JP3227406B2 - 磁気研磨装置および磁気研磨方法 - Google Patents

磁気研磨装置および磁気研磨方法

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JP3227406B2
JP3227406B2 JP17071197A JP17071197A JP3227406B2 JP 3227406 B2 JP3227406 B2 JP 3227406B2 JP 17071197 A JP17071197 A JP 17071197A JP 17071197 A JP17071197 A JP 17071197A JP 3227406 B2 JP3227406 B2 JP 3227406B2
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良夫 松本
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有限会社サント工業
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性材料を含んだ
研削体としての砥石を用い、例えば円筒形または多少歪
んだ略円筒形の非磁性体パイプ内面を研削、研磨する磁
気研磨装置および磁気研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステンレス、銅、真鍮、セラ
ミック等からなる円筒形非磁性体パイプの内面を研磨す
る方法が種々提案されている。そのうちの一つとして、
例えば鉄粉等を含んだペースト状の研磨剤を非磁性体パ
イプの内面に塗付し、ペーパー等を用いて手作業で研磨
する方法があるが、この方法は多大な労力と時間とを要
するため、作業効率は非常に悪い。したがって、近年で
は、上記パイプの内面を機械的に研磨する方法が一般的
に用いられている。
【0003】ここで、機械的な研磨方法としては、例え
ば次に示すような方法がある。
【0004】先端にバフを取り付けた回転工具をパイ
プ内面に接触させて研磨する。
【0005】水や油等の液体と砥粒等の研磨剤とから
なる混合体をノズルからパイプ内面に高速で噴出させて
研磨する(液体ホーニング)。
【0006】研磨剤と共にパイプを容器中で回転また
は振動させて研磨する(バレル研磨)。
【0007】しかし、上記の方法では、パイプ奥まで
上記回転工具を挿入するためのスピンドルが長くなるの
で、パイプ奥では研磨に偏りが生じやすくなり、研磨精
度が低下する。したがって、この方法は、長尺パイプの
研磨には不向きである。また、この方法は、回転工具を
挿入する方法であるため、曲がりパイプの研磨には適し
ていない。
【0008】また、上記の方法では、砥粒および研磨
剤の粒径を大きくしてパイプ内面への衝突効果を上げる
ことにより、パイプ内面をある程度滑らかにすることは
できる。しかし、この場合、砥粒および研磨剤の粒径が
大きいため、鏡面仕上げには適していない。なお、粒径
を小さくした場合には、極端に加工能率が低下し、事実
上、鏡面仕上げは不可能である。
【0009】また、上記の方法では、パイプを密閉す
る容器の大きさには限界があるので、長尺パイプや曲が
りパイプを研磨することはできない。
【0010】そこで、最近では、例えば特開昭60−1
91759号公報および特公平4−64831号公報に
開示されている磁気研磨方法が注目を浴びている。この
方法は、図25に示すように、非磁性体パイプ51の内
部に、砥粒52と鉄球等の磁性体53とからなる研磨液
54を封入すると共に、非磁性体パイプ51の外部に磁
石55等を配設し、この磁石55から発生する磁力によ
って磁性体53を非磁性体パイプ51の内面51aに引
き付けながら非磁性体パイプ51を回転させることによ
り、上記内面51aを研磨するものである。
【0011】この方法によれば、例えば磁石55を非磁
性体パイプ51の回転軸方向に移動させながら研磨を行
うことにより、非磁性体パイプ51が長尺であってもそ
の内面51aを一様に研磨することができる。また、例
えば非磁性体パイプ51を高速回転させることにより、
偏磨や粗さを生じさせることなく高精度で内面51aを
研磨することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
磁気研磨方法では、研磨液54が磁性流体(液体)であ
るため、研削力は非常に弱い。したがって、例えば非磁
性体パイプ51の内面51aに、溶接によって継ぎ合わ
されたかなり大きな凸部(溶接ビード部とも呼ばれる)
が存在する場合、いくら非磁性体パイプ51を高速回転
させても、盛り上がった凸部を確実に取り去ることがで
きないという問題が生ずる。
【0013】また、研磨液54が磁性流体(液体)であ
るため、非磁性体パイプ51の内面51aは非常に汚れ
やすい。したがって、研磨後、非磁性体パイプ51の内
部を洗浄して、非磁性体パイプ51内部に残留する、汚
れの落ちにくい研磨液を除去するという非常に手間のか
かる作業が必要となる。その結果、作業効率が低下する
ばかりでなく、洗浄コストがかかると共に排液処理等も
必要となり、研磨に要するコストが高くなるという問題
が生ずる。
【0014】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、工具の入りにくいパイプ
内面に形成された、目に見えない、人の手が届かないビ
ードを簡単な構成で確実に除去することができると共
に、作業効率の低下および研磨におけるコスト高を回避
することのできる磁気研磨装置および磁気研磨方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る磁
気研磨装置は、上記の課題を解決するために、内部に磁
性体を含み、非磁性体パイプ内面を研削可能な固形の研
削体と、上記非磁性体パイプ内面に上記研削体を磁力で
引き付けて接触させることができるように、上記非磁性
体パイプ外面近傍に上記非磁性体パイプと非接触で、か
つ、上記非磁性体パイプ外面に沿って回転可能に設けら
れる少なくとも互いに極性の異なる一対の磁石とを備
え、上記磁石と上記非磁性体パイプとのうち少なくとも
一方を回転させて、上記研削体を上記非磁性体パイプに
対して相対的に回転させることにより、上記非磁性体パ
イプ内面を研削、研磨するようになっており、上記磁性
体は、上記一対の磁石の一方から他方へ向かう磁力線の
影響で研削体が傾くことがないように円筒形を成してい
ることを特徴としている。
【0016】上記の構成によれば、非磁性体パイプ外面
近傍に上記非磁性体パイプと非接触で、かつ、上記非磁
性体パイプ外面に沿って回転可能なように、少なくとも
1個の磁石が配される。一方、非磁性体パイプ内部に
は、固形の研削体(例えば砥石)が配されるが、この研
削体は内部に磁性体を含んでいるため、上記磁石からの
磁力によって非磁性体パイプ内面に接触して配される。
【0017】ここで、上記磁石と上記非磁性体パイプと
のうち少なくとも一方を回転させると、上記研削体が上
記非磁性体パイプに対して相対的に回転し、上記非磁性
体パイプ内面が研削、研磨される。
【0018】このように、非磁性体パイプ内面を固形の
研削体によって研磨するので、従来のように磁性流体
(液体)を用いる場合に比べ、十分な研削力を得ること
ができる。したがって、非磁性体パイプ内面に、溶接に
よって形成された凸部が存在しても、上記凸部を容易に
除去することができる。また、従来のように磁性流体
(液体)を用いないので、非磁性体パイプ内面が汚れる
ことはない。その結果、手間のかかる汚れ落としの作業
を行わなくて済み、作業効率の低下および研磨における
コスト高を回避することができる。
【0019】また、上記構成によれば、上記磁石と上記
非磁性体パイプとのうち少なくとも一方を回転させれば
よいので、上記非磁性体パイプが例えば略円筒形(断面
楕円形)のパイプや曲がりパイプであっても、当該パイ
プを回転させずに上記磁石のみ回転させることによっ
て、パイプ内面の研磨を行うことが可能となる。したが
って、上記構成によれば、直管パイプや曲がりパイプ、
円筒形や非円筒形を問わず、種々の形状の非磁性体パイ
プ内面を研削、研磨することができる。また、上記構成
によれば、上記磁性体は、円筒形を成しているので、非
磁性体パイプとの接触部における接触圧が均一となっ
て、研削体が非磁性体パイプ内面に接触することにな
る。つまり、上記磁性体が、例えば直方体形状である場
合、この直方体における最も長い対角線が上記磁力線の
影響を最も受ける。この場合、上記対角線が上記磁力線
の方向に沿うようになり、研削体が若干傾いて配置され
るようになる。その結果、上記接触部における接触圧が
不均一となり、研削体の偏磨耗あるいは目詰まりによっ
て寿命が短くなり、研削体の交換時期が早まるようにな
る。しかし、上記構成によれば、円筒形磁性体の上面の
円周上の第1の点から下面の円周上の第2の点までの最
長距離は、上記第1の点が上面の円周上のどの位置にあ
っても同一である。したがって、上記磁力線の影響で上
記研削体が傾くようなことはない。これにより、非磁性
体パイプ内面に対する研削体の接触圧は均一なものとな
るので、研削体の偏磨耗および目詰まりは生じにくく、
その結果、研削体をかなり長い寿命まで有効に使用する
ことができる。また、互いに極性の異なる磁石を少なく
とも一対備えているので、上記磁性体が上記磁石間の磁
力線にほぼ沿うように研削体が配置される。これによ
り、上記研削体がさらに確実に非磁性体パイプ内面に接
触するようになるので、非磁性体パイプ内面に存在する
上記凸部を確実に除去することができる。
【0020】請求項2の発明に係る磁気研磨装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成において、
上記研削体は、上記非磁性体パイプ内面に対する接触圧
が均一となるように配されていることを特徴としてい
る。
【0021】上記の構成によれば、研削体の非磁性体パ
イプ内面との接触部が均一に擦り減るようになるので、
研削体を寿命まで有効に使用することができる。
【0022】
【0023】
【0024】請求項の発明に係る磁気研磨装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
おいて、上記研削体は、上記非磁性体パイプ内面に存在
し、溶接によって形成される凸部と接触した際の衝撃が
緩和されるような凸部当たり面を有していることを特徴
としている。
【0025】上記の構成によれば、非磁性体パイプ内面
には、通常、溶接によって凸部(溶接ビード部)が形成
されているが、研削体はこの凸部に接触した際の衝撃が
緩和されるような凸部当たり面を有しているので、研削
体の損傷を軽減することができると共に、上記凸部が存
在する非磁性体パイプ内面の研磨も比較的容易に行うこ
とができる。
【0026】
【0027】
【0028】請求項の発明に係る磁気研磨装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1、2または3の構
成において、上記研削体の表面には、研磨後の粉塵を排
出するための溝が刻設されていることを特徴としてい
る。
【0029】上記の構成によれば、研削体の表面に刻設
された溝を介して、研磨後発生する粉塵が排出される。
したがって、粉塵によって目詰まりを起こすことなくス
ムーズに研削、研磨を行うことができる。
【0030】請求項の発明に係る磁気研磨方法は、上
記の課題を解決するために、非磁性体パイプ外面近傍に
上記非磁性体パイプと非接触で配置される少なくとも互
いに極性の異なる一対の磁石により、内部に磁性体を含
む固形の研削体を上記非磁性体パイプ内面に磁力で引き
付けて接触させ、上記磁石と上記非磁性体パイプとのう
ち少なくとも一方を回転させて、上記研削体を上記非磁
性体パイプに対して相対的に回転させることにより、上
記非磁性体パイプ内面を研削、研磨する磁気研磨方法で
あって、上記磁性体は、上記一対の磁石の一方から他方
へ向かう磁力線の影響で研削体が傾くことがないように
円筒形を成していることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、内部に磁性体を含む
固形の研削体(例えば砥石)は、非磁性体パイプ外面近
傍に上記非磁性体パイプと非接触で配置された磁石から
の磁力により、非磁性体パイプ内面に接触して配され
る。
【0032】ここで、上記磁石と上記非磁性体パイプと
のうち少なくとも一方を回転させると、上記研削体が上
記非磁性体パイプに対して相対的に回転し、上記非磁性
体パイプ内面が研削、研磨される。
【0033】このように、非磁性体パイプ内面を固形の
研削体によって研磨するので、従来のように磁性流体
(液体)を用いる場合に比べ、十分な研削力を得ること
ができる。したがって、非磁性体パイプ内面に、溶接に
よって形成された凸部が存在しても、上記凸部を容易に
除去することができる。また、従来のように磁性流体
(液体)を用いないので、非磁性体パイプ内面が汚れる
ことはない。その結果、手間のかかる汚れ落としの作業
を行わなくて済み、作業効率の低下および研磨における
コスト高を回避することができる。
【0034】また、上記構成によれば、上記磁石と上記
非磁性体パイプとのうち少なくとも一方を回転させれば
よいので、上記非磁性体パイプが例えば略円筒形(断面
楕円形)のパイプや曲がりパイプであっても、当該パイ
プを回転させずに上記磁石のみ回転させることによっ
て、パイプ内面の研磨を行うことが可能となる。したが
って、上記構成によれば、直管パイプや曲がりパイプ、
円筒形や非円筒形を問わず、種々の形状の非磁性体パイ
プ内面を研削、研磨することができる。また、上記構成
によれば、上記磁性体が円筒形であるので、非磁性体パ
イプとの接触部における接触圧が均一となって、研削体
が非磁性体パイプ内面に接触することになる。つまり、
上記磁性体が、例えば直方体形状である場合、この直方
体における最も長い対角線が上記磁力線の影響を最も受
ける。この場合、上記対角線が上記磁力線の方向に沿う
ようになり、研削体が若干傾いて配置されるようにな
る。その結果、上記接触部における接触圧が不均一とな
り、研削体の偏磨耗あるいは目詰まりによって寿命が短
くなり、研削体の交換時期が早まるようになる。しか
し、上記構成によれば、円筒形磁性体の上面の円周上の
第1の点から下面の円周上の第2の点までの最長距離
は、上記第1の点が上面の円周上のどの位置にあっても
同一である。したがって、上記磁力線の影響で上記研削
体が傾くようなことはない。これにより、非磁性体パイ
プ内面に対する研削体の接触圧は均一なものとなるの
で、研削体の偏磨耗および目詰まりは生じにくく、その
結果、研削体をかなり長い寿命まで有効に使用すること
ができる。請求項6の発明に係る磁気研磨方法は、上記
の課題を解決するために、請求項5の構成において、上
記研削体を、上記非磁性体パイプ内面に対する接触圧が
均一となるように配することを特徴としている。上記の
構成によれば、研削体の非磁性体パイプ内面との接触部
が均一に擦り減るようになるので、研削体を寿命まで有
効に使用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図24に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、本実施形態では、非磁性体パイプとして、回
転可能な直管の円筒形パイプ9を用いた場合について説
明する。
【0036】本実施形態における磁気研磨装置は、図2
に示すように、加工テーブル1を備えている。この加工
テーブル1上には、一方向に沿って設けられたボールネ
ジ2と螺合するナット(図示せず)を備え、加工テーブ
ルスライド用モータ3によって駆動される駆動装置4が
設けられている。なお、説明の便宜上、上記方向を以下
ではPQ方向と称することにする。加工テーブルスライ
ド用モータ3によって駆動装置4を駆動させ、上記ナッ
トを回転させることにより、加工テーブル1はPQ方向
に延設された一対の加工テーブル移動用ガイド5・5上
をP方向またはQ方向に移動するようになっている。
【0037】ボールネジ2の両端は、各支持体6に固定
されている。また、ボールネジ2が撓まないようにする
ために、例えば丸棒からなるガイド7・7が、ボールネ
ジ2と所定間隔をおいて、その両端が各支持体6に固定
されて設けられている。なお、ガイド7の本数は特に制
限されるものではなく、必要に応じて適宜設定されれば
よい。
【0038】上記磁気研磨装置は、チャック支持体8a
・8bを備えている。このチャック支持体8a・8b
は、セラミック等の非磁性体からなる円筒形のパイプ9
を外側から締め付けるチャック10a・10bをそれぞ
れ有している。チャック10aは、チャック支持体8a
に備えられているチャック回転用モータ11aにより回
転可能になっている。一方、チャック10bは、チャッ
ク支持体8bに備えられているチャック回転用モータ1
1bにより回転可能になっている。したがって、チャッ
ク回転用モータ11aまたはチャック回転用モータ11
bによって、チャック10aまたはチャック10bを回
転させることにより、パイプ9を同図中AまたはB方向
に回転させることができるようになっている。
【0039】上記チャック支持体8aは、チャック支持
体スライドテーブル12a内部にPQ方向に設けられた
ボールネジ13と螺合するナット(図示せず)を備えて
いる。したがって、チャック支持体スライド用モータ1
4の回転によってボールネジ13を回転させることによ
り、上記ナットと共にチャック支持体8aがチャック支
持体スライドテーブル12a上をP方向またはQ方向に
移動するようになっている。なお、チャック支持体8b
も上記と同様の原理により、チャック支持体スライドテ
ーブル12b上をP方向またはQ方向に移動するように
なっている。
【0040】図2の要部拡大図である図3に示すよう
に、加工テーブル1上にはさらに、オシレーションテー
ブル15、エアシリンダ16、および複数のパイプガイ
ド17…が設けられている。
【0041】オシレーションテーブル15上には、ベア
リング保持板18とモータ載置台19とが設けられてい
る。ベアリング保持板18は、パイプ9を挿通させるた
めの孔を略中央部に有し、後述する磁石31・32(図
1参照)が固定されたベアリング20を保持するための
ものである。モータ載置台19には、ベアリング回転駆
動用モータ21が載置されるようになっている。そし
て、モータ載置台19に取り付けられたハンドル22を
回すことによって、ベアリング回転駆動用モータ21を
載置面に沿って移動させ、ベアリング20とベアリング
回転駆動用モータ21の軸21a(図1参照)とによっ
て張架されているフラットベルト23の張り具合い(テ
ンション)を調節することができるようになっている。
【0042】エアシリンダ16は、オシレーションテー
ブル15をP方向およびQ方向に短時間で往復運動さ
せ、磁石31・32をパイプ9の軸方向(PQ方向)に
揺動させる、オシレーションを行うためのものであり、
連結棒24によってオシレーションテーブル15と連結
されている。
【0043】パイプガイド17…は、パイプ9が挿通す
るのに十分な径を有する孔17a…をその略中央部に有
しており、ベアリング保持板18の孔にパイプ9を確実
に挿通させると共に、パイプ9が撓まないようにパイプ
9を支持するようになっている。
【0044】一方、図1は、図3におけるX−X線矢視
断面図である。同図に示すように、ベアリング20の内
面には、互いに極性の異なる一対の永久磁石が二組設け
られている。すなわち、N極の磁石31およびS極の磁
石32が二組設けられている。なお、これらの磁石31
・32は、パイプ9とは非接触で設けられている。
【0045】パイプ9の内部には、砥石33・33(研
削体)が設けられている。この砥石33は、図4(a)
ないし(d)に示すように、例えば厚さ2mm、幅5m
m、長さ15mmの永久磁石34(磁性体)を、厚さ2
mm、幅6mm、長さ15mmのダイヤモンド砥石35
・35で挟持した構造となっている。このような砥石3
3・33をパイプ9内部に入れると、図1に示すよう
に、永久磁石34におけるS極がN極の磁石31に引き
寄せられると共に、永久磁石34におけるN極がS極の
磁石32に引き寄せられ、パイプ9の内面側のダイヤモ
ンド砥石35が接触部35a・35aにてパイプ9内面
に接触するように砥石33・33が配置される。
【0046】つまり、本実施形態における磁石31・3
2は、回転可能なパイプ9内面に砥石33・33を磁力
で引き付けて接触させることができるように、パイプ9
外面近傍に上記パイプ9と非接触で、かつ、上記パイプ
9外面に沿って回転可能に設けられている。
【0047】次に、上記した磁気研磨装置の動作につい
て説明する。
【0048】まず、図2に示すように、パイプ9のP方
向端部をチャック10aに固定し、チャック回転用モー
タ11aによって、チャック10aを例えば図1に示す
A方向に回転させる。そして、加工テーブル1が例えば
2.5mm/sの送り速度でP方向に移動するように、
加工テーブルスライド用モータ3によって駆動装置4を
駆動させる。
【0049】一方、ベアリング回転駆動用モータ21を
回転させてフラットベルト23を回転させ、ベアリング
20を例えばパイプ9の回転方向とは相対的に逆方向の
B方向に回転させる。すると、砥石33はその内部に永
久磁石34を含んでいることによって磁石31・32に
引き付けられているので、ベアリング20に固定された
磁石31・32がB方向に回転するのに伴い、砥石33
・33がパイプ9内面との接触を保ったまま、上記磁石
31・32の回転方向と同方向、すなわちB方向に回転
する。その結果、ダイヤモンド砥石35は、その接触部
35a・35aにて、パイプ9のQ方向端部側からパイ
プ9内面を研磨することになる。
【0050】パイプ9内面の研磨がある程度パイプ9の
P方向端部付近まで進むと、ここで装置を一旦止める。
そして、パイプ9のQ方向端部をチャック10bに固定
すると共に、パイプ9のP方向端部をチャック10aか
ら開放する。このとき、チャック10a側のチャック支
持体スライド用モータ14を駆動させてボールネジ13
を回転させ、チャック支持体8aをP方向に移動させ
る。続いて、チャック回転用モータ11bによってチャ
ック10bをA方向に回転させてパイプ9を再び同方向
に回転させると共に、加工テーブル1を同じく2.5m
m/sの送り速度でP方向に移動させる。これにより、
パイプ9のP方向端部内面までを確実に研磨することが
できるようになる。
【0051】パイプ9のP方向端部内面の研磨が終了す
ると、今度は、加工テーブル1が例えば2.5mm/s
の送り速度で先程とは逆方向のQ方向に移動するよう
に、加工テーブルスライド用モータ3によって駆動装置
4を駆動させ、上記と同様にしてパイプ9内面の研磨を
Q方向に向かって繰り返し行う。そして、パイプ9内面
の研磨がある程度パイプ9のQ方向端部付近まで進む
と、上記と同様にして、パイプ9の固定をチャック10
bから再度チャック10aに切り替えた後、パイプ9を
再び回転させ、パイプ9のQ方向端部内面を研磨する。
以降、パイプ9内面において所望の面粗度が得られるま
で、P方向、Q方向と交互に研磨を繰り返す。
【0052】上記の構成によれば、パイプ9内面を固形
の砥石33・33によって研削、研磨するので、従来の
ように液体である磁性流体を用いる場合に比べ、十分な
研削力を得ることができる。したがって、たとえパイプ
9内面に溶接によって形成される凸部(ビード)が存在
していても、上記ビードを容易に除去することができ
る。また、従来のように磁性流体を用いないので、パイ
プ9内面が汚れることはない。その結果、手間のかかる
汚れ落としの作業を行わなくて済み、作業効率の低下を
回避することができる。また、洗浄コストがかからず、
排液処理等も不要であるので、研磨に要するコストを従
来よりも低減させることができる。
【0053】なお、本磁気研磨装置は、加工テーブル1
を所定の送り速度で移動させつつ、エアシリンダ16に
よってオシレーションテーブル15をPQ方向にオシレ
ーションさせながらパイプ9内面を研磨することが可能
である。このオシレーションを利用すると、任意の研磨
部分において、一方向とその逆方向との両方向から研磨
が行われるので、研磨面に偏りが生じることがなく、凹
凸のほとんどない均一な研磨面が得られる。また、これ
に加え、所望の面粗度も比較的短時間で得られる。した
がって、パイプ9内面における研削精度および研削効率
を向上させることができる。
【0054】なお、本実施形態では、パイプ9をA方向
に回転させる一方、ベアリング20および磁石31・3
2をB方向に回転させている。つまり、パイプ9の回転
方向とは相対的に逆方向になるよう、磁石31・32を
回転させている。しかし、パイプ9の回転方向と同方向
に磁石31・32を回転させるようにしても構わない。
この場合でも、パイプ9内面を確実に研磨することがで
きるのは勿論のことである。
【0055】また、本実施形態では、パイプ9内面の研
磨を行うのに際し、磁石31・32とパイプ9とをとも
に回転させている。しかし、磁石31・32のみ、ある
いは、パイプ9のみを回転させても、十分にパイプ9内
面を研磨することができる。つまり、磁石31・32と
パイプ9とのうち少なくとも一方を回転させることによ
って、砥石33をパイプ9に対して相対的に回転させる
ようにすればよい。
【0056】したがって、非磁性体パイプとして、例え
ば曲がりパイプや、断面が多少楕円形をなす非円筒形パ
イプを用いた場合は、そのようなパイプを回転させずに
固定しておき、磁石31・32のみを回転させることに
よって、パイプ内面の研磨を行うことができる。つま
り、本発明によれば、直管パイプや曲がりパイプ、円筒
形や非円筒形の種を問わず、様々な形状の非磁性体パイ
プの内面を研磨することができる。
【0057】なお、研磨過程において、ダイヤモンド砥
石35が磨耗により擦り減ってきた場合、砥石33の表
裏を反転させ、磨耗したダイヤモンド砥石35とは反対
側のダイヤモンド砥石35で新たに研磨を行えばよい。
【0058】また、砥石33・33のパイプ9内面への
接触圧ならびに研削量の調整は、磁石31・32におけ
る磁力を調整することにより行うことができる。
【0059】なお、本実施形態では、砥石33として、
永久磁石34をダイヤモンド砥石35・35で挟持した
ものを用いているが、これに限ることはない。
【0060】例えば図5(a)ないし(d)に示すよう
に、鉄(Fe)やコバルト(Co)等からなる強磁性体
36を研削砥石37・37で挟持し、研削砥石37・3
7同士をエポキシ樹脂等からなる接着剤38・38で接
着して砥石39を構成してもよい。このような砥石39
は、例えば厚さ3mm、幅20mm、長さ15mmの強
磁性体36、厚さ6mm、幅20mm、長さ20mmの
研削砥石37、厚さ3mm、幅20mm、長さ5mmの
接着剤38を用いて構成することができる。
【0061】この場合、強磁性体36は、略直方体形状
になっているため、この直方体における最も長い対角線
が、図1における磁石31から磁石32へ向かう磁力線
の影響を最も受ける。したがって、図6に示すように、
強磁性体36における上記対角線が磁石31から磁石3
2へ向かう磁力線にほぼ沿うように、かつ、パイプ9の
内面側の研削砥石37が接触部37a・37aにてパイ
プ9に接触して、砥石39が配置されることになる。
【0062】また、例えば図7(a)ないし(d)に示
すように、砥石39で用いた強磁性体36を、砥石33
で用いたダイヤモンド砥石35・35で挟持して砥石4
0を構成してもよい。このような砥石40は、例えば厚
さ2mm、幅15mm、長さ15mmの強磁性体36お
よびダイヤモンド砥石35を用いて構成することができ
る。
【0063】また、例えば図8(a)ないし(d)に示
すように、円筒形の強磁性体丸棒41を直方体状の研削
砥石42内部に埋め込んで砥石43を構成してもよい。
先の砥石39の場合は、直方体状の強磁性体36におけ
る最も長い対角線が磁石31から磁石32へ向かう磁力
線にほぼ沿うようになるため、砥石39が若干傾いてパ
イプ9内面に接触しやすい。この場合、接触部37a・
37aにおける接触圧が不均一となり、その結果、研削
砥石37の擦り減り方にむらが生じ、研削砥石37の交
換時期が早まるようになる。
【0064】しかし、強磁性体丸棒41を用いた砥石4
3の場合、強磁性体丸棒41の上面の円周上の第1の点
Mから下面の円周上の第2の点Nまでの最長距離は、上
記点Mが上面の円周上のどの位置にあっても同一であ
る。したがって、磁石31から磁石32へ向かう磁力線
の影響で砥石43が傾くようなことはない。これによ
り、パイプ9内面に対する研削砥石42の接触圧は均一
なものとなる。したがって、研削砥石42は接触部42
a・42aにて均一に擦り減るようになるので、砥石4
3を寿命まで有効に使用することができる。なお、この
ような砥石43は、例えばφ4.1mm、長さ20mm
の強磁性体丸棒41、厚さ15mm、幅20mm、長さ
20mmの研削砥石42を用いて構成することができ
る。
【0065】また、図9(a)ないし(d)に示すよう
に、研削砥石42の表面に複数の溝44…を刻設して砥
石43′を構成してもよい。このような溝44…を刻設
することにより、研磨によって発生する粉塵が溝44…
から排出されるので、粉塵によって砥石43′が目詰ま
りを起こすようなことがない。したがって、パイプ9内
面の研磨をスムーズに行うことができると共に、均一な
研磨面を得ることができるようになる。
【0066】また、このような溝44…を研削砥石42
の両面に刻設すれば、研削砥石42の片面において、磨
耗によって溝44…が消滅してしまっても、研削砥石4
2の表裏を反転させて他方の面をパイプ9内面側に配置
することにより、再びパイプ9内面の研磨をスムーズに
行うことができるようになる。なお、各溝44は、例え
ば幅1.5〜2.0mm、間隔3.0〜3.5mm、深
さ2.5〜3.0mmで、研削砥石42の縁に対して4
5°程度傾けて刻設される。
【0067】なお、砥石43・43′の形状は、上記の
直方体状に限定されることはない。例えば図10(a)
ないし(d)に示すように、強磁性体丸棒45を六角柱
状の研削砥石46内部に埋め込んで、六角柱状の砥石4
7を構成してもよい。この場合でも砥石43を用いた場
合と同様の効果を得ることができる。なお、このような
砥石47は、例えばφ4.0mm、長さ20mmの強磁
性体丸棒45、厚さ15mm、幅20mm、長さ20m
mの直方体の四隅の三角柱を切り落とした研削砥石46
を用いて構成することができる。
【0068】なお、砥石47におけるパイプ9内面との
接触部46a・46aは角張って形成されているので、
パイプ9にビードが存在する場合、ビードに衝突した際
に接触部46a・46aが受ける衝撃は大きいものとな
る。
【0069】そこで、図11(a)ないし(d)に示す
ように、接触部46a・46aの角部を切り落とし、パ
イプ9内面に存在するビードと接触した際の衝撃が緩和
されるようなビード当たり面46b・46b(凸部当た
り面)を有する砥石47′を構成してもよい。これによ
り、砥石47′の損傷を軽減することができると共に、
ビードが存在するパイプ9内面の研磨も比較的容易に行
うことができる。
【0070】また、図12(a)ないし(d)に示すよ
うに、研削砥石46の表面に複数の溝48…を刻設した
砥石49を構成してもよい。このような溝48…を刻設
することにより、研磨後発生する粉塵(切りくず)が溝
48…を介して排出されるので、さらにパイプ9内面の
研磨をスムーズに行うことができるようになる。なお、
各溝48は、例えば幅1.5〜2.0mm、間隔3.0
〜3.5mm、深さ2.5〜3.0mmで、強磁性体丸
棒45の軸に対して60°傾けて刻設される。
【0071】なお、上記のように砥石の表面に、研磨後
発生する粉塵を排出するための溝を刻設する構成は、図
4、5、7および10で示した砥石33・39・40・
47にも適用可能である。
【0072】ここで、上記した各砥石33・39・40
・43・47・47′の試作の一覧を表1に示す。な
お、表1はあくまでも試作した砥石の一例を示すもので
あり、勿論、これらの砥石に限定するわけではない。
【0073】
【表1】
【0074】なお、表1中の「PA」は、溶融法にて生
成されるピンク色の酸化アルミニウムを指している。
「SPH」は、上記とは異なる製法により生成される酸
化アルミニウムを指している。「WA」は、比較的不純
物の少ない白色の酸化アルミニウムを指しており、
「C」は、炭化ケイ素を指している。
【0075】また、結合度は、砥粒間の結合の度合いを
示すもので、アルファベットのA〜Zを用いて相対的に
評価される。つまり、「A」に近づくほど結合度は低
く、「Z」に近づくほど結合度は高いことを示してい
る。換言すれば、「A」に近づくほど研削砥石は軟らか
く、「Z」に近づくにほど研削砥石は硬いことを示して
いる。一方、結合剤において、「特殊レジノイド」は、
レジノイド結合剤に酸化クロムを添加したものであり、
「PVA」は、ポリビニルアルコールである。
【0076】次に、パイプ9内面に存在するビードを
除去する、研削によるパイプ9内面の深い痕跡を除去
する、パイプ9内面を鏡面に仕上げる、の各工程にお
ける最適条件(研削砥石の粒度、砥石の回転数、加工テ
ーブル1の送り速度、オシレーションの有無等)を調べ
るため、各種条件を変化させて様々な実験を行った。以
下に、これらの実験について説明する。なお、以下の実
験では、長さ1mのパイプ9における研磨範囲を80m
mとした。この場合、加工テーブル1は、その送り速度
が例えば2.5mm/sである場合、1時間に約56往
復することになる。
【0077】まず、上記の工程における最適条件を調
べるため、パイプ9としてビードの存在する既製品のS
US304のステンレスパイプと、目の粗い砥石43と
を用い、各種の条件を変化させて実施例1〜5に示すご
とく、パイプ9内面の研磨を行った。なお、これらの実
験は、上記のビードを除去してパイプ9内面の凹凸を平
均化すると共に、次工程での負担を少なくするため、表
面粗さを小さくすることを目的としている。
【0078】〔実施例1〕本実施例では、砥石43の回
転数を1200rpm、加工テーブル1の送り速度を
2.5mm/s、オシレーションを有りとし、時間経過
に伴うパイプ9内面の面粗度の変化を、砥粒の大きさの
異なる2種の砥石43を用いて調べた。その結果を表2
に示す。また、表2での数値を基に、経過時間と面粗度
との関係をグラフ化したものを図13に示す。
【0079】
【表2】
【0080】表2中、Raは、計測した面粗度の平均値
を示している。また、Ryは、パイプ9内面の凹凸の差
を示し、数値が大きいとそれだけ凹凸が激しい、または
パイプ9内面に深い痕跡がある、ということになる。ま
た、表2では、2種の砥石43をそれぞれ♯80、♯1
50という番手で表している。番手とは、単位面積あた
りの目の細かさ、つまり、粒度を表すものであり、数値
が小さいほど目が粗く、逆に数値が大きいほど目が細か
いことを示している。
【0081】表2および図13より、♯80、♯150
ともに、時間経過に伴って、RaおよびRyが確実に小
さくなっている。したがって、従来の装置では完全には
とりきれなかったビード、および研削による深い痕跡が
確実に除去されていることがわかる。また、♯80と♯
150とでは、目の粗い♯80のほうが表面の粗仕上げ
には適していることがわかる。
【0082】〔実施例2〕本実施例では、砥石43の回
転数を変化させて、時間経過に伴う研削量Δの変化を調
べた。その結果を表3に示す。また、表3での数値を基
に、上記両者の関係をグラフ化したものを図14に示
す。なお、加工テーブル1の送り速度を2.5mm/s
とし、オシレーションを有りとした。また、砥石43
は、♯80および♯150のものを用いた。
【0083】
【表3】
【0084】表3より、砥石43の回転数が多いほど、
研削量Δは多いことがわかる。また、同じ回転数で比較
すると、♯80と♯150とでは、目の粗い♯80のほ
うが研削量Δは多く、表面の粗仕上げに適していること
がわかる。また、図14より、研削量Δの時間経過に伴
う変化は♯80、♯150ともにあまり見られず、時間
経過にかかわらず、研削量Δはほぼ一定であることがわ
かる。
【0085】〔実施例3〕本実施例では、♯80の砥石
43を用い、砥石43の回転数を変化させて、時間経過
に伴う面粗度の変化を調べた。その結果を表4に示す。
また、表4での数値を基に、上記両者の関係をグラフ化
したものを図15に示す。なお、パイプ9の送り速度を
2.5mm/sとし、オシレーションを有りとした。
【0086】
【表4】
【0087】表4および図15より、砥石43の回転数
が多いほど、RaおよびRyが確実に小さくなってお
り、回転数が多いほうが、表面の粗仕上げに適している
ことがわかる。
【0088】〔実施例4〕本実施例では、♯80の砥石
43を用い、加工テーブル1の送り速度を変化させたと
きのそれぞれにおける、時間経過に伴う面粗度の変化を
調べた。その結果を表5に示す。また、表5での数値を
基に、上記両者の関係をグラフ化したものを図16に示
す。なお、砥石43の回転数を1200rpmとし、オ
シレーションを有りとした。
【0089】
【表5】
【0090】表5および図16より、加工テーブル1の
送り速度が2.5mm/s、0.3mm/sの各場合と
もに、RaおよびRyは小さくなっている。特に、長時
間にわたる研削には、加工テーブル1の送り速度は、往
復回数の多くなる2.5mm/sのほうが0.3mm/
sよりも適していることがわかる。
【0091】〔実施例5〕本実施例では、♯80の砥石
43を用い、オシレーションの有無において、時間経過
に伴う面粗度の変化を調べた。その結果を表6に示す。
また、表6での数値を基に、上記両者の関係をグラフ化
したものを図17に示す。なお、砥石43の回転数を1
200rpmとし、加工テーブル1の送り速度を2.5
mm/sとした。
【0092】
【表6】
【0093】表6および図17より、オシレーション有
りのほうが、オシレーション無しよりも、面粗度は確実
に小さくなっている。したがって、表面の粗仕上げに
は、オシレーションを行うほうがよいことがわかる。
【0094】次に、上記の工程における最適条件を調
べるため、実施例6〜8に示すごとく、パイプ9内面の
研磨を行った。なお、実施例6〜8では、粒度が♯60
0の砥石43を用いた。
【0095】〔実施例6〕本実施例では、砥石43の回
転数を変化させて、時間経過に伴う面粗度の変化を調べ
た。その結果を表7に示す。また、表7での数値を基
に、上記両者の関係をグラフ化したものを図18に示
す。なお、パイプ9の送り速度を2.5mm/sとし、
オシレーションを無しとした。
【0096】
【表7】
【0097】表7および図18より、Raは、砥石43
の回転数が1000rpmのときが一番小さいが、Ry
は、回転数が1000rpmよりも700rpmおよび
300rpmのほうが小さい。ここで、本実験の目的
は、研削によって生じたパイプ9内面の深い痕跡を除去
することにあるので、Ryを特に重視する必要がある。
したがって、回転数は、Ryの小さい700rpmおよ
び300rpmが適していると言える。また、この両者
において、回転数が300rpmよりも700rpmの
ほうが、Raがさらに小さくなっているので、結果とし
て、700rpmの回転数が一番適していると言える。
【0098】〔実施例7〕本実施例では、加工テーブル
1の送り速度を変化させたときのそれぞれにおける、時
間経過に伴う面粗度の変化を調べた。その結果を表8に
示す。また、表8での数値を基に、上記両者の関係をグ
ラフ化したものを図19に示す。なお、砥石43の回転
数を700rpmとし、オシレーションを無しとした。
【0099】
【表8】
【0100】表8および図19より、加工テーブル1の
送り速度が2.5mm/s、0.3mm/sの各場合と
もに、RaおよびRyは小さくなっている。特に、送り
速度が2.5mm/sの場合のほうが、RaとRyとが
バランスよく減少しており、深い痕跡を除去するのに適
していることがわかる。
【0101】〔実施例8〕本実施例では、加工テーブル
1の送り速度の変化に加えて、オシレーション有りと無
しとで、時間経過に伴う面粗度の変化を調べた。その結
果を表9に示す。また、表9での数値を基に、上記両者
の関係をグラフ化したものを図20に示す。なお、砥石
43の回転数を700rpmとした。
【0102】
【表9】
【0103】表9および図20より、最終的なRaおよ
びRyは、オシレーション無しのほうがオシレーション
有りよりも小さくなっている。したがって、深い痕跡を
除去するには、オシレーションを行わないほうがよいこ
とがわかる。
【0104】次に、上記の工程における最適条件を調
べるため、実施例9および10に示すごとく、パイプ9
内面の研磨を行った。なお、実施例9および10では、
粒度が♯3000の砥石43を用いた。また、オシレー
ションについては、上記の実施例6〜8の結果から、♯
600の砥石43が仕上げには適していないことがわか
ったので、実施例9および10ではオシレーション無し
とした。
【0105】〔実施例9〕本実施例では、砥石43の回
転数を変化させて、時間経過に伴う面粗度の変化を調べ
た。その結果を表10に示す。また、表10での数値を
基に、上記両者の関係をグラフ化したものを図21に示
す。なお、パイプ9の送り速度は0.3mm/sとし
た。
【0106】
【表10】
【0107】表10および図21より、RaおよびRy
ともに、回転数が100rpmの場合が一番小さい。し
たがって、回転数が100rpmの場合が鏡面仕上げに
は適しており、その次に評価できるのは、回転数が50
rpmの場合である。回転数が200rpmの場合は、
RaおよびRyが逆に増加しており、この回転数は鏡面
仕上げには適していないことがわかる。
【0108】〔実施例10〕本実施例では、加工テーブ
ル1の送り速度を変化させたときのそれぞれにおける、
時間経過に伴う面粗度の変化を調べた。その結果を表1
1に示す。また、表11での数値を基に、上記両者の関
係をグラフ化したものを図22に示す。なお、砥石43
の回転数を100rpmとした。
【0109】
【表11】
【0110】表11および図22より、RaおよびRy
ともに、加工テーブル1の送り速度が0.3mm/sの
場合が一番小さい。したがって、鏡面仕上げには、加工
テーブル1の送り速度が2.5mm/sよりも0.3m
m/sのほうが適していることがわかる。
【0111】以上、実施例1〜10の結果を考慮し、そ
れぞれの工程ごとに最適条件を設定し、パイプ9内面を
研磨することにより、RaおよびRyの小さい高品質な
パイプ9を得ることができる。
【0112】なお、本実施形態では、ベアリング20内
には一対の磁石31・32が二組設けられているが、図
23に示すように、ベアリング20内に一対の磁石31
・32を一組だけ配置すると共に、パイプ9内面に1個
の砥石33を接触させる構成としても構わない。この場
合、所望の面粗度を得るには、本実施形態よりも多少時
間がかかり、研削効率が低下することになるが、固形の
砥石33を用いていることには変わりない。その結果、
このような構成であっても、パイプ9内面のビードを確
実に除去することができると共に、パイプ9内面の汚れ
落とし作業を行わなくて済む分、作業効率を向上させる
ことができる。
【0113】また、図24に示すように、1個の磁石
(例えば磁石31)だけをベアリング20内に配置する
構成としても構わない。このような構成において、例え
ば砥石39を適用した場合、上記磁石31からの磁力に
より、内部に強磁性体36を含む砥石39が引き付けら
れ、研削砥石37がパイプ9内面に接触するようにな
る。
【0114】なお、本実施形態の磁石31・32は永久
磁石で構成しているが、例えば電磁石で構成することも
勿論可能である。
【0115】
【発明の効果】請求項1の発明に係る磁気研磨装置は、
以上のように、内部に磁性体を含み、非磁性体パイプ内
面を研削可能な固形の研削体と、上記非磁性体パイプ内
面に上記研削体を磁力で引き付けて接触させることがで
きるように、上記非磁性体パイプ外面近傍に上記非磁性
体パイプと非接触で、かつ、上記非磁性体パイプ外面に
沿って回転可能に設けられる少なくとも互いに極性の異
なる一対の磁石とを備え、上記磁石と上記非磁性体パイ
プとのうち少なくとも一方を回転させて、上記研削体を
上記非磁性体パイプに対して相対的に回転させることに
より、上記非磁性体パイプ内面を研削、研磨するように
なっており、上記磁性体は、上記一対の磁石の一方から
他方へ向かう磁力線の影響で研削体が傾くことがないよ
うに円筒形を成している構成である。
【0116】それゆえ、非磁性体パイプ内面を固形の研
削体によって研削、研磨するので、従来のように液体の
磁性流体を用いる場合に比べ、十分な研削力を得ること
ができる。したがって、非磁性体パイプ内面に、溶接に
よって形成される凸部(溶接ビード部)が存在しても、
上記凸部を容易に除去することができるという効果を奏
する。また、従来のように磁性流体を用いないので、非
磁性体パイプ内面が汚れることはない。その結果、手間
のかかる汚れ落としの作業を行わなくて済み、作業効率
の低下および研磨におけるコスト高を確実に回避するこ
とができるという効果を奏する。また、上記構成によれ
ば、直管パイプや曲がりパイプ、円筒形や非円筒形を問
わず、種々の形状の非磁性体パイプ内面を研削、研磨す
ることができるという効果を併せて奏する。また、上記
磁性体が円筒形であるので、磁石間の磁力線の影響で研
削体が傾くようなことはない。これにより、非磁性体パ
イプ内面に対する研削体の接触圧は均一なものとなるの
で、研削体の偏磨耗および目詰まりは生じにくい。その
結果、研削体をかなり長い寿命まで有効に使用すること
ができるという効果を併せて奏する。
【0117】請求項2の発明に係る磁気研磨装置は、以
上のように、請求項1の構成において、上記研削体は、
上記非磁性体パイプ内面に対する接触圧が均一となるよ
うに配されている構成である。
【0118】それゆえ、研削体の非磁性体パイプ内面と
の接触部が均一に擦り減るようになるので、研削体を寿
命まで有効に使用することができるという効果を奏す
る。
【0119】
【0120】
【0121】請求項の発明に係る磁気研磨装置は、以
上のように、請求項1または2の構成において、上記研
削体は、上記非磁性体パイプ内面に存在し、溶接によっ
て形成される凸部と接触した際の衝撃が緩和されるよう
な凸部当たり面を有している構成である。
【0122】それゆえ、研削体は上記凸部に接触した際
の衝撃が緩和されるような凸部当たり面を有しているの
で、請求項1または2の構成による効果に加えて、研削
体の損傷を軽減することができると共に、上記凸部が存
在する非磁性体パイプ内面の研磨も比較的容易に行うこ
とができるという効果を奏する。
【0123】請求項の発明に係る磁気研磨装置は、以
上のように、請求項1、2または3の構成において、上
記砥石研削体の表面には、研磨後の粉塵を排出するため
の溝が刻設されている構成である。
【0124】それゆえ、研削体の表面に刻設された溝を
介して、研磨後発生する粉塵が排出されるので、粉塵に
よって目詰まりを起こすことなくスムーズに研削、研磨
を行うことができるという効果を奏する。
【0125】請求項の発明に係る磁気研磨方法は、以
上のように、非磁性体パイプ外面近傍に上記非磁性体パ
イプと非接触で配置される少なくとも互いに極性の異な
る一対の磁石により、内部に磁性体を含む固形の研削体
を上記非磁性体パイプ内面に磁力で引き付けて接触さ
せ、上記磁石と上記非磁性体パイプとのうち少なくとも
一方を回転させて、上記研削体を上記非磁性体パイプに
対して相対的に回転させることにより、上記非磁性体パ
イプ内面を研削、研磨する磁気研磨方法であって、上記
磁性体は、上記一対の磁石の一方から他方へ向かう磁力
線の影響で研削体が傾くことがないように円筒形を成し
ている構成である。
【0126】それゆえ、非磁性体パイプ内面を固形の研
削体によって研削、研磨するので、従来のように液体の
磁性流体を用いる場合に比べ、十分な研削力を得ること
ができる。したがって、非磁性体パイプ内面に、溶接に
よって形成される凸部(溶接ビード部)が存在しても、
上記凸部を容易に除去することができるという効果を奏
する。また、従来のように磁性流体を用いないので、非
磁性体パイプ内面が汚れることはない。その結果、手間
のかかる汚れ落としの作業を行わなくて済み、作業効率
の低下および研磨におけるコスト高を確実に回避するこ
とができるという効果を奏する。また、上記構成によれ
ば、直管パイプや曲がりパイプ、円筒形や非円筒形を問
わず、種々の形状の非磁性体パイプ内面を研削、研磨す
ることができるという効果を併せて奏する。また、上記
磁性体が円筒形であるので、磁石間の磁力線の影響で研
削体が傾くようなことはない。これにより、非磁性体パ
イプ内面に対する研削体の接触圧は均一なものとなるの
で、研削体の偏磨耗および目詰まりは生じにくい。その
結果、研削体をかなり長い寿命まで有効に使用すること
ができるという効果を併せて奏する。請求項6の発明に
係る磁気研磨方法は、以上のように、請求項5の構成に
おいて、上記研削体を、上記非磁性体パイプ内面に対す
る接触圧が均一となるように配することを特徴としてい
る。それゆえ、研削体の非磁性体パイプ内面との接触部
が均一に擦り減るようになるので、研削体を寿命まで有
効に使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気研磨装置の主要部の構成を示
す断面図である。
【図2】上記磁気研磨装置の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図3】上記磁気研磨装置の主要部を拡大した斜視図で
ある。
【図4】上記磁気研磨装置に用いられる砥石の一構成例
を示すものであり、(a)は、上記砥石の斜視図であ
り、(b)は、上記砥石の平面図であり、(c)は、上
記砥石の正面図であり、(d)は、上記砥石の側面図で
ある。
【図5】上記磁気研磨装置に用いられる砥石の他の構成
例を示すものであり、(a)は、上記砥石の斜視図であ
り、(b)は、上記砥石の平面図であり、(c)は、上
記砥石の正面図であり、(d)は、上記砥石の側面図で
ある。
【図6】上記砥石を用いた磁気研磨装置の主要部の構成
を示す断面図である。
【図7】上記磁気研磨装置に用いられる砥石のさらに他
の構成例を示すものであり、(a)は、上記砥石の斜視
図であり、(b)は、上記砥石の平面図であり、(c)
は、上記砥石の側面図であり、(d)は、上記砥石の正
面図である。
【図8】上記磁気研磨装置に用いられ、強磁性体丸棒を
有する砥石の構成例を示すものであり、(a)は、上記
砥石の斜視図であり、(b)は、上記砥石の平面図であ
り、(c)は、上記砥石の側面図であり、(d)は、上
記砥石の正面図である。
【図9】研磨後の粉塵を排出するための溝を表面に有す
る上記砥石の構成例を示すものであり、(a)は、上記
砥石の斜視図であり、(b)は、上記砥石の平面図であ
り、(c)は、上記砥石の側面図であり、(d)は、上
記砥石の正面図である。
【図10】多角柱形状の砥石の構成例を示すものであ
り、(a)は、上記砥石の斜視図であり、(b)は、上
記砥石の平面図であり、(c)は、上記砥石の側面図で
あり、(d)は、上記砥石の正面図である。
【図11】凸部当たり面を有する上記砥石の構成例を示
すものであり、(a)は、上記砥石の斜視図であり、
(b)は、上記砥石の平面図であり、(c)は、上記砥
石の側面図であり、(d)は、上記砥石の正面図であ
る。
【図12】研磨後の粉塵を排出するための溝を表面に有
する上記砥石の構成例を示すものであり、(a)は、上
記砥石の斜視図であり、(b)は、上記砥石の平面図で
あり、(c)は、上記砥石の側面図であり、(d)は、
上記砥石の正面図である。
【図13】粒度の異なる2種の砥石を用いてパイプ内面
を研磨したときの、時間経過に伴う面粗度の変化を示す
グラフである。
【図14】上記2種の砥石を用い、上記砥石の回転数を
変化させてパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴
う研削量の変化を示すグラフである。
【図15】1種類の砥石を用い、上記砥石の回転数を変
化させてパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴う
面粗度の変化を示すグラフである。
【図16】上記砥石を用い、加工テーブルの送り速度を
変化させてパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴
う面粗度の変化を示すグラフである。
【図17】上記砥石を用い、オシレーション有りと無し
とでパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴う面粗
度の変化を示すグラフである。
【図18】上記砥石よりも粒度の細かい砥石を用い、上
記砥石の回転数を変化させてパイプ内面を研磨したとき
の、時間経過に伴う面粗度の変化を示すグラフである。
【図19】上記砥石を用い、加工テーブルの送り速度を
変化させてパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴
う面粗度の変化を示すグラフである。
【図20】上記砥石を用い、オシレーション有りと無し
とでパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴う面粗
度の変化を示すグラフである。
【図21】上記砥石よりもさらに粒度の細かい砥石を用
い、上記砥石の回転数を変化させてパイプ内面を研磨し
たときの、時間経過に伴う面粗度の変化を示すグラフで
ある。
【図22】上記砥石を用い、加工テーブルの送り速度を
変化させてパイプ内面を研磨したときの、時間経過に伴
う面粗度の変化を示すグラフである。
【図23】ベアリング内に一対の磁石を一組だけ配置す
ると共に、パイプ内面に1個の砥石を接触させるように
した磁気研磨装置の主要部の構成を示す断面図である。
【図24】ベアリング内に1個の磁石のみを配置するよ
うにした磁気研磨装置の主要部の構成を示す断面図であ
る。
【図25】従来の磁気研磨装置の概略の構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
9 パイプ(非磁性体パイプ) 31 磁石 32 磁石 33 砥石(研削体) 34 永久磁石(磁性体) 41 強磁性体丸棒(円筒形磁性体) 44 溝 46b ビード当たり面(凸部当たり面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−372347(JP,A) 特開 平7−40211(JP,A) 特開 昭63−221962(JP,A) 特開 平7−227747(JP,A) 特開 平6−63854(JP,A) 特開 平10−100060(JP,A) 実開 昭62−113952(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 31/112 B24B 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に磁性体を含み、非磁性体パイプ内面
    を研削可能な固形の研削体と、 上記非磁性体パイプ内面に上記研削体を磁力で引き付け
    て接触させることができるように、上記非磁性体パイプ
    外面近傍に上記非磁性体パイプと非接触で、かつ、上記
    非磁性体パイプ外面に沿って回転可能に設けられる少な
    くとも互いに極性の異なる一対の磁石とを備え、 上記磁石と上記非磁性体パイプとのうち少なくとも一方
    を回転させて、上記研削体を上記非磁性体パイプに対し
    て相対的に回転させることにより、上記非磁性体パイプ
    内面を研削、研磨するようになっており、 上記磁性体は、上記一対の磁石の一方から他方へ向かう
    磁力線の影響で研削体が傾くことがないように円筒形を
    成していることを特徴とする磁気研磨装置。
  2. 【請求項2】上記研削体は、上記非磁性体パイプ内面に
    対する接触圧が均一となるように配されていることを特
    徴とする請求項1に記載の磁気研磨装置。
  3. 【請求項3】上記研削体は、上記非磁性体パイプ内面に
    存在し、溶接によって形成される凸部と接触した際の衝
    撃が緩和されるような凸部当たり面を有していることを
    特徴とする請求項1または2に記載の磁気研磨装置。
  4. 【請求項4】上記研削体の表面には、研磨後の粉塵を排
    出するための溝が刻設されていることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の磁気研磨装置。
  5. 【請求項5】非磁性体パイプ外面近傍に上記非磁性体パ
    イプと非接触で配置される少なくとも互いに極性の異な
    る一対の磁石により、内部に磁性体を含む固形の研削体
    を上記非磁性体パイプ内面に磁力で引き付けて接触さ
    せ、上記磁石と上記非磁性体パイプとのうち少なくとも
    一方を回転させて、上記研削体を上記非磁性体パイプに
    対して相対的に回転させることにより、上記非磁性体パ
    イプ内面を研削、研磨する磁気研磨方法であって、 上記磁性体は、上記一対の磁石の一方から他方へ向かう
    磁力線の影響で研削体が傾くことがないように円筒形を
    成していることを特徴とする磁気研磨方法。
  6. 【請求項6】上記研削体を、上記非磁性体パイプ内面に
    対する接触圧が均一となるように配することを特徴とす
    る請求項5に記載の磁気研磨方法。
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