JP3255449B2 - 車輌用振動騒音制御装置 - Google Patents

車輌用振動騒音制御装置

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JP3255449B2
JP3255449B2 JP11828092A JP11828092A JP3255449B2 JP 3255449 B2 JP3255449 B2 JP 3255449B2 JP 11828092 A JP11828092 A JP 11828092A JP 11828092 A JP11828092 A JP 11828092A JP 3255449 B2 JP3255449 B2 JP 3255449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輌用振動騒音制御装
置、より詳しくは車輌の走行等により発生する振動騒音
を能動的に制御し、これら振動騒音の低減化を図る車輌
用振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、適応デジタルフィルタ(Adapt
ive Digital Filter:以下、「ADF」という)を使用
して振動騒音源から発生する振動騒音を減衰させ、該振
動騒音の低減化を図る能動的振動騒音制御装置の存在が
知られている。
【0003】また、この種の能動的振動制御装置におい
ては、前記ADFとしては一般的に有限長インパルス応
答(Finite Impulse Response:以下「FIR」という)
形のウィーナーフィルタ(以下、「Wフィルタ」とい
う)が使用される。
【0004】ところで、最近、ADFの制御アルゴリズ
ム(計算法)として、複数の制御領域(評価点)を有す
る多チャネルシステムに適合したエラースキャニング
(Error Scanning)アルゴリズムと呼称される適応アル
ゴリズムが提案されている(Hareo HAMADA “SIGNAL PR
OCESSING FOR ACTIVE CONTROL" International Symposi
um on Active Control of Sound and Vibration, pp.33
〜44)。
【0005】図10は前記エラースキャニングアルゴリ
ズムの動作原理図であって、Wフィルタのタップ数が1
個、振動騒音制御の対象となる評価点が2個(第1及び
第2の評価点)の場合を示している。また、縦軸は評価
誤差J、横軸はWフィルタのフィルタ係数Wである。
【0006】同図において、第1及び第2の評価誤差関
数J1,J2は、夫々の誤差信号e1,e2の2乗平均誤差
E(e1 2),E(e2 2)で表わされ、W1,W2は第1及
び第2の評価誤差関数J1,J2の最小値を示している。
【0007】前記エラースキャニングアルゴリズムにお
いては、系の評価誤差関数J1+2は第1及び第2の評価
誤差関数J1,J2を加算した二次曲面J1+2上において
その最小値はW1+2となり、Wフィルタのフィルタ係数
Wは該最小値W1+2でもって更新され、Wフィルタから
出力される制御信号の最適化が図られる。
【0008】また、このエラースキャニングアルゴリズ
ムによれば、マルチプルエラーフィルタードX−アルゴ
リズム等の他の制御アルゴリズムに比べ、1回のサンプ
リング時間内での演算量の軽減化が可能であり、複数の
騒音源や制御領域(評価点)を有する振動騒音制御シス
テムに対して好適したものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車輌駆動用
パワープラントにおいて複数の制御領域に夫々エラーセ
ンサを設けて振動騒音誤差信号を検出する場合、図11
に示すように、エンジン回転数NEに応じてこれらエラ
ーセンサの出力電圧Vが変動する。尚、図中、EN0は
車室内騒音の残留誤差を検出する騒音エラーセンサ、E
F0は車輌の床振動の残留誤差を検出する床振動エラー
センサ、ES0はステアリング振動の残留誤差を検出す
るステアリング振動エラーセンサの出力電圧Vを夫々示
している。
【0010】また、この図11から明らかなように、騒
音エラーセンサEN0の出力電圧Vは、床振動エラーセ
ンサEF0及びステアリング振動エラーセンサES0の
出力電圧Vに比べて相対的に高い。したがって、上記エ
ラースキャニングアルゴリズムを車輌用振動騒音制御装
置に適用した場合、例えばアイドル回転数NEIDL近
傍でエラースキャニングを実行すると騒音エラーセンサ
EN0が小さくなる方向に評価誤差Jは収束することと
なる。
【0011】しかし、自動車等の車輌においては、その
運転状態によっては必ずしも全ての評価誤差Jが上述の
如く単純計算によって最小値となるように制御するのが
好ましくない場合がある。例えば、アイドル回転数NE
IDLの近傍等低回転数域においては、騒音は聴覚的に
感じにくいにもかかわらず、騒音エラーセンサEN0の
出力電圧Vは音圧レベルで検出されるため出力電圧が比
較的高い。すなわち、エンジン低回転数域においては聴
覚的に感知されにくい車室内騒音よりもステアリング振
動を低減する方が望ましいにもかかわらず、評価誤差J
は車室内騒音を低減化する方向に収束してステアリング
振動を低減化する方向には収束せず、所望の振動騒音制
御を行うことができない場合があるという問題点があっ
た。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、運転者等搭乗員の振動騒音感知に適
合した振動騒音制御が可能な車輌用振動騒音制御装置を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくとも車輌駆動用パワープラントを含
む振動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも1
つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周
期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリン
グすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間
の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィ
ルタ手段と、前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動
信号により振動騒音を制御する電気機械変換手段と、該
電気機械変換手段からの出力により、ベクトル的な総和
により減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域にお
いて検出する誤差信号検出手段と、前記電気機械変換手
段と前記誤差信号検出手段との間に形成される振動騒音
伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段と、
前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ
手段から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段
のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小
値となるように前記フィルタ係数を更新する制御信号
新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、前
記誤差信号検出手段を前記複数の所定領域に対応して複
数個具備すると共に、少なくともエンジン回転数とエン
ジンの負荷状態とを含む前記パワープラントの運転状態
を検出する運転状態検出手段と、前記誤差信号検出手段
の検出結果に対し該運転状態検出手段の検出結果に応じ
重み付け処理を行う重み付け処理手段とを有している
ことを特徴としている。
【0014】また、前記誤差信号検出手段は、具体的に
は、少なくとも車室内騒音の残留誤差を検出する第1の
誤差信号検出手段と、車体の床振動の残留誤差を検出す
る第2の誤差信号検出手段と、ステアリング振動の残留
誤差を検出する第3の誤差信号検出手段とを含んでい
る。
【0015】
【作用】上記構成によれば、パワープラントの運転状態
に応じて複数の振動騒音誤差信号(第1〜第3の誤差信
号検出手段により検出される)に重み付け処理が施さ
れ、かかる重み付け処理がなされた誤差信号と第2のフ
ィルタ手段から出力される参照信号と第1のフィルタ手
段のフィルタ係数に基づいてフィルタ係数の更新が行わ
れる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
【0017】図1は本発明に係る車輌用振動騒音制御装
置の一実施例を示した全体構成図である。
【0018】図中、1は各シリンダに吸気弁と排気弁
(図示せず)とを各1対宛設けたDOHC直列4気筒の
車輌駆動用エンジン(以下、単に「エンジン」という)
であって、該エンジン1の吸気管2の途中にはスロット
ルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁3′
が配されている。また、スロットル弁3′にはスロット
ル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、スロッ
トル弁3′の開度に応じた電気信号を出力して電子コン
トロールユニット(以下「ECU」という)5に供給す
る。
【0019】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3′との間且つ吸気管2の図示しない燃料ポンプに接続
されるとともにECU5に電気的に接続され、当該EC
U5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御され
る。
【0020】また、吸気管2のスロットル弁3′の下流
側には分岐管7が設けられ、該分岐管7の先端には絶対
圧(PBA)センサ8が取付けられている。該PBAセ
ンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2
内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号
に変換されてECU5に供給される。
【0021】また、エンジン1の図示しない、例えばク
ランク軸周囲にはエンジン回転数(NE)センサ9が取
り付けられている。
【0022】NEセンサ9はエンジン1のクランク軸の
180度回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス
(以下「TDC信号パルス」という)を出力し、該TD
C信号パルスはECU5に供給される。
【0023】エンジン1の各気筒の点火プラグ11は、
ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期
が制御される。
【0024】また、エンジン1の前部及び後部には1対
の自己伸縮型エンジンマウント(電気機械変換手段)
2a,12bが配設されている。該自己伸縮型エンジン
マウント12a,12bは、具体的には、その上端が弾
性ゴム13a,13bを介してエンジン1に接続される
と共に下端は車体フレーム14に支持されている。
【0025】また、前記自己伸縮型エンジンマウント1
2a,12bには、ボイスコイル・モータ(VCM)1
5a,15bが内有され、エンジンの振動に応じてEC
U5からの信号によりエンジンの振動を制御する。すな
わち、自己伸縮型エンジンマウント12a,12bは、
液体が充填された液室(図示せず)を内有し、振動源側
(エンジン1)に固定された弾性ゴム13a,13bが
伸縮して振動源の振動が車体に伝達されるのを防止す
る。
【0026】また、大気圧(PA)センサ16は、エン
ジン1の適所に配設されて大気圧を検出し、その電気信
号をECU5に供給する。
【0027】さらに、ECU5には、エンジンの振動騒
音を能動的に低減する振動騒音制御系17が電気的に接
続され、該振動騒音制御系17は、ECU5からの信号
により前記振動騒音を制御する。
【0028】しかして、ECU5は、上述の各種センサ
からの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベル
に修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する
等の機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路
(以下「CPU」という)5bと、該CPU5bで実行
される各種演算プログラムや後述する各種マップ及び演
算結果等を記憶するROM及びRAMからなる記憶手段
5cと、前記燃料噴射弁6、点火プラグ11及び振動騒
音制御系17に出力信号を供給する出力回路5dとを備
えている。
【0029】また、図2に示すように、車輌の車室18
には振動騒音制御系17を構成する誤差信号検出手段1
9が配設されている。
【0030】すなわち、車室18内の略中央の天井部に
はマイクロホン等の騒音エラーセンサ(第1の誤差信号
検出手段)20が配設され、また、車室18内の床面に
は床振動エラーセンサ(第2の誤差信号検出手段)21
が配設され、さらに、ステアリングホイール22にはス
テアリング振動エラーセンサ(第3の誤差信号検出手
段)23が配設されている。
【0031】図3は、本発明における振動騒音制御系1
7の一実施例を模式的に示したシステム構成図であっ
て、本実施例ではNEセンサ9により検出されるTDC
信号パルスを入力信号Xとし、騒音エラーセンサ20、
床振動エラーセンサ21及びステアリング振動エラーセ
ンサ23で誤差信号を検出し、それらの検出結果に対し
てエンジン1の運転状態に応じた重み付け処理を行なっ
ている。
【0032】すなわち、該振動騒音制御系17は、所定
のサンプリング周期毎にECU5から出力されるTDC
信号パルスを入力信号Xとして入力して適応制御を行う
高速演算可能なDSP(Digital Signal Processor)2
4と、該DSP24から出力される制御信号X1′〜
3′(デジタル信号)をアナログ信号に変換するD/
Aコンバータ251〜253と、該D/Aコンバータ25
1〜253により出力されたアナログ信号を増幅する増幅
器261〜263と、エンジンマウント12a(12b)
と、誤差信号検出手段19(騒音エラーセンサ20、床
振動エラーセンサ21、ステアリング振動エラーセンサ
23)とから構成されている。
【0033】さらに、DSP24は、誤差信号検出手段
19の検出結果に基づいて重み付け処理を行う重み付け
処理部27と、該重み付け処理部27からの出力信号に
基づいて適応制御を行う適応制御処理部28とを備えて
いる。尚、前記重み付け処理部27は、ECU5と同
様、入力回路とCPUと記憶手段と出力回路とを備えて
いる。
【0034】また、適応制御処理部28は、前記誤差信
号検出手段19の個数に対応して3個の適応制御回路2
1〜293が内蔵され、さらに該適応制御回路291
293は、入力信号Xの入力間隔に対応してそのタップ
長が変化するADFとしてのWフィルタ301〜30
3(第1のフィルタ手段)と、該Wフィルタ301〜30
3のフィルタ係数を更新するための演算処理を行う適応
アルゴリズムとしてのLMS処理部311〜313(更新
手段)と、振動騒音伝達経路中に配設された自己伸縮型
エンジンマウント12a(12b)に起因して生じるW
フィルタ301〜303からの伝達特性の位相変化を補正
する補正フィルタ(以下、「Cフィルタ」という)32
1〜323(第2のフィルタ手段)とを備えている。
【0035】このように構成された車輌用振動騒音制御
装置においては、ECU5から出力されるTDC信号パ
ルスが所定のサンプリング周期毎にサンプリングされて
入力信号Xとして適応制御回路291〜293に入力され
る。次いで、該適応制御回路291〜293から出力され
た制御信号X1′〜X3′(デジタル信号)はD/Aコン
バータ251〜253でアナログ信号に変換され、増幅器
261〜263で増幅され、振動伝達経路中に配設された
自己伸縮型エンジンマウント12a(12b)及び車体
33を経て相殺信号(駆動信号)1〜Y3として夫々の
誤差信号検出手段19に入力される。次いで3個の誤差
信号検出手段19(騒音エラーセンサ20、床振動エラ
ーセンサ21、ステアリング振動エラーセンサ23)か
らの夫々の誤差信号EN,EF,ESは不図示のA/D
コンバータを経て重み付け処理部27に入力される。
【0036】一方、NEセンサ9、PBAセンサ8及び
PAセンサ16の検出データがECU5から重み付け処
理部27に入力される。そして該重み付け処理部27で
は前記検出データに応じて誤差信号EN,EF,ESに
所定の重み付け処理が施され、次いで前記重み付け処理
部27の出力信号が夫々の制御領域(評価点)に対応す
る前記適応制御回路291〜293にフィードバックされ
る。
【0037】以下、前記重み付け処理部27で実行され
る重み付け処理手順について詳説する。
【0038】図4は重み付け処理モード判別ルーチンの
フローチャートであって、本プログラムはバックグラウ
ン時に処理される。
【0039】まず、ステップS1ではエンジン回転数N
E(NEセンサ9により検出される)、吸気管内絶対圧
PBA(PBAセンサ8により検出される)及び大気圧
PA(PAセンサ16により検出される)がECU5を
介して重み付け処理部27に入力され、その記憶手段
(RAM)に記憶される。
【0040】次に、ステップS2では、重み付け処理部
27の記憶手段(ROM)に記憶されているE0Nテー
ブル、E0Fテーブル、E0Sテーブルを夫々検索し、
エンジン回転数NE等に応じた重み付け係数E0N,E
0F,E0Sを算出する。
【0041】具体的には、E0Nテーブルは、図5に示
すように、エンジン回転数NEと吸気管内負圧PB(=
PBA−PA)に応じて所定のテーブル値が格子状に与
えられており、これらエンジン回転数NE及び吸気管内
負圧PBに応じたテーブル値が読み出され、あるいは補
間法により算出されることにより、騒音誤差用重み付け
係数E0Nが決定される。
【0042】また、E0Fテーブルは、図6に示すよう
に、エンジン回転数NEに応じて所定のテーブル値が与
えられており、これらエンジン回転数NEに応じたテー
ブル値が読み出され、あるいは補間法により算出される
ことにより、床振動誤差用重み付け係数E0Fが決定さ
れる。尚、前記補間法によりE0F値が0.2より小さ
い数値となったとき(E0F<0.2)は、E0F=0
に設定される。
【0043】さらに、E0Sテーブルは、図7に示すよ
うに、エンジン回転数NEに応じて所定のテーブル値が
与えられており、これらエンジン回転数NEに応じたテ
ーブル値が読み出され、あるいは補間法により算出され
ることにより、ステアリング振動誤差用重み付け係数E
0Sが決定される。尚、前記補間法によりE0S<0.
2となったときは、E0F値の場合と同様、E0S=0
に設定される。
【0044】次に、ステップS3では、ステップS2で
算出された重み付け係数E0N,E0F,E0Sが
「0」か否かを夫々の重み付け係数E0N,E0F,E
0Sについて判別する。
【0045】そして、その答が肯定(YES)となった
評価点に対しては処理フラグFWESを「1」に設定し
て(ステップS5)本プログラムを終了する。すなわ
ち、例えば、エンジン回転数NEが500rpm,吸気
管内負圧PBが−700mmHgのときは、図5のE0Nテ
ーブルよりE0N=0となり、車室内騒音に関する処理
フラグFWESを「1」に設定して本プログラムを終了
する。
【0046】一方、ステップS3の答が否定(NO)と
なった評価点に対しては、ステップS4に進み、重み付
け係数E0Nが「1.0」か否かを判別する。すなわ
ち、先の例でいえばステップS3でE0N=0と判別さ
れているため、E0F及びE0Sが「1.0」か否かが
判別されることとなる。そして、その答が否定(NO)
となった評価点に対しては処理フラグFWESを「1」
に設定して(ステップS5)本プログラムを終了する一
方、その答が肯定(YES)となった評価点に対しては
処理フラグを「0」に設定して(ステップS6)本プロ
グラムを終了する。すなわち、先の例でいえば、エンジ
ン回転数NEが500rpmのときはE0F=1.0,
E0S=1.5となるので床振動に関する処理フラグF
WESが「0」に設定され、ステアリング振動に関する
処理フラグFWESは「1」に設定される。つまり、こ
の場合、床振動に関しては重み付け処理を行わない通常
のエラースキャニングが実行されることとなる。
【0047】しかして、図8は重み付け処理ルーチンで
あって、本プログラムは入力信号Xの適応制御処理部2
8への入力と同期して実行される。
【0048】まず、ステップS11では処理フラグFW
ESが「1」か否かを判別し、その答が否定(NO)の
ときはそのまま本プログラムを終了する一方、その答が
肯定(YES)のときはステップS12に進み、前記複
数の誤差信号検出手段19からの各誤差信号EN,E
F,ESを読み込み、記憶手段に記憶する。次いで、ス
テップS13では数式(1)〜(3)に基づき重み付け
処理を行い、修正誤差信号E1N,E1F,E1Sを算
出し、本プログラムを終了する。
【0049】 E1N=E0N×EN …(1) E1F=E0F×EF …(2) E1S=E0S×ES …(3) これにより、例えば、エンジン回転数500rpm、吸
気管内負圧PBが−700mmHgの場合は、図5〜図7の
テーブル値に基づき夫々E0N=0、E0F=1.0、
E0S=1.5が読み出される。しかるに、E0Fが
「1.0」のときは処理フラグFWESが「0」に設定
されるため(ステップS6)、重み付け処理は行なわれ
ない(図8参照)。したがって、この場合は車室内騒音
とステアリング振動に関する修正誤差信号E1N、E1
Sのみが数式(1)及び(3)に基づいて算出される。
すなわち、床振動についてはE0F=1.0であるので
エラースキャニングの対象とはされず、車室内騒音に関
する修正誤差信号E1Nと、ステアリング振動に関する
修正誤差信号E1Sに基づきエラースキャニングが実行
される。
【0050】図9は上記重み付け処理により算出された
修正誤差信号に基づき振動騒音制御を行った一実施例を
示した図である。
【0051】すなわち、例えばエンジン回転数NEが2
000rpm,吸気管内負圧PBが0mmHgのときは、図
5〜図7の各テーブルから夫々の重み付け係数E0N=
1.5,E0F=1.3,E0S=0.8が読み出さ
れ、修正誤差信号E1N,E1F,E1Sは夫々E1N
=1.5EN,E1F=1.3EF,E1S=0.8E
Sとなるので、図9から明らかなように、E1N値は大
きく、またE1S値は小さくなり、車室内騒音の制御に
重点をおいた振動騒音制御が実行される。
【0052】また、例えば、エンジン回転数NEが50
0rpm,吸気管内負圧PBが−500mmHgのときは、
図5〜図7の各テーブルからE0N=0.2,E0F=
1.0,E0S=1.5が読み出される。そして床振動
の重み付け係数E0Fは「1.0」であるため、床振動
に関してはエラースキャニングの対象とはされず(図4
及び図8参照)、一方、車室内騒音及びステアリング振
動については修正誤差信号E1N、E1Sは、夫々
「0.2EN」,「1.5ES」となり、エラースキャ
ニングの対象となる。そして、この場合、E1S値はE
1N値に比べて大きな数値となるため、ステアリング振
動の制御に重点をおいた振動騒音制御を行うことができ
る。
【0053】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、要旨を逸脱しない限りの変更が可能であるの
はいうまでもない。例えば、上記実施例では、入力信号
XとしてECU5からのパルス信号を使用しているがパ
ワープラント等の振動騒音源を検出する振動騒音センサ
を配設し、該振動騒音センサで検出された振動騒音(ア
ナログ信号)をA/Dコンバータでデジタル信号に変換
した後、該デジタル信号を入力信号として適応制御処理
部28に入力するように構成してもよい。
【0054】また、誤差信号検出手段の個数についても
4個以上設けても本発明の実施に何ら支障を生じること
なく、搭乗員の感覚に合致した振動騒音低減化を実現す
ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、少なくと
も車輌駆動用パワープラントを含む振動騒音源に起因し
て車体又は車室内の複数の所定領域において発生する周
期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信
号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源から
前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出
力する第1のフィルタ手段と、前記振動騒音源と前記所
定領域との間に形成された複数の振動騒音伝達経路のう
ちの少なくとも1つ以上の振動騒音伝達経路中に配設さ
れ、前記第1のフィルタ手段の出力により前記伝達特性
を機械的に変化させる電気機械変換手段と、該電気機械
変換手段により変化した振動騒音と前記電気機械変換手
段を有さない前記振動騒音伝達経路からの振動騒音との
三次元的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前
記所定領域において検出する誤差信号検出手段と、前記
電気機械変換手段と前記誤差信号検出手段との間に形成
される振動騒音伝達経路の伝達特性が記憶された第2の
フィルタ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結果と前
記第2のフィルタ手段から出力される参照信号と前記第
1のフィルタ手段のフィルタ係数に基づいて前記振動騒
音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更
新する更新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置にお
いて、前記誤差信号検出手段を前記複数の所定領域に対
応して複数個(第1〜第3の誤差信号検出手段)具備す
ると共に、少なくともエンジン回転数とエンジンの負荷
状態とを含む前記パワープラントの運転状態を検出する
運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果と
前記誤差信号検出手段の検出結果に基づいて重み付け処
理を行う重み付け処理手段とを有しているので、前記誤
差信号検出手段により検出された残留誤差に対してパワ
ープラントの運転状態に応じた重み付け処理を行うこと
ができることとなる。すなわち、フィルタ係数の更新に
寄与する前記残留誤差の「重み」がエンジンの運転状態
に応じて変化することとなり、運転者等搭乗員の感覚に
適合した効果的な振動騒音の低減化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輌用振動騒音制御装置の一実施
例を模式的に示した全体構成図である。
【図2】誤差信号検出手段の配設位置を示した図であ
る。
【図3】振動騒音制御系のブロック構成図である。
【図4】重み付け処理モード判別ルーチンのフローチャ
ートである。
【図5】E0Nテーブル図である。
【図6】E0Fテーブル図である。
【図7】E0Sテーブル図である。
【図8】重み付け処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図9】重み付け処理部により重み付け処理された誤差
信号の出力特性を示す出力特性図である。
【図10】エラースキャニングアルゴリズムの動作原理
を評価する動作曲面図である。
【図11】従来例の誤差信号の出力特性図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン(パワープラント) 8 PBAセンサ(運転状態検出手段) 9 NEセンサ(運転状態検出手段) 12a,12b エンジンマウント(電気機械変換手
段) 16 PAセンサ(運転状態検出手段) 19 誤差信号検出手段 20 騒音センサ(第1の誤差信号検出手段) 21 床振動センサ(第2の誤差信号検出手段) 23 ステアリング振動センサ(第3の誤差信号検出手
段) 27 重み付け処理部(重み付け処理手段) 301〜303 Wフィルタ(第1のフィルタ手段) 311〜313 LMS処理部(更新手段) 321〜323 Cフィルタ(第2のフィルタ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 G05D 19/02 G10K 11/178

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車輌駆動用パワープラント
    (1)を含む振動騒音源に起因して車体(33)又は車
    (18)内の少なくとも1つ以上の所定領域において
    発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所
    定の入力信号をフィルタリングすることにより前記振動
    騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制
    御信号を出力する第1のフィルタ手段(30)と、前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振
    動騒音を制御する電気機械変換手段(12)と、 該電気機械変換手段(12)からの出力により、ベクト
    ル的 な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所
    定領域において検出する誤差信号検出手段(19)と、 前記電気機械変換手段(12)と前記誤差信号検出手段
    (19)との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特
    を表現する第2のフィルタ手段(32)と、 前記誤差信号検出手段(19)の検出結果と前記第2の
    フィルタ手段(32)から出力される参照信号と前記第
    1のフィルタ手段(30)のフィルタ係数に基づいて前
    記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ
    係数を更新する制御信号更新手段(31)とを備えた車
    輌用振動騒音制御装置において、 前記誤差信号検出手段(19)を前記複数の所定領域に
    対応して複数個具備すると共に、少なくともエンジン回
    転数とエンジンの負荷状態とを含む前記パワープラント
    の運転状態を検出する運転状態検出手段(9、8)と、
    前記誤差信号検出手段(19)の検出結果に対し該運転
    状態検出手段(9、8)の検出結果に応じて重み付け処
    理を行う重み付け処理手段(27)とを有していること
    を特徴とする車輌用振動騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記複数個の誤差信号検出手段(19)
    は、少なくとも車室(18)内騒音の残留誤差を検出す
    る第1の誤差信号検出手段(20)と、車体床振動の残
    留誤差を検出する第2の誤差信号検出手段(21)と、
    ステアリング振動の残留誤差を検出する第3の誤差信号
    検出手段(22)とを含むことを特徴とする請求項1記
    載の車輌用振動騒音制御装置。
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