JP3212536B2 - アレイ式電磁超音波探傷装置 - Google Patents

アレイ式電磁超音波探傷装置

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JP3212536B2 JP12717097A JP12717097A JP3212536B2 JP 3212536 B2 JP3212536 B2 JP 3212536B2 JP 12717097 A JP12717097 A JP 12717097A JP 12717097 A JP12717097 A JP 12717097A JP 3212536 B2 JP3212536 B2 JP 3212536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラント等の
容器や配管の非破壊検査に用いられるアレイ式電磁超音
波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図2〜図7に示す。図2は
電磁超音波探触子の原理を示した図。図3は斜角電磁超
音波探触子の構成を示した図。
【0003】図4は斜角電磁超音波探触子の原理を示し
た図。図5はアレイ式電磁超音探触子の各エレメントの
配置の例を示した図。図6は従来のアレイ式電磁超音波
探傷装置を示した図。
【0004】図7はアレイ式探触子の駆動タイミングの
調整による超音波の方向制御の原理を示した図である。
電磁超音波探触子(以下、EMATともいう)とは、導
電性被検体の非破壊検査に使用される超音波探触子の一
種である。
【0005】その原理は、図2に示す如く、永久磁石も
しくは電磁石からなる磁石13から発生する磁束Bと、
導電性の被検体7の表面に生じた渦電流Jとの相互作用
により生じるローレンツ力Fを振動源として超音波Sを
発生し、また、受信については、その逆の過程で超音波
を電気信号に変換するようになされている。
【0006】この電磁超音波探触子において、導電性被
検体15の表面に渦電流Jを生じさせる手段としては、
磁石13と被検体15の間に被検体15の表面に近接し
ておかれたコイル14にパルス状の高周波電流Iを流
し、渦電流Jを誘発する方法がよく知られている。
【0007】そして、電磁超音波探触子は、磁石の磁極
の周期やコイルの構成方法を変えることにより、SH波
と呼ばれる振動モードの超音波を発生することが出来
る。SH波の斜角電磁超音波探触子の構成の例を図3に
示す。
【0008】磁石セグメント16を多数組合わせ、一定
ピッチで磁界方向が変化する周期磁界を発生させる。他
方、この磁石セグメント16とは別に、磁石セグメント
16と被検面の間に、磁石セグメント16の周期磁界の
方向に電流が流れるコイル形状7のコイルとする。
【0009】このように電磁超音波探触子を構成するこ
とにより、被検体15の表層に図4に示すように、コイ
ルに流れる高周波電流Iにより、水平方向の渦電流Jが
発生する。
【0010】このとき、磁石16による磁界の方向が一
定周期で変化しているため、各位置で発生する超音波の
位相は、磁石の幅Wの周期で180°毎に変化する。そ
して、各点での超音波の位相は、式(1)で示される方
向θで一致し合成波面を形成する。
【0011】 W・sinθ=λ/2 式(1) 但し、λは被検体中での超音波の波長を示す。被検体中
での超音波の波長はλは、被検体中での超音波の音速を
超音波の周波数で割ることで求められる。
【0012】これより、超音波は合成波面方向であるθ
方向に、主に強く伝播していくことになる。なお、図4
では、実際の超音波の振動方向は紙面方向であるが、便
宜上、紙面と平行に示している。
【0013】図5に、4エレメントのアレイ式電磁超音
波探触子における各エレメントの配置を示す。ターゲッ
トとする位置に対して被検体上面からみて、ターゲット
とする位置で送受信センサ間角度αで交差する直線に中
心を合わせ、送信側および受信側の各電磁超音波探触子
のエレメントが、逆Vの字状に配置されている。
【0014】これらの電磁超音波探触子のエレメントを
構成する磁石6については、各々のエレメントとも磁石
幅を含め同じ寸法の磁石で構成される。また、コイル7
も同様に同じ寸法形伏のものが用いられる。
【0015】送受信センサ間角度αは、各電磁超音波探
触子のエレメントが、物理的寸法で配置可能な適当な角
度に決められる。図5のア−ア視の断面で見た場合、ア
レイ式電磁超音波探触子5から、個々の探触子エレメン
トの超音波は、被検体12中での超音波の波長λ、電磁
超音波探触子エレメントの磁石の幅をWとすると、 θ=sin-1(λ/2W) 式(1A) の方向に主に伝播する。
【0016】ここで、一般に超音波探触子の周波数につ
いては、特定の周波数fを用いているため、被検体12
の材質が決まれば超音波の音速も決まってくる。そのた
め、個々の電磁超音波探触子エレメントにおいては、使
用する周波数fにより、主に超音波が伝播する方向θが
決まる。
【0017】これより、アレイ式電磁超音波探触子5
は、ターゲットとする位置に対し、その内蔵する探触子
エレメント全体の中心位置から超音波の主な伝播方向で
ある入射角θで、ターゲットとする位置に超音波が入る
位置に置かれる。
【0018】例えば.ターゲットとする位置の深さ方向
をTとした場合、T×tanθの位置にアレイ式電磁超
音波探触子5が置かれ、それに応じて各電磁超音波探触
子エレメンが配置される。
【0019】図6に、上述のようなアレイ式電磁超音波
探触子5を用いた従来の探傷装置の構成の一例を示す。
アレイ式電磁超音波探触子のエレメントの数が4個の例
を示している。
【0020】タイミングをとるため、トリガ装置1か
ら、タイミング信号が発振器17と受信装置10に出力
される。これを受けて発振器17は、条件設定装置11
から設定された周波数fのパルス信号を送信ディレイ回
路3に出力する。
【0021】送信ディレイ回路3では、アレイ式電磁超
音波探触子5の各エレメントに対応する個別のエレメン
ト別の送信ディレイ回路3a〜3dを持ち、それぞれ条
件設定装置11から設定されたディレイ時間だけ送らせ
たパルス信号を、パルサ・レシーバ回路4に出力する。
【0022】パルサ・レシーバ回路4では、アレイ式電
磁超音波探触子5の個々のエレメントa〜dに対し、そ
れぞれで送信ディレイ回路から入力されたパルス信号
を、駆動電流に変えて電磁超音波探触子エレメントを駆
動する。
【0023】アレイ式電磁超音波探触子5では、パルサ
・レシーバ回路4から個々のエレメントの駆動信号を受
け、被検体12に超音波を発生させ、一定の方向に超音
波を伝播させる。
【0024】被検体12にきず等の反射源が存在した場
合、送信側と対称に配置された受信側のエレメントで、
きず等の反射源からの反射信号を、個々に受信する。こ
の反射源の有無で、きずの有無などを判別し被検体の検
査を行う。
【0025】パルサ・レシーバ回路4では、アレイ式電
磁超音波探触子5の個々のエレメントで受信した信号を
検出し、アンプによる信号の増幅やフィルタ処理を行っ
て、受信ディレイ回路8に出力する。
【0026】受信ディレイ回路8では、個々のエレメン
トでの受信信号を、条件設定装置11から個別にディレ
イ時間それぞれ遅らせた信号を、加算回路9に出力す
る。加算回路9では、これらの個々のエレメントの受信
信号を加算し一つの受信信号として、受信装置10に出
力する。
【0027】受信装置10では、トリガ装置1からのタ
イミング信号を基準にして、加算回路9からの受信信号
を表示処理する。この受信信号波形から、反射信号の有
無を調べることにより、きずの有無などの検査の評価を
行う。
【0028】なお、図7に示すように、ディレイ回路1
8により、アレイ式電磁超音波探触子5の個々のエレメ
ントの送信・受信時間にディレイを与え調整すること
で、個々のエレメントでの超音波の主な伝播方向に関係
なく、超音波の方向を制御することが出来る。これによ
り、超音波の方向を披検体12の表面に平行な方向か
ら、垂直な方向まで変えながらの検査を行っている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術に
は、次のような問題がある。 (1)従来の方法では、アレイ式電磁超音波探触子の各
電磁超音波探触子エレメントは、基本的に同一の磁石幅
の磁石やコイルで構成されており、一定の周波数の送信
信号を用いることから、各電磁超音波探触子エレメント
の超音波の主に伝播する方向θは、全て同じ方向になっ
ている。
【0030】そして、電磁超音波探触子では、原理上、
超音波の主に伝播する方向θは決まっており、その方向
からずれると、ある程度の音のひろがりを持つ為、超音
波は伝播していくものの、ずれの量に応じて急激に伝播
する超音波の強度は低下することになる。
【0031】従って、各電磁超音波探触子エレメントを
駆動するタイミングを調整することで、超音波の方向を
変え被検体中でのターゲットとする位置を変える方法に
おいては、ここの探触子エレメントの入射角度に対する
超音波の強度分布が影響する。
【0032】即ち、個々の電磁超音波探触子エレメント
の超音波の主な伝播方向θと、探触子の駆動タイミング
を調整することで制御を行った超音波の方向が、一致し
ていない場合、探傷を行おうとしている位置には、超音
波が十分に伝播しないため、例え、きず等の反射源があ
ったとしても、十分な量の反射信号が検出できない不具
合があった。 (2)また、探触子エレメントは、その物理的寸法によ
り、隣のエレメントと一定距離はなして配置する必要が
あり、各電磁超音波探触子エレメントからの超音波の主
な超音波の伝播方向θは平行となる為、ターゲットとす
る位置に主な超音波の伝播方向θが一致するエレメント
は限られ、きずの検出性の低下の一因となっている。
【0033】そのため、ターゲットとする位置に到達す
る超音波のトータルの量が低いことから、十分な検出感
度が得られないなどの不具合があった。 (3)さらに、ある電磁超音波探触子エレメントの主な
超音波の伝播方向θに、別の超音波の反射源があった場
合、その反射源からの信号が高いレベルで受信されるこ
とがあり、本来のターゲットとする位置の検査におい
て、反射源がない場合でも反射源(きず)があるとの誤
った判定を引起こす等の間題があった。本発明は、これ
らの問題を解決することができる装置を提供することを
目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】(第1の手段) 本発明に係るアレイ式電磁超音波探傷装置は、 (A)電磁超音波探触子エレメント(a〜d)を複数個
並べて構成したアレイ式電磁超音波探触子5と、 (B)タイミング信号を出力するトリガ装置1と、 (C)前記タイミング信号に対して、個々の電磁超音波
探触子エレメント(a〜d)について、ターゲット20
の位置に応じ、条件設定装置11で設定された周波数
(fa〜fd)の送信パルス信号を、それぞれ送信ディ
レイ回路3に出力する発振器回路2と、 (D)前記電磁超音波探触子エレメント(a〜d)のそ
れぞれに対して、条件設定装置11で設定された遅れ時
間(ta〜td)を以て送信信号と受信信号を遅延させ
る送信ディレイ回路3と (E)前記送信ディレイ回路3から送信信号を受けて電
磁超音波探触子5の電磁超音波探触子エレメント(a〜
d)を個別に駆動するとともに、アレイ式電磁超音波探
触子5の個々のエレメントで受信した信号を検出し、受
信ディレイ回路8に出力するパルサ・レシーバ回路4
と、 (F)前記パルサ・レシーバ回路4からの信号を入力す
る受信ディレイ回路8と、 (G)前記受信ディレイ回路8からそれぞれの遅れを以
て出力された受信信号を合成する加算回路9と、 (H)前記トリガ装置1からのタイミング信号を基準に
して、加算回路9からの受信信号を表示処理する受信装
置10を具備し、 (I)前記発振器回路2により各エレメント別に設定す
る周波数と、駆動時間のディレイの調整により、前記電
磁超音波探触子5の各電磁超音波探触子エレメント(a
〜d)の超音波の伝播方向を、被検体12のターゲット
20に集めるようにしたことを特徴とする。
【0035】したがって、次のように作用する。 (1)本発明では、複数のエレメントを持つアレイ式探
傷装置において、タイミング信号を発生するトリガ装置
1以降、個々のエレメントの受信信号を一つの波形に加
算する加算回路9まで、全て個々のエレメント毎に、個
別に独立させた回路とし、特に発振器回路2について、
各エレメントに個別の周波数の送信信号を出すことが出
来るようにした。
【0036】そうすることで、アレイ式電磁超音波探触
子において、各電磁超音波探触子エレメントで被検体中
に発生する超音波の主な伝播方向θを制御することが出
来る。
【0037】例えば、周波数f,磁石の輻W,被検体中
での超音波の音速をSvとしたとき、超音波の主に伝播
する主方向θは、 W・sinθ=Sv/f/2 式(2) から求めることができる。
【0038】そこで、複数のエレメントを持つアレイ式
探触子において、各エレメントを構成する電磁超音波探
触子について、ターゲットとする位置から遠い方の電磁
超音波探触子エレメントから順に、超音波の主な伝播方
向を被検体の深さ方向に近付く方向とすることで、ター
ゲクトとする位置で一ヶ所に集まるようにした。
【0039】具体的には、式(2)を用いて、ターゲッ
トとする位置と各電磁超音波探触子エレメントの幾何学
的位置関係から逆に、ターゲットとする位置に対して最
適な超音波の主な伝播方向θとなるように、各エレメン
トの送信信号の周波数fを決める。
【0040】そうすることで、ターゲットとする位置に
伝播する超音波のレベルを上げることができ、きずの検
出性を向上することが出来る。 (2)また、電磁超音波探触子エレメントの主な超音波
の伝播方向θを揃えることで、別の場所の反射源を強く
捉えることが少なくなり、きずの有無について誤った判
定を生じにくくなった。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1
に示す。なお、図5および図7は、図1を説明する上
で、従来の技術の上に本発明の技術が使われているため
に、第1の実施の形態の説明にも使用する。
【0042】図1に、本発明の実施例として、4個のエ
レメントを持つアレイ式電磁超音波探触子を用いた探傷
装置の構成の一例を示す。基本的に、電磁超音波探触子
の各電磁超音波探触子エレメントの配置は、図5に示す
ように、送受信間角度αで交わる直線上に、送信側と受
信側それぞれのエレメントの中心線を合わせ、ターゲッ
トとする位置に対し、被検体の上面から見て、逆Vの字
に対称に配置する。
【0043】送受信センサ間角度αは、各電磁超音波探
触子エレメントが、物理的寸法で配置可能な適当な角度
に決められている。本発明装置(図1)では、タイミン
グをとるためトリガ装置1から、タイミング信号が発振
器回路2と、受信装置10に出力される。
【0044】これを受けて発振器回路2は、アレイ式電
磁超音波探触子の個々のエレメント(a〜d)に対し、
エレメント別の発振器(2a〜2d)を持ち、条件設定
装置11から設定された周波数(fa〜fd)の送信パ
ルス信号を、それぞれ送信ディレイ回路3に出力する。
【0045】ここで、周波数fa〜fdについては、具
体的に計算すると、ターゲット20とする位置をエレメ
ントdから 水平距離=40mm=0.04mで 深さ方向=50mm=0.05m, アレイ式電磁超音波探触子の 各エレメント間の距離=10mm=0.01m、 磁石の幅W=2.4mm=0.0024mとし、 被検体中での超音波の音速Sv=3150m/sec であったとしたとき、まず、4つのエレメント(a〜
d)の最適な超音波の屈折角(θa〜θd)が、それぞ
れ幾何学的に次のように求められる。
【0046】 θd=tan-1(40/50)=38.66deg、 θc=tan-1(50/50)=45.00deg、 θb=tan-1(60/50)=50.19deg、 θa=tan-1(70/50)=54.46deg、 式(1B) それに対して、各エレメントの送信信号の周波数は、 W・sinθ=Sv/2f 式(2) から、次のように求まる。
【0047】 fd=1051kHz, fc= 928kHz, fb= 854kHz, fa= 806kHz, 式(2A) このようにターゲットとする位置に応じて、計算された
周波数の値が、条件設定装置11によって発振器回路2
が設定され、周波数(fa〜fd)の送信パルス信号
が、それぞれ送信ディレイ回路3に出力される。
【0048】送信ディレイ回路3では、アレイ式電磁超
音波探触子5の各エレメントに対応するエレメント別の
送信ディレイ回路3a〜3dを持ち、それぞれ条件設定
装置11からターゲットとする位置に応じて設定された
パルス信号を、パルサ・レシーバ回路4に出力する。
【0049】パルサ・レシーバ回路4では、アレイ式電
磁超音波探触子5の個々のエレメント(a〜d)に対
し、それぞれ送信ディレイ回路3から入力されたパルス
信号を、駆動信号に変えて電磁超音波探触子エレメント
を駆動する。
【0050】アレイ式電磁超音波探触子5では、パルサ
・レシーバ回路4から個々のエレメント(a〜d)の駆
動信号を受け、被検体12に超音波を発生させる。個々
の超音波で発生する超音波は、ターゲットとする位置に
向かって超音波の主な伝播方向が集まるように伝播して
いく。
【0051】被検体12のターゲットとする位置に、き
ず等の反射源が存在した場合、送信側と対称に配置され
た受信側のエレメント(a〜d)で、きず等の反射源か
らの反射信号を、個々に受信する。
【0052】この反射源の有無で、きずの有無等を判別
し、被検体の検査を行う。受信側の個々のエレメント
(a〜d)で受信した信号は、再び、パルサ・レシーバ
回路4に出力される。
【0053】パルサ・レシーバ回路4では、アレイ式電
磁超音波探触子5の個々のエレメント(a〜d)で受信
した信号を、検出したアンプによる信号の増幅やフィル
タ処理を行って、受信ディレイ回路8に出力する。
【0054】受信ディレイ回路8では、個々のエレメン
ト(a〜d)での受信信号を、条件設定装置11から個
別にディレイ時間だけそれぞれ遅らせた信号を、加算回
路9に出力する。
【0055】加算回路9では、これらの個々のエレメン
ト(a〜d)の受信信号を加算し、一つの受信信号とし
て、受信装置10に出力する。受信装置10では、トリ
ガ装置1からのタイミング信号を基準にして、加算回路
9からの受信信号を表示する。
【0056】この受信信号波形から、反射信号の有無を
調べることにより、きずの有無等の検査の評価を行う。
図7に示すよう、アレイ式電磁超音波探触子5の個々の
エレメント(a〜d)の送信・受信時間にデイレイを与
え調整することで、超音波の方向を制御するとともに、
個々のエレメント(a〜d)の超音波の主な伝播方向θ
も合わせて制御し、超音波の方向を被検体12の表面に
平行な方向から、垂直な方向まで変えながらの検査を行
う。
【0057】このアレイ式収束電磁超音波探触子とする
ことで、ターゲットとする位置で、超音波の主な伝播方
向を集めることができ、超音波のパワーを集中できるこ
とから、小さなきずからの反射信号のレベルでも、高い
精度で検出することができる。
【0058】また、各電磁超音波探触子エレメントにつ
いて、主な超音波の伝播方向が集まることから、ターゲ
ットとする位置以外にある反射源からの反射信号を誤っ
て検出することが少なく、信頼性の高い検出が可能とな
る。
【0059】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)個々の電磁超音波探触子エレメントの超音波の主
な伝播方向を一か所にあつめることが出来る。即ち、タ
ーゲットとする位置へ超音波のパワーを集中でき、きず
の検出性を向上できる。 (2)また、超音波を集中させる位置を、個別に設定す
る周波数と、駆動時間のディレイの調整により、任意に
決めることができる。 (3)ターゲットとする位置に超音波の主な伝播方向を
揃えるため、ターゲットとする位置以外の反射源からの
信号が受けにくくなり、誤検出の可能性が低くなり、信
頼性の高い検査が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る探傷装置の構
成の一例を示す図。
【図2】電磁超音波探触子の原理を示した図。
【図3】斜角電磁超音波探触子の構成を示した図。
【図4】斜角電磁超音波探触子の原理を示した図。
【図5】従来のアレイ式電磁超音探触子の各エレメント
の配置の例を示した図。
【図6】従来のアレイ式電磁超音波探傷装置を示した
図。
【図7】アレイ式探触子の駆動タイミングの調整による
超音波の方向制御の原理を示した図。
【符号の説明】
1 …トリガ装置 2 …発振器回路 3 …送信ディレイ回路 4 …パルサ・レシーバ回路 5 …電磁超音波探触子 6 …磁石 7 …コイル 8 …受信ディレイ回路 9 …加算回路 10…受信装置 11…条件設定装置 12…被検体 13…磁石 14…コイル 15…被検体 16…磁石セグメント 17…発振器 18…ディレイ回路 19…探触子エレメント 20…ターゲット(焦点) B …磁束または正磁界 J …渦電流 F …ローレンツ力 I …コイル中の電流 S …超音波 W …磁石の幅 a〜d …アレイ探触子の各エレメント 2a〜2d…エレメント別の発振器 3a〜3d…エレメント別の送信ディレイ回路 4a〜4d…エレメント別のパルサ・レシーバ 8a〜8d…エレメント別の受信ディレイ回路 θ …超音波の屈折角 θa〜θd…各エレメントの超音波の屈折角 f …送信パルス信号の周波数 fa〜fd…各エレメントの超音波の励振周波数

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)電磁超音波探触子エレメント(a〜
    d)を複数個並べて構成したアレイ式電磁超音波探触子
    (5)と、 (B)タイミング信号を出力するトリガ装置(1)と、 (C)前記タイミング信号に対して、個々の電磁超音波
    探触子エレメント(a〜d)について、ターゲットの位
    置に応じ、条件設定装置(11)で設定された周波数
    (fa〜fd)の送信パルス信号を、それぞれ送信ディ
    レイ回路(3)に出力する発振器回路(2)と、 (D)前記電磁超音波探触子エレメント(a〜d)のそ
    れぞれに対して、条件設定装置(11)で設定された遅
    れ時間(ta〜td)を以て送信信号と受信信号を遅延
    させる送信ディレイ回路(3)と (E)前記送信ディレイ回路(3)から送信信号を受け
    て電磁超音波探触子(5)の電磁超音波探触子エレメン
    ト(a〜d)を個別に駆動するとともに、アレイ式電磁
    超音波探触子(5)の個々のエレメントで受信した信号
    を検出し、受信ディレイ回路(8)に出力するパルサ・
    レシーバ回路(4)と、 (F)前記パルサ・レシーバ回路(4)からの信号を入
    力する受信ディレイ回路(8)と、 (G)前記受信ディレイ回路(8)からそれぞれの遅れ
    を以て出力された受信信号を合成する加算回路(9)
    と、 (H)前記トリガ装置(1)からのタイミング信号を基
    準にして、加算回路(9)からの受信信号を表示処理す
    る受信装置(10)を具備し、 (I)前記発振器回路(2)により各エレメント別に設
    定する周波数と、駆動時間のディレイの調整により、前
    記電磁超音波探触子(5)の各電磁超音波探触子エレメ
    ント(a〜d)の超音波の伝播方向を、被検体(12)
    のターゲットに集めるようにしたことを特徴とするアレ
    イ式電磁超音波探傷装置。
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