JP3239208B2 - 救命艇の自由落下による脱出装置 - Google Patents

救命艇の自由落下による脱出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、救命艇の自由落
下による脱出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の救命艇の自由落下による脱出装置
は、例えば図14ないし図18に示すように、救命艇本
体(7)に支持部としてガイドレール(8)を設け、こ
のガイドレール(8)を母船に設けた滑台(9)に沿っ
て案内する。これにより、図18に示すように、母船の
滑台(9)の傾斜角(14(図18))に従って滑降さ
せ、拘束落下及び自由落下を経て着水、慣性走行に移行
するようにしていた。そして、これら一連の運動によ
り、母船からの迅速な脱出が可能となっていた。
【0003】しかしながら、以上の従来技術によれば、
艇の重心(10)が滑台端部を通過する際に、図17に
示すように、重心に作用する重力(11)と、滑台端部
からの反力(12)により形成される偶力によって、艇
に艇体縦方向(艇首を下げる方向)の回転運動が生じ
る。この状態を拘束落下と呼ぶ。拘束落下中の偶力は艇
が滑台を離れるまで作用し、滑台を離れた後、艇は一定
角速度で艇首下げの回転を持続しながら落下する。した
がって、落下高さが大きい場合には、着水時の艇と水面
のなす着水角(16(図7))が大きくなり、艇が水面
に対して鉛直に近い角度で着水してしまう傾向がある。
このため着水後に作用する浮力の影響によって、艇が反
発浮上して母船側に逆戻りしたり、極端な場合には水面
上で後方に回転するなどの非常に危険な状況が発生する
危険性がある(図10(IIA、IIB))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、滑台端部
における艇の回転運動を生じさせず、滑台傾斜角と同角
度を保ちながら自由落下することにより適切な着水角で
着水する安全かつ確実な母船からの脱出を可能にする新
しい救命艇の自由落下による脱出装置を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、重心を挟んで前後に離れた2
以上の支持部を側方に設けた救命艇と、これら2以上の
支持部が同じ距離を滑降し、滑降を終えた後、これらの
2以上の支持部が同時に自由落下を開始するように前後
に離れた滑台とからなることを特徴とする救命艇の自由
落下による脱出装置である。
【0006】請求項2の発明は、さらに、支持部が前後
2か所、両舷で4か所に設けられ、重心より前方の支持
部(2)は重心より後方の支持部(3)よりも、救命艇
(1)の上方に設置され、滑台(4、5)は母船に4カ
所設けられ、これら滑台(4、5)は前記支持部(2、
3)の高さに合わせて上下2段で、互いに平行、かつ長
さを前後の支持部(2、3)が同じ距離を滑走するよう
に設定されたことを特徴とする救命艇の自由落下による
脱出装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図3に示す。救命艇本体(1)の右側面には、重心よ
り後方の板状の支持部(3)、重心より前方の板状の支
持部(2)がそれぞれ救命艇(1)の本体と一体的に設
けられている。また、滑降を終え滑台(5)を離れた重
心より後方の支持部(3)が、前方の滑台(4)に衝突
するのを避けるために、重心より前方の支持部(2)は
後方の支持部(3)より上部に位置している。
【0008】また、母船に設けられる前後の2段の滑台
(4)、(5)は、高さが、それぞれ重心前後の2つの
支持部(2)、(3)の高さに合わせて設置し、互いに
平行であり、長さは互いに同じであり、このような設置
位置により支持部(2)、(3)がそれぞれ同じ距離を
滑降し、同時に空中に解放され自由落下を開始するよう
に設定する。なお、左側面においては、右側面と同様と
する。
【0009】滑降に続いて自由落下を始めた救命艇は、
自由落下に移行した瞬間の角度(13(図4))を保っ
たまま自由落下を続け、そのままの角度(15(図
6))で着水し、水面上における慣性走行に移行する。
【0010】この実施形態によれば、重心を挟んだ前後
の支持部が同時に滑台を離れ、自由落下を開始するた
め、滑台傾斜角(13(図4))と同角度(15(図
6))を保ったまま自由落下、着水する。したがって、
装置設計時に適切な滑台傾斜角(13(図4))を選択
すれば、着水する艇に適切な着水角(15(図6))を
与えることができ、安全で確実な母船からの脱出が可能
となる。
【0011】以下、本発明の実施態様の作用を詳しく説
明する。図10は、従来式の救命艇の自由落下による脱
出装置によって生ずる4つの着水後の運動パターンを示
している。type−IAは自由落下式救命艇の着水後
の運動として最も望ましいもので、着水後の救命艇は慣
性力によって母船から遠方に離れていく。type−I
Bは再浮上した救命艇が浮上位置に停止する場合であ
り、救命艇のエンジンが始動すれば母船から離れる方向
に離脱できる。type−IIA及びtype−IIB
は救命艇の運動として危険なものであり、type−I
IAでは救命艇が母船方向に後戻りするため母船と衝突
する。またtype−IIBは反発浮上した救命艇が後
方ないしは側方に転倒する。
【0012】図11及び図12は同一の救命艇模型をそ
れぞれ従来式及びこの実施形態による方式で落下させた
模型実験結果を示している。図11から分かるように従
来方式では、安全な着水運動(type−IA)を生じ
る領域が滑台傾斜角と落下高さが極めて狭い領域に限定
されている。
【0013】一方、図12に示すようにこの実施形態に
よる方式では、滑台傾斜角と落下高さの広い領域の組合
せに対し、安全な着水運動が期待できる。
【0014】図1の実施形態では、重心を挟んだ前後の
支持部(2、3)は前後で2枚、両舷で4枚の短い板材
であったが、他の実施形態としては、重心を挟んだ前後
の支持部は、車輪、多角柱、多角錘でも良い。
【0015】また、他の実施形態では、図8(a)に示
すように、防舷材を兼ねるため左右一組の板を従来方式
の自由落下式救命艇のように艇のほぼ全長に渡って設置
し支持部(3)とし、他の左右一組の短いガイドレール
を他の支持部(2)とし、滑台(4、5)は図1の実施
形態と同様にしても良い。
【0016】また、さらに他の実施形態では、図8
(b)に示すように従来方式の長いガイドレールを2分
の1ずつに分割し上下に設置して支持部(2、3)と
し、これら支持部(2、3)に防舷材の役目を兼ねさせ
ても良い。
【0017】また、さらにはこれら図8(a)(b)の
方式の支持部(2、3)を任意に組み合わせたものであ
ってもよい。
【0018】さらに、図1の実施形態では支持部(2、
3)の数を4つとしたが、別の実施形態では、前後の支
持部(2、3)が同時に解放される条件を満足すれば、
前2点、後1点、ないしは前1点、後2点の、計3点で
艇体を支持する方式にしてもよい。ただし、その場合は
重心と支持点との位置関係に注意し、図13に示すよう
に艇の重心が支持点のなす三角形の内側に来るように設
定する必要がある。
【0019】また、図1の実施形態では、重心を挟んだ
前後の支持部(2、3)は、別体に設け、重心より前方
の支持部(2)を重心より後方の支持部(3)よりも上
方に設置し、滑台(4、5)もその高さに合わせて別体
で2段としたが、他の実施形態としては、図9に示すよ
うに、一体型の支持部(19)と、一体型の滑台(2
0)を用いることもできる。すなわち、艇体の幅方向に
広い寸法のガイドレールからなる支持部(2)と艇体の
幅方向に狭い寸法のガイドレールからなる支持部(3)
とが、上下方向の同じ位置で連続して一体化され、一体
型の支持部(19)となっている。また、艇体の幅方向
に狭い寸法の滑台(4)と艇体の幅方向に広い寸法の滑
台(5)とが、上下方向の同じ位置で連続して一体化さ
れ、一体型の滑台(20)となっている。
【0020】このような構造にしても、2つの支持部
(2、3)が同じ距離を滑降し、同時に滑台(4、5)
を離れるようにできる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
救命艇の自由落下による脱出装置によれば、救命艇の2
以上の支持部が同じ距離を滑降する構造とすることによ
り、滑降を終えた後、これらの2以上の支持部が同時に
空中に解放され、救命艇は自由落下に移行した瞬間の角
度を保ったまま回転運動をすることなく自由落下し、よ
って、適切な着水角で着水でき、安全かつ確実に母船か
ら脱出できる。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の救命艇本体を示す斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態を示すを示す側面図であ
る。
【図4】この発明における滑台傾斜角を示す側面図であ
る。
【図5】従来式の滑台傾斜角を示す側面図である。
【図6】この発明における救命艇の着水角を示す側面図
である。
【図7】従来式の救命艇の着水角を示す側面図である。
【図8】(a) (b) (c)はそれぞれ他の実施形
態を示す側面図である。
【図9】この発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】救命艇の着水後の挙動の分類を示す図であ
る。
【図11】従来式の着水後の挙動を示す実験結果であ
る。
【図12】この発明の着水後の挙動を示す実験結果であ
る。
【図13】3点支持とする場合の一例を示す図である。
【図14】従来技術の一実施形態を示す斜視図である。
【図15】従来式の救命艇本体を示す斜視図である。
【図16】従来技術の一実施形態を示す側面図である。
【図17】滑台端部で従来式の救命艇に偶力が働く拘束
落下を示す側面図である。
【図18】従来技術による脱出の様子を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 この発明における救命艇本体 2 この発明における救命艇の重心より前方の支持部 3 この発明における救命艇の重心より後方の支持部 4 この発明における救命艇の重心より前部の支持部を
導く滑台 5 この発明における救命艇の重心より後部の支持部を
導く滑台 6 この発明における救命艇の重心 7 従来式の救命艇本体 8 従来式の救命艇のガイドレール 9 従来式の救命艇のガイドレールを導く滑台 10 従来式の救命艇の重心 11 従来式の救命艇にかかる重力 12 従来式の救命艇が滑台から受ける反力 13 この発明における滑台傾斜角 14 従来式の滑台傾斜角 15 この発明における救命艇の着水角 16 従来式の救命艇の着水角 17 この発明における重心より前方の支持部(車輪) 18 この発明における重心より後方の支持部(車輪) 19 他の実施形態におけるガイドレール 20 他の実施形態における滑台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−56692(JP,A) 特開 昭61−163084(JP,A) 実開 昭60−157497(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 23/02 B63B 23/28 - 23/30 B63B 23/38 B63B 23/70 B63C 9/02 B63C 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重心を挟んで前後に離れた2以上の支持部
    を側方に設けた救命艇と、これら2以上の支持部が同じ
    距離を滑降し、滑降を終えた後、これらの2以上の支持
    部が同時に自由落下を開始するように前後に離れた滑台
    とからなることを特徴とする救命艇の自由落下による脱
    出装置。
  2. 【請求項2】支持部が前後2か所、両舷で4か所に設け
    られ、重心より前方の支持部(2)は重心より後方の支
    持部(3)よりも、救命艇(1)の上方に設置され、滑
    台(4、5)は母船に4カ所設けられ、これら滑台
    (4、5)は前記支持部(2、3)の高さに合わせて上
    下2段で、互いに平行に、かつ長さを前後の支持部
    (2、3)が同じ距離を滑走するように設定されたこと
    を特徴とする請求項1記載の救命艇の自由落下による脱
    出装置。
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