JP3265036B2 - アルカリパルプの漂白方法 - Google Patents

アルカリパルプの漂白方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリパルプの漂白
方法に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、処
理コストが低く、且つ廃液等の環境問題も大幅に減少す
ることのできるアルカリパルプの漂白方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術および課題】化学パルプ、すなわち木材等
の繊維原料を化学的に処理して製造されるパルプとして
は、クラフト(硫酸塩)パルプ、ソーダパルプ、ソーダ
−アンスラキノンパルプ、ポリサルファイドパルプ、サ
ルファイトパルプ、オルガノソルブパルプなど多種にわ
たる。現状ではクラフトパルプが主流である。
【0003】パルプの通常の漂白方法は、酸素処理、分
子状塩素(以下、単に塩素という)処理、アルカリ抽出
処理、次亜塩素酸塩処理、二酸化塩素処理、過酸化水素
処理等をシーケンシャルに数段設けて全晒パルプを得る
というものである。塩素処理および後続のアルカリ抽出
の2段の処理は、脱リグニンを主な目的とするものであ
り、必ずしもパルプを白くする工程ではない。従ってこ
の2段の処理が行う脱リグニン漂白をとくに前漂白と呼
び、白色度を高める後続の漂白段階を区別している。
【0004】クラフトパルプは、サルファイトパルプに
較べると漂白が困難で、歴史的にみても塩素漂白が発明
されて初めて晒しが可能になった。クラフトパルプのこ
の難漂白性の原因として、リグニンと糖類とのエーテル
結合が、本発明者らの研究[H.Taneda, J.Nakano, S.Ho
soyaおよびH.M.Chan、ジャーナル・オブ・ウッド・サイ
エンス・アンド・テクノロジー(J. Wood Sci. Techno
l.)、7(4)、485〜498頁(1987年)]によって、明
らかにされてきた。リグニン−糖結合体は、主として生
合成過程で生成するキノンメチドが糖類と反応して生じ
るもので、木材中に元々含まれている。このエーテル結
合を分解するには、遊離のフェノール性水酸基を生成さ
せることが必要で、塩素はセルロースに対する損傷を起
こさずにこの反応を行う優秀な脱リグニン試薬である。
【0005】しかしながら、塩素系薬品を使用したクラ
フト漂白排水を回収燃焼しようとすると、塩素イオンに
よる装置の腐食が避けられない。このため塩素段以降の
クラフト漂白排水は回収されないので、環境に対する汚
染源となっている。特に塩素漂白段および続いて行われ
るアルカリ抽出段排水は、BOD、COD源であるう
え、有機塩素化合物を含むので、活性汚泥処理、凝集沈
澱などの処理を行った後でも、環境に対する影響があ
る。
【0006】近年、塩素の代替となりうる種々の薬品に
よる漂白の研究が行われているが、脱リグニンにおける
反応選択性からみて塩素に代わり得る試薬が容易には見
つからないのが現状である。
【0007】そこで、漂白に使用する塩素をできるだけ
少なくするために、塩素漂白の前段に酸素漂白を行うこ
とが一般的になっている。酸素漂白を行うことにより、
後の塩素段に持ち込まれるパルプ中のリグニン量を45
〜50%削減することができる。一般に漂白薬品の添加
量はパルプ中のリグニン量に対して決まるので、酸素脱
リグニンを行う場合、酸素で除去されたリグニンの割合
に応じて塩素の使用量は減少する。酸素段の廃液は回収
燃焼が可能であるので、この分は排水処理に対する負荷
にならない。
【0008】環境に対する負荷をさらに減少させるため
には、酸素脱リグニンにおける脱リグニン率の改善が一
つの方向である。酸素漂白における脱リグニンの改善法
としては、例えばサミュエルソンのプレノックス法が知
られている。最近では、プレノックス法の改良法(S3
法)として、硝酸酸性で90℃、3時間の処理を含む2
段の前処理が提案されている(特開昭58-60085号公報お
よび特開昭59-106592号公報)。しかしながら、この方法
はパルプを二酸化窒素(気体)を用いる気相での処理の
ために、パルプに対する反応を均一に行うことが難し
く、前処理としての効果が小さいという問題がある。ま
た、大井らは、亜硝酸塩を含む硝酸酸性における一段の
前処理(例えば90℃、3時間)を提案している(特開
平4-316690号公報)。これらの方法は、酸素漂白の脱リ
グニン選択性を高めるための前処理を酸素漂白と組み合
わせた例である。しかしながら、酸素漂白には大容量の
圧力容器を必要とするため、設備が高価であるという欠
点がある。
【0009】また、クラフトパルプの漂白前段に酸処理
を行う方法も提案されている。例えば、過酸化水素漂白
における反応効率を改善するための前処理として、硫酸
等の無機酸を含むpH2〜3の溶液中、60〜80℃で
1〜2時間の処理が提案されている(特開昭58-132190
公報)。この方法において硫酸等の無機酸は、過酸化水
素の分解に関与する重金属イオン除去を目的としてい
る。また、環境温度よりも高い温度条件で硫酸等の無機
酸を使用することにより、脱リグニン効果が向上するこ
とが示されているが、この方法における無機酸処理−過
酸化水素処理の脱リグニン効果は顕著とはいえない。
【0010】本発明は、アルカリパルプの漂白、とくに
脱リグニンを主として行う前漂白において、高価な設備
を用いることなく、酸素漂白に匹敵するアルカリパルプ
の漂白方法を提供することを目的とするものである。
【0011】また、本発明の他の目的は、前漂白におい
て塩素を全く使用せずに、従来の塩素処理−アルカリ抽
出処理の2段処理に完全に置き換わり得るアルカリパル
プの漂白方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、酸素漂白と完全に置き換わり得るアルカリパルプ
の漂白方法を見いだすことができた。さらにまた、前漂
白において、塩素を使用せずに、塩素処理−アルカリ抽
出処理の2段処理に完全に置き換わり得るアルカリパル
プの画期的な漂白方法も見いだすことができた。
【0013】すなわち本発明の第1は、アルカリパルプ
を、無機酸によるpH1.0〜1.6の酸性処理液中
で、80℃ないし該酸性処理液の煮沸温度の範囲で加熱
処理をした後、酸素を添加しないリグニンのアルカリ抽
出処理を行うことを特徴とする、アルカリパルプの漂白
方法を提供するものである。
【0014】また、本発明の第2は、加熱処理は、前記
酸性処理液中に、亜硝酸塩を亜硝酸イオンとして対パル
プ0.1〜1重量%および硝酸塩を硝酸イオンとして対
パルプ0.5〜5重量%添加し、無機酸によりpHを1.
0〜1.6に調整して行う、前記のアルカリパルプの漂
白方法を提供するものである。
【0015】以下に本発明をさらに詳細に説明する。な
お、本明細書において、アルカリパルプとは、木材等の
繊維原料をアルカリ性薬液で処理して製造された化学パ
ルプを意味するものとし、これにはクラフトパルプ、ソ
ーダパルプ、ソーダ−アンスラキノンパルプ、ポリサル
ファイドパルプ等を含むものとする。
【0016】本発明においては、アルカリパルプを特定
のpH、すなわちpH1.0〜1.6の範囲内の無機酸によ
る酸性処理液中で、80℃ないし該酸性処理液の煮沸温
度で加熱処理する(以下、酸加熱処理という)ことに一
つの特徴を有する。上記特定範囲のpH且つ特定温度で
酸加熱処理することによってのみ、続くアルカリ抽出処
理における脱リグニン作用が向上する。pHが1.0未満
では、パルプ粘度の低下が著しくなり、またpHが1.6
を超えると、脱リグニン効果が顕著ではなく好ましくな
い。好適なpHの範囲は、1.0〜1.6であり、さらに
好ましくは1.2〜1.4である。本発明に使用できる無
機酸は、とくに制限されないが、例えば硫酸、硝酸、塩
酸等が挙げられ、中でも硫酸が好ましい。酸加熱処理に
おけるパルプ濃度は、5〜20%、好ましくは7〜15
%である。なお、本明細書において、パルプ濃度とは、
アルカリパルプの乾燥重量を基準にしたものとする。酸
加熱処理は、アルカリパルプを上記濃度において、上記
特定pHの酸性処理液中に懸濁させ、これを80℃ない
し前記酸性処理液の煮沸温度、好ましくは95℃以上で
行えばよい。酸性処理液は、とくに制限されないが、通
常は水溶液として用いられる。加熱温度が80℃未満で
は、脱リグニンが不十分となり好ましくない。煮沸時間
は、1〜3時間が好ましい。例えば100℃の酸加熱処
理においては、90〜120分で行うのが好適である。
この特定pHおよび特定温度における酸加熱処理と続く
アルカリ抽出処理による脱リグニン効果は、酸素漂白に
匹敵するものである。
【0017】酸加熱処理時に、亜硝酸塩を亜硝酸イオン
として対パルプ0.1〜1重量%、好ましくは0.5〜
0.72重量%および硝酸塩を硝酸イオンとして対パル
プ0.5〜5重量%、好ましくは1.5〜3.5重量%加
え、無機酸によりpHを1.0〜1.6、好ましくはpH
1.2〜1.4とすることにより、さらに脱リグニン効果
が向上する。なお、亜硝酸イオンが対パルプ0.1重量
%未満であると、脱リグニン効果が弱く、さらに1重量
%を超えると効果は飽和し好ましくない。また、硝酸イ
オンが対パルプ0.5重量%未満であっても脱リグニン
効果が不十分となる。亜硝酸塩および硝酸塩の種類とし
ては、カリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等が挙げ
られ、好ましくは、ナトリウム塩である。これらの種類
は必要に応じて組み合わせて用いることができる。特定
pHおよび特定温度を用いる酸加熱処理において、亜硝
酸塩および硝酸塩を添加し、続いてアルカリ抽出処理す
る方法は、従来の塩素−アルカリ抽出による前漂白に完
全に置き換わり得る脱リグニン法である。
【0018】続いて、前記のように酸加熱処理したアル
カリパルプをアルカリ抽出処理する。なお、本発明にお
けるアルカリ抽出処理とは、アルカリ水溶液を用いてア
ルカリパルプ中のリグニンを抽出する操作を意味する。
使用可能なアルカリとしては、苛性ソーダが挙げられ、
その添加量は対パルプ1〜4%、好ましくは1.5〜3
%である。アルカリ抽出処理時のアルカリパルプ濃度
は、5〜20%、好ましくは7〜15%である。アルカ
リ抽出処理の具体的な操作は、とくに制限されないが、
例えば酸加熱処理後のアルカリパルプ懸濁液に、上記の
濃度となるようにアルカリを加え、温度50〜80℃、
1〜1.5時間で、適当な速度で撹拌しながら行うこと
ができる。
【0019】本発明の漂白方法を適用した後は、必要に
応じて、さらに二酸化塩素処理−過酸化水素処理の2段
の漂白等、様々な漂白方法を行うこともできる。
【0020】
【作用】アルカリパルプ中に残存するリグニンの分解促
進には、リグニンにおけるフェノールエーテルを開裂
し、リグニン中にフェノール性水酸基を生成させること
が効果的である。脱リグニンを阻む原因としては、とく
に遊離のフェノール性水酸基をもたない芳香核の側鎖α
−位のエーテルがアルカリ蒸解では非常に安定であるこ
とが挙げられるが、本発明者らの研究により、この部分
が酸により加水分解を受けることが明らかにされた。一
方でパルプの酸処理は、パルプの構成成分であるセルロ
ース等の多糖類をも加水分解し、一般的にはパルプの性
質に悪影響を及ぼすことが知られている。このような一
般常識があったため、酸処理を脱リグニン反応の中心に
すえた前漂白でこれまで成功した例はない。酸処理を含
む前漂白法はこの点を十分斟酌して行われなければ、実
用的な漂白法とはなりえない。そこで本発明者らは、無
機酸を触媒とする加水分解を種々の系で検討した。これ
には酢酸、プロピオン酸等の有機酸中での塩酸触媒を用
いる煮沸処理、有機酸を用いずに硫酸触媒を用いる煮沸
水処理等が含まれる。このような多岐にわたる鋭意研究
の結果、上記のような画期的なアルカリパルプの漂白方
法を見いだすことができた。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。なお、漂白結果としてはカッパー価を用いた。測定
方法はTappi T 236cm-85を用いた。パルプ粘度は同じく
T 230om-89に準拠して測定を行った。試料としては、下
記の実施例いずれもブナUKPを用いた。未処理の未晒
クラフトパルプのカッパー価は19.9、粘度は50.4
cPであった。
【0022】実施例 1 試料としてブナUKP用い、パルプ濃度を10%および
pH1.2になるように希硫酸および水を加えた。このパ
ルプ懸濁液をポリ塩化ビニリデン製の袋に入れて100
℃で90分、酸加熱処理した。続いて、パルプをブフナ
ー漏斗にあけ、濾液に色がつかなくなるまで水洗した。
次に対パルプ3%の水酸化ナトリウムを加え、パルプ濃
度10%とし、70℃で1時間、アルカリ抽出処理し
た。処理パルプはブフナー漏斗上で洗浄、脱水し、ウェ
ットパルプを調製した。結果を表1に示す。
【0023】実施例2〜3および比較例1〜2 酸加熱処理におけるpHを1.4(実施例2)、1.6
(実施例3)、0.8(比較例1)および1.8(比較例
2)に調整したこと以外は、実施例1を繰り返した。そ
の結果を表1に示す。
【0024】実操業における酸素漂白の脱リグニン率
は、漂白前後のカッパー価の比較で45〜50%である
ので、実施例1〜3の2段処理でも十分酸素漂白に匹敵
する方法といえる。
【0025】実施例4〜7および比較例3〜4 亜硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウムをそれぞれ対パル
プ0.9重量%(亜硝酸イオンとして0.59重量%)お
よび4.5重量%(硝酸イオンとして2.76重量%)添
加した後、酸加熱処理時のpHを1.0(実施例4)、
1.2(実施例5)、1.4(実施例6)、1.6(実施
例7)、0.8(比較例3)および1.8(比較例4)に
調整したこと以外は、実施例1を繰り返した。その結果
を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】亜硝酸塩および硝酸塩を添加しない酸加熱
処理(実施例1〜3)は、パルプ中のリグニン量を50
%以上低下させるが、亜硝酸塩および硝酸塩の添加によ
ってさらに脱リグニンは進むことが判る。pHは1.0〜
1.6が適当で、これよりも低いpHではパルプ粘度の低
下が著しく、また高いと脱リグニン効果が顕著でない。
亜硝酸塩および硝酸塩の添加を行う場合においても、p
H1.2〜1.4をさらに好ましいpH範囲として挙げる
ことができる。亜硝酸塩および硝酸塩を添加した酸加熱
処理、続くアルカリ抽出処理は、従来の塩素−アルカリ
抽出処理後のカッパー価3〜4に匹敵する脱リグニンで
あり、塩素漂白に完全に置き換わり得る漂白方法であ
る。実際、さらに二酸化塩素処理−過酸化水素処理の2
段の漂白を行うことにより、白色度87.6、粘度15.
9cPのパルプが得られている。
【0028】実施例8〜10および比較例5〜6 酸加熱処理において、pHを1.3に調整し、温度を80
℃(実施例8)、90℃(実施例9)、100℃(実施
例10)、60℃(比較例5)および120℃(比較例
6)としたこと以外は、実施例4〜7を繰り返した。そ
の結果を表2に示す。なお、120℃の加熱処理は、圧
力容器を用いて行った。表2より、酸加熱処理温度を高
くすると粘度の低下が著しい上、圧力容器が必要であり
好ましくない。また、温度を下げると、脱リグニン効果
が不十分であることが判る。
【0029】
【表2】
【0030】実施例11〜14 酸加熱処理において、pHを1.3に調整し、処理時間を
60分(実施例11)、90分(実施例12)、120
分(実施例13)および150分(実施例14)とした
こと以外は、実施例4〜7を繰り返した。その結果を表
3に示す。100℃における反応時間としては、この例
では90分から120分で最もよい結果が得られてい
る。
【0031】
【表3】
【0032】実施例15〜18 酸加熱処理におけるpHを1.27とし、添加薬品とし
て、硝酸カリウムの代わりに、表4に示した添加率で硝
酸ナトリウムを用いたこと以外は、実施例4〜7を繰り
返した。その結果を表4に示す。硝酸イオンとしての添
加量と、その他の条件がほぼ同一とみられる実施例4と
実施例16(それぞれ硝酸イオンとしての添加率は対パ
ルプ2.76重量%および2.63重量%である)が、ほ
ぼ同様な脱リグニン効果を与えたことから、硝酸塩の金
属イオンはナトリウムイオンでもその効果は変わらない
ことが判る。硝酸イオンとしての添加率が1.31重量
%と最も低い実施例18では、脱リグニン効果に若干の
低下が見られた。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】pHおよび温度条件を最適化した酸加熱
処理とアルカリ抽出処理を組み合わせた本発明の第1の
方法は、アルカリパルプに対して酸素漂白と同等の脱リ
グニン効果を与えることができる。また、本発明におい
ては、酸素漂白に必要な圧力容器を必要としないのでコ
ストが減少し、さらに応用も容易となる。さらに、酸加
熱処理に亜硝酸塩および硝酸塩を添加し、続いてアルカ
リ抽出を行う本発明の第2の方法においては、脱リグニ
ンはさらに良好となり、従来の塩素−アルカリ抽出処理
と完全に置き換わり得て、環境に対する問題も大幅に減
少する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 謹爾 茨城県稲敷郡茎崎町松の里1番地 農林 水産省森林総合研究所内 (72)発明者 青柳 哲夫 茨城県つくば市東光台5−13−11 株式 会社日本紙パルプ研究所内 (56)参考文献 特開 平4−316690(JP,A) 特公 昭48−10482(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 9/10 - 9/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリパルプを、無機酸によるpH
    1.0〜1.6の酸性処理液中で、80℃ないし該酸性
    処理液の煮沸温度の範囲で加熱処理をした後、酸素を添
    加しないリグニンのアルカリ抽出処理を行うことを特徴
    とする、アルカリパルプの漂白方法。
  2. 【請求項2】 加熱処理は、処理液に亜硝酸塩を亜硝酸
    イオンとして対パルプ0.1〜1重量%および硝酸塩を
    硝酸イオンとして対パルプ0.5〜5重量%添加し、無
    機酸によりpHを1.0〜1.6に調整して行う、請求項
    1に記載の方法。
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