JP3206351B2 - 図面編集作成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コントローラの入出力
装置にプラント信号データの割り付けを行うに当って使
用される図面の編集及び作成装置に関する。

【０００２】本発明の図面編集作成装置が適用されるコ
ントローラには、例えば上水道プラントや下水道プラン
トで使用されるコントローラがある。

【０００３】

【従来の技術】浄水場や配管ポンプ場よりなる上水道プ
ラント，下水処理場やポンプ場よりなる下水道プラント
或いは排水機場プラントなどでは、通常、ポンプや弁な
どを中央の監視センターで集中監視制御している。この
ような中央のコントローラによる集中監視制御システム
においては、各地区に分散して配置されているポンプの
運転状態或いは配水弁の開閉状態の信号を中央のコント
ローラ（ＣＰＵ）に送り、応答指令としてポンプ或いは
弁の操作量を出力している。ポンプでも、例えば配管網
が合流した系に置かれていて共通して使用されるポンプ
と分岐管に置かれているポンプとでは、操作量が全く異
なる。このことは弁の場合でも同様である。何処のポン
プがどのような運転状態にあるか、或いは何処の配管水
のどの弁がどのような状態にあるか等のプラント信号デ
ータをコントローラに送るために、コントローラの入出
力装置（ＰＩ／Ｏ）へのプラント信号データの割り付け
が行われ、この割り付けに使用する図面が編集，作成さ
れる。この図面は、通常、入出力装置へ割り付けられる
機器の枚数作られる。このような図面を作成する方法と
して、従来は、フォーマットを決めて一枚一枚作成する
方法をとっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の様に、図面を一
枚一枚作成する方法では、入力時間がかかるうえに入力
ミスも多くなる。

【０００５】本発明の目的は、プラント信号データの入
力業務を簡略化でき、図面の編集及び作成が容易にでき
るようにした図面編集作成装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、コントローラ
の入出力装置にプラント信号データを割り付けるに当っ
て使用する図面の編集及び作成装置であって、予め定め
た第一形式の図面にしたがってプラント信号データを入
力する入力手段と、前記入力手段によって入力されたプ
ラント信号データを記憶するデータ管理手段と、前記入
力手段によって入力されたプラント信号データをプラン
トの中で一台しか使用されていない機器と複数台使用さ
れる機器とに分けて、共通テーブルと個別テーブルに格
納する格納手段と、前記格納手段の個別テーブルに格納
されたプラント信号データを機器の台数だけ複写する複
写手段と、前記複写手段で複写されたプラント信号デー
タを予め定めた第二形式の図面に台数分割り付けたり、
前記格納手段の共通テーブルに格納されたプラント信号
データを予め定めた第三形式の図面に割り付けて図面化
する図面化手段を備えたことを特徴とする図面編集作成
装置。

【０００７】また、前記図面編集作成装置において、図
面化手段によって図面化された第二形式，第三形式の図
面を表示する表示手段を備えたことを特徴とする図面編
集作成装置である。

【０００８】更に、前記図面化手段によって図面化され
た第二形式，第三形式の図面を印刷する印刷手段を備え
たことを特徴とする図面編集作成装置である。

【０００９】本発明では、図面を階層化管理する（デー
タベースを用いて、第一形式の図面と第二形式，第三形
式の図面とのつながりを持たせる）ことで、第一形式の
図面には必要最小限のデータを入力するだけで、第二形
式，第三形式の図面を自動的に複数枚作成できるように
した。また、第一形式の図面から第二形式，第三形式の
図面を作成する際に、第一形式の図面に記載されたプラ
ント信号データのうち、一台のみ使用している機器を集
めた図面を一枚（第三形式の図面）と、複数台使用され
ている機器を集めた図面を複数枚（第二形式の図面）作
成できるようにした。

【００１０】本発明によれば、同様な第二形式の図面を
複数枚編集及び作成する場合に、第一形式の図面で略式
表現を可能にする事で、第二形式の図面を自動的に複数
枚作成するとともに、第二形式の図面の編集作成時間を
短縮することができる。また、図面を階層的に作成して
いるため、図面に変更が生じても容易に修正でき、しか
も図面の検索も容易に行える。

【００１１】

【作用】本発明においては、予め定めた形式の図面に取
り込んだプラント信号データをデータベースに格納し、
ここに格納されたプラント信号データを用いて階層的に
図面を管理し、かつ第一形式の図面と第二形式，第三形
式の図面の関連性を保ち、編集作成した図面の内容に合
わせ、関連する図面を自動的に修正する。

【００１２】特開昭64−91207 号公報には、プログラマ
ブルコントローラのモニタ方法において、階層化表示
で、実行場所を「色」を変えてモニタできるようにする
ことが記載され、特開平2−214904 号公報には、プログ
ラマブルコントローラの動作状態監視装置において、階
層化表示，ループ表示の抑止機能を備えたものが示され
ている。しかし、これらはいずれもプログラマブルコン
トローラのモニタ方法の階層化表現であり、本発明の図
面編集作成装置とは利用分野が全く異なる。

【００１３】また、特開昭62−55730 号公報には、プロ
グラム編集作成装置において、入力部への編集操作入力
により複数階層にわたるプログラムの編集を行うプログ
ラム編集手段及び編集されつつあるプログラムを上記記
憶部に記憶される記憶制御手段からなる編集処理部とを
備えたものが示されている。しかし、この発明にしたが
って図面をデータベースを管理する場合には、複写した
図面とデータベースとのつながりに不具合が生じる。ま
た、第二形式の図面の共通なプラント信号データを修正
する場合には、第二形式の図面を一枚ずつ修正しなくて
はならず、図面を検索する場合には、図面を最初から調
べる必要がある。

【００１４】本発明によれば、第一形式の図面で略式表
記（たとえばポンプ×ｎ）ができ、かつ、第二形式，第
三形式の上で割付処理が可能となり、第一形式の図面で
複写及び大まかな割り付けができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。

【００１６】図１は、図面編集作成装置１の構成と図面
編集作成装置１を用いてプラントで使用されている弁２
ａ，流水検知器２ｂ，ポンプ２ｃ等のプラント信号をプ
ログラマブルコントローラ９の入出力装置９ｂに割り付
ける際に作られる第二形式の図面７と第三形式の図面８
を作成している一実施例である。

【００１７】図面編集作成装置１は入力手段１ａ，管理
手段１ｂ，格納手段１ｃ，複写手段１ｄ，図面化手段１
ｅ，表示手段１ｆ，印刷手段１ｇとからなる。

【００１８】設計者がプラント信号を入出力装置９ｂに
割り付ける場合、プラントで使用されている信号を調
べ、プラント信号データ一覧表２に纏める。このプラン
ト信号データ一覧表２にはプラントで使用される機器
（弁２ａ，流水検知器２ｂ，ポンプ２ｃ等）の状態等の
プラント信号データがメモ書き程度に纏められる。

【００１９】前記プラント信号データ一覧表に書かれた
プラント信号データは入力手段１ａによって、データの
取れる第一形式３の図面に入力される。この第一形式３
の図面はプラントで使用されている機器が複数台あるも
のは纏め表示できるようにしてある。

【００２０】前記入力手段１ａによって入力された第一
形式３の図面は、管理手段１ｂによって図面に記載され
たプラント信号データを管理ファイル４に一元管理させ
る。一元管理されたプラント信号データは格納手段１ｃ
によって、プラントで一台しか使用されていない機器と
複数台使用されている機器とに分けられ、プラント信号
データのうち一台しか使用されていない機器は共通テー
ブル６に、複数台使用している機器は個別テーブル５に
格納され、更に個別テーブル５に格納されたプラント信
号データは複写手段１ｄによって機器の台数だけ複写さ
れる。

【００２１】前記格納手段１ｃ，複写手段１ｄによって
各テーブルに格納されたプラント信号データは、図面化
手段１ｅによって第二形式７，第三形式８の図面に図面
化される。

【００２２】設計者は表示手段１ｆ，印刷手段１ｇを用
いて、図面化されたプラント信号データにプログラマブ
ルコントローラ９の入出力装置９ｂのアドレスを割り付
け図面を完成させる。

【００２３】図２は本発明により、基準となる第一形式
の図面（以下上流図面と略す）から詳細データを表した
第二形式，第三形式の図面（以下、下流図面と略す）が
階層的に作られていく様子を示したものである。

【００２４】符号１０，符号１１及び符号１２は、それ
ぞれ第一階層と第二階層及び第三階層を表わす。各階層
にはプラント信号データと入出力装置に割り付けられた
アドレスが記載された図面がある。

【００２５】第一階層１にある図面１０ａは、入出力装
置（ＰＩ／Ｏ）へ割り付けられるポンプがあることを示
している。ポンプのプラント信号データには共通のもの
と個別のものとがあり、これらを含めて表わしたものを
上流図面と称する。本発明における格納手段と複写手段
によって、第二階層の下流図面１１ａ，１１ｂ〜11ｎが
作られる。このような下流図面が作られる時、上流図面
で大まかに割り付けられていたＰＩ／Ｏの信号点も細か
く割り付けられる。

【００２６】下流図面は、上流図面の共通のものと個別
のものとを分けて作られ、共通のものについては共通図
面（２ａ）が作られ、個別のものについては個別図面
（２ｂ〜２ｎ）が作られる。又、個別のものは上流図面
で指示されてある枚数複写される。

【００２７】複写手段では、下流図面での信号点で同一
アドレスのものがないように処理を行う。これは、プラ
ントで各機器に割り付けられているアドレスを混在しな
いようにするためである。

【００２８】このように上流から下流図面を作成してい
ることから、プラント信号データ等の変更が容易にでき
る。また、図面を階層的に管理していることから、検索
も容易にできる。更に、一元管理している管理ファイル
を用いて、リンケージ表等を作成することも可能であ
る。

【００２９】尚、図１では第三階層までしか示していな
いが、階層の数は図面編集処理装置に登録されてある数
値を変える事で、自由に設定できる。

【００３０】図３は第一階層１にある上流図面１０ａの
詳細図である。ただし、これは一つの例にすぎない。

【００３１】この上流図面には、プラントの機器名称２
０と機器の台数２１と運転故障表示項面２２とプラント
信号データが共通のものか或いは個別のものかを表示す
る共通／個別の表示部２３と、プラント信号データを表
示する場所を示す表示場所２４と、プラント信号データ
が故障を表わす場合に、警報の度合いを示す故障２５の
項とが設けられている。これらのデータは、管理ファイ
ルに格納されている。台数２１は上流図面１０ａから下
流図面の個別図面２ｂ〜２ｎを何枚作るかを表わすもの
である。

【００３２】図２の説明中にある共通，個別のものは、
共通／個別２３の欄で指定してある行に相当する。表示
場所２４でＬがついているものは、現場盤に表示（運転
のランプ等）があることを示し、Ｄがついているもの
は、中央の監視操作盤（以下デスクと記述する）に表示
（運転のランプ等）があることを示している。この共通
／個別２３の欄の内容により第三階層の図面１２ａａ，
１２ａｂ〜１２ｎａ，１２ｎｂが作られる。

【００３３】図４はプラントの一部を簡略系統図で示し
た例と、プログラマブルコントローラの入出力装置の説
明図である。

【００３４】符号９ａと符号９ｂは、それぞれプログラ
マブルコントローラ９のＣＰＵ，ＰＩ／Ｏであり、プラ
ントにある機器は冷却水弁２ａと流水検知器２ｂとポン
プ２ｃａａ，２ｃｂａ及び吐出弁２ｃａｂ，２ｃｂｂで
ある。符号２ｃａ，２ｃｂは、各ポンプ毎にポンプと吐
出弁を纏めたものである。

【００３５】破線はＰＩ／Ｏに入出力されるプラント信
号データであり、信号点は破線の数だけ存在する。符号
２ｃａ，２ｃｂの内容は同一のものであるが、プラント
で扱う水量を制御するために、ポンプ毎にプラント信号
データ及び信号点が必要となる。これらの全てのプラン
ト信号データ等を図面に書き出すとなれば膨大な量にな
り、コントローラに割り付けるアドレスを間違ったりす
る。この様な事を防ぐために、同様なものを一つに纏め
て図面にした例が図３の上流図面である。

【００３６】ＣＰＵ９ａのＰＩ／Ｏ９ｂが実際にどの場
所に使用されているかを示したものである。符号３０ａ
及び符号３０ｂは、監視制御センターのデスク３０で使
用されている表示器を示している。表示器で使用してい
るプラント信号データは、コントローラ９のＣＰＵ９ａ
と接続されている入出力装置であるリモートＰＩ／Ｏ
(Ｒ.ＰＩ／Ｏ）９ｂａから入出力するものである。９ｂ
ｂは各機器からのプラント信号データを入出力するリモ
ートＰＩ／Ｏ(Ｒ.ＰＩ／Ｏ）であり、この入出力装置も
コントローラのＣＰＵ９ａと接続されている。

【００３７】プラント信号データとプログラマブルコン
トローラのアドレスは１対１で接続されており、このつ
ながりが１つでも違うと、そのプラントの機器は正常に
動作しなくなる。

【００３８】

【発明の効果】本発明によれば、今まで同様な図面を作
成したものを簡略化入力ができるようになった事で、入
力工数を低減することができる。又、これにより図面の
信頼性も向上する。

【００３９】又、本発明によれば、上流図面から下流図
面を作るため、図面に変更が生じても容易に修正でき
る。

【００４０】又、図面を階層的に作成しているため、図
面の検索が容易にできる。特に同様な図面を複数枚編集
および作成する場合には、上流図面での略式表現を可能
にし、下流図面を自動的に複数枚作成すると共に、下流
図面の編集作成時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す図面編集作成装置の構
成図。

【図２】本発明により、基礎となる図面から詳細の図面
が階層的に作られていく様子を示す説明図。

【図３】第一階層に係る上流図面。

【図４】プラントの簡略系統図。

【符号の説明】

１…図面編集作成装置、１ａ…入力手段、１ｂ…管理手
段、１ｃ…格納手段、１ｄ…複写手段、１ｅ…図面化手
段、１ｆ…表示手段、１ｇ…印刷手段、２…プラント信
号データ一覧表、２ａ…弁、２ｂ…流水検知器、２ｃ…
ポンプ、３…第一形式の図面（上流図面）、４…管理フ
ァイル、５…個別テーブル、６…共通テーブル、７…第
二形式の図面（下流図面）、８…第三形式の図面（下流
図面）、９…プログラマブルコントローラ、９ａ…ＣＰ
Ｕ、９ｂ…入出力装置(Ｒ.ＲＩ／Ｏ）。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−195100（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 17/50 606 G06F 17/50 650

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プログラマブルコントローラの入出力装置
   にプラント信号データを割り付けるに当って使用する図
   面の編集及び作成装置であり、 予め定めた第一形式の図面にプラント信号データを入力
   する入力手段と、 前記入力手段によって第一形式の図面に入力されたプラ
   ント信号データを記憶するデータ管理手段と、 前記データ管理手段によって記憶されたプラント信号デ
   ータを、プラントの中で一台しか使用されていない機器
   と複数台に使用される機器とに分けて、共通テーブルと
   個別テーブルに格納する格納手段と、 前記格納手段の個別テーブルに格納されたプラント信号
   データを機器の台数だけ複写する複写手段と、 前記複写手段で複写されたプラント信号データを予め定
   めた第二形式の図面に台数分割り付けたり、或いは前記
   格納手段で共通テーブルに格納されたプラント信号デー
   タを予め定めた第三形式の図面に割り付けて図面化する
   図面化手段を備えたことを特徴とする図面編集作成装
   置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記図面化手段によっ
   て図面化された第二形式，第三形式の図面を表示する表
   示手段を備えたことを特徴とする図面編集作成装置。
3. 【請求項３】請求項１において、前記図面化手段によっ
   て図面化された第二形式，第三形式の図面を印刷する印
   刷手段を備えたことを説徴とする図面編集作成装置。