JP3272596B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3272596B2
JP3272596B2 JP08160496A JP8160496A JP3272596B2 JP 3272596 B2 JP3272596 B2 JP 3272596B2 JP 08160496 A JP08160496 A JP 08160496A JP 8160496 A JP8160496 A JP 8160496A JP 3272596 B2 JP3272596 B2 JP 3272596B2
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上にバ
イポーラトランジスタとMOSFETとを搭載した半導
体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体基板上にバイポーラト
ランジスタとCMOSFETとを搭載したBiCMOS
半導体装置は、バイポーラトランジスタの高精度のアナ
ログ処理能力、高電流駆動力、高速動作等の長所と、C
MOSFETの高集積度、提唱非電力とを組み合わせて
高性能のLSIを実現する技術として知られている。
【0003】以下、半導体基板上にBiCMOS型半導
体装置を有する半導体装置の従来の製造方法(例えば、
日経エレクトロニクス、1981.8.3、 P156-191)につい
て、図9(a)〜(f)を参照しながら説明する。この
従来例では、バイポーラトランジスタとしてnpnトラ
ンジスタ(領域Rnpn 内)を形成し、MOSFETとし
てpMOSFET(領域Rmsp 内)を形成する場合の製
造工程を示している。
【0004】まず、図9(a)に示すように、p型不純
物がドープされた半導体基板301上に第1のフォトレ
ジストマスクFr1を形成し、この第1のフォトレジスト
マスクFr1を用いて、半導体基板301内にn型不純物
を拡散し、素子分離のためのウエル拡散層303及びn
pnトランジスタのコレクタ拡散層304を形成する。
【0005】次に、図9(b)に示すように、例えば選
択酸化法を用いて熱酸化膜305を形成する。
【0006】次に、図9(c)に示すように、所定領域
を開口した第2のフォトレジストマスクFr2を用いて、
p型不純物イオンを注入し、pMOSFETのしきい値
電圧を調節するためのチャネルドープ拡散層307を形
成する。
【0007】次に、図9(d)に示すように、所定領域
を開口した第3のフォトレジストマスクFr3を用いて、
p型不純物イオンを注入し、npnトランジスタのベー
ス拡散層309を形成する。
【0008】次に、図9(e)に示すように、pMOS
FETのゲート酸化膜310及び多結晶シリコンゲート
311を形成する。
【0009】次に、第4のフォトレジストマスクFr4を
用いて、n型不純物イオンを注入し、npnトランジス
タのエミッタ拡散層313を形成する。
【0010】次に、図9(f)に示すように、第5のフ
ォトレジストマスクFr5を用いて、p型不純物イオンを
注入し、pMOSFETのソース・ドレイン拡散層31
5を形成する。
【0011】以上の工程により全拡散層の形成が終了
し、各端子に金属電極を形成すると各半導体装置が完成
する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のBiCMOS半導体装置の製造方法によると、
図9(c)に示すnpnトランジスタの真性ベース層3
09を形成する工程と、図9(b)に示すpMOSFE
Tのしきい値電圧制御のためのチャネルドープ拡散層3
07を形成する工程とでは、同じp型不純物を注入する
にもかかわらず第2及び第3のフォトレジストマスクF
r2,Fr3が必要で、イオン注入工程も連続して2回必要
である。そのため、この2つの工程を同時に行なうこと
が考えられる。しかし、npnトランジスタの真性ベー
ス拡散層309は不純物濃度をある程度高くしかつある
程度の深さをもたせないとコレクタ・エミッタ間のパン
チスルーを防ぐことができず、一方、pMOSFETの
チャネルドープ拡散層307はpMOSFETの埋め込
みチャネルを形成するための層であるから、それほど高
濃度にあるいは深く形成することはできない。したがっ
て、両者を同時に動位置のフォトレジストマスクを用い
て形成することは困難であった。
【0013】一方、pMOSFETにおいて、トランジ
スタの微細化が進むにつれ、ソース・ドレイン間のパン
チスルーが大きな問題となる。npn形トランジスタの
特性に影響を与えることなくこれを防止するためにはM
OSFETのチャネル下の不純物濃度を高くする必要が
ある。そのためには、チャネル下にウエル拡散層303
(バックゲート)と同じ型の不純物を拡散したパンチス
ルーストッパ拡散層を形成しなければならないが、その
工程を追加するとさらに工程数が増大する虞れがある。
【0014】このため、半導体装置の製造に要する工程
数が増えるとともに製造コストが増加するという問題が
あった。
【0015】また、第2の問題として、トランジスタの
微細化が進み、MOSFET同士の距離が短くなるにつ
れ、MOSFETと他のMOSFETとの間に生じる寄
生MOSFETが導通するおそれがある。すなわち、2
つのMOSFET間に存在する素子分離である熱酸化膜
305がゲート絶縁膜として機能するような寄生MOS
FETが生じて、思いがけない電流が発生する虞れがあ
った。この問題を解決するには寄生MOSFETのチャ
ネル部に相当するMOSFETの活性領域の外側にチャ
ネルストッパ層を形成する必要があるが、チャネルスト
ッパ層を別途形成しようとすると、トランジスタの製造
に要する工程数が増えるとともに製造コストが増加する
という問題が生じる。
【0016】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、同じ半導体基板上にバイポーラトラ
ンジスタとMOSFETとを搭載した半導体装置におい
て、各トランジスタの機能を適正に発揮し得るような各
層の構成とその構成を少ない工程数で実現することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体基板に、各々縦型バイポーラトランジスタ構造を
有する第1のバイポーラトランジスタ及び第2のバイポ
ーラトランジスタと、MOSFETとが少なくとも搭載
された半導体装置であって、上記第1のバイポーラトラ
ンジスタは、上記半導体基板内に第1導電型不純物をド
ープしてなるコレクタ層と、該コレクタ層に取り囲まれ
る領域に第2導電型不純物をドープしてなる真性ベース
層と、該真性ベース層に取り囲まれる領域に第1導電型
不純物をドープしてなるエミッタ層とを有し、上記第2
のバイポーラトランジスタは、上記半導体基板内に第2
導電型不純物をドープしてなるコレクタ層と、該コレク
タ層に取り囲まれる領域かつ上記第1のバイポーラトラ
ンジスタの真性ベース層よりも浅い領域に第1導電型不
純物をドープしてなる真性ベース層と、該真性ベース層
に取り囲まれる領域に第2導電型不純物をドープしてな
るエミッタ層とを有し、上記MOSFETは、上記半導
体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜
の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基板内で上
記ゲート電極の両側方の領域に第1導電型不純物をドー
プしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体基板の表
面付近で上記ソース・ドレイン層間の領域に形成された
第1導電型の第1半導体層と、上記半導体基板内で上記
ソース・ドレイン層及び上記第1半導体層の下方の領域
に形成された第2導電型の第2半導体層とを有し、上記
第1半導体層は、上記第2のバイポーラトランジスタの
真性ベース層内と同じ深さ及び濃度第1導電型不純物
をドープして形成され、上記第2半導体層は、上記第1
のバイポーラトランジスタの真性ベース層内と同じ深さ
及び同じ濃度第2導電型不純物をドープして形成さ
れ、上記第1半導体層及び第2半導体層の不純物導入領
域が互いにオーバーラップするようにドープされてい
る。
【0018】これにより、MOSFETの第1半導体層
と第2半導体層とに亘る領域において、第1導電型不純
物と第2導電型不純物の濃度とがほぼ等しくなる付近の
領域がMOSFETの動作時にチャネルとして機能す
る。また、第2半導体層のうち奥方の第2導電型不純物
の濃度の高い領域がパンチスルーストッパとして機能す
る。したがって、埋め込みチャネルを有ししきい値電圧
の低い低電圧動作型のMOSFETとなるので、半導体
装置の集積度が高くなっても消費電力や発熱量が抑制さ
れる。しかも、各バイポーラトランジスタの特性には悪
影響を与えることがない。さらに、このような構成とす
ることで、第1,第2のバイポーラトランジスタの真性
ベース層を形成する工程を利用してMOSFETのパン
チスルーストッパと埋め込みチャネルとを形成すること
ができ、少ない工程数とマスク数とによって製造し得る
ために、製造コストも低減されることになる。
【0019】上記MOSFETの第1半導体層及び第2
半導体層内では、上記第1導電型不純物の濃度のピーク
位置が上記第2導電型不純物のピーク位置よりも浅く、
上記半導体基板の表面付近では第1導電型不純物の濃度
の方が濃く、奥方に向かうにつれて第1導電型不純物の
濃度が連続的に減小し第2導電型不純物の濃度が連続的
に増大するように変化していることが好ましい。
【0020】上記MOSFETの第1半導体層の第1導
電型不純物の濃度と、第2半導体層の第2導電型不純物
の濃度とが等しくなる境界が、上記半導体基板の表面か
ら深さ50〜300nmの範囲内のいずれかの位置にあ
ように構成することが好ましい。
【0021】上記第1のバイポーラトランジスタの真性
ベース層における第2導電型不純物の濃度と、上記第2
のバイポーラトランジスタの真性ベース層における第1
導電型不純物の濃度とは、いずれも1×1017〜1×1
019/cm3 の範囲であることが好ましい。
【0022】上記半導体基板上に上記MOSFETを取
り囲むように形成された絶縁膜からなる素子分離と、上
記半導体基板における上記素子分離の下方の領域の少な
くとも一部に上記MOSFETの第2半導体層と同じ深
さ及び同じ濃度で第2導電型不純物をドープしてなるチ
ャネルストッパ層とをさらに備えることにより、チャネ
ルストッパの機能によって寄生MOSFETの発生が抑
制されるので、信頼性の高いかつ消費電力の少ない半導
体装置が得られる。
【0023】上記半導体基板に、上記MOSFETと同
じ導電型でしきい値電圧が上記MOSFETよりも高い
同導電型高しきい値MOSFETをさらに設け、上記同
導電型高しきい値MOSFETが、上記半導体基板上に
形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜の上に形成
されたゲート電極と、上記半導体基板内で上記ゲート電
極の両側方の領域に第1導電型不純物をドープしてなる
ソース・ドレイン層と、上記半導体基板内で上記ゲート
電極及び上記ソース・ドレイン層の下方の領域の一部に
上記MOSFETの第2半導体層と同じ深さ及び同じ
度で第2導電型不純物をドープしてなる第2導電型の第
3半導体層とを有することにより、しきい値電圧の異な
る2種類のMOSFETが設けられているので、回路特
性に応じたMOSFETの構造の選択が可能になる。し
かも、各バイポーラトランジスタの真性ベース層を形成
する工程を利用して、しきい値電圧の異なる2種類のM
OSFETを形成できる構造となっているので、製造コ
ストが極めて低減されることになる。
【0024】上記半導体基板上に上記MOSFET及び
同導電型高しきい値MOSFETを取り囲むように形成
された絶縁膜からなる素子分離と、上記半導体基板にお
ける上記素子分離の下方の領域の少なくとも一部に上記
MOSFETの第2半導体層と同じ深さ及び同じ濃度で
第2導電型不純物をドープしてなるチャネルストッパ層
とをさらに備えることができる。
【0025】上記半導体基板に、上記MOSFETとは
異なる導電型でしきい値電圧が相異なる逆導電型高しき
い値MOSFET及び逆導電型低しきい値MOSFET
をさらに設け、上記逆導電型低しきい値MOSFET
は、上記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該
ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導
体基板内で上記ゲート電極の両側方の領域に第2導電型
不純物をドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半
導体基板内で上記ゲート電極及びソース・ドレイン領域
の下方の領域に形成された第1導電型の第4半導体層と
を有し、上記逆導電型高しきい値MOSFETは、上記
半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶
縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基板内
で上記ゲート電極の両側方の領域に第2導電型不純物を
ドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体基板
内で上記ゲート電極及びソース・ドレイン層の下方の領
域に形成された第1導電型の第5半導体層とを有し、該
第5半導体層を取り囲むように上記逆導電型低しきい値
MOSFETの第4半導体層と同じ半導体層が形成され
ていることにより、2種類のしきい値電圧を有するnM
OSFETとpMOSFETとが設けられているので、
極めて利用価値の高いBiCMOS型半導体装置が得ら
れることになる。
【0026】上記半導体基板上に上記MOSFET,同
導電型高しきい値MOSFET,逆導電型高しきい値M
OSFET及び逆導電型低しきい値MOSFETを取り
囲むように形成された絶縁膜からなる素子分離と、上記
半導体基板における上記MOSFET及び同導電型高し
きい値MOSFETに隣接する上記素子分離の下方の領
域の少なくとも一部に上記MOSFETの第2半導体層
と同じ深さ及び濃度で第2導電型不純物をドープしてな
る第1のチャネルストッパ層と、上記半導体基板におけ
る上記各逆導電型MOSFETに隣接する上記素子分離
の下方の領域の少なくとも一部に上記逆導電型低しきい
値MOSFETの第4半導体層と同じ深さ及び同じ濃度
で第1導電型不純物をドープしてなる第2のチャネルス
トッパ層とをさらに備えることができる
【0027】上記第1導電型をp型とし、上記第2導電
型をn型とすることにより、第1のバイポーラトランジ
スタがpnpトランジスタとなり、第2のバイポーラト
ランジスタがnpnトランジスタとなり、MOSFET
がpMOSFETになる。その場合、特にnpnトラン
ジスタの真性ベース層がpnpトランジスタの真性ベー
ス層よりも浅くなる。したがって、より大きな電流利得
が要求されるnpnトランジスタの真性ベース層が浅め
に形成できるので、バイポーラトランジスタの特性には
ほとんど悪影響を与えることがない。一方、pMOSF
ETは、特に埋め込みチャネルを設けることで特性が向
上する。したがって、本発明の作用が顕著に得られるこ
とになる。
【0028】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に、各々縦型バイポーラトランジスタ構造を
有する第1のバイポーラトランジスタ及び第2のバイポ
ーラトランジスタと、MOSFETとが少なくとも搭載
された半導体装置の製造方法であって、上記半導体基板
内に、上記第1のバイポーラトランジスタの第1導電型
のコレクタ層と、上記第2のバイポーラトランジスタの
第2導電型のコレクタ層と、上記MOSFETの第2導
電型の活性領域とを形成する第1の工程と、上記第1の
バイポーラトランジスタの上記コレクタ層に囲まれる領
域と上記MOSFETの活性領域とに第2導電型不純物
を同時に注入する第2の工程と、上記第2のバイポーラ
トランジスタの上記コレクタ層に囲まれる領域と上記M
OSFETの活性領域内の上記第2導電型不純物が注入
された領域とに、上記第2の工程における注入エネルギ
ーよりも小さい注入エネルギーで第1導電型不純物を同
時に注入する第3の工程と、上記MOSFETの活性領
域内の上記第1及び第2の不純物が注入された領域の上
にゲート電極を形成する第4の工程とを少なくとも備え
ている。
【0029】この方法により、第2の工程と第3の工程
による2つの工程で、各バイポーラトランジスタの真性
ベース層が形成されるとともに、MOSFETのゲート
電極の下方における半導体基板内で、表面付近には第1
導電型不純物の濃度が濃い層が形成され、その下方には
第2導電型不純物の濃度が濃い層が形成される。そし
て、第1導電型不純物と第2導電型不純物の濃度がほぼ
等しい部分が埋め込みチャネルとなり、下方の第2導電
型不純物の濃度が濃い層がパンチスルーストッパとな
る。したがって、同じ構造を得ようとすると3つの工程
及びフォトマスクが必要となる従来の製造方法に比べ、
フォトマスク数及び工程数を低減することができ、製造
コストを低減することができる。
【0030】上記第2及び第3の工程では、上記半導体
基板内における上記MOSFETのゲート電極下方の領
域の不純物濃度が、上記第1導電型不純物の濃度のピー
ク位置が上記第2導電型不純物のピーク位置よりも浅
く、上記半導体基板の表面付近では第1導電型不純物の
濃度の方が濃く、奥方に向かうにつれて第1導電型不純
物の濃度が連続的に減小し第2導電型不純物の濃度が連
続的に増大するように変化するように行なうことが好ま
しい。
【0031】上記第2及び第3の工程では、上記第1の
バイポーラトランジスタの真性ベース層における第2導
電型不純物の濃度と、上記第2のバイポーラトランジス
タの真性ベース層における第1導電型不純物の濃度と
が、いずれも1×1017〜1×1019cm-3の範囲にな
るように行なうことが好ましい。
【0032】上記第2の工程では、上記半導体基板内で
上記MOSFETの活性領域を取り囲む素子分離領域の
少なくとも一部に第2導電型不純物を同時に注入するこ
とにより、素子分離の下方に位置する半導体基板内の領
域にチャネルストッパが形成される。製造工程やマスク
数の増大を招くことなく、寄生MOSFETの発生を防
止できる構造をもった半導体装置を形成することができ
る。
【0033】上記第1の工程では、上記半導体基板内
に、上記MOSFETと同じ導電型でしきい値電圧が上
記MOSFETよりも高い同導電型高しきい値MOSF
ETの活性領域を形成し、上記第2の工程では、上記各
MOSFETの活性領域に第2導電型不純物を同時に注
入する一方、上記第3の工程では、上記同導電型高しき
い値MOSFETの活性領域には第1導電型不純物を注
しないことにより、同導電型高しきい値MOSFET
のゲート下方における半導体基板内では表面付近に第1
導電型の領域が形成されず、埋め込みチャネルは形成さ
れないことから、しきい値電圧が高くなる。したがっ
て、マスク数及び製造工程数の増大を招くことなく、し
きい値電圧の異なる2種類のMOSFETを備えた半導
体装置を形成することができる。
【0034】上記第2の工程では、上記半導体基板内で
上記MOSFET及び同導電型高しきい値MOSFET
の活性領域を取り囲む素子分離領域の少なくとも一部に
第2導電型不純物を同時に注入することができる。
【0035】上記第1の工程では、上記半導体基板内
に、上記MOSFETとは異なる導電型でしきい値電圧
が相異なる逆導電型高しきい値MOSFET及び逆導電
型低しきい値MOSFETの活性領域を形成し、上記各
逆導電型MOSFETの活性領域内にそれぞれ第1導電
型不純物を注入する工程をさらに備え、上記第3の工程
では、上記逆導電型高しきい値MOSFET側の活性領
域内のみに第1導電型不純物を同時に注入することによ
り、逆導電型高しきい値MOSFETと逆導電型低しき
い値MOSFETとでは、ゲート電極の下方における半
導体基板内の第1導電型不純物の濃度が異なることで、
しきい値電圧が互いに異なる構成となる。したがって、
極めて少ない工程数及びマスク数により、しきい値電圧
が異なる2種類のnMOSFET及びpMOSFETを
備えた半導体装置を形成することができる。
【0036】上記第2の工程では、上記半導体基板内で
上記MOSFET及び同導電型高しきい値MOSFET
の活性領域を取り囲む素子分離領域の少なくとも一部に
も第2導電型不純物を同時に注入し、上記各逆導電型M
OSFETの共通の活性領域内に第1導電型不純物を注
入する工程では、上記半導体基板内で上記逆導電型高し
きい値MOSFET及び逆導電型低しきい値MOSFE
Tの活性領域を取り囲む素子分離領域の少なくとも一部
に第2導電型不純物を同時に注入することができる。
【0037】上記第1導電型をp型とし、上記第2導電
型をn型とすることにより、半導体装置が少ない工程数
及びマスク数で形成されることになる。
【0038】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に、各々縦型バイポーラトランジスタ構造を
有する第1のバイポーラトランジスタ及び第2のバイポ
ーラトランジスタと、MOSFETとが少なくとも搭載
された半導体装置の製造方法であって、上記半導体基板
内に、上記第1のバイポーラトランジスタの第1導電型
のコレクタ層と、上記第2のバイポーラトランジスタの
第2導電型のコレクタ層と、上記MOSFETの第2導
電型の活性領域とを形成する第1の工程と、上記第2の
バイポーラトランジスタの上記コレクタ層に囲まれる領
域に第1導電型不純物を注入して、上記第2のバイポー
ラトランジスタの真性ベース層を形成する第2の工程
と、上記MOSFETのゲート絶縁膜とゲート電極とを
形成する第3の工程と、上記第1のバイポーラトランジ
スタの上記コレクタ層に囲まれる領域と上記MOSFE
Tの上記活性領域内で上記ゲート電極の両側方に位置す
る領域とに、第2導電型不純物を少なくとも上記MOS
FETのソース側とドレイン側とに傾いた2方向から同
時に注入して、上記第1のバイポーラトランジスタの真
性ベース層と上記MOSFETのポケット注入層とを形
成する第4の工程とを少なくとも備えている。
【0039】この方法により、第4の工程における不純
物イオンの注入方向の傾き角を調整することで、ポケッ
ト注入層の横方向の広がりが変化してMOSFETのし
きい値電圧が適度に調整されるとともに、ポケット注入
層がパンチスルーストッパとして機能する。したがっ
て、2つの工程数及びマスク数のみで製造コストを増大
させることなく、各バイポーラの真性ベース拡散層と、
パンチスルーストッパ及びしきい値制御機能とを有する
MOSFETのポケット注入層とを形成することができ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 以下、第1の実施形態における半導体装置及びその製造
方法について、図1(a)〜(c)及び図2(a)〜
(c)を参照しながら説明する。
【0041】図1(a)〜(c)及び図2(a)〜
(c)には、縦型のpnpトランジスタ(領域Rpnp
内)と、縦型のnpnトランジスタ(領域Rnpn 内)
と、pMOSFET(領域Rmsp 内)とを形成する場合
の実施形態である。
【0042】まず、図1(a)に示すように、比抵抗が
例えば10〜20Ω・cmのp型の半導体基板101内
の所定領域内にn型不純物イオン例えば砒素イオンを6
0keV,1×1015/cm2 の条件で注入した後、例
えば900℃の温度下において30分程度の熱処理を行
なうことにより、n型埋め込み層102を形成し、その
後、比抵抗1Ω・cm,厚さ2.5μm程度のn型エピ
タキシャル層103を形成する。
【0043】その後、所定領域を開口した第1のフォト
レジストマスクFr1を用いて、p型不純物イオン例えば
ホウ素イオン(B+ )を150keV,2×1012/c
m2の条件で注入し、素子分離のためのウエル拡散層1
05と、pnpトランジスタのコレクタ拡散層106と
を形成する。
【0044】次に、図1(b)に示すように、基板上
に、選択酸化法により厚さ350nm程度の素子分離と
なる熱酸化膜107を形成する。さらに、所定領域を開
口した第2のフォトレジストマスクFr2を用いて、n型
不純物イオン例えば燐イオン(P+ )を120keV,
1.5×1013/cm2 の条件で、図10(b)に示す
濃度分布になるように注入し、pnpトランジスタの真
性ベース拡散層109とpMOSFETのパンチスルー
ストッパ及びしきい値制御部としての機能を有するPT
−VT拡散層110とを形成する。
【0045】次に、図1(c)に示すように、所定領域
を開口した第3のフォトレジストマスクFr3を用いて、
p型不純物イオン例えばホウ素イオン(B+ )を30k
eV,1.5×1013/cm2 の条件で、図10(a)
に示す濃度分布になるように注入し、npnトランジス
タの真性ベース拡散層112及びpMOSFETのチャ
ネルドープ拡散層113を形成する。
【0046】次に、図2(a)に示すように、厚さ15
nm程度のゲート酸化膜114で基板の表面を被覆した
後、n型多結晶シリコンゲート115を形成する。さら
に所定領域を開口した第4のフォトレジストマスクFr4
を用いて、n型不純物イオン例えば砒素イオン(As+
)を40keV,1×1016/cm2 の条件で注入
し、npnトランジスタのエミッタ拡散層117及びコ
レクタコンタクト拡散層118と、pnpトランジスタ
のベースコンタクト拡散層119とを形成する。
【0047】次に、図2(b)に示すように、所定領域
を開口した第5のフォトレジストマスクFr5を用いて、
p型不純物イオン例えばフッ化ホウ素イオン(BF2+)
を40keV,3×1015/cm2 の条件で注入し、p
npトランジスタのエミッタ拡散層121及びコレクタ
コンタクト拡散層122と、npnトランジスタのベー
スコンタクト拡散層123と、pMOSFETのソース
・ドレイン拡散層124とを形成する。
【0048】最後に、図2(c)に示すように、基板の
全面上に保護膜125を形成し、金属電極126を形成
することにより、各トランジスタが完成する。
【0049】なお、上記図1(b)及び図1(c)に示
す工程において導入される不純物の濃度は、いずれも場
合も1×1017〜1×1019/cm3 程度が好ましい。
【0050】ここで、上記製造工程によって形成される
各トランジスタの各層における不純物濃度について説明
する。pnpトランジスタのコレクタ拡散層106にお
けるp型不純物の濃度をDp0とし、n型エピタキシャル
層103に当初導入されたn型不純物の濃度をDn0と
し、図1(b)に示す工程において導入されたn型不純
物(燐)の濃度をDn1とし、図1(c)に示す工程にお
いて導入されたp型不純物(ホウ素)の濃度をDp1と
し、図2(a)に示す工程において導入されたn型不純
物(砒素)の濃度をDn2とし、図2(b)に示す工程に
おいて導入されたp型不純物(BF2 )の濃度をDp2と
すると、各層における実効的な不純物濃度は以下のよう
に表される。 pnpトランジスタ エミッタ拡散層121 :Dp2+Dp0−Dn1 真性ベース拡散層109 :Dn1−Dp0 ベースコンタクト拡散層119 :Dn2+Dn1−Dp0 コレクタ拡散層106 :Dp0 コレクタコンタクト拡散層122 :Dp2+Dp0 npnトランジスタ エミッタ拡散層117 :Dn2+Dn0−Dp1 真性ベース拡散層112 :Dp1−Dn0 ベースコンタクト拡散層123 :Dp2+Dp1−Dn0 コレクタ拡散層(103) :Dn0 コレクタコンタクト拡散層118 :Dn2+Dn0 pMOSFET チャネルドープ拡散層113 :Dp1−Dn1−Dn0 PT−VT拡散層110 :Dn1+Dn0−Dp1 ソース・ドレイン拡散層124 :Dp2+Dp1−Dn1−Dn0 ただし、図1(c)に示す工程における不純物イオンの
注入エネルギーは、上記図1(b)に示す工程における
不純物イオンの注入エネルギーよりもかなり小さいの
で、npnトランジスタの真性ベース拡散層112の深
さは、pnpトランジスタの真性ベース拡散層109の
深さよりも浅くなる。また、pMOSFETのPT−V
T拡散層110とチャネルドープ拡散層113とに亘る
領域において、各領域109,110に注入される不純
物の濃度は同じであるが、不純物濃度のピーク位置が異
なる。すなわち、図10(a),(b)に示すように、
PT−VT拡散層110に注入されたn型不純物(燐)
の濃度のピーク位置は、チャネルドープ拡散層113に
注入されたp型不純物(ホウ素)の濃度のピーク位置よ
りも深い。
【0051】したがって、図10(c)に示すように、
p型不純物の実効的な濃度(Dp1−Dn1−Dn0)の値は
基板の表面付近では濃いがピーク位置を過ぎた後は薄く
なり、やがてマイナスになるように変化する。一方、n
型不純物の実効的な濃度(Dn1+Dn0−Dp1)の変化は
その逆になる。すなわち、基板の表面付近の領域にホウ
素の濃度が濃い部分が形成され、その後、ホウ素の濃度
が減小し次第に燐の濃度が上昇する。したがって、基板
の表面付近の領域に薄い第1半導体層であるp型領域が
形成された後、その下方に第2半導体層であるn型領域
が形成され、両者の境界付近ではp型不純物の濃度とn
型不純物の濃度とが等しくなる。この両者の濃度がほぼ
等しくなる付近の領域がpMOSFETの作動時におけ
るチャネルとして機能する。つまり、埋め込みチャネル
が形成されており、特性の良好なpMOSFETが得ら
れる。
【0052】なお、pMOSFETのしきい値電圧を適
正範囲に維持するためには、p型不純物の濃度とn型不
純物の濃度とがほぼ等しい部分の深さが、50〜300
nmであることが好ましい。
【0053】また、npnトランジスタの真性ベース拡
散層112の深さは小さくできるので、高い電流利得を
得ることが可能である。一方、pnpトランジスタの真
性ベース拡散層109の深さはやや深いが、pnpトラ
ンジスタについてはコレクタ拡散層106におけるp型
不純物の濃度を調整することにより、ベース幅を適度に
形成し得るので、良好な特性が得られる。したがって、
バイポーラトランジスタの特性には影響を与えることは
ない。
【0054】以上のように、本実施形態によれば、図1
(b)に示す工程においてpnpトランジスタの真性ベ
ース拡散層109とpMOSFETのPT−VT拡散層
110とを同一のフォトレジストマスクFr2を用いて形
成し、さらに、図1(c)に示す工程においてnpnト
ランジスタの真性ベース拡散層112とpMOSFET
のチャネルドープ拡散層113とを同一のフォトレジス
トマスクFr3を用いて形成している。一方、図9(a)
〜(f)に示す従来のBiCMOS半導体装置の製造工
程においては、pnpトランジスタを形成する工程を示
していないが、pnpトランジスタの真性ベース拡散層
を形成しようとすると、図9(c),(d)に示す工程
の他に別途1工程必要となるので、フォトレジストマス
ク数及び工程数が最低限3つ必要となる。
【0055】それに対し、本実施形態では、図1
(b),(c)に示す2つの工程によって、pnpトラ
ンジスタの真性ベース拡散層109と、npnトランジ
スタの真性ベース拡散層112と、pMOSFETのチ
ャネルドープ拡散層113及びPT−VT拡散層110
とを形成することができる。そして、第2,第3のフォ
トレジストマスクFr2,Fr3という2つのマスクだけ
で、この4つの拡散層109,112,113,110
を形成することができる。よって、pMOSFETの工
程数の低減ひいては製造コストの低減を図ることができ
る。
【0056】なお、本実施形態における製造プロセスに
おいて、酸化膜を形成する際には熱酸化法の代わりにC
VD法を用いてもよく、特にバイポーラトランジスタの
コレクタ及びベースのコンタクト層を形成するためにイ
オン注入法を用いる代わりに熱拡散法を用いてもよいこ
とはいうまでもない。また、このコンタクト拡散層は必
ずしも必要ではない。
【0057】(第2の実施形態) 次に、第2の実施形態におけるトランジスタについて、
図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態にお
ける製造工程中の1つの工程を示す断面図であって、上
述の第1の実施形態における図1(b)に示す工程に相
当する工程を示している。
【0058】本実施形態では、まず、第1の実施形態に
おける図1(a)に示す工程と同じ工程を行なった後、
図3に示す工程を行なう。すなわち、基板上に選択酸化
法により厚さ350nm程度の素子分離となる熱酸化膜
107を形成した後、所定領域を開口した第2のフォト
レジストマスクFr2を形成する。その際、第2のフォト
レジストマスクFr2中において、pMOSFET形成領
域Rmsp の両側の熱酸化膜107上の一部にも開口を形
成しておく。そして、この第2のフォトレジストマスク
Fr2を用いて、n型不純物イオン例えば燐イオン(P+
)を120keV,1.5×1013/cm2 の条件で
注入し、pnpトランジスタの真性ベース拡散層109
と、pMOSFETのPT−VT拡散層110と、チャ
ネルストッパ拡散層127とを形成する。
【0059】その後は、第1の実施形態における図1
(c)及び図2(a)〜(c)と同じ工程を行なう。
【0060】本実施形態によれば、第1の実施形態と全
く変わらない工程数でBiCMOS半導体装置を形成し
ながら、図3に示す工程における第2のフォトレジスト
マスクFr2の形状を第1の実施形態における形状と少し
変えるだけで、pMOSFETの両側の素子分離領域内
にn型不純物を拡散させて、チャネルストッパ拡散層1
27を形成することができる。
【0061】したがって、上記第1の実施形態と同じ効
果を発揮できるに加えて、工程数の増大を招くことな
く、pMOSFETの両側の熱酸化膜107がゲート酸
化膜として機能するような寄生MOSFETの発生を有
効に防止することができる。
【0062】なお、本実施形態ではチャネルストッパ拡
散層127をpMOSFETの活性領域の外側に形成し
たが、PT−VT拡散層110を形成する際に不純物が
拡散により活性領域の外側につまり素子分離領域の端部
付近も広がる構成にして両者を一体として形成してもよ
い。この場合には、熱酸化膜107に開口部を形成する
必要はない。
【0063】(第3の実施形態) 次に、第3の実施形態について、図4(a)〜(c)及
び図5(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0064】まず、図4(a)に示す工程において、第
1の実施形態における図1(a)に示す工程と同様の処
理を行なう。
【0065】次に、図4(b)に示すように、基板上に
選択酸化法により厚さ350nm程度の素子分離となる
熱酸化膜107を形成する。さらに、所定領域を開口し
た第2のフォトレジストマスクFr2を用いて、p型不純
物イオン例えばホウ素イオン(B+ )を30keV,
1.5×1013/cm2 の条件で注入し、npnトラン
ジスタの真性ベース拡散層112を形成する。
【0066】次に、図4(c)に示すように、基板の表
面を厚さ15nm程度のゲート酸化膜114で被覆した
後、n型多結晶シリコンゲート115を形成する。さら
に、所定領域を開口した第3のフォトレジストマスクF
r3を用いて、4ステップの大傾角イオン注入法によりn
型不純物イオン例えば燐イオン(P+ )を150ke
V,3×1012/cm2 ,傾き角25゜の条件で注入す
る。この条件下では、合計のドーズ量は、1.2×10
13/cm2 程度になる。この工程によって、pnpトラ
ンジスタの真性ベース拡散層109及びpMOSFET
のPT−VT拡散層110が形成される。
【0067】その際、注入条件の適正範囲は、いずれも
4ステップ注入を行なうとして、燐イオン(P+ )の場
合には、注入エネルギーが100〜180keV(より
好ましくは120〜150keV),ドーズ量が1回当
たり1×1012〜5×1012/cm2 (合計4×1012
〜2×1013/cm2 )であり、イオンの注入方向の傾
き角は10〜45゜(より好ましくは15〜30゜)で
ある。
【0068】次に、図5(a)〜図5(c)に示す工程
で、上述の第1の実施形態における図1(a)〜(c)
に示す工程と同じ工程を行なう。この各工程について
は、すでに説明したとおりなので、説明を省略する。
【0069】本実施形態においては、pnpトランジス
タのコレクタ拡散層106におけるp型不純物の濃度を
Dp0とし、n型エピタキシャル層103におけるn型不
純物の濃度をDn0とし、図4(b)に示す工程において
導入されたp型不純物(ホウ素)の濃度をDp1とし、図
4(c)に示す工程において導入されたn型不純物
(燐)の濃度Dn1とし、図5(a)に示す工程において
導入されたn型不純物(砒素)の濃度をDn2とし、図2
(b)に示す工程において導入されたp型不純物(BF
2 )の濃度をDp2とすると、各層における実効的な不純
物濃度は以下のように表される。 pnpトランジスタ エミッタ拡散層121 :Dp2+Dp0−Dn1 真性ベース拡散層109 :Dn1−Dp0 ベースコンタクト拡散層119 :Dn2+Dn1−Dp0 コレクタ拡散層106 :Dp0 コレクタコンタクト拡散層122 :Dp2+Dp0 npnトランジスタ エミッタ拡散層117 :Dn2+Dn0−Dp1 真性ベース拡散層112 :Dp1−Dn0 ベースコンタクト拡散層123 :Dp2+Dp1−Dn0 コレクタ拡散層(103) :Dn0 コレクタコンタクト拡散層118 :Dn2+Dn0 pMOSFET ソース・ドレイン拡散層124 :Dp2−Dn1−Dn0 PT−VT拡散層110 :Dn1+Dn0 ウエル拡散層103 :Dn0 (チャネル領域) 本実施形態によれば、図4(c)に示す工程で、pnp
トランジスタの真性ベース拡散層109とpMOSFE
TのPT−VT拡散層110とを同一のフォトマスクを
用いて形成する。その点は第1の実施形態と同じである
が、本実施形態では、この不純物イオンの注入を4ステ
ップによる大傾角イオン注入法によって行なう点が、第
1の実施形態と異なる。上記第1の実施形態と異なり、
本実施形態では、埋め込みチャネルを形成するためのチ
ャネルドープ拡散層を形成しておらず、表面チャネル型
pMOSFETに適用される製造方法である。そして、
図4(c)に示す工程における不純物イオンを注入する
方向の傾き角によって、PT−VT拡散層110のゲー
ト直下領域への入り込みの程度を調整することができ、
このPT−VT拡散層110の構造によりしきい値電圧
を適度に調整することができる。また、本実施形態の製
造工程における工程数及びマスク数も第1実施形態と同
じである。よって、第1の実施形態と同じ効果を発揮す
ることができる。
【0070】なお、本実施形態では、ポケット注入層を
形成する際に4ステップ大傾角イオン注入法を用いた
が、4ステップに限定されるものではなく、注入方向の
異なる2回以上のイオン注入を行なえばよい。また、イ
オンの注入源を固定して基板を連続的に回転させながら
行なう回転注入法によってもよい。
【0071】(第4の実施形態) 次に、第4の実施形態について、図6(a),(b),
図7(a),(b)及び図8(a)〜(c)を参照しな
がら説明する。
【0072】本実施形態では、縦型のpnpトランジス
タ(領域Rpnp 内)と、縦型のnpnトランジスタ(領
域Rnpn 内)と、第1pMOSFET(領域Rmsp1内)
と、第2pMOSFET(領域Rmsp2内)と、第1nM
OSFET(領域Rmsn1内)と、第2nMOSFET
(領域Rmsn2内)とを有するBiCMOS半導体装置に
ついて説明する。
【0073】まず、図6(a)に示すように、比抵抗が
例えば10〜20Ω・cmのp型の半導体基板101内
の所定領域にn型不純物イオン例えば砒素イオンを60
keV,1×1015/cm2 の条件で注入した後、例え
ば900℃の温度下において30分程度の熱処理を行な
うことにより、n型埋め込み層102を形成し、その
後、比抵抗1Ω・cm,厚さ2.5μm程度のn型エピ
タキシャル層103を形成する。この工程は、基本的に
は上記第1の実施形態における図1(a)に示す工程と
同じである。
【0074】その後、所定領域を開口した第1のフォト
レジストマスクFr1を用いて、p型不純物イオン例えば
ホウ素イオン(B+ )を150keV,2×1012/c
m2の条件で注入し、第1,第2nMOSFETのバッ
クゲートとなるウエル拡散層104と、素子分離のため
のウエル拡散層105と、pnpトランジスタのコレク
タ拡散層106とを形成する。
【0075】次に、図6(b)に示すように、基板上に
選択酸化法により厚さ350nm程度の素子分離となる
熱酸化膜107を形成する。さらに、所定領域を開口し
た第2のフォトレジストマスクFr2を用いて、ホウ素イ
オン(B+ )を130keV,3.8×1012/cm2
の条件で注入し、第1,第2nMOSFETのPT−V
T拡散層108を形成する。このPT−VT拡散層10
8は、パンチスルーストッパ機能としきい値電圧を制御
する機能をも有する。このとき、ホウ素イオン(B+ )
はフォトレジストマスクFr2の開口領域内で熱酸化膜1
07を突き抜けて下方の基板内に注入されるので、PT
−VT拡散層108は熱酸化膜107の下方にまで広が
っており、この部分108aがチャネルストッパ層とし
て機能する。
【0076】次に、図7(a)に示すように、所定領域
を開口した第3のフォトレジストマスクFr3を用いて、
n型不純物イオン例えば燐(P+ )を120keV,
1.5×1013/cm2 の条件で注入し、pnpトラン
ジスタの真性ベース拡散層109と、第1,第2pMO
SFETのPT−VT拡散層110a,110bを形成
する。このPT−VT拡散層110a,110bは、拡
散により素子分離領域の端部付近にまで広がっており、
この部分がチャネルストッパとして機能する。
【0077】ただし、nMOSFET及びpMOSFE
Tのチャネルストッパ層を形成するためには、上記第2
の実施形態と同様に、熱酸化膜107の一部に開口部を
設けておいて、開口部から基板内に不純物イオンを注入
してもよい。
【0078】次に、図7(b)に示すように、第4のフ
ォトレジストマスクFr4を用いて、p型不純物イオン例
えばホウ素イオン(B+ )を30keV,1.5×10
13/cm2 の条件で注入し、npnトランジスタの真性
ベース拡散層112と、第2pMOSFETのチャネル
ドープ拡散層113と、第1nMOSFETの第2のチ
ャネルドープ拡散層111とを形成する。このとき、第
1pMOSFETを形成する領域Rmsp1及び第2nMO
SFETを形成する領域Rmsn2には、不純物イオンの注
入を行なわない。
【0079】次に、図8(a)に示すように、厚さ15
nm程度のゲート酸化膜114で基板の表面を被覆した
後、n型多結晶シリコンゲート115を形成する。さら
に所定領域を開口した第4のフォトレジストマスクFr4
を用いて、n型不純物イオン例えば砒素イオン(As+
)を40keV,1×1016/cm2 の条件で注入
し、npnトランジスタのエミッタ拡散層117及びコ
レクタコンタクト拡散層118と、pnpトランジスタ
のベースコンタクト拡散層119と、第1,第2nMO
SFETのソース・ドレイン拡散層116a,116b
とを形成する。
【0080】次に、図8(b)に示すように、所定領域
を開口した第5のフォトレジストマスクFr5を用いて、
p型不純物イオン例えばフッ化ホウ素イオン(BF2+)
を40keV,3×1015/cm2 の条件で注入し、p
npトランジスタのエミッタ拡散層121及びコレクタ
コンタクト拡散層122と、npnトランジスタのベー
スコンタクト拡散層123と、第1,第2pMOSFE
Tのソース・ドレイン拡散層124a,124bとを形
成する。
【0081】最後に、図8(c)に示すように、基板の
全面上に保護膜125を形成し、金属電極126を形成
することにより、各トランジスタが完成する。
【0082】本実施形態の各工程において、pnpトラ
ンジスタのコレクタ拡散層106におけるp型不純物の
濃度をDp0とし、n型エピタキシャル層103に当初導
入されたn型不純物の濃度をDn0とし、図6(b)に示
す工程において導入されたp型不純物(ホウ素)の濃度
をDp1′とし、図7(a)に示す工程において導入され
たn型不純物(燐)の濃度をDn1とし、図7(b)に示
す工程において導入されたp型不純物(ホウ素)の濃度
Dp1とし、図8(a)に示す工程において導入されたn
型不純物(砒素)の濃度をDn2とし、図8(b)に示す
工程において導入されたp型不純物(BF2 )の濃度を
Dp2とすると、各層における実効的な不純物濃度は以下
のように表される。
【0083】 pnpトランジスタ エミッタ拡散層121 :Dp2+Dp0−Dn1 真性ベース拡散層109 :Dn1−Dp0 ベースコンタクト拡散層119 :Dn2+Dn1−Dp0 コレクタ拡散層106 :Dp0 コレクタコンタクト拡散層122 :Dp2+Dp0 npnトランジスタ エミッタ拡散層117 :Dn2+Dn0−Dp1 真性ベース拡散層112 :Dp1−Dn0 ベースコンタクト拡散層123 :Dp2+Dp1−Dn0 コレクタ拡散層(103) :Dn0 コレクタコンタクト拡散層118 :Dn2+Dn0 第1pMOSFET PT−VT拡散層110a :Dn1+Dn0 (チャネル領域) ソース・ドレイン拡散層124a :Dp2−Dn1−Dn0 第2pMOSFET チャネルドープ拡散層113 :Dp1−Dn1−Dn0 PT−VT拡散層110b :Dn1+Dn0−Dp1 ソース・ドレイン拡散層124b :Dp2+Dp1−Dn1−Dn0 第1nMOSFET PT−VT拡散層108 :Dp1+Dp1′+Dp0 ソース・ドレイン拡散層116a :Dn2−Dp1−Dp1′−Dp0 チャネルドープ拡散層111 :Dp1′+Dp0 第2nMOSFET PT−VT拡散層108 :Dp1′+Dp0 (チャネル領域) ソース・ドレイン拡散層116b :Dn2−Dp1′−Dp0 本実施形態では、第2pMOSFETは、PT−VT拡
散層110bとチャネルドープ拡散層113とを備えて
おり、埋め込みチャネルを有する低しきい値MOSFE
Tとなる。一方、第1pMOSFETにおいては、拡散
層110aが基板内部ではパンチスルーストッパとして
機能する一方、基板表面付近ではチャネル領域としても
機能するので、第1pMOSFETは高しきい値電圧M
OSFETとなる。
【0084】第1nMOSFETにおいては、チャネル
領域となる拡散層111が3回のp型不純物イオンの注
入により形成されているので、第1nMOSFETは高
しきい値電圧MOSFETとなる。一方、第2nMOS
FETにおいては、チャネル領域となる拡散層108が
2回のp型不純物イオンの注入により形成されているの
で、第2nMOSFETは低しきい値電圧MOSFET
となる。
【0085】ここで、本実施形態では、図7(a),
(b)に示す2つの工程で、2つのフォトレジストマス
クFr3,Fr4を使用するだけで、pnpトランジスタの
真性ベース拡散層109と、npnトランジスタの真性
ベース拡散層112と、第2pMOSFETのPT−V
T拡散層110b及びチャネルドープ拡散層113とを
形成することができる。すなわち、上記第1の実施形態
と同じ効果を発揮することができる。
【0086】さらに、本実施形態では、図7(a),
(b)に示す2つの工程を利用して、工程数やマスク数
をまったく増大することなく、高しきい値電圧MOSF
ET(第1pMOSFET)と低しきい値電圧MOSF
ET(第2pMOSFET)というしきい値電圧の異な
る2種類のpMOSFETを形成することができる。
【0087】また、図7(b)に示す工程を利用するこ
とにより、工程数やマスク数をまったく増大することな
く、高しきい値nMOSFET(第1nMOSFET)
と低しきい値nMOSFETというしきい値電圧の異な
る2種類のnMOSFETを形成することもできる。
【0088】したがって、本実施形態は、上記第1の実
施形態と同様の効果に加え、極めて少ない工程数で、高
しきい値電圧を有する第1pMOSFET及び第1nM
OSFETと、低しきい値電圧を有する第2pMOSF
ETと第2nMOSFETというしきい値電圧の異なる
2種類のMOSFETとをpMOSFET及びnMOS
FETについて形成することができるという著効を発揮
することができる。
【0089】(その他の実施形態) 上記第1又は第2の実施形態において、半導体基板上に
nMOSFETを形成してもよい。その場合、p型のウ
エル拡散層103の上に形成すればよく、かつ図1
(c)に示す工程で、nMOSFETのPT−VT拡散
層を形成すればよい。
【0090】上記第3の実施形態において、図4(c)
に示す工程では、燐イオン(P+)の注入方向を大きく傾
けることによって、ゲート両側の2つのPT−VT拡散
層110がゲート下方でオーバーラップするように形成
してもよい。
【0091】
【発明の効果】本発明の半導体装置によれば、極性の相
異なる第1,第2のバイポーラトランジスタとMOSF
ETとを搭載した半導体装置において、第1,第2のバ
イポーラトランジスタの各々深さの異なる真性ベース層
に導入されている第1,第2導電型不純物とそれぞれ同
じ深さ及び濃度を有する第1,第2導電型不純物によっ
てMOSFETの第1拡散層と第2拡散層とが形成され
ている構造としたので、少ないマスク数及び工程数によ
って、各バイポーラトランジスタの特性に悪影響を与え
ることなく、埋め込みチャネル構造を有するMOSFE
Tを構成することができ、よって、各トランジスタの特
性の向上と製造コストの低減とを図ることができる。
【0092】また、MOSFETに、バイポーラトラン
ジスタの真性ベース層やMOSFETのパンチスルース
トッパ用の領域内と同じ深さ及び濃度を有する不純物を
素子分離下方の基板内に導入してなるチャネルストッパ
を設ける構成としたので、寄生MOSFETの発生を有
効に防止できる半導体装置の構造を低コストで実現する
ことができる。
【0093】さらに、第1,第2のバイポーラトランジ
スタの各々深さの異なる真性ベース層に導入されている
第1,第2導電型不純物と同じ深さ及び濃度を有する不
純物によりしきい値電圧が異なるように調整された2種
類のMOSFETを設けるようにしたので、回路特性に
応じたMOSFETの種類の選択を可能とし、よって、
半導体装置の利用性の向上を図ることができる。
【0094】本発明の第1の半導体装置の製造方法によ
れば、極性の相異なる第1,第2のバイポーラトランジ
スタとMOSFETとを搭載した半導体装置の製造方法
において、第1導電型不純物イオンの同時注入により第
1のバイポーラトランジスタの第1導電型の真性ベース
層とMOSFETの第2不純物拡散層とを形成する工程
と、第2導電型不純物イオンの注入により第2のバイポ
ーラトランジスタの第2導電型の真性ベース層とMOS
FETの第1不純物拡散層とを浅く形成する工程とを設
けるようにしたので、独立してMOSFETの第2不純
物拡散層または第1不純物拡散層または第3不純物拡散
層を形成する工程を不要とすることができ、かつ各トラ
ンジスタの特性を良好に維持し得るので、製造コストの
安価なかつ優れた特性を有する半導体装置の製造を図る
ことができる。
【0095】さらに、バイポーラトランジスタの真性ベ
ース層等を形成する工程を利用して、MOSFETの素
子分離領域にチャネルストッパ層を形成するようにした
ので、製造コストの安価なかつ寄生MOSFETの発生
を防止できる構造を有する半導体装置の製造を図ること
ができる。
【0096】また、バイポーラトランジスタの真性ベー
ス層を形成する工程を利用して、しきい値電圧の異なる
2種類のMOSFETを形成するようにしたので、利用
性の高い半導体装置の製造を図ることができる。
【0097】本発明の第2の半導体装置の製造方法によ
れば、大傾角イオン注入法を利用してバイポーラトラン
ジスタの真性ベース層とMOSFETのパンチスルース
トッパ機能及びしきい値制御機能を有する領域とを同時
に形成するようにしたので、請求項11と同様の効果を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
前半の各工程を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
後半の各工程を示す断面図である。
【図3】第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
一部部分を示す断面図である。
【図4】第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
前半の各工程を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
後半の各工程を示す断面図である。
【図6】第4の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
前半の各工程を示す断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
中間の各工程を示す断面図である。
【図8】第4の実施形態に係る半導体装置の製造工程の
後半の各工程を示す断面図である。
【図9】従来のBiCMOS半導体装置の製造工程を示
す断面図である。
【図10】各実施形態においてpMOSFETのゲート
電極下方の基板内に注入されるp型不純物の濃度,n型
不純物の濃度及び両不純物の合成効果による実効的な不
純物濃度の基板深さ方向における濃度分布を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 半導体基板 102 n型埋め込み層 103 n型エピタキシャル層 105 ウエル拡散層 106 コレクタ拡散層 107 熱酸化膜 108 PT−VT拡散層(nMOSFET) 109 真性ベース拡散層 110 PT−VT拡散層(pMOSFET) 111 チャネルドープ拡散層(nMOSFET) 112 真性ベース拡散層 113 チャネルドープ拡散層(pMOSFET) 114 ゲート酸化膜 115 多結晶シリコンゲート 117 エミッタ拡散層 118 コレクタコンタクト拡散層 119 ベースコンタクト拡散層 121 エミッタ拡散層 122 コレクタコンタクト拡散層 123 ベースコンタクト拡散層 124 ソース・ドレイン拡散層 125 保護膜 126 金属電極 127 チャネルストッパ拡散層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−125462(JP,A) 特開 平3−129874(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8249 H01L 21/8222 - 21/8228 H01L 27/06 - 27/092 H01L 29/72

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に、各々縦型バイポーラトラ
    ンジスタ構造を有する第1のバイポーラトランジスタ及
    び第2のバイポーラトランジスタと、MOSFETとが
    少なくとも搭載された半導体装置であって、 上記第1のバイポーラトランジスタは、 上記半導体基板内に第1導電型不純物をドープしてなる
    コレクタ層と、該コレクタ層に取り囲まれる領域に第2
    導電型不純物をドープしてなる真性ベース層と、該真性
    ベース層に取り囲まれる領域に第1導電型不純物をドー
    プしてなるエミッタ層とを有し、 上記第2のバイポーラトランジスタは、 上記半導体基板内に第2導電型不純物をドープしてなる
    コレクタ層と、該コレクタ層に取り囲まれる領域かつ上
    記第1のバイポーラトランジスタの真性ベース層よりも
    浅い領域に第1導電型不純物をドープしてなる真性ベー
    ス層と、該真性ベース層に取り囲まれる領域に第2導電
    型不純物をドープしてなるエミッタ層とを有し、 上記MOSFETは、 上記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲー
    ト絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基
    板内で上記ゲート電極の両側方の領域に第1導電型不純
    物をドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体
    基板の表面付近で上記ソース・ドレイン層間の領域に形
    成された第1導電型の第1半導体層と、上記半導体基板
    内で上記ソース・ドレイン層及び上記第1半導体層の下
    方の領域に形成された第2導電型の第2半導体層とを有
    し、 上記第1半導体層は、上記第2のバイポーラトランジス
    タの真性ベース層内と同じ深さ及び濃度第1導電型不
    純物をドープして形成され、 上記第2半導体層は、 上記第1のバイポーラトランジス
    タの真性ベース層内と同じ深さ及び同じ濃度第2導電
    型不純物をドープして形成され、上記第1半導体層及び第2半導体層の不純物 導入領域が
    互いにオーバーラップするようにドープされていること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 上記MOSFETの第1半導体層及び第2半導体層内で
    は、上記第1導電型不純物の濃度のピーク位置が上記第
    2導電型不純物のピーク位置よりも浅く、上記半導体基
    板の表面付近では第1導電型不純物の濃度の方が濃く、
    奥方に向かうにつれて第1導電型不純物の濃度が連続的
    に減小し第2導電型不純物の濃度が連続的に増大するよ
    うに変化していることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置において、 上記MOSFETの第1半導体層の第1導電型不純物の
    濃度と、第2半導体層の第2導電型不純物の濃度とが等
    しくなる境界が、上記半導体基板の表面から深さ50〜
    300nmの範囲内のいずれかの位置にあることを特徴
    とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の半導体装置において、 上記第1のバイポーラトランジスタの真性ベース層にお
    ける第2導電型不純物の濃度と、上記第2のバイポーラ
    トランジスタの真性ベース層における第1導電型不純物
    の濃度とは、いずれも1×1017〜1×1019/cm3
    の範囲であることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体装置において、 上記半導体基板上に上記MOSFETを取り囲むように
    形成された絶縁膜からなる素子分離と、 上記半導体基板における上記素子分離の下方の領域の少
    なくとも一部に上記MOSFETの第2半導体層と同じ
    深さ及び同じ濃度で第2導電型不純物をドープしてなる
    チャネルストッパ層とをさらに備えていることを特徴と
    する半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の半導体装置において、 上記半導体基板には、上記MOSFETと同じ導電型で
    しきい値電圧が上記MOSFETよりも高い同導電型高
    しきい値MOSFETがさらに設けられており、 上記同導電型高しきい値MOSFETは、 上記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲー
    ト絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基
    板内で上記ゲート電極の両側方の領域に第1導電型不純
    物をドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体
    基板内で上記ゲート電極及び上記ソース・ドレイン層の
    下方の領域に上記MOSFETの第2半導体層と同じ深
    さ及び同じ濃度で第2導電型不純物をドープしてなる第
    2導電型の第3半導体層とを有することを特徴とする半
    導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体装置において、 上記半導体基板上に上記MOSFET及び同導電型高し
    きい値MOSFETを取り囲むように形成された絶縁膜
    からなる素子分離と、 上記半導体基板における上記素子分離の下方の領域の少
    なくとも一部に上記MOSFETの第2半導体層と同じ
    深さ及び同じ濃度で第2導電型不純物をドープしてなる
    チャネルストッパ層とをさらに備えていることを特徴と
    する半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は6記載の半導体装置におい
    て、 上記半導体基板には、上記MOSFETとは異なる導電
    型でしきい値電圧が相異なる逆導電型高しきい値MOS
    FET及び逆導電型低しきい値MOSFETがさらに設
    けられており、 上記逆導電型低しきい値MOSFETは、 上記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲー
    ト絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基
    板内で上記ゲート電極の両側方の領域に第2導電型不純
    物をドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体
    基板内で上記ゲート電極及びソース・ドレイン領域の下
    方の領域に形成された第1導電型の第4半導体層とを有
    し、 上記逆導電型高しきい値MOSFETは、 上記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲー
    ト絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、上記半導体基
    板内で上記ゲート電極の両側方の領域に第2導電型不純
    物をドープしてなるソース・ドレイン層と、上記半導体
    基板内で上記ゲート電極及びソース・ドレイン層の下方
    の領域に形成された第1導電型の第5半導体層とを
    し、該第5半導体層を取り囲むように上記逆導電型低し
    きい値MOSFETの第4半導体層と同じ半導体層が形
    成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の半導体装置において、 上記半導体基板上に上記MOSFET,同導電型高しき
    い値MOSFET,逆導電型高しきい値MOSFET及
    び逆導電型低しきい値MOSFETを取り囲むように形
    成された絶縁膜からなる素子分離と、 上記半導体基板における上記MOSFET及び同導電型
    高しきい値MOSFETに隣接する上記素子分離の下方
    の領域の少なくとも一部に上記MOSFETの第2半導
    層と同じ深さ及び同じ濃度で第2導電型不純物をドー
    プしてなる第1のチャネルストッパ層と、 上記半導体基板における上記各逆導電型MOSFETに
    隣接する上記素子分離の下方の領域の少なくとも一部に
    上記逆導電型低しきい値MOSFETの第4半導体層と
    同じ深さ及び同じ濃度で第1導電型不純物をドープして
    なる第2のチャネルストッパ層とをさらに備えているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8又は9記載の半導体装置において、 上記第1導電型はp型であり、 上記第2導電型はn型であることを特徴とする半導体装
    置。
  11. 【請求項11】 半導体基板に、各々縦型バイポーラト
    ランジスタ構造を有する第1のバイポーラトランジスタ
    及び第2のバイポーラトランジスタと、MOSFETと
    が少なくとも搭載された半導体装置の製造方法であっ
    て、 上記半導体基板内に、上記第1のバイポーラトランジス
    タの第1導電型のコレクタ層と、上記第2のバイポーラ
    トランジスタの第2導電型のコレクタ層と、上記MOS
    FETの第2導電型の活性領域とを形成する第1の工程
    と、 上記第1のバイポーラトランジスタの上記コレクタ層に
    囲まれる領域と上記MOSFETの活性領域とに第2導
    電型不純物を同時に注入する第2の工程と、 上記第2のバイポーラトランジスタの上記コレクタ層に
    囲まれる領域と上記MOSFETの活性領域内の上記第
    2導電型不純物が注入された領域とに、上記第2の工程
    における注入エネルギーよりも小さい注入エネルギーで
    第1導電型不純物を同時に注入する第3の工程と、 上記MOSFETの活性領域内の上記第1及び第2の不
    純物が注入された領域の上にゲート電極を形成する第4
    の工程とを少なくとも備えていることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第2及び第3の工程では、上記半導体基板内におけ
    る上記MOSFETのゲート電極下方の領域の不純物濃
    度が、上記第1導電型不純物の濃度のピーク位置が上記
    第2導電型不純物のピーク位置よりも浅く、かつ上記半
    導体基板の表面付近では第1導電型不純物の濃度の方が
    濃く、奥方に向かうにつれて第1導電型不純物の濃度が
    連続的に減小し第2導電型不純物の濃度が連続的に増大
    するように変化するように行なうことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第2及び第3の工程では、上記第1のバイポーラト
    ランジスタの真性ベース層における第2導電型不純物の
    濃度と、上記第2のバイポーラトランジスタの真性ベー
    ス層における第1導電型不純物の濃度とが、いずれも1
    ×1017〜1×1019cm-3の範囲になるように行なう
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第2の工程では、上記半導体基板内で上記MOSF
    ETの活性領域を取り囲む素子分離領域の少なくとも一
    部にも第2導電型不純物を同時に注入することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第1の工程では、上記半導体基板内に、上記MOS
    FETと同じ導電型でしきい値電圧が上記MOSFET
    よりも高い同導電型高しきい値MOSFETの活性領域
    を形成し、 上記第2の工程では、上記各MOSFETの活性領域に
    第2導電型不純物を同時に注入する一方、 上記第3の工程では、上記同導電型高しきい値MOSF
    ETの活性領域には第1導電型不純物を注入しないこと
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第2の工程では、上記半導体基板内で上記MOSF
    ET及び同導電型高しきい値MOSFETの活性領域を
    取り囲む素子分離領域の少なくとも一部に第2導電型不
    純物を同時に注入することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  17. 【請求項17】 請求項11又は15記載の半導体装置
    の製造方法において、 上記第1の工程では、上記半導体基板内に、上記MOS
    FETとは異なる導電型でしきい値電圧が相異なる逆導
    電型高しきい値MOSFET及び逆導電型低しきい値M
    OSFETの活性領域を形成し、 上記各逆導電型MOSFETの活性領域内にそれぞれ第
    1導電型不純物を注入する工程をさらに備え、 上記第3の工程では、上記逆導電型高しきい値MOSF
    ET側の活性領域内のみに第1導電型不純物を同時に注
    入することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第2の工程では、上記半導体基板内で上記MOSF
    ET及び同導電型高しきい値MOSFETの活性領域を
    取り囲む素子分離領域の少なくとも一部に第2導電型不
    純物を同時に注入し、 上記各逆導電型MOSFETの共通の活性領域内に第1
    導電型不純物を注入する工程では、上記半導体基板内で
    上記逆導電型高しきい値MOSFET及び逆導電型低し
    きい値MOSFETの活性領域を取り囲む素子分離領域
    の少なくとも一部に第2導電型不純物を同時に注入する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項11,12,13,14,1
    5,16,17又は18記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第1導電型はp型であり、 上記第2導電型はn型であることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  20. 【請求項20】 半導体基板に、各々縦型バイポーラト
    ランジスタ構造を有する第1のバイポーラトランジスタ
    及び第2のバイポーラトランジスタと、MOSFETと
    が少なくとも搭載された半導体装置の製造方法であっ
    て、 上記半導体基板内に、上記第1のバイポーラトランジス
    タの第1導電型のコレクタ層と、上記第2のバイポーラ
    トランジスタの第2導電型のコレクタ層と、上記MOS
    FETの第2導電型の活性領域とを形成する第1の工程
    と、 上記第2のバイポーラトランジスタの上記コレクタ層に
    囲まれる領域に第1導電型不純物を注入して、上記第2
    のバイポーラトランジスタの真性ベース層を形成する第
    2の工程と、 上記MOSFETのゲート絶縁膜とゲート電極とを形成
    する第3の工程と、 上記第1のバイポーラトランジスタの上記コレクタ層に
    囲まれる領域と上記MOSFETの上記活性領域内で上
    記ゲート電極の両側方に位置する領域とに、第2導電型
    不純物を少なくとも上記MOSFETのソース側とドレ
    イン側とに傾いた2方向から同時に注入して、上記第1
    のバイポーラトランジスタの真性ベース層と上記MOS
    FETのポケット注入層とを形成する第4の工程とを少
    なくとも備えていることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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