JP3222713B2 - 原子力発電所の換気空調設備 - Google Patents

原子力発電所の換気空調設備

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JP3222713B2
JP3222713B2 JP00705395A JP705395A JP3222713B2 JP 3222713 B2 JP3222713 B2 JP 3222713B2 JP 00705395 A JP00705395 A JP 00705395A JP 705395 A JP705395 A JP 705395A JP 3222713 B2 JP3222713 B2 JP 3222713B2
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blower
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所内の各建
屋を所定の環境を維持すべく換気及び空調を行う換気空
調設備に係わり、特に、送風機又は排風機の一部が停止
した場合に配慮した構成を有する原子力発電所の換気空
調設備に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所の換気空調設備は、発電所
の定格出力運転中においては原子力発電所の発電運転及
び安全を維持するための運転が行われ、また定期検査時
においては作業員の環境維持等を行うための運転が必要
であり、発電所の運転状態に拘わらず年間を通して運転
される設備である。この換気空調設備に関する公知技術
として、例えば以下のものがある。
【0003】特開昭53−82199号公報 この公知技術は、換気空調設備のうち動的設備である送
風機及び排風機と、静的設備である排気処理装置及びフ
ィルタとをそれぞれ多台数設けるとともに、そのうちそ
れぞれ1台ずつの送風機・排風機・排気処理装置・フィ
ルタ(以下適宜、送風機等という)を予備機とすること
で、設備全体に必要な風量を常時確保するための万全を
期すものである。
【0004】すなわち、通常運転時(発電所の定格出力
時)には、1台の予備機以外のすべての台数の送風機等
を運転して必要な容量を原子炉建屋内に供給する。一
方、換気空調設備の点検時には、通常時に稼働している
多数台の送風機等のうち、1台の送風機等を停止して予
備機を起動させる。これにより、停止した送風機等の点
検を実施することができる。またこのとき、他の送風機
等の運転はそのまま継続しているので、設備全体として
必要な性能を維持することができる。また例えば、いず
れかの送風機1台が故障により停止した場合、送風機制
御装置でこのことを検知し、自動または手動で予備機で
ある1台の送風機を起動して運転させる。また例えばい
ずれかの排風機1台が故障により停止した場合、排風機
制御装置でこのことを検知し、自動または手動で予備機
である1台の排風機を起動して運転させる。これによ
り、故障停止時においても設備全体として必要な性能を
維持することができる。
【0005】特開平4−148137号公報 この公知技術は、換気空調設備の送風機及び排風機を予
備機なしで多台数設け、例えばいずれか1台の送風機が
停止した場合には、このことを稼動状態検出設定器でこ
のことを検出し、これに対応する系統(例えば2台)の
排風機を停止させるとともに、風量調整弁・可変抵抗弁
等の開度を調整するものである。これにより、送風機又
は排風機の一部が停止した時において、風量を減少させ
つつも建屋内の負圧を所定値に維持できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には、以下の課題が存在する。すなわち、換気空
調設備は原子力発電所の建屋内に布設されるが、送風機
・排風機・排気処理装置の機器寸法及び接続されるダク
ト寸法が大きいので、送風機等の台数が多いほどこれら
を設置する部屋内における機器配置の制約が大きくなっ
て機器配置性が悪くなる。公知技術においては、本来
必要な台数に加え予備機が加わるので、送風機等を設け
る部屋内の機器配置性が悪化して部屋容積の大型化を招
き、建屋設計により大きな制約を与える。また、保守点
検時に確認・交換する部品量が多くなると共にそれに伴
う保守点検作業量も多くなり、すなわち機器保守性が悪
化する。
【0007】また、公知技術においては、予備機を設
けないことから上記の課題は生じないが、送風機・排風
機の一部が停止した時に、負圧は維持されるものの風量
が減少するので、通常時における設備全体として必要と
される性能を一部停止時においてもそのまま維持するこ
とができない。
【0008】さらに、一般に、建屋内の負圧維持のため
に、排風機の排出出力は送風機の吸込出力よりも大きく
設定される場合が多く、1台の風量−圧力特性が送風機
と排風機とで異なっている。すなわち、全台数が稼動し
ている通常運転時には、全台数の排風機による排気風量
と全台数の送風機による供給風量とが等しく、かつ、全
台数の排風機による排出圧力が全台数の送風機による吸
込圧力より大きい状態で運転されている。ここで、例え
ば1台の送風機が停止したのに合わせて、対応する(例
えば1台の)排風機を停止させた場合を考えると、上記
のように1台の風量−圧力特性が送風機と排風機とで異
なることから、残りの送風機全体による風量及び圧力
と、残りの排風機全体による風量及び圧力とが微妙にず
れてアンバランスを生じることになる。公知技術にお
いては、可変抵抗弁の弁開度を調整することでこのとき
の圧力のアンバランスを是正し、停止前の通常時におけ
る圧力バランスをそのまま維持するように構成されてい
るが、風量のバランスをとることに関しては特に配慮さ
れていない。また前述したように、停止時には風量が減
少してしまうが、このとき建屋内のすべての部屋につい
て一律に同じ割合で風量が減少する構成となっており、
特に風量維持が厳格に要求されない他の部屋からの風量
を風量維持が厳格に要求される部屋にまわして風量減少
を防止する等、各部屋に要求される作業環境等に応じて
選択的に必要風量を供給する点に配慮されていない。
【0009】本発明の第1の目的は、予備機を省略する
ことにより機器配置性・機器保守性を向上できる原子力
発電所の換気空調設備を提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、送風機・排風機の
一部が停止した時においても、通常時に設備全体として
必要とされる性能を維持することができる原子力発電所
の換気空調設備を提供することである。
【0011】本発明の第3の目的は、送風機・排風機の
一部が停止した時において、送風機全体と排風機全体と
の風量バランスをとることができる原子力発電所の換気
空調設備を提供することである。
【0012】本発明の第4の目的は、送風機・排風機の
一部が停止した時において、建屋内の各部屋に要求され
る作業環境等に応じて、選択的に必要風量を供給するこ
とができる原子力発電所の換気空調設備を提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明によれば、原子力発電所の建
屋に備えられた複数の部屋にそれぞれ外気を圧送する複
数台の送風機と、前記複数の部屋からそれぞれ排気空気
を排出する複数台の排風機と、前記複数台の送風機及び
排風機のそれぞれの停止状態を検知する停止検知手段と
を有し、前記複数の部屋のそれぞれの換気・空調を行う
原子力発電所の換気空調設備において、通常時には、各
送風機の供給風量及び各排風機の排気風量を、換気空調
設備全体で要求される最大風量を各送風機の台数及び各
排風機の台数で除した通常風量とし、前記停止検知手段
で前記複数台の送風機及び排風機のうち一部の停止状態
が検知されたときには、停止していない残りの各送風機
の供給風量及び停止していない残りの各排風機の排気風
量のうち少なくとも一方を前記通常風量と異なる大きさ
の風量に変更する風量変更手段をさらに有し、かつ、前
記複数台の送風機及び排風機のうち少なくとも一方は、
各台の設計定格風量が前記通常風量よりも大きくなるよ
うに構成されており、前記風量変更手段は、各送風機の
供給風量及び各排風機の排気風量のうち少なくとも一方
を前記通常風量から前記設計定格風量に変更する手段で
あることを特徴とする原子力発電所の換気空調設備が提
供される。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明によれば、前記原子力発電所の建屋に備え
られた複数の部屋にそれぞれ外気を圧送する複数台の送
風機と、前記複数の部屋からそれぞれ排気空気を排出す
る複数台の排風機と、前記複数台の送風機及び排風機の
それぞれの停止状態を検知する停止検知手段と、前記停
止検知手段で送風機の停止状態が検知されたときには対
応する台数の排風機の運転を連動して停止させ、前記停
止検知手段で排風機の停止状態が検知されたときには対
応する台数の送風機の運転を連動して停止させる連動停
止手段とを有し、前記複数の部屋のそれぞれの換気・空
調を行う原子力発電所の換気空調設備において、各送風
機の供給風量を微調整可能な供給風量微調整手段と、各
排風機の排気風量を微調整可能な排気風量微調整手段
と、前記停止検知手段で前記複数台の送風機及び排風機
のうち一部の停止状態が検知され前記連動停止手段で対
応する台数の排風機及び送風機が停止されたときには、
停止していない残りの全送風機の供給風量と停止してい
ない残りの全排風機の排気風量とが一致するように、前
記供給風量微調整手段及び前記排気風量微調整手段のう
ち少なくとも一方を動作させる風量バランス調整手段
と、を有することを特徴とする原子力発電所の換気空調
設備が提供される。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】また上記第1及び第4の目的を達成するた
めに、本発明によれば、原子力発電所の建屋に備えられ
た複数の部屋にそれぞれ外気を圧送する複数台の送風機
と、前記複数の部屋からそれぞれ排気空気を排出する複
数台の排風機と、前記複数台の送風機及び排風機のそれ
ぞれの停止状態を検知する停止検知手段と、前記停止検
知手段で送風機の停止状態が検知されたときには対応す
る台数の排風機の運転を連動して停止させ、前記停止検
知手段で排風機の停止状態が検知されたときには対応す
る台数の送風機の運転を連動して停止させる連動停止手
段とを有し、前記複数の部屋のそれぞれの換気・空調を
行う原子力発電所の換気空調設備において、前記複数台
の送風機による全供給風量を前記建屋内の各部屋に分配
して導く複数の分配供給ダクト内にそれぞれ設置され、
各部屋への供給風量を調整可能な複数の分配供給ダクト
風量調整弁と、前記停止検知手段で前記複数台の送風機
及び排風機のうち一部の停止状態が検知され前記連動停
止手段で対応する台数の排風機及び送風機が停止された
ときには、停止していない残りの全送風機の供給風量を
前記建屋内の少なくとも1つの特定の部屋に優先して分
配するように、前記複数の分配供給ダクト風量調整弁の
それぞれの開度を個別に調整する優先供給手段と、を有
することを特徴とする原子力発電所の換気空調設備が提
供される。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【作用】以上のように構成された本発明においては、複
数台の送風機及び排風機のうち少なくとも一方の各台の
設計定格風量が通常風量(=換気空調設備全体で要求さ
れる最大風量/送風機の台数)より大きく設定されてい
る。例えば、まず、送風機の設計定格風量が通常風量よ
りも大きく設定されている場合を考える。通常時には各
送風機及び各排風機は通常風量で運転されており、すな
わち、通常風量×送風機の台数=換気空調設備全体で要
求される最大風量、となって装置全体として必要とされ
る性能を満たしている。ここで、いずれかの送風機1台
が故障により停止したときには、停止検知手段でこのこ
とが検知される。そしてこのとき、換気空調設備全体と
してみると送風機が1台減少することから、各送風機の
風量が通常風量のままでは換気空調設備全体として必要
な性能を維持することができなくなるが、風量変更手段
で、停止していない残りの各送風機の供給風量を通常風
量より大きい設計定格風量に変更することにより、この
送風機1台分の減少分をカバーし、設計定格風量×1台
減少した送風機の台数=換気空調設備全体で要求される
最大風量、とすることができる。また例えば、排風機の
設計定格風量が通常風量よりも大きく設定されている場
合、上記同様、いずれかの排風機の停止状態が停止検知
手段で検知され、風量変更手段で停止していない残りの
各排風機の排気風量を設計定格風量に変更し、設計定格
風量×1台減少した排風機の台数=換気空調設備全体で
要求される最大風量、として減少分をカバーする。な
お、送風機及び排風機ともに設計定格風量が通常風量よ
りも大きく設定されている場合には、上記のそれぞれの
作用が実施されるが、例えば、送風機の設計定格風量の
みが通常風量よりも大きく設定され排風機については設
計定格風量=通常風量として設定されている場合に、排
風機の運転が停止したときにはその分そのまま排風機全
体による排気風量が減少し、送風機による供給風量に比
し相対的に小さくなる。すなわち、供給風量>排気風量
である押込吸気の換気方式が実施されることとなる。こ
れとは逆に、排風機の設計定格風量のみが通常風量より
も大きく設定され、送風機については設計定格風量=通
常風量として設定されている場合は、排気風量>供給風
量である吸込吸気の換気方式が実施されることとなる。
以上のように、送風機・排風機の一部が停止した時にお
いても、通常時に換気空調設備全体として必要とされる
性能を維持することができる
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】さらに本発明においては、通常時には各送
風機及び各排風機は通常風量で運転されており、すなわ
ち、通常風量×送風機の台数=換気空調設備全体で要求
される最大風量、となって装置全体として必要とされる
性能を満たしている。ここで、いずれかの送風機1台が
故障により停止したとき、若しくは定期検査のために停
止されたときには、停止検知手段でこのことが検知さ
れ、連動停止手段で対応する台数(例えば1台)の排風
機の運転が連動して停止される。これにより、引き続き
運転が継続される送風機の台数と排風機の台数との台数
アンバランスによる供給風量と排気風量との風量アンバ
ランスの発生を可能な限り低下させつつ、速やかに換気
空調設備の運転継続を実施することができる。そしてこ
のとき、建屋内の負圧維持のために排風機の排出出力が
送風機の吸込出力よりも大きく設定され、通常運転時に
全排風機の排気風量=全送風機の供給風量かつ全排風機
の排出圧力>全送風機の吸込圧力となる状態で運転され
る場合であっても、風量バランス調整手段で供給風量微
調整手段又は排気風量微調整手段が動作し、停止してい
ない残りの全送風機の供給風量と停止していない残りの
全排風機の排気風量とが一致するように微調整される。
これにより、送風機・排風機の一部が停止した時におい
ても、従来のように微妙な風量アンバランスを生じるこ
となく、送風機全体と排風機全体との風量バランスをと
ることができる。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】さらに本発明においては、例えば1台の送
風機が停止されたときには停止した台数の分全送風機に
よる全供給風量が減少するものの、優先供給手段で複数
の分配供給ダクト風量調整弁のそれぞれの開度を個別に
調整することにより、この若干減少した全供給風量を建
屋内の少なくとも1つの特定の部屋に優先して分配する
ので、従来のように建屋内のすべての部屋について一律
に同じ割合で風量が減少することなく、各部屋に要求さ
れる作業環境等に応じて(例えば、換気空調設備管理者
が予め指定した部屋の換気要求風量を満足するように)
選択的に必要風量を供給し部屋内環境を維持することが
できる。すなわち例えば、特に風量維持が厳格に要求さ
れない他の部屋からの風量を、風量維持が厳格に要求さ
れる特定の部屋にまわし、この特定の部屋の風量減少を
防止する等が可能になる。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図25により
説明する。本発明の第1の実施例を図1〜図8により説
明する。本実施例による換気空調設備100の系統概要
を示す概念図を図1に示す。図1において、換気空調設
備100は、原子力発電所の定格出力運転中においては
発電運転及び安全を維持するための運転が、原子力発電
所の定期検査時においては作業員の環境維持等を行うた
めの運転が必要とされ、発電所の運転状態に拘わらず年
間を通して運転される。すなわち、給気処理装置1内に
取り込まれた外気は、給気処理装置1内のフィルタ2に
より塵等の不純物をろ過され、図示しない加熱手段で加
熱されるか若しくは冷却コイル3により温度調整が行わ
れた後に、3台の送風機4a,4b,4cにより供給ダク
ト5を介し原子力発電所の建屋6内の各部屋6a,6b,
6cに供給される。各部屋6a,6b,6cへ供給された
空気は、各部屋の除熱あるいは希釈を行った後に、排気
ダクト7により3台の排気処理装置8a,8b,8cに導
かれ、排気処理装置8a,8b,8c内のフィルタ11
a,11b,11cにより塵等の不純物をろ過された後に
3台の排風機9a,9b,9cにより押し出され、排気ダ
クト7を介して排気筒10より屋外へ放出される。
【0087】供給ダクト5の送風機4a〜cの上流側に
はそれぞれ供給風量調整ダンパ15a〜cが設けられて
おり、これらの開度は供給風量調整ダンパ制御装置25
によって調整される。また、排気ダクト7の排気処理装
置8a〜cの上流側にはそれぞれ排気風量調整ダンパ1
9a〜cが設けられており、これらの開度は排気風量調
整ダンパ制御装置27によって調整される。また、供給
ダクト5の送風機4a〜cの下流側にはそれぞれ開閉ダ
ンパ16a〜cが設けられ、送風機制御装置22(後
述)で送風機4a〜cの停止状態が検知されたとき、運
転制御装置30(後述)の制御信号で制御される開閉ダ
ンパ制御装置33でそれぞれ閉止されて供給ダクト5を
遮断するように構成されている。また排気ダクト7の排
風機9a〜cの下流側にはそれぞれ開閉ダンパ20a〜
cが設けられ、排風機制御装置24(後述)で排風機9
a〜cの停止状態が検知されたとき、運転制御装置30
(後述)の制御信号で制御される開閉ダンパ制御装置3
4でそれぞれ閉止されて排気ダクト7を遮断するように
構成されている。さらに、供給ダクト5のうち、全送風
機4a〜cによる全供給風量を建屋6内の各部屋6a〜
cに分配して導く分配供給ダクト5Aa,5Ab,5Ac
の換気供給口近傍には、各部屋6a〜cへの供給風量を
調整するための分配供給ダクト風量調整ダンパ17a〜
cが設けられている。また排気ダクト7のうち、建屋6
内各部屋6a〜cからの排気風量を集合させて全排風機
9a〜cに導く分配排気ダクト7Aa,7Ab,7Acの
換気排出口近傍には、各部屋6a〜cからの排気風量を
調整する分配排気ダクト風量調整ダンパ18a〜cが設
けられている。そして、図示しない風量調整手段が分配
供給ダクト風量調整ダンパ17a〜c及び分配排気ダク
ト風量調整ダンパ18a〜cの開度を調整することによ
り、各部屋の要求を満足する風量が分配されるよう構成
されている。各送風機4a,b,cは、回転数が固定され
ており、それぞれが送風機制御装置22によってオン・
オフ制御されている。また各排風機9a,b,cも、回転
数が固定されており、それぞれが排風機制御装置24に
よってオン・オフ制御されている。これら送風機4a,
b,c及び排風機9a,b,cは、3台を並列接続し連合
運転が行われる構成となっている。また送風機制御装置
22及び排風機制御装置24は、それぞれ送風機4a〜
c及び排風機9a〜cが停止状態であることを検知する
停止検知手段としても機能し、停止状態であるかどうか
を示す検知信号を運転制御装置30に出力する。
【0088】送風機4a〜c及び排風機9〜cの特性に
ついて、以下に詳細に説明する。送風機4a〜c及び排
風機9〜cの風量−圧力特性曲線を図2に示す。図2に
おいて、送風機4a〜cと排風機9a〜cの特性は互い
に同一であり、特性曲線は共通である。すなわち送風機
4(又は排風機9)1台の運転時では曲線101c、送
風機4(又は排風機9)2台の運転時では曲線101
b、送風機4(又は排風機9)3台の運転時では曲線1
01aとなる。これらの特性曲線101a〜cと、供給
ダクト5(または排気ダクト7)等の流動抵抗による抵
抗曲線102との交点が、送風機4(または排風機9)
の各運転台数における運転点となる。すなわち、3台運
転時は運転点103a(供給風量Q1)で換気空調設備
が運転され、1台停止の2台運転時には運転点103b
(供給風量Q2)で運転される。また1台運転時には運
転点103cで運転される。
【0089】ここにおいて、一般に、原子力発電所の換
気空調設備の系統必要能力は、環境の維持のために各部
屋に必要な風量の合計により定められる。この各部屋の
必要風量は、部屋内の発熱・放熱に対して室内温度を
所定条件に維持するための風量と、原子力発電所特有
の放射能物質汚染の可能性のある各部屋内空気を所定の
濃度レベルまで希釈させるための風量とのうち、いずれ
か大きい方がその部屋の必要風量となる。そしてにつ
いては、発電所の定格出力運転時においては運転に必要
な多くの原子炉補機設備等からの発熱があるので大きい
値となるのに対し、例えば定期検査時には各補機が停止
し発熱が低減するので小さい値となる。一方は発電所
の運転条件にかかわらず不変であるが、その値は発電所
の定格出力運転時におけるよりも小さい。したがっ
て、各部屋における必要最大風量は、発電所の定格出力
運転時のとなる。送風機4a〜cは、この必要最大風
量である発電所定格出力運転時のの風量を100パー
セントとしたとき、それぞれの設計定格風量fi0=50
パーセントとなるように構成されており、同様に排風機
9a〜cは、それぞれの設計定格風量fe0=50パーセ
ントとなるように構成されている。
【0090】図1に戻り、供給風量調整ダンパ制御装置
25、排気風量調整ダンパ制御装置27、送風機制御装
置22、及び排風機制御装置24は、それぞれ運転制御
装置30によって動作が制御される。この運転制御装置
30の機能を、以下詳細に説明する。
【0091】運転制御装置30に備えられた運転シーケ
ンスの一例を図3により説明する。通常運転時(すなわ
ち送風機4a〜c及び排風機9a〜cがすべて運転して
いる発電所定格出力時)において、運転制御装置30
は、各部屋6a〜cにおける必要最大風量を100パー
セントとしたときに各送風機4a〜cの風量が約33パ
ーセントとなるように供給風量調整ダンパ制御装置25
を制御し、これに応じて供給風量調整ダンパ制御装置2
5が送風機4a〜c上流側の供給風量調整ダンパ15a
〜cの開度を調整している。前述したように各送風機4
a〜cの設計定格風量fi0=50パーセントであるの
で、これはすなわち各送風機の風量を抑制していること
となる。また各排風機9a〜cの風量も、同様に約33
パーセントとなるように排気風量調整ダンパ制御装置2
7を介し排気風量調整ダンパ19a〜cの開度が調整さ
れている。これにより、33パーセント×3≒100パ
ーセントとなって、発電所の定格出力運転時において
も、必要風量を建屋6内に供給するとともに換気空気を
屋外に放出可能な風量が確保されている。
【0092】そしてこのような状態から、例えば、送風
機4aが故障等により停止しこの停止状態が送風機制御
装置22で検知された場合は、図3に示すように、運転
制御装置30は、開閉ダンパ制御装置33に閉止制御信
号を出力して開閉ダンパ16aを閉止させ、また供給風
量調整ダンパ制御装置25に開度増加制御信号を送信し
て送風機4b,4c上流側の供給風量調整ダンパ15b,
15cの開度を増加させ、送風機4b,4cによる供給
風量を前述した設計定格風量fi0(=50パーセント)
に変更する。これにより、送風機4aが停止しても、停
止していない送風機4b,4cの2台で50パーセント
×2=100パーセントとなる。なお、運転制御装置3
0に備えられれた図3の論理回路中のAND論理素子7
0は、その制御手段を電気的に行うか機械的に行うかに
あわせて市販の素子を選択して用いれば良い。
【0093】上記は、送風機4b,4cが運転状態で送
風機4aが停止した場合の風量変更に係わる運転シーケ
ンスを例にとって説明したが、送風機4a,4cが運転
状態で送風機4bが停止した場合や、送風機4a,4b
が運転状態で送風機4cが停止した場合についても、特
に図示はしないが、上記と同様に、開閉ダンパ16a〜
cの閉止制御信号及び供給風量調整ダンパ15a〜cの
開度増加制御信号が送信され送風機4a〜cの供給風量
を設計定格風量fi0に変更する運転シーケンスが、運転
制御装置30内に備えられている。また、排風機9a〜
cのうち1台の停止状態が排風機制御装置24で検知さ
れたことに応じ、上記同様に、3台の排風機9a〜cの
うち停止しているものの下流側の開閉ダンパ20a〜c
の閉止制御信号と3台の排風機9a〜cのうち停止して
いないものの上流側の排気風量調整ダンパ19a〜cの
開度増加制御信号とが送信され、排風機9a〜cの排気
風量を設計定格風量fe0(=50パーセント)に変更す
る運転シーケンスが、運転制御装置30内に備えられて
いる。
【0094】以上のような運転シーケンスにより、最終
的に、図4に示すような運転の組み合わせが実現される
ことになる。すなわち、通常運転時には、3台の送風機
4a〜cがそれぞれ風量33パーセントで運転されると
ともに3台の排風機9a〜cがそれぞれ風量33パーセ
ントで運転されている。そして、1台の送風機が故障等
により停止した場合には残り2台の送風機がそれぞれ風
量50パーセントで運転され、1台の排風機が故障等に
より停止した場合には同様に残り2台の排風機がそれぞ
れ風量50パーセントで運転される。なお、図4には排
風機9a〜cとともに運転される排気処理装置8a〜c
も併せて示してある。
【0095】次に、本実施例の作用効果を説明する。本
実施例の比較例として、従来技術による換気空調設備1
50を図5により説明する。換気空調設備150の系統
概要を示す概念図を図5に示す。図1に示した本実施例
の換気空調設備と同等の部材には同一の符号を付す。図
5において、換気空調設備150が本実施例の換気空調
設備100と異なる主要な点は、それぞれの設計定格風
量fi0=33パーセントである送風機を4a〜dの4台
設けるとともに、それぞれの設計定格風量fe0=33パ
ーセントである排風機を9a〜9dの4台設けているこ
と;送風機4a〜d及び排風機9a〜dのうち1台の送
風機及び排風機を予備機とすることで、設備全体に必要
とされる風量に対し冗長性を持たせ、故障等の発生によ
る停止あるいは換気空調設備自体の定期点検に備えてい
ること;またこれに応じて排気処理装置8a〜dとフィ
ルタ11a〜dについても4台ずつ設け点検時の作業員
の被爆防護を図っていること;供給風量調整ダンパ制御
装置25及び排気風量調整ダンパ制御装置27は、運転
制御装置130からの制御信号を受信せず、独自に供給
風量調整ダンパ15a〜d及び排気風量調整ダンパ20
a〜dを調整すること;供給ダクト5及び排気ダクト7
は、開閉ダンパ制御装置33,34により制御される開
閉ダンパ16a〜cで開通・遮断されるのではなく、風
量低下時に弁の羽根に取り付けられたおもりの重量で自
動的に閉まる機構を備え、風量に依存して開閉するグラ
ビティーダンパ116a〜d及び120a〜dによって
開通・遮断されることである。
【0096】上記構成の運転制御装置130に備えられ
た、運転シーケンスの一例を図6により説明する。図6
は、第1の実施例の図3に対応する図である。通常運転
時(発電所の定格出力時)においては、1台の送風機
(例えば4d)が予備機として停止され、この予備機以
外の3台の送風機(例えば4a〜c)が運転されて必要
な風量が建屋6内の各部屋6a〜cに供給される。また
排風機に関しても同様に、通常時(発電所の定格出力
時)には1台の排風機(例えば9d)が予備機として停
止され、この予備機以外の3台の排風機(例えば9a〜
c)が運転され、必要な風量が屋外に放出されている。
【0097】そしてこのような状態から、例えば、送風
機4aが故障等により停止しこの停止状態が送風機制御
装置22で検知された場合は、まず、風量の低下に応じ
て供給ダクト5のグラビティーダンパ116aが閉止
し、その後、運転制御装置130が図6に示すように起
動制御信号を送風機制御装置22に出力して予備機とな
っている送風機4dを起動する。そしてこの風量の増加
に応じて供給ダクト5のグラビティーダンパ116dが
開通する。これにより、送風機4aが停止しても、停止
していない送風機4b,4c及び新たに起動する送風機
4dの3台で33パーセント×3≒100パーセントと
なり、発電所の定格出力運転時に各部屋の必要風量を確
保する。
【0098】上記は送風機4b,4cが運転状態、送風
機4dが予備待機状態で送風機4aが停止した場合の運
転シーケンスを例にとって説明したが、送風機4c,4
dが運転状態かつ送風機4aが予備待機状態で送風機4
bが停止した場合等についても、特に図示はしないが、
上記と同様に予備機となっている送風機4a〜dの起動
制御信号が送信される運転シーケンスが、運転制御装置
130内に備えられている。また、上記同様に、排風機
9a〜dのうち1台の停止状態が排風機制御装置24で
検知されたとき、予備機の起動制御信号が送信される運
転シーケンスが、運転制御装置30内に備えられてい
る。
【0099】以上のような運転シーケンスにより、最終
的に、図7に示すような運転の組み合わせが実現される
ことになる。すなわち、通常運転時には、4台の送風機
4a〜dのうち予備機以外のものがそれぞれ風量約33
パーセントで運転され、4台の排風機9a〜dのうち予
備機以外のものがそれぞれ風量約33パーセントで運転
される。そして、1台の送風機が故障等により停止した
場合には予備機となっていた送風機が起動して風量約3
3パーセントで運転され、1台の排風機が故障等により
停止した場合には同様に予備機となっていた排風機が起
動して風量約33パーセントで運転される。なお、図4
には排風機9a〜dとともに運転される排気処理装置8
a〜dも併せて示してある。
【0100】以上において、上記構成の従来の換気空調
設備150においては、本来必要な送風機4・排風機9
の台数(各3台)に予備機が1台加わる。しかしながら
送風機4a〜d、排風機9a〜d、及び排気処理装置8
a〜dの機器寸法や、接続させるダクト5,7の寸法が
大きいので、これらを設置する部屋内における機器配置
性が悪化して部屋容積の大型化を招き、建屋設計に大き
な制約を与える。また、保守点検時に確認・交換する部
品量が多くなると共にそれに伴う保守点検作業量もより
多くなり、機器保守性が悪化する。
【0101】これに対し、本実施例の換気空調設備10
0においては、送風機4a〜c(又は排風機9a〜c)
のうち1台が停止したときに、風量変更機能を備えた運
転制御装置30で停止していない残りの各送風機4(又
は各排風機9)の供給風量を50パーセントの設計定格
風量fi0(又はfe0)に変更することにより、この1台
の風量減少分をカバーし、設計定格風量50パーセント
×2台=換気空調設備全体で要求される最大風量の10
0パーセントを維持することができる。そしてこのと
き、従来のように予備機を設ける必要がないので、送風
機4・排風機9およびこれらに接続するダクト5,7・
排気処理装置8等の員数を低減し、原子力発電所の建屋
内配置の制約や建屋設計に与える制約の緩和を図り、機
器配置性を向上することができる。また、確認・交換部
品量の低減によって保守点検作業量を低減し機器保守性
を向上することもできる。
【0102】なお、上記実施例においては、運転制御装
置30は、送風機4(又は排風機9)のうちの1台の停
止に応じて自動的に他の2台の送風機4(又は排風機
9)の風量を設計定格風量fi0(又はfe0)に変更する
手段であったが、これに限られない。すなわち、運転制
御装置30は、送風機制御装置22(又は排風機制御装
置24)で送風機4(又は排風機9)の1台の停止が検
知されたときに、例えば原子力発電所の中央制御室内の
制御盤(図示せず)へ伝達する機能を備えた運転支援シ
ステムを介し、手動制御で送風機4(又は排風機9)の
風量を停止させるための警告・指示を換気空調設備管理
者に与え、換気空調設備管理者はこの警告・指示に応じ
て操作を行い、運転制御装置30がこの操作に応じて送
風機4(又は排風機9)の風量を変更させる構成でもよ
い。
【0103】また上記実施例においては、運転制御装置
30は、送風機4および排風機9のいずれの風量も50
パーセントの設計定格風量fi0及びfe0に変更する機能
を備えていたが、いずれか一方のみでもよい。すなわ
ち、例えば図8に示すように、排風機9a〜cのみが通
常時の約33パーセントの風量から設計定格風量fe0
50パーセントに変更され、送風機4a〜cは常に設計
定格風量fi0≒33パーセントで運転されるよう構成さ
れているいてもよい。この場合、送風機4a〜cのうち
1台が停止すると、送風機は残り2台で33×2=66
パーセント、排風機は33×3=100パーセントとな
って排風機全体による排気風量のほうが大きくなり、吸
込吸気の換気方式が実施される。そしてこのとき、各部
屋の外気に対する負圧は維持しつつ通常時の換気風量も
維持できる。また例えば、外気に対する負圧維持が必要
ない原子力発電所内の放射能汚染の無い部屋の換気空調
設備の場合には、図8とは逆に、送風機4a〜cのみ定
格風量fi0=50パーセントに構成すると、排風機9の
うち1台が停止した時には、吸込給気の換気方式で通常
時の換気風量が維持されることになる。
【0104】本発明の第2の実施例を図9及び図10に
より説明する。本実施例は、運転制御装置が異なる構成
の風量変更機能を備えている場合の実施例である。第1
の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例
による換気空調設備200の系統概要を示す概念図を図
9に示す。図9において、本実施例の換気空調設備20
0が第1の実施例の換気空調設備100と異なる点は、
運転制御装置230の風量変更機能が、供給風量調整ダ
ンパ15a〜c又は排気風量調整ダンパ19a〜cの開
度調整により行われるものではなく、送風機4a〜c及
び排風機9a〜cの回転数の調整により行われることで
ある。すなわち、送風機4a〜c及び排風機9a〜c
は、回転数が可変である可変速送風機及び可変速排風機
であること、運転制御装置230に備えられた風量変更
機能に係わる運転シーケンスの内容が変わることと、及
び、供給風量調整ダンパ制御装置25及び排気風量調整
ダンパ制御装置27が運転制御装置230からの制御信
号を受信せず独自に供給風量調整ダンパ15a〜c及び
排気風量調整ダンパ19a〜cの制御を行うことであ
る。
【0105】運転制御装置230に備えられた、風量変
更機能に係わる運転シーケンスの一例を図10により説
明する。図10は第1の実施例における図3に対応する
図である。通常運転時(すなわち送風機4a〜c及び排
風機9a〜cがすべて運転している発電所定格出力時)
において、運転制御装置230は、各部屋6a〜cにお
ける必要最大風量を100パーセントとしたときに各送
風機4a〜cの風量が約33パーセントとなるように送
風機制御装置22を制御している。前述したように各送
風機4a〜cの設計定格風量fi0=50パーセントであ
るので、これはすなわち各送風機の風量を抑制している
こととなる。また各排風機9a〜cの風量も、同様に約
33パーセントとなるように排風機制御装置24を制御
している。これにより、33パーセント×3≒100パ
ーセントとなって、発電所の定格出力運転時において
も、必要な風量を建屋6内に供給しかつ換気空気を屋外
に放出可能な100パーセントの風量が確保されてい
る。
【0106】そしてこのような状態から、例えば、送風
機4aが故障等により停止しこの停止状態が送風機制御
装置22で検知された場合は、図10に示すように、運
転制御装置230は、開閉ダンパ制御装置33に閉止制
御信号を出力して開閉ダンパ16aを閉止させ、また送
風機制御装置22に回転数増加制御信号を送信して送風
機4b,4cの回転数を増加させ、送風機4b,4cによ
る供給風量を前述した設計定格風量fi0(=50パーセ
ント)に変更する。これにより、送風機4aが停止して
も、停止していない送風機4b,4cの2台で50パー
セント×2=100パーセントの風量が確保できる。こ
こで、運転制御装置230に備えられれた図10の論理
回路中のAND論理素子70は、その制御手段を電気的
に行うか機械的に行うかにあわせて市販の素子を選択し
て用いれば良い。
【0107】その他の構成は、第1の実施例とほぼ同様
である。
【0108】上記は送風機4b,4cが運転状態で送風
機4aが停止した場合の運転シーケンスを例にとって説
明したが、送風機4a,4cが運転状態で送風機4bが
停止した場合や、送風機4a,4bが運転状態で送風機
4cが停止した場合についても、特に図示はしないが、
上記と同様に開閉ダンパ16a〜cの閉止制御信号及び
送風機の回転数増加制御信号が送信され送風機4a〜c
の供給風量を設計定格風量fi0に変更する運転シーケン
スが運転制御装置230内に備えられている。また、排
風機9a〜cのうち1台の停止状態が排風機制御装置2
4で検知されたことに応じ、上記同様に、3台の排風機
9a〜cのうち停止しているものの下流側の開閉ダンパ
20a〜cの閉止制御信号と、3台の排風機9a〜cの
うち停止していないものの回転数増加制御信号とが送信
され排風機9a〜cの設計定格風量fe0(=50パーセ
ント)に変更する運転シーケンスが運転制御装置230
内に備えられている。
【0109】以上のような運転シーケンスにより、最終
的に、第1の実施例と同様の図4に示すような運転の組
み合わせが実現される。
【0110】また送風機制御装置22,24又は可変速
送風機・排風機の回転数を制御するための機器として
は、遊星歯車あるいは流体継手あるいはサイリスタ(イ
ンバータ)で構成された機器を用いることが考えられ、
これらによって回転数制御を容易に行うことができる。
【0111】本実施例によっても、第1の実施例と同様
の効果を得る。
【0112】本発明の第3の実施例を図11〜図17に
より説明する。本実施例は、主として送風機及び排風機
の一部を停止したときに残りの送風機及び排風機の風量
バランスを調整することに主眼をおいた実施例である。
第1及び第2の実施例と同等の部材には同一の符号を付
す。
【0113】本実施例による換気空調設備300の系統
概要を示す概念図を図11に示す。
【0114】図11において、本実施例の換気空調設備
300が図1に示した第1の実施例の換気空調設備10
0と異なる主要な点は、3つの送風機4a〜d及び排風
機9a〜dの設計定格風量がそれぞれfi0≒33パーセ
ント及びfe0≒33パーセントとなっていること、この
とき建屋6内の各部屋6a〜cの負圧維持のために排風
機9の排出圧力は送風機4の圧力と比較して大きくなる
よう設定されていること、及び運転制御装置330の機
能(すなわちシーケンス内容)である。
【0115】送風機4と排風機9の特性を図12に示
す。図12は、送風機4a〜c及び排風機9a〜cの風
量−圧力特性曲線を示している。図12において、前述
したように送風機4a〜cの特性と排風機9a〜cの特
性は互いに異なり、特性曲線は別々の曲線となる。すな
わち、送風機1台の運転時では曲線107c、送風機2
台の運転時では曲線107b、3台の運転時では曲線1
07aとなる。これらの特性曲線107a〜cと、供給
ダクト5等の流動抵抗による抵抗曲線108との交点
が、送風機4の各運転台数における運転点となり、3台
運転時には運転点110a、供給風量Q1sで運転さ
れ、2台運転時には運転点110b、供給風量Q2sで
運転され、また1台運転時には運転点110cで運転さ
れる。一方、排風機1台の運転時では曲線105c、排
風機2台の運転時では曲線105b、3台の運転時では
曲線105aとなる。そしてこれらの特性曲線105a
〜cと、排気ダクト7等の流動抵抗による抵抗曲線10
6との交点が、排風機9の各運転台数における運転点と
なり、3台運転時には運転点109a、排気風量Q1h
で運転され、2台運転時には運転点109b、供給風量
Q2hで運転され、また1台運転時には運転点109c
で運転される。
【0116】運転制御装置330の機能について、以下
に詳細に説明する。第1の実施例で既に述べたように、
一般に、建屋6内の各部屋6a〜cの必要風量は、部
屋内の発熱・放熱に対して室内温度を所定の条件に維持
するための風量と、原子力発電所特有の放射性物質汚
染の可能性のある各部屋内空気を所定の濃度レベルまで
希釈させるための風量とのうち、いずれか大きい方がそ
の部屋の必要風量となる。そしてについては、発電所
の定格出力運転時においては運転に必要な多くの原子炉
補機設備等からの発熱があるので大きい値となるのに対
し、例えば定期検査時には各補機が停止し発熱が低減す
るのできわめて小さい値となる。一方は発電所の運転
条件にかかわらず不変であるがその大きさは定期検査時
のに比し若干大きい程度である。したがって、発電所
の定格出力運転時において要求される必要風量に対し、
発電所の定期検査時に要求される必要風量はきわめて小
さくなるので、例えば発電所の定期検査時においては、
1台の送風機(又は1台の排風機)を停止して2台の送
風機(又は2台の排風機)のみで運転しても、換気空調
設備全体として必要な能力を確保することが可能とな
る。このことはすなわち、前述した図2において、3台
運転時の供給風量Q1≧発電所定格出力運転時における
の風量とし、2台運転時の供給風量Q2≧の風量と
すれば、少なくとも発電所の定期検査時において3台の
送風機4a〜cのうちの1台、及び3台の排風機9a〜
cのうちの1台が余剰となるので、故障発生のための予
備機は不要となり、また例えば、換気空調設備自体の定
期検査を行えることを示している。
【0117】以上のように、原子力発電所の定期検査時
等においては、予備機を設けたり、第1の実施例のよう
に送風機4の供給風量や排風機9の排気風量を増加させ
なくても、故障発生や換気空調設備の定期検査に対応す
ることができる。しかしながら、一般に原子力発電所の
常用の換気空調設備においては、汚染空気を漏らさぬた
めに原子力発電所内の各部屋の圧力を外気に対して負圧
に保つよう設定され、3台運転時の全送風機4の供給風
量Q1sと全排風機9の排気風量Q1hとを一致させて
いる(図2を用いて説明した前述参照)場合が多い。よ
って、故障や定期検査等のための停止で送風機4と排風
機9との運転台数が異なってしまうと、供給風量と排気
風量とが大きく異なり、風量の大きなアンバランスが生
じることとなって好ましくない。運転制御装置330に
は、これに対応すべく、第1の機能として送風機と排風
機との連動停止機能を備えている。まず、この機能を以
下詳細に説明する。
【0118】(1)連動停止機能 運転制御装置330に備えられた、連動停止機能に係わ
る運転シーケンスの一例を図13に示す。図13におい
て、運転制御装置330は、送風機4a〜cのうち1台
の停止状態が送風機制御装置22で検知されている場合
において、排風機9aの停止状態が排風機制御装置24
で検知されていなかったとき(=排風機9aが運転状態
にあったとき)には排風機制御装置24に排風機9a運
転停止信号を出力し、また排風機9aの停止状態が排風
機制御装置24で検知されていたとき(=排風機9aが
停止状態にあったとき)には排風機制御装置24に排風
機9b運転停止信号を出力し、さらに排風機9bの停止
状態が排風機制御装置24で検知されていたとき(=排
風機9bが停止状態にあったとき)には排風機制御装置
24に排風機9c運転停止信号を出力する。すなわち、
運転制御装置30は、送風機4a〜cのうち1台の停止
に応じて、3台の排風機9a〜cのうち停止していない
ものを排風機9a,9b,9cの順番で連動して停止させ
る制御を行い、最終的に排風機9a〜cの3台のうちい
ずれか1台を停止させる。なお、開閉ダンパ16a〜
c、19a〜cの閉止制御信号については、煩雑になる
ので図示を省略しているが、実際には、対応する送風機
・排風機の停止に応じて各開閉ダンパが閉止されるよう
閉止制御信号が出力されている。ここで、運転制御装置
30に備えられれた図13の論理回路中のAND論理素
子70及びNOT論理素子74は、その制御手段を電気
的に行うか機械的に行うかにあわせて市販の素子を選択
して用いれば良い。
【0119】なお、特に図示はしないが、運転制御装置
30内にはまた、図13とは逆に排風機9a〜cのうち
1台の停止状態が排風機制御装置24で検知されたこと
に応じて、図13と逆の手順で3台の送風機4a〜cの
うち停止していないものを送風機4a,4b,4cの順番
で停止させる制御を行う運転シーケンスが備えられてい
る。
【0120】上記2つのシーケンスにより、図14に示
すような運転の組み合わせが実現されることになる。す
なわち、通常運転時には、3台の送風機4a〜c及び3
台の排風機9a〜cが運転されているが、1台の送風機
が故障等により停止した場合にはこれに対応して1台の
排風機が停止し、あるいは1台の排風機が故障等により
停止した場合には同様に1台の送風機が停止するので、
結局、いずれの場合も2台の送風機及び2台の排風機で
運転されることになる。
【0121】これにより、運転制御装置330によって
1台停止時にも送風機4の運転台数と排風機9の運転台
数とが一致するように連動して停止されるので、運転台
数の変更による風量アンバランスを防止することができ
る。
【0122】ここにおいて、上記風量バランスをさらに
細かく考察すると、前述したように、本実施例の換気空
調設備300では、各排風機9と各送風機4との特性が
異なっており、3台の送風機4a〜cによる全供給風量
Q1s=3台の排風機9a〜cによる全排気風量Q1h
としているが、1台停止時の2台運転時においては、2
台の送風機4の供給風量Q2s<2台の排風機9の排気
風量Q2hとなり、微妙な風量アンバランスが生じる。
これに対応すべく、運転制御装置330には第2の機能
として送風機4と排風機9との風量微調整機能を備えて
いる。この機能を以下詳細に説明する。
【0123】(2)風量微調整機能 運転制御装置330に備えられた、風量微調整機能に係
わる運転シーケンスの一例を図15により説明する。通
常運転時(すなわち送風機4a〜c及び排風機9a〜c
がすべて運転している時)において、例えば換気空調設
備の定期検査をすることを目的として、換気空調設備管
理者等が、図示しない入力手段から送風機4aの停止を
手動で指示入力すると、図15に示すように、運転制御
装置330は、送風機制御装置22に運転停止信号を出
力して送風機4aを停止させ、また開閉ダンパ制御装置
33に閉止制御信号を出力して開閉ダンパ16aを閉止
させる。さらに、排風機制御装置24に運転停止信号を
出力して排風機9aを停止させ、開閉ダンパ制御装置3
4に閉止制御信号を出力して開閉ダンパ20aを閉止さ
せる。そして、供給風量調整ダンパ制御装置25に開度
微調整信号を送信するとともに排気風量調整ダンパ制御
装置27に開度微調整信号を送信し、これによって、運
転が継続される残りの送風機4b,4c上流側の供給風
量調整ダンパ15b,15cの開度と排風機9b,9c上
流側の排気風量調整ダンパ19b,19cの開度とを微
調整し、2台の送風機4b,4cによる供給風量Q2s
と2台の排風機9b,9cによる排気風量Q2hとを一
致させる。
【0124】なお、上記は送風機4aを停止させた場合
を例にとって説明したが、これに限られず、他の送風機
4b又は4cや、あるいは排風機9a〜9cのうち1台
を手動で選択的に停止させた場合も同様の制御が行わ
れ、風量バランスの微調整が行われる。
【0125】以上により、送風機4a〜c及び排風機9
a〜cの一部が停止した時においても、微妙な風量アン
バランスを生じることなく、残りの送風機4全体と排風
機9全体との風量バランスをとることができる。
【0126】ここにおいて、発電所の定期検査時等にお
いては、上記したように、例えば1台の送風機4(又は
1台の排風機9)を停止して2台の送風機4(又は2台
の排風機9)のみで運転しても、換気空調設備全体とし
て必要な能力を確保することが可能となる。しかしなが
ら、このように1台の送風機4(又は1台の排風機9)
を停止しているときに、残り2台のうちの1台がさらに
故障等により停止すると、もはや換気空調設備全体とし
て必要な能力を確保することができなくなる。運転制御
装置330は、このような事態に対応できるように、第
3の機能として風量低下警告機能を備えている。この機
能を以下詳細に説明する。
【0127】(3)風量低下警告機能 運転制御装置330に備えられた、風量低下警告機能に
係わる運転シーケンスの一例を図16により説明する。
例えば故障の発生かあるいは定期検査のために送風機4
a〜cの3台のうちの送風機4aが停止しているとき
(このとき当然連動停止機能により排風機9aも停止し
ている)に、運転中の送風機4b,4cのうち送風機4
bが故障により停止したことが送風機制御装置22で検
出された場合には、図16に示すように、運転制御装置
330は、連動停止機能に基づき排風機制御装置24に
運転停止信号を出力して排風機9bを停止させ、送風機
9a,9bの2台が停止したことによる風量低下警告信
号を図示しない表示手段等に発する。なお、開閉ダンパ
16a〜c、19a〜cの閉止制御信号については、煩
雑になるので図示を省略しているが、実際には、対応す
る送風機・排風機の停止に応じて各開閉ダンパが閉止さ
れるよう閉止制御信号が出力されている。
【0128】また、以上は送風機4a停止中に送風機4
bが故障停止した場合を例にとって説明したが、これに
限られず、他の送風機4b,4cや、あるいは排風機9
a〜cの停止中に他の1台が故障停止した場合について
も同様の制御が行われ、風量低下警告信号が発せられ
る。
【0129】これにより、送風機・排風機の1台が停止
中にさらにもう1台の送風機・排風機が停止した場合に
は、風量が低下し所定の機能を維持することが困難であ
ることを換気空調設備管理者に知らせることができる。
【0130】ここにおいて、上記は2台停止時にそのこ
とを管理者に警告するのみであったが、停止した2台の
うち1台が起動可能な停止状態である場合(すなわち、
故障でも定期検査でもない停止状態である場合)には、
これをさらに進めて、その起動可能な1台を起動し運転
に復帰させることが考えられる。この観点から、運転制
御装置330は、第4の機能として起動復帰機能を備え
ている。この機能を以下詳細に説明する。
【0131】(4)起動復帰機能 運転制御装置330に備えられた、起動復帰機能に係わ
る運転シーケンスの一例を図17により説明する。
【0132】例えば、3台の送風機4a〜cのうち送風
機4aが、図示しない入力手段からの手動指示入力によ
り、故障でもなく定期検査でもない待機状態で停止して
いるとき(このとき連動停止機能により排風機9aも停
止している)に、運転中の送風機4b,4cのうち送風
機4bが故障により停止したことが送風機制御装置22
で検出された場合には、図17に示すように、送風機制
御装置22に起動運転信号を出力して送風機4aを起動
し運転状態に戻す。この制御は、運転制御装置330の
連動停止機能が働き排風機4bを停止させる前に行われ
る。なお、開閉ダンパ16a〜c、19a〜cの閉止制
御信号については、煩雑になるので図示を省略している
が、実際には、対応する送風機・排風機の停止に応じて
各開閉ダンパが閉止されるよう閉止制御信号が出力され
ている。
【0133】また、以上は送風機4a停止中に送風機4
bが故障停止した場合を例にとって説明したが、これに
限られず、他の送風機4b,4cやあるいは排風機9a
〜cの停止中に他の1台が故障停止した場合についても
同様の制御が行われ、起動運転信号が出力されて起動可
能な送風機・排風機が起動される。
【0134】これにより、送風機・排風機の1台に運転
停止指示を出して待機状態としているときに、運転中の
送風機・排風機に故障が発生しても、風量が低下するの
を防止し、引き続き換気空調設備の運転を継続すること
ができる。
【0135】なお、上記で特記した以外の構成は、第1
の実施例とほぼ同様である。また、上記実施例の連動停
止機能においては、運転制御装置330は、送風機4の
1台の停止に応じ、自動的に排風機制御装置24に運転
停止信号を出力し排風機9の1台を停止させたが、これ
に限られない。すなわち、運転制御装置330は、送風
機4の1台が停止したとき、例えば原子力発電所の中央
制御室内の制御盤(図示せず)へ伝達する機能を備えた
運転支援システムを介し、手動制御で排風機9の1台を
停止させるために必要な警告・指示を換気空調設備管理
者に与え、換気空調設備管理者はこの警告・指示に応じ
て操作を行い、運転制御装置330がこの操作に応じて
排風機9の1台を停止させる運転停止信号を排風機制御
装置24に送信する構成でもよい。また、上記実施例の
風量微調整機能においては、運転制御装置330は、送
風機4の1台と排風機9の1台との停止に応じ、自動的
に供給風量調整ダンパ制御装置25及び排気風量調整ダ
ンパ制御装置27に開度微調整信号を送信し、残りの2
台の送風機4の風量Q2sと残りの2台の排風機9の風
量Q2hとを一致させたが、これに限られない。すなわ
ち、運転制御装置330は、送風機4の1台と排風機9
の1台とが停止したとき、例えば原子力発電所の中央制
御室内の制御盤(図示せず)へ伝達する機能を備えた運
転支援システムを介し、手動制御で送風機4の風量と排
風機9の風量とを一致させるために必要な警告・指示を
換気空調設備管理者に与え、換気空調設備管理者はこの
警告・指示に応じて操作を行い、運転制御装置330が
この操作に応じて送風機4(又は排風機9)の風量を微
調整する構成でもよい。さらに、第1の実施例の運転制
御装置30に、上述した運転制御装置330の(1)連
動停止機能(2)風量微調整機能(3)風量低下警告機
能(4)起動復帰機能を付加してもよい。このとき、第
1の実施例において得られる効果に加え、第3の実施例
による効果も併せて得ることができる。
【0136】本発明の第4の実施例を図18及び図19
により説明する。本実施例は、運転制御装置が、異なる
構成の風量微調整機能を備えている場合の実施例であ
る。第3の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施例による換気空調設備400の系統概要を示す概
念図を図18に示す。図18において、本実施例の換気
空調設備400が第3の実施例の換気空調設備300と
異なる点は、運転制御装置430の風量変更機能が、供
給風量調整ダンパ15a〜c又は排気風量調整ダンパ1
9a〜cの開度調整により行われるものではなく、送風
機4a〜c及び排風機9a〜cの回転数の調整により行
われることである。すなわち、送風機4a〜c及び排風
機9a〜cは、回転数が可変である可変速送風機及び可
変速排風機であること、運転制御装置430に備えられ
た風量変更機能に係わる運転シーケンスの内容が変わる
ことと、及び、供給風量調整ダンパ制御装置25及び排
気風量調整ダンパ制御装置27が運転制御装置430か
らの制御信号を受信せず独自に供給風量調整ダンパ15
a〜c及び排気風量調整ダンパ19a〜cの制御を行う
ことである。
【0137】運転制御装置430に備えられた運転シー
ケンスは、第3の実施例の運転制御装置330の運転シ
ーケンスと異なるのが前述した(2)風量微調整機能の
みであるので、以下この風量微調整機能に係わる運転シ
ーケンスの一例を図19により説明する。図19は第3
の実施例における図15に対応する図である。通常運転
時(すなわち送風機4a〜c及び排風機9a〜cがすべ
て運転している時)において、例えば換気空調設備の定
期検査をすることを目的として、換気空調設備管理者等
が、図示しない入力手段から送風機4aの停止を手動で
指示入力すると、図19に示すように、運転制御装置4
30は、送風機制御装置22に運転停止信号を出力して
送風機4aを停止させ、また開閉ダンパ制御装置33に
閉止制御信号を出力して開閉ダンパ16aを閉止させ
る。さらに、排風機制御装置24に運転停止信号を出力
して排風機9aを停止させ、また開閉ダンパ制御装置3
4に閉止制御信号を出力して開閉ダンパ20aを閉止さ
せる。そして、送風機制御装置22に回転数微調整信号
を送信するとともに排風機制御装置24に回転数微調整
信号を送信し、これによって、運転が継続される残りの
送風機4b,4cの回転数と排風機9b,9cの回転数と
を微調整し、2台の送風機4b,4cによる供給風量Q
2sと2台の排風機9b,9cによる排気風量Q2hと
を一致させる。
【0138】上記以外の構成は第3の実施例とほぼ同様
である。
【0139】なお、上記は送風機4aを停止させた場合
を例にとって説明したが、これに限られず、他の送風機
4b又は4cや、あるいは排風機9a〜9cのうち1台
を手動で選択的に停止させる場合も同様の制御が行わ
れ、風量バランスの微調整が行われる。
【0140】以上により、第3の実施例と同様、送風機
4a〜c及び排風機9a〜cの一部が停止した時におい
ても、微妙な風量アンバランスを生じることなく、送風
機4全体と排風機9全体との風量バランスをとることが
できる。
【0141】本発明の第5の実施例を図20及び図21
により説明する。本実施例は、主として送風機及び排風
機の一部を停止したときに、建屋内の特定の部屋に選択
的に必要風量を供給することに主眼をおいた実施例であ
る。第1〜第4の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す 上記第2〜第4の実施例においては、第1の実施例のよ
うに送風機4及び排風機9の風量変更を行わずかつ従来
のように予備機も設けないので、送風機4・排風機9の
全台運転から1台が停止した時にはその分供給風量と換
気能力が小さくなり、各部屋6a〜cへの風量が一律に
小さくなる。そしてその比較的小さい風量で発電所の定
期検査等必要風量がもともと小さい場合に対処するもの
であった。
【0142】ここにおいて、換気空調設備により風量が
供給される建屋6内の全部屋6a〜cのうち、換気空調
設備管理者が予め指定したある特定の部屋(但し1つの
部屋には限られない)のみはある換気要求風量を常に厳
格に満足したいが、他の部屋に対してはかなりの風量減
少を許容できるような場合が考えられる。すなわち例え
ば、次の部屋の(風量低下時の)換気風量は、他の部屋
に比べて風量減少を許容できる。(a)熱交換器を設置
した部屋など内部の発熱量が大きい部屋については、許
容室温を他の部屋に比べて高く設定しており、通常時の
作業員の立ち入りを制限する場合がある。(b)原子力
発電所内の作業員が常駐する部屋以外の許容室温は、照
明や計測装置などの一般電気品の故障が発生しない(余
命を著しく損なわない)許容動作温度に設定されている
場合がある。しかし、風量減少による許容動作温度以上
の室温上昇の発生は、屋外気温の高い夏期において送・
排風機が停止した場合に限られ、その発生頻度は低く、
一般電気品の故障による機能の低下の確率は極めて低
い。
【0143】本実施例の換気空調設備500は、このよ
うな場合に対応し、運転制御装置530が、建屋内の他
の部屋に優先し特定の部屋に選択的に必要風量を供給す
る優先供給機能を備えているものである。
【0144】本実施例による換気空調設備500の系統
概要を示す概念図を図20に示す。図20において、本
実施例の換気空調設備500が第4の実施例の換気空調
設備400と異なる主要な点は、分配供給ダクト風量調
整ダンパ17a〜cの開度を個別に調整可能な分配供給
ダクト風量調整ダンパ制御装置28が設けられたこと
と、これに対応し上記したように運転制御装置530内
の運転シーケンスが異なっていることとである。
【0145】運転制御装置530に備えられた、優先供
給機能に係わる運転シーケンスの一例を図21により説
明する。図21は、第4の実施例における図19に対応
する図である。通常運転時(すなわち送風機4a〜c及
び排風機9a〜cがすべて運転している時)から例えば
送風機4aが故障等により停止しこの停止状態が送風機
制御装置22で検知された場合には、運転制御装置53
0は連動停止機能に基づき、図21に示すように開閉ダ
ンパ制御装置33に閉止制御信号を出力して開閉ダンパ
16aを閉止させ、また開閉ダンパ制御装置34に閉止
制御信号を出力して開閉ダンパ20aを閉止させ、さら
に排風機制御装置24に運転停止信号を出力して排風機
9aを停止させる。そしてこのとき換気空調設備管理者
等により図示しない入力手段から特定の部屋(例えば部
屋6a)を優先して換気する指示が手動であらかじめ入
力されていると、運転制御装置530は、指定部屋優先
換気制御信号を分配供給ダクト風量調整ダンパ制御装置
28に出力し、これによって、部屋6aの分配供給ダク
ト風量調整ダンパ17aの開度が大きくなるとともに、
部屋6b,6cの分配供給ダクト風量調整ダンパ17b,
17cの開度が小さくなり、部屋6aに優先的に風量が
供給される。
【0146】なお上記は、送風機4aが故障停止した場
合を例にとって説明したが、第3及び第4の実施例同
様、換気空調設備の定期検査をすることを目的として、
換気空調設備管理者等が図示しない入力手段から送風機
4aの停止を手動で指示入力した場合についても同様の
制御が行われる。また上記は送風機4aが停止した場合
を例にとって説明したが、これに限られず、他の送風機
4b又は4cや、あるいは排風機9a〜9cのうち1台
が停止した場合も同様の制御が行われ特定の部屋に優先
的に風量が供給される。
【0147】以上により、従来のように建屋6内のすべ
ての部屋6a〜cについて一律に同じ割合で風量が減少
することなく、各部屋6a〜cに要求される作業環境等
に応じて(例えば、換気空調設備管理者が予め指定した
部屋の換気要求風量を満足するように)選択的に必要風
量を供給し部屋内環境を維持することができる。すなわ
ち例えば、特に風量維持が厳格に要求されない他の部屋
からの風量を、風量維持が厳格に要求される特定の部屋
にまわし、この特定の部屋の風量減少を防止する等が可
能になる。
【0148】なお、上記実施例の運転制御装置530の
優先供給機能においては、運転制御装置530は、送風
機4・排風機9の1台ずつの停止と、あらかじめ入力さ
れた換気空調設備管理者等による優先換気指示に応じ、
自動的に指定部屋優先換気制御信号を分配供給ダクト風
量調整ダンパ制御装置28に出力したが、これに限られ
ない。すなわち、運転制御装置530は、送風機4・排
風機9の1台ずつが停止したとき、例えば原子力発電所
の中央制御室内の制御盤(図示せず)へ伝達する機能を
備えた運転支援システムを介し、手動制御で特定の部屋
を優先換気するために必要な警告・指示を換気空調設備
管理者に与え、換気空調設備管理者はこの警告・指示に
応じて操作を行い、運転制御装置530がこの操作に応
じ特定の部屋を優先換気する構成でもよい。また、第1
の実施例の運転制御装置30に、上述した運転制御装置
530の優先供給機能を付加してもよい。このとき、第
1の実施例において得られる効果に加え、第5の実施例
による効果も併せて得ることができる。さらに、上記第
1〜第5の実施例においては、開閉ダンパ16a〜c
が、運転制御装置30の制御信号で制御される開閉ダン
パ制御装置33,34によって供給ダクト5及び排気ダ
クト7を開通・遮断するよう構成されていたが、これに
限られない。すなわち、開閉ダンパでなく、図5で示し
た従来技術のように、風量低下時に弁の羽根に取り付け
られたおもりの重量で自動的に閉まる機構を備え、風量
に依存して開閉するグラビティーダンパとし、開閉ダン
パ制御装置33,34を省略しても良い。これらの場合
も、同様の効果を得る。
【0149】本発明の第6の実施例を図22により説明
する。第1〜第5の実施例と同等の部材には同一の符号
を付す。本実施例による換気空調設備600の系統概要
を示す概念図を図22に示す。図22において、本実施
例による換気空調設備600が、第1の実施例による換
気空調設備100と異なる主要な点は、供給ダクト5に
設けられ送風機4a〜cによる供給流量を調整していた
供給風量調整ダンパ15a〜cの機能を、送風機4a〜
cの上流側の上流側供給風量調整ダンパ615Ua〜c
と送風機4a〜cの下流側の下流側供給風量調整ダンパ
615La〜cとに分けて持たせ、それぞれの開度を上
流側供給風量調整ダンパ制御装置625U及び下流側供
給風量調整ダンパ制御装置625Lで調整するとともに
これら2つの制御装置の動作をさらに上位制御装置であ
る供給風量調整ダンパ制御装置625で調整し、この供
給風量調整ダンパ制御装置625が運転制御装置630
からの制御信号で制御されることである。そしてこれに
伴い、開閉ダンパ16a〜c及び開閉ダンパ制御装置3
3は省略され、その閉止・開通機能は下流側供給風量調
整ダンパ615La〜c及び下流側供給風量調整ダンパ
制御装置625Lにより行われる。
【0150】また同様に、排気ダクト7に設けられ排風
機9a〜cによる排気流量を調整していた排気風量調整
ダンパ19a〜cの機能を、排風機9a〜cの上流側の
上流側排気風量調整ダンパ619Ua〜cと排風機4a
〜cの下流側の下流側排気風量調整ダンパ619La〜
cとに分けて持たせ、それぞれの開度を上流側排気風量
調整ダンパ制御装置627U及び下流側排気風量調整ダ
ンパ制御装置627Lで調整するとともにこれら2つの
制御装置の動作をさらに上位制御装置である排気風量調
整ダンパ制御装置627で調整し、この排気風量調整ダ
ンパ制御装置627が運転制御装置630からの制御信
号で制御されることである。そしてこれに伴い、開閉ダ
ンパ20a〜c及び開閉ダンパ制御装置34は省略さ
れ、その閉止・開通機能は下流側供給風量調整ダンパ6
19La〜c及び下流側供給風量調整ダンパ制御装置6
27Lにより行われている。
【0151】その他の構成は第1の実施例の換気空調設
備100とほぼ同様である。
【0152】本実施例によっても第1の実施例と同様の
効果が得られ、加えて風量調整をより確実に行うことが
できる。
【0153】なお、第3の実施例の換気空調設備300
に、上述した換気空調設備600の構成を適用してもよ
い。このとき、第3の実施例と同様の効果が得られ、加
えて風量微調整をより確実に行うことができる効果があ
る。
【0154】本発明の第7の実施例を図23により説明
する。本実施例による換気空調設備700の系統概要の
うち、本実施例の要部である建屋6より下流側(排風機
側)を図23に示す。第6の実施例と同等の部材には同
一の符号を付す。図23において、本実施例による換気
空調設備700が、第6の実施例による換気空調設備6
00と異なる点は、排気処理装置8a〜cと排風機9a
〜cとの間において各排気ダクト7a,7b,7cを互い
に連結する3つの連結ダクト36a,36b,36cと、
各連結ダクト36a,36b,36cにそれぞれに設けら
れた連結ダクト風量調整ダンパ37a,37b,37c
と、各排気ダクト7a,7b,7cにおける排気処理装置
8a〜cの下流側で連結ダクト36a,36b,36cへ
の接続部よりも上流側に設けられた中間排気ダクト風量
調整ダンパ35a,35b,35cとが設けられ、連結ダ
クト風量調整ダンパ37a,37b,37cの開度を調整
する連結ダクト風量調整ダンパ制御装置727m2と、
中間排気ダクト風量調整ダンパ35a,35b,35cの
開度を調整する中間排気ダクト風量調整ダンパ制御装置
727m1と、上流側排気風量調整ダンパ制御装置62
7U及び下流側排気風量調整ダンパ制御装置627Lと
の動作を、上位制御装置である排気風量調整ダンパ制御
装置727で調整し、この排気風量調整ダンパ制御装置
727が運転制御装置730からの制御信号で制御され
ることである。
【0155】その他の構成は、第6の実施例とほぼ同様
である。
【0156】本実施例によっても第6の実施例と同様の
効果が得られる。また、これに加え、連結ダクト36a
〜cを介し各排気ダクト7a〜c間で排気のやりとりが
可能となるので、排気処理装置8a〜cと排風機9a〜
cとを別個独立して停止させることができ、別個独立し
て定期検査を行うこともできる。すなわち例えば、1つ
の排気処理装置8aの定期検査を行う場合、その排気処
理装置8a前後の排気ダクト7aを上流側排気風量調整
ダンパ619Ua及び中間排気ダクト風量調整ダンパ3
5aで閉鎖すると、残りの排気処理装置8b,8cを通
過する排気風量が大きくなるが、連結ダクト36a〜c
及び連結ダクト風量調整ダンパ37a〜cを介して、排
気処理装置8a下流側の排風機9aを含む全ての排風機
9a〜cにその大風量を分配することができるので、各
排風機9a〜cには通常通りの風量を導くことができ
る。よってこのとき排風機を停止させる必要はなく、通
常時の換気風量を確保することができる。
【0157】本発明の第8の実施例を図24により説明
する。本実施例による換気空調設備800の系統概要の
うち、本実施例の要部である建屋6付近の概念図を図2
4に示す。第5の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。図24において、本実施例による換気空調設備8
00が、第5の実施例による換気空調設備500と異な
る主要な点は、分配排気ダクト7Aa,7Ab,7Acの
換気排出口近傍に設けられた分配排気ダクト風量調整ダ
ンパ18a〜cの開度が分配排気ダクト風量調整ダンパ
制御装置838で調整され、分配供給ダクト風量調整ダ
ンパ制御装置28及び分配排気ダクト風量調整ダンパ制
御装置838の動作をさらに上位制御装置である分配ダ
クト風量調整ダンパ制御装置839で調整し、この分配
ダクト風量調整ダンパ制御装置839が運転制御装置8
30からの制御信号で制御されることである。
【0158】その他の構成は、第5の実施例の換気空調
設備500とほぼ同様である。
【0159】本実施例によっても第5の実施例と同様の
効果が得られる。
【0160】本発明の第9の実施例を図25により説明
する。本実施例による換気空調設備900の系統概要の
うち、本実施例の要部である建屋6付近の概念図を図2
5に示す。第5の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。図25において、本実施例による換気空調設備9
00が、第5の実施例による換気空調設備500と異な
る主要な点は、建屋6内の各部屋6d,6e,6f,6g
への換気空調が、供給ダクト5及び排気ダクト7だけで
なく、各部屋間の移送ダクト31によっても行われてい
ることである。すなわち、図示しない送風機4a〜cか
らの全供給風量は、供給ダクト5の分配供給ダクト5A
d及び5Agを介して部屋6d,6gへ供給され、また
部屋6dへ供給された風量の一部は移送ダクト31de
介して部屋6eへ供給され、さらに部屋6gへ供給され
た風量の一部は移送ダクト31ge及び31gfを介して部
屋6e,6fへ供給される。そしてこのようにして各部
屋6d〜gに供給された風量は、それぞれ分配排気ダク
ト7Ad,7Ae,7Af,7Agを介して集合し、図示
しない排風機9a〜cへと導かれる。そしてこのとき、
分配供給ダクト5Ad及び5Agに設けられた分配供給
ダクト風量調整ダンパ17d,17gの開度が分配供給
ダクト風量調整ダンパ制御装置28で調整され、移送ダ
クト31de,31ge,31gfに設けられた移送ダクト風量
調整ダンパ32de,32ge,32gfの開度が移送ダクト風
量調整ダンパ制御装置940で調整され、分配排気ダク
ト7Ad,7Ae,7Af,7Agに設けられた分配排気
ダクト風量調整ダンパ18d,18e,18f,18gの
開度が分配排気ダクト風量調整ダンパ制御装置838で
調整される。そして、これら分配供給ダクト風量調整ダ
ンパ制御装置28、移送ダクト風量調整ダンパ制御装置
940、及び分配排気ダクト風量調整ダンパ制御装置8
38の動作がさらに上位制御装置である建屋内ダンパ制
御装置941で調整され、この建屋内ダンパ制御装置9
41が運転制御装置930からの制御信号で制御され
る。
【0161】本実施例によっても、第5の実施例と同
様、各部屋6d〜gに要求される作業環境等に応じて選
択的に必要風量を供給することができる。
【0162】なお、上記第1〜第9の実施例において
は、供給風量調整ダンパ15a〜cを送風機4a〜cの
上流側に、また排気風量調整ダンパ19a〜cを排風機
9a〜cの上流側に設定したが、これに限られず、供給
ダクト5または排気ダクト7上のどこの部分に設定して
もよい。この場合も、同様の効果を得ることができる。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、風量変更手段で、停止
していない残りの各送風機・排風機の供給風量・排気風
量を通常風量より大きい設計定格風量に変更するので、
送風機・排風機の一部が停止した時においても、通常時
に換気空調設備全体として必要とされる性能を維持する
ことができる。またこのとき、従来のように予備機を設
ける必要がないので、送風機・排風機およびこれらに接
続するダクト・排気処理装置等の員数を低減し、原子力
発電所の建屋内配置の制約や建屋設計に与える制約の緩
和を図り、機器配置性を向上することができる。また、
確認・交換部品量の低減によって保守点検作業量を低減
し機器保守性を向上することもできる。
【0164】
【0165】さらに、本発明によれば、風量バランス調
整手段で供給風量微調整手段又は排気風量微調整手段が
動作し、停止していない残りの全送風機の供給風量と停
止していない残りの全排風機の排気風量とが一致するよ
うに微調整されるので、送風機・排風機の一部が停止し
た時においても、送風機全体と排風機全体との風量バラ
ンスをとることができる。
【0166】また、本発明によれば、優先供給手段で複
数の分配供給ダクト風量調整弁のそれぞれの開度を個別
に調整するので、各部屋に要求される作業環境等に応じ
て選択的に必要風量を供給し部屋内環境を維持すること
ができる。
【0167】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による換気空調設備の系
統概要を示す概念図である。
【図2】図1に示した送風機及び排風機の風量−圧力特
性曲線を示す図である。
【図3】図1に示した運転制御装置に備えられた運転シ
ーケンスの一例を示す図である。
【図4】図1に示した運転制御装置で実現される運転の
組み合わせを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例の比較例による換気空調
設備の系統概要を示す概念図である。
【図6】図5に示した運転制御装置に備えられた運転シ
ーケンスの一例を示す図である。
【図7】図5に示した運転制御装置で実現される運転の
組み合わせを示す図である。
【図8】図7に示した運転の組み合わせの変形例を示す
図である。
【図9】本発明の第2の実施例による換気空調設備の系
統概要を示す概念図である。
【図10】図9に示した運転制御装置に備えられた運転
シーケンスの一例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施例による換気空調設備の
系統概要を示す概念図である。
【図12】図11に示した送風機及び排風機の風量−圧
力特性曲線を示す図である。
【図13】図11に示した運転制御装置に備えられた、
連動停止機能に係わる運転シーケンスの一例を示す図で
ある。
【図14】図11に示した運転制御装置で実現される運
転の組み合わせを示す図である。
【図15】図11に示した運転制御装置に備えられた、
風量微調整機能に係わる運転シーケンスの一例を示す図
である。
【図16】図11に示した運転制御装置に備えられた、
風量低下警告機能に係わる運転シーケンスの一例を示す
図である。
【図17】図11に示した運転制御装置に備えられた、
起動復帰機能に係わる運転シーケンスの一例を示す図で
ある。
【図18】本発明の第4の実施例による換気空調設備の
系統概要を示す概念図である。
【図19】図18に示した運転制御装置に備えられた運
転シーケンスの一例を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施例による換気空調設備の
系統概要を示す概念図である。
【図21】図20に示した運転制御装置に備えられた運
転シーケンスの一例を示す図である。
【図22】本発明の第6の実施例による換気空調設備の
系統概要を示す概念図である。
【図23】本発明の第7の実施例による換気空調設備の
系統概要のうち建屋より下流側を示す概念図である。
【図24】本発明の第8の実施例による換気空調設備の
系統概要のうち建屋付近の概念図である。
【図25】本発明の第9の実施例による換気空調設備の
系統概要のうち建屋付近の概念図である。
【符号の説明】
4a〜c 送風機 5 供給ダクト 5Aa〜c,d,g 分配供給ダクト 6 建屋 6a〜g 部屋 7 排気ダクト 7Aa〜g 分配排気ダクト 7a〜c 排気ダクト 8a〜c 排気処理装置 9a〜c 排風機 11a〜c フィルタ 15a〜c 供給風量調整ダンパ 17a〜c,d,g 分配供給ダクト風量調整ダンパ 18a〜g 分配排気ダクト風量調整ダンパ 19a〜c 排気風量調整ダンパ 22 送風機制御装置(停止検知手段) 24 排風機制御装置(停止検知手段) 25 供給風量調整ダンパ制御装置 27 排気風量調整ダンパ制御装置 28 分配供給ダクト風量調整ダンパ制御
装置 30 運転制御装置(風量変更手段) 31de,ge,gf 移送ダクト 32de,ge,gf 移送ダクト風量調整ダンパ 35a〜c 中間排気ダクト風量調整ダンパ 36a〜c 連結ダクト 37a〜c 連結ダクト風量調整ダンパ 100 換気空調設備 200 換気空調設備 230 運転制御装置(風量変更手段) 300 換気空調設備 330 運転制御装置(連動停止手段、風量
バランス調整手段、風量低下警告手段、起動復帰手段) 400 換気空調設備 430 運転制御装置(連動停止手段、風量
バランス調整手段、風量低下警告手段、起動復帰手段) 500 換気空調設備 530 運転制御装置(連動停止手段、優先
供給手段) 600 換気空調設備 615La〜c 下流側供給風量調整ダンパ 615Ua〜c 上流側供給風量調整ダンパ 619La〜c 下流側排気風量調整ダンパ 619Ua〜c 上流側排気風量調整ダンパ 625 供給風量調整ダンパ制御装置 625L 下流側供給風量調整ダンパ制御装置 625U 上流側供給風量調整ダンパ制御装置 627 排気風量調整ダンパ制御装置 627L 下流側排気風量調整ダンパ制御装置 627U 上流側排気風量調整ダンパ制御装置 630 運転制御装置(風量変更手段) 700 換気空調設備 727 排気風量調整ダンパ制御装置 727m1 中間排気ダクト風量調整ダンパ制御
装置 727m2 連結ダクト風量調整ダンパ制御装置 730 運転制御装置(風量変更手段) 800 換気空調設備 830 運転制御装置(風量変更手段) 838 分配排気ダクト風量調整ダンパ制御
装置 839 分配ダクト風量調整ダンパ制御装置 900 換気空調設備 930 運転制御装置(風量変更手段) 940 移送ダクト風量調整ダンパ制御装置 941 建屋内ダンパ制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−296197(JP,A) 特開 平1−123935(JP,A) 特開 平7−260222(JP,A) 特開 昭59−38541(JP,A) 特開 平6−281218(JP,A) 特開 平1−234736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 13/00 F24F 7/007 F24F 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力発電所の建屋に備えられた複数の部
    屋にそれぞれ外気を圧送する複数台の送風機と、前記複
    数の部屋からそれぞれ排気空気を排出する複数台の排風
    機と、前記複数台の送風機及び排風機のそれぞれの停止
    状態を検知する停止検知手段とを有し、前記複数の部屋
    のそれぞれの換気・空調を行う原子力発電所の換気空調
    設備において、 通常時には、各送風機の供給風量及び各排風機の排気風
    量を、換気空調設備全体で要求される最大風量を各送風
    機の台数及び各排風機の台数で除した通常風量とし、前
    記停止検知手段で前記複数台の送風機及び排風機のうち
    一部の停止状態が検知されたときには、停止していない
    残りの各送風機の供給風量及び停止していない残りの各
    排風機の排気風量のうち少なくとも一方を前記通常風量
    と異なる大きさの風量に変更する風量変更手段をさらに
    有し、 かつ、前記複数台の送風機及び排風機のうち少なくとも
    一方は、各台の設計定格風量が前記通常風量よりも大き
    くなるように構成されており、 前記風量変更手段は、各送風機の供給風量及び各排風機
    の排気風量のうち少なくとも一方を前記通常風量から前
    記設計定格風量に変更する手段であることを特徴とする
    原子力発電所の換気空調設備。
  2. 【請求項2】原子力発電所の建屋に備えられた複数の部
    屋にそれぞれ外気を圧送する複数台の送風機と、前記複
    数の部屋からそれぞれ排気空気を排出する複数台の排風
    機と、前記複数台の送風機及び排風機のそれぞれの停止
    状態を検知する停止検知手段と、前記停止検知手段で送
    風機の停止状態が検知されたときには対応する台数の排
    風機の運転を連動して停止させ、前記停止検知手段で排
    風機の停止状態が検知されたときには対応する台数の送
    風機の運転を連動して停止させる連動停止手段とを有
    し、前記複数の部屋のそれぞれの換気・空調を行う原子
    力発電所の換気空調設備において、 各送風機の供給風量を微調整可能な供給風量微調整手段
    と、 各排風機の排気風量を微調整可能な排気風量微調整手段
    と、 前記停止検知手段で前記複数台の送風機及び排風機のう
    ち一部の停止状態が検知され前記連動停止手段で対応す
    る台数の排風機及び送風機が停止されたときには、停止
    していない残りの全送風機の供給風量と停止していない
    残りの全排風機の排気風量とが一致するように、前記供
    給風量微調整手段及び前記排気風量微調整手段のうち少
    なくとも一方を動作させる風量バランス調整手段と、 を有することを特徴とする原子力発電所の換気空調設
    備。
  3. 【請求項3】原子力発電所の建屋に備えられた複数の部
    屋にそれぞれ外気を圧送する複数台の送風機と、前記複
    数の部屋からそれぞれ排気空気を排出する複数台の排風
    機と、前記複数台の送風機及び排風機のそれぞれの停止
    状態を検知する停止検知手段と、前記停止検知手段で送
    風機の停止状態が検知されたときには対応する台数の排
    風機の運転を連動して停止させ、前記停止検知手段で排
    風機の停止状態が検知されたときには対応する台数の送
    風機の運転を連動して停止させる連動停止手段とを有
    し、前記複数の部屋のそれぞれの換気・空調を行う原子
    力発電所の換気空調設備において、 前記複数台の送風機による全供給風量を前記建屋内の各
    部屋に分配して導く複数の分配供給ダクト内にそれぞれ
    設置され、各部屋への供給風量を調整可能な複数の分配
    供給ダクト風量調整弁と、 前記停止検知手段で前記複数台の送風機及び排風機のう
    ち一部の停止状態が検知され前記連動停止手段で対応す
    る台数の排風機及び送風機が停止されたときには、停止
    していない残りの全送風機の供給風量を前記建屋内の少
    なくとも1つの特定の部屋に優先して分配するように、
    前記複数の分配供給ダクト風量調整弁のそれぞれの開度
    を個別に調整する優先供給手段と、 を有することを特徴とする原子力発電所の換気空調設
    備。
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