JP3264608B2 - クラミジア属微生物種の同定法 - Google Patents

クラミジア属微生物種の同定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)を利用したクラミジア属微生物(4種)
の識別法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】クラ
ミジアは球菌様微生物であって、クラミジア科は単一の
属としてクラミジア属を含み、従来この属は次の3つの
種、すなわちクラミジア・トラコマチス(Chlamydia t
rachomatis)、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psit
taci)およびクラミジア・ニューモニア(Chlamydia pn
eumoniae)を含んでいることが知られていた。これら
は、宿主細胞の空胞内で増殖し、トラコーマ、封入体結
膜炎、性病性リンパ肉芽腫(LGV)または肺炎等の原因
となる。ところで最近クラミジア菌株の遺伝学的分析の
結果により、クラミジア属の第4番目の種として、クラ
ミジア・ペコーラム(Chlamydia pecorum)が新たに単
離された(インターナショナル・ジャーナル・オブ・シ
ステマティック・バクテリオロジー(Int.J.Syst.
Bacteriol.)第42巻第4号306−308頁、マイ
クロバイオロジカル・イミュノロジー(Microbiol.I
mmunol.)第37巻515−522頁)。このものは、
散発性脳炎、感染性の多発性関節炎、肺炎および下痢を
含む種々の疾患を有するウシやヒツジから見いだされ
た。クラミジア・ペコーラムによる感染の臨床像は、不
顕性感染から重篤な感染まで様々であるが、主として中
枢神経系、呼吸器系および消化器系に作用し、脳脊髄
炎、肺炎および腸炎の原因となる。
【0003】クラミジア感染症の病原体検出法として現
在最も信頼度が高いものは、分離培養法である。しか
し、この方法は判定までに数日の日数を要し、しかも操
作、判定に熟練を要するという欠点があった。また、酵
素免疫測定法を利用する方法もあるが、これは常在菌と
の交差反応の存在が問題であり、DNAハイブリダイゼ
ーション法は感度がまだ満足できる程でない。さらに、
上記何れの方法においても、クラミジア属に属する前記
4種を識別することはできなかった。
【0004】PCR法は、DNAを高倍率で増幅できる
ので、最近微量のDNAの検出に利用されている。クラ
ミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシおよびク
ラミジア・ニューモニアの3種の外膜蛋白遺伝子の塩基
配列については、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ
(Nucleic Acids Res.)第17巻8366頁、同誌
第18巻1061頁、同 3414頁、同 6136頁、
FEMSマイクロバイオロジー・レタース(FEMS M
icrobiol.Lett.)第42巻185−190頁、同誌第
55巻229−234頁、ジャーナル・オブ・バクテリ
オロジー(J.Bacteriol.)第168巻1277−12
82頁、インフェクション・アンド・イミュニテイ(In
fect.Immun.)第59巻2195−2199頁、同2
853−2855頁、ジャーナル・オブ・ゼネラル・マ
イクロバイオロジー(J.Gen.Microbiol.)第137
巻465−475頁等に報告されている。
【0005】また、PCR法を利用したクラミジアの検
出法については、(1)感染症学雑誌第65巻1183
−1187頁、(2)ジャーナル・オブ・インフェクシ
アス・デイジージズ(J.Infect.Dis.)第162巻
984−987頁および(3)モレキュラー・アンド・
セルラー・プローブス(Mol.Cell.Probes)第6巻
389−394頁、同誌395−400頁に記載がある
が、(1)の方法はクラミジア・シッタシおよびクラミ
ジア・ニューモニアには適用できず(1185頁左欄1
1−13行)、(2)の方法は3種のプライマー・ペア
ーを用いた結果を比較して識別するというわずらわしさ
があった。また、(3)の方法は、数種類の制限酵素を
用いた結果を比較するという煩わしさがあった。さら
に、(1)〜(3)のいずれの方法においても、クラミ
ジア・ペコーラム種の検出方法についての記載はまった
くない。
【0006】本発明者らは、クラミジア属の検出・識別
法を提供する目的で、特定のプライマーを用いたPCR
法によるクラミジア属の検出について報告した(特願平
4−128581号)。しかし、係る方法は増幅生産物
を3種類の制限酵素を用いて消化するという点で煩わし
さがあり、未だ改良の余地があった。さらに、クラミジ
ア・ペコーラムの検出についての記載はまったくない。
このように、これまでは4種のクラミジアを検出・識別
する方法はまったく知られていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
前述の特願平4−128581号に記載のプライマー、
すなわち、下記配列の化合物からなるプライマーを用い
て、より簡便な操作によるクラミジア種の検出・識別法
を提供するものである。 (1)下記配列
【化3】 で示されるヌクレオチド、または上記配列に(イ)5'側
の端から1または2個の塩基を削除すること、(ロ)3'
側の端から1または2個の塩基を削除するか、または端
に−Tもしくは−TAを付加すること、(ハ)両端以外の
1または2個の塩基をA、C、G、Tから選ばれた他の
塩基に置きかえることの少なくとも1つの変更を加えて
得られる誘導体。 (2)下記配列
【化4】 で示されるヌクレオチド、または上記配列に(ニ)5'側
の端から1または2個の塩基を削除するか、または端に
G−もしくはCG−を付加すること、(ホ)3'側の端か
ら1または2個の塩基を削除すること、(ヘ)両端以外の
1または2個の塩基をA、C、G、Tから選ばれた他の
塩基に置きかえることの少なくとも1つの変更を加えて
得られる誘導体。
【0008】(3) (1)または(2)記載の化合物からな
るプライマー。 (4)クラミジア属微生物の主要外膜蛋白遺伝子を含む媒
質に(3)記載のプライマーとDNAポリメラーゼを加
え、熱変性・アニーリング・伸長サイクルを適用するこ
とを特徴とする、ポリメラーゼ連鎖反応による塩基配列
増幅法。 (5) (4)記載の方法による増幅生産物であるヌクレオ
チド。 (6)クラミジア属微生物を含む疑のある試料に(4)記載
の増幅法を適用し、増幅生産物であるヌクレオチドを検
索することを特徴とする、クラミジア属微生物の外膜蛋
白遺伝子の検出法。 (7)さらに、増幅生産物であるヌクレオチドを制限酵素
Alu IおよびPvu IIで消化し、生成物を相互にまたは
主要外膜蛋白質遺伝子を用いて得た増幅生産物の消化物
と比較することを特徴とする、クラミジア属微生物種の
同定法。
【0009】この発明でプライマーとして使用するヌク
レオチドのうち、配列番号:1および配列番号:2のヌク
レオチドは、クラミジア・トラコマチス(Clamydia tr
achomatis)の外膜蛋白遺伝子の一部をなすものである。
クラミジア・トラコマチスには少なくとも15種類の血
清型(A、B、Ba、C、D、E、F、G、H、I、J、
K、L1、L2、L3)が知られているが、配列番号:1
および配列番号:2(アンチセンス鎖)のセンス鎖(配列番
号:3で示す)の配列は少なくとも血清型L2とHにおい
て完全に共通であり、これは下記配列表の比較から明ら
かである。なお、下記比較表中、配列番号:4は血清型
L2の外膜蛋白遺伝子配列の一部分であり、配列番号:
5は同じくHの配列一部分である。
【化5】
【0010】これらのプライマーは、クラミジア・トラ
コマチスの変性した外膜蛋白遺伝子にアニールできるこ
とはいうまでもないが、この発明によると、これらはク
ラミジア・シッタシ(C.psittaci)、クラミジア・ニュ
ーモニア(C.pneumoniae)およびクラミジア・ペコーラ
ム(C.pecorum)の変性した外膜蛋白質遺伝子にもアニ
ールできることが明らかになった。クラミジア・シッタ
シA22/M株およびクラミジア・ニューモニア標準株
(アメリカで分離され、継代培養されているもの)につい
てこれらの関係を示すと下記比較表の通りである。配列
番号:4は上記比較表と同じくクラミジア・トラコマチ
ス血清型L2であり、配列番号:6はクラミジア・シッ
タシA22/M株、配列番号:7はクラミジア・ニュー
モニア標準株である。なお、クラミジア・ペコーラムの
塩基配列については決定されていないので比較表には示
していない。
【化6】
【化7】
【0011】これらの比較表から明らかなように、配列
番号:1に対応するクラミジア・シッタシの配列(配列番
号:8で示す)およびクラミジア・ニューモニアの配列
(配列番号:9で示す)は、配列番号:1の配列と一か所が
異なっている。この発明によると、このように1か所ま
たは2か所が異なっている場合にもアニールすることが
でき、プライマーとして使用し得ることが明らかになっ
た。また逆に、配列番号:1に前記(イ)、(ロ)、(ハ)に
示すような変更を加えたものおよび配列番号:2に前記
(ニ)、(ホ)、(ヘ)に示すような変更を加えたものも、ア
ニールすることができ、プライマーとして使用できるこ
とが明らかになった。プライマーとして好ましいものは
配列番号:1または配列番号:2そのものまたは(ハ)もし
くは(ヘ)の変更を加えたものまたは配列番号:8もしく
は配列番号:9(これらの配列は同一である)に示すもの
である。プライマーは、例えばDNA合成機を用いて、
当技術で知られた方法により合成することができる。合
成したプライマーは、例えば高速液体クロマトグラフィ
ーのような精製手段により精製するのが好ましい。
【0012】PCR反応による塩基配列の増幅は、例え
ば自動増幅装置を用いて、例えば緩衝液のような適当な
媒質中で鋳型DNA、各塩基、プライマーおよびDNA
ポリメラーゼを温度変換サイクルにかける等の当技術で
知られた方法により行なうことができる。好ましい実施
方法の一例を示すと次の通りである。 (1)0.2mlの自動増幅器専用の遠心管に下記組成の反
応液を入れる。なお、自動増幅器の種類によっては、反
応液をミネラル・オイル(例えばシグマ社M−3516)
で覆う。 (組成) 鋳型DNAを含む試料 0.5μMの順方向プライマー 0.5μMの逆方向プライマー 10mMトリス・HCl(pH8.3) 50mM KCl 1.5mM MgCl2 0.001%ゼラチン 25〜250μMの各dNTP 1.25−2.5単位DNAポリメラーゼ 上記組成は適宜変更することができる。例えばマグネシ
ウム濃度はdNTPの全濃度を0.5−2.5mM超える濃
度が好ましい。dNTP濃度は高すぎるとDNAポリメ
ラーゼが誤まったdNTPをとり込む可能性が増加す
る。DNAポリメラーゼが高すぎると非特異的な産物が
増えるが、低すぎると産物の収率が低下する。DNAポ
リメラーゼとしては、耐熱性のものが好ましく、例えば
パーキン・エルマー・シータス社、ストラタジーン社、
ニュー・イングランド・バイオラブス社等から販売され
ているTaqDNAポリメラーゼ[テルムス・アクアチク
ス(Thermus aquaticus)から得たものまたはこれを大
腸菌で発現させたもの]が適当である。
【0013】(2)自動増幅装置に反応液をセットし、熱
変性段階、アニーリング段階および伸長段階からなるサ
イクルを20サイクル以上、好ましくは30サイクル以
上行なう。熱変性温度は通常90−95℃、アニーリン
グ温度は通常40−60℃、伸長温度は通常70−75
℃が適当であるが、アニーリング温度はプライマーの長
さとGC含量により異なる。アニーリング温度は、通常
Tm℃[但し、Tm℃=4×(G+C)+2×(A+T)]から
Tm−20℃が適当であり、Tm−5℃前後が好ましい。
熱変性時間は20秒以上、アニーリング時間は20秒以
上、伸長時間は30秒以上が好ましい。自動増幅装置
は、例えばパーキン・エルマー・シータス社から販売さ
れている。
【0014】増幅生産物は、前記の比較表(化5、6、
7)においてそれぞれ配列番号:1から3(クラミジア・
トラコマチス)、配列番号8から3(クラミジア・シッタ
シ)および配列番号9から3(クラミジア・ニューモニ
ア)にはさまれた塩基配列およびそのアンチセンス鎖で
あり、これらは例えばアガロースゲル電気泳動のような
分離手段により分離される。また、生産物はマーカーと
の比較によるバンドの長さにより検出されるが、さらに
標識プローブを用いるサザンハイブリダイゼーションに
より確認することができる。プローブとしては、例えば
前記比較表中に示した配列番号:10、配列番号:11、
配列番号:12を用いることができる。標識としては、
32P、ビオチン、ジゴキシゲニン等が用いられる。これ
らを用いる実験方法は文献に記載されている。増幅生産
物の存在は、クラミジア属微生物の外膜蛋白遺伝子の存
在を示し、したがって上記微生物存在の指標となる。
【0015】さらに、この発明によると、増幅生産物を
異なる制限酵素により消化すると、クラミジア属微生物
の種に応じて異なる消化物を生じ、それによって4種の
微生物の識別が可能である。例えば、クラミジア・トラ
コマチス血清型L2の場合、生産物をAlu Iで消化す
ると、それぞれ68、88および89bpの3つの断片を
生ずるが、電気泳動上は2本のバンドがみられ、そのう
ちサイズの大きなバンドは2つの断片が重なっているた
め太く(または濃く)見える。また、Pvu IIでは消化さ
れない。クラミジア・シッタシの場合、Alu Iおよび
Pvu IIで消化されてそれぞれ等しくない2つの断片と
なる。クラミジア・ニューモニアの場合、Alu Iで消
化されて等しくない2つの断片となるが、Pvu IIでは
消化されない。また、クラミジア・ペコーラムの場合、
Alu IおよびPvu IIでは消化されない。したがって、
消化パターンと断片の観察により、これら4種を識別す
ることができる。上記の識別法または同定法を実施する
には、実施に必要な試剤および器具をまとめてキットに
しておくのが便利である。このようなキットは、下記の
ものの中から選ばれたものを含むことができる。(1)順
方向プライマー、(2)逆方向プライマー、(3)緩衝液、
(4)KCl、(5)MgCl2、(6)ゼラチン、(7)4種類の
dNTP、(8)DNAポリメラーゼ、(9)ミネラル・オ
イル、(10)遠心管、(11)発色試薬(例えばエチジウ
ムブロミド)、(12)制限酵素(2種)、等。検体として
は、細胞、組織、粘膜、これらの破砕物、粘液、血液、
滲出液、培地等を挙げることができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、実施例はこの発明を制限するものではな
い。 実施例1(プライマーの合成および精製) アプライド・バイオシステムズ・ジャパン株式会社製モ
デル392DNA/RNAシンセサイザーを使用し、添
付のオペレーターズマニュアルに従って塩基の結合と脱
保護を行い、プライマーCM−1(配列番号:1)およ
びCM−2(配列番号:2)を合成した。さらに、同社
製オリゴヌクレオチド・ピューリフィケーション・カー
トリッジを使用し、得られたプライマーを精製した。
【0017】実施例2(クラミジア感染HeLa細胞から
の検出) クラミジアに感染したHeLa細胞を、ラバーポリスマ
ンで剥がし、ウログラフィン(商標)不連続密度勾配法
によりクラミジアEBを粗精製した。そのEB粗精製液
を、100μg/mlのプロテイナーゼKを含む溶解緩衝
液[10mMトリス・HCl(pH8.0)、5mM EDT
A、0.5% SDS]中に加え、55℃で60分間反応
させた。その後、フェノール/クロロホルム抽出を施行
し、エタノール沈澱を行い緩衝液[10mMトリス・HC
l(pH8.0)、1mM EDTA]に再懸濁させた。その
溶液の一部を実施例3記載のPCR反応の鋳型DNA試
料とし反応を行った。
【0018】実施例3(PCR反応) 4種類のクラミジア属微生物を検出するために、ペアプ
ライマーCM−1(配列番号:1)およびCM−2(配列番
号:2)を使用した。PCRの反応には、タカラ・タック
(商標)DNAポリメラーゼ(Takara社製)を使用して
行った。PCR混合液としては、1×反応緩衝液[10m
M トリス・HCl(pH8.3)、50mM KCl;1.5m
M MgCl2、0.001%ゼラチン]、250μMずつ
のdGTP、dATP、dTTP、dCTP、0.5μMの
CM−1およびCM−2、1.25単位のTaq DNA
ポリメラーゼを含ませ全量50μlとした。鋳型DNA
としては、クラミジア培養物または後記実施例4の溶液
を用いた。PCR温度条件は、94℃で3分間の長い変
性過程の後、94℃の変性20秒、55℃のアニーリン
グ20秒、72℃の伸長30秒を35サイクル行った。
最終サイクルの後、72℃の長い伸長を7分間行った。
PCR反応終了後、PCR生産物を分析するまで4℃で
保存した。
【0019】実施例4(アガロースゲル電気泳動) PCR反応後、その反応液(PCR産物)の一部とその6
分の1量の6×ゲル・ローデイング緩衝液[0.25%(w
/v)ブロモフェノールブルー、0.25%(w/v)キシレ
ンシアノール、30%(v/v)グリセリン]を混合し、T
AE[40mMトリス・アセテート、1mM EDTA]で
溶解した4%アガロースゲル[NuSieve(商標)3:1
アガロース]に負荷した。電気泳動[条件:100V、4
0〜60分泳動(Mupid−2(商標)、コスモバイ
オ)]後、UVトランスイルミネーターを使用してバン
ドを観察し、ポラロイドカメラにより写真を撮った。ク
ラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ、クラ
ミジア・ニューモニアおよびクラミジア・ペコーラムの
DNAを鋳型にPCR反応した電気泳動の結果を図1に
示す。すべてのクラミジア種で予想された長さの増幅産
物が認められ、クラミジア属の検出が可能であった。
【0020】実施例5(クラミジア4種の識別) 実施例3で得られたクラミジア4種のPCR生産物を2
種の制限酵素によって消化することにより、その識別が
できた。制限酵素にはAlu IおよびPvu IIを使用し
た。PCR反応液10μlを取り、それぞれの酵素の緩
衝液1.2μlおよび8から10ユニットの酵素を加え、
至適温度(37℃)で1時間から2時間反応させた。その
後1.3μlの10×反応停止液[0.1%(w/v)ブロ
モフェノールブルー、1%(w/v)SDS、0.1M
EDTA(pH7.5)、50%(v/v)グリセリン]を
加えて3分間放置した後、電気泳動に供し分析を行っ
た。この分析の結果を図2、図3および表1に示す。
【表1】 クラミジア・ クラミジア・ クラミジア・ クラミジア・ トラコマチス シッタシ ニュ ーモニア ペコーラム Alu I ++ + + −Pvu II − − − ++:2本のバンドが観察され、そのうち1本は太く(濃く)見える。 +:等しくない2つの断片が観察される。 −:消化されない。
【発明の効果】本発明によれば、クラミジア属に属する
4種の微生物種の識別が可能となる。また、制限酵素は
2種類を用いるだけであるので、操作が簡便化される。
【0021】
【配列表】
【0022】配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列:CAGGACATCT TGTCTGGCTT 20
【0023】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列:CAAGGATCGC AAGGATCTCC 20
【0024】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia trachomatis 株名 L2 配列:GGAGATCCTT GCGATCCTTG 20
【0025】配列番号:4 配列の長さ:245 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia trachomatis 株名 L2 配列: CAGGACATCT TGTCTGGCTT TAACTAGGAC GCAGTGCCGC CAGAAAAAGA TAGCGAGCAC 60 AAAGAGAGCT AATTATACAA TTTAGAGGTA AGAATGAAAA AACTCTTGAA ATCGGTATTA 120 GTGTTTGCCG CTTTGAGTTC TGCTTCCTCC TTGCAAGCTC TGCCTGTGGG GAATCCTGCT 180 GAACCAAGCC TTATGATCGA CGGAATTCTA TGGGAAGGTT TCGGCGGAGA TCCTTGCGAT 240 CCTTG 245
【0026】配列番号:5 配列の長さ:246 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia trachomatis 株名 H 配列: CAGGACATCT TGTCTGGCTT TAACTAGGAC GCAGTGCCGC CAGAAAAAGA TAGCGAGCAC 60 AAAGAGAGCT AATTATACAA TCTTAGAGGT AAGAATGAAA AAACTCTTGA AATCGGTATT 120 AGTATTTGCC GCTTTGAGTT CTGCTTCCTC CTTGCAAGCT CTGCCTGTGG GGAATCCTGC 180 TGAACCAAGC CTTATGATCG ACGGAATTCT GTGGGAAGGT TTTGGCGGAG ATCCTTGCGA 240 TCCTTG 246
【0027】配列番号:6 配列の長さ:259 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia psittaci 株名 A22/M 配列: CAGGATATCT TGTCTGGCTT TAACTTGGAC GTGGTGCCGC CAGAAGAGCA AATTAGAATA 60 GCGAGCACAA AAAGAAAAGA TACTAAGCAT AATCTTTAGA GGTGAGTATG AAAAAACTCT 120 TGAAATCGGC ATTATTGTTT GCCGCTACGG GTTCCGCTCT CTCCTTACAA GCCTTGCCTG 180 TAGGGAACCC AGCTGAACCA AGTTTATTAA TCGATGGCAC TATGTGGGAA GGTGCTTCAG 240 GAGATCCTTG CGATCCTTG 259
【0028】配列番号:7 配列の長さ:258 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia pneumoniae 株名 標準株 配列: CAGGATATCT TGTCTGGCTT TAATTTGGAC GTCGTGTCGC CAAAATATGA GTAATAGCGA 60 GCACATAAAT AAAAGATACT AAGCATAATC TTTAGAGGTG AGTATGAAAA AACTCTTAAA 120 GTCGGCGTTA TTATCCGCCG CATTTGCTGG TTCTGTCGGC TCCTTACAAG CCTTGCCTGT 180 AGGGAACCCT TCTGATCCAA GCTTATTAAT TGATGGTACA ATATGGGAAG GTGCTGCAGG 240 AGATCCTTGC GATCCTTG 258
【0029】配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia psittaci 株名 A22/M 配列:CAGGATATCT TGTCTGGCTT 20
【0030】配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA フラグメント型:中間部フラグメント 起源:生物名 Chlamydia pneumoniae 株名 標準株 配列:CAGGATATCT TGTCTGGCTT 2
【0031】配列番号:10 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列:ATCGGTATTA GTGTTTGCCG CTTTGAGTTC 30
【0032】配列番号:11 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列:ATCGGCATTA TTGTTTGCCG CTACGGGTTC 30
【0033】配列番号:12 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列:GTCGGCGTTA TTATCCGCCG CATTTGCTGG TTC 33
【図面の簡単な説明】
【図1】 クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シ
ッタシ、クラミジア・ニューモニアおよびクラミジア・
ペコーラムに関する実施例4の電気泳動の写真である。
【図2】 クラミジア・トラコマチスおよびクラミジア
・シッタシに関する実施例5の電気泳動の写真である。
【図3】 クラミジア・ニューモニアおよびクラミジア
・ペコーラムに関する実施例5の電気泳動の写真であ
る。
【符号の説明】
Marker:φX174/Hinc II消化C.tr:Chlam
ydia trachomatis、C.ps:Chlamydia psittaci、C.p
e:Chlamydia pecorum、C.pn:Chlamydia pneumonia
e、Mn:Meningopneumonitis、6BC:ATCC VR
−125、E58:Encephalitis、TW:Taiwan、A
C:Acute Respiratory
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12Q 1/68 C12R 1:01) C12R 1:01) C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 吉田 洋 大阪府大阪市城東区森之宮2丁目3番30 号 扶桑薬品工業株式会社研究開発セン ター内 (56)参考文献 特開 平5−317097(JP,A) The Journal of In fectious Diseases, 1990,Vol.162,p.984−987 Infection and Imm unity,1989,Vol.57,No. 5,p.1040−1049 J Gen Microbiol, 1991,Vol.137,p.465−475 Infection and Imm unity ,1989,Vol.57,N o.5,p.1621−1625 Journal of Clinic al Microbiology, 1992,Vol.30,No.5,p.1098 −1104 Microbiol Immuno l,1993,Vol.37,No.7,p. 516−522 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12Q 1/04 C12N 15/09 C12N 15/31 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラミジア属微生物種のクラミジア・ト
    ラコマチス、クラミジア・ニューモニア、クラミジア・
    シタッシおよびクラミジア・ペコーラムの同定方法であ
    って、クラミジア属微生物種を含む疑いのある試料につ
    いて、上記微生物の主要外膜蛋白遺伝子の一部をポリメ
    ラーゼ連鎖反応にて増幅可能な下記プライマーを用いて
    増幅し増幅生産物を得、上記増幅生産物を制限酵素Alu
    IおよびPvu IIで消化し、消化物を相互に比較するこ
    と、および上記プライマーが、 下記配列(配列番号:1) 5'−CAG GAC ATC TTG TCT GGC TT−3' で示されるヌクレオチド、または上記配列に (イ)5'側の端から1または2個の塩基を削除するこ
    と、 (ロ)3'側の端から1または2個の塩基を削除するか、
    または端に−Tもしくは−TAを付加すること、 (ハ)両端以外の1または2個の塩基をA、C、G、Tか
    ら選ばれた他の塩基に置きかえることの少なくとも1つ
    の変更を加えて得られる誘導体;および 下記配列(配列番号:2) 5'−CAA GGA TCG CAA GGA TCT CC−3' で示されるヌクレオチド、または上記配列に (ニ)5'側の端から1または2個の塩基を削除するか、
    または端にG−もしくはCG−を付加すること、 (ホ)3'側の端から1または2個の塩基を削除するこ
    と、 (ヘ)両端以外の1または2個の塩基をA、C、G、Tか
    ら選ばれた他の塩基に置きかえることの少なくとも1つ
    の変更を加えて得られる誘導体からなることを特徴とす
    る方法。
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Non-Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Infection and Immunity ,1989,Vol.57,No.5,p.1621−1625
Infection and Immunity,1989,Vol.57,No.5,p.1040−1049
J Gen Microbiol,1991,Vol.137,p.465−475
Journal of Clinical Microbiology,1992,Vol.30,No.5,p.1098−1104
Microbiol Immunol,1993,Vol.37,No.7,p.516−522
The Journal of Infectious Diseases,1990,Vol.162,p.984−987

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