JP3211655B2 - 成形方法および成形装置 - Google Patents

成形方法および成形装置

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JP3211655B2 JP06224896A JP6224896A JP3211655B2 JP 3211655 B2 JP3211655 B2 JP 3211655B2 JP 06224896 A JP06224896 A JP 06224896A JP 6224896 A JP6224896 A JP 6224896A JP 3211655 B2 JP3211655 B2 JP 3211655B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形材の成形方法
および成形装置に関するものであり、特に、鋳型を使用
しないで溶融材料から成形材を成形する成形方法および
成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳型を使用しないで溶融材料から成形材
を成形する成形方法が特開平2−205232号公報に
記載されている。この成形方法は、いわゆる連続鋳造法
を改良したものである。連続鋳造法は、強制冷却される
鋳型の貫通した型孔内で溶融金属を凝固させ、得られた
成形材を型孔から連続的に引き出して、長尺材を鋳造す
る方法である。それに対して、上記公報に記載の成形方
法は、鋳型の代わりに規制枠を使用するものであり、連
続引上法とでも称すべきものである。規制枠は、貫通し
た型孔を有する点では連続鋳造法の鋳型と共通している
が、溶融金属が型孔内で凝固させられるわけではなく、
型孔から上方へ外れた位置で凝固させられる。
【0003】規制枠は貫通した型孔を有する板状の部材
であって、溶融金属の表面に配置される。その規制枠の
型孔内に、溶融金属と同じ材質の比較的細いダミーバー
が挿入され、そのダミーバーの周辺の溶融金属が凝固す
るのが待たれる。型孔内の溶融金属が凝固して型孔に対
応する断面形状を有する成形スタート部材となったなら
ば、その成形スタート部材が型孔から上方へ引き出され
る。すると、成形スタート部材の下端と規制枠との間に
溶融金属が、それ自身の表面張力によって引き出され、
引出溶融金属となる。成形スタート部材の下端面である
スタート面と溶融金属上面との間に引出溶融金属が形成
されるのであり、この引出溶融金属は、当初は成形スタ
ート部材を介して、後には引出溶融金属が凝固して形成
された成形材を介して間接的に冷却され、スタート部材
ないし成形材に近い部分から順次凝固する。成形材は、
水噴射ノズルやガス噴射ノズルから噴射される水やガス
(例えば窒素ガス)により冷却され、引出溶融金属の凝
固につれて成形材が連続的に上方へ引き上げられること
により、成形材の長さが長くなって金属の長尺材が得ら
れる。
【0004】この連続引上法においては、成形材と規制
枠との間に形成された引出溶融金属が凝固して成形材と
なるため、成形材の断面形状は規制枠の型孔の断面形状
に対応したものとなる。また、引出溶融金属は規制枠の
外部で凝固して成形材となるため、溶融金属が鋳型内で
凝固させられる連続鋳造法におけるように、成形材と鋳
型の摩擦により成形材表面に疵が付いたり、鋳型が摩耗
したりすることがない。また、引出溶融金属が規制枠に
接触しない状態で凝固させられるため、一方向性凝固の
柱状晶から成る良好な成形材が得られる。その上、成形
材の引上速度を適正範囲に保てば、断面寸法が長手方向
に変化しないストレート材が得られ、引上速度を増せば
先細のテーパ材が得られ、引上速度を減ずれば先太のテ
ーパ材が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記連続引上
法においては、規制枠に形成された型孔の形状以外の断
面形状の成形材を成形することができないという問題が
あった。成形すべき成形材の断面形状が変わる毎に規制
枠を交換しなければならないのである。そこで、本願の
請求項1に係る第一発明の課題(第一課題と称する。他
の発明および課題についても同様に、請求項の番号と番
号で表すこととする)は、規制枠を交換しないで、容易
に異なる断面形状の成形材を成形し得る成形方法を得る
ことにある。
【0006】また、第二発明の課題(第二課題)は、そ
の成形材の断面寸法を予め定められた大きさに正確に制
御し得る成形方法を得ることにある。第三ないし第十発
明に共通の課題(第三ないし第十課題)は、成形材の形
状を制御し得る成形方法を得ることにある。具体的に
は、第三ないし第五発明の共通の課題は、成形材の側面
形状を制御し得る成形方法を得ることにあり、第六ない
し第八発明の共通の課題は、成形材の端面の形状を制御
し得る成形方法を得ることにある。さらに具体的には、
第三課題は、直線的な側面形状の成形材を成形し得る成
形方法を、第四課題は、湾曲した側面形状の成形材を成
形し得る成形方法をそれぞれ得ることにあり、第五課題
は、湾曲した形状の成形材を一層良好に成形し得るよう
にすることにある。そして、第六課題は、有底筒状の成
形スタート部材を使用し、それの内部空間の圧力を制御
することによって成形材の端面の形状を制御し得る成形
方法を得ることにあり、第七課題は、第六発明の成形方
法によって、成形スタート部材と補完関係にある端面形
状の成形材を得ることにあり、第八課題は、有底筒状の
成形材を得ることにある。さらに、第九課題は、成形材
の断面積を段階的に小さくし得る成形方法を得ることで
あり、第十課題は、断面積を段階的に大きくし得る成形
方法を得ることにある。
【0007】それに対して、第十一ないし第十三発明の
共通の課題(第十一ないし第十三課題)は、成形材の継
足しを行い得る成形方法を得ることにある。具体的に
は、第十一課題は、複数個の収容容器を使用して成形材
の継足しを行い得る成形方法を得ることにあり、第十二
課題は、長尺材を得ることにあり、第十三課題は、異種
材料製の成形材を結合したものに相当する成形材を得る
ことにある。第十四発明の課題(第十四課題)は、溶融
材料を引き上げて成形材を成形する引上げ法を得ること
にあり、請求項15に係る第十五発明の課題(第十五課
題)は、溶融材料を引き下げて成形材を成形する引下げ
法を得ることにある。
【0008】そして、第十六ないし第二十九発明の課題
(第十六ないし第二十九課題)は、上記成形方法を実施
し得る成形装置を得ることにある。具体的には、第十六
課題は、第一発明に係る成形方法を実施し得る成形装置
を得ることにあり、第十七課題は、第二発明に係る成形
方法を実施し得る成形装置を得ることにある。また、第
二十ないし第二十二課題は、それぞれ、第三ないし第五
発明に係る成形材の側面形状を制御し得る成形方法を実
施し得る成形装置を得ることにある。第二十三課題は、
第九,十発明に係る成形材の断面積を段階的に変える成
形方法を実施し得る成形装置を得ることにあり、第二十
四課題は成形材の断面積を段階的に小さくする第九発明
の成形方法、第二十五課題は成形材の断面積を段階的に
大きくする第十発明の成形方法をそれぞれ実施し得る成
形装置を得ることにある。さらに、第二十六課題は、第
十一ないし第十三発明の継足し方法を実施し得る成形装
置を得ることにあり、第二十七課題は、第十四発明の引
上げ法を、第二十八および第二十九課題は、第十五発明
の引下げ法を実施し得る成形装置をそれぞれ得ることに
ある。さらに、第十八,十九課題は、上記各成形装置の
一構成要素である仕切部材として望ましいものを得るこ
とである。
【0009】
【第一課題を解決するための手段,作用および効果】前
記第一課題は、溶融材料の表面である溶融材料溜表面に
成形スタート部材のスタート面を接触させた後、それら
溶融材料溜表面とスタート面とを徐々に離間させること
により溶融材料溜表面とスタート面との間で成形材を成
形する前記成形方法において、溶融材料溜表面のスター
ト面より広い部分を、その広い部分のうちスタート面に
対応する部分である対応表面を複数の部分表面に仕切り
得る間隔で形成した複数の仕切壁を有する仕切部材で覆
い、その仕切部材にスタート面を接触または近接させた
状態で溶融材料溜表面とスタート面とを接触させた後、
仕切部材を溶融材料溜表面を仕切る状態に保ちつつ成形
スタート部材と互いに離間させることによって解決され
る。
【0010】一例を図32,33に基づいて具体的に説
明する。図において600は仕切部材、602は成形ス
タート部材である。通常は、溶融材料溜表面606の、
成形スタート部材602のスタート面604より広い部
分が、仕切部材600によって覆われており、その広い
部分のうちスタート面604に対応する対応表面が、部
分表面611〜622に仕切られている。また、成形ス
タート部材602は仕切部材600から離間させられて
いる。ただし、図32,33は成形スタート部材602
と仕切部材600との関係を概念的に示すものであり、
実際には成形スタート部材602は部分表面611〜6
22,630に比較して遙に大きく、対応表面はもっと
多数の部分表面に仕切られる。また、図33におけるス
タート面604と仕切部材600との距離は図示の大き
さより遙に小さい。
【0011】仕切部材600に成形スタート部材602
が接触させられるとともに、それら仕切部材600およ
びスタート部材602が小距離降下させられ、溶融材料
溜表面606が相対的に上昇させられてスタート面60
4に接触させられ、溶融材料がスタート面604に付着
させられる。この際、溶融材料は、各部分表面において
上方に盛り上がる程度で仕切壁を越えて互いにつながる
ことがなく、また、成形スタート部材602のスタート
面604には付着するが、側面には付着しないようにさ
れることが、成形材の断面寸法精度向上の上から望まし
い。溶融材料溜表面606がスタート面604に接触さ
せられた後、仕切部材がやや上昇させられるとともに、
成形スタート部材が仕切部材から小距離離間させられ
て、スタート面604と溶融材料溜表面606との間に
引出溶融材料608が形成される。そして、引出溶融材
料608が、成形スタート部材602により冷却されれ
ば、成形スタート部材602に近接した部分が凝固し、
成形材610となる。
【0012】上記のようにスタート面604と溶融材料
溜表面606とが一旦接触させられた後に離間させられ
れば、スタート面604に対応する部分表面611〜6
22からは溶融材料がそれぞれ引き出されるが、それの
以外の部分表面630からは引き出されない。図33に
示すように、部分表面611,615,618,622
の間をそれぞれ仕切る仕切壁632は、それの両側の部
分表面から溶融材料が引き出される状態にあるが、部分
表面611とそれに隣接する部分表面630とを仕切る
仕切壁634は、それの一方の側の部分表面611から
溶融材料が引き出され、他方の側の部分表面630から
は溶融材料が引き出されない状態にある。同様に、部分
表面622と部分表面630とを仕切る仕切壁635
も、片側の部分表面622のみから溶融材料が引き出さ
れる状態にある。それに対して、部分表面630同士を
仕切る仕切壁636は、両側の部分表面630のいずれ
からも溶融材料が引き出されない状態にある。このよう
に、仕切壁には、それの両側の部分表面から溶融材料が
引き出される状態にあるもの(仕切壁632)と、片側
の部分表面のみから引き出される状態にあるもの(仕切
壁634,635)と、いずれの側の部分表面からも溶
融材料が引き出されない状態にあるもの(仕切壁63
6)とに分かれるのである。
【0013】部分表面611および部分表面622は、
成形スタート部材602が仕切部材600に接触または
近接させられた場合に、スタート面604の外形線64
0が横切る部分表面である。部分表面611において
は、溶融材料が、それの表面張力により、仕切壁634
から外形線640に向かう内向きに凸の曲線を描いて引
き出される。同様に、部分表面622においても、溶融
材料が、仕切壁635から外形線640に向かう内向き
に凸の曲線を描いて引き出される。これら部分表面61
1,622から引き出された引出溶融材料608の凝固
によって成形材610の外郭が形成されることになる
が、図から明らかなように、その引出溶融材料608の
外側面の凝固が溶融材料溜表面606近傍において行わ
れれば成形材610の断面が大きくなり、溶融材料溜表
面606から離れた位置において行われれば断面が小さ
くなる。引出溶融材料608の外側面の凝固位置は、引
出溶融材料608の、溶融材料溜表面606からの長さ
m(以下、引出し長さmと称する)で表すことができ
る。引出し長さmが大きい場合には小さい場合より、断
面が小さくなるのであり、引出し長さmが一定に維持さ
れれば、成形材610の断面の大きさが一定に維持され
る。引出し長さmは、凝固面642の外側縁と溶融材料
溜表面606との間の長さと考えることもできる。
【0014】成形材610の断面の外形線は、スタート
面604の外形線640と一致するとは限らないが、ほ
ぼ比例し、引出溶融材料608の長さを一定に保って成
形が行われる限り、成形材610の断面寸法の誤差が部
分表面の大きさ(仕切壁の間隔)の2倍(片側で部分表
面1個分)より大きくなることはない。成形材610の
断面寸法の誤差は、仕切壁の間隔が小さく部分表面の大
きさが小さいほど小さくなるのである。
【0015】断面の外形や大きさ等の異なる成形材を成
形する場合には、異なる形状や大きさのスタート面の成
形スタート部材に取り替え、上述と同様な成形を行えば
よい。スタート面の形状が変われば、仕切部材600に
おいて溶融材料が引き出されていた部分表面611〜6
22から溶融材料が引き出されなくなったり、逆に、引
き出されていなかった部分表面630から引き出された
りするが、前述のように、仕切壁は、両側の部分表面か
ら溶融材料が引き出される状態にも、片側の部分表面か
ら引き出される状態にも変わり得るため、スタート面の
形状や大きさが変わっても、従来の規制枠のように仕切
部材を取り替える必要がないのである。また、仕切部材
600においては、全体に均一に仕切壁が設けられてい
るため、スタート面を仕切部材600のいずれの位置に
接触または近接させてもよい。
【0016】なお、仕切壁の間隔、仕切壁の形状、溶融
材料の粘性、仕切部材の溶融材料に対するぬれ(親和
性)、溶融材料溜表面がスタート面に接触させられる際
の仕切部材と溶融材料溜表面との相対高さ等によって、
スタート面の外形線に近いが外形線は横切らない部分表
面からも溶融材料が引き出され、あるいは逆に、スター
ト面の外形線が僅かに横切る部分表面であっても溶融材
料が引き出されないことがある。しかし、それらの事態
は外形線近傍において生じるのみであって、外形線から
離れた部分で生じることはない。したがって、それらの
事態が生じても、スタート面の形状とほぼ同じ形状の成
形材を成形することができる。また、この場合において
も、部分表面の大きさが小さく、仕切壁の間隔が小さい
ほどスタート面と成形材の断面寸法の誤差は小さくな
る。
【0017】以上の説明においては、引出溶融材料が溶
融材料溜まりの上方へ引き出されるものとしたが、第一
発明においては、成形スタート部材と溶融材料溜表面と
が互いに離間させられれば、上方へ引き出されても、下
方へ引き出されてもよい。上方へ引き出される場合に
は、成形スタート部材が上昇させられるか、溶融材料溜
表面(上面)が下降させられるかの少なくとも一方が行
われる。溶融材料溜表面を下降させるためには、収容容
器全体が下降させられても、収容容器内の溶融材料量が
減少させられてもよい。引出溶融材料が溶融材料溜まり
の下方へ引き出される場合にも、同様に、成形スタート
部材が下降させられるか、溶融材料溜表面(下面)が上
昇させられるかの少なくとも一方が行われる。
【0018】第一発明においては、前述のように、溶融
材料溜表面のスタート面より広い部分が仕切部材によっ
て覆われる。その仕切部材は、そのスタート面より広い
部分のうち、スタート面に対応する部分である対応表面
を複数の部分表面に仕切り得る間隔で形成された仕切壁
を有するものである。そのため、溶融材料は、仕切部材
を経て引き出されることになる。成形スタート部材のス
タート面と仕切部材とが近接または接触させられた状態
で、溶融材料溜表面とスタート面とが接触させられれ
ば、スタート面に溶融材料が付着する。その後、スター
ト部材,仕切部材および溶融材料溜表面の少なくとも1
つが移動させられることにより、スタート面と仕切部
材、およびスタート面と溶融材料溜表面とがそれぞれ互
いに離間した状態にされれば、溶融材料の表面張力によ
り、スタート面と溶融材料溜表面との間に溶融材料が柱
状に引き出された引出溶融材料が形成されるとともに、
溶融材料溜表面の少なくともスタート面近傍の部分が仕
切部材の仕切壁によって部分表面に仕切られた状態とな
る。したがって、溶融材料がスタート面に付着して引出
溶融材料の一部となるか、スタート面から離間した溶融
材料溜まりの一部となるかは、部分表面毎に決まる。部
分表面の一部のみが引出溶融材料を形成し、他の部分は
溶融材料溜を形成するということはないのである。換言
すれば、部分表面がそのような大きさとなるように仕切
壁の間隔が決定されるのであり、引出溶融材料の断面積
は部分表面の面積を一単位として段階的に変わることと
なる。
【0019】上記のようにして形成された引出溶融材料
は、成形スタート部材により冷却されて、スタート面に
近い部分から凝固する。この凝固の進行につれて成形ス
タート部材と仕切部材とが徐々に離間させられれば、溶
融材料は仕切部材を経て連続して引き出され、順次凝固
して成形材を形成する。したがって、成形材の断面形状
は成形スタート部材のスタート面とほぼ同じになる。成
形スタート部材と溶融材料溜表面とが互いに離間させら
れることによって、これらの間に成形材がある程度形成
されれば、それ以降は、成形スタート部材を成形材から
離間させ、成形材と溶融材料溜表面とを離間させてもよ
い。なお、溶融材料が仕切部材を経て引き出されるた
め、仕切部材が一種のフィルタとして機能し、異物が成
形材に混入することも回避される。
【0020】仕切部材に成形スタート部材のスタート面
が接触または近接させられるのは、スタート面に溶融材
料を付着させるためである。成形スタート部材が仕切部
材に接触させられていれば、溶融材料溜表面が仕切部材
のスタート面側の面と一致させられれば溶融材料がスタ
ート面に付着するが、成形スタート部材が仕切部材から
離れさせられていても、溶融材料溜表面が仕切部材を超
えてスタート面側へ移動させられれば、溶融材料はスタ
ート面に付着する。要するに、溶融材料がスタート面に
付着するように成形スタート部材が仕切部材に接触また
は近接させられればよいのであり、成形スタート部材の
仕切部材に対する接触の程度,近接位置等が精度よく制
御される必要性は殆どない。スタート面が仕切部材に接
触させて溶融材料が付着させられる場合には、仕切部材
が成形スタート部材の位置決め部材としての機能も果た
すことになる。
【0021】前述のように、仕切部材はスタート面より
広い部分を覆うものであり、成形材の断面形状は成形ス
タート部材のスタート面の形状で決まる。換言すれば、
断面形状が異なる成形材を成形する必要がある場合に
は、成形スタート部材を交換すればよく、仕切部材を交
換する必要はないのである。成形時に、仕切部材の仕切
壁は、それの両側の部分表面から溶融材料がそれぞれ引
き出される状態にあるものと、片側の部分表面のみから
引き出される状態にあるものと、いずれの側の部分表面
からも引き出されない状態にあるものとに分かれる。し
かも、各仕切壁が上述のいずれの状態になるかは予め決
まっているわけではなく、スタート面の形状によって決
まる。そして、片側の部分表面のみから溶融材料が引き
出される状態の仕切壁が、従来の規制枠の型孔を囲う周
壁面と同様な機能を果たし、両側の部分表面から溶融材
料が引き出される状態の仕切壁と、いずれの側の部分表
面からも引き出されない状態の仕切壁とは無いに等しい
ことになる。
【0022】上述の溶融材料が引き出される部分表面
と、引き出されない部分表面とは、スタート面の形状に
よって決まる。仕切部材に成形スタート部材が接触また
は近接させられた状態において、部分表面の少なくとも
一部とスタート面とが接触または近接させられれば、そ
の部分表面からは溶融材料が引き出されるが、スタート
面が接触も近接もしない部分表面からは溶融材料は引き
出されない。したがって、引出溶融材料の断面の輪郭は
原則的に、スタート面の外形線が横切る部分表面の集合
によって規定される。ただし、引出溶融材料の側面形状
は、溶融材料の表面張力や引出溶融材料の長さ等によっ
て決まり、かつ、成形材の断面寸法は引出溶融材料の凝
固位置によって決まる。溶融材料の凝固が溶融材料溜表
面近傍において行われれば、成形材の断面寸法が大きく
なり、溶融材料溜表面から離間した位置において行われ
れば、小さくなるのである。このように、成形材の断面
寸法はスタート面のそれと全く同じになるとは限らない
のであるが、近い値になり、例えば、引出溶融材料の長
さと凝固位置とが一定に保たれれば、断面寸法が長さ方
向に変化しない成形材が得られる。
【0023】
【第二課題を解決するための手段,作用および効果】第
二課題は、第一発明に係る成形方法において、引出溶融
材料の溶融材料溜表面からの長さを予め定められた長さ
に制御しつつ溶融材料を凝固させて前記成形材を成形す
ることにより解決される。引出し長さmが長い場合には
成形材の断面寸法が小さくなり、短い場合には大きくな
る。したがって、引出し長さmを予め決められた長さに
制御すれば、成形材の断面寸法を予め決められた大きさ
に制御することができる。引出し長さmを一定に保て
ば、成形方向において断面寸法が一定の成形材を得るこ
とができる。
【0024】
【第三ないし第五課題を解決するための手段,作用およ
び効果】第三課題は、第一発明等に係る成形方法におい
て、成形スタート部材と仕切部材とを、それら成形スタ
ート部材と仕切部材との成形開始時に互いに接触または
近接させられるそれぞれの面であるスタート面と材料排
出面とを互いに平行に保って離間させることにより解決
される。また、第四課題は、成形スタート部材と仕切部
材とを、スタート面と材料排出面とを互いに平行な状態
から非平行状態へ相対回動させつつ離間させることによ
り解決され、その第四発明において、引出溶融材料を、
スタート面と材料排出面との離間速度が大きい側におい
て小さい側に比較して相対的に大きな冷却速度で冷却す
ることにより第五課題が解決される。
【0025】第三発明に従って、成形スタート部材と仕
切部材とを、スタート面と材料排出面とを互いに平行に
保って、材料排出面に垂直な方向に離間させれば、垂直
方向に延びた形状の成形材が得られる。また、成形スタ
ート部材と仕切部材とを、材料排出面に対して傾斜した
方向に離間させれば、傾斜した側面形状の成形材が成形
される。さらに、スタート面と材料排出面とを、材料排
出面に垂直な軸線のまわりに相対回転させつつその軸線
に平行な方向に離間させれば、捩じれた形状の成形材や
スパイラル状の成形材等が得られる。上記軸線がスター
ト面の中心を通るものである場合には捩じれた形状の成
形材が得られ、スタート面の中心から偏心した位置を通
るものである場合にはスパイラル状の成形材が得られる
のである。ここで、傾斜した方向に離間させる場合に
は、仕切り部材から引き出される溶融材料のうちの傾斜
方向側の溶融材料が仕切り壁を越えないように成形する
必要がある。
【0026】第四発明に従って、成形スタート部材と仕
切部材とを、スタート面と材料排出面とを互いに平行な
状態から非平行状態へ相対回動させつつ離間させれば、
湾曲した側面形状の成形材が得られる。この場合、離間
速度が大きい側と小さい側とで冷却速度が同じ場合に
は、離間速度が大きい側において引出し長さmが長くな
り、小さい側において短くなる。そのため、離間速度が
大きい側においては成形材の断面寸法が減少し、離間速
度が小さい側においては成形材の断面寸法が増大して、
正確にスタート面の移動軌跡通りの側面形状の成形材が
得られない。甚だしい場合には、離間速度が小さい側の
速度が適正な成形速度になるように離間させれば、離間
速度が大きい側における引出溶融材料が分断されること
さえある。また、凝固面を平らに制御し難くなるという
問題もある。そこで、第五発明においては、引出溶融材
料を、スタート面と材料排出面との離間速度が大きい側
において小さい側に比較して相対的に大きな冷却速度で
冷却することとしたのである。このようにすれば、引出
溶融材料の溶融材料溜表面からの引出し長さmを離間速
度が大きい側と小さい側とにおいてほぼ同じにすること
も可能になり、それによって、正確にスタート面の移動
軌跡通りの側面形状の成形材が得られるようになり、離
間速度が大きい側において引出溶融材料が分断されるこ
ともなくなり、凝固面を平らに制御し易くなる。
【0027】
【第六ないし第八課題を解決するための手段,作用およ
び効果】第六課題は、第一発明等に係る成形方法を、筒
状部と底壁部とを有する有底筒状の成形スタート部材と
仕切部材とを接触または近接させて筒状部の端面と溶融
材料溜表面とを接触させた後の一時期に、その溶融材料
溜表面と底壁部との間の空間の圧力を低下させてその空
間内に溶融材料を流入させる工程を含むものとすること
によって解決される。第七課題は、上記工程が、筒状部
の端面と溶融材料溜表面とを接触させた後直ちに実行さ
れるようにすることによって解決され、第八課題は、上
記工程が、筒状部の端面と前記溶融材料溜表面とを接触
させた後、それら筒状部と溶融材料溜表面とを離間させ
て筒状の成形材を成形した後に実行されるようにするこ
とによって解決される。
【0028】第六発明に従って、筒状部の端面と溶融材
料溜表面とを接触させた後の一時期に、その溶融材料溜
表面と底壁部との間の空間の圧力を低下させれば、その
空間に、その空間に対応する部分表面から溶融材料が流
入させられる。第七発明に従って、上記圧力を低下させ
る工程が成形開始時に実行されれば、成形材の端面の形
状が、筒状部の端面に対応する形状ではなく、その空間
に流入させられた溶融材料が凝固することに起因して形
成される形状となる。そして、成形スタート部材と仕切
部材とを互いに離間させれば、中実の成形材が成形され
る。
【0029】しかし、空間に溶融材料が吸引されて凝固
することによって形成された部分と、成形スタート部材
と仕切部材との離間により引き出された溶融材料が凝固
することによって形成された部分とでは、組織が異なる
場合があるため、その場合には、成形後塑性加工を行う
等により、組織の均一化を図ることができる。吸引速度
が引出速度と同じぐらいであれば、これらの組織もほぼ
同じになり、塑性加工は不要となるが、吸引速度が引出
速度に比べて非常に大きい場合には組織が異なることが
あるのである。また、この空間に吸引されて凝固するこ
とによって形成された部分は、成形後切断してもよい。
切断すれば、成形材の端面の形状(切断面の形状)は平
面状となるが、成形スタート部材の筒状部の端面の形状
ではなく、空間に流入させられた溶融材料の凝固に起因
して形成された形状となることには変わりがないのであ
る。
【0030】さらに、成形開始時において低下させられ
る圧力の大きさの制御によって、端面の形状を制御する
ことができる。上述の空間が溶融材料によって充填され
る程度に低下させられれば、端面の形状が上述の空間に
対応する形状になり、上述の場合ほど低下させられない
場合には、上記空間のうち溶融材料によって占められて
凝固した部分の形状となるのである。また、筒状部また
は底壁部の内側面に少なくとも1つの突部が設けられ
て、空間に流入させられた溶融材料が凝固時にその突部
を締め付けるようにされていれば、成形材の成形スター
ト部材に対する保持力を増加させ、剥離し難くすること
ができる。
【0031】それに対し、第八発明に従って、成形スタ
ート部材と仕切部材とが離間させられることによって筒
状の成形材が成形された後に、空間の圧力を低下させる
工程が行われるようにすれば、有底筒状の成形材を成形
することができる。筒状の成形材の長さが予め定められ
た長さになった後、これらを互いに離間させつつ圧力を
低下させるか、離間を停止して圧力を低下させるかすれ
ば、空間に溶融材料が流入させられ底部が形成される。
成形材の端面の形状が環状でなく平面状とされるのであ
る。なお、筒状の成形材を成形する際には、空間(筒部
の内部)の圧力を大気圧あるいは大気圧より多少高めに
することが望ましい。空間に対応する部分表面から溶融
材料が引き出されることを回避するためである。
【0032】このように、有底筒状の成形スタート部材
を使用してそれの空間の圧力を適宜低下させれば、中実
の成形材や有底筒状の成形材を得ることができる。ま
た、成形材の端面の形状を、成形スタート部材の筒状部
の端面の形状に対応した環状としたり、空間に流入させ
られた溶融材料が凝固することに起因して形成された形
状としたりすることができる。したがって、この圧力を
低下させる工程を、端面形状変更工程または断面形状変
更工程とみなすことができる。
【0033】
【第九課題を解決するための手段,作用および効果】第
九課題は、第一発明等に係る成形方法において、遮断部
材を、引出溶融材料の少なくとも一部と仕切部材との間
に侵入させることによって解決される。このようにすれ
ば、遮断部材によって引出溶融材料が分断されるため、
その部分においては、溶融材料が仕切部材を経て連続し
て引き出されなくなり、その後、成形される成形材の断
面は、それ以前の成形材の断面より遮断部材によって分
断された部分だけ小さくなる。遮断部材が成形の進行に
伴って徐々に侵入させられれば、成形材の断面が徐々に
変わり、速やかに侵入させられれば、成形材の断面が段
階的に変わる。いずれにしても、遮断部材によって分断
される部分の形状が異なれば、異なる形状の縮小面が形
成され、縮小前の断面形状が同じ成形材であっても、縮
小後の成形材の断面形状を異ならせることができる。本
発明の成形方法によれば、成形材の断面を小さくするこ
とができるため、本成形方法を、断面縮小成形法と称す
ることができる。
【0034】また、遮断部材によって、引出溶融材料す
べてが分断されれば、成形材が切断されることになる。
この場合、本工程を成形材切断工程と称することができ
る。このように、遮断部材を利用して、成形材を予め決
められた長さで切断すれば、溶融材料の無駄が少なくな
り歩留りを向上させることができる。すなわち、長尺材
を成形しておいて、その後、所望の長さで切断するよ
り、無駄を少なくすることができるのである。
【0035】
【第十課題を解決するための手段,作用および効果】第
十課題は、第一発明等に係る成形方法に、補助スタート
部材を、その補助スタート部材の第一面が引出溶融材料
と接触するとともにその第一面に隣接する第二面が仕切
部材に接触または近接する補助スタート位置に位置させ
て、その補助スタート部材の第二面に溶融材料溜表面を
接触させた後、その補助スタート部材と仕切部材とを、
成形スタート部材と仕切部材との相対移動速度とほぼ同
じ速度で離間させる工程を含ませることにより解決され
る。
【0036】補助スタート部材が補助スタート位置に位
置させられれば、第一面が引出溶融材料に接触し、その
第一面に隣接する第二面が仕切部材に接触または近接す
る。そのため、成形スタート部材のスタート面に対応す
る部分表面と補助スタート部材の第二面に対応する部分
表面とは隣接することになり、補助スタート部材と仕切
部材とが、成形スタート部材と仕切部材との相対移動速
度とほぼ同じ速度で離間させられれば、成形材の凝固面
と仕切部材との間および補助スタート部材のスタート面
と仕切部材との間の両引出溶融材料が一体的に凝固す
る。成形材の断面はほぼスタート面と第二面とを合わせ
た大きさになり、第二面に対応する部分の面積だけ大き
くなる。第二面を、補助スタート面と称することがで
き、本工程を断面拡大工程と称することができる。
【0037】なお、第二面の形状が異なれば、拡大面の
形状が異なり、拡大以前の成形材の断面形状が同じであ
っても、拡大後の成形材の断面形状を異ならせることが
できる。また、成形材によって引き出された引出溶融材
料と、補助スタート部材によって引き出された引出溶融
材料とが一体的に凝固した後は、一体化された成形材の
凝固面によって溶融材料が引き出される。したがって、
以後は、成形スタート部材および補助スタート部材の少
なくとも一方が成形材から離脱させられ、成形材と一体
的には移動しない状態とされても差し支えない。
【0038】
【第十一ないし十三課題を解決するための手段,作用お
よび効果】第十一課題は、第一発明等に係る成形方法
に、溶融材料を収容した複数個の収容容器のうち1つの
収容容器に収容された溶融材料により成形された成形材
を、他の収容容器の仕切部材に接触または近接させた
後、その仕切部材と成形材とを互いに離間させて、前に
成形された成形材に新しい成形材を継ぎ足す工程を含ま
せることにより解決される。このようにすれば、成形方
向において成形材を順次継ぎ足すことが可能となる。こ
の場合、成形材の仕切部材に接触または近接させられる
端面がスタート面となる。なお、成形材と成形スタート
部材とが一体的に仕切部材から離間させられるようにし
ても、成形スタート部材が成形材から離脱させられて、
成形材のみが仕切部材から離間させられるようにしても
よい。
【0039】ここで、1つの収容容器と他の収容容器と
に、同じ種類の溶融材料が収容されるようにすれば、第
十二課題が解決され、長尺材を成形することができる。
1つの収容容器の溶融材料によって成形可能な成形材の
長さは、収容容器の容量によって決まってしまうが、複
数の収容容器の溶融材料を使用可能とすれば、1つの収
容容器の溶融材料で成形を行うより長い成形材を得るこ
とが可能となるのである。
【0040】また、1つの収容容器と他の収容容器と
に、互いに異なる種類の溶融材料が収容されるようにす
れば、第十三課題が解決され、成形方向において材質が
段階的に変わる成形材を得ることができる。異なる種類
の溶融材料によって個々に成形された成形材同士が後に
結合されたのと同様な成形材を得ることができるのであ
る。この成形方法は、例えば、長手方向において使用環
境が変わる成形材を成形する場合に有効である。長手方
向において使用環境が変わる成形材を1種類の材料で成
形する場合には、最も厳しい使用条件に合った材料で成
形しなければならない。そのため、その材料が高価なも
のである場合には成形材全体のコストが高くなり、成形
性の悪いものである場合には,作業性が悪くなる。それ
に対して、その最も厳しい使用条件で使用される部分の
みをそれに適した材料で成形すれば、コストダウンを図
ることができ、作業性を向上させることができる。
【0041】
【第十四課題を解決するための手段,作用および効果】
第十四課題は、第一発明等に係る成形方法において、仕
切部材を、溶融材料溜まりの上向き表面近傍に配設し、
それら仕切部材と上向き表面との相対高さを予め定めら
れた高さに制御しつつ、仕切部材と成形スタート部材と
を離間させることにより解決される。上向き表面近傍に
配設された仕切部材と成形スタート部材とを離間させれ
ば、溶融材料が溶融材料溜の上向き表面から上方に引き
上げられる。引き上げられた引出溶融材料は凝固し、成
形材が成形される。このように本成形方法によれば、溶
融材料が上方に引き上げられることによって成形材が成
形されるため、本成形方法を引上げ法と称することがで
きる。
【0042】成形時には、仕切部材と溶融材料溜まりの
上向き表面との相対高さが予め定められた高さに制御さ
れる。例えば、成形途中には、上向き表面の仕切部材に
対する高さが一定に保たれることが望ましい。溶融材料
を安定して引き上げ、成形材の断面寸法を安定させるこ
とができるのである。また、成形開始時には、上向き表
面の仕切部材に対する相対高さが、材料排出面より僅か
に上方になるように制御されることが望ましい。この状
態においては、上向き表面が材料排出面から表面張力に
より上に凸に突出した状態となるため、成形スタート部
材を仕切部材に接触または近接させれば、溶融材料溜表
面を、しかもスタート面に対応する部分表面のみをスタ
ート面に確実に接触させることができる。その後は、溶
融材料溜まりの上向き表面が材料排出面より下方になる
ように制御され、スタート面に付着した溶融材料の形状
が安定化させられることが望ましい。
【0043】
【第十五課題を解決するための手段,作用および効果】
第十五課題は、第一発明等に係る成形方法において、仕
切部材を、溶融材料を収容する収容容器の底壁の少なく
とも一部を構成する状態で配設するとともに、収容容器
に収容された溶融材料の上方空間の圧力と仕切部材の下
方空間の圧力との少なくとも一方を、上方空間の圧力が
下方空間の圧力より、適正値だけ低くなるように制御し
つつ、仕切部材と成形スタート部材とを離間させること
によって解決される。仕切部材が、溶融材料を収容する
収容容器の底壁の少なくとも一部を構成する状態で配設
され、かつ、溶融材料の上方空間の圧力が下方空間の圧
力より適正値(ほぼ溶融材料の圧力ヘッドに等しい値)
だけ低くなるようにされれば、溶融材料の収容容器から
の漏れが防止される。その状態で、成形スタート部材の
スタート面と溶融材料溜の下向きの表面とが接触させら
れた後、成形スタート部材と仕切部材とが互いに離間さ
せられれば、溶融材料は下向き表面から下方に引き下げ
られるとともに、成形スタート部材に近い部分から凝固
し、成形材となる。このように、本発明の成形方法によ
れば、溶融材料が引き下げられるため、引下げ法と称す
ることができる。
【0044】上方空間の圧力が下方空間の圧力より予め
定められた条件を満たすだけ低くされれば、上方空間の
圧力のみが制御されても、下方空間の圧力のみが制御さ
れても、両方の圧力が制御されてもよい。上方空間の圧
力と下方空間の圧力との圧力差が小さい場合は、溶融材
料溜まりの下向き表面の仕切部材に対する相対位置が、
材料排出面側に近づき、圧力差が大きい場合は材料排出
面から後退する。そのため、上方空間の圧力と前記仕切
部材の下方空間の圧力との圧力差の制御は、溶融材料溜
まりの下向き表面と仕切部材との相対位置の制御である
ことになる。
【0045】具体的には、上方空間の圧力が下方空間の
圧力より、収容容器に収容された溶融材料のヘッド圧だ
け低い場合(圧力差がヘッド圧に等しい場合)には、下
向き表面が仕切部材の材料排出面とほぼ同じ位置になる
が、ヘッド圧以上低い場合(圧力差がヘッド圧以上の場
合)には、下向き表面が仕切部材の材料排出面より上に
なり、ヘッド圧ほど低くない場合(圧力差がヘッド圧よ
り小さい場合)には、下向き表面が材料排出面より下に
なる。この状態においても、溶融材料が材料排出面から
滴下することなく、下向き表面が表面張力により下方に
突出する状態になるに過ぎないように圧力差が制御され
る必要がある。
【0046】成形開始時には、圧力差がヘッド圧より小
さくされて、溶融材料の下向き表面が下方に突出した状
態とされるとともにスタート面が仕切部材に接触または
近接させられれば、スタート面に溶融材料が確実に付着
させられる。その後、圧力差がヘッド圧以上にされると
ともにスタート面が仕切部材から離間させられれば、引
出溶融材料の形状が安定し、成形中この状態が維持され
れば、断面寸法精度の高い成形材が得られる。なお、成
形開始時における引出成形材料の形成のためには、スタ
ート面が仕切部材に一旦接触もしくはごく近接させられ
た後、離間させられることが望ましいが、スタート面が
仕切部材に近接させられた状態で、圧力差がヘッド圧よ
り小さくされるのみでもよい。
【0047】
【第十六ないし第二十九課題を解決するための手段,作
用および効果】第十六課題は、溶融材料溜まりの表面と
その溶融材料溜表面に接触させた成形スタート部材とを
互いに離間させ、溶融材料の表面張力により引き出され
た溶融材料を凝固させて成形材を成形する成形装置にお
いて、溶融材料溜まりの表面を仕切る仕切壁を有する仕
切部材と、その仕切部材を、溶融材料溜まりと成形スタ
ート部材との間に位置させるとともに、その仕切部材お
よび溶融材料溜まりの表面と成形スタート部材とを互い
に離間させる離間装置とを設けたことによって解決され
る。ここで、仕切部材の仕切壁は、溶融材料溜表面を仕
切るものであれば、どのような形状のものであってもよ
く、溶融材料溜表面をその溶融材料溜表面に対して直角
に仕切るものであっても、斜めに仕切るものであっても
よい。また、仕切壁は、平板状を成すものであっても、
湾曲板状を成すものであってもよく、一直線に沿って互
いに平行に並べられたものであっても、放射線状,同心
円状,渦巻き状等に配設されたものであっても、これら
を組み合わせた形状で配設されたものであっても、不規
則に配設されたものであってもよく、仕切壁自体の形状
が不定形であってもよい。
【0048】さらに、隣接する仕切壁の間隔は、目的に
合わせて適宜決定し得るが、第十八発明におけるよう
に、長さ100mmの線分当たり4個設けられる間隔以下
とすることが望ましく、6個以上設けられる間隔以下と
することが特に望ましい。このようにすれば、スタート
面に対応する対応表面が仕切壁によって細かく仕切られ
ることになり、前記図32,33に示す成形材610の
断面寸法の誤差が過大になることを回避することができ
る。なお、仕切壁の間隔は、仕切部材全体において、均
一であっても、不均一であってもよい。
【0049】また、仕切壁が格子状に形成され、あるい
は平板に多数の貫通孔が規則的に形成されて残った部分
が仕切壁とされるなど、仕切壁が規則的に配設されてい
る場合には、それら仕切壁によって囲まれた連通穴の断
面形状も四角形,それ以外の多角形,円形等規則的なも
のとなる。また、仕切部材が粒状物の結合によって形成
される場合等には、連通穴の断面形状が不定形となる。
連通穴は、仕切部材のスタート部材と接触または近接さ
せられる側の面である材料排出面からその反対側の面ま
で連通した穴であればよく、連通穴が互いに独立してい
ることは不可欠ではない。連通穴同士が途中で交差ある
いは連通し合っていても差し支えないのである。連通穴
は、少なくとも材料排出面において、各々仕切壁によっ
て囲まれ、互いに独立していることが望ましいが、例え
ば、仕切部材が粒状物の結合によって形成される場合等
には、複数の連通穴が材料排出面において互いに連通し
合い、部分表面が細長い形状になることもあり、それで
も、仕切部材がない場合に比較して成形材の寸法精度が
向上する。連通穴が材料排出面において互いに独立して
いる場合には、第十九発明におけるように、10000
mm2 当たり16個以上の連通穴が存在するようにされる
ことが望ましく、36個以上とされることが特に望まし
い。
【0050】仕切壁は、溶融材料溜表面を部分表面毎に
仕切ることができればよく、その厚みは薄くても、厚く
てもよい。ただし、厚過ぎると寸法精度が低下し、薄過
ぎると本来引き出されるべきではない部分表面から仕切
壁を越えて溶融材料が引き出されてしまうおそれがあ
る。そのため、成形する成形材の断面積が小さい場合に
は、仕切壁の厚さを、0.2mm〜3.0mmの範囲とする
ことが望ましく、大きい場合には、0.5mm〜5.0mm
の範囲とすることが望ましい。その他、部分表面の大き
さ、成形スタート部材と仕切部材との相対移動速度、溶
融材料の表面張力の大きさ、仕切部材と溶融材料とのぬ
れ等によって、仕切壁の厚さを適宜決めることができ
る。
【0051】また、一般的には、仕切部材の材料は、溶
融材料とのぬれが比較的悪いものとすることが望まし
い。ぬれが良過ぎると仕切りの作用が小さくなってしま
うからである。溶融材料が凝固する際には凝固収縮を生
じるため、その場合に,溶融材料が直ちに供給されない
と引け巣が生じるおそれがある。そのため、凝固収縮の
観点からすれば、ぬれが比較的よいものとすることが望
ましい。しかし、一旦成形スタート部材により溶融材料
が引き出されると溶融材料の表面張力により連続的に引
き出されるため,引け巣の問題は比較的少ない。したが
って、仕切り部材のぬれは主として仕切り効果を考慮し
て決定するのが望ましいのである。ただし、第十五発明
に係る引下げ法に使用される仕切部材の材料は、第十四
発明に係る引上げ法に使用される仕切部材の材料に比較
して、溶融材料とのぬれが悪いものがよい。ぬれが悪い
方が、仕切部材から溶融材料が滴下することが良好に防
止されるからである。いずれにしても、仕切壁の材料
は、溶融材料と反応し難く、溶融温度においてそれ自体
が変形し難いものとすることが必要である。
【0052】第十七課題は、第十六発明に係る成形装置
を、溶融材料溜表面と成形スタート部材とが互いに離間
させられる間、引出溶融材料の溶融材料溜表面からの引
出し長さを予め定められた長さに制御する引出溶融材料
長さ制御装置を含むものとすることにより解決される。
前述のように、成形材の断面寸法は、引出溶融材料の引
出し長さが長い場合には小さくなり、短い場合には大き
くなる。したがって、引出し長さを制御すれば、成形材
の断面寸法を制御し得、引出し長さを一定に維持すれ
ば、成形材の断面寸法を成形方向において不変にでき
る。
【0053】第二十課題は、前記離間装置を、仕切部材
と成形スタート部材とを互いに平行な状態を保って離間
させる平行離間装置を含むものとすることにより解決さ
れる。平行離間装置は、成形スタート部材と仕切部材と
を、仕切部材の材料排出面に垂直な方向に離間させる垂
直平行離間装置と、材料排出面に平行な水平方向に離間
させる水平平行離間装置との少なくとも一方を含むもの
とされる。成形スタート部材と仕切部材とを材料排出面
に垂直な軸線のまわりに相対回転させる相対回転装置
を、垂直平行離間装置と共に含むものとしてもよい。平
行離間装置によれば、成形スタート部材と仕切部材とは
互いに平行な状態を保って離間させられるため、例え
ば、仕切部材の材料排出面に垂直な方向に延びる成形材
や傾斜した方向に延びる成形材が成形される。
【0054】第二十一課題は、前記離間装置を、成形ス
タート部材と仕切部材とを離間させるとともに、それら
成形スタート部材と仕切部材との成形開始時に互いに接
触または近接させられるそれぞれの面であるスタート面
と材料排出面とを平行な状態から非平行状態へ相対回動
させる非平行離間装置を含むものとすることによって解
決され、第二十二課題は、その第二十一発明に係る成形
装置を、引出溶融材料の冷却速度を非平行離間装置によ
るスタート面と材料排出面との離間速度が大きい側を小
さい側に比較して相対的に大きくする不均等冷却速度付
与装置を含むものとすることによって解決される。
【0055】非平行離間装置によれば、成形スタート部
材と仕切部材とが相対回動させられるため、湾曲した側
面形状の成形材を形成することができる。このように、
成形スタート部材と仕切部材とが相対回動させられる場
合には、冷却速度を、スタート面と材料排出面との離間
速度が大きい側を小さい側に比較して相対的に大きくす
る不均等冷却速度付与装置が設けられることが望まし
い。不均等冷却速度付与装置は、成形材および引出溶融
材料の少なくとも一方を冷却する装置であり、かつ、離
間速度が大きい側の冷却速度を小さい側の冷却速度より
大きくする装置である。したがって、不均等冷却速度付
与装置は、離間速度が大きい側のみを冷却する装置であ
っても、離間速度が大きい側と小さい側との両方を冷却
する装置であって、離間速度が大きい側の冷却媒体温度
が小さい側のそれより低くされた装置であってもよい。
また、離間速度が大きい側の冷却媒体温度と小さい側の
それとが同じであって、離間速度が大きい側における冷
却媒体の流速が小さい側のそれよりも大きくされた装置
であっても、離間速度が大きい側における冷却部と成形
材等との間隔が小さい側におけるそれらの間隔より短く
された装置であってもよい。さらに、離間速度が大きい
側のみを冷却する装置においては、小さい側を加熱また
は保温する装置であっても、冷却も加熱も行わない装置
であってもよい。ただし、離間速度が大きい側と小さい
側との両方を冷却する装置とした方が、引出溶融材料の
凝固を促進することができ、成形速度を早くすることが
できるため、生産性を向上させる上で望ましい。
【0056】第二十三課題は、第十六発明等に係る成形
装置を、成形材の断面形状をその成形材の成形方向にお
いて変更する断面変更装置を含むものとすることによっ
て解決される。断面変更装置は、例えば第二十四発明に
おけるように、(a) 遮断部材と、(b) その遮断部材を成
形方向と交差する方向に移動させ、仕切部材と引出溶融
材料の少なくとも一部との間に侵入する侵入位置とその
侵入位置から退避した退避位置とに移動させる遮断部材
移動装置とを含むのとされ、あるいは第二十五発明にお
けるように、(c) 補助スタート部材と、(d) その補助ス
タート部材と仕切部材とを、成形方向に、補助スタート
部材の第一面が引き出された溶融材料に接触するととも
にその第一面に隣接する第二面が仕切部材に接触または
近接する補助スタート位置から、成形スタート部材と仕
切部材との相対移動速度とほぼ同じ速度で離間させる補
助離間装置とを含むものとされる。
【0057】第二十三発明における断面変更装置には、
成形材の断面形状を変える断面形状変更装置のみなら
ず、形状は変更しないで大きさのみを変える断面相似変
更装置等も含まれる。断面相似変更装置は、例えば、仕
切部材と成形スタート部材との相対移動速度や引出溶融
材料の温度条件等を制御する装置としたり、〔発明の補
足説明〕の態様49において述べるように、傾斜部を有
した仕切部材と溶融材料溜表面との相対位置を制御する
装置としたりすることができる。
【0058】第二十四発明に係る成形装置は、断面形状
変更装置の一態様を含むものである。遮断部材が、遮断
部材移動装置によって引出溶融材料に侵入させられれ
ば、その部分において引出溶融材料が分断され、それ以
降、成形材の断面が小さくされ、断面形状が変更され
る。遮断部材は、引出溶融材料に挿入するものであるた
め、平板状または棒状を成したものであることが望まし
い。また、引出溶融材料と反応し難く、溶融温度におい
て変形し難いものであることが望ましい。
【0059】遮断部材移動装置は、遮断部材を侵入位置
と退避位置とに、成形方向と交差する方向に移動させる
装置であるが、例えば、遮断部材を、水平な方向、すな
わち、仕切部材の材料排出面に平行な方向に移動させる
水平移動装置とすることができる。遮断部材が平板状を
成すものである場合に、退避位置に移動させた後、さら
に、回動させる回動装置を含むものとすることができ
る。また、遮断部材移動装置は、遮断部材を侵入位置に
移動させた後、その位置において停止状態に保つ侵入位
置保持装置を含むものであっても、成形方向と交差する
方向に移動させる交差方向移動装置を含むものであって
も、成形方向に成形スタート部材と共に仕切部材から離
間させる成形方向離間装置を含むものであってもよい。
【0060】さらに、遮断部材移動装置は、1個の遮断
部材を移動させる装置であっても、複数個の遮断部材を
移動させ得る装置であってもよく、後者においては複数
個の遮断部材を同時に移動させる同時移動装置を含むも
のであっても、個別に移動させる個別移動装置を含むも
のであっても、両方の装置を含むものであってもよい。
また、断面形状変更装置を、複数個の遮断部材移動装置
を有するものとすることによって、複数個の遮断部材が
移動させられるようにすることもできる。いずれにして
も、複数個の遮断部材は、形状や大きさが同じものであ
っても、いずれか一方が異なるものであってもよい。
【0061】第二十五発明に係る成形装置は、第二十四
発明とは別の態様の断面形状変更装置を含むものであ
る。補助スタート部材が、補助離間装置によって、補助
スタート位置に移動させられた後、成形スタート部材と
共に仕切部材から離間させられれば、補助スタート部材
の第二面に対応する部分表面から引き出された溶融材料
が、成形スタート部材のスタート面に対応する部分表面
(成形材の凝固面に対応する部分表面)から引き出され
た溶融材料と一体的に凝固し、成形材の断面形状が大き
くなる。成形材の断面形状が、補助スタート部材の第二
面の形状に対応する分だけ段階的に大きくされるのであ
る。
【0062】補助スタート部材は、成形スタート部材の
スタート面に対応する部分表面から引き出された引出溶
融材料に接触する第一面と、その第一面に隣接し、仕切
部材に接触または近接し得る第二面とを有するものであ
れば、どのような形状を成したものであってもよく、例
えば、直方体形状のものとすることができる。したがっ
て、第一面は、大部分の場合には、成形スタート部材の
スタート面に対応する部分表面から引き出された引出溶
融材料のみならず成形材にも接触することになる。ま
た、補助離間装置によって離間させられる補助スタート
部材は、遮断部材と同様に、1個であっても複数個であ
ってもよく、複数個の補助スタート部材は、形状や大き
さが互いに同じものであっても、互いにいずれか一方が
異なるものであってもよい。同様に、断面形状変更装置
が複数個の補助離間装置を含む場合もある。
【0063】第二十六課題は、第十六発明等に係る成形
装置を、(e) 溶融材料を収容する複数個の収容容器と、
(f) それら複数個の収容容器と成形材の仕切部材側の端
部とを成形方向と交差する方向に相対移動させて、複数
個の収容容器のうち成形材の端部に対向するものを選択
する収容容器選択装置とを含むものとすることによって
解決される。ここで、収容容器選択装置は、収容容器を
移動させるものであっても、成形材を移動させるもので
あってもよく、両方を移動させるものであってもよい。
なお、相対移動には相対回動も含まれる。本成形装置に
よれば、成形材が順次継ぎ足されて成形されるため、本
成形装置を継足し成形装置と称することができる。ま
た、複数個の収容容器各々に同じ種類の溶融材料が収容
されている場合には、長尺材を成形することができるた
め、本成形装置を長尺材成形装置と称することができ、
複数個の収容容器のうちの少なくとも2つの収容容器に
互いに異なる種類の溶融材料が収容されている場合に
は、異なる溶融材料で成形された成形材同士が結合され
ることと結果的に同じになるため、異種材料成形材結合
装置と称することができる。
【0064】第二十七課題は、第十六発明等に係る成形
装置を、(g) 仕切部材を溶融材料溜まりの上向き表面近
傍に保持する仕切部材保持部材と、(h) その仕切部材保
持部材と溶融材料溜まりの上向き表面との相対高さを予
め定められた高さに制御する相対高さ制御装置とを含む
ものとすることによって解決される。本成形装置におい
ては、仕切部材が溶融材料溜まりの上向き表面近傍に保
持されているため、仕切部材の上面が材料排出面とな
り、溶融材料は、溶融材料溜まりの上向き表面から上方
に引き上げられて成形材とされる。したがって、本成形
装置を引上装置と称することができる。相対高さ制御装
置は、仕切部材保持部材によって保持された仕切部材を
移動させる仕切部材昇降装置を含むものであっても、溶
融材料が収容された収容容器またはそれの底壁を移動さ
せることによって溶融材料溜まりの上向き表面を移動さ
せる底壁昇降装置を含むものであってもよい。また、
〔発明の補足説明〕の態様80で述べるように、収容容
器に溶融材料を補給する溶融材料補給装置を含むものと
することができる。収容容器に溶融材料を補給すること
によって溶融材料溜まりの上向き表面の高さを制御する
ことができる。
【0065】仕切部材保持部材は、仕切部材を溶融材料
溜表面に対して移動可能に保持するものであっても、固
定的に保持するものであってもよく、前者のように移動
可能に保持するものである場合には、回転可能に保持す
るものとすることができる。このようにすれば、第二十
発明に係る成形装置において、仕切部材を回転させるこ
とによって成形スタート部材と仕切部材とを相対回転さ
せることが可能となる。また、第二十三ないし第二十五
発明に係る成形装置において、仕切部材を成形スタート
部材と共に仕切部材の材料排出面に垂直な軸線のまわり
に回転させれば、断面変更装置に対向する成形材の側面
を変えることができるため、断面変更装置が遮断部材や
補助スタート部材を成形材の一側面に対してしか作用さ
せ得ないものであっても、断面形状を変更し得る成形材
側面を変えることができる。
【0066】第二十八課題は、第十六発明等に係る成形
装置において、仕切部材を、溶融材料を収容する収容容
器の底壁の少なくとも一部を成すものとすることによっ
て解決される。本発明の成形装置においては、収容容器
の底壁の一部が仕切部材によって形成されているため、
仕切部材の下面が材料排出面となり、溶融材料は溶融材
料溜まりの下向き表面から下方に引き下げられて成形材
とされる。したがって、本成形装置を引下装置と称する
ことができる。
【0067】第二十九課題は、上記第二十八発明に係る
成形装置を、収容容器に収容された溶融材料の上方空間
と仕切部材の下方空間との間に予め定められた大きさの
圧力差を生じさせる圧力差発生装置を含むものとするこ
とによって解決される。圧力差発生装置によって上方空
間の圧力と下方空間の圧力との圧力差が予め定められた
大きさにされれば、溶融材料溜まりの下向き表面の仕切
部材に対する相対位置が予め定められた位置とされる。
したがって、圧力差発生装置を相対位置制御装置の一態
様とみなすことができる。
【0068】
【発明の補足説明】本発明は、上記請求項に記載された
実施態様の他、以下の態様でも実施することができる。 (1)前記仕切部材を経て引き出された引出溶融材料の
温度を調節しつつ、前記成形スタート部材と前記仕切部
材とを互いに離間させる請求項1〜15のいずれか1つ
に記載の成形方法。 (2)前記引出溶融材料の外側面を冷却しながら、前記
成形スタート部材と前記仕切部材とを互いに離間させる
請求項1〜15,態様1のいずれか1つに記載の成形方
法。 (3)前記引出溶融材料の外側面を加熱しながら、前記
成形スタート部材と前記仕切部材とを互いに離間させる
請求項1〜15,態様1,2のいずれか1つに記載の成
形方法。 (4)前記成形スタート部材と仕切部材との相対移動速
度を制御しつつ、溶融材料を凝固させて前記成形材を成
形する請求項1〜15,態様1〜3のいずれか1つに記
載の成形方法。 (5)前記引出溶融材料の前記溶融材料溜表面からの長
さをほぼ一定に保ちつつ溶融材料を凝固させて前記成形
材を成形する請求項1〜15,態様1〜4のいずれか1
つに記載の成形方法。引出溶融材料の温度を調節した
り、成形スタート部材と仕切部材との相対移動速度を制
御したりすれば、凝固面の形状,凝固速度,成形速度,
成形材の断面の大きさ(引出溶融材料の溶融材料溜表面
からの長さ),成形材の材質等を制御することができ
る。引出溶融材料の温度調節を行う場合には、引出溶融
材料を直接冷却したり加熱したりする場合や、成形材を
冷却したり加熱したりすることによって引出溶融材料を
間接的に冷却したり加熱したりする場合がある。また、
引出溶融材料の端面の温度を調節する場合や外側面の温
度を調節する場合等がある。さらに、これら冷却温度や
加熱温度を調節したり、冷却位置や加熱位置を調節した
りする場合もある。溶融材料の凝固面の形状は凹状ある
いは平ら状であることが望ましい。凸状になると、仕切
部材内において溶融材料が凝固し、溶融材料を仕切部材
を経て引き出すことが困難になるおそれがあるのであ
る。この問題は、例えば、引出溶融材料の外側面を冷却
することによって解決することができる。図34に示す
ように、成形材730の仕切部材732近傍を冷却する
ことによって引出溶融材料734の外側面を冷却すれ
ば、外側面近傍が内部より先に凝固するため、凝固面7
36が凹状になる。通常は外側面近傍の温度は内部の温
度より低くなるため、特に外側面を冷却しなくても、外
側面近傍の方が先に凝固する。しかし、外側面を積極的
に冷却すれば、冷却しない場合に比較して、凝固面を確
実に凹状とし、凝固速度を早くすることができる。少な
くとも成形材の切断時には、凝固面が平らな状態にある
ことが望ましい。例えば、引出溶融材料734の外側面
を加熱することによって平らにすることができる。外側
面を加熱すれば、外側面近傍の温度と内部の温度との差
が小さくなり、凝固面がほぼ平らになる。なお、外側面
を保温すれば足りる場合もあり、この保温は加熱に含ま
れるものとする。また、成形材730の仕切部材732
から離間した部分の外側面を冷却するとともに端面を冷
却すれば、引出溶融材料734において、内部の温度が
外側面近傍の温度より低くなる場合があり、凝固面73
6が凸状となる場合がある。すなわち、成形材730の
冷却位置や冷却温度等を調節すれば、凝固面736を平
らにすることができるのである。さらに、冷却温度を低
くすれば冷却速度が早くなるため、凝固速度を早くする
ことができ、成形スタート部材と仕切部材との相対移動
速度も合わせて制御すれば、成形速度を早くすることが
できる。また、成形材や引出溶融材料の加熱位置,加熱
温度,冷却位置,冷却温度等の温度制御条件や成形スタ
ート部材と仕切部材との相対移動速度を制御すれば、請
求項2に記載のように、引出溶融材料の溶融材料溜表面
からの引出し長さを予め定められた長さに制御すること
ができ、成形材の断面の大きさ(断面の外形)を制御す
ることができる。態様5の成形方法のように上述の引出
し長さを一定に保つこともでき、その場合には、成形材
の断面の大きさを一定の大きさに維持することができ
る。態様5の成形方法は、請求項2において、予め定め
られた長さを一定にした場合に該当する。さらに、凝固
速度や引出溶融材料の温度条件を制御すれば、成形材の
結晶状態を制御することができ、それにより成形材の物
理的性質を調整することができる。 (6)前記溶融材料を攪拌しながら、前記成形スタート
部材と前記仕切部材とを互いに離間させる請求項1〜1
5,態様1〜5のいずれか1つに記載の成形方法。溶融
材料を攪拌しながら成形を行った方が、均質な成形材を
得ることができる。溶融材料は複数種類の物質を含むも
のである場合が多い。そのため、溶融材料を仕切部材か
ら引き出して成形材を成形する場合にこれら複数種類の
物質が均等に引き出されるわけではなく、結晶し易い物
質や仕切壁とのぬれがよい物質等が優先的に引き出され
て凝固する。そのため、収容容器内においては、仕切部
材近傍にある溶融材料と離れた位置にある溶融材料とで
成分が異なったり、成形された成形材においては、成形
方向において成分が変わったりする。そこで、溶融材料
を攪拌して収容容器に収容された溶融材料の成分を均質
とし、成形材の成形方向における成分の変化を小さくす
るのである。また、攪拌によって、溶融材料の温度を均
一にできるという利点もある。攪拌しなければ、対流に
より収容容器下部の温度が上部の温度より低くなるので
ある。 (7)前記溶融材料を囲む空間に気体を供給しながら前
記成形スタート部材と前記仕切部材とを互いに離間させ
る請求項1〜15,態様1〜6のいずれか1つに記載の
成形方法。気体の供給は、冷却の他に溶融材料の酸化防
止を目的として行われる。そのため、気体は、少なくと
も酸素を含まないものとし、引出溶融材料や溶融材料溜
表面に供給する。本態様の成形方法によれば、溶融材料
が、概して反応性が高い材料であっても(溶融材料が1
つの物質から成っていてその物質が反応性が高いもので
ある場合や、溶融材料が複数の物質から成っていてそれ
ら複数の物質のうちの少なくとも1つの物質が反応性の
高いものであるため、溶融材料が全体として反応性が高
いものとなる場合があり、これらを含めて「概して反応
性が高い」と称する。)、酸化を防止することができ、
良質の成形材を得ることができる。溶融材料が活性金属
等を含むものであり、特に反応性の高いものであって
も、酸化を防止しつつ成形することが可能となる。ま
た、気体を供給すれば、溶融材料が多少加圧された雰囲
気中に存在することになるため、溶融材料が蒸気圧の高
い金属や気体含有量が多い金属を含むものであっても、
成形を良好に行うことができるという利点もある。ここ
で、供給する気体としては、ヘリウム,アルゴン等の不
活性ガスや窒素ガス等が好適であるが、窒素ガスを使用
すれば、コストダウンを図ることができ、不活性ガスを
使用すれば、酸素以外の物質と反応することも防止する
ことができる。 (8)前記仕切部材と前記溶融材料溜表面との間の相対
位置を予め定められた位置になるように制御しつつ、前
記溶融材料を凝固させて前記成形材を成形する請求項1
〜15,態様1〜7のいずれか1つに記載の成形方法。
態様49で述べるように、仕切部材が傾斜部を有してい
る場合等特殊な場合を除いて、成形時には、仕切部材と
溶融材料溜表面との相対位置が一定に保たれることが望
ましい。相対位置が一定であれば、溶融材料の引出しを
最も安定して行うことができ、成形材の断面および成形
方向における形状を安定させることができる。具体的に
は、請求項14に記載の引上げ法による場合には、仕切
部材と溶融材料溜まりの上向き表面との相対高さが予め
定められた高さになるように制御され、請求項15の引
下げ法による場合には、上方空間の圧力と下方空間の圧
力との圧力差が予め定められた大きさになるように制御
されることになる。 (9)前記成形スタート部材を前記仕切部材に接触また
は近接させるとともに前記溶融材料溜表面を前記仕切部
材の成形スタート部材側の面である材料排出面側へ移動
させて、成形スタート部材のスタート面に溶融材料溜表
面を接触させ、その後、材料排出面と溶融材料溜表面と
の間の相対位置を予め定められた位置とする工程を含む
態様8に記載の成形方法。溶融材料溜表面を仕切部材の
材料排出面側へ移動させれば、成形スタート部材のスタ
ート面に溶融材料溜表面を確実に接触させて付着させる
ことができる。その後、溶融材料溜表面を材料排出面か
ら後退させるとともに成形スタート部材と仕切部材とを
僅かに離間させれば、ネッキングにより、成形スタート
部材に付着した溶融材料の形状の安定化を図ることがで
きる。そして、成形時には、溶融材料溜表面をほぼ材料
排出面と同じ位置にする。その結果、溶融材料を安定し
て引き出させ、成形材の形状を安定させることができ
る。予め定められた位置を、例えば、材料排出面とほぼ
同じ位置とすることができるのである。なお、ネッキン
グを生じさせる場合には、溶融材料溜表面を材料排出面
から後退させないで、成形スタート部材を仕切部材から
離間させるだけでも、成形スタート部材を仕切部材から
離間させないで、溶融材料溜表面を材料排出面から後退
させるだけでもよい。例えば、引上げ法による場合に
は、仕切部材を下降させて、溶融材料溜表面が仕切部材
の材料排出面より僅かに上方に位置するようにするとと
もに成形スタート部材を仕切部材に接触または近接させ
る。スタート面に溶融材料を付着させた後、仕切部材を
上昇させて溶融材料溜表面が仕切部材の材料排出面より
下方に位置するようにするとともに、成形スタート部材
を僅かに上方に移動させる。そして、溶融材料溜表面を
材料排出面とほぼ同じか僅かに低い位置に保ちつつ成形
を行うのである。引下げ法による場合には、上方空間の
圧力と下方空間の圧力との圧力差をヘッド圧より僅かに
小さくして溶融材料溜表面を仕切部材の材料排出面より
僅かに下方へ突出させるとともに成形スタート部材を仕
切部材に接触または近接させてスタート面に溶融材料溜
表面を接触させる。その後、圧力差をヘッド圧より僅か
に大きくすることと成形スタート部材を僅かに下方へ移
動させることとの少なくとも一方を行わせる。そして、
圧力差をほぼヘッド圧に保ちつつ成形材の成形を行うの
である。圧力差をヘッド圧より小さくする場合には、溶
融材料が表面張力により仕切部材から滴下しないように
する。なお、本態様に記載の一連の工程は、成形開始時
に行われる準備工程である。 (10)前記成形スタート部材と前記仕切部材とを、そ
れら成形スタート部材と仕切部材との成形開始時に互い
に接触または近接させられるそれぞれの面であるスター
ト面と材料排出面とを互いに平行に保って垂直方向に離
間させつつ、これらにさらに他の運動を行わせる工程を
含む請求項1〜15,態様1〜9のいずれか1つに記載
の成形方法。成形材を成形する場合には、通常、成形ス
タート部材と仕切部材とを、スタート面と材料排出面と
を互いに平行状態に保ったまま、垂直方向に離間させ
る。しかし、垂直方向に平行離間させるだけでなく、他
の運動も行わせれば、成形材の形状を単純な棒状以外の
形状にすることができる。他の運動には、スタート面と
材料排出面とが平行状態に維持されたまま行われる平行
維持運動と、平行状態に維持されない不平行運動とがあ
る。成形スタート部材と仕切部材とを三次元的に相対移
動させることも可能である。 (11)前記成形スタート部材と前記仕切部材とを、水
平方向に相対移動させる工程を含む請求項1〜15,態
様1〜10のいずれか1つに記載の成形方法。本態様に
おける水平方向相対移動は、垂直方向の平行離間と別個
に行われても、並行して行われてもよいが、並行して行
われる場合には、この水平方向相対移動が態様10にお
ける他の運動であり、平行維持運動の一種であることに
なる。成形スタート部材と仕切部材とを垂直方向に離間
させつつ水平方向に相対移動させれば、傾いた形状の成
形材を成形することができる。 (12)前記仕切部材と前記成形スタート部材とを相対
回転させる工程を含む請求項1〜15,態様1〜10の
いずれか1つに記載の成形方法。態様11における場合
と同様に、相対回転を垂直方向平行離間と並行して行え
ば、相対回転が態様10における他の運動であり、平行
維持運動の一種であることになる。成形材の断面形状が
円形以外の形状の場合には、相対回転中心線を成形材の
断面形状の中心と一致させれば捩じれた棒材ないし線材
が得られる。相対回転中心線を断面形状の中心から外れ
た位置とすれば、断面形状が円形であると否とを問わず
スパイラル状の棒材ないし線材が得られる。相対回転中
心線を成形材の断面の外形線上の各点までの距離が一定
ではない点を通るものとすれば、仕切部材と成形スター
ト部材とを相対回転させることによって成形材の外形を
変形させることができるのである。特に、相対回転中心
線を、成形材の断面の外形線の外側を通るものとすれ
ば、コイル材が得られ、さらに断面形状を筒状とすれ
ば、中空のコイル材が得られる。 (13)前記仕切部材と前記成形スタート部材とを、引
出溶融材料を分断する相対速度で相対移動させる工程を
含む請求項1〜15,態様1〜12のいずれか1つに記
載の成形方法。前述のように、成形スタート部材と仕切
部材との相対移動速度を大きくすれば、引出溶融材料を
分断することができ、成形材を切断することができる。
引出溶融材料と、仕切部材内の溶融材料、すなわち収容
容器に収容された溶融材料とが分断されるのである。相
対移動方向は垂直方向であっても、水平方向であっても
これらと交差する方向であってもよい。仕切部材と成形
スタート部材とを相対移動させる場合には、予め溶融材
料溜表面を仕切部材の材料排出面から後退させておくこ
とが望ましい。引上げ法による場合には、溶融材料溜表
面を仕切部材の材料排出面より低くし、引下げ法による
場合には、溶融材料溜表面を仕切部材の材料排出面より
高くしておくのである。本態様の工程は成形材切断工程
と称することができ、この成形材切断工程により切断す
る方法を高速相対移動切断法と称することもできる。成
形スタート部材と仕切部材とを垂直方向に相対移動させ
て引出溶融材料を分断する際の相対移動速度の大きさ
は、溶融材料の表面張力等によって決まる。引出溶融材
料の温度条件が同じであれば、相対移動速度が大きくな
れば引出し長さmも大きくなるが、引出し長さmが大き
くても、表面張力により溶融材料が仕切壁と成形材との
間において形状を保持し得る状態にあれば、引出溶融材
料が分断されることがない。それに対して、引出し長さ
mが溶融材料が表面張力により形状を保持できなくなる
ほど大きくなると、引出溶融材料が分断される。形状を
保持できなくなるより早い速度で相対移動させれば、引
出溶融材料が分断されるのである。また、成形スタート
部材と仕切部材とを水平方向に相対移動させることによ
って切断する場合には、水平方向の相対移動速度を垂直
方向の離間速度に対して非常に大きく(例えば30倍以
上に)する必要があり、移動ストロークを成形材の太さ
より大きくする必要がある。なお、仕切部材と成形スタ
ート部材との相対回転によっても、成形材を切断するこ
とができる。この場合には、回転中心を、成形材が成形
された部分から外れた位置とすることが望ましい。 (14)前記遮断部材を、前記引出溶融材料に侵入させ
た後、成形スタート部材と共に仕切部材から離間させる
工程を含む請求項9,態様1〜13のいずれか1つに記
載の成形方法。遮断部材が成形スタート部材と共に仕切
部材から離間させられれば、遮断部材の成形材側の溶融
材料が凝固し、成形材の縮小面が形成される。例えば、
引上げ法において、仮に遮断部材が成形材と共に移動さ
せられないとすれば、凝固していない溶融材料が成形材
側から滴下するおそれがある。特に、凝固面が凹状の場
合には、未だ凝固していない溶融材料が滴下するのであ
る。その結果、その部分(縮小面)において溶融材料が
不足し、窪みが形成されることとなる。それに対して、
本態様によれば、遮断部材によって溶融材料が滴下する
ことが回避されるため、縮小面に溶融材料の不足に起因
した窪みが形成されることを回避することができる。 (15)前記遮断部材を前記引出溶融材料に侵入させた
後、その遮断部材を前記仕切部材に近接した位置に残し
て前記成形スタート部材と仕切部材とを互いに離間させ
る工程を含む請求項9,態様1〜13のいずれか1つに
記載の成形方法。例えば、引下げ法による場合には、遮
断部材を成形材と共に移動させなくても、溶融材料が滴
下することがないため、成形材の縮小面に溶融材料の不
足に起因した窪みが形成されることはない。したがっ
て、遮断部材を成形材と共に仕切部材に対して相対移動
させる必要がない。また、成形スタート部材と仕切部材
とが互いに離間させられる間、遮断部材は静止状態に維
持しても、成形方向と交差する方向に移動させてもよ
い。遮断部材の侵入は、成形スタート部材と仕切部材と
の相対移動を停止させることなく行われることが多く、
これは後者の場合に相当する。これらいずれの方法によ
るかは、遮断部材の形状によっても変わってくる。遮断
部材が成形材より幅の広い平板状を成すものである場合
には、遮断部材を静止状態に保持することが多いが、棒
状を成すものである場合には、移動させることが多いの
である。 (16)遮断部材を、前記引出溶融材料の断面全体を横
断する位置へ移動させる工程を含む請求項1〜15,態
様1〜15のいずれか1つに記載の成形方法。引出溶融
材料の断面全体が遮断部材によって横断されれば、仕切
部材内に収容された溶融材料と、成形材側の溶融材料と
が完全に分断され、成形材が切断される。本工程を遮断
部材による切断工程と称することができる。例えば、遮
断部材が平板状を成したものであり、引出溶融材料の断
面より大きいものである場合には、その遮断部材が侵入
位置に移動させられることによって引出溶融材料の断面
全体が横断されることになる。それに対して、引出溶融
材料の断面より小さい場合,棒状を成している場合に
は、遮断部材を侵入位置に移動させた状態でさらに断面
に沿って移動させたり、複数個の遮断部材を侵入位置に
移動させたりすることによって断面全体が横断されるこ
とになる。 (17)前記補助スタート部材を、2つ以上の成形材の
間において、これら成形材の側面および前記引出溶融材
料の少なくとも一方にそれぞれ接触するとともに仕切部
材に接触または近接する結合補助スタート位置に位置さ
せた後、その補助スタート部材と仕切部材とを、これら
2つ以上の成形材と仕切部材との相対移動速度とほぼ同
じ相対移動速度で、互いに離間させる工程を含む請求項
10,態様1〜16のいずれか1つに記載の成形方法。
本工程によれば、2つ以上の成形材を結合して分岐型の
成形材を得ることができる。したがって、本態様の工程
を成形材結合工程、本工程を含む成形方法を分岐型成形
材成形法と称することができる。ここで、2つ以上の成
形材は各々、すでに成形されたものであっても、成形途
中のものであってもよく、前者のすでに成形されたもの
である場合には、補助スタート部材は成形材に接触する
ことになるが、後者の成形途中のものである場合には、
たいていは、成形材および引出溶融材料に接触する。 (18)中空状を成し、それの互いに隣接する第一面お
よび第二面に共に開口が形成された形状付加部材を、前
記第一面が前記引出溶融材料に接触し、前記第二面が前
記仕切部材に接触または近接する形状付加位置に位置さ
せた後、前記形状付加部材の内部空間の圧力を低くする
工程を含む請求項1〜15,態様1〜17のいずれか1
つに記載の成形方法。形状付加部材を形状付加位置に位
置させた後、空間を低圧にすれば、その空間に溶融材料
が流入させられて凝固する。その空間に流入させられた
溶融材料は成形材と結合し、その空間の形状に対応する
形状の成形部が成形材に付加されることになる。この場
合、前述の第六ないし第八発明における場合と同様に、
空間を低圧にすることによって付加された部分と、成形
スタート部材と仕切部材との相対移動によって成形され
た部分とでは、組織が異なる場合があるため、その場合
には、成形後、塑性加工を行う等により組織の均一化を
図ることが望ましい。 (19)前記仕切部材と前記溶融材料が収容された収容
容器の底壁との間の距離を予め定められた大きさに制御
しつつ、前記仕切部材と前記成形スタート部材とを離間
させる請求項14,態様1〜18のいずれか1つに記載
の成形方法。仕切部材と溶融材料が収容された収容容器
の底壁との間の距離を制御すれば、溶融材料の上向き表
面の仕切部材に対する相対高さを制御することができ
る。溶融材料溜まりの量が同じ場合には、これらの間の
距離が長ければ相対高さが低くなり、短ければ相対高さ
が高くなる。 (20)前記仕切部材と前記溶融材料溜まりの上向き表
面との相対高さを一定に保ちつつ、前記仕切部材と前記
成形スタート部材とを離間させる請求項14,態様1〜
19のいずれか1つに記載の成形方法。例えば、態様1
9において、溶融材料の引出しに伴って(成形の進行に
伴って)、仕切部材と収容容器底壁との間の距離を小さ
くすれば、相対高さを一定に保つことができる。 (21)前記収容容器内の前記溶融材料の上方空間の圧
力と前記仕切部材の下方空間の圧力との少なくとも一方
を、上方空間の圧力が下方空間の圧力より、ほぼ収容容
器に収容された溶融材料のヘッド圧だけ低くなるように
制御しつつ、前記成形スタート部材と前記仕切り部材と
を相対移動させる請求項15,態様1〜19のいずれか
1つに記載の成形方法。上方空間の圧力と下方空間の圧
力との圧力差を収容容器に収容された溶融材料のヘッド
圧にほぼ等しく保てば、仕切部材の材料排出面と溶融材
料溜表面との相対位置をほぼ等しく保つことができ、溶
融材料が仕切部材から滴下することなく、安定して引き
出される。 (22)前記溶融材料を収容する収容容器に溶融材料を
補給しつつ前記成形材を成形する請求項1〜15,態様
1〜21のいずれか1つに記載の成形方法。溶融材料を
補給しつつ成形材を成形する場合には、溶融材料を間欠
的に補給する場合や、連続的に補給する場合等が含まれ
る。例えば、収容容器に収容された溶融材料の量が設定
量以下になった場合に補給しても、常時補給してもよい
のである。溶融材料を補給しないで成形材を成形する場
合には、溶融材料の量に応じた大きさの成形材しか成形
することができないが、補給しつつ行えば、小さい容量
の収容容器を用いて大きい成形材を成形することができ
る。また、長尺材を成形することもできる。請求項12
の発明におけるように、複数の収容容器に収容された溶
融材料を使用して成形材を成形する成形方法によっても
大きな成形材や長尺の成形材を成形することができる
が、非常に長い成形材を成形するには不便である。それ
に対して、本態様の成形方法によれば、非常に長い成形
材も容易に成形することができる。 (23)前記溶融材料を、前記収容容器に収容された溶
融材料の量を一定に保ちつつ補給する態様22に記載の
成形方法。例えば、引上げ法においては、仕切部材と溶
融材料溜まりの上向き表面との相対位置を予め定められ
た位置に制御するためには、仕切部材と収容容器底壁と
の少なくとも一方を移動させる必要がある。それに対し
て、本態様によれば、溶融材料の量が一定に保たれるた
めこれらを移動させる必要がなくなる。また、引下げ法
においては、上方空間の圧力と下方空間の圧力との両方
を、これらの圧力差が予め定められた大きさになるよう
に、制御する必要があった。それに対して、本態様によ
れば、上方空間の圧力を一定に保つことができる場合が
あるため、下方空間の圧力のみを制御すればよくなる場
合もある。 (24)複数個の成形スタート部材と1つ以上の仕切部
材とを、同時に互いに離間させる請求項1〜15,態様
1〜23のいずれか1つに記載の成形方法。複数個の成
形スタート部材と1つ以上の仕切部材とを同時に離間さ
せれば、複数個の成形材を並行して成形することがで
き、成形材の生産性を向上させることができる。複数個
の成形スタート部材のスタート面各々の形状は同じであ
っても、異なっていてもよい。本発明の成形方法におい
ては、形状の異なる成形材を成形する場合においても仕
切部材を変える必要がないため、このように、1つの仕
切部材を利用して、複数種類の成形材を同時に成形する
ことができるのである。本態様の成形方法は、1つの収
容容器に複数の仕切部材が配設されている場合におい
て、これら複数の仕切部材と複数の成形スタート部材と
を互いに離間させる場合も含む。例えば、収容容器の開
口が広い等の場合には、仕切部材で広い面積を覆う必要
があるため、仕切部材を大きなものとしなければならな
い。しかし、一定の強度を有する大きな仕切部材を製造
することは困難であるため、1つの収容容器に複数個の
仕切部材が配設されるのである。なお、本態様の成形方
法は、複数同時成形法と称することができ、この成形
は、複数の収容容器を含む成形装置に適用することも可
能である。 (25)請求項1の発明における成形スタート部材とし
て第一の材質の金属部材を用い、その第一の材質とは異
なる第二の材質の金属を溶融したものを請求項1の発明
における溶融材料として使用する異種金属部材の結合方
法。この結合方法によれば、結果的に、異種の金属部材
を溶接によらないで結合したことになる。第一の材質の
金属部材は、請求項1の発明の方法で製造されたもので
あっても、異なる方法で製造されたものであってもよ
い。 (26)溶融材料を収容した複数個の収容容器のうちの
1つにおいて成形した成形材を、他の収容容器の仕切部
材に接触または近接させた後、その仕切部材と成形材と
を互いに離間させることよって成形した長尺材。
【0069】(27)さらに、前記仕切部材から引き出
された引出溶融材料の温度を調節する引出溶融材料温度
調節装置を含む請求項16〜29のいずれか1つに記載
の成形装置。引出溶融材料温度調節装置には、引出溶融
材料の外側面の温度を調節することによって引出溶融材
料の温度を調節する引出溶融材料外側面温度調節装置
や、引出溶融材料の端面の温度を調節する引出溶融材料
端面温度調節装置等が含まれる。引出溶融材料端面温度
調節装置は、通常、成形スタート部材の内部、あるいは
成形スタート部材や成形材の周辺に設けられる。成形ス
タート部材や成形材の温度を調節すれば引出溶融材料の
外側面や端面の温度を調節し得るのである。態様86に
記載の固着促進装置は、本態様の引出溶融材料温度調節
装置の一種としても使用可能である。 (28)前記引出溶融材料温度調節装置が、前記仕切部
材の近傍に配設され、前記引出溶融材料の外側面を冷却
する引出溶融材料冷却装置と、引出溶融材料の外側面を
加熱する引出溶融材料加熱装置との少なくとも一方を含
む態様27に記載の成形装置。 (29)前記引出溶融材料温度調節装置が、前記引出溶
融材料の温度を、前記前記溶融材料溜表面と成形スター
ト部材とが互いに離間させられる間、前記引出溶融材料
の溶融材料溜表面からの引出し長さが予め定められた長
さになるように制御する引出長さ対象温度調節手段を含
む態様27または28に記載の成形装置。 (30)さらに、前記仕切部材と前記成形スタート部材
とを互いに相対移動可能に保持する成形部材等保持装置
と、その成形部材等保持装置によって保持された前記仕
切部材と成形スタート部材との相対移動速度を制御する
相対速度制御手段とを含む相対移動装置を備えた請求項
16〜29,態様27〜29のいずれか1つに記載の成
形装置。 (31)前記相対速度制御手段が、前記仕切部材と成形
スタート部材との相対移動速度を、前記溶融材料溜表面
と前記成形スタート部材とが互いに離間させられる間、
前記引出溶融材料の引出し長さが予め定められた長さに
なるように制御する引出長さ対象相対速度制御手段を含
む態様30に記載の成形装置。 (32)前記溶融材料溜表面と前記成形スタート部材と
が互いに離間させられる間、前記引出溶融材料の引出し
長さを一定に維持する引出溶融材料長さ維持装置を含む
請求項16〜29,態様27〜31のいずれか1つに記
載の成形装置。引出溶融材料冷却装置の冷却温度,引出
溶融材料加熱装置の加熱温度を制御したり、引出溶融材
料冷却装置や引出溶融材料加熱装置の設置位置(引出溶
融材料冷却,加熱装置と成形材の外側面との間の距離
や、成形方向における仕切部材からの隔たり)を変えた
りすることによって、引出溶融材料の温度を調節するこ
とができる。引出溶融材料冷却装置は、水冷式の装置で
あっても空冷式の装置等であってもよい。また、引出溶
融材料の外側周り全体を冷却する装置であっても、外側
の一部を冷却する装置であってもよい。例えば、断面が
多角形状の成形材が成形される場合には,コーナ部でな
く、平らな面のみを面冷却装置によって冷却した方が、
引出溶融材料の外側面全体を均一に冷却することができ
る。なお、引出溶融材料加熱装置には、保温装置も含ま
れるものとする。引出溶融材料の外側面を保温すること
は、自然冷却状態に比較すれば加熱と言い得るのであ
り、それだけで十分な場合もあるのである。態様29,
31においては、引出溶融材料の温度調節や相対移動速
度制御の目的が、引出溶融材料の長さ(引出し長さ)を
制御することであることが明確にされているが、引出長
さを制御すれば、結果的に成形材の断面の大きさが制御
されることになるため、これら引出長さ対象温度調節手
段,引出長さ対象相対速度制御手段は、それぞれ成形材
断面寸法対象温度調節手段,成形材断面寸法対象相対速
度制御手段と称することもできる。また、これら成形材
断面寸法対象温度調節手段を含む引出溶融材料温度調節
装置と、成形材断面寸法対象相対速度制御手段を含む相
対移動装置との少なくとも一方を成形材断面制御装置と
称することもできる。さらに、引出溶融材料の長さの制
御が、成形材の断面寸法の制御を目的として行われると
いう側面に注目すれば、引出長さに依拠する成形材断面
制御装置は引出長さ依拠成形材断面制御装置であること
になる。その他、制御目的を、凝固速度制御,成形速度
制御,凝固面形状制御,成形材の材質制御等とすること
も可能であり、これらの場合には、上記引出溶融材料温
度調節装置を、それぞれ、凝固速度対象温度調節手段,
成形速度対象温度調節手段,凝固面形状対象温度調節手
段,材質対象温度調節手段を含むものと考え、上記相対
速度制御装置を、それぞれ、凝固速度対象相対速度制御
手段、成形速度対象相対速度制御手段、凝固面形状対象
相対速度制御手段,材質対象相対速度制御手段を含むも
のと考えることができ、これら制御手段を含む引出溶融
材料温度調節装置と相対移動装置との少なくとも一方
を、凝固速度制御装置,成形速度制御装置,凝固面形状
制御装置,材質制御装置と称することもできる。さら
に、引出溶融材料温度調節装置や相対移動装置によっ
て、引出溶融材料の長さを一定に保つことができ、態様
32の引出溶融材料長さ維持装置は、請求項17の引出
溶融材料長さ制御装置の一例である。引出溶融材料の長
さを一定に保つ場合には、引出長さ対象温度調節手段に
は引出長さ維持温度調節手段が含まれ、引出長さ対象相
対速度制御手段には引出長さ維持相対速度制御手段が含
まれることになる。なお、相対移動速度を非常に大きく
すれば、成形材を切断することが可能であり、その場合
には、相対速度制御手段を、切断目的相対速度制御手段
を含むものとすることができる。 (33)前記収容容器に収容された溶融材料を攪拌する
攪拌装置を含む請求項16〜29,態様27〜32のい
ずれか1つに記載の成形装置。攪拌装置は、収容容器と
それに収容された溶融材料との間に相対運動を付与し得
る相対運動付与装置であればどのような装置であっても
よく、例えば、溶融材料を直接攪拌する溶融材料攪拌装
置、収容容器を回転させる収容容器回転装置等とするこ
とができる。また、収容容器を揺動させる揺動装置とし
たり、振動させる振動装置としたりすることもでき、こ
れらを組み合わせた運動を付与する組合せ相対運動付与
装置とすることもできる。しかし、収容容器の揺動や振
動等に起因して成形スタート部材に固着した成形材や成
形材に付着した引出溶融材料がそれぞれ成形スタート部
材や成形材から離脱するおそれがある場合には、収容容
器を揺動させたり振動させたりしないで攪拌する必要が
ある。前記溶融材料攪拌装置としては、例えば、収容容
器内に窒素ガス等酸素を含まない気体を供給して溶融材
料を攪拌する気体供給攪拌装置を採用することができ
る。 (34)前記収容溶融材料が金属材料を含むものであ
り、前記攪拌装置が電流と磁界との相互作用により溶融
材料を流動させるものである態様33に記載の成形装
置。溶融材料が金属材料を含むものである場合には、電
磁コイル等磁界を発生させる装置を使用し、電流と磁界
との相互作用を利用して溶融材料を攪拌することができ
る。 (35)少なくとも前記成形スタート部材と仕切部材と
の周囲の空間を覆う成形空間カバー部材と、その成形空
間カバー部材内に、気体を供給する気体供給装置とを含
む請求項16〜29,態様27〜34のいずれか1つに
記載の成形装置。成形空間カバー部材内に気体を供給す
れば、引出溶融材料や溶融材料溜表面の酸化を防止する
ことができる。また、引出溶融材料を冷却する効果も得
られるため、気体供給装置に冷却装置を兼ねさせること
もできる。さらに、請求項29の成形装置における圧力
差発生装置の一部を構成させることもできる。 (36)前記溶融材料溜まりの上向き表面を覆う上面カ
バー部材を含む請求項16〜29,態様27〜35のい
ずれか1つに記載の成形装置。上記成形空間カバー部材
が、溶融材料溜まりの上方に設けられる場合には上面カ
バー部材の一態様となる。ただし、その場合には成形空
間カバー部材は溶融材料溜まりの上面から離れた位置で
上面を覆うこととなるが、上面カバー部材は溶融材料溜
まりの上面に密着してその上面を覆うものも含む。 (37)前記溶融材料溜表面と前記成形スタート部材と
が互いに離間させられる間、前記仕切部材と溶融材料溜
表面との相対位置を予め定められた位置に制御する相対
位置制御装置を含む請求項16〜29,態様27〜36
のいずれか1つに記載の成形装置。成形途中において
は、仕切部材と溶融材料溜表面との相対位置を一定に保
つことが望ましく、その場合には、相対位置制御装置が
相対位置維持装置を含むことになる。 (38)前記仕切部材の仕切壁が、長さ100mmの線分
当たり6個以上、望ましくは14個以上、さらに望まし
くは33個以上ある請求項16〜29,態様27〜37
のいずれか1つに記載の成形装置。 (39)前記仕切部材の少なくとも一方向における隣接
する仕切壁間の距離が、10mm以下、望ましくは5mm以
下、さらに望ましくは2mm以下である請求項16〜2
9,態様27〜38のいずれか1つに記載の成形装置。 (40)前記仕切部材の隣接する仕切壁間の距離がほぼ
等しい請求項16〜29,態様27〜39のいずれか1
つに記載の成形装置。単位長さ当たりに設けられた仕切
壁の個数が多いほど、隣接する仕切壁間の間隔が狭くな
り、仕切壁によって仕切られる部分表面の大きさが小さ
くなる。部分表面の大きさが小さければ成形材の断面の
形状や大きさの誤差が小さくなる。また、仕切壁が等間
隔で設けられていれば、成形材の断面の形状や大きさの
誤差が外形線に沿って部分的に大きくなったり小さくな
ったりすることが回避される。 (41)前記仕切部材の仕切壁が、概して格子状を成し
ている請求項16〜29,態様27〜40のいずれか1
つに記載の成形装置。仕切壁が格子状を成していれば、
仕切壁によって囲まれる連通穴の断面がすべて四角形と
なり、溶融材料溜表面を四角形の部分表面に仕切ること
ができる。また、態様40に適用された場合には、連通
穴の大きさを均一にすることができ、連通穴各々の大き
さを、例えば、正確に1mm2 ,2mm2 とすることもでき
る。 (42)前記仕切壁によって囲まれる連通穴の断面形状
が円形である請求項16〜29,態様27〜40のいず
れか1つに記載の成形装置。連通穴の断面形状が円形に
なるように仕切壁を設けることもできる。この場合に
は、仕切壁自体の厚さを一定にすることはできないが、
連通穴の大きさを均一にし、あるいは正確な大きさにす
ることはできる。仕切部材の製造が容易になる利点もあ
る。 (43)前記仕切壁によって囲まれた連通穴が、前記仕
切部材が溶融材料溜表面近傍に配設された場合におい
て、その溶融材料溜表面と交差する方向に延びるもので
ある請求項16〜29,態様27〜42のいずれか1つ
に記載の成形装置。引出溶融材料は、仕切壁を経て引き
出されるため、連通穴は、溶融材料溜表面と交差する方
向、換言すれば、仕切部材の材料排出面と交差する方向
に延びるものであることが必要である。直交しているこ
とが望ましいが、不可欠ではない。また、連通穴は互い
に平行であることが望ましいが、これも不可欠ではな
く、連通穴同士が交差していてもよい。連通穴同士の長
さが同じであることも不可欠ではない。さらに、連通穴
の断面形状は、態様41,42に記載されたように、四
角形や円形であってもよいが、それ以外の多角形,不定
形等であってもよく、すべての連通穴の断面形状が同じ
であっても、同じでなくてもよい。連通穴が互いに平行
で仕切部材の材料排出面と直交し、かつ、断面形状が同
じである仕切部材は、製造することが容易な場合が多
い。 (44)前記仕切壁によって囲まれた連通穴が、100
00mm2 当たり20個以上、望ましくは36個以上,さ
らに望ましくは200個以上である請求項16〜29,
態様27〜43のいずれか1つに記載の成形装置。連通
穴は、仕切部材全体に設けられていても、部分的に設け
られていてもよく、均一に設けられていても、不均一に
設けられていてもよい。しかし、全体に、かつ、均一に
設けられている方が、仕切部材の使い勝手がよい場合が
多い。成形材の成形に使用する部分,位置が自由であ
り、仕切部材の大きさの範囲内で成形スタート部材のス
タート面の形状や大きさを自由に決定することができる
からである。さらに、複数個の成形スタート部材と1つ
の仕切部材とを互いに離間させる場合においても、成形
スタート部材の個数を増やしたり、スタート面の大きい
成形スタート部材を使用したりすることができる。ただ
し、仕切部材の強度を増したり、製造を容易にしたりす
るために、仕切部材の一部に連通穴が形成されていない
部分を設けてもよく、材料排出面とは反対側の面に補強
リブを形成してもよい。また、請求項28,29に係る
引下装置に使用する場合には、連通穴の開口の大きさの
上限が溶融材料の表面張力により決められる。開口の大
きさを、溶融材料が仕切部材から滴下することなく、表
面張力により下向き表面が材料排出面から下方に突出し
た状態で保持され得る大きさ以上にすることはできない
のである。 (45)前記仕切部材が、前記溶融材料との反応性が低
い材料によって製造されたものである請求項16〜2
9,態様27〜44のいずれか1つに記載の成形装置。 (46)前記仕切部材の、少なくとも前記溶融材料と接
する面がセラミックス材料によって形成されている請求
項16〜29,態様27〜45のいずれか1つに記載の
成形装置。セラミックス材料は、通常、反応性が低いた
め、仕切部材として適している。仕切部材全体がセラミ
ックス材料によって製造されていてもよいが、少なくと
も溶融材料と接する面がセラミックス材料から成ってい
ればよい。耐火性を有するセラミックス材料であれば、
溶融金属の成形時にも使用し得る。また、多孔質のセラ
ミックス材を使用すれば、仕切部材の表面には、多くの
穴が形成されていることになり、それら穴により、溶融
材料中の微小な異物が吸着される。そのため、成形材に
微小な異物が混入することが良好に回避される。仕切部
材は仕切壁を有しているため、たとえ、多孔質のセラミ
ックス材によって製造されていなくても、溶融材料中の
比較的大きな異物を除去することができるが、多孔質の
セラミックス材により製造された仕切部材を使用すれ
ば、より小さな異物も除去することが可能となる。この
ように、仕切部材は異物除去部材の機能も備えているの
である。 (47)前記仕切壁が、前記溶融材料の仕切壁の一方の
側から他方の側への移動を物理的に阻止し得る強度を有
するものである請求項16〜29,態様27〜46のい
ずれか1つに記載の成形装置。本態様の仕切部材を使用
すれば、仕切壁の両側に圧力差を生じさせることができ
る。例えば、溶融材料が引き出される部分表面と引き出
されない部分表面とを仕切る仕切壁においては両側に圧
力差が生じるが、仕切壁が大きな圧力差に耐え得る強度
を有するものであれば、使い勝手のよいものとなるので
ある。 (48)前記仕切部材の前記成形スタート部材側の面で
ある材料排出面の少なくとも一部に、前記仕切部材を溶
融材料溜表面近傍に配設した場合に、前記溶融材料溜表
面に平行な平行部が形成されている請求項16〜29,
態様27〜47のいずれか1つに記載の成形装置。材料
排出面が溶融材料溜表面に平行な平行部を備えていれ
ば、その平行部に成形スタート部材の平らなスタート面
を接触または近接させ易い。 (49)前記仕切部材の前記成形スタート部材側の面で
ある材料排出面の少なくとも一部に、前記仕切部材を溶
融材料溜表面近傍に配設した場合に、その溶融材料溜表
面に対して傾斜した傾斜部が形成されている請求項16
〜29,態様27〜48のいずれか1つに記載の成形装
置。傾斜部は、互いに交差する2平面により形成しても
よく、円錐形状,三角錐形状等の多角錐形状としても、
円錐台形状,多角錐台形状としても、半球状等としても
よく、その他、仕切部材と溶融材料溜表面との相対位置
の変化に伴って、溶融材料溜表面を実際に仕切る有効仕
切壁の個数や位置が変化し得る形状であればどのような
形状であってもよい。仕切部材の材料排出面は仕切壁の
先端面の集合により形成されるが、仕切壁の先端面自体
は溶融材料溜表面に対して傾斜していても、傾斜してい
なくてもよい。後者の場合は仕切壁の先端面が段階的に
変化することによりマクロ的な傾斜面が形成されること
となる。態様37の相対位置制御装置を溶融材料溜表面
と仕切部材との相対位置を変化させるものとするととも
に、仕切部材を本態様のものとすれば、仕切部材の傾斜
部によって、溶融材料溜表面を仕切る有効仕切壁の個数
や位置を変化させることができる。その結果、成形方向
において成形材の断面を相似的に変化させたり、全く異
なる形状に変えたりすることができる。テーパ状の成形
材を成形することもでき、その場合、溶融材料溜表面と
仕切部材との相対位置や、成形スタート部材と仕切部材
との相対移動速度を制御することによってテーパ値を制
御することができる。仕切部材と溶融材料溜表面との相
対位置の制御により、成形開始時に仕切られていた部分
が仕切られなくなれば、溶融材料溜表面を実際に仕切る
有効仕切壁の個数が少なくなり、成形材の断面が大きく
なる。逆に、仕切られていなかった部分が仕切られるよ
うになれば、有効仕切壁の個数が多くなり、成形材の断
面が小さくなる。また、有効仕切壁によって囲まれる形
状が成形途中において変えられれば、その形状変化に応
じて成形材の断面形状が変わる。 (50)前記仕切部材の前記成形スタート部材側の面で
ある材料排出面のうち実際に材料を排出する部分である
材料排出部を制御する材料排出部制御装置を設けた請求
項16〜29,態様27〜49のいずれか1つに記載の
成形装置。態様37の相対位置制御装置を溶融材料溜表
面と仕切部材との相対位置を変化させるものとするとと
もに、仕切部材を上記態様49のものとした上記の場合
には、それら相対位置制御装置と仕切部材とにより材料
排出部制御装置の一例が構成される。材料排出部制御装
置は、下記の各態様のものとすることも可能である。 (51)前記材料排出部制御装置が、排出部規定部材
と、その排出部規定部材を前記仕切部材の両側の面の少
なくとも一方に沿って移動可能に保持する排出部規定部
材保持装置とを含む態様50に記載の成形装置。成形途
中に、排出部規定部材を移動させれば、材料排出部の面
積や形状を変えることができ、それに伴って成形材の断
面の大きさや形状を変えることができる。排出部規定部
材の形状や移動量に応じて、断面を相似的に変形させた
り、形状自体を変えたりすることができる。例えば、排
出部規定部材を、材料排出部を成形開始時より狭くする
方向に移動させれば、溶融材料が引き出されていた部分
表面の一部が塞がれるため、成形材の断面が小さくな
る。また、排出部規定部材によって、溶融材料が引き出
される部分表面が規定された後は、溶融材料が引き出さ
れる部分表面が勝手に増えたり、減ったりすることがな
いため、排出部規定部材は、断面が一定の成形材の成形
時には不要なものとなる。排出部規定部材保持装置を、
排出部規定部材の仕切部材に沿った移動を案内する案内
装置を含むものとすることができ、また、材料排出部制
御装置を、排出部規定部材および排出部規定部材保持装
置と共に、排出部規定部材を移動させる排出部規定部材
移動装置を含むものとすることが望ましい。排出部規定
部材は、仕切部材の材料排出面側に配設されていても、
反対側に配設されていても、両側に配設されていてもよ
い。例えば、仕切部材の材料排出面に沿って第一方向に
移動可能な第一排出部規定部材を設け、仕切部材の反対
側の面に沿って第一排出部規定部材の移動方向とは交差
する方向に移動可能な第二排出部規定部材を設ければ、
第一排出部規定部材と第二排出部規定部材との干渉を回
避しつつ互いに交差する2方向に関して断面が変化する
成形材を成形することが容易となる。特に、第一排出部
規定部材と第二排出部規定部材とを、それぞれ互いに接
近,離間可能に一対ずつ設ければ、互いに直角な2方向
において断面が漸変するテーパ材等を成形することが容
易となる。前述の態様49に記載された傾斜部を有する
仕切部材は、請求項23の断面変更装置の一構成要素で
あると考えることができ、態様50,51に記載された
材料排出部制御装置は、請求項24の断面変更装置の一
態様と考えることができる。また、排出部規定部材およ
び排出部規定部材保持装置はそれぞれ、後述する態様7
0の断面形状変化部材および断面形状変化部材保持装置
の一態様であると考えることもできる。また、排出部規
定部材が、仕切部材の材料排出面側に配設された場合に
は、請求項24の遮断部材と同様なものと考えることが
でき、排出部規定部材を利用して、成形材を切断するこ
ともできる。 (52)前記仕切部材の前記成形スタート部材側の面で
ある材料排出面の面積に占める前記連通穴の開口面積の
割合である連通穴面積比が、20%以上、望ましくは3
0%以上、さらに望ましくは40%以上である請求項1
6〜29,態様27〜51のいずれか1つに記載の成形
装置。 (53)前記仕切部材の空隙率が20%以上、望ましく
は30%以上、さらに望ましくは40%以上である請求
項16〜29,態様27〜51のいずれか1つに記載の
成形装置。空隙率は仕切部材の体積全体に対する空隙の
割合であり、仕切壁が多孔質体でなく、かつ、連通穴の
分布状態が仕切部材の厚さ方向において均一であれば、
2つの仕切部材の空隙率が同じである場合はそれらの開
口率も同じになる。それに対して、例えば、連通穴の断
面積が材料排出面からの距離が大きいほど大きくあるい
は小さくなる場合や、仕切壁が多孔質体である場合等に
は、空隙率と開口率との間に一対一の関係はなく、一方
が同じであるからと言って他方も同じとは限らない。 (54)前記平行離間装置が、前記仕切部材と前記成形
スタート部材とを垂直方向に離間させる垂直平行離間装
置を含む請求項20,態様27〜53のいずれか1つに
記載の成形装置。 (55)前記平行離間装置が、前記仕切部材と前記成形
スタート部材とを、水平方向に相対移動させる水平方向
相対移動装置を含む請求項20,態様27〜54のいず
れか1つに記載の成形装置。 (56)前記水平方向相対移動装置が、前記仕切部材と
前記成形スタート部材との水平方向の相対移動速度を、
前記引出溶融材料を分断せず、成形材の横断面同士の間
にずれを生じさせ、成形材の外形に変化を生じさせる外
形変化目的水平方向相対速度制御手段を含む態様55に
記載の成形装置。 (57)前記水平方向相対移動装置が、前記仕切部材と
前記成形スタート部材との水平方向の相対移動速度を、
前記引出溶融材料全体を分断し、成形材を切断する大き
さに制御する切断目的水平方向相対速度制御手段を含む
態様55に記載の成形装置。仕切部材と成形スタート部
材との水平方向の相対移動速度が比較的遅い場合には引
出溶融材料は分断されず、横断面同士がずれ、成形材の
外形が変化するが、速い場合には引出溶融材料が分断さ
れる。上方に引き上げられた引出溶融材料は成形材に隣
接した部分で分断され、下方に引き下げられた引出溶融
材料は仕切部材に隣接した部分で分断されるのが普通で
ある。外形変化目的水平方向相対速度制御手段や切断目
的水平方向相対速度制御手段は、態様30の相対速度制
御手段の一態様と考えることができる。 (58)前記平行離間装置が、前記仕切部材と前記成形
スタート部材とを、両者の互いに対向する面に直角な軸
線のまわりに相対回転させる相対回転装置を含む請求項
20,態様27〜57のいずれか1つに記載の成形装
置。仕切部材と成形スタート部材とを相対回転させて
も、成形材の横断面同士にずれを生じさせ、成形材の外
形を変化させることができる。相対回転軸線を成形スタ
ート部材の中心に設定すれば捩じれた形状の成形材が得
られ、成形スタート部材の中心から外れた位置に設定す
れば螺旋状の成形材が得られる。相対回転軸線を成形ス
タート部材から完全に外れた位置に設定し、相対回転速
度を大きくすれば、引出溶融材料を完全に分断すること
もできる。この場合、相対回転速度は、外形変化目的相
対回転速度制御手段や切断目的相対回転速度制御手段に
よって制御されることになる。 (59)前記仕切部材と前記成形スタート部材とに、両
者を互いに平行な状態に保ったまま垂直方向に離間させ
る垂直平行離間運動とその垂直平行離間運動以外の少な
くとも1つの運動との組合わせである組合わせ運動を付
与する組合わせ運動付与装置を含む請求項16〜29,
態様27〜58のいずれか1つに記載の成形装置。請求
項21の非平行離間装置は、本態様の組合せ運動付与装
置の一態様である。非平行離間装置は、成形スタート部
材と仕切部材とに、垂直平行離間と相対回動とを組み合
わせた組合せ運動を付与する装置である。また、成形ス
タート部材と仕切部材とが、垂直平行離間させられると
ともに、水平方向に離間させられたり、相対回転させら
れたりする場合には、請求項20の平行離間装置も、本
態様の組合せ運動付与装置に該当することになる。態様
55,58の水平方向移動や相対回転は、垂直平行離間
運動以外の運動の一態様なのである。組合せ運動付与装
置の中には成形スタート部材と仕切部材とを三次元的に
相対移動させ得るものがあり、この態様の組合せ運動付
与装置は三次元運動付与装置と称することができる。 (60)前記成形スタート部材と前記仕切部材とを、そ
れら成形スタート部材と仕切部材との互いに対向する面
であるスタート面と材料排出面とがなす角度を一定に保
ちつつ、互いに離間させる角度保持離間装置を含む請求
項16〜20,23〜29,態様27〜59のいずれか
1つに記載の成形装置。本態様には、スタート面と材料
排出面との成す角度が0であり、スタート面と材料排出
面とが平行な場合も含まれる。スタート面と材料排出面
との成す角度が0ではない場合には、成形開始時にはス
タート面と材料排出面とが相対回動させられて両者の成
す角度が0ではない一定の角度とされ、その後はその一
定の角度を保って離間させられることとなる。ほぼ真っ
直ぐでかつ端面同士が平行ではない成形材が得られる。 (61)前記成形スタート部材と前記仕切部材との互い
に対向する面であるスタート面と材料排出面とが成す角
度を変化させつつ、互いに離間させる角度変化離間装置
を含む請求項16〜19,21〜29,態様27〜5
3,59のいずれか1つに記載の成形装置。 (62)前記不均等冷却速度付与装置が、前記相対回動
の軌跡の外周側を内周側より多く冷却する外周側重点冷
却装置を含む請求項22,態様27〜53,58,5
9,61のいずれか1つに記載の成形装置。外周側重点
冷却装置は、外周側を内周側より多く冷却する装置であ
ればどのような装置であってもよい。例えば、外周側の
みを冷却する装置であっても、外周側および内周側の両
側を冷却するが、外周側の冷却媒体温度が内周側のそれ
より低い装置であっても、外周側および内周側における
冷却媒体温度は同じであるが、冷却部の成形材成形方向
の長さが外周側の方が内周側より長い装置であってもよ
い。外周側重点冷却装置は、態様27,28の温度調節
装置や冷却装置の一例である。本態様におけるように、
引出溶融材料を積極的に冷却すれば、成形速度を早くし
得、生産性を向上させることができる。 (63)前記遮断部材移動装置が、前記遮断部材を、前
記侵入位置から、前記成形スタート部材と共に前記仕切
部材から離間させる遮断部材離間装置を含む請求項2
4,態様27〜62のいずれか1つに記載の成形装置。 (64)前記遮断部材移動装置が、前記遮断部材を、前
記成形スタート部材と前記仕切部材とが互いに離間させ
られる間、前記侵入位置に静止させている遮断部材侵入
位置保持装置を含む請求項24,態様27〜62のいず
れか1つに記載の成形装置。 (65)前記遮断部材が平板状を成すものである請求項
24,態様27〜64のいずれか1つに記載の成形装
置。遮断部材が平板状を成していれば、その部分におい
て引出溶融材料を分断することができる。遮断部材は、
引出溶融材料に侵入させられるためセラミックス材料で
製造されることが望ましい。セラミックス材料は、反応
性が低く、かつ、耐火性(耐熱性)を有するからであ
る。特に、態様63の成形装置においては、遮断部材は
平板状であることが望ましい。平板状の遮断部材を成形
材と共に仕切部材から離間させれば、遮断部材より成形
材側の引出溶融材料を良好に凝固させることができ、成
形材の縮小面,端面に溶融材料不足に起因する窪みがで
きることを回避できる。 (66)前記遮断部材移動装置が、前記少なくとも1つ
の遮断部材を、仕切部材の溶融材料が引き出される材料
排出部全体を覆い、前記引出溶融材料全体を分断する切
断位置に移動させる切断位置移動装置を含む態様65に
記載の成形装置。遮断部材を切断位置に移動させれば、
引出溶融材料全体を分断することができ、成形材を切断
することができる。本態様には、複数個の遮断部材を侵
入位置に移動させることによって材料排出部全体を覆う
場合も含まれる。この場合には、複数個の遮断部材の侵
入位置がそれぞれ切断位置になる。遮断部材の大きさが
材料排出部より小さい場合には、複数個の遮断部材が必
要となる。遮断部材が成形材を切断する場合には、切断
部材と称することもできる。 (67)前記遮断部材が棒状を成すものであり、前記遮
断部材移動装置が少なくとも、その棒状の遮断部材を少
なくとも幅方向に移動させる幅方向移動装置を含む請求
項24,態様27〜62,66のいずれか1つに記載の
成形装置。遮断部材を棒状のものとすることもできる。
棒状であっても、それを幅方向に移動させれば、引出溶
融材料の、遮断部材の幅より広い部分を分断し得る。特
に、遮断部材移動装置を、遮断部材を引出方向と直交す
る2方向に移動させる2方向移動装置を含むものとすれ
ば、任意の形状の縮小面を形成することができる。ま
た、棒状の遮断部材に引出溶融材料全体を横断させれば
成形材を切断することもできる。本態様の成形装置にお
いても、遮断部材が複数個設けられていてもよい。複数
個の遮断部材を同時に移動させれば、分断する面積が広
い場合や分断する部分が複数箇所ある場合等に分断に要
する時間を短縮でき、生産性を向上させることができ
る。 (68)前記断面変更装置が、補助スタート部材と、そ
の補助スタート部材と前記仕切部材とを、前記成形方向
に、補助スタート部材が2つ以上の成形材および引出溶
融材料の少なくとも一方にそれぞれ接触するとともに仕
切部材に接触または近接する結合補助スタート位置か
ら、前記2つ以上の成形材と前記仕切部材との相対移動
速度と同じ速度で、互いに離間させる結合用補助離間装
置とを含む請求項23,25,態様27〜67のいずれ
か1つに記載の成形装置。この場合、補助スタート部材
には、第一面が2つ以上あることになる。本態様の成形
装置によれば、成形材を結合したり、分岐型の成形材を
成形したりすることができるため、本結合用補助離間装
置を成形材結合装置と称することができ、結合用補助離
間装置を含む成形装置を分岐型成形材成形装置と称する
ことができる。 (69)前記断面変更装置が、概して中空状を成し、互
いに隣接する第一面および第二面にそれぞれ開口が形成
された形状付加部材と、その形状付加部材を、前記第一
面が成形材および引出溶融材料の少なくとも一方に接触
し、前記第二面が前記仕切部材に接触または近接する形
状付加位置に移動させた後、その形状付加部材の内部空
間の圧力を低下させる形状付加部材内圧力低下装置とを
含む請求項23,態様27〜68のいずれか1つに記載
の成形装置。 (70)前記断面変更装置が、成形材の断面形状を変化
させる断面形状変化部材と、その断面形状変化部材を、
成形材と引出溶融材料との少なくとも一方に接触する作
用位置と、それらから離間する非作用位置とに移動可能
に保持する断面形状変化部材保持装置とを含む請求項2
3,態様27〜69のいずれか1つに記載の成形装置。
断面形状変化部材には、遮断部材,補助スタート部材,
形状付加部材等が含まれる。また、侵入位置,補助スタ
ート位置,結合用補助スタート位置,形状付加位置等が
作用位置に該当する。 (71)前記複数の収容容器が垂直軸線を中心とする一
円周上に配置され、前記収容容器選択装置が、それら複
数の収容容器と成形材とを前記垂直軸線のまわりに相対
回動させることにより、複数の収容容器のうち成形材の
前記端部に対向するものを選択するものである相対回動
型収容容器選択装置を含む請求項26,態様27〜70
のいずれか1つに記載の成形装置。本態様は、請求項2
6の相対移動を相対回動に限定した態様である。複数個
の収容容器と成形材とを相対回動させた方が、成形装置
の設置スペースが狭くて済むことが多い。この場合、収
容容器のみを回動させても、成形材のみを回動させて
も、両方を回動させてもよい。 (72)前記溶融材料溜まりの上向き表面から、前記溶
融材料を引き上げる溶融材料引上装置を含む請求項2
7,態様27〜71のいずれか1つに記載の成形装置。 (73)前記相対高さ制御装置が、前記収容容器の底壁
と前記仕切部材との間の距離を制御する相対距離制御装
置を含む請求項27,態様27〜72のいずれか1つに
記載の成形装置。仕切部材を仕切部材昇降装置によって
昇降させても、収容容器の底壁を底壁昇降装置によって
昇降させても、両方を昇降させてもよい。いずれの場合
でも、収容容器に溶融材料が補給されず、成形の進行に
伴って溶融材料の量が減少する場合には、仕切部材と収
容容器の底壁とが徐々に接近させられる。収容容器に溶
融材料が補給されて、溶融材料の量がほぼ一定に保たれ
る場合には、仕切部材と溶融材料溜表面との相対位置誤
差を除くために、収容容器の底壁と仕切部材との間の距
離が制御される。 (74)前記相対高さ制御装置が、表面調節部材と、そ
の表面調節部材の前記溶融材料溜まり内にある部分の体
積である液中体積を、前記引き出された溶融材料の総量
に応じて変化させる液中体積変化装置とを含む請求項2
7,態様27〜72のいずれか1つに記載の成形装置。
液中体積変化装置は、例えば、収容容器から引き出され
た溶融材料の総量に応じて表面調節部材の溶融材料内へ
の沈み込み量を調節する沈込み量調節装置としたり、体
積可変の表面調節部材の体積を変化させる体積変更装置
としたりすることができる。 (75)前記相対高さ制御装置が、前記仕切部材保持部
材と前記溶融材料溜まりの上向き表面との相対高さを一
定に保つ相対高さ維持手段を含む請求項27,態様27
〜74のいずれか1つに記載の成形装置。 (76)前記相対高さ制御装置が、前記仕切部材保持部
材と仕切部材とのいずれか一方に支持された表面センサ
を含む請求項27,態様27〜75のいずれか1つに記
載の成形装置。相対高さが、表面センサの出力値に基づ
いて制御される。また、表面センサの出力値が一定に保
たれるように制御すれば、相対高さが一定に保たれる。 (77)前記溶融材料溜まりの下向き表面から、前記収
容容器に収容された溶融材料を引き下げる溶融材料引下
装置を含む請求項28,29,態様27〜71のいずれ
か1つに記載の成形装置。 (78)少なくとも前記成形スタート部材と前記仕切部
材の材料排出面とを覆う下部カバー部材と、前記収容容
器の上部開口を覆う上部カバー部材との少なくとも一方
を含む請求項28,29,態様27〜71,77のいず
れか1つに記載の成形装置。下部カバー部材に覆われた
空間が下方空間であり、上部カバー部材に覆われた空間
が上方空間である。また、下部カバー部材が態様35の
成形空間カバー部材に相当し、上部カバー部材が態様3
6の上面カバー部材に相当する。上方空間の圧力と下方
空間の圧力との少なくとも一方を制御することによっ
て、これらの圧力差を予め定められた大きさに制御す
る。この場合、下方空間に態様35の気体供給装置また
は態様28の引出溶融材料冷却装置によって気体が供給
されれば、下方空間の圧力が大気圧より高くなる。した
がって、これらの圧力差を予め定められた大きさに制御
するためには、上方空間の圧力を、大気圧より高い下方
空間内の圧力より予め定められた大きさだけ低くすれば
よい。下方空間に気体が供給されない場合に比較して、
上方空間の圧力引下げ量を小さくすることができるので
ある。また、下方空間に供給される気体が引出溶融材
料,成形材,スタート部材等を冷却するための冷却媒体
である場合には、気体の供給量を冷却に適した量に制御
し、その結果決まる下方空間の圧力に対して上方空間の
圧力を相対的に制御することによって両空間の圧力差が
予め定められた条件を満たすようにすれば、冷却状態と
圧力差との両方を精度よく制御することができる。しか
し、引出溶融材料の酸化を防止したり、冷却したりする
ためには、一般に、供給する気体の量をそれほど精度よ
く制御する必要がない。したがって、上方空間の圧力を
大気圧またはそれよりほぼ一定量低い圧力に保ち、下方
空間の圧力が上方空間の圧力より予め定められた条件を
満たすような圧力差だけ高くなるように、下方空間に酸
素を含まない気体を供給することも可能であり、そのよ
うにすれば、圧力の制御は下方空間についてのみ行えば
よくなり、制御が簡単になる。 (79)前記圧力差発生装置が、前記上方空間と前記下
方空間との間に、前記収容容器に収容された溶融材料の
圧力ヘッドに相当する圧力差を生じさせて、前記仕切部
材の位置における溶融材料の圧力を前記下方空間の圧力
とほぼ等しくするヘッド圧差発生装置を含む請求項2
9,態様27〜71,77,78のいずれか1つに記載
の成形装置。上方空間と下方空間との圧力差を溶融材料
の圧力ヘッドにほぼ等しくしておけば、溶融材料が勝手
に仕切部材を通過して流出することはない。その状態で
上方空間と下方空間との圧力差を微妙に増減させれば、
溶融材料溜まりの下向きの表面と仕切部材の材料排出面
との相対高さを制御することができる。 (80)前記収容容器に溶融材料を補給する溶融材料補
給装置を含む請求項16〜29,態様27〜79のいず
れか1つに記載の成形装置。溶融材料補給装置が連続補
給装置を備えている場合には、溶融材料が収容容器に成
形中連続して供給され、間欠補給装置を備えている場合
には、例えば、設定量以下になった場合等予め定められ
た規則に基づいて補給される。本成形装置によれば、溶
融材料補給装置から収容容器へ溶融材料を補給すること
によって、成形の進行中、溶融材料溜まりの上向きの表
面の位置をほぼ一定に保つことができ、あるいは収容容
器の容量を超える大きさの成形材を成形することができ
る。溶融材料を補給し続ける限り、成形を継続すること
ができ、長尺材の成形も可能である。その意味において
本成形装置を、大形成形材成形装置または長尺材成形装
置と称することができる。 (81)前記溶融材料補給装置が、溶融材料を収容する
補給用収容容器と、その補給用収容容器と前記収容容器
とを連結する連結管と、収容容器に補給する補給溶融材
料量を制御する補給量制御手段とを含むものである態様
80に記載の成形装置。 (82)前記補給量制御手段が、補給溶融材料量を、前
記収容容器に収容された溶融材料の量に応じて制御する
溶融材料量対応補給量制御手段を含む態様81に記載の
成形装置。本態様の成形装置においては、溶融材料の量
が一定に保たれるように補給することができ、その場合
には、溶融材料量対応補給量制御手段が、溶融材料量維
持手段を含むことになる。また、溶融材料量対応補給量
制御手段によって、溶融材料の量に応じて補給溶融材料
量が制御されれば、仕切部材と溶融材料溜まりの表面と
の相対位置を制御することができるため、この溶融材料
量対応補給量制御手段を相対位置制御手段の一態様とみ
なすことができる。また、相対位置が一定に保たれるよ
うに溶融材料が補給されれば、溶融材料補給装置を、相
対位置維持装置とみなすこともできる。 (83)前記溶融材料が金属材料を含むものであり、か
つ、前記溶融材料補給装置が、補給用収容容器内の溶融
材料を収容容器に供給する電磁ポンプを含む態様80〜
82のいずれか1つに記載の成形装置。溶融材料が金属
材料を含む場合には、電磁ポンプを利用して溶融材料を
補給用収容容器から収容容器へ補給することができる。
そして、電磁ポンプに供給する電流量を制御することに
よって補給溶融材料量を制御することができる。補給溶
融材料量は、電流量制御手段によって制御されるのであ
る。 (84)前記溶融材料補給装置が、前記補給用収容容器
内の溶融材料の上向き表面上方の空間の圧力を制御する
補給用収容容器内圧力制御装置を含む態様80〜82の
いずれか1つに記載の成形装置。補給用溶融材料収容容
器内の溶融材料の上向き表面上方の空間の圧力を高くす
れば、溶融材料の補給を開始し、あるいは補給溶融材料
量を増すことができ、圧力を低くすれば、補給溶融材料
量を減らし、あるいは停止させることができる。 (85)複数個の成形スタート部材と1つ以上の仕切部
材とを一斉に離間させる複数離間装置を含む請求項16
〜29,態様27〜84のいずれか1つに記載の成形装
置。本態様の成形装置は、複数成形材並行成形装置と称
することもできる。複数離間装置は、複数個の成形スタ
ート部材と仕切部材とを離間開始時間を同じくして一斉
に離間させ得る複数一斉離間装置を含むものであって
も、離間開始時間を異にするが複数を並行して離間させ
得る個別並行離間装置を含むものであってもよい。いず
れにしても、成形材の成形を1つづつ行う場合より生産
性を向上させることができる。複数一斉離間装置は、複
数の成形スタート部材を共通のスタート部材保持装置に
保持するものとすることもでき、この場合には装置コス
トの低減を図り得る。 (86)前記成形スタート部材が、前記溶融材料の成形
スタート部材への固着を促進する固着促進装置を有する
請求項16〜29,態様27〜85のいずれか1つに記
載の成形装置。固着促進装置は、例えば、固着を早急に
行わせる装置である。溶融材料がスタート面周辺におい
て速やかに凝固すれば、溶融材料を速やかに成形スター
ト部材に固着させることができる。固着促進装置は凝固
促進装置と称することも可能である。 (87)前記固着促進装置が、前記成形スタート部材の
スタート面を冷却するスタート面冷却装置を含む態様8
6に記載の成形装置。 (88)前記成形スタート部材が、固着した溶融材料が
剥がれ難くする剥離防止装置を含む請求項16〜29,
態様27〜87のいずれか1つに記載の成形装置。 (89)前記剥離防止装置が、前記仕切部材側の面に設
けられた凹凸を含む態様88に記載の成形装置。凹凸に
よって、固着した溶融材料が剥がれ難くなる。成形スタ
ート部材の仕切部材側の面に突部を形成し、固着した溶
融材料が収縮によりその突部を締めつける状態とするこ
とが特に有効である。 (90)前記成形スタート部材が、前記溶融材料に含ま
れる複数の物質のうち少なくとも1つの物質を含む材料
によって製造されたものである請求項16〜29,態様
27〜89のいずれか1つに記載に成形装置。成形スタ
ート部材を、溶融材料に含まれる複数の物質のうちの少
なくとも1つの物質を含む材料で製造すれば、溶融材料
が固着し易く、剥離し難くなる。また、溶融材料と全く
同じ材料で製造すれば、成形スタート部材を成形材の一
部とみなすことも可能であり、その場合には、成形後に
成形スタート部材を成形材から外す必要がなくなる。成
形材自体を成形スタート部材として使用すれば、成形材
同士を結合することができ、長尺材の成形も可能にな
る。成形スタート部材の材料と溶融材料とで、同じ物質
が含まれているが、全く同じではない場合、すなわち、
両者が一部同一の物質から成っている場合にも、成形ス
タート部材と成形材とを結合することができる。一般的
に、2つの部材を結合する場合には、これら2つの部材
が共通の物質を含んでいる方が、共通の物質を含んでい
ない場合より結合性が高い。また、成形スタート部材と
溶融材料とのいずれか一方がセラミックス材料で、他方
が金属材料である場合より、これら両方が金属材料ある
いはセラミックス材料である方が結合性が高い。なお、
セラミックス材料を溶融材料に使用する場合には、ガラ
ス等比較的融点が低いものを使用することが望ましい。
また、実用上,両方とも金属材料とすることが望まし
い。 (91)前記成形スタート部材が、筒状部と底壁部とを
有する有底筒状を成したものであり、当該成形装置が、
それら底壁部と筒状部とによって囲まれた空間の圧力を
制御するスタート部材内空間圧力制御装置を含む請求項
16〜29,態様27〜90のいずれか1つに記載の成
形装置。本態様の成形スタート部材およびスタート部材
内空間圧力制御装置によれば、筒状の成形材,中実の成
形材,有底筒状の成形材等を成形することができる。ま
た、態様27の温度調節装置を、成形スタート部材自体
あるいは成形スタート部材内空間の温度を調節し得る位
置に設ければ、成形スタート部材内空間に供給された溶
融材料の凝固を促進し得る。 (92)前記成形スタート部材の前記底壁部と筒状部と
の少なくとも一方に1個以上の突部を形成した態様91
に記載の成形装置。底壁部や筒状部に1個以上の突部が
形成されれば、固着された溶融材料が剥がれ難くなる。
この場合、突部およびスタート部材内空間圧力制御装置
等は剥離防止装置に該当し、突部は固着ボスと称するこ
ともできる。また、成形材の端面を、その突部に応じた
形状とすることができる。この場合、これら成形スター
ト部材やスタート部材内空間圧力制御装置は、形状変更
装置の一態様と考えることもできる。なお、これら成形
スタート部材に関する態様86〜92は、補助スタート
部材に適用することも可能である。補助スタート部材は
成形スタート部材と同様な機能を必要とするものであ
る。 (93)請求項16〜29,態様27〜92のいずれか
1つに記載の成形装置と、その成形装置によって成形さ
れた成形材に鍛造を施す鍛造装置とを含む成形・鍛造シ
ステム。 (94)溶融材料溜まりの表面である溶融材料溜表面を
仕切る仕切壁を有する仕切部材と、前記仕切部材と、成
形材の断面形状を規定する成形スタート部材とを相対移
動可能に保持する成形部材等保持装置と、その成形部材
等保持装置によって保持された成形スタート部材と仕切
部材とを、前記成形スタート部材と仕切部材とを互いに
接触または近接させた後、互いに離間させる相対移動装
置とを含む成形装置。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、第十六ないし第二十五,第
二十七発明に共通の一実施形態である成形装置について
図面に基づいて詳細に説明する。この成形装置は、第一
ないし第十,第十四発明の一実施形態の成形方法を共通
に実施し得る装置である。なお、図面は、成形装置や成
形材等を概念的に表したものである。図1の成形装置に
おいて、収容容器10には溶融材料12が収容され、溶
融材料溜まりが形成される。14はこの溶融材料溜まり
の上向き表面16を仕切る仕切部材であり、18は成形
スタート部材20を三次元的に移動させる三次元移動装
置である。仕切部材14は、仕切部材保持部材22によ
って溶融材料溜まりの上向き表面16近傍に保持されて
いる。仕切部材保持部材22は、仕切部材昇降装置24
に上下方向に移動可能に取り付けられており、仕切部材
14は、これらにより上下方向に移動可能に支持される
ことになる。
【0071】三次元移動装置18と仕切部材昇降装置2
4とにより、仕切部材14と成形スタート部材20とが
互いに相対移動させられる。これら仕切部材14と成形
スタート部材20とが互いに離間させられると、図3に
示すように、溶融材料12が仕切部材14を経て引き上
げられ、引き上げられた引出溶融材料26がこれらの間
において凝固し、成形材28が成形される。ここでは、
溶融材料として、鋳造用アルミニウム合金(JIS−A
C4C)が使用されているため、以下、溶融材料を溶融
金属と称することにする。
【0072】仕切部材14は、図2に示すように、直径
150mm,厚み15mmの概して平板状を成したものであ
り、格子状に配設された多数の仕切壁30を有したもの
である。これら仕切壁30は、一方向において、互いに
ほぼ平行に、ほぼ等間隔に配設されている。その結果、
仕切部材14は、仕切壁30によって囲まれた各々独立
の多数の連通穴32を有することになり、これら連通穴
32は、互いに平行に、かつ、仕切部材14の平面に直
交した姿勢で形成されることになる。本実施形態におい
ては、仕切壁30各々の厚みが約0.5mmで、約1mm間
隔で設けられているため、仕切壁30は、仕切壁30に
平行な方向qにおいては長さ100mmの線分当たり66
個{(1個/1.5mm)×100mm}、方向qに交差す
る方向rにおいては長さ100mmの線分当たり47個
{(1個/1.5√2mm)×100mm}設けられること
になる。また、1つの連通穴32の内法が1mm×1mmで
あるため、連通穴32が、100mm×100mm(100
00mm2 )当たり4356個(66×66)設けられ、
開口率(連通穴面積比)はおよそ44%{1mm2
(1.5mm×1.5mm)}となる。また、本仕切部材1
4は多孔質体であるため、空隙率は開口率より大きな値
となる。表面には、多くの凹凸が形成されているため、
比表面積(単位重量当たりの表面積)が大きくなるので
ある。
【0073】仕切部材14は、本実施形態においては、
コーディエライトとムライトとを含むセラミックス材料
が焼結されることによって製造されている。セラミック
ス材料は概して反応性が低い材料であるため、溶融金属
12と高温下で接触しても、その金属と反応することが
回避される。また、耐火性を有しているため、高温下に
配設しても、仕切部材14自体が変形することが回避さ
れる。さらに、多孔質体であるため、溶融金属12と接
触する仕切壁30の表面においても、溶融金属12中の
微細な異物等を除去し得る。仮に、多孔質体でなくて
も、仕切壁30によって、溶融金属12中に含まれる大
きな異物等を除去し得るが、多孔質体であれば、より微
細なものも除去し得るのである。このように本仕切部材
は、異物除去部材としての機能も有することになる。
【0074】仕切部材14は、上述のように、溶融金属
溜まりの上向き表面16近傍に配設されている。その結
果、図4に示すように、上向き表面16は、仕切壁30
によって多数個の部分表面34に仕切られる。上向き表
面16のうち連通穴32に対応する部分が部分表面34
なのである。溶融金属12はこれら部分表面34から引
き出されるのであるが、溶融金属12が仕切壁30を越
えて引き出されることはないため、溶融金属12は部分
表面34毎(連通穴32毎)に引き出されることにな
る。この場合、仕切部材14がセラミックス材料によっ
て製造されているため、仕切壁30が溶融金属12の引
出しに伴って破壊されることはない。図4に示す仕切壁
30aにおいては、溶融金属12が仕切壁30aの両側
の部分表面34a,bから引き上げられるため、仕切壁
30aには、それほど大きな力が作用することはない
が、仕切壁30bにおいては、一方の側の部分表面34
bから引き上げられ、他方の側の部分表面34cからは
引き上げられないため、仕切壁30bには、部分表面3
4c側から部分表面34bに向かって、比較的大きな力
が作用することになる。部分表面34c側は大気圧にあ
るが、部分表面34b側は溶融金属12の引出しにより
負圧になっているからである。しかし、仕切壁30b
は、十分な強度を有しているものであるため、溶融金属
12の引き上げによって破壊したり、変形したりするこ
とはないのである。また、仕切壁30cの両側の部分表
面からは、溶融金属は引き上げられない。
【0075】上述のように、本仕切部材14において
は、仕切壁30の各々が、それの両側の部分表面から溶
融金属12が引き出される状態にある仕切壁,片側の部
分表面のみから引き出される状態にある仕切壁,いずれ
の部分表面からも引き出されない状態に仕切壁のいずれ
か1つ状態に属することになる。仕切壁30各々が、い
ずれの状態の仕切壁に状態になるかは、予め決められて
いるわけではなく、成形スタート部材20の形状,接触
する位置等によって決められる。換言すれば、すべての
仕切壁30は、上述のいずれの状態の仕切壁にもなり得
るものなのである。なお、仕切部材14が溶融金属12
の上向き表面16近傍に配設された状態では、溶融金属
12は仕切部材14の上側面から引き上げられるため、
上側面が材料排出面38となる。
【0076】前記仕切部材昇降装置24は、表面追従制
御装置42の指令に基づいて図示しない駆動回路により
制御される。仕切部材昇降装置24により仕切部材保持
部材22が下方へ移動させられると、それに伴って仕切
部材14が下方に移動させられる。仕切部材14に対す
る溶融金属12の上向き表面16の相対高さが上昇し、
上向き表面16の相対高さが仕切部材14の材料排出面
38側に近づく。仕切部材保持部材22が上方へ移動さ
せられると、仕切部材14が上方へ移動させられ、上向
き表面16の相対高さが下降し、材料排出面38から後
退させられる。仕切部材保持部材22には、表面センサ
44が取り付けられており、表面センサ44によって、
仕切部材保持部材22(仕切部材14)と上向き表面1
6との間の距離が検出され、その距離に基づいて相対高
さが検出される。表面センサ44の出力信号は、上記表
面追従制御装置42に供給される。
【0077】前記三次元移動装置18は、3つの第一な
いし第三アーム52〜56を備えている。第一アーム5
2は、本体58に対して垂直軸回り(Z軸回り)に回転
可能に取り付けられ、第二アーム54,第三アーム56
は、それぞれ、第一アーム52,第二アーム54に対し
て水平軸回りに回転可能に取り付けられている。第三ア
ーム56には、スタート部材保持部材60が互いに直交
する三軸(X軸,Y軸,Z軸)回りにそれぞれ回転可能
に取り付けられている。スタート部材保持部材60の先
端には、上記成形スタート部材20が着脱可能に取り付
けられている。三次元移動装置18は、図示しない制御
盤からの指令に基づいて駆動回路により制御されるが、
制御盤は、後述する成形制御装置62の指令に基づいて
制御される。
【0078】本成形スタート部材20は、図3に示すよ
うに、スタート面66が概してコの字形を成したもので
あり、鋳造用アルミニウム合金によって製造されたもの
である。溶融金属12と同じ材料によって製造されてい
るため、溶融金属12が付着し易く、かつ、剥離し難く
なっている。また、成形スタート部材20の内部には、
図4に示す通路68が形成され、図示しない給水装置か
ら水が供給されるようになっている。通路68に水が供
給されると、スタート面66が冷やされ、成形開始時に
おいてスタート面66に付着された溶融金属の凝固が促
進される。このように通路68および給水装置は、スタ
ート面66を冷却するスタート面冷却装置とみなすこと
ができるが、スタート面66に付着された溶融金属のス
タート面66への固着を促進する固着促進装置としても
機能することになる。また、成形途中においては、成形
材28が冷やされることによって引出溶融金属24の端
面が冷やされることになるため、引出溶融材料冷却装
置,引出溶融材料端面冷却装置の一態様でもある。な
お、溶融金属12は、スタート面66に付着されて引き
上げられるため、成形材28の外形および大きさは、ス
タート面66の外形および大きさとほぼ同じになる。
【0079】本成形装置は、温度調節装置74を備えて
いる。温度調節装置74は、図4に示すように、二対の
加熱冷却装置76〜79および図示しない電源,窒素ガ
ス供給装置等を含んだものである。これら加熱冷却装置
76〜79は、それぞれ、図示しないヒータ部と、窒素
ガス吹出し部とを備えたものであり、これらを選択的に
作動状態にすることにより加熱装置として作動したり、
冷却装置として作動したりする。ヒータ部の温度を調節
することにより加熱温度が制御され、吹き出される窒素
ガス(冷却媒体)の量や温度を制御することによって冷
却速度が制御される。一対の加熱冷却装置76,77お
よび一対の加熱冷却装置78,79は、それぞれ互いに
対向する位置に、成形方向において隔たった位置に設け
られている。
【0080】加熱冷却装置76,77を冷却装置として
使用すれば、引出溶融金属26において、外側面近傍の
温度が内部の温度より低くなり、外側面近傍における凝
固が内部より先に開始されることになる。そのため、凝
固面82が、仕切部材14近傍において凹状となり、引
出溶融金属26が仕切部材14の内部において凝固する
ことが良好に回避される。たとえ、加熱冷却装置76,
77を冷却装置として作動させなくても、引出溶融金属
26の外側面の温度は内部の温度より低くなるため、凝
固面82の形状は凹状になるが、積極的に冷却すること
によって、凝固面82が凸状になることを確実に阻止
し、凝固を促進させ得る。それに対して、加熱冷却装置
76,77を加熱装置として使用すれば、外側面近傍と
内部との温度差が小さくなり、凝固面82が平らにな
る。しかし、加熱し過ぎると、凝固面82が凸状になる
おそれがある。また、加熱冷却装置78,79を加熱装
置として使用すれば、外側面近傍と内部との温度差が小
さくなり、凝固面82が平らになる。このように、加熱
冷却装置76〜79の制御により、凝固面82の形状を
制御することができるのである。
【0081】また、図から明らかなように、これら加熱
冷却装置76〜79によって成形材28の外側面が加熱
されたり冷却されたりすることによって、引出溶融金属
26の温度が調節されることになるため、加熱冷却装置
76〜79を含む温度調節装置74は、引出溶融材料外
側面温度調節装置,引出溶融材料冷却装置,引出溶融材
料加熱装置の一態様となる。
【0082】本成形装置は、断面変更装置としての断面
形状変更装置90を備えている。断面形状変更装置90
は、図5,6に示すように、遮断部材92,遮断部材移
動装置94,補助スタート部材96,補助離間装置98
等を備えたものである。遮断部材92は、厚みが1,5
mmの平板状を成したものであり、窒化ケイ素で製造され
たものである。遮断部材92は、後述するが、引出溶融
金属26に侵入させられるものであるため、溶融金属と
反応性が低く、耐火性を有するものとさているのであ
る。遮断部材92の基部には取付部100が設けられ、
遮断部材駆動軸102に着脱可能とされている。遮断部
材駆動軸102は遮断部材移動装置94の侵入退避装置
104に支持されている。侵入退避装置104は、遮断
部材92を遮断部材駆動軸102回りに回動させる回動
装置106と、水平方向に直線移動させる水平直線移動
装置108とを含むものである。
【0083】回動装置106は、回動部材110および
その回動部材110を回転させる回転駆動装置としての
モータ112等を含むものであり、回動部材110に
は、上記遮断部材駆動軸102が相対移動可能かつ相対
回転不能に嵌合されている。回動部材110の回転に伴
って、遮断部材駆動軸102が回動させられ、それと一
体的に遮断部材92が板面が水平な状態と垂直な状態と
に回動させられる。水平直線移動装置108は、直線移
動部材116およびその直線移動部材116を直線移動
させる駆動装置としてのモータ118等を含むものであ
り、直線移動部材116には、相対回転可能かつ相対移
動不能に遮断部材駆動軸102の係合部120が係合さ
せられている。モータ118の駆動により、直線移動部
材116が移動させられると、係合部120を介して遮
断部材駆動軸102および遮断部材92が直線移動させ
られる。
【0084】遮断部材92は、これら回動装置106お
よび水平直線移動装置108によって、引出溶融金属2
6に侵入する侵入位置と、退避する退避位置とに移動さ
せられる。侵入位置にある場合には遮断部材92の板面
は水平状態にあるが、退避位置にある場合には垂直状態
にある。本実施形態においては、遮断部材92が後退さ
せられ(図示する状態より左方へ移動させられ)、板面
が垂直状態になるように回動させられた状態が退避位置
である。また、侵入退避装置104の本体124は支持
軸126に固定され、支持軸126が遮断部材移動装置
94の垂直移動装置128によって垂直方向に移動可能
に支持されている。垂直移動装置128によって支持軸
126が垂直方向に移動させられると、それに伴って、
侵入退避装置104が垂直方向に移動させられるととも
に遮断部材92が垂直方向に移動させられる。垂直移動
装置128は、遮断部材92を成形スタート部材20と
共に仕切部材14から離間させる遮断部材離間装置なの
である。
【0085】前記補助スタート部材96は、それの取付
部130において補助部材駆動軸132に着脱可能に取
り付けられている。補助部材駆動軸132は補助離間装
置98の水平直線移動装置134に支持され、水平方向
に直線移動可能とされている。また、水平直線移動装置
134の本体は支持軸136に固定され、その支持軸1
36は、図示しない垂直移動装置に垂直方向に移動可能
に支持されている。補助スタート部材96は、本実施形
態においては、直方体状を成したものであり、図の側面
が引出溶融金属26および成形材28に接触する第一面
であり、下面が仕切部材14の材料排出面38に接触す
る第二面である。第一面がこれら引出溶融金属26およ
び成形材28に接触し、第二面が材料排出面38に接触
する位置が補助スタート位置である。補助スタート部材
96が補助スタート位置に移動させられた後、仕切部材
14から離間させられれば、材料排出面38と第二面と
の間に溶融金属が引き出され、成形材が成形される。こ
のように第二面は成形スタート部材20のスタート面6
6と同様な機能を有することになるため、以下、第二面
を補助スタート面140と称することにする。補助スタ
ート部材96は、成形スタート部材20と同様に、溶融
金属12と同じ鋳造用アルミニウム合金で製造されたも
のである。
【0086】本実施形態の断面形状変更装置90におい
ては、これら遮断部材92と補助スタート部材96と
が、図6に示すように、成形材28の同一側面において
作動可能とされている。そのため、成形材28の同一側
面において、断面を大きくしたり、小さくしたりするこ
とが可能となる。また、断面形状変更装置90は、これ
ら遮断部材92,遮断部材移動装置94,補助スタート
部材96,補助離間装置98等を4組備えており、各組
が、互いにほぼ90度隔たった位置に設けられている。
成形材28の異なる4側面において、断面形状を変更し
得るようにされているのである。
【0087】成形材28の成形が行われる場合には、遮
断部材92および補助スタート部材96を予め後退端に
移動させておく。そして、遮断部材92を使用して成形
材28の断面を小さくする場合には、補助スタート部材
96をさらに上方に移動させ、遮断部材92を上方に移
動させる場合に干渉しないようにしておく。図7に示す
ように、遮断部材92を前進させ(図の右方へ移動さ
せ)、予め決められた侵入位置へ侵入させる。その後、
侵入位置から垂直方向に成形スタート部材20と共に仕
切部材14から離間させる。遮断部材92が侵入位置に
移動させられれば、その部分において、引出溶融金属2
6が分断される。遮断部材92によって覆われた部分表
面34(連通穴32)からは溶融金属12が引き上げら
れなくなるため、その分、成形材28の断面が小さくな
る。また、遮断部材92が成形材28(成形スタート部
材20)と共に移動させられれば、その遮断部材92に
接触している引出溶融金属26が凝固し、成形材28の
縮小面142が形成される。このように、遮断部材92
を成形材28と共に移動させるため、引出溶融金属26
が滴下し、縮小面142に溶融材料不足に起因する窪み
が形成されることが良好に回避される。後述するが、凝
固面82が平らであれば、遮断部材92を成形材28と
ともに移動させなくても、縮小面142に溶融材料不足
に起因する大きな窪みが生じることが回避されるが、凝
固面82を平らに制御することは困難であり、凸状にな
ることを回避するために多少凹状気味に制御されるのが
普通なのである。
【0088】なお、図8に示すように、遮断部材92に
よって、引出溶融金属26の断面全体が覆われれば、引
出溶融金属26がすべて分断されるため、成形材28を
切断することができる。遮断部材92が、引出溶融金属
26の断面より小さい場合には、複数個の遮断部材92
を侵入位置に移動させることによって、断面全体を覆う
ようにする。この場合には、遮断部材92を切断部材と
みなすとともに、侵入位置を切断位置とみなすことがで
き、侵入退避装置104を切断位置移動装置とみなすこ
とができる。
【0089】補助スタート部材96を使用して、成形材
28の断面を大きくする場合には、遮断部材92を、板
面が垂直状態にある退避位置に移動させておく。そし
て、図9に示すように、補助スタート部材96を補助ス
タート位置へ前進させ、補助スタート部材96の補助ス
タート面140に溶融金属が付着した後、仕切部材14
から成形スタート部材20と共に離間させる。補助スタ
ート部材96を補助スタート位置に移動させる際に、溶
融金属溜まりの上向き表面16の仕切部材14に対する
相対高さを上昇させておけば、補助スタート面140に
溶融金属を良好に付着させることができる。補助スター
ト面140と仕切部材14との間の引出溶融金属26
と、スタート面66と仕切部材14との間の引出溶融金
属26とが一体となって凝固し、成形材28の断面が補
助スタート面140に対応する部分だけ大きくなる。
【0090】前記収容容器10の上部には、上面カバー
部材150が配設され、仕切部材14,成形スタート部
材20,溶融金属溜まりの上向き表面16等が覆われて
いる。上面カバー部材150の内部には、気体供給装置
152によって窒素ガスが供給されるようになってお
り、上向き表面16や引出溶融金属26等が酸素から遮
断されるようになっている。このように、上面カバー部
材150によって、溶融金属12の上向き表面16のみ
ならず、引出溶融金属26も覆われるため、上面カバー
部材150は、成形空間カバー部材も兼ねることにな
る。上面カバー部材150の下部には、逆止弁が取り付
けられた流出穴が設けられており、供給された窒素ガス
が、下方から外部に流出させられるようになっている。
なお、逆止弁は不可欠ではない。上面カバー部材150
と、断面形状変更装置90、仕切部材部材保持部材2
2、三次元移動装置18等との間は気密にされている。
また、上面カバー部材150の上部には図示しない開閉
可能な開閉部材が取り付けられており、成形された成形
材28を取り出す場合等に開状態にされる。
【0091】また、収容容器10の外側には、攪拌装置
としての電磁コイル154が配設されている。本実施例
においては収容容器10に収容されている溶融材料が金
属材料であるため、電流と磁界との相互作用を利用して
溶融金属12を攪拌することができるのである。溶融金
属12の攪拌により、収容容器10内の温度の均一化を
図り得、材料の均質化を図り得る。なお、156は溶融
金属加熱装置である。
【0092】本成形装置は、さらに、溶融金属補給装置
160を備えている。溶融金属補給装置160は、溶融
金属が収容された補給用容器162,収容容器10と接
続する接続管164,接続管164の途中に設けられた
電磁ポンプ166等を含むものである。電磁ポンプ16
6に供給される電流量を制御することによって補給溶融
金属の量を制御することができる。電磁ポンプ166に
供給される電流量は、前記成形制御装置62の指令に基
づいて図示しない駆動回路により制御される。本実施形
態においては、電磁ポンプ166に供給される電流量
が、溶融材料溜まりの量が常にほぼ一定に保たれるよう
に制御される。すなわち、溶融金属が収容容器10に連
続して供給されることになるため、本溶融金属補給装置
160を連続補給装置と考えることができる。なお、図
示はしないが、補給用容器162の周りには加熱装置が
設けられ、補給用容器162内の溶融金属が溶融状態に
保たれる。本成形装置は、スタート部材内空間圧力制御
装置170を備えている。後述するが、スタート部材内
空間圧力制御装置170は、成形スタート部材が、有底
筒状をなしたものに取り替えられた場合に、その成形ス
タート部材の内部空間の圧力を高くしたり、低くしたり
するものである。
【0093】前記成形制御装置62は図示しないCP
U,ROM,RAM,入力部,出力部等を含むコンピュ
ータを主体とするもので、入力部には前記表面センサ4
4が接続されるとともに、出力部には、図示しない駆動
回路を介して、三次元移動装置18を駆動する制御盤,
温度調節装置74,断面形状変更装置90,電磁ポンプ
166,気体供給装置152,スタート部材内空間圧力
制御装置170等が接続されている。ROMには、成形
する成形材の形状等に関する多数の情報や成形材を成形
するためのプログラム等が格納されている。三次元移動
装置18,温度調節装置74,断面形状変更装置90,
スタート部材内空間圧力制御装置170は、成形する成
形材の形状等に基づいて制御され、電磁ポンプ166は
溶融金属12の量がほぼ一定に保たれるように制御され
る。
【0094】以上のように構成された成形装置における
作動について説明する。成形スタート部材20を仕切部
材14の材料排出面38に接触させることによって、ス
タート面66を上向き表面16に接触させた後、仕切部
材14から離間させることによって、仕切部材14の材
料排出面38から溶融金属12を引き上げる。引き上げ
られた引出溶融金属26はスタート面66と材料排出面
38との間で凝固し、成形材28が成形される。成形材
28の端面,断面の形状および大きさは、スタート面6
6の形状および大きさとほぼ同じになる。成形スタート
部材20を仕切部材14に接触させる際に、仕切部材保
持部材22を下方に移動させることによって仕切部材1
4を下降させ、上向き表面16の仕切部材14に対する
相対高さを上昇させて材料排出面38側に近づけてお
く。材料排出面38側においては、溶融金属12の上向
き表面16が連通穴32から表面張力により突状に突出
している状態にある。そのため、スタート面66を材料
排出面38に接触させれば、スタート面66に溶融金属
12を確実に付着させることができる。このように本実
施形態においては、成形スタート部材20を仕切部材1
4に接触させることによってスタート面66に上向き表
面16を接触させているため、仕切部材14は成形スタ
ート部材20の位置決め部材としての機能も有すること
になる。
【0095】次に、このスタート面66に溶融金属12
が付着した成形スタート部材20を僅かに上方に移動さ
せるとともに、仕切部材保持部材22を上方に移動させ
る。仕切部材14を上方へ移動させ、上向き表面16の
仕切部材14に対する相対高さを下げ、材料排出面38
から後退させる。成形スタート部材20に付着された溶
融金属は凝固し、ネッキングによりそれの形状の安定化
が図られる。
【0096】その後、成形スタート部材20を仕切部材
14から離間させて、収容容器10に収容された溶融金
属12を部分表面34(連通穴32)から連続的に引き
上げ、成形材28の成形を行うのであるが、成形時に
は、溶融材料溜まりの量がほぼ一定に保たれるように、
溶融金属補給装置160により溶融金属が補給されるた
め、上向き表面16の収容容器10に対する高さがほぼ
一定に保たれる。そのため、主として成形スタート部材
20を上方に移動させれば、仕切部材14と成形スター
ト部材20とが互いに離間させられることになる。ま
た、成形時には、上向き表面16の仕切部材14に対す
る相対高さが材料排出面38とほぼ同じ高さになるよう
に維持される。上述のように、溶融金属12の量がほぼ
一定に保たれるため、仕切部材昇降装置24により、上
向き表面16の仕切部材14に対する相対高さが一定に
維持されるように微調節されるのである。その結果、収
容溶融材料12が安定して引き上げられ、成形材28の
形状の安定化を図ることができる。溶融金属12は、ス
タート面66に付着された溶融金属が引き上げられる部
分表面34のみから引き上げられ、それ以外の部分表面
34から引き上げられることはない。しかも、溶融金属
12が仕切壁30を越えて引き上げられることがないた
め、成形途中において、溶融金属12が引き上げられる
部分表面34が、外的要因を与えることなく変わること
がない。したがって、成形材28の端面,断面の外形お
よび大きさは、スタート面66のそれらとほぼ同じにな
り、そのスタート面66の外形の寸法と成形材28の断
面寸法との差が、部分表面34の2倍(片側で部分表面
1個分)より大きくなることはない。
【0097】さらに、成形時には、凝固面82の外側縁
の上向き表面16からの高さ(引出し長さm)が、一定
の高さに維持される。図4に示すように、引出し長さm
が大きい場合には成形材28の外形が小さくなり、小さ
い場合には外形が大きくなる。そのため、引出し長さm
が一定に保たれれば、成形材28の断面の大きさを一定
に保つことができる。引出し長さmは、成形スタート部
材20と仕切部材14との相対移動速度や、加熱冷却装
置76〜79の温度条件等を制御することによって制御
される。
【0098】また、成形スタート部材20と仕切部材1
4との相対移動速度や,加熱冷却装置76〜79による
冷却速度は、凝固面82が凹状ないし平坦に保たれるよ
うに制御される。成形開始時には、加熱冷却装置76,
77が冷却装置として使用される。引出溶融金属26
は、加熱冷却装置76,77により外側面が冷やされる
とともに、成形スタート部材20により成形材28を介
して上方から冷やされる。外側面近傍の温度が内部の温
度より低くなるため、凝固面82が凹状になり、仕切部
材14の内部において溶融材料が凝固することが回避さ
れる。その後、加熱冷却装置76,77を加熱装置とし
て使用し、成形材28の外側面を加熱することによって
引出溶融金属26の外側面を加熱する。外側面が加熱さ
れるとともに上方が冷却されるため、外側面近傍と内部
との間の温度差が小さくなり、凝固面82が平坦にな
る。このように、凝固面82を平坦にすれば、成形材2
8を切断したり、縮小面142を形成したりする際に
も、これら切断面や縮小面142に大きな窪みが生じる
ことを回避することができる。
【0099】成形材28が加熱冷却装置78,79の設
置位置を越えれば、加熱冷却装置78,79を加熱装置
として使用する。加熱冷却装置78,79による成形材
28の外側面の加熱により、引出溶融金属26の外側面
近傍と内部との間で温度差が小さくなり、凝固面82が
平坦になる。なお、本実施形態においては、加熱冷却装
置76〜79が、成形材28のコーナ部ではなく、平面
部に位置するように設置されている。そのため、引出溶
融金属26の外側面全体を均一に冷却したり加熱したり
することができる。本成形スタート部材20のスタート
面66は、前述のように概してコの字形を成したもので
あるため、コーナでなく、面部に対応する位置に設置す
るのである。このように、仕切部材14の上向き表面1
6との相対高さ,成形スタート部材20と仕切部材14
との相対移動速度,引出し長さm,引出溶融金属26の
温度等が成形制御装置62の指令に基づいて制御される
のであるが、これらの制御により、成形材28の成形速
度,成形材28の断面の外形や大きさ,成形材28の材
質等が制御されることになる。
【0100】成形材28が所定の長さになれば、遮断部
材92を切断位置に移動させることによって引出溶融金
属26の断面全体を覆い、成形材28を切断する。遮断
部材92の板面の大きさが、引出溶融金属26の断面よ
り小さい場合,移動ストロークに限界がある場合等に
は、複数個の遮断部材92を切断位置に移動させる。切
断位置に移動させられた遮断部材92を、成形スタート
部材20と共に仕切部材14から離間させる。遮断部材
92の上面の引出溶融金属26が凝固し、切断面が形成
される。切断された成形材28は、開閉部材が開状態に
された後、上面カバー部材150の上方の開口部から取
り出される。この場合、遮断部材92が成形スタート部
材20と共に離間させられるため、凝固面82が凹状で
あっても、切断面に溶融金属不足に起因する窪みが形成
されることが良好に回避される。
【0101】また、成形時には、収容容器10に収容さ
れた溶融金属12が攪拌されるため、収容容器10内に
おいて溶融金属12の成分が不均一になることが回避さ
れ、長手方向において成分が異なる成形材28が成形さ
れることが良好に回避される。なお、収容容器10内に
おける溶融金属12の温度変化を小さくし得る効果もあ
る。さらに、上面カバー部材150の内部には気体供給
装置150と加熱冷却装置76〜79との両方によって
窒素ガスが供給される。そのため、上向き表面16およ
び引出溶融金属26の両方の酸化が良好に防止され、成
形材28の品質の向上を図ることができる。加熱冷却装
置76〜79は、引出溶融金属26の冷却と窒素ガスの
供給との両方の機能を兼ねることになる。また、上面カ
バー部材150の内部が多少加圧された状態になるた
め、溶融材料として、蒸気圧の高い材料や気体含有量の
多い材料も使用し得る。
【0102】以上のように、本実施形態においては、仕
切部材昇降装置24および三次元移動装置18等によっ
て相対移動装置が構成されるが、前述のように、成形時
には、仕切部材14の収容容器10に対する相対高さは
ほぼ一定に保たれるため、三次元移動装置18によって
成形スタート部材20が移動させられることによってこ
れらが相対移動させられることになる。これらの間の相
対移動速度は、独立して制御される場合もあるが、加熱
冷却装置76〜79を含む温度調節装置74の制御と合
わせて制御されるのが普通であり、成形制御装置62に
は、これら相対移動速度を制御する相対移動速度制御手
段や温度を調節する温度調節手段が含まれることにな
る。これら三次元移動装置18および温度調節装置74
の少なくとの一方と、成形制御装置62の、これら少な
くとも一方を制御する部分等によって、引出溶融材料長
さ維持装置,凝固速度制御装置,成形速度制御装置,凝
固面形状制御装置,材質制御装置等が構成されることに
なる。
【0103】また、仕切部材保持部材22,仕切部材昇
降装置24,表面追従制御装置42および表面センサ4
4等により相対位置制御装置が構成され、成形時には、
上向き表面16の仕切部材14に対する相対位置が一定
に保たれるように、相対高さ維持手段によって制御され
る。本実施形態においては、溶融金属溜まりの量が一定
に保たれるように、溶融金属補給装置160によって溶
融金属が補給されるようになっているため、溶融金属補
給装置160は、相対位置制御装置の一態様とみなすこ
ともできる。溶融金属補給量は、成形制御装置62の補
給量制御手段である溶融材料量対応補給量制御手段によ
って制御されるが、具体的には、電磁ポンプ166に供
給する電流量が電流量制御手段により制御されるように
なっている。
【0104】成形時において、スタート面66と材料排
出面38とが平行に保たれれば、図10に示すように、
垂直方向に延びた成形材190が形成される。成形材1
90が予め定められた長さになれば、切断され、開口部
から取り出される。この場合、三次元移動装置18は、
平行離間装置、垂直平行離間装置,角度保持離間装置,
溶融材料引上げ装置を含むことになる。
【0105】また、スタート面66と材料排出面38と
が平行に保たれたまま、成形スタート部材20と仕切部
材14とを互いに垂直方向に離間させつつ水平方向に移
動させれば、図11に示すような、傾斜した側面形状の
成形材192が得られる。この場合、三次元移動装置1
8により、平行垂直離間の他に水平方向移動が付与され
ることになるため、三次元移動装置18は水平方向相対
移動装置,組合せ運動付与装置を含むことになる。ここ
で、垂直方向の移動速度および水平方向の移動速度は、
成形制御装置62の指令に基づいて図示しない駆動回路
により制御されるのであるが、水平方向の移動速度が大
き過ぎると、引出溶融金属26が分断されるおそれがあ
る。水平方向移動速度は、成形制御装置62に含まれる
外形変化目的水平方向相対速度制御手段によって、引出
溶融金属26が分断されず、かつ、成形材28の外形が
変化するように制御されることになる。
【0106】逆に、水平方向に移動させることによっ
て、成形材28を切断する場合には、水平方向移動速度
を非常に大きくするとともに、移動ストロークを大きく
する。この場合には、予め、仕切部材14を上昇させ
て、上向き表面16の相対高さを材料排出面38から後
退させておくことが望ましい。この場合、水平方向移動
速度等は、分断目的水平移動速度制御手段によって制御
されることになる。このように成形スタート部材20を
水平方向に移動させることによって成形材を切断する方
法は、成形材が垂直方向に延びた形状を成したものであ
っても、成形材192のように傾斜した側面形状をなし
たものであっても適用することができる。
【0107】次に、成形時に、スタート面66と材料排
出面38とを相対回動させれば、図12に示すように、
湾曲した側面形状の成形材194が得られる。スタート
面66と材料排出面38とが平行状態から非平行状態に
変えられるのである。この場合には、スタート面66と
材料排出面38との相対回動面の外側に位置する加熱冷
却装置77が冷却装置として使用されるが、内側の加熱
冷却装置76は非作動状態にある。加熱冷却装置76
は、加熱装置としても冷却装置としても使用されないの
である。スタート面66と材料排出面38との離間速度
が大きい側のみが冷却されることによって、引出溶融金
属26が上述の離間速度が大きい側と小さい側とで不均
等に冷却されるのであり、不均等な冷却速度が付与され
ることになる。
【0108】離間速度が大きい側と小さい側とにおいて
冷却速度が同じ場合には、離間速度が大きい側において
引出し長さが長くなり、小さい側において短くなる。そ
のため、離間速度が大きい側においては成形材28の断
面寸法が減少し,小さい側においては増大して、正確に
スタート面66の移動軌跡通りの側面形状の成形材28
が得られない。また、離間速度を、小さい側(相対回動
面の内側)の速度に合わせると大きい側(相対回動面の
外側)の離間速度が表面張力との関係において過大とな
り、外側において引出溶融金属26が分断されたり、成
形材28の密度が低くなったりする。相対回動面の外側
の速度に合わせると、離間速度を非常に遅くしなければ
ならず、成形速度が非常に遅くなり、作業性が低下す
る。さらに、凝固面82を平らに制御し難いという問題
もある。
【0109】それに対して、相対回動面の外側の冷却速
度を内側の冷却速度より大きくすれば、引出し長さを外
側と内側とにおいてほぼ同じにすることができ、スター
ト面66の移動軌跡通りの側面形状の成形材を得ること
ができる。また、これら成形スタート部材20と仕切部
材14とを適当な離間速度で離間させつつ、引出溶融金
属26が分断されたり、成形材28の密度等の材質が不
均等になったりすることを回避することができる。さら
に、凝固面82をほぼ平らにすることができるという効
果もある。これら加熱冷却装置76,77および成形制
御装置62のこれら加熱冷却装置76,77を制御する
部分等によって不均等冷却速度付与装置、外側面重点冷
却装置が構成される。また、三次元移動装置18は、非
平行離間装置,角度変化離間装置を含むことになる。
【0110】次に、成形スタート部材20と仕切部材1
4とを相対回転させつつ互いに離間させれば、図13に
示すように捩じれた形状の成形材196が得られる。こ
こでは、相対回転中心を成形スタート部材20の中心と
した。本成形スタート部材20は、スタート面66がコ
の字形とされているため、相対回転中心をどの位置にし
ても、成形材の外形を変化させることができるが、スタ
ート面の外形が円形の場合には、相対回転中心を円の中
心とすると成形材の外形を変化させることができない。
そのため、スタート面の外形が円形の場合には、相対回
転中心をその円の中心以外の位置にする必要がある。円
以外の形状の場合には、相対回転中心はどの位置にして
もよい。なお、相対回転中心を成形材196から外れた
位置にすれば、スパイラル状の成形材を成形することが
でき、成形スタート部材をスタート面が比較的小さな円
形を成したものに取り替えれば、スプリングを成形する
こともできる。三次元移動装置18は、相対回転装置を
含むことになる。
【0111】次に、断面形状変更装置90を使用して、
成形材の成形方向における断面形状を変更させる場合に
ついて簡単に説明する。断面を小さくする場合には遮断
部材92を使用し、断面を大きくする場合には補助スタ
ート部材96を使用するのであるが、これら遮断部材9
2および補助スタート部材96は、縮小面142の形
状,拡大面の形状等に応じて、予め定められた形状のも
のを取り付けておく。遮断部材92,補助スタート部材
96を適宜使用すれば、図14に示す成形材204が得
られる。なお、縮小面142の形状は、遮断部材92を
侵入位置において水平方向に移動させることによって変
えることもできる。
【0112】また、成形材の同一側面に対して、補助ス
タート部材96および遮断部材92を作用させれば、図
15に示すような、成形材206が成形される。ここ
で、補助スタート部材96を使用して断面を大きくした
場合には、補助スタート部材96を成形材の成形終了ま
で成形スタート部材20と共に離間させる必要はない。
成形スタート部材20と仕切部材14との間の引出溶融
金属26と、補助スタート部材96と仕切部材14との
間の引出溶融金属26とが一体となって凝固した後は、
成形スタート部材20のみを仕切部材14から離間させ
れば、それに伴って補助スタート面140に対応する部
分表面34からも溶融金属12が引き上げられるのであ
る。さらに、本実施形態においては、補助スタート部材
96および遮断部材92が着脱可能とされているため、
補助スタート面140の形状,遮断部材92の形状等に
応じて拡大断面や縮小面を形成することができる。ま
た、同一側面において、遮断部材92と補助スタート部
材96との両方を作用させることができるため、成形材
28の形状変更の範囲を広げることができ、成形材の設
計の自由度を広げることができる。
【0113】次に、補助スタート部材96を使用して、
分岐状の成形材を成形する場合について説明する。ま
ず、成形スタート部材20を図16に示す成形スタート
部材210に取り替える。成形スタート部材210は、
全く独立の2つのスタート面212,214をそれぞれ
有するスタート部材が連結された形状を成したものであ
る。スタート面212,214に溶融金属12が付着さ
れ、仕切部材14から離間させられれば、各々別個に溶
融金属が引き上げられる。引出溶融金属216,218
が凝固し、各々別個に成形材220,222が成形され
る。成形材220,222の長さが所定の長さになった
後、補助スタート部材96を引出溶融金属216,21
8にそれぞれ接触するとともに補助スタート面140が
上向き表面16に接触する補助スタート位置に移動させ
る。補助スタート部材96および成形スタート部材21
0を共に仕切部材14から離間させれば、スタート面2
12,214によって引き上げられた引出溶融金属21
6,218と、補助スタート面140によって引き上げ
られた引出溶融金属とが一体となって凝固し、分岐状の
成形材224が成形される。補助スタート部材96は、
補助スタート位置において、2つの引出溶融金属21
6,218および2つの成形材220,222にそれぞ
れ接触することになるため、第一面を2つ有することに
なる。また、本実施形態においては、2つの成形材22
0,222を結合させて分岐状成形材224が成形され
るため、補助離間装置98を結合用補助離間装置と称す
ることができ、結合用補助離間装置を含む成形装置を、
成形材結合装置または分岐型成形材成形装置と称するこ
とができる。
【0114】次に、成形スタート部材を有底筒状を成し
たものに取り替えて、成形材を成形する場合について説
明する。成形スタート部材20を、図17に示す成形ス
タート部材230に取り替える。成形スタート部材23
0は、筒状部232と底壁部234とを有する有底円筒
状を成したものであり、その底壁部234には、突部2
36が設けられている。また、成形スタート部材230
には、前記スタート部材内空間圧力制御装置170が接
続されている。スタート部材内空間圧力制御装置170
により、筒状部232および底壁部234によって形成
される空間238の圧力が制御される。また、底壁部2
34には、通路240が設けられており、通路240に
水が供給されることにより、成形スタート部材230が
冷やされるようになっている。
【0115】本成形スタート部材230を、仕切部材1
4に接触させた後、スタート部材内空間圧力制御装置1
70により、空間238の圧力が低くされれば、空間2
38内には、その空間238に対応する部分表面34か
ら溶融金属12が流入させられ凝固する。その後、成形
スタート部材230と仕切部材14とを互いに離間させ
れば、これらの間において成形材が成形される。この成
形材の端面の形状は、空間238内に流入させられ、凝
固した溶融金属の形状となる。端面の中央部に突部23
6に対応する窪みが形成されるのである。また、成形材
は、筒状にはならず、中実状となる。成形開始時に、空
間238に流入させられて凝固した部分もスタート面と
なり、それに対応する部分表面34からも溶融金属12
が引き上げられるからである。このようにして成形され
た成形材は、成形後、鍛造加工等を施すことが望まし
い。溶融金属を引き上げつつ成形した部分と吸引して成
形した部分とは組織が異なる場合があり、その場合に
は、鍛造加工等塑性加工により、これらの組織を均一に
するのである。
【0116】それに対して、空間238に流入させられ
た溶融金属は、突部236を締め付けて凝固するため、
成形スタート部材230への溶融金属の付着が強固とな
り、溶融金属が成形スタート部材230から剥がれ難く
なる。このように、突部236は、付着ボスとしての機
能も有することになり、本成形スタート部材230は剥
離防止装置を有することになる。また、空間238に流
入させられる溶融金属12の量は、空間238の圧力低
下量が大きいほど多くなる。そのため、空間238の圧
力を制御することによって成形材の端面の形状を変更さ
せることも可能である。さらに、底壁部244または筒
状部242に、適宜凹凸等を設けることによって、設計
通りの形状の端面を形成することができ、かつ、溶融材
料を剥離し難くすることができる。なお、成形材の成形
後、その空間238に供給されて凝固した部分は切断し
てもよい。この場合においても、突部236により溶融
材料が剥離し難くなるという効果が得られる。
【0117】次に、図18に示す成形スタート部材25
0に取替え、有底筒状の成形材を成形する場合について
説明する。成形スタート部材250は、成形スタート部
材230と同様に、筒状部252および底壁部254を
有する有底筒状を成したものであり、筒状部252には
通路256が形成されており、空間258には前記スタ
ート部材内空間圧力制御装置170が接続されている。
成形スタート部材250のスタート面260に溶融金属
を付着させた後、空間258の圧力を大気圧または大気
圧より多少高めに制御しつつ、成形スタート部材250
と仕切部材14とを互いに離間させる。スタート面26
0に対応する部分表面34から溶融金属が引き上げら
れ、引き上げられた引出溶融金属が凝固する。スタート
面260の形状に対応する端面形状および断面形状を有
した、筒状の成形材262が成形される。その後、成形
材262が予め定められた長さになれば、空間258の
圧力を低くしつつさらに離間させる。その結果、空間2
58に対応する部分表面34から一面に溶融金属12が
空間258内に流入させられ、凝固し有底筒状の成形材
264が得られる。筒状の成形材262を成形する際
に、空間258の圧力を大気圧または大気圧より多少高
めに制御するのは、空間258に対応する部分表面34
から溶融金属12が流入させられないようにするためで
ある。
【0118】それに対して、空間258の圧力を低くし
ないで、空間258の圧力を大気圧または大気圧より多
少高めにしたまま、成形スタート部材250と仕切部材
14とを離間させて切断すれば、筒状の成形材262が
得られる。このように、成形スタート部材250を使用
して、空間258内の圧力をスタート部材内空間圧力制
御装置170により適宜制御すれば、有底筒状の成形材
284および筒状の成形材282の2種類の成形材を選
択的に成形することができる。また、通路256がスタ
ート面260近傍まで延ばされているため、スタート面
260に付着された溶融金属の凝固を早急に行わせるこ
とができる。
【0119】以上のように本成形装置によれば、仕切部
材14を交換しなくても、成形スタート部材20を取り
替えるだけで、異なる形状の成形材を得ることができ
る。また、成形スタート部材20のみならず、遮断部材
92,補助スタート部材96を使用したり、これらの形
状を変えたりすれば、さらに種々の形状の成形材を成形
することができる。
【0120】なお、仕切部材14は上記実施形態におけ
る形状のものに限らず、他の形状のものとしてもよい。
例えば、図19〜図21に示す仕切部材280〜282
のように、材料排出面に傾斜部が形成されているもので
あってもよい。このように傾斜部を有している場合に
は、上向き表面16と仕切部材280〜282との相対
高さを変えれば、上向き表面16を実際に仕切る有効仕
切壁の個数や位置を変えることができ、それに伴って、
成形材の断面形状自体を変更させたり、相似変更させた
りすることができる。
【0121】図19に示す仕切部材280の材料排出面
には、円錐状の窪み284が形成されている。そのた
め、上向き表面16の仕切部材280に対する相対高さ
を高くすれば、有効仕切壁の個数が減り、有効仕切壁に
よって囲まれる部分が広くなる(有効仕切壁によって仕
切られる位置が仕切部材280の外縁部近傍になる)。
上向き表面16のうち、それまで仕切られていた部分が
仕切られなくなり、それまで引き上げられなかった範囲
からも溶融金属12が引き上げられることになる。逆
に、相対高さを低くすれば、有効仕切壁の個数が増え、
有効仕切壁によって囲まれる部分が小さくなる(仕切部
材280の外縁部のみならず、中心に近い位置において
も有効仕切壁30によって仕切られることになる)。上
向き表面16のうち、それまで仕切られていなかった部
分が仕切られることになり、それまで引き上げられてい
た範囲から引き上げられなくなる。
【0122】例えば、相対高さが高さh1 にある場合に
は、上向き表面16が、仕切壁286a〜286hによ
って仕切られ、溶融金属12は、仕切壁286d,28
6eによって囲まれた範囲から引き上げられる。この場
合、仕切壁286a〜286hは有効仕切壁であり、仕
切壁286d,286eによって囲まれた範囲を1つの
部分表面とみなすことができる。それに対して、相対高
さが高さh2 になれば、上向き表面16は、仕切壁28
6a,286b,286g,286hによって仕切ら
れ、溶融金属12は、仕切壁286b,286gによっ
て囲まれた範囲(部分表面)から引き上げられる。この
場合には、仕切壁286a,286b,286g,28
6hが有効仕切壁となるのである。
【0123】本実施形態においては、仕切壁286d,
eによって囲まれた部分も、仕切壁286b,gによっ
て囲まれた部分も、共に円形であり、前者の部分より後
者の部分の方が半径が大きい。したがって、上向き表面
16と仕切部材280との相対高さを連続的に変えれ
ば、テーパ状の成形材を成形することができる。成形材
の半径を成形に伴って大きくすることができるのであ
る。また、相対高さを段階的に変化させれば、大径部,
小径部等を備えた成形材を成形することができる。さら
に、相対高さが高さh1 の場合には、仕切壁286d,
286eによって囲まれた範囲を一つの部分表面とみな
すことが可能であり、これら仕切壁286i〜286k
が有効仕切壁になる場合がなれば、仕切壁286i〜2
86kはなくてもよい。ただし、仕切壁286i〜28
6kが有効仕切壁として機能しなくても、フィルタとし
ての機能は有することになる。いずれにしても、仕切壁
は、仕切部材全体に設けられていなくても、必要な部分
のみに設けられていてもよいのである。
【0124】図20に示す仕切部材281のように、材
料排出面に半球状の窪み288が形成されているものと
することができる。この場合にも、上述と同様に、仕切
部材281と上向き表面16との相対高さを制御するこ
とによって、成形材の断面の形状や大きさ等を制御する
ことができる。仕切部材280と仕切部材281とで
は、材料排出面に形成された傾斜部の形状が異なるた
め、上向き表面16と仕切部材との相対高さの変化速度
が同じ場合には、仕切部材280を使用した場合とは異
なるテーパ値の成形材を得ることができる。また、図2
1に示す仕切部材282のように、材料排出面に円錐状
の窪み290と中央部の突部292とが形成されている
ものとすることができる。上向き表面16の相対高さ
が、高さh3 より上方にある場合には中実の成形材が成
形されるが、高さh3 より下方にある場合には、筒状の
成形材が成形されることになる。
【0125】さらに、仕切部材の連通穴の断面形状は四
角形に限らず、円形等他の形状とすることもできる。連
通穴の大きさや仕切壁の厚みも、上記実施形態における
ものに限定されるわけではなく、成形材28の断面積の
大きさが大きい場合には、連通穴を大きくしたり、仕切
壁の厚みを厚くしたりすることができる。また、図22
に示すように網目状の仕切壁を有する仕切部材294と
することもできる。この場合においても、仕切壁の間隔
が狭くなれば、それに応じて部分表面の大きさが小さく
なり、成形材の断面の外形のスタート面の外形との誤差
を小さくすることができる。このように、仕切壁が一定
の形状を有しないものとすることもできる。
【0126】さらに、上記実施形態においては、仕切部
材14が、コーディライトとムライトとを含む材料によ
って製造されていたが、その他、アルミナ,ジルコニ
ア,フェライト,ケイ酸塩等の金属酸化物,炭化ケイ
素,炭化ホウ素等の炭化物,窒化ケイ素,窒化アルミ等
の窒化物,ホウ化チタン,ホウ化クロム等のホウ化物等
や、これらのうち少なくとも2つ以上の物質を含む混合
物等で製造されたものとしてもよい。また、仕切部材1
4自体が、セラミックス材料で製造されていなくても、
少なくとも溶融金属と接触する表面のみがセラミックス
材料によって覆われているだけでもよい。すなわち、仕
切部材は、溶融材料と反応性が低く、溶融材料の溶融温
度において耐えられるもの(耐火性または耐熱性を有す
るもの)であれば、金属材料であっても、金属材料とセ
ラミックス材料とを合わせた材料で製造されたものとし
てもよいのである。
【0127】さらに、上記実施形態においては、溶融材
料として金属材料が使用されていたが、溶融材料は、セ
ラミックス材料であっても、プラスチックス材料であっ
てもよい。そして、溶融材料が熱可塑性プラスチックス
材料であれば、仕切部材を耐熱性のある熱硬化性のプラ
スチックス材料で製造することも可能であり、溶融材料
がセラミックス材料であれば、仕切部材を金属材料で製
造することも可能なのである。いずれにしても、仕切部
材の材料は、溶融材料によって相対的に決まるのであ
る。また、仕切壁30に表面処理等を施してもよく、同
様に、成形スタート部材,遮断部材,補助スタート部材
等に表面処理を施すことも可能である。
【0128】さらに、上記実施形態においては、分岐状
成形材220を成形する場合に、2つのスタート面21
2,214をそれぞれ有するスタート部材が連結された
成形スタート部材210と補助スタート部材96とを使
用したが、遮断部材を使用して分岐状成形材を成形する
こともできる。遮断部材92を引出溶融金属26の中間
部に侵入させるのである。溶融金属12が2つの部分か
ら分かれて引き上げられて、各々別個に凝固することに
なるため、分岐状の成形材を成形することができる。こ
の場合には、遮断部材92の幅を引出溶融金属26の断
面の半分以下とすることが望ましい。
【0129】また、上記実施形態においては、成形スタ
ート部材が仕切部材14に接触させられることによって
スタート面に上向き表面16が接触させられるようにな
っていたが、成形スタート部材が仕切部材14に近接さ
せられることによって接触させられるようにすることも
できる。その場合には、成形開始時に、上向き表面16
の仕切部材14に対する相対高さを高めにすることが望
ましく、仕切壁30の先端が溶融金属12によって覆わ
れるようにしても差し支えない。
【0130】さらに、上記実施形態においては、遮断部
材82が引出溶融材料26から離間させられ、垂直な姿
勢に回動させられた位置が退避位置とされていたが、水
平な姿勢にある位置を退避位置としてもよい。また、断
面形状変更装置90が4組の遮断部材92,遮断部材移
動装置94,補助スタート部材96および補助離間装置
98等を備えていたが、これらを4組づつ備えている必
要は必ずしもなく、少なくとも1組備えていればよい。
1組しか備えていない場合には、例えば、仕切部材14
を成形スタート部材20と同時回転可能に支持し、成形
材28の断面形状変更装置90に対する相対位置を変更
し得るようする。そして、成形材28の断面形状を変更
させる部分が、断面形状変更装置90が設けられている
位置に対向するように回転すれば、その側面において、
断面形状を変更させることができる。さらに、成形材2
8の同一側面について、遮断部材92と補助スタート部
材96との両方が作用し得る状態で設けられている必要
は必ずしもなく、同一側面についていずれか一方のみが
作用し得る状態で設けられていてもよい。
【0131】また、補助スタート部材96および遮断部
材92をそれぞれ垂直軸回りに回動可能に保持してもよ
い。この場合には、垂直軸回りの回動によって、補助ス
タート部材96は補助スタート位置と非作用位置とに、
遮断部材92は侵入位置と退避位置とに、それぞれ移動
させられることになる。また、上記実施形態において
は、遮断部材92が水平軸回りに回動可能、かつ、水平
直線移動可能に保持されていたが、回動可能とする必要
はなく、水平直線移動可能に保持するだけでもよい。
【0132】図23,24に示す断面形状変更装置にお
いて、遮断部材310は遮断部材移動装置311によっ
て水平方向,垂直方向に移動可能に支持されている。遮
断部材310は遮断部材駆動軸312に着脱可能に取り
付けられ、遮断部材駆動軸312は、遮断部材移動装置
311の水平直線移動装置314によって水平方向に直
線移動可能に支持されている。その水平直線移動装置3
14の本体は、垂直移動装置316によって垂直方向に
移動可能に支持されている。遮断部材駆動軸312は、
遮断部材310が取り付けられる側の先端部に、概して
L字形に湾曲させられた湾曲部318を有している。遮
断部材310は、遮断部材駆動軸312の中間部より下
方に取り付けられることになり、溶融金属12の引上げ
に伴う上向き表面16の下降によって、仕切部材14の
材料排出面38の収容容器10に対する相対高さが下降
させられても、引出溶融金属26に侵入させることが可
能となる。
【0133】上記実施形態におけるように、溶融金属補
給装置160により成形時に上向き表面16の収容容器
10に対する相対高さがほぼ一定になるように制御され
ている場合には、引出溶融金属26の収容容器10に対
する相対高さもほぼ一定に保たれることになる。そのた
め、引上げに伴って、遮断部材92が侵入する侵入位置
の収容容器10に対する相対高さが変化することはな
く、遮断部材駆動軸102に湾曲部を形成する必要はな
かった。それに対して、遮断部材駆動軸312が湾曲部
318を有していれば、上向き表面16の収容容器10
に対する相対高さが下降しても、収容容器10と干渉す
ることなく、遮断部材310を侵入位置に移動させるこ
とが可能となる。なお、遮断部材自体を湾曲させても、
同様の効果を得ることができる。
【0134】また、補助スタート部材320について
は、上記実施形態における場合と同様に、補助離間装置
321の水平直線移動装置322,垂直移動装置324
により、水平方向および垂直方向にそれぞれ移動可能と
されている。補助スタート部材320は、1つの面から
最も隔たった位置に、補助部材駆動軸326への取付部
328が形成されている。そのため、上記1つの面を補
助スタート面330とし、その補助スタート面330が
補助部材駆動軸326から下方に延び出させられた状態
で取り付けることが可能となる。遮断部材310と同様
に、仕切部材14が下降させられても、補助スタート面
330を仕切部材14に接触させることが可能となるの
である。
【0135】本断面形状変更装置において、遮断部材3
10を使用して断面を小さくする場合には、補助スター
ト部材320を非作用位置に後退させた状態で、遮断部
材310を前進させることにより侵入位置に移動させ
る。補助スタート部材320を使用して断面を大きくす
る場合には、遮断部材310を二点鎖線に示す退避位置
まで後退させた後、補助スタート部材320を補助スタ
ート位置に前進させる。補助スタート部材320の移動
時に遮断部材310と干渉することが良好に回避され
る。
【0136】このように、本実施形態によれば、遮断部
材310を回動させる必要がないため、遮断部材移動装
置311の構造を簡単にし得る。また、遮断部材310
が回動可能に取り付けられていないため、遮断部材駆動
軸312に湾曲部318を設けることができる。さら
に、仕切部材14の収容容器10に対する相対高さが多
少低くなっても、遮断部材310や補助スタート部材3
20を作用させることができるため、溶融金属補給装置
160によって、溶融金属12が設定量以下になった場
合に溶融金属が補給されるようにすることもできる。ま
た、溶融金属補給装置160自体を設ける必要がなくな
る場合もある。前者の場合には、溶融金属補給装置16
0は、間欠補給装置を含むことになる。
【0137】しかし、溶融金属補給装置160によって
間欠的に溶融金属が補給される場合や溶融金属補給装置
160が設けられていない場合には、成形スタート部材
20および仕切部材14の相対速度が、成形スタート部
材20の上昇速度および仕切部材14の下降速度によっ
て決まることになる。そのため、これらの相対移動速度
は、三次元移動装置18および仕切部材昇降装置24の
両方を制御することによって制御されることになる。こ
の場合には、仕切部材昇降装置24が成形制御装置62
の指令に基づいて制御されるようにすることが望まし
い。
【0138】また、仕切部材14と上向き表面16との
相対高さは、収容容器10の底壁または収容容器全体を
移動させることによって制御することができる。この場
合、収容容器10の底壁または収容容器10を昇降させ
る底壁昇降装置または収容容器昇降装置等を設ける必要
がある。これらにより、成形スタート部材20と仕切部
材14との相対移動が可能となる。さらに、相対高さ
は、溶融材料溜まり内の液中体積が変化し得る表面調節
部材と、その表面調節部材の液中体積を変化させる液中
体積変化装置とを含む表面高さ調節装置によって制御す
ることができる。表面調節部材の液中体積を変えれば、
相対高さが変化させられる。また、加熱冷却装置76〜
79を成形方向に移動可能に支持し、上向き表面16の
下降に伴って加熱冷却装置76〜79を下降させれば、
成形材28に対する冷却,加熱位置を一定に保つことが
できる。加熱冷却装置76〜79が固定されている場合
において、成形に伴って上向き表面16が下降させられ
ると、成形材28に対する相対的な冷却,加熱位置が変
化するため、その変化を考慮した制御が必要となるが、
本実施形態によれば、相対位置の変化を考慮する必要が
なくなるのである。
【0139】さらに、上記実施形態において、湾曲した
成形材194を成形する場合には、加熱冷却装置76を
冷却装置として作動させて加熱冷却装置77を非作動状
態として、引出溶融金属26を、離間速度の大きい側と
小さい側とで、不均等な冷却速度で冷却するようになっ
ていたが、加熱冷却装置77を加熱装置として作動させ
て加熱冷却装置76を非作動状態に保っても不均等な冷
却速度を付与することができる。また、加熱冷却装置7
6,77の両方を作動させた場合において、加熱冷却装
置76から吹き出される窒素ガスの温度を加熱冷却装置
77からのそれより低くしたり、窒素ガスの吹出し量を
多くしたりしてもよく、加熱冷却装置76を冷却装置と
して作動させ、加熱冷却装置77を加熱装置として作動
させてもよい。また、離間速度が大きい側の冷却速度を
小さい側のそれより大きくする必要は必ずしもなく、加
熱冷却装置76〜79も不可欠ではない。引出溶融金属
26においては、外側面の方が内部より温度が低くなる
ため、積極的に冷却しなくても、仕切部材14近傍にお
いては凝固面82が凸状となることは少ないからであ
る。
【0140】さらに、溶融金属補給装置160におい
て、補給溶融金属の量を制御する場合には、電磁ポンプ
166に供給する電流量が制御されていたが、補給用収
容容器162内に収容されている溶融金属溜まりの上向
き表面の上方の空間の圧力を制御してもよい。上向き表
面の上方空間の圧力を高くすれば、補給溶融金属量が多
くなる。その場合には、電磁ポンプは不要となる。上向
き表面の上方の空間の圧力は、補給用収容容器内圧力制
御装置によって制御されることになる。
【0141】また、補助スタート部材96を、図25に
示すように、空間を有する形状付加部材340とするこ
ともできる。形状付加部材340の隣接する第一面34
2,第二面344には、開口が形成されている。形状付
加部材340を、第一面342が引出溶融金属26およ
び成形材28に接触し、第二面344が仕切部材14に
接触する補助スタート位置に移動させた状態で、図示し
ない形状付加部材内圧力制御装置(スタート部材内空間
圧力制御装置170を使用することもできる)により空
間346の圧力を低下させれば、空間346に溶融金属
12が流入させられて凝固する。その結果、成形材28
に、形状付加部材340の空間346に対応する形状の
成形材が付加されることになる。前述のように、空間3
46に流入させられて凝固した付加部分と、成形材28
とでは、組織が異なる場合があるため、その場合には、
成形後、鍛造加工等塑性加工を施すことが望ましい。形
状付加部材340を補助スタート位置に移動させた後、
成形スタート部材20と共に仕切部材14から離間させ
てもよい。
【0142】さらに、断面形状変更装置90は不可欠で
はなく、その場合でも、成形材190,192,19
4,196等を成形することは可能である。また、引上
げ長さmを一定に維持する必要は必ずしもない。仕切部
材14において連通穴32の開口が非常に小さい場合
(仕切壁30の間隔が非常に狭い場合)等には、引上げ
長さmを一定に維持しなくても、成形材28の断面のス
タート面66に対する誤差は小さいのである。
【0143】さらに、上記実施形態においては、成形ス
タート部材20等を三次元的に移動させる三次元移動装
置18が設けられていたが、三次元移動装置18の代わ
りに、垂直移動,水平移動,回転および回動の4つの運
動が可能な装置としてもよい。このように、予め決めら
れた運動のみが可能な装置とすれば装置の構造をその分
簡単にすることができる。また、垂直移動のみ可能な装
置としたり、垂直移動と、水平移動と回転との少なくと
も一方とが可能な装置としたりすることができる。
【0144】さらに、スタート部材保持部材60の成形
スタート部材取付部が、複数個の成形スタート部材20
を取付可能なものとすれば、複数個の成形スタート部材
20を同時に仕切部材14から離間させることができ、
複数個の成形材28を同時に成形することができる。本
実施形態における三次元移動装置18は、複数離間装
置,複数成形材並行成形装置,複数一斉離間装置を含む
ものとすることができる。なお、上記複数個の成形スタ
ート部材は、互いに連結されて、取付部が1つになって
いる場合もある。また、三次元移動装置18を複数個設
けても、複数個の成形材を同時に成形することが可能で
あるが、この場合には、離間開始時間をずらして、成形
スタート部材を仕切部材から離間させることも可能とな
り、複数個の三次元移動装置18によって個別並行離間
装置が構成されると考えることも可能である。
【0145】これらのように、成形スタート部材の個数
が多い場合や、個数が少なくても1つのスタート面が大
きい場合等には、仕切部材を面積が大きなものにする必
要がある。しかし、面積の大きな仕切部材を製造するの
は小さいものを製造する場合に比較して困難であり、仕
切部材自体に十分な強度をもたせることが困難な場合も
ある。それを回避するためには、上向き表面16近傍に
複数個の仕切部材を配設してもよく、その場合には、複
数個の成形スタート部材と複数個の仕切部材とが互いに
離間させられることになる。なお、この場合、複数個の
成形スタート部材各々のスタート面の形状や大きさは、
互いに異なったものであっても同じものであってもよ
い。前述のように、本仕切部材14は、成形材28の断
面形状に応じて交換する必要がない。すなわち、成形ス
タート部材のスタート面の形状がどのような形状であっ
ても、成形スタート部材を仕切部材14のどの位置に接
触させてもよいことになる。そのため、複数個の成形ス
タート部材を仕切部材14に接触させることも可能とな
るのである。
【0146】また、三次元移動装置18のスタート部材
保持部材60を成形材28を直接把持し得るものとすれ
ば、成形材28が把持され得る長さに達した後に、成形
スタート部材20から成形材28を外して、成形材28
を直接把持して、仕切部材14から離間させるようにし
てもよい。このようにすれば、成形スタート部材20か
ら成形材28が剥離し難くする必要がなくなるため、剥
離防止装置が不要となる。さらに、成形スタート部材
を、溶融材料と同じ材料で製造する必要は必ずしもな
く、他の材料で製造してもよい。成形時間が短い場合等
には、溶融材料を剥離し難くする必要がないからであ
る。逆に、成形スタート部材を、溶融材料と同じ材料と
すれば、成形スタート部材を成形材の一部とみなすこと
もできる。
【0147】また、上記実施形態において設けられてい
た上面カバー部材150,気体供給装置152等は不可
欠ではない。溶融材料の反応性が概して低い場合や、溶
融材料の酸化を許容する場合等には、溶融材料を酸素か
ら遮断する必要は必ずしもないのである。このように、
上面カバー部材150が除かれれば、成形材28を取り
出し易くなるため、作業性を向上させることができる。
それに対して、溶融材料の反応性が非常に高い場合に
は、気体供給装置152によって供給される気体を窒素
ガスでなく、アルゴンガス等の不活性ガスとすることが
望ましく、その場合には、成形材の材質の向上を図るこ
とができる。加熱冷却装置76〜79から吹き出される
気体も不活性ガスとすれば、成形材の材質の向上をより
一層図ることが可能となる。さらに、攪拌装置154や
スタート部材内空間圧力制御装置170等も不可欠では
ない。
【0148】また、上記成形制御装置62に外部情報読
取装置を接続し、成形する成形材の形状の情報等が外部
情報読取装置を介して読み取られるようにしてもよい。
その場合には、それらの情報に基づいて、ROMに格納
された成形材を成形するためのプログラムが実行され、
それに従って、三次元移動装置18等の装置が制御され
ることになる。
【0149】次に、第十六ないし第二十六,第二十八,
第二十九発明に共通の一実施形態である成形装置を図面
に基づいて説明する。この成形装置は、第一ないし第
五,第九ないし第十三,第十五発明の成形方法の一実施
形態を共通に実施し得る。図26において、本成形装置
は、4個の収容容器を有している。図には、それらのう
ちの2個の収容容器400,401が記載されている。
これら4個の収容容器400,401等は、収容容器支
持装置402に回動可能に支持されている。収容容器支
持装置402は、垂直方向に延び出させられベースに固
定された回動支持軸403と、この回動支持軸403に
取り付けられた4本のアーム404と、これらアーム4
04を回動支持軸403回りに回動させる回動装置40
6とを含むものであり、4本のアーム404の各々には
収容容器400,401等がそれぞれ1個づつ、回動支
持軸403を中心とする一円周上に保持されている。4
本のアーム404は互いに90度づつ隔てて設けられて
おり、回動装置406により90度づつ間欠回動させら
れるようになっている。これら4個の収容容器400,
401等が、成形方向に交差する方向に移動させられる
のである。
【0150】収容容器400(以下、収容容器400の
説明のみを行い、他の収容容器401等については、同
様であるため説明を省略する)の底壁408には仕切部
材410が嵌め込まれている。仕切部材410が底壁4
08の一部を構成する状態で配設されているのである。
仕切部材410は、仕切部材14より、仕切壁の間隔が
狭く、溶融金属414とのぬれが悪いものである。本成
形装置においては、溶融金属414が引き下げられるた
め、連通穴の開口を多少小さめにし、仕切部材410か
ら滴下し難くする必要があるのである。収容容器400
の上部には上方空間圧力制御装置416が接続されてお
り、それにより、溶融材料溜まりの上向き表面の上方の
上方空間418の圧力Pu がほぼ一定の大きさに保たれ
るように制御される。上方空間圧力制御装置416は、
上方空間418内の気体を吸引するものであり、図示し
ない真空ポンプ,それを駆動するためのモータ等を含む
ものである。モータには、後述する成形制御装置420
が図示しない駆動回路を介して接続されている。図に示
すように、本収容容器400においては、溶融金属溜ま
りの上向き表面の上方の上方空間418が気密にされて
いるのである。
【0151】収容容器400に溶融金属を供給する場合
には、図示しない溶融金属が収容された容器に収容容器
400の底壁408を接触させ、上方空間圧力制御装置
416により収容容器400内の圧力を負圧にする。溶
融金属は、仕切部材410を経て吸引され、収容容器4
00内に供給される。収容容器400内の溶融金属41
4の量が予め定められた量になれば、その状態が保たれ
る。上方空間418の圧力Pu が吸引終了時の負圧に保
たれるのであり、この状態においては、溶融金属414
が仕切部材410から滴下することはない。上方空間4
18の圧力Puは、仕切部材410の材料排出面422
付近の圧力より溶融金属414のヘッド圧以上低くされ
ている。
【0152】本成形装置は、前記第一実施形態における
場合と同様な三次元移動装置18を備えており、三次元
移動装置18には、成形スタート部材20が着脱可能に
取り付けられている。三次元移動装置18により、成形
スタート部材20が仕切部材410から離間させられれ
ば、それに伴って、溶融金属414が仕切部材410を
経て引き下げられ、その引き下げられた引出溶融金属4
24が凝固して成形材426が成形される。本成形装置
においては、仕切部材410が固定されているため、成
形スタート部材20を移動させることによってこれらが
相対移動させられることになる。
【0153】断面形状変更装置428は、図27,28
に示すように、遮断部材430,遮断部材移動装置43
2,補助スタート部材434,補助離間装置436等を
備えたものである。遮断部材430は、棒状をなしたも
のであり、遮断部材移動装置432は、遮断部材430
を成形方向に交差する異なる2方向に移動させる装置で
ある。本実施形態においては、遮断部材430を成形方
向に直交する2方向(X,Y軸方向)に移動させる水平
2方向移動装置である。X軸方向に移動させるのがX移
動装置440であり、Y軸方向に移動させるのがY移動
装置442である。
【0154】X移動装置440は、遮断部材430が取
り付けられた遮断部材駆動軸444と、遮断部材駆動軸
444をX軸方向に移動させる移動装置446とを含む
ものであり、Y移動装置442は、Y軸と平行な方向に
延びるガイドレール448と、そのガイドレール448
に配設された送りねじを駆動させるモータ等の駆動装置
450と、前記移動装置446の本体に設けられ、送り
ねじに相対移動不能に係合する係合部452とを含むも
のである。X移動装置440において、移動装置446
により遮断部材駆動軸444がX軸方向に移動させられ
れば、それに伴って遮断部材430がX軸方向に移動さ
せられる。また、Y軸移動装置442において、駆動装
置450により送りねじが回転させられれば、それに伴
って移動部材446の本体が移動させられ、それに伴っ
て遮断部材430がY軸方向に移動させられる。
【0155】このように、遮断部材430は、X軸方向
およびY軸方向にそれぞれ移動可能とされ、X軸方向に
移動させられても、Y軸方向に移動させられても、侵入
位置と退避位置とをぞれぞれ通過する。換言すれば、X
軸方向,Y軸方向いずれの方向に移動させても、退避位
置から侵入位置へ移動させたり、侵入位置から退避位置
へ移動させたりすることができるのである。また、本断
面形状変更装置428によれば、遮断部材430を、同
一平面内においてX,Y両方向に移動させることが可能
となるため、遮断部材430を縮小面の形状に応じて取
り替えなくても、設計通りの縮小面を形成することがで
きる。縮小面の形状を複雑な曲線によって囲まれた形状
とすることも可能なのである。
【0156】遮断部材430を使用して成形材426の
断面を小さくする場合には、図29,30に示すよう
に、遮断部材430を引出溶融金属424に侵入させ、
その状態で、予め定められた形状の縮小面が形成される
ようにX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方向に移
動させる。遮断部材430により、引出溶融金属424
が分断され、それ以降、その部分からは溶融金属414
が引き下げられることがなくなる。この場合、溶融金属
が成形材426の上面(縮小面454)に溜まるため、
縮小面454において溶融金属不足が生じることがな
く、窪みが生じることが回避される。なお、遮断部材4
30によって引出溶融金属424の断面がすべて横断さ
れれば、引出溶融金属424すべてを分断することがで
き、成形材426を切断することが可能となる。また、
本実施形態においては、遮断部材430は、侵入位置に
ある状態において移動させられることになる。
【0157】補助離間装置436は、第一実施形態にお
ける場合と同様に、補助スタート部材434を水平方向
に直線移動させる水平直線移動装置456と,垂直方向
に移動させる垂直方向移動装置458とを含むものであ
る。図27,28から明らかなように、本実施形態にお
いても、第一実施形態における場合と同様に、成形材4
26の同一側面において、遮断部材430と補助スター
ト部材432との両方が作用し得るようにされている。
しかも、遮断部材430が棒状であるため、遮断部材4
30の移動範囲を限定すれば、これら両方を同時に作用
させることも可能となる。そのため、成形材426の同
一側面の成形方向における同一位置において、一部に縮
小面を形成し、他の部分に拡大断面を形成することも可
能なのである。
【0158】本成形装置は、また、上記第一実施形態に
おける場合と同様に、引出溶融金属424の温度を調節
する温度調節装置460を備えている。温度調節装置4
60は、第一実施形態における場合と同様に、二対の加
熱冷却装置を備えたものであり、図には、そのうちの1
個づつの加熱冷却装置462,464のみが記載されて
いる。加熱冷却装置462の窒素ガス吹出口は、仕切部
材410から約10mm下方に設けられている。本成形装
置は、さらに、溶融金属414を攪拌する気体供給攪拌
装置466を備えている。この気体供給攪拌装置466
は、攪拌用気体供給装置468,供給管470等を含む
ものであり、収容容器400の底壁408付近に窒素ガ
スを供給する装置である。収容容器400の底壁408
付近に窒素ガスを供給すれば、底壁408付近の溶融金
属414が上方へ移動させられる。その結果、底壁40
8付近の温度と上向き表面付近の温度との温度差を小さ
くすることができ、収容容器400内の下部の温度が対
流により上部の温度より低くなることを回避し得る。上
記実施形態においては、溶融金属12が、それの上向き
表面16から上方へ引き上げられていたため、下部の温
度が上部の温度より低くても差し支えなかったが、本実
施形態においては、溶融金属414が下向き表面から下
方へ引き下げられるため、下部の温度が低くなることが
望ましくないのである。
【0159】本成形装置は、引出溶融金属424を覆う
下部カバー部材474が着脱可能に取り付けられてい
る。下部カバー部材474には、下方空間圧力制御装置
476が接続され、下部カバー部材476内の下方空間
478の圧力PL が適正値がなるように制御される。下
方空間圧力制御装置476は、下方空間478に窒素ガ
スを供給することによって圧力PL を高くしたり、下方
空間478内の窒素ガスを外部に流出することによって
圧力PL を低くしたりするものであり、引出溶融金属4
24の酸化を防止するためにも作動させられる。そのた
め、下方空間圧力制御装置476を酸化防止用気体供給
装置とみなすこともできる。なお、下部カバー部材47
4と、断面形状移動装置428や三次元移動装置18等
との間は、気密とされている。
【0160】前記成形制御装置420は、CPU,RA
M,ROM,入力部,出力部等を含むコンピュータを主
体とするものであり、入力部には,収容容器400の上
部に設けられ、上方空間418の圧力PU を検出する圧
力センサ480,下部カバー部材474内に設けられ、
下方空間478の圧力PL を検出する圧力センサ482
が接続されている。出力部には,上方空間圧力制御装置
416,下方空間圧力制御装置476,気体供給攪拌装
置466,回動装置406,三次元移動装置18,断面
形状変更装置428,温度調節装置460等が図示しな
い駆動回路を介して接続されている。ROMには,成形
材を成形するための種々のプログラム等が格納されてい
る。下方空間圧力制御装置476は、下方空間478の
圧力PL が圧力センサ480によって検出された上方空
間418の圧力PU より適正値だけ高くなるように制御
される。適正値の大きさは、予め定められた条件を満た
す大きさに決められる。下方空間圧力制御装置476
は、また、引出溶融金属424の酸化を防止するため、
温度調節装置460は、引出溶融金属424を冷却する
ためにもそれぞれ制御される。
【0161】以上のように構成された成形装置における
作動について説明する。溶融金属414の下向き表面と
仕切部材410との相対位置は、上方空間418の圧力
U と下方空間478の圧力PL との圧力差を制御する
ことにより制御される。圧力差が小さい場合には、仕切
部材410に対する下向き表面の相対位置が材料排出面
422側に近づき、圧力差が大きい場合には、下向き表
面の相対位置が材料排出面422から後退する。本実施
形態においては、上方空間418の圧力PU と下方空間
478の圧力PL との両方の圧力が制御されることによ
って圧力差が制御されるようになっている。
【0162】まず、成形開始時には、上方空間418の
圧力PU が下方空間478の圧力P L より溶融金属41
4のヘッド圧より僅かに小さく(本実施形態において
は、溶融ヘッド換算で1mm分小さく)なるように制御さ
れるとともに、成形スタート部材20のスタート面48
8が仕切部材410に接触させられる。上方空間418
の圧力PU と下方空間478の圧力PL との圧力差がヘ
ッド圧より小さいため、溶融金属414の下向き表面
は、表面張力により仕切部材410の材料排出面422
から下向きに突出させられる状態にある。スタート面4
88には溶融金属414が確実に付着させられる。次
に、成形スタート部材20を下方に移動させる(本実施
形態においては、約2mm移動させた)とともに圧力差を
ヘッド圧程度に戻し、スタート面488に付着された溶
融金属の形状の安定化を図る。その後、成形スタート部
材20を下方へ移動させるのであるが、成形時には、圧
力差がほぼヘッド圧に維持される。そのため、溶融金属
414が材料排出面422から滴下することを回避しつ
つ、安定して引き下げることができ、成形材426の形
状を安定化させることができる。本実施形態において
は、引出溶融金属424の引出し長さmを約2mmに維持
しつつ、成形スタート部材20を10mm/minの速度で移
動させた。
【0163】上方空間418の圧力PU は、上方空間圧
力制御装置416によって制御され、下方空間478の
圧力PL は、下方空間圧力制御装置476によって制御
される。上方空間418には、攪拌用気体供給装置46
8から供給された窒素ガスが、溶融材料溜まりの上向き
表面から流入するが、その流入した窒素ガス量にほぼ対
応する量のガスが、上方空間圧力制御装置416によっ
て、常に吸引されるようになっている。そのため、上方
空間418の圧力PU は、ほぼ一定の大きさの負圧に保
たれることになる。
【0164】それに対して、下方空間478には、加熱
冷却装置462,464の少なくとも一方から窒素ガス
が吹き出しているため、圧力PL が大気圧より高くな
る。また、成形作業開始時に、引出溶融金属424の酸
化を防止するべく下方空間478内の空気を窒素ガスと
置換したり、あるいは、下方空間478の圧力PL を上
昇させるために、下方空間圧力制御装置476から窒素
ガスが供給される場合もある。下方空間圧力制御装置4
76によって、窒素ガスが外部に放出されれば、下方空
間478の圧力PL が低下させられる。このように、本
実施形態においては、上方空間418の圧力PU がほぼ
一定の大きさの負圧にされ、下方空間478の圧力PL
が、それよりほぼ適正値だけ高くなるように(上方空間
418の圧力PU と下方空間478の圧力PL との差が
ほぼ適正値になるように)制御されるのである。なお、
成形に伴って、収容容器400内の溶融金属414残量
が少なくなるため、ヘッド圧が小さくなり、上記適正値
も小さくなる。
【0165】これら上方空間圧力制御装置416,下方
空間圧力制御装置476,温度調節装置460および成
形制御装置420の圧力制御に関する指令を発する部分
等によって圧力差発生装置が構成されるが、圧力差発生
装置は、成形時には、ヘッド圧差発生装置である。
【0166】成形スタート部材20が予め定められた距
離だけ移動させられた後(成形材426の長さが予め定
められた長さに達した後)、成形スタート部材20の移
動速度が大きくされ(本実施形態においては、50mm/m
in)、成形材426が切断される。切断時の移動速度
は、溶融金属の表面張力等によって決まる。温度調節装
置460による温度条件が一定の場合には、移動速度が
大きくなれば、引下げ長さmが大きくなる。しかし、引
下げ長さmが大きくされても、表面張力により引出溶融
金属が仕切壁と成形材との間において形状を保持する状
態にあれば、引出溶融金属は分断されない。それに対し
て、引下げ長さmが、表面張力により形状を保持するこ
とができなくなるほど大きくなれば、引出溶融金属が分
断されるのである。したがって、成形スタート部材20
を、溶融金属の表面張力により形状を保持できないほど
の移動速度で移動させれば、引出溶融金属424が分断
され、成形材426が切断されることになる。ここで
は、三次元移動装置18および成形制御装置420の成
形材426が切断されるように成形スタート部材20の
移動速度を制御する部分等によって成形材切断装置,高
速相対移動切断装置が構成されることになる。
【0167】切断する場合においても、溶融金属414
は仕切部材410から下方に引き下げられるため、成形
材426の切断面に溶融金属が溜まり、溶融金属不足に
起因する窪みが生じることが回避される。成形材426
の切断後、下部カバー部材474の下方に設けられた図
示しない開閉部材が開かれ成形材426が取り出され
る。本実施形態においては、上記第一実施形態における
場合と同様に、成形スタート部材20を垂直方向だけで
なく、水平方向に移動させたり、回転させたり、回動さ
せたりすることが可能であり、傾いた形状の成形材を成
形したり、捩じれた形状の成形材を成形したり、湾曲し
た形状の成形材を成形したりすることができる。また、
断面形状変更装置428により、成形材426の断面を
小さくしたり、大きくしたりすることができる。
【0168】次に、複数個の収容容器400,401に
収容されている溶融金属を使用して成形材を成形する場
合について説明する。収容容器400において成形が終
了すると、下部カバー部材474が外され、収容容器4
00,401が回動支持軸403回りに回動させられ
る。収容容器401が収容容器400の位置に回動させ
られると、下部カバー部材474が取り付けられる。以
下同様に、三次元移動装置18によって、成形材426
の端面が収容容器401の仕切部材410に上述と同様
に接触させられ、成形材426の端面に溶融金属が付着
された後、成形スタート部材20が下方へ移動させら
れ、成形材が成形される。成形材426の端面がスター
ト面とされて成形が行われるのであり、その結果、成形
材426に収容容器401に収容された溶融金属414
によって成形された成形材が継ぎ足されることになる。
この場合、収容容器400,401を回動可能に支持す
る収容容器支持装置402および成形制御装置420の
回動装置406を制御する部分等により、収容容器選択
装置,相対回動型収容容器選択装置が構成される。
【0169】収容容器400と収容容器401とに収容
されている溶融金属が互いに同じであれば、1つの収容
容器に収容されている溶融金属では成形できないほど長
い長尺材を成形することができる。これら収容容器40
0と収容容器401とに互いに異なる種類の溶融金属が
収容されている場合には、図31に示すように、長手方
向において材質が段階的に変わる成形材490を成形す
ることができる。異なる材料で成形された成形材同士を
結合させたのと同じことになり、金属材料同士を溶接す
ることなく結合させたことになる。成形材490は、筒
状の管であるが、管が長手方向において、それぞれ異な
る環境で使用される場合には、それぞれの環境に合った
材料で管を成形することができるという利点がある。成
形材490を同一の材料で製造する場合には、最も厳し
い環境で使用し得る材料で製造しなければならないが、
異なる材料で製造することが可能となれば、最も厳しい
環境で使用し得る材料で製造する必要がなくなるのであ
る。その材料が製造に長時間を要するものである場合に
は、その材料で製造する部分が短くなるため、その分作
業時間を短縮することが可能となり、その材料が高価な
場合には、それだけコストダウンを図ることができる。
【0170】以上のように、本実施形態の成形装置にお
いては、仕切部材410が収容容器400の底壁408
にそれの一部として配設されているため、溶融金属補給
装置を設けなくても、仕切部材410を同じ位置に維持
することができる。そのため、断面形状変更装置428
において、上記第一実施形態における場合のように、遮
断部材駆動軸312に湾曲部318を設ける必要がなく
なるという利点がある。また、加熱冷却装置462,4
64が、熱せられた溶融金属溜まりから底壁408を挟
んだ位置に配設されるため、冷却効果を向上させること
ができ、これら加熱冷却装置462,464の寿命を長
くすることができる。さらに、本実施形態の成形装置に
おいては、成形材426の切断面から溶融金属が滴下す
ることがないため、上記第一実施形態の成形装置におい
て切断された場合より切断面を平坦にし易い。そのた
め、複数個の収容容器400,401に収容された溶融
金属を使用して成形材を継ぎ足すには適している。
【0171】なお、本実施形態の成形装置においては、
複数個の収容容器400,401が回動可能に支持され
ていたが、回動可能に支持されることは不可欠ではな
い。三次元移動装置18が、成形材426を別の収容容
器の仕切部材に接触させ得る位置まで移動させればよい
のである。また、両方が移動させられるようにしても、
収容容器400,401等が直線移動可能に支持されて
いてもよい。さらに、収容容器の個数は4個でなくて
も、2個以上であれば何個でもよい。また、複数の収容
容器400,401を備えていることは不可欠ではな
く、収容容器は1つでもよい。上記第一実施形態におけ
る場合と同様に、溶融金属補給装置を設けてもよい。こ
の場合において、上記第一実施形態における場合と同様
に、溶融金属414の攪拌が電磁コイル等を利用して行
われるようにするとともに、溶融材料補給装置160に
よって溶融金属が溶融金属414の量が一定に保たれる
ように補給されれば、上方空間418の体積を一定に保
つことが可能となり、上方空間418の圧力PU を、上
方空間圧力制御装置416による制御が殆ど行われなく
ても、ほぼ一定に保つことが可能となる。また、ヘッド
圧がほぼ一定となるため、下方空間478の圧力Pもほ
ぼ一定に保てばよいことになる。
【0172】さらに、圧力センサ482の代わりに、溶
融材料溜まりの下向き表面の仕切部材410に対する相
対高さを検出する高さ検出装置を設けてもよい。仕切部
材410の材料排出面422の全体から溶融金属が引き
出されるわけではないため、その引き出されない部分に
おいて、下向き表面の仕切部材410に対する相対高さ
を検出することが可能となる。相対高さが適正高さより
上方になれば、圧力差を小さくし、下方になれば圧力差
を大きくする。このように制御すれば、成形時において
相対高さを一定に維持することが可能となる。
【0173】さらに、上記実施形態においては、成形開
始時の制御において、上記圧力差がヘッド圧より小さく
された後、ヘッド圧に戻されるようにされていたが、ネ
ッキングを生じさせる際には、圧力差を一旦、ヘッド圧
より大きくしてもよい。
【0174】また、上記実施形態においては、遮断部材
430が成形方向に直交する2方向に移動可能とされて
いたが、2方向に移動可能とする必要は必ずしもなく、
X,Y方向のいずれか一方のみに移動可能とすればよ
い。その場合には、棒状の遮断部材430に直交する方
向(図におけるY方向)に移動可能とすることが望まし
い。さらに、遮断部材を平板状のものとすることもで
き、その場合には、遮断部材を侵入位置において保持す
ればよく、上記実施形態における場合のように成形スタ
ート部材20と共に仕切部材から離間させる必要はな
い。前述のように、引下装置においては、縮小面454
に溶融金属不足に起因する窪みが生じることがないから
である。
【0175】また、上記実施形態においては、溶融金属
414が引下げられることによって成形が行われるた
め、スタート面488から溶融金属が剥離し難くする必
要性は、上記第一実施形態における場合より低い。ま
た、スタート面488に付着した溶融金属を早急に凝固
させる必要性も低い。そのため、成形スタート部材20
を溶融金属414と同じ材料で製造する必要はなく、例
えば、銅製のものとすることができる。また、スタート
面488に付着された溶融金属の凝固を促進させるため
の通路68等を含む固着促進装置も不可欠ではない。
【0176】さらに、成形スタート部材20を下方に移
動させなくても、収容容器400を上方に移動させても
よい。また、加熱冷却装置462,464を冷却装置と
する場合には、水を吹き出すものとしてもよい。水が吹
き出させられても、水が収容容器400内に滴下するこ
とがない。また、攪拌用気体供給装置468,下方空間
圧力制御装置476,加熱冷却装置462,464に窒
素ガスを供給する気体供給装置等を共通のものとするこ
とができ、その場合には、窒素ガスを、下部カバー部材
474,供給管470,加熱冷却装置462,464の
窒素ガス吹出し口に各々選択的に供給する弁装置等が必
要になる。さらに、下部カバー部材474を、三次元移
動装置18,断面形状変更装置428全体を覆うように
設けてもよい。そのようにすれば、気密を保持すること
が容易となる。また、それぞれ列挙しないが、上記第一
実施形態において適用した態様は、本実施形態において
も適用することができ、本実施形態において適用した態
様は、第一実施形態において適用することができる。
【0177】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第十六ないし第二十五,第二十七発明に共通の
一実施形態である成形装置を概念的に表す図である。こ
の成形装置は、第一ないし第十,第十四発明の一実施形
態である成形方法を共通に実施し得る装置である。
【図2】上記成形装置の仕切部材を示す斜視図である。
【図3】上記仕切部材を経て引き上げられた引出溶融金
属が凝固して成形材が成形される状態を概念的に示す図
である。
【図4】上記引出溶融金属が凝固する凝固面周辺の状態
を概念的に示す図である。
【図5】上記成形装置の断面形状変更装置の側面図であ
【図6】上記断面形状変更装置の平面図(一部断面図)
である
【図7】上記断面形状変更装置によって成形材の断面を
縮小する場合の作動順序を概念的に示す図である。
【図8】上記断面形状変更装置によって成形材を切断す
る状態を概念的に示す図である。
【図9】上記断面形状変更装置によって成形材の断面を
拡大する場合の作動順序を概念的に示す図である。
【図10】上記成形装置によって垂直方向に延びた姿勢
の成形材が成形された状態を概念的に示す図である。
【図11】上記成形装置によって傾いた形状の成形材が
成形された状態を概念的に示す図である。
【図12】上記成形装置によって湾曲した形状の成形材
が成形された状態を概念的に示す図である。
【図13】上記成形装置によって捩じれた形状の成形材
が成形された状態を概念的に示す図である。
【図14】上記断面形状変更装置によって成形材の断面
を縮小したり拡大したりする場合の作動順序を概念的に
示す図である。
【図15】上記断面形状変更装置によって成形材の同一
側面について断面を縮小したり拡大したりする状態を概
念的に示す図である。
【図16】上記断面形状変更装置を利用して分岐状の成
形材を成形する場合の作動順序を概念的に示す図であ
る。
【図17】上記成形装置に取り付けられた成形スタート
部材の断面図である。
【図18】上記成形装置に取り付けられた有底筒状の成
形スタート部材を使用して有底筒状の成形材を成形する
場合の作動順序を概念的に示す図である。
【図19】上記実施形態とは別の一実施形態の成形装置
に配設された仕切部材の断面図を概念的に示す図であ
る。
【図20】上記実施形態とはさらに別の一実施形態の成
形装置に配設された仕切部材の断面図を概念的に示す図
である。
【図21】上記実施形態とはさらに別の一実施形態の成
形装置に配設された仕切部材の断面図を概念的に示す図
である。
【図22】上記実施形態とはさらに別の一実施形態の成
形装置に配設された仕切部材の斜視図である。
【図23】上記実施形態とはさらに別の一実施形態の成
形装置に設けられた断面形状変更装置の側面図である。
【図24】上記断面形状変更装置の平面図である。
【図25】上記各断面形状変更装置に取り付けられた補
助スタート部材の斜視図である。
【図26】第十六ないし第二十六,第二十八,第二十九
発明に共通の一実施形態である成形装置を概念的に示す
図である。この成形装置は、第一ないし第五,第九ない
し第十三,第十五発明の一実施形態である成形方法を共
通に実施し得る装置である。
【図27】上記成形装置に設けられた断面形状変更装置
の側面図である。
【図28】上記断面形状変更装置の平面図である。
【図29】上記断面形状変更装置の遮断部材によって、
成形材の断面が縮小される状態を概念的に示す側面図で
ある。
【図30】上記状態を概念的に示す平面図である。
【図31】上記成形装置によって成形された成形材を示
す断面図である。
【図32】第一発明ないし第十五発明に係る成形方法を
実施し得る成形装置であって、第十六発明ないし第二十
九発明に係る成形装置に使用し得る仕切部材を概念的に
示す平面図である。
【図33】上記I−I断面図である。
【図34】上記成形装置において成形材を成形する状態
を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10.400,401 収容容器 14,280〜282,294,410,600 仕切
部材 16,210,230,250,602 成形スタート
部材 18 三次元移動装置 22 仕切部材保持部材 24 仕切部材昇降装置 30,286,632〜636 仕切壁 32 連通穴 34,611〜622,630 部分表面 38,422 材料排出面 62,420 成形制御装置 66,212,214,260,488 スタート面 76,77,78,79,462,464 加熱冷却装
置 90,428 断面形状変更装置 92,310,430 遮断部材 94,311,432 遮断部材移動装置 96,320,434 補助スタート部材 98,321,436 補助離間装置 170 スタート部材内空間圧力制御装置 402 収容容器支持装置 406 回動装置 416 上方空間圧力制御装置 474 下部カバー部材 476 下方空間圧力制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/04 115 B22D 11/00 B22D 11/01

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料溜まりの表面である溶融材料溜
    表面に成形スタート部材のスタート面を接触させた後、
    それら溶融材料溜表面とスタート面とを徐々に離間させ
    ることにより溶融材料溜表面とスタート面との間で成形
    材を成形する成形方法において、 前記溶融材料溜表面の前記スタート面より広い部分を、
    その広い部分のうち前記スタート面に対応する部分であ
    る対応表面を複数の部分表面に仕切り得る間隔で形成し
    た複数の仕切壁を有する仕切部材で覆い、その仕切部材
    に前記スタート面を接触または近接させた状態で溶融材
    料溜表面とスタート面とを接触させた後、仕切部材を溶
    融材料溜表面を仕切る状態に保ちつつ前記成形スタート
    部材と互いに離間させることを特徴とする成形方法。
  2. 【請求項2】 前記仕切部材を経て引き出された溶融材
    料の前記溶融材料溜表面からの長さを予め定められた長
    さに制御しつつ溶融材料を凝固させて前記成形材を成形
    することを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記成形スタート部材と前記仕切部材と
    を、それら成形スタート部材と仕切部材との成形開始時
    に互いに接触または近接させられるそれぞれの面である
    スタート面と材料排出面とを互いに平行に保って離間さ
    せることを特徴とする請求項1または2に記載の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 前記成形スタート部材と前記仕切部材と
    を、それら成形スタート部材と仕切部材との成形開始時
    に互いに接触または近接させられるそれぞれの面である
    スタート面と材料排出面とを互いに平行な状態から非平
    行状態へ相対回動させつつ離間させることを特徴とする
    請求項1または2に記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記仕切部材を経て引き出された溶融材
    料を、前記スタート面と前記材料排出面との離間速度が
    大きい側において小さい側に比較して相対的に大きな冷
    却速度で冷却することを特徴とする請求項4に記載の成
    形方法。
  6. 【請求項6】 筒状部と底壁部とを有する有底筒状の成
    形スタート部材と前記仕切部材とを接触または近接させ
    て筒状部の端面と前記溶融材料溜表面とを接触させた後
    の一時期に、その溶融材料溜表面と前記底壁部との間の
    空間の圧力を低下させてその空間内に溶融材料を流入さ
    せる工程を含むことを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1つに記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 前記筒状部の端面と前記溶融材料溜表面
    とを接触させた後直ちに溶融材料溜表面と前記底壁部と
    の間の空間の圧力を低下させることを特徴とする請求項
    6に記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 前記筒状部の端面と前記溶融材料溜表面
    とを接触させた後、それら筒状部と溶融材料溜表面とを
    離間させて筒状の成形材を成形し、その後に前記底壁部
    と溶融材料溜表面との間の空間の圧力を低下させること
    を特徴とする請求項6に記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 遮断部材を、前記仕切部材を経て引き出
    された溶融材料の少なくとも一部と仕切部材との間に侵
    入させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    1つに記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 補助スタート部材を、その補助スター
    ト部材の第一面が前記仕切部材を経て引き出された溶融
    材料と接触するとともにその第一面に隣接する第二面が
    前記仕切部材に接触または近接する補助スタート位置に
    位置させて、その補助スタート部材の第二面に前記溶融
    材料溜表面を接触させた後、その補助スタート部材と仕
    切部材とを、前記成形スタート部材と仕切部材との相対
    移動速度とほぼ同じ速度で離間させる工程を含むことを
    特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の成
    形方法。
  11. 【請求項11】 溶融材料を収容した複数個の前記収容
    容器のうち1つの収容容器に収容された溶融材料により
    成形した成形材を、他の収容容器の仕切部材に接触また
    は近接させた後、その仕切部材と成形材とを互いに離間
    させて、前に成形した成形材に新しい成形材を継ぎ足す
    工程を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいず
    れか1つに記載の成形方法。
  12. 【請求項12】 前記1つの収容容器と他の収容容器と
    に、同じ種類の溶融材料を収容させることを特徴とする
    請求項11に記載の成形方法。
  13. 【請求項13】 前記1つの収容容器と他の収容容器と
    に、互いに異なる種類の溶融材料を収容させることを特
    徴とする請求項11に記載の成形方法。
  14. 【請求項14】 前記仕切部材を、前記溶融材料溜まり
    の上向き表面近傍に配設し、仕切部材と上向き表面との
    相対高さを予め定められた高さに制御しつつ、仕切部材
    と前記成形スタート部材とを離間させることを特徴とす
    る請求項1ないし13のいずれか1つに記載の成形方
    法。
  15. 【請求項15】 前記仕切部材を、前記溶融材料を収容
    する収容容器の底壁の少なくとも一部を構成する状態で
    配設するとともに、前記収容容器に収容された溶融材料
    の上方空間の圧力と仕切部材の下方空間の圧力との少な
    くとも一方を、上方空間の圧力が下方空間の圧力より、
    予め定められた条件を満たすだけ低くなるように制御し
    つつ、仕切部材と前記成形スタート部材とを離間させる
    ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに
    記載の成形方法。
  16. 【請求項16】 溶融材料溜まりの表面とその溶融材料
    溜表面に接触させた成形スタート部材とを互いに離間さ
    せ、溶融材料の表面張力により引き出された溶融材料を
    凝固させて成形材を成形する成形装置において、 前記溶融材料溜まりの表面を仕切る仕切壁を有する仕切
    部材と、 その仕切部材を、前記溶融材料溜まりと前記成形スター
    ト部材との間に位置させるとともに、その仕切部材およ
    び前記溶融材料溜まりの表面と前記成形スタート部材と
    を互いに離間させる離間装置と を設けたことを特徴とす
    る成形装置。
  17. 【請求項17】 さらに、前記溶融材料溜表面と前記成
    形スタート部材とが互いに離間させられる間、前記仕切
    部材を経て引き出された溶融材料の前記溶融材料溜表面
    からの長さを予め定められた長さに制御する引出溶融材
    料長さ制御装置を含むことを特徴とする請求項16に記
    載の成形装置。
  18. 【請求項18】 前記仕切部材が、前記仕切壁を、長さ
    100mmの線分当たり4個有することを特徴とする請求
    項16または17に記載の成形装置。
  19. 【請求項19】 前記仕切部材が、前記仕切壁によって
    囲まれた連通穴を10000mm2 当たり16個以上有す
    ることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1
    つに記載の成形装置。
  20. 【請求項20】 前記離間装置が、前記仕切部材と前記
    成形スタート部材とを互いに平行な状態を保って離間さ
    せる平行離間装置を含むことを特徴とする請求項16な
    いし19のいずれか1つに記載の成形装置。
  21. 【請求項21】 前記離間装置が、前記成形スタート部
    材と前記仕切部材とを離間させるとともに、それら成形
    スタート部材と仕切部材との成形開始時に互いに接触ま
    たは近接させられるそれぞれの面であるスタート面と材
    料排出面とを平行な状態から非平行状態へ相対回動させ
    る非平行離間装置を含むことを特徴とする請求項16な
    いし20のいずれか1つに記載の成形装置。
  22. 【請求項22】 前記仕切部材を経て引き出された溶融
    材料の冷却速度を、前記非平行離間装置による前記スタ
    ート面と前記材料排出面との離間速度が大きい側を小さ
    い側に比較して相対的に大きくする不均等冷却速度付与
    装置を含むことを特徴とする請求項21に記載の成形装
    置。
  23. 【請求項23】 前記成形材の断面をその成形材の成形
    方向において変更する断面変更装置を含むことを特徴と
    する請求項16ないし22のいずれか1つに記載の成形
    装置。
  24. 【請求項24】 前記断面変更装置が、 遮断部材と、 その遮断部材を前記成形方向と交差する方向に移動さ
    せ、前記仕切部材と前記仕切部材を経て引き出された溶
    融材料の少なくとも一部との間に侵入する侵入位置とそ
    の侵入位置から退避した退避位置とに移動させる遮断部
    材移動装置とを含むことを特徴とする請求項23に記載
    の成形装置。
  25. 【請求項25】 前記断面変更装置が、 補助スタート部材と、 その補助スタート部材と前記仕切部材とを、前記成形方
    向に、補助スタート部材の第一面が前記仕切部材を経て
    引き出された溶融材料と接触するとともにその第一面に
    隣接する第二面が前記仕切部材に接触または近接する補
    助スタート位置から、前記成形スタート部材と仕切部材
    との相対移動速度とほぼ同じ速度で、離間させる補助離
    間装置とを含むことを特徴とする請求項23または24
    に記載の成形装置。
  26. 【請求項26】 前記溶融材料を収容する複数個の収容
    容器と、 それら複数個の収容容器と前記成形材の前記仕切部材側
    の端部とを前記成形方向と交差する方向に相対移動させ
    て、複数個の収容容器のうち成形材の前記端部に対向す
    るものを選択する収容容器選択装置とを含むことを特徴
    とする請求項16ないし25のいずれか1つに記載の成
    形装置。
  27. 【請求項27】 前記仕切部材を前記溶融材料溜まりの
    上向き表面近傍に保持する仕切部材保持部材と、 その仕切部材保持部材と前記溶融材料溜まりの上向き表
    面との相対高さを予め定められた高さに制御する相対高
    さ制御装置とを含むことを特徴とする請求項16ないし
    26のいずれか1つに記載の成形装置。
  28. 【請求項28】 前記仕切部材が、前記溶融材料を収容
    する収容容器の底壁の少なくとも一部を成すことを特徴
    とする請求項16ないし26のいずれか1つに記載の成
    形装置。
  29. 【請求項29】 前記収容容器に収容された溶融材料の
    上方空間と前記仕切部材の下方空間との間に予め定めら
    れた大きさの圧力差を生じさせる圧力差発生装置を含む
    ことを特徴とする請求項28に記載の成形装置。
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