JP3229606B2 - 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ - Google Patents

梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ

Info

Publication number
JP3229606B2
JP3229606B2 JP32199399A JP32199399A JP3229606B2 JP 3229606 B2 JP3229606 B2 JP 3229606B2 JP 32199399 A JP32199399 A JP 32199399A JP 32199399 A JP32199399 A JP 32199399A JP 3229606 B2 JP3229606 B2 JP 3229606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ladder
suspension mechanism
micro
actuator
shuttle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32199399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001138299A (ja
Inventor
洋 年吉
大 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP32199399A priority Critical patent/JP3229606B2/ja
Publication of JP2001138299A publication Critical patent/JP2001138299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3229606B2 publication Critical patent/JP3229606B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梯子型サスペンシ
ョン機構を用いたマイクロステップアクチュエータに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の先行技術文献と
しては、以下に記載されるようなものがあった。
【0003】(1)D.Kobayashi,H.Fu
jita,“Design,Fabrication
and Operation of a Microm
achined Tunneling Control
Unit,”Trans.IEE Japan 11
6−E(8)(1996)pp.330−344. (2)Y.Wada,M.Lutwyche,M.Is
hibashi,“Micromachine sca
nning tunneling microscop
e for nanoscale character
izationand fabrication,”P
roc.SPIE 2879(1996)pp.327
−331. (3)Y.Uenishi,K.Honma,S.Na
gaoka,“Tunable laser diod
e using a nickel micromac
hined external mirror,”El
ectron.Lett.32(13),1207−1
208(1996). (4)R.A.Conant,P.M.Hageli
n,U.Krishanmoorthy,O.Solg
aard,K.Y.Lau,R.S.Muller,
“A Raster−Scanning Full−M
otion Video Display using
Polysilicon Micromachine
d Mirrors,”The 10th Int.C
onf.onSolid State Sensors
and Actuators(Transducer
s 99),June 7−10,1999,Send
ai,Japan,pp.376−279. (5)T.Hirano,L.−S.Fan,J.Q.
Gao,W.Y.Lee,“MEMS Milliac
tuator for Hard−Disk−Driv
e Tracking Servo,”IEEE/AS
ME J.Microelectromech.Sy
s.7(2),149−155(1999). (6)S.Nakamura,K.Suzuki,M.
Ataka,H.Fujita,“An electr
ostatic micro actuator fo
r a magnetic head trackin
g system of hard disk dri
ves,”Proc.of The 9th Int.
Conf.on Solid−State Senso
rs and Actuators(Transduc
ers 97),16−19 June 1997,C
hicago,USA,p.1081−4 vol.2 (7)T.Akiyama,D.Collard,H.
Fujita,“Scratch drive act
uator with mechanicallink
s for self−assembly of th
ree dimensional MEMS,”.J.
of Microelectromechanical
Sys.6(1),(1997)p.10−17. (8)J.I.Seeger,B.E.Boser,
“Dynamics and Control of
Parallel−Plate Actuators
beyond the Electrostatic
Instability,”The 10th In
t.Conf.on Solid−State Sen
sors and Actuators (Trans
ducers99),June 7−10,1999,
Sendai,Japan,pp.474−477. (9)M.S.Rodgers,J.J.Sniego
wski,J.J.Allen,S.L.Mille
r,J.H.Smith,P.J.McWhorte
r,“Intricate Mechanism−on
−a−chip Enabled by 5−Leve
l Surface Micromachinin
g,”The 10th Int.Conf.on S
olid−State Sensors and Ac
tuators(Transducers99),Ju
ne 7−10,1999,Sendai,Japa
n,pp.990−993シリコン表面/バルクマイク
ロマシニングによるアクチュエータの最も一般的な駆動
方法は、印加電圧の静電引力を利用したものである。特
に、櫛歯型アクチュエータ構造は駆動電圧−変位の線形
領域を拡大できるため、高精度の位置決め精度が要求さ
れる用途に使われている。例えば、シリコンチップ上に
集積化したトンネル電流計測デバイス〔上記文献(1)
及び(2)〕、光学波長フィルタ〔上記文献(3)〕、
光スキャナ〔上記文献(4)〕、ハードディスク磁気ヘ
ッドのマイクロトラッキング機構〔上記文献(5)及び
(6)〕等に用いられている。
【0004】静電アクチュエータの位置決め精度を決定
する最たる要因は、使用する電圧源の安定度である。最
大出力電圧に対するノイズの比は通常10-5程度である
が、用途によってはこれでも不十分な場合がある。そこ
で、位置決め精度を改善する手段として、尺取り虫のよ
うな動作でナノメートルのステップ移動を行うスクラッ
チドライブアクチュエータ〔上記文献(7)〕の利用
や、対抗する2方向からの力のバランスをとることで制
御性を向上する手法〔上記文献(8)〕などが提案され
ている。中でも、粗動と微動のアクチュエータを直列に
して用いる方法が注目を集めている〔上記文献(5)及
び(6)〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法ではフィードバック制御により位置決めを
行う必要があり、アクチュエータをアレイ状に配置した
ときなど制御対象が多数の場合にはシステム構成が非常
に煩雑になる場合がある。
【0006】また、マイクロマシンにおいてもステップ
モータとラック・ピニオンの組み合わせによる減速機構
〔上記文献(9)〕が利用されているが、高精度位置決
め装置に用いるにはギアの遊びによるバックラッシュが
無視できない。
【0007】更に、マイクロアクチュエータの駆動機構
として静電型、圧電型、熱膨張型など多数あるが、いず
れも、印加電圧または電流のアナログ値を調整すること
で発生する変位や力を制御している。
【0008】この方式の欠点は、発生変位または力の精
度が、印加した電圧または電流の精度(SN比)に依存
することである。すなわち、高精度の出力を得るために
は、高精度の電流電圧源を使用しなければならず、コス
ト高につながる。
【0009】なお、図8に示すように、R−2R抵抗ネ
ットワークと呼ばれる最も簡単な4ビットの電圧デジタ
ル/アナログ変換器(digital to anal
ogconverter,DAC)がある。
【0010】そのR−2R抵抗ネットワークは、抵抗2
Rはそれぞれスイッチ 1 ,b 2 ,b 3 ,b 4 を介して
GNDまたは定電圧源Vinに接続されている。キルヒホ
ッフの法則を用いると、等価回路は、1/2Vin,1/
4Vin,1/8Vin,1/16Vinの4つの定電圧源の
直列接続となる。
【0011】図8から明らかなように、スイッチb1
4 はそれぞれmost significant b
it(MSB)とleast significant
bit(LSB)に対応する。
【0012】本発明は、R−2R抵抗ネットワークに代
えて、Nビットのデジタル変位(または力)を入力する
と、アナログ的な変位(または力)を発生するメカニカ
ルなデジタル/アナログ変換機構を有する梯子型サスペ
ンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ
の基本構成に関するものである。
【0013】すなわち、本発明は、R−2R抵抗ネット
ワークの電気回路を機械系に置き換えることにより、オ
ープンループでも、原理的に比較的高精度の位置出力を
得ることができる梯子型サスペンション機構を用いたマ
イクロステップアクチュエータを提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステ
ップアクチュエータにおいて、ディジタル信号が入力さ
れる駆動源と、この駆動源によって左右に駆動されるシ
ャトルと、このシャトルの変位を停止させるストッパー
と、前記シャトルの変位に基づいて動作するコンプライ
アンスが2CのバネがコンプライアンスがCのバネによ
って相互に接続される梯子型に接続した機械的ディジタ
ル−アナログ変換を行う梯子型サスペンション機構と、
このサスペンション機構の端部に位置する変位出力部を
具備することを特徴とする。
【0015】〔2〕上記〔1〕記載の梯子型サスペンシ
ョン機構を用いたマイクロステップアクチュエータにお
いて、少なくとも前記シャトルに接続される2Cのバネ
と、この2Cのバネに横向き部材を介してCのバネを有
するC−2Cサスペンションネットワークを構成するこ
とを特徴とする。
【0016】〔3〕上記〔2〕記載の梯子型サスペンシ
ョン機構を用いたマイクロステップアクチュエータにお
いて、中央に前記シャトルを配置し、その上下に対称に
前記2Cのバネを配置することを特徴とする。
【0017】〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載
の梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップ
アクチュエータにおいて、前記駆動源と、前記シャトル
と、前記ストッパーと、前記梯子型サスペンション機構
とをシリコン基板上に実装することを特徴とする。
【0018】〔5〕上記〔4〕記載の梯子型サスペンシ
ョン機構を用いたマイクロステップアクチュエータにお
いて、縦方向のズレを軽減するために、アクチュエータ
に補助サスペンションを備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】本発明の実施例を示す梯子型サスペンショ
機構を用いたマイクロステップアクチュエータについ
て説明する。
【0021】図1は本発明の実施例を示す梯子型サスペ
ンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ
の構成図、図2はその各部のサスペンションの説明図、
図3は本発明の機械的ディジタル−アナログ変換装置と
従来のR−2R抵抗ネットワークによる電気的ディジタ
ル−アナログ変換装置の相似性の説明図である。
【0022】図1において、1はシャトル、2は2Cの
バネ、3はCのバネ、4は固定側の2Cのバネ、5は横
向き部材(Lateral Beam)、6は負荷
(C′)、7はストッパーとしての壁面、8は変位出力
部、9は補助サスペンションである。なお、図1には図
示されていないが、シャトル1は櫛歯型アクチェータ
(図示なし)によってストッパーとしての壁面7に当接
するまで右又は左に駆動される。
【0023】本発明の梯子型サスペンション機構を用い
たマイクロステップアクチュエータの構成は、図1に示
すように、コンプライアンス(バネ定数の逆数)がCと
2Cの関係にあるバネを交互に梯子型に接続したもので
ある。2Cのバネ2にアクチュエータが接続されてお
り、この部位に入力された変位が1/2のべき乗の重み
付けをされてサスペンション機構を実現する。
【0024】つまり、従来技術として説明した、R−2
R抵抗ネットワークの電気回路を本発明では、機械系に
置き換える。電圧V、電流I、抵抗R、変位x、力F、
コンプライアンス(バネ定数の逆数)Cとすると、V=
RI、及びx=CFの関係から、電圧が変位に対応する
ことになる。この対応の利点は、抵抗の値と配置をその
まま機械的コンプライアンスに置き換えることができる
点にある。この点は、図3に明らかに示されている。
【0025】このD−A変換を行うと、図1に示すよう
な梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップ
アクチュエータが得られる。すなわち、図8に示した抵
抗はサスペンションに、定電圧源とスイッチの組み合わ
せが変位を制限させた並進のアクチュエータ(シャト
ル)1に置き換えられている。また、GNDにはサスペ
ンションの固定端が対応している。シャトル1の変位は
ストッパーとしての壁面7によって制限されている。各
シャトル1はディジタル−アナログ変換装置(DAC)
の入力に対応し、シャトル1が櫛歯型アクチェータに左
右に駆動されることにより、発生する変位がサスペンシ
ョンを介して横向き部材5に伝えられる。
【0026】これらの単位構造は、横方向に戻りバネ
(Cのバネ)3を介して連結されており、局所的な変位
は戻りバネ3−横向き部材5の変位として蓄積され、右
端の場所で変位出力8として観測される。電気系のDA
Cに対してマイクロ電気機械系のDACという意味で、
この機構をMEMDAC(micro electro
mechanical digital−to−ana
log converter)と呼んでいる。
【0027】また、幅w、高さh、長さLの長方形断面
をもつサスペンションの両端の回転変位を拘束し、一端
をその軸(長さ方向)に対して直交する向きに水平(幅
の方向)に変位させたときのコンプライアンスCは、C
=L3 /Ew3 hで表される。ここで、Eは材料のヤン
グ率である。この式から、幅が一定の場合、Cはサスペ
ンション長の3乗に比例するため〔図2(a)参照〕、
長さを半分にした場合〔図2(c)参照〕には、Cが8
倍になることが分かる。また、同じサスペンションを2
本並列に用いる〔図2(b)参照〕と、Cはもとの半分
になる。
【0028】一方、同じサスペンション2本を戻りバネ
状に配置する〔図2(d)参照〕と、Cは2倍となる。
この関係から、長さLのサスペンション(コンプライア
ンス4Cとする)を並列に用いること〔図2(b)参
照〕で2Cが得られる。また、長さ1/2Lのサスペン
ション(1/2C)を戻りバネ状にする〔図2(d)参
照〕とCが得られる。コンプライアンスをバネの幅を制
御して調整することも可能であるが、プロセス精度に大
いに依存するため、ここで述べたように長さと組み合わ
せを選択する方法を用いた。
【0029】図1には2Cのバネ2がシャトル1に付加
されている。これは、シャトル1のY方向の横滑り変位
を抑えるための安定用サスペンションである。この2C
のバネ2の有無に関わらず、シャトル1はストッパーと
しての壁面7に当たるまで駆動されるので、MEMDA
Cの機能には影響はない。ただし、シャトル1の駆動に
必要な力が増加する。
【0030】図4は本発明の実施例を示すシリコンマイ
クロマシニングで製作した4ビット梯子型サスペンショ
機構を用いたマイクロステップアクチュエータの斜視
図、図5は図4のマイクロステップアクチュエータの拡
大図、図6はそのマイクロステップアクチュエータの構
成図である。
【0031】この実施例では、図1に示す構造を、バネ
系をX軸およびY軸に対してともに反転対称にしてシャ
トルの並進変位が安定して得られるようにしている。
【0032】これらの図において、10はシリコン基
板、11はシャトル、12は2Cのバネ(戻りバネ)、
13はCのバネ(戻りバネ)、15は横向き部材、17
はストッパー、18は吸引駆動電極、19はボンディン
グワイヤである。
【0033】シャトル11の駆動には、吸引駆動電極1
8へ印加される印加電圧の静電引力を利用している。2
Cのバネ12の寸法は、幅6μm、長さ200μmであ
り、シャトル11の寸法は幅100μm、長さ300μ
mである。この構造は厚さ20μmの張り合わせシリコ
ン基板10を用いているため、厚みは一定である。
【0034】図5において、電圧が印加されない状態
で、シャトル11は中央に保持されている。シャトル1
1を支える2Cのバネ12と基板の間にわずかな隙間が
見えるが、これは構造をリリースする際に除去された酸
化膜の膜厚1μmに相当する。
【0035】次に、左側の吸引駆動電極18に電圧15
0Vを印加して、矢印に示すようにシャトル11を吸着
する。シャトル11とストッパー17の間の距離は、約
6μmである。右側の吸引駆動電極18に電圧を印加し
て、シャトル11を反対側に吸着することもできる。シ
ャトルの変位の大きさはストッパとシャトルの間隔で決
定され、駆動電圧の変動には影響されない。
【0036】これらのシャトル11の駆動はMEMDA
CのNビットのシャトル11すべてに独立に行われ、そ
れらの変位がC−2C梯子型サスペンションネットワー
クを使って重み付け合成されることにより、アナログ変
位の制御が達成される。
【0037】図7は本発明の梯子型サスペンション機構
を用いたマイクロステップアクチュエータの出力変位を
2進数表記の入力変位でプロットした結果を示す図であ
る。横軸はバイナリ入力(b1 ,b2 ,b3 ,b4 )、
縦軸は出力(μm)である。
【0038】マイクロステップアクチュエータの先端が
図5のX軸方向で最も負の側に移動した位置を原点にと
っている。粗動距離5.8μmに対し、微動ステップ
0.38μmが得られている。駆動には150V以上の
電圧を印加した。
【0039】このように、アクチュエータの出力変位を
デジタル/アナログ変換することにより、駆動電圧制御
に依存しない高精度位置決め装置(MEMDAC)を製
作することができる。
【0040】解像度をさらに向上するには、ビット数を
増やすか、各アクチュエータの変位を一様に縮小する方
法がある。MEMDACの出力誤差の最も大きな原因は
MSBからの寄与である。このため、実際の設計におい
ては、MSBが発生する変位誤差がLSBからの寄与よ
りも大きくなるビット数がNの最大値となる。ここで
は、変位を積分するタイプの構造について述べたが、原
理的には、力を積分する別の機構とすることも可能であ
る。
【0041】上記したサスペンション実現方法として
は、 (1)サスペンションをカンチレバーとしたり、 (2)サスペンションを両持ち梁状にして、その中央に
アクチュエータを配置しするようにしてもよい。
【0042】また、サスペンションの配置、駆動電極の
配置、アクチュエータ形状は各種の変形が考えられる。
【0043】特に、本発明においては、以下の点に工夫
をこらしている。
【0044】(1)コンプライアンスC,2Cの関係
を、サスペンションの長さの調整と、サスペンションの
組み合わせによって行っている。これにより、加工精度
に依存することなく、C,2Cの関係が保たれる。
【0045】(2)デジタル変位を精度良く発生させる
ために、アクチュエータのストッパーを配置している。
【0046】(3)製作プロセス上の誤差を低減するた
めに、シリコンのエッチングによって形状を得ている。
【0047】(4)縦方向のズレを軽減するために、ア
クチュエータに補助サスペンションを設けている。この
補助サスペンションによるデジタル/アナログ変換機能
への影響はない。
【0048】(5)バネ構造に対称性を持たせることに
より、注目している変位方向だけが安定して出力される
ようにしている。
【0049】本発明の用途として、高精度マイクロ位置
決め装置、磁気ディスクヘッドのトラック位置決め機
構、マイクロ波応用の可変容量、光学波長フィルタの可
変機構、走査型プローブ顕微鏡の位置決め機構、XYZ
ステージの位置決め機構、可変電気機械フィルタ、可変
共振器などに好適である。
【0050】また、本発明は、 (1)駆動電極をサスペンションネットワークの内側に
配置してコンパクトに構成した。 (2)駆動電極を互い違いにはめ込む形にすると、ワイ
ヤボンディングの面積を確保しつつ、全体の大きさを縮
小することができる。 (3)駆動電極の大きさは、これよりも大きくても小さ
くても良い。 (4)櫛歯型アクチュエータでも平行平板型でも良い。
また、駆動源は、吸引型または反発型でもよい。 (5)精度を上げるには、単位構造の繰り返し数を増や
すだけでよい。 (6)加工精度のばらつきを低減するために、アクチュ
エータの並列化が考えられる。 (7)全部のビットをデジタル的に制御する方法と一部
のビットをアナログ的に制御する方法がある。 (8)力を蓄積して発生する機構とすることもできる。 (9)回転型の角度変位を同様な方式で発生する機構と
することもできる。 (10)空気の粘性による制動が可能である。 (11)磁界中でサスペンションに電流を流し、ローレ
ンツ力による制動をすることも可能である。 (12)駆動電極構造を改良して、接触時の振動を押さ
えることも可能である。 (13)変位の比較器と組み合わせると、逐次比較型の
変位(または力)のアナログ/デジタル変換器としても
利用することができる。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0053】(A)R−2R抵抗ネットワークの電気回
路を機械系に置き換えることにより、オープンループで
も、原理的に比較的高精度の位置出力を得ることができ
る。
【0054】(B)高精度の電流電圧源を使用すること
なく、ディジタル信号の入力により、比較的高精度の変
位または力を出力することができる。
【0055】(C)バネ系をX軸およびY軸に対してと
もに反転対称にして配置することにより、シャトルの並
進変位が安定して得られるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す梯子型サスペンション
を用いたマイクロステップアクチュエータの構成図で
ある。
【図2】本発明の実施例を示す梯子型サスペンション
を用いたマイクロステップアクチュエータの各部のサ
スペンションの説明図である。
【図3】本発明の機械的ディジタル−アナログ変換装置
と、従来のR−2R抵抗ネットワークによる電気的ディ
ジタル−アナログ変換装置の相似性の説明図である。
【図4】本発明の実施例を示すシリコンマイクロマシニ
ングで製作した4ビット梯子型サスペンション機構を用
いたマイクロステップアクチュエータの斜視図である。
【図5】図4のマイクロステップアクチュエータの拡大
図である。
【図6】本発明の実施例を示すシリコンマイクロマシニ
ングで製作した4ビット梯子型サスペンション機構を用
いたマイクロステップアクチュエータの構成図である。
【図7】本発明の梯子型サスペンション機構を用いたマ
イクロステップアクチュエータの出力変位を2進数表記
の入力変位でプロットした結果を示す図である。
【図8】従来のR−2R抵抗ネットワークよる電気的デ
ィジタル−アナログ変換装置の構成図である。
【符号の説明】
1,11 シャトル 2,12 2Cのバネ(戻りバネ) 3,13 Cのバネ(戻りバネ) 4 固定側のバネ(コンプライアンス2C) 5,15 横向き部材(Lateral Beam) 6 負荷(コンプライアンスC′) 7,17 ストッパー(壁面) 8 変位出力部 9 補助サスペンション 10 シリコン基板 18 吸引駆動電極 19 ボンディングワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−140171(JP,A) 特開 平8−116686(JP,A) 特開 平8−219795(JP,A) 特開 平9−74773(JP,A) 特表 平9−512106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B81B 5/00 G05D 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梯子型サスペンション機構を用いたマイ
    クロステップアクチュエータにおいて、 (a)ディジタル信号が入力される駆動源と、 (b)該駆動源によって左右に駆動されるシャトルと、 (c)該シャトルの変位を停止させるストッパーと、 (d)前記シャトルの変位に基づいて動作するコンプラ
    イアンスが2CのバネがコンプライアンスがCのバネに
    よって相互に接続される梯子型に接続した機械的ディジ
    タル−アナログ変換を行う梯子型サスペンション機構
    と、 (e)該サスペンション機構の端部に位置する変位出力
    部を具備することを特徴とする梯子型サスペンション機
    構を用いたマイクロステップアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の梯子型サスペンション機
    構を用いたマイクロステップアクチュエータにおいて、
    少なくとも前記シャトルに接続される2Cのバネと、該
    2Cのバネに横向き部材を介してCのバネを有するC−
    2Cサスペンションネットワークを構成することを特徴
    とする梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステ
    ップアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の梯子型サスペンション機
    構を用いたマイクロステップアクチュエータにおいて、
    中央に前記シャトルを配置し、その上下に対称に前記2
    Cのバネを配置することを特徴とする梯子型サスペンシ
    ョン機構を用いたマイクロステップアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の梯子型サスペ
    ンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ
    において、前記駆動源と、前記シャトルと、前記ストッ
    パーと、前記梯子型サスペンション機構とをシリコン基
    板上に実装することを特徴とする梯子型サスペンション
    機構を用いたマイクロステップアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の梯子型サスペンション機
    構を用いたマイクロステップアクチュエータにおいて、
    縦方向のズレを軽減するために、アクチュエータに補助
    サスペンションを備えることを特徴とする梯子型サスペ
    ンション機構を用いたマイクロステップアクチュエー
    タ。
JP32199399A 1999-11-12 1999-11-12 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ Expired - Fee Related JP3229606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32199399A JP3229606B2 (ja) 1999-11-12 1999-11-12 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32199399A JP3229606B2 (ja) 1999-11-12 1999-11-12 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001138299A JP2001138299A (ja) 2001-05-22
JP3229606B2 true JP3229606B2 (ja) 2001-11-19

Family

ID=18138739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32199399A Expired - Fee Related JP3229606B2 (ja) 1999-11-12 1999-11-12 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3229606B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101413035B1 (ko) 2007-08-16 2014-07-02 삼성전자주식회사 고정자들의 배치를 이용한 ad 컨버터 및 ad 변환방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001138299A (ja) 2001-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7372025B2 (en) Scanning probe microscope using a surface drive actuator to position the scanning tip
JP4614398B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
Toshiyoshi et al. Linearization of electrostatically actuated surface micromachined 2-D optical scanner
EP0763881B1 (en) Magnetic micro-mover
Soeno et al. Piezoelectric piggy-back microactuator for hard disk drive
JP5313666B2 (ja) Mems装置、光制御方法及びミラー形成方法
US7690047B2 (en) Scanning probe apparatus
US6384510B1 (en) Electrostatic microactuator with offset and/or inclined comb drive fingers
JP3759598B2 (ja) アクチュエータ
Toshiyoshi et al. Microelectromechanical digital-to-analog converters of displacement for step motion actuators
Horsley et al. Microfabricated electrostatic actuators for hard disk drives
Liu et al. A millimeter-sized nanomanipulator with sub-nanometer positioning resolution and large force output
JP4194151B2 (ja) 駆動ステージ、走査型プローブ顕微鏡、加工装置
JP3229606B2 (ja) 梯子型サスペンション機構を用いたマイクロステップアクチュエータ
Kawabata et al. The 2-dimensional micro scanner integrated with PZT thin film actuator
JP2902225B2 (ja) 位置決め装置
KR100723416B1 (ko) 선형 대변위 거동이 가능한 수직 콤전극 구조
Hoen et al. A high-performance dipole surface drive for large travel and force
US20090309521A1 (en) Driver for MEMS device
JP2006167860A (ja) アクチュエータ
Toshiyoshi et al. Piezoelectrically operated actuators by quartz micromachining for optical application
JP2000009867A (ja) ステージ移動装置
Toshiyoshi et al. A digital-to-analog converter of displacement by an integrated micromechanism
JP4123133B2 (ja) アクチュエータ
KR100660185B1 (ko) 마이크로 구동기와 그 구동방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010828

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees