してかなり高くなり、
その分、活性種の生成も促進されることになる。
【0070】ここで、プラズマに晒される天井部122
は、耐熱性及び耐腐食性に優れたAlN材を用いている
ので、プロセス温度を十分に高く維持でき、ウエハ上の
アルミニウム配線が融けない温度、例えば最高600℃
程度まで高くすることができる。従って、成膜の堆積効
率を高く維持することができる。
【0071】また、天井部122の内側面は、プロセス
温度まで加熱されて上側面は略常温になっているので、
上側面と下側面との間の温度勾配はかなり大きくなる
が、前述のようにAlN材は石英等よりもかなり耐熱性
に優れるので、この破損の可能性を大幅に抑制すること
ができる。換言すれば、天井部として石英材を用いた場
合と比較すると、AlN材を用いることにより耐熱性が
良好な分だけその厚みを薄くすることができ経済的であ
る。
【0072】また、AlN材は石英等と比較して耐久性
に優れているので、その内側面が処理空間のプラズマか
ら飛び出したイオンによりスパッタを受けても削られる
ことが非常に少なくなり、その分、石英の場合と比較し
てパーティクルの発生も抑制することができる。
【0073】更には、プラズマCVD処理を繰り返し行
うことによって天井部122の内側面等には反応生成物
(SiO2 )が付着するので、定期的或いは不定期的に
クリーニング操作が行われる。この場合、処理容器62
内にSiO2 を削り取るためのCF3 等よりなるクリー
ニングガスを供給するが、AlNは、石英(SiO2
と比較して腐食性に対しても優れていることから、Al
N材が削られることはほとんどない。
【0074】また、ウエハWを吸着保持する静電チャッ
ク72は、従来用いていたポリイミド樹脂よりも耐熱性
に優れたSiC薄膜78を用いているので、前述のよう
にプロセス温度を400℃或いはそれ以上の600℃近
傍まで高くしても熱により損傷を受けることもない。更
には、このようにポリイミド樹脂に替えてSiC薄膜7
8を用いることにより、プラズマに対するウエハWの電
位差を大きく取ることができ、この結果、垂直方向の堆
積効率を高めることができるので、層間絶縁膜の埋め込
み時のボイド等の発生を大幅に抑制することができる。
【0075】ここで層間絶縁膜の埋め込み形状の良否を
判定するための指標θについて説明する。図17はAl
配線表面に層間絶縁膜(SiO2 )を埋め込む時の種類
の状況を示し、図17(A)は埋込形状が悪くてボイド
が発生する状態を示し、図17(B)はボイドが発生す
る臨界状態を示し、図17(C)は埋込形状が良くてボ
イドが発生しない状態を示す。
【0076】この場合、埋め込み状況を判定する指標と
して、Al配線136の角部を通る水平線と配線溝部1
38の堆積SiO2 の溝出口側接線とのなす角度θを用
いている。すなわち角度θが90度よりも大きいとボイ
ド140が発生する傾向にあり、これに対して角度θが
90度よりも小さいとボイドが発生しない傾向にあり角
度θが小さい方が好ましい。さて、上述のように静電チ
ャック72の絶縁材としてSiCを用いるとポリイミド
樹脂の場合と比較してボイドが発生しないか或いは発生
しても非常に小さなものとなり良好な結果となる。
【0077】図19(A)はSiC静電チャックを用い
た時の埋め込み状態を示すSEM写真であり、図19
(B)はポリイミド静電チャックを用いた時の埋め込み
状態を示すSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。こ
れらの写真から明らかなように図19(A)に示す場合
は角度θは略100度でボイドが発生していないか或い
は発生しても非常に小さいが、図19(B)に示す場合
は角度θは略125度でかなり大きなボイドが発生し、
好ましくない。
【0078】また、本実施例においては、プラズマCV
D成膜中においては、バイアス電圧源90からサセプタ
64に1MHzから10MHzの範囲内の周波数の高周
波電圧でバイアス電圧を印加しているので、サセプタの
セルフバイアス効果が大きくなり、その結果、垂直方向
の堆積効率を一層高めることができるのでボイドの発生
を一層抑制することが可能となる。上記バイアス電圧
は、好ましくは2MHz近傍の周波数に設定する。上述
のようにバイアス電圧の周波数帯を限定する理由は、静
電チャックに用いたSiC材は1MHzよりも低い周波
数帯域の電界の透過性が悪く、また10MHzよりも高
い周波数帯域の電界に対してはイオンが重すぎて振動に
追従し得ないからである。
【0079】ここで、実際のSEM写真に基づいてバイ
アス電圧の周波数依存性について説明する。図20はバ
イアス電圧の周波数を種々変化させた時の埋め込み状態
を示すSEM写真である。図20(A)はバイアス電圧
の周波数が400KHz(500W)の場合、図20
(B)はバイアス電圧の周波数が2MHz(300W)
の場合、図20(C)はバイアス電圧の周波数が13.
56MHz(300w)の場合をそれぞれ示す。また、
図18は上記各SEM写真の評価結果をまとめたグラフ
である。
【0080】この写真から明らかなようにバイアス電圧
の周波数が1MHzよりも小さい500KHzの場合
(図20(A))には角度θは約100度であり、ボイ
ドが発生し、また周波数が10MHzよりも大きい1
3.56MHzの場合(図20(C))には、角度θは
約115度であり、この場合にもボイドが発生してい
る。これに対して周波数が2MHzの場合(図20
(B))には、ボイドも発生せず良好な結果を示してい
る。
【0081】また、成膜中においては一部の反応生成物
は、排ガスと共に真空排気系96内を流れて行くが、こ
の排気系の真空ポンプ94の直前にはコールドトラップ
98が介設されているので、排ガスが邪魔板102A〜
102Cにより区画された蛇行状のトラップ通路108
を通過する時に、ガス中に含まれる反応生成物が邪魔板
表面に付着し、ガス中から除去される。この場合、特
に、冷媒通路110に冷却水を流すことにより各邪魔板
は冷却されているので、反応生成物のトラップ効率を一
層向上させることができる。従って、排ガス中から効率
的に反応生成物を除去することができるので、後流側の
真空ポンプにダメージを与える恐れをなくすことが可能
となる。尚、各邪魔板に所定量の反応生成物が付着した
ならば、着脱可能になされているトラップボックス10
0を新たなボックスと取り替えればよい。
【0082】更には、処理容器62の内壁は、硬質アル
マイト処理等が施されておらず、アルミニウムの剥材を
用いているので、プラズマのイオンによりスパッタを受
けても金属汚染の原因となるMg等が放出されることも
なく、歩留まり低下を阻止することが可能となる。
【0083】また、層間絶縁膜を形成するためには、シ
ランに代えて、ジシラン或いは有機系シリコンソースと
してTEOSやTMOS(テトラメチルオルソシリケー
ト)やOMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン)やTMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン)などを用いてもよいし、更にO2 ガスの代わりにオ
ゾン(O3 )ガスを用いてこれと有機系シリコンソース
とを反応させるようにしてもよい。尚、本発明はシリコ
ン酸化膜以外の層間絶縁膜或いはその他の薄膜を形成す
る場合に適用できる。
【0084】上記各実施例にあっては、主にプラズマに
よるエッチング処理或いはプラズマCVD処理を例にと
って説明したが、これに限定されず、プラズマスパッタ
処理、プラズマアッシング処理等の他の処理にも適用し
得るのは勿論である。また、被処理体として半導体ウエ
ハを例にとって説明したが、これに限定されずLCD基
板等にも適用することができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
処理装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮す
ることができる。本願の第2の発明によれば、誘導結合
型のプラズマ発生方式において、天井部に耐熱性及び耐
久性に優れたセラミック材を用いたので、プラズマ生成
密度を高く維持でき、しかもプロセス温度も高く設定す
ることができるので、例えば成膜時の堆積効率を上げる
ことができ、しかも、石英等を用いた場合と比較して破
損の恐れも減少させることができる。また、セラミック
材としてAlN材を用いることにより、一層耐久性、耐
熱性及び耐腐食性を向上させることができる。しかも、
スパッタによる影響も受け難くなるので、パーティクル
の発生も少なくなり、しかもクリーニング時に削られる
量も大幅に抑制することができる。更に、耐熱性に優れ
たSiC材により被覆した静電チャックを用いた場合に
は、従来のポリイミド樹脂のチャックと比較して上述の
ような高いプロセス温度での処理が可能となる。また、
プラズマに対する被処理体の電位差を大きくしてイオン
の引き込みを強くでき、その結果、成膜時の垂直堆積効
率が良くなってボイド等が発生せず、埋め込み効率を向
上させることができる。また、成膜時に、1MHzから
10MHzの範囲内の周波数のバイアス電圧をサセプタ
に印加することにより、セルフバイアス効果を一層高め
てプラズマに対するサセプタ側の電位差を一層高めるこ
とができ、埋め込み効率を更に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係るプラズマ処理装置の第1の実
施例を示す断面図である。
【図2】図1に示す装置のアンテナ部材を示す平面図で
ある。
【図3】1ターンのアンテナ部材を示す平面図である。
【図4】本発明のプラズマ処理装置の第2の実施例を示
す断面図である。
【図5】本発明のプラズマ処理装置の第3の実施例を示
す断面図である。
【図6】アンテナ部材の配置状態を変えた時の処理レー
ト曲線の変化を示す図である。
【図7】本発明のプラズマ処理装置の第4の実施例を示
す断面図である。
【図8】図7に示す処理装置のアンテナ部材の拡大断面
図である。
【図9】本発明のプラズマ処理装置の第5の実施例を示
す断面図である。
【図10】本発明のプラズマ処理装置の第6の実施例を
示す断面図である。
【図11】本発明のプラズマ処理装置の第7の実施例を
示す断面図である。
【図12】本発明のプラズマ処理装置の第8の実施例を
示す断面図である。
【図13】第2の発明に係るプラズマ処理装置(プラズ
マCVD装置)を示す断面図である。
【図14】アンテナ部材を示す平面図である。
【図15】静電チャックを示す分解図である。
【図16】コールドトラップを示す断面図である。
【図17】Al配線表面に層間絶縁膜(SiO2 )を埋
め込む時の種々の状況を示す断面図である。
【図18】埋め込み状態のバイアス電圧の周波数依存性
を示すグラフである。
【図19】SiC静電チャックとポリイミド静電チャッ
クに対する埋め込み状態を示すSEM写真である。
【図20】埋め込み状態のバイアス電圧の周波数依存性
を示すSEM写真である。
【符号の説明】
4 処理容器 6 アンテナ部材 8,8A,8B プラズマ発生用の高周波電源 20 サセプタ 26 セラミックヒータ 30 冷却ジャケット 32 アンテナ部 38 アンテナ保護カバー 42 筒状のコイル部 46 保護層 52 シャワーヘッド 60 プラズマCVD装置(プラズマ処理装置) 62 処理容器 64 サセプタ 72 静電チャック 76 導電性薄膜 78 SiC薄膜 90 バイアス電圧源 96 真空排気系 98 コールドトラップ 102A、102B、102C 邪魔板 110 冷媒通路 122 天井部 126 アンテナ部材 128 高周波電源 130 高周波給電系 W 半導体ウエハ(被処理体)
フロントページの続き (72)発明者 畑 次郎 東京都新宿区西新宿2丁目3番1号 東 京エレクトロン株式会社内 (72)発明者 石川 賢治 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番 41号 東京エレクトロン東北株式会社 相模事業所内 (56)参考文献 特開 平1−184923(JP,A) 特開 平3−262119(JP,A) 特開 平6−41739(JP,A) 特開 昭57−120676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 4/00 H01L 21/205 H01L 21/3065 H05H 1/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密な処理容器内にてサセプタ上に載置
    された被処理体に対してプラズマ処理を施すプラズマ処
    理装置において、前記処理容器の天井部を、電波を透過
    する誘電体により形成すると共に少なくとも前記天井部
    の内面側をセラミック材により形成し、前記天井部の上
    面側に前記サセプタと対向するようにアンテナ部材を配
    置し、このアンテナ部材にプラズマ発生用の高周波電源
    を接続するように構成したことを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記セラミック材はAlNよりなること
    を特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電体は、石英或いはAlNよりな
    ることを特徴とする請求項または記載のプラズマ処
    理装置。
  4. 【請求項4】 気密な処理容器内にてサセプタ上に載置
    された被処理体に対してプラズマ処理を施すプラズマ処
    理装置において、前記サセプタと対向する位置にアンテ
    ナ部材を配置し、このアンテナ部材にプラズマ発生用の
    高周波電源を接続し、前記サセプタの上面に、導電性薄
    膜をSiC薄膜により被覆してなる静電チャックを設け
    るように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記サセプタには、1MHzから10M
    Hzまでの範囲内の高周波のバイアス電圧を印加するた
    めのバイアス電圧源が接続されることを特徴とする請求
    記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記バイアス電圧は、略2MHzである
    ことを特徴とする請求項または記載のプラズマ処理
    装置。
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