JP3219075U - 左眼と右眼光路では光量分配率が異なる分光プリズムを組み合わせたビームスプリッター - Google Patents

Abstract

【課題】顕微鏡の左眼光路と右眼光路で光量分配率が異なり、接眼観察用とカメラ撮影用の光量が異なるビームスプリッターを提供する。【解決手段】顕微鏡は左眼用と右眼用の二光路があり、左／右眼光路はどちらでも構わないが、例えば、左眼光路を接眼観察用に５０％、カメラ撮影用に５０％の光量を分光するプリズム１をビームスプリッター内に設置する。この時、右眼光路を接眼観察用に１００％、カメラ撮影用に０％の光量を分光する透明板ガラス２をこのビームスプリッター内に設置する。【選択図】図２

Description

本考案は、接眼レンズによる観察とビデオあるいはスチルカメラによる撮影の為に光を分割するプリズムを有する、手術顕微鏡や細隙灯顕微鏡のビームスプリッターに関する。

従来、手術顕微鏡や細隙灯顕微鏡は左眼用と右眼用の二光束を持つ。この両眼光束は、ビデオ撮影等の場合に接眼レンズによる観察用とビデオあるいはスチルカメラ撮影用にビームスプリッターで分割する。この光量の分割割合は各々５０％：５０％、７０％：７０％又は８０％：２０％である。このどの割合であっても、左右の両眼光束は二個の同じ分割割合のプリズムを用いる。

従来は左眼と右眼で同一の光量であり、つまり同じ明るさで観察する。しかしながら、被写体からの光量が少ない場合、暗くて観察できないし、そこで逆に観察用に分割量を多くすると、カメラ用の分割量が少なくなり、綺麗な撮影ができない。

本件顕微鏡は左眼用と右眼用の二光路がある。左／右眼光路はどちらでも構わないが、例えば、左眼光路を接眼観察用に５０％、カメラ撮影用に５０％の光量を分光するプリズムをビームスプリッター内に設置する。この時、右眼光路を接眼観察用に１００％、カメラ撮影用に０％の光量を分光するプリズム（０％の場合、実際には透明板ガラス）をこのビームスプリッター内に設置する。

上記［課題を解決するための手段］の場合、顕微鏡観察者の右眼は１００％の全光量、左眼は右眼の半分（５０％）の光量で観察する。この時、右眼光束の半分（５０％）の光量でカメラ撮影をする。
本考案により、顕微鏡観察者は右眼の全光量の明るさで観察しているものと思い込み、カメラ撮影には観察光の半分（５０％）もの光量を使用できる。
従来、顕微鏡観察者は、カメラ撮影の為に観察光の５０％、３０％あるいは２０％を分け与えて、暗い観察を強いられた。本考案は、物が見えるのは目ではなく脳である事に気付き、明るく顕微鏡観察ができ、その上、たっぷりと光をカメラ撮影に提供できる、実用性に優れ、革新的で価値は高い。

図１は本考案の一例であるビームスプリッターの正面図である。図３の５から来た光は図１の１の分光プリズムで図３の３と４に各々５０％に分光して進む。 図２は図１のＡで切断した断面図である。 図３は立面図である。

考案を実施する為の形態

図１が示すように、左眼光路に接眼観察用に５０％、カメラ撮影用に５０％の分光するプリズムを設置する。右眼光路に接眼観察用途に１００％透過する板ガラス板を設置する。

図２が示すように、対物レンズを経過した顕微鏡像は二光路に分かれ、一方は左眼光路を上進し、分光プリズムで更に、接眼観察用に上方に５０％、カメラ撮影用に横方に５０％の光量となって進行。他方は右眼光路を上進し、板ガラスを上方に全光量が進行。これを接眼レンズで観察する。
しかるに、顕微鏡観察者の左眼は右眼に対して、半分の光量で見るから暗く見えている筈だが、脳は同じ明るさの、同じ観察物とみなす。

顕微鏡下手術では、照明光量は少ない方が術野の組織損傷は少ない。細隙灯顕微鏡でも、照明光量は少ない方が検眼患者を眩しがらせない。これに反して、記録する撮像素子は４Ｋから８Ｋへと高精細化し、かつそのサイズは更に小型化への道を目指すが、素子感度の低下と言う技術的課題を科す。
本考案は光学機器であるビームスプリッターが上記の相反する課題の解決に良好に貢献する。従来、５０〜８０％の光量でしか観察できなかったものが１００％の全量で観察でき、換言すれば、５０〜２０％の光量を落とすことができる。記録カメラは、従来２０〜５０％の光量を用いらざるをえなかった、本考案の例では、いつでも５０％を使用できる。

１ 分光プリズム
２ 板ガラス（１００：０の分光プリズム）
３ 接眼レンズ側
４ ビデオアダプター等のアクセサリー接続マウント
５ 対物レンズ側

Claims (1)

1. 左眼用と右眼用光束では異なる分配率の分光プリズムでもって構成する手術顕微鏡や細隙灯顕微鏡のビームスプリッター。尚、分配率が１００％と０％のプリズムは透明な板ガラスとも呼ぶ。

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