JP3259999B2 - 緩衝器用潤滑油 - Google Patents

緩衝器用潤滑油

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JP3259999B2
JP3259999B2 JP1004993A JP1004993A JP3259999B2 JP 3259999 B2 JP3259999 B2 JP 3259999B2 JP 1004993 A JP1004993 A JP 1004993A JP 1004993 A JP1004993 A JP 1004993A JP 3259999 B2 JP3259999 B2 JP 3259999B2
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利明 栗林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オートテンショナー油
等の緩衝器用潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、エンジンの回転を利
用し、タイミングベルトによりカムシャフトタイミング
プーリーやウォ−ターポンププーリーを回転させてい
て、ベルト張力を一定に維持するため油圧式オートテン
ショナーが採用され、ベルトの長寿命化、低騒音化が図
られている。
【0003】油圧式オートテンショナーは、ロッドの移
動によりオイル移動を調整するチェックボール及びスプ
リングをシリンダー内部に内蔵した構造を有し、ロッド
を介してスプリングによりテンショナーアイドラーを押
すことによりベルト張力を一定に維持するものである。
エンジン回転の上昇時のような場合には、テンショナー
アイドラーを介して高い荷重が発生し、ロッドがオート
テンショナー内部に押し込まれようとしても、封入され
たオイルの移動をチェックボールにより遮断することに
より高圧としてロッドの押し込まれを防止し、また反対
にベルトに緩みが生じる場合には、オイルによりチェッ
クボールを押し開いてオイルを移動自在とし、スプリン
グによりロッドを押し上げるもので、これによりベルト
の張力を一定に維持する作用を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなオートテン
ショナーに使用されるオイルとしては、適切な粘度を有
していること、温度による粘度変化が少ないこと、即ち
高粘度指数であること、耐熱性に優れること、又耐荷重
性等が要求される。粘度指数を向上させるには、一般に
粘度指数向上剤を添加して高粘度指数にしたり、またシ
リコーン油のような高粘度指数の基油を使用することが
考えられる。
【0005】しかし、前者の粘度指数向上剤を添加する
ものは剪断等により粘度が低下したり、更には低温粘度
特性がよくなく、実用化しにくいという問題があり、ま
た、後者のシリコーン油を基油とする場合は、粘度指数
は高いものの潤滑油特性が低く、その潤滑性向上の観点
からアルキル変性、耐熱性向上の観点から酸化防止剤の
開発を中心に進められているが、耐荷重性が不足してい
るために摩擦部分の摩耗が生じるという問題があり、オ
ートテンショナー油として適した緩衝器用潤滑油の開発
が求められている。本発明は、耐荷重性に優れた緩衝器
用潤滑油の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の緩衝器用潤滑油
は、一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中R、R′、R″は炭素数1〜12の
炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基で、x、y、pは
整数を表わし、xは0〜30、yは1〜30、pは1〜
20)で示され、25℃における粘度比が少なくとも
1:20以上相違した複数のポリオレフィンの混合油で
あって、該混合油の25℃における粘度が5cSt〜5
000cStであるポリオレフィン油を基油とし、燐系
及びチオ燐酸亜鉛系の耐荷重添加剤又はカルバメート類
を添加したことを特徴とする。
【0009】又、本発明の緩衝器用潤滑油は、上記一般
式(1)で示され、25℃における粘度比が少なくとも
1:20以上相違した複数のポリオレフィンの混合油で
あって、該混合油の25℃における粘度が5cSt〜5
000cStであるポリオレフィン油及びエステル油及
び/又はオルガノポリシロキサン油を基油とし、燐系及
びチオ燐酸亜鉛系の耐荷重添加剤又はカルバメート類を
添加したことを特徴とする。
【0010】更に、本発明の緩衝器用潤滑油は、上記各
緩衝器用潤滑油にそれぞれ酸化防止剤を添加したことを
特徴とする。
【0011】以下、本発明の緩衝器用潤滑油について詳
細に説明する。
【0012】まず、基油であるポリオレフィン油は上記
一般式(1)で示され、一般式(1)におけるR、
R′、R″は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、デシル基、及びオクタデシル基のよ
うなアルキル基、フェニル基、ナフチル基のようなアリ
−ル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェ
ニルエチル基のようなアラルキル基、o−、m−、 p
−ジフェニル基のようなアルアリ−ル基、o−、m−、
p−クロルフェニル基、o−、m−、p−ブロムフェニ
ル基、3,3,3−トリフルオルプロピル基、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオル−2−プロピル基、ヘ
プタフルオルイソプロピル基及びヘプタフルオル−n−
プロピル基のようなハロゲン化炭化水素基である。特
に、R、R′、R″基としては脂肪族不飽和基を除く1
〜8の炭素原子を有する弗素化炭化水素基、又アルキル
基が有利である。
【0013】そして、本発明は上記ポリオレフィン類を
基油とするにあたり、25℃における粘度比が少なくと
も1:5以上相違した複数のポリオレフィンを混合した
混合油であって、該混合油の25℃における粘度が5c
St〜5000cStのものを基油とすることにより、
緩衝器用潤滑油とした時に粘度−温度特性を向上させ、
より緩衝器における摩耗の発生をより防止できる。
【0014】複数のポリオレフィンとしては、25℃に
おける粘度比が少なくとも1:5以上、好ましくは1:
20以上相違したポリオレフィンを組合せ使用するとよ
く、更に好ましくは1:100以上相違したポリオレフ
ィンを組み合わせるとよい。この範囲以下の粘度比によ
る混合では粘度指数を向上させることができなく、また
低温粘度特性をよくすることができない。
【0015】粘度比の相違する複数のポリオレフィンと
してどのような粘度のものを組合せて使用するか、ま
た、その混合割合については、混合ポリオレフィン油の
粘度が5cSt〜5000cSt、好ましくは50cS
t〜1000cStであれば特に制限はないが、粘度の
低いポリオレフィンとして、好ましくは25℃における
粘度が5cSt〜1000cStのもの、粘度の高いポ
リオレフィンとして、好ましくは25℃における粘度が
100cSt〜200,000cStのものを使用する
ことが好ましい。
【0016】また、基油として上記ポリオレフィン油と
併用しうるエステル油としては、以下の一般式(2)〜
(7)で示されるものが代表として挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】上記一般式(2)〜(7)中、R、R′
は、炭素数1〜12の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、デシル基、及びオクタデシル基
のようなアルキル基、フェニル基、ナフチル基のような
アリ−ル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−
フェニルエチル基のようなアラルキル基、o−、m−、
p−ジフェニル基のようなアルアリ−ル基、o−、m
−、p−クロルフェニル基、o−、m−、p−ブロムフ
ェニル基、3,3,3−トリフルオルプロピル基、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオル−2−プロピル
基、ヘプタフルオルイソプロピル基及びヘプタフルオル
−n−プロピル基のようなハロゲン化炭化水素基であ
る。特に、R、R′、R″基としては脂肪族不飽和基を
除く1〜8の炭素原子を有する弗素化炭化水素基、又ア
ルキル基が有利である。
【0019】好ましくは、上記一般式(4)で示される
ジエステル系が有利であり、例えばアジピン酸ジイソデ
シル、アジピン酸−ジ−n−オクチル、アジピン酸−ジ
−2−エチルヘキシル、アジピン酸−ジ−イソオクチ
ル、アジピン酸−ジ−sec−オクチル等のアジピン酸
系ジエステル類、その他、アゼライン酸系ジエステル
類、セバシン酸系ジエステル類、ドデカン二酸系ジエス
テル類等が挙げられる。
【0020】また、上記一般式(5)で示されるような
トリメチロールプロパントリオレート、ネオペンチルグ
リコールジオレート等のポリオール系エステル類等も好
ましく使用できる。これらのエステル類は単独でまた混
合して使用できる。
【0021】又、オルガノポリシロキサンとしては、平
均単位式
【0022】
【化5】
【0023】(式中、Rは1〜18の炭素原子を有す
る、同じか又は異なる、場合によりハロゲン化された1
価の炭化水素基を示し、aは1.9〜2.1の数)で示
されるものが挙げられる。
【0024】この平均単位式におけるRとしては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、デシル基、及びオクタデシル基のようなアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基のようなアリ−ル基、ベ
ンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル
基のようなアラルキル基、o−、m−、 p−ジフェニ
ル基のようなアルアリ−ル基、o−、m−、p−クロル
フェニル基、o−、m−、p−ブロムフェニル基、3,
3,3−トリフルオルプロピル基、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオル−2−プロピル基、ヘプタフル
オルイソプロピル基及びヘプタフルオル−n−プロピル
基のようなハロゲン化炭化水素基である。特に、R基と
しては脂肪族不飽和基を除く1〜8の炭素原子を有する
弗素化炭化水素基、又アルキル基が有利であり、又、上
記の異なったRをもつオルガノポリシロキサンの混合物
を使用してもよい。平均単位式で示されるオルガノポリ
シロキサン油としては、25℃における粘度が5cSt
〜5000cStのものを好ましく使用することができ
る。
【0025】本発明の緩衝器用潤滑油における基油とし
ては、上記混合ポリオレフィン油を単独で基油とする
か、または混合ポリオレフィン油に上記エステル油及び
/又はオルガノポリシロキサン油を混合して25℃にお
ける粘度範囲が5cSt〜5000cStであるように
調整してもよく、この場合には、基油における混合ポリ
オレフィン油の割合は少なくとも40重量%以上、好ま
しくは60重量%以上とするとよい。本発明における基
油の粘度は、5cSt〜5000cSt、好ましくは5
0cSt〜1000cStである。
【0026】耐荷重添加剤としては、硫黄系、チオ燐酸
亜鉛系、燐系の耐荷重添加剤が考えられるが、本発明に
おいては燐系及びチオ燐酸亜鉛系の耐荷重添加剤に限定
される。燐系の耐荷重添加剤としては、下記一般式
(8)〜一般式(14)で示されるものであり、そのう
ち少なくとも一種類を含む化合物が有効である。
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R1 〜R4 は水素、又は炭素数1
〜20の1価の炭化水素基、該炭化水素基として好まし
くは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を示
し、R5 〜R7 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基、好
ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を
示し、X1 〜X4 及びYは酸素原子又は硫黄原子であっ
て同一でも異なっていてもよいが、R1 〜R4 はYを介
さないで直接燐原子に結合していてもよく、nは0〜2
の整数を表わすが、nが0の場合にはX2 、X3 は共に
硫黄原子を表わす。)で示されるビス燐酸エステル系、
ビスチオ燐酸エステル系、又はビスジチオリン酸エステ
ル系添加剤が有効であり、中でも、炭素数1〜10のも
のが金属への表面吸着性、基油への溶解性の観点から好
ましい。
【0029】ビス燐酸エステルは一般式(8)における
1 、X2 、X3 、X4 が全て酸素原子の場合であり、
ビスチオ燐酸エステル系はX1 、X2 、X3 、X4 の4
個のうち、1〜3個が酸素原子で残りが硫黄原子の場
合、ビスジチオリン酸エステル系はX1 、X2 、X3
4 が全て硫黄原子の場合である。
【0030】又、ビス燐酸エステル系、ビスチオ燐酸エ
ステル系、又はビスジチオリン酸エステル系添加剤とし
ては、下記に示す一般式(9)、(10)、(11)に
示されるものも同様に有効である。
【0031】
【化7】
【0032】(式中R1 〜R7 、X1 〜X4 、Y及びn
は一般式(1)と同一内容を示す。)
【0033】
【化8】
【0034】(式中、R1 〜R4 は水素、又は炭素数1
〜20の1価の炭化水素基、該炭化水素基として好まし
くは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を示
し、R5 、R6 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基、好
ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を
示し、X1 〜X4 及びYは酸素原子又は硫黄原子であっ
て同一でも異なっていてもよいが、R1 〜R4 はYを介
さないで直接燐原子に結合していてもよく、nは0〜2
の整数を表わす。)
【0035】
【化9】
【0036】(式中、R1 、R2 は水素、炭素数1〜2
0の1価の炭化水素基、R8 は炭素数1〜20の少なく
とも1つのエステル結合を有する炭化水素基、X1 、X
2 及びYは酸素原子又は硫黄原子であって同一でも異な
っていてもよい。)尚、一般式(8)〜(11)のR1
〜R4 については、耐熱性の観点からフェニル基、アル
キル化フェニル基が好ましい。
【0037】 又、一般式(12) (R−Y)3 −P=X (式中X、Yは硫黄原子又は酸素原子、aは0又は1、
Rは水素、又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭化水素
基として好ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭
化水素基を示し、同一でも異なっていてもよい。)で示
される化合物も有効である。
【0038】一般式(12)で示される化合物の具体例
としては、
【0039】
【化10】
【0040】が挙げられ、以下に具体的化合物を示す。
上記、一般式(12)における構造式(1)で示される
化合物としては、トリアリールフォスフェート等があ
り、例えばベンジルジフェニルフォスフェート、アリル
ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェート、エチルジフェニルフ
ォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジブチルフ
ォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ジ
クレジルフェニルフォスフェート、エチルフェニルジフ
ェニルフォスフェート、ジエチルフェニルフェニルフォ
スフェート、プロピルフェニルジフェニルフォスフェー
ト、ジプロピルフェニルフェニルフォスフェート、トリ
エチルフェニルフォスフェート、トリプロピルフェニル
フォスフェート、ブチルフェニルジフェニルフォスフェ
ート、ジブチルフェニルフェニルフォスフェート、トリ
ブチルフェニルフォスフェート、プロピルフェニルフェ
ニルフォスフェート混合物、ブチルフェニルフェニルフ
ォスフェート混合物等のリン酸エステル、またラウリル
アシッドフォスフェート、ステアリルアシッドフォスフ
ェート、ジ−2−エチルヘキシルフォスフェート等の酸
性燐酸エステルがある。構造式(2)で示される化合物
としては、トリアリールフォスフォロチオネート等があ
り、例えばトリフェニルフォスフォロチオネート、アル
キルジアリ−ルフォスフォロチオネート等がある。構造
式(5)で示される化合物としては、トリイソプロピル
亜燐酸エステル、ジイソプロピル亜燐酸エステル等があ
る。構造式(6)で示される化合物としては、トリラウ
リルチオフォスファイト等がある。この中で、トリアリ
ールフォスフェート、又はトリアリールフォスフォロチ
オネートの構造を有する化合物が熱安定性の面での作用
効果が顕著である。
【0041】 又、一般式(13) (R−Y3 −P=Xa (式中X、Yは硫黄原子又は酸素原子、aは0又は1、
bは0〜2の整数、Rは水素、又は炭素数1〜20の炭
化水素基、炭化水素基として好ましくは直鎖又は分岐状
のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルアリー
ル基、ハロゲン化炭化水素基を示し、同一でも異なって
いてもよい。)で示される化合物も有効である。
【0042】一般式(13)で示される化合物の具体例
としては、
【0043】
【化11】
【0044】が挙げられ、以下、具体的化合物を示す。
上記、一般式(13)における構造式(1)で示される
化合物としては、ジ−n−ブチルヘキシルフォスフォネ
ート等がある。構造式(2)で示される化合物として
は、n−ブチル−n−ジオクチルフォスフィネート等が
ある。その他に、次の一般式(14)
【0045】
【化12】
【0046】で示されるものが挙げられる。式中、Rは
一般式(13)におけるRと同様であり、具体的には次
のものが挙げられる。〔化12〕における構造式(1)
で示される化合物としては、ヘキサメチルフォスフォリ
ックトリアミド等がある。構造式(2)で示される化合
物としては、ジブチルフォスフォロアミデート等があ
る。
【0047】また、チオ燐酸亜鉛系の耐荷重添加剤とし
ては、一級アルキルチオ燐酸亜鉛、二級アルキルチオ燐
酸亜鉛、アルキル−アリールチオ燐酸亜鉛、アリールチ
オ燐酸亜鉛等を使用することもできる。
【0048】耐荷重添加剤の使用割合は、緩衝器用潤滑
油において0.01重量%〜10.0重量%、好ましく
は0.1重量%〜5.0重量%含有させるとよい。また
上記耐荷重添加剤は単独で使用してもよいが、二種以上
組み合わせて使用することもできる。
【0049】また、上記耐荷重添加剤と共に、または上
記耐荷重添加剤に代えて、カルバメート類を添加剤とし
て使用してもよい。カルバメート類としてはジチオカル
バメート、ジチオカルバメート誘導体、チオカルバミン
酸の金属塩等が挙げられる。カルバメート類の使用割合
は、緩衝器用潤滑油において0.01重量%〜10.0
重量%、好ましくは0.01重量%〜3.0重量%含有
させるとよい。カルバメート類は単独で使用してもよい
が、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0050】又、本発明の緩衝器用潤滑油には必要に応
じて酸化防止剤が添加される。酸化防止剤としては、例
えばジオクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフ
チルアミン、アルキルジフェニルアミン、N−ニトロソ
ジフェニルアミン、フェノチアジン、N,N’−ジナフ
チル−p−フェニレンジアミン、アクリジン、N−メチ
ルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、ジピリ
ジルアミン、ジフェニルアミン、フェノールアミン、
2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノパラクレ
ゾール等のアミン系酸化防止剤、2.6−ジ−t−ブチ
ルパラクレゾ−ル、4.4’−メチレンビス(2.6−
ジ−t−ブチルフェノ−ル)、2.6−ジ−t−ブチル
フェノ−ル等のフェノ−ル系酸化防止剤、また鉄オクト
エ−ト、フェロセン、鉄ナフトエ−ト等の有機鉄塩、セ
リウムナフトエ−ト、セリウムトルエ−ト等の有機セリ
ウム塩、ジルコニウムオクトエ−ト等の有機ジルコニウ
ム塩等の有機金属化合物系酸化防止剤を使用するとよ
い。また上記の酸化防止剤は単独で使用してもよいが、
二種以上組み合わせて使用することにより相乗効果を奏
するようにして使用することもできる。酸化防止剤の使
用割合は、緩衝器用潤滑油において0.01重量%〜1
0.0重量%、好ましくは0.1重量%〜3.0重量%
含有させるとよい。
【0051】
【作用及び発明の効果】従来、オートテンショナー油等
の緩衝器用潤滑油においては、その高熱下での使用に伴
う熱的劣化による増粘作用を防止する観点から、酸化防
止剤の改良、又、潤滑性向上の観点からジメチルシリコ
ーン油のアルキル変性が図られてきた。しかしながら、
この従来の緩衝器用潤滑油を現実の緩衝器に適用した場
合、それでも摩擦部分の摩耗が起こるという問題が生じ
る。
【0052】本発明者等は、緩衝器用潤滑油における基
油として、粘度の相違するポリオレフィンを混合して基
油とするか、また、この混合ポリオレフィン油に必要に
応じてエステル油及び/又はオルガノポリシロキサン油
を添加して基油とし、燐系及びチオ燐酸亜鉛系の耐荷重
添加剤及び/又はカルバメート類を添加して緩衝器用潤
滑油とすることにより、オートテンショナー等の緩衝器
における摩耗の発生を無くすことができることを見出し
たものである。本発明の緩衝器用潤滑油は、オートテン
ショナー油の他にショックアブソーバー油等に使用する
ことができる。
【0053】次に、実施例により本発明を説明するが、
実施例1〜2、比較例1〜4において採用した摩擦摩耗
試験は、球/平面円板の点接触における振動摩擦摩耗試
験機を使用して行ったもので、その測定条件は荷重50
N、振幅2.5mm、周波数15Hz、温度130℃で
あり、30分間測定後の摩擦係数及び摩耗痕幅を観察・
評価した。また、実施例3、比較例5〜6において採用
した摩擦摩耗試験は、球/平面円板の点接触における振
動摩擦摩耗試験機を使用して行ったもので、その測定条
件は荷重30N、振幅2.0mm、周波数70Hz、温
度100℃であり、30分間測定後の摩擦係数及び摩耗
痕幅を観察・評価した。
【0054】実施例1〜2で用いた、25℃での粘度が
20cStのα−オレフィンオリゴマーは、モービル・
ケミカル・プロダクト製のSHF−21(8cSt、a
t25℃)28重量%と同SHF−41(31cSt、
at25℃)72重量%を混合したものである。実施例
3で用いた、25℃での粘度が8cStのα−オレフィ
ンオリゴマーはモービル・ケミカル・プロダクト製のS
HF−21をそのまま使用した。実施例4で用いた、2
5℃での粘度が40cStのα−オレフィンオリゴマー
は、モービル・ケミカル・プロダクト製のSHF−41
(31cSt、at25℃)54重量%と同SHF−6
1(55cSt、at25℃)46重量%を混合したも
のである。
【0055】実施例1〜2で用いた、25℃での粘度が
500cStのエチレン−α−オレフィンオリゴマー
は、三井石油化学工業(株)製のルーカントシリーズの
HC−20(337cSt、at25℃)57重量%と
同HC−40(880cSt、at25℃)43重量%
を混合したものである。実施例3〜4で用いた、25℃
での粘度が100,000cStのエチレン−α−オレ
フィンオリゴマーは三井石油化学工業(株)製のルーカ
ントシリーズのHC−2000(100,000cS
t、at25℃)をそのまま使用した。
【0056】
【実施例1】25℃での粘度が20cStであるα−オ
レフィンオリゴマーと25℃での粘度が500cStで
あるエチレン−α−オレフィンオリゴマーを重量比2:
8の割合で混合し、25℃での粘度が220cStの基
油とした。この基油に下記の耐荷重添加剤またはカルバ
メート類(A)〜(F)を下記表1に示すごとく添加
し、試料油1〜10を調製し、摩擦摩耗試験を実施し
た。その結果を同じく表1に示す。
【0057】
【比較例1】25℃での粘度が220cStのオルガノ
ポリシロキサン油を基油とし、下記の耐荷重添加剤
(D)〜(F)を下記表1に示すごとく添加し、比較油
1〜3を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。その結果を
同じく表1に示す。
【0058】
【比較例2】実施例1と同じ基油を使用し、下記の耐荷
重添加剤(G)(H)を下記表1に示すごとく添加し、
比較油4〜5を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。その
結果を同じく表1に示す。
【0059】(耐荷重添加剤) (A):n−ドデシルチオ−N,N−ジエチルジチオカ
ルバメート (B):ジラウリルフォスファイト (C):Sb−ジアルキルジチオカルバメート (D):トリクレジルフォスフェート (E):カルバメート誘導体混合物 (F):Zn−sec−アルキルジチオフォスフェート (G):ジベンジルジスルフィド (H):キサンテンジスルフィド
【0060】
【表1】
【0061】表からわかるように、本発明の緩衝器用潤
滑油は、摩耗を抑制し、優れた緩衝器用潤滑油であるこ
とがわかる。
【0062】
【実施例2】25℃での粘度が20cStであるα−オ
レフィンオリゴマーと25℃での粘度が500cStで
あるエチレン−α−オレフィンオリゴマーを重量比2:
8の割合で混合し、更に、この混合油に対して8重量%
の割合でアジピン酸ジイソオクチルを添加し、25℃で
の粘度が180cStの基油とした。
【0063】この基油に上記の耐荷重添加剤またはカル
バメート類(A)〜(F)を下記表2に示すごとく添加
し、試料油11〜20を調製し、摩擦摩耗試験を実施し
た。その結果を同じく表2に示す。
【0064】
【比較例3】25℃での粘度が180cStのオルガノ
ポリシロキサン油を基油とし、上記の耐荷重添加剤
(D)〜(F)を下記表2に示すごとく添加し、比較油
6〜8を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。その結果を
同じく表2に示す。
【0065】
【比較例4】実施例2と同じ基油を使用し、下記の耐荷
重添加剤(I)(J)を下記表2に示すごとく添加し、
比較油9〜10を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。そ
の結果を同じく表2に示す。
【0066】(耐荷重添加剤) (I):ベンゾトリアゾール (J):インダゾール
【0067】
【表2】
【0068】表からわかるように、本発明の緩衝器用潤
滑油は、摩耗を抑制し、優れた緩衝器用潤滑油であるこ
とがわかる。
【0069】
【実施例3】25℃での粘度が8cStであるα−オレ
フィンオリゴマーと25℃での粘度が100,000c
Stであるエチレン−α−オレフィンオリゴマーを重量
比7:3の割合で混合し、更に、この混合油に対して2
5重量%の割合でセバシン酸ジイソオクチルを添加し、
25℃での粘度が160cStの基油とした。
【0070】この基油に上記の耐荷重添加剤またはカル
バメート類(A)〜(F)を下記表3に示すごとく添加
し、試料油21〜30を調製し、摩擦摩耗試験を実施し
た。その結果を同じく表3に示す。
【0071】
【比較例5】25℃での粘度が160cStのオルガノ
ポリシロキサン油を基油とし、上記の耐荷重添加剤
(D)〜(F)を下記表3に示すごとく添加し、比較油
11〜13を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。その結
果を同じく表3に示す。
【0072】
【比較例6】実施例3と同じ基油を使用し、上記の耐荷
重添加剤(I)(J)を下記表3に示すごとく添加し、
比較油14〜15を調製し、摩擦摩耗試験を実施した。
その結果を同じく表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】表からわかるように、本発明の緩衝器用潤
滑油は、摩耗を抑制し、優れた緩衝器用潤滑油であるこ
とがわかる。
【0075】
【実施例4】25℃での粘度が40cStであるα−オ
レフィンオリゴマーと25℃での粘度が100,000
cStであるエチレン−α−オレフィンオリゴマーを重
量比8:2の割合で混合し、更に、この混合油に対して
20重量%の割合でアジピン酸ジイソデシルを添加し、
25℃での粘度が350cStの基油とした。
【0076】この基油に上記の耐荷重添加剤(D)〜
(F)を下記表4に示すごとく添加し、試料油31〜3
3を調製し、市販のピストン型の緩衝器に取り付けて、
100Hzの周波数で斜め荷重により上下動を反復し
た。500時間の運転後、緩衝器を分解してピストンの
状況を観察した。また、緩衝器用潤滑油中の鉄分の量を
測定した。その結果を同じく表4に示す。
【0077】
【比較例7】25℃での粘度が350cStのオルガノ
ポリシロキサン油を基油とし、上記の耐荷重添加剤
(E)を下記表4に示すごとく添加し、比較油16を調
製し、実施例4同様に試験した。その結果を同じく表4
に示す。
【0078】
【比較例8】実施例4と同じ基油を使用し、上記の耐荷
重添加剤(G)を下記表4に示すごとく添加し、比較油
17を調製し、実施例4同様に試験した。その結果を同
じく表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】表からわかるように、本発明の緩衝器用潤
滑油は、摩耗を抑制し、優れた緩衝器用潤滑油であるこ
とがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 105:32 C10M 105:32 107:02 107:02 135:18) 135:18) C10N 20:02 C10N 20:02 30:06 30:06 40:08 40:08 (72)発明者 上田 大成 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 169/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中R、R′、R″は炭素数1〜12の炭化水素基又
    はハロゲン化炭化水素基で、x、y、pは整数を表わ
    し、xは0〜30、yは1〜30、pは1〜20)で示
    され、25℃における粘度比が少なくとも1:20以上
    相違した複数のポリオレフィンの混合油であって、該混
    合油の25℃における粘度が5cSt〜5000cSt
    であるポリオレフィン油を基油とし、燐系及びチオ燐酸
    亜鉛系の耐荷重添加剤又はカルバメート類を添加したこ
    とを特徴とするオートテンショナー油
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中R、R′、R″は炭素数1〜12の炭化水素基又
    はハロゲン化炭化水素基で、x、y、pは整数を表わ
    し、xは0〜30、yは1〜30、pは1〜20)で示
    され、25℃における粘度比が少なくとも1:20以上
    相違した複数のポリオレフィンの混合油であって、該混
    合油の25℃における粘度が5cSt〜5000cSt
    であるポリオレフィン油及びエステル油及び/又はオル
    ガノポリシロキサン油を基油とし、燐系及びチオ燐酸亜
    鉛系の耐荷重添加剤又はカルバメート類を添加したこと
    を特徴とするオートテンショナー油
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