JP3205095U - シャーベット状氷製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャーベット状氷の製氷を効率的かつ低騒音で行い、原水の塩分濃度の選択の自由度を広げることができるシャーベット状氷製造装置を提供する。【解決手段】第1の筒状体2の内部空間からなり、原水給入口6、シャーベット状氷排出口7が連通され、原水が流通する過程で、冷媒との熱交換による氷の生成、掻き取りが行われる原水側流通路5と、第1の筒状体2の内部に配置され、回転駆動手段によって回転駆動される軸部12と、軸部12の長手方向に沿って3段に亘って各段ごとに軸部12の周方向に間隔を設けて2枚ずつ配設された掻き取り羽根31と、第1の筒状体2とこれを包囲する第2の筒状体32との間の空間からなり、冷媒給入口40、冷媒排出口41が連通され、冷媒が流通する過程で原水との熱交換が行われる冷媒側流通路38とを備える。掻き取り羽根31は、各段ごとに3枚以上配設されていてもよい。【選択図】図1
Description
本考案は、シャーベット状氷製造装置に係り、特に、魚介類などの保冷対象物の保冷に用いられるシャーベット状氷の製造に好適なシャーベット状氷製造装置に関する。
従来から、魚介類などを保冷して鮮度を維持するためのシャーベット状氷を製氷する手段として、例えば、特許文献1および特許文献2に示すようなシャーベット状氷製造装置が提案されていた。なお、特許文献2は、本出願人によって本願よりも前になされた特許出願を基礎とした国内優先出願である。
これら特許文献1および特許文献2に記載のシャーベット状氷製造装置は、塩水または海水からなる原水を装置本体に供給し、この供給された原水を、装置本体において冷媒との熱交換によって冷却することにより氷を生成し、この生成された氷を回転駆動されるスクレーパによって掻き取ることにより、シャーベット状氷を製氷するように構成されている。
本考案者は、従来よりもシャーベット状氷の製氷効率を向上させ、その一方で、スクレーパの過剰な回転速度によって装置全体の振動と揺れが過大となることを抑制するとともに、低塩分濃度の原水を用いた良質な製氷を実現すべく鋭意研究を行った。
本考案は、このような点に鑑みなされたものであり、シャーベット状氷の製氷を効率的かつ低騒音で行うことができ、また、原水の塩分濃度の選択の自由度を広げて利便性を向上させることができるシャーベット状氷製造装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本考案の請求項1に係るシャーベット状氷製造装置の特徴は、第1の筒状体の内部の空間からなり、前記第1の筒状体の鉛直方向の一端部側に原水給入口が、前記鉛直方向の他端部側にシャーベット状氷排出口がそれぞれ連通され、前記原水給入口から給入された前記原水が前記シャーベット状氷排出口に向かって流通し、この流通の過程で、前記熱交換による前記氷の生成および前記氷の掻き取りが行われる原水側流通路と、前記第1の筒状体の内部に前記鉛直方向に沿って長尺状に配置されるとともに、長手方向における両端部を介して前記第1の筒状体の周方向に回転自在に支持された軸部と、この軸部に接続され、前記軸部を回転駆動する回転駆動手段と、前記第1の筒状体の内部であって前記軸部の外周上に、前記軸部の長手方向に沿って3段に亘って各段ごとに前記軸部の周方向に間隔を設けて2枚ずつ配設され、前記軸部との一体的な回転動作によって前記掻き取りを行う掻き取り羽根と、前記第1の筒状体とこの第1の筒状体を包囲する第2の筒状体との間の空間からなり、前記鉛直方向の一端部側に冷媒給入口が、前記鉛直方向の他端部側に冷媒排出口がそれぞれ連通され、前記冷媒給入口から給入された前記冷媒が前記冷媒排出口に向かって流通し、この流通の過程で前記熱交換が行われる冷媒側流通路とを備えている点にある。
そして、このような構成によれば、各段1枚ずつの掻き取り羽根の場合と比較して、軸部の回転速度を一定と仮定した場合における掻き取り速度を向上させることができるとともに、必要最小限の枚数の掻き取り羽根によって十分な掻き取り速度を発揮することができ、軸部の回転速度を過大とすることなくシャーベット状氷の製氷効率を向上させることができる。また、原水の塩分濃度が低く、原水側流通路内における氷の過成長が生じ易い状況下においても、掻き取り速度が向上されていることによって過成長前に氷を掻き取ることができるので、低塩分濃度の原水を用いた製氷に十分に耐えることができ、ひいては、原水の塩分濃度に課される制約を緩和することができる。
本考案によれば、シャーベット状氷の製氷を効率的かつ低騒音で行うことができ、また、原水の塩分濃度の選択の自由度を広げて利便性を向上させることができる。
以下、本考案に係るシャーベット状氷製造装置の実施形態について、図1乃至図11を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるシャーベット状氷製造装置1を示す要部縦断面図(図2のA−A断面図)である。また、図2は、図1のシャーベット状氷製造装置1の平面図である。さらに、図3は、図2のB−B断面図である。
本実施形態におけるシャーベット状氷製造装置1は、装置本体2に供給された所定の塩分濃度の原水を、装置本体1Aに供給された冷媒(例えば、R−404Aなどの疑似共沸混合冷媒など)との熱交換によって冷却して氷を生成した上で、この氷を後述する掻き取り羽根としての金属製(例えば、ステンレス製)のスクレーパ31(図1参照)によって掻き取ることによって、シャーベット状氷を製氷するように構成されている。なお、従来と同様に、原水として海水を用いてもよいことは勿論であるが、これに限定される必要はなく、塩水や純水などを用いることも可能である。
具体的な構成は以下のとおりである。
すなわち、図1および図3に示すように、本実施形態におけるシャーベット状氷製造装置1は、図1および図3の鉛直方向である長手方向に長尺とされた第1の筒状体としての金属製(例えば、ステンレス製)の内側筒状体2を有している。この内側筒状体2は、水平断面において円形状を呈するような円筒形状に形成されている。また、前記内側筒状体2は、図1ないし図4に示すように、上部開口が所定の厚みを有する水平な蓋板3によって遮蔽されているとともに、図1ないし図3および図5に示すように、下部開口が所定の厚みを有する水平な底板4によって遮蔽されている。これらの蓋板3および底板4は、ポリアセタール樹脂(例えば、POM−BC)などによって形成してもよい。
ここで、前記内側筒状体2の内部の空間5は、内側筒状体2の鉛直方向(長手方向)に延在する原水側流通路5とされている。図1に示すように、原水側流通路5には、当該流通路5における内側筒状体2の鉛直方向の一端部(下端部)側に、前述した底板4に穿設された状態の原水給入口6が連通されている。また、図1に示すように、前記原水側流通路5には、当該流通路5における内側筒状体2の鉛直方向の他端部(上端部)側に、前述した蓋板3に穿設された状態のシャーベット状氷排出口7が連通されている。
そして、このような原水側流通路5には、原水給入口6から給入された原水が、シャーベット状氷排出口7に向かって流通するようになっている。そして、この流通の過程で、原水側流通路5においては、原水と前述した冷媒との熱交換(原水の冷却)による氷の生成と、この生成された氷のスクレーパ31による掻き取りとが行われて、シャーベット状氷が製氷されるようになっている。ただし、シャーベット状氷は、スクレーパ31によって掻き取られた氷と未氷結の状態で原水側流通路5を流通した原水とが混合されたものである。このようにして製氷されたシャーベット状氷は、シャーベット状排出口7から装置本体1Aの外部に排出されることになる。
なお、図1に示すように、原水側流通路5への原水の供給は、原水給入口6の上流側に接続された原水供給系10によって行われるようになっている。この原水供給系10は、前記特許文献2にも記載されているように、原水供給源、原水供給用のポンプ、原水供給用の配管、配管の開閉バルブ、原水から異物を除去するためのストレーナ、装置本体1Aの外部における冷媒との熱交換によって原水を予冷するための予冷装置などによって構成してもよい。予冷装置としては、例えば、ステンレス製の内管の内部を原水が流通し、内管を包囲する鋼管からなる外管と内管との間を冷媒が流通する公知の2重管式のものを挙げることができる。また、特許文献2に記載されているように、原水供給系10は、原水の流路(配管)上に、原水の塩分濃度を計測する塩濃度センサ、原水の温度を測定する水温センサ、および、原水の流量を調整する流量調整器(例えば、流量制御弁)を備えるとともに、塩濃度センサおよび水温センサの計測結果に基づいて流量調整器の最適な調整流量をマイコン制御する機能を備えたものであってもよい。
一方、図1に示すように、原水側流通路5からのシャーベット状氷の排出は、シャーベット状排出口7の下流側に接続されたシャーベット状氷排出系11によって行われるようになっている。このシャーベット状氷排出系11は、前記特許文献2にも記載されているように、シャーベット状氷排出用のポンプやシャーベット状氷排出用の配管によって構成してもよい。
前述した構成に加えて、さらに、図1および図3に示すように、内側筒状体2の内部における中央位置には、内側筒状体2の鉛直方向に沿って長尺とされた軸部としての金属製(例えば、SUS316Lなどのステンレス製)のシャフト12が配置されている。このシャフト12は、内側筒状体2よりも長尺に形成されており、当該シャフト12の下端部は、底板4の中央位置において、原水給入側軸受14を介して内側筒状体2の周方向に回転自在に支持されている。なお、この原水給入側軸受14は、ポリアセタール樹脂(例えば、POM−HL)などによって形成してもよい。一方、前記シャフト12の上端部は、蓋板3の中央に穿設された貫通孔3aを通して蓋板3よりも上方に突出され、この突出部分の外周に周設された金属製(例えば、SUS316などのステンレス製)の軸受取り付けカラー15と、このカラー15の外周に取り付けられた軸受16と、この軸受16の外側に、蓋板3上に固定されるようにして配置された軸受ハウジング17とによって、内側筒状体2の周方向に回転自在に支持されている。なお、この軸受ハウジング17は、ポリアセタール樹脂(例えば、POM−BC)などによって形成してもよい。また、蓋板3への軸受ハウジング17の固定には、金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)のスタッドボルトなどからなる公知のハウジング固定手段13が用いられている。さらに、図1に示すように、軸受ハウジング17の内周面における軸受取り付けカラー15の下部近傍部位と、これに径方向内方において臨むシャフト12の外周面部位との間には、合成ゴム製(例えば、ニトリルゴム製)の環状のオイルシール8が介在されている。同様のオイルシール8は、軸受取り付けカラー15の上端部外周にも周設されている。さらにまた、図1に示すように、シャフト16の外周面であって、蓋板3の貫通孔3aの内周面に臨む位置には、金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)のメカニカルシール9が配設されていて、原水側流通路5の密封性を確保している。
ここで、シャフト12は、図1、図3および図6に示すように、内側筒状体2の外部となるシャフト12の上端部において、シャフト12を回転駆動する回転駆動手段に接続されている。
この回転駆動手段の具体的な構成は以下のとおりである。
すなわち、シャフト12の上端部には、金属製(例えば、A2017などのアルミ合金製)のシャフト側タイミングプーリ19が、金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)のプーリ押さえ板20および金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)の全ねじ六角ボルトなどのプーリ固定手段21によって取り付けられている。また、シャフト12の上端部には、径方向外方に向けてシャフトキー22が突設されており、このシャフトキー22は、シャフト側タイミングプーリ19の内周面に形成された図示しないキー溝に嵌合されている。さらに、図6に示すように、前記シャフト側タイミングプーリ19に対する下部近傍位置には、金属製(例えば、A6062などのアルミ合金製)の水平な板状の電動機取り付け板23が、ハウジング固定手段13を介して軸受ハウジング17上に固定されるようにして配設されている。この電動機取り付け板23は、図6および図7に示すように、軸受ハウジング17上から水平方向(同各図における左方)に向かって延出されている。
そして、図6に示すように、前記電動機取り付け板23の延出部における下面には、駆動源としてのサーボモータ18が、金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)の六角穴付きボルト/ナットやスペーサなどからなるモータ取り付け手段25によって取り付けられている。また、図6に示すように、前記サーボモータ18のモータシャフト26は、電動機取り付け板23よりも上方に突出されていて、このモータシャフト26には、金属製(例えば、A2017などのアルミ合金製)のモータ側タイミングプーリ27が周設されている。このモータ側タイミングプーリ27は、シャフト側タイミングプーリ19と同じ高さの位置に配置されている。
さらに、前記モータ側タイミングプーリ27は、モータシャフト26の外周に凸設されたシャフトキー28に、図示しないキー溝を介して嵌合されている。さらにまた、図6および図7に示すように、シャフト側タイミングプーリ19およびモータ側タイミングプーリ27の外周には、ゴム製(例えば、クロロプレンゴム製)の無端状のタイミングベルト30が巻回されている。
このように構成された回転駆動手段により、サーボモータ18の駆動力をシャフト12に伝達させて、シャフト12を回転駆動することができる。
そして、このようなシャフト12の回転力は、前述した氷の掻き取りに利用されるようになっている。すなわち、図1、図3および図9に示すように、内側筒状体2の内部であって、シャフト12の外周上には、掻き取り羽根としてのスクレーパ31が、公知の取り付け手段によって着脱可能に取り付けられている。このスクレーパ31は、シャフト12の長手方向に沿って複数段(本実施形態においては3段)にわたるように配設されている。これらのスクレーパ31は、シャフト12との一体的な回転動作によって、前述した氷の掻き取りを行うようになっている。
特に、本実施形態においては、スクレーパ31が、各段ごとにシャフト12の周方向に角度間隔を設けて複数枚(本実施形態においては、2枚)ずつ配設されている。なお、各段ごとの複数枚のスクレーパ31の周方向における角度間隔としては、コンセプトに応じた好適な角度間隔(例えば、180°)を選択すればよい。
前述した構成に加えて、さらに、図1および図3に示すように、内側筒状体2の外側には、この内側筒状体2を同心状に包囲する第2の筒状体としての金属製(例えば、ステンレス製)の外側筒状体32が配設されている。この外側筒状体32は、内側筒状体2よりも大径のほぼ円筒形状に形成されている。
図1および図3に示すように、前記外側筒状体32の上端と、この上端に径方向内方において臨む内側筒状体2の外周面部位との間には、金属製(例えば、ステンレス製)の環状の蓋板取付部34が形成されており、この蓋板取付部34は、外側筒状体32の上部開口を遮蔽して後述する冷媒側流通路38の上端部を封止している。そして、図1および図3に示すように、蓋板取付部34には、蓋板3が、前述したハウジング固定手段13を介してハウジング17とともに取り付けられている。
一方、図1および図3に示すように、外側筒状体32の下端と、この下端に径方向内方において臨む内側筒状体2の外周面部位との間には、金属製(例えば、ステンレス製)の環状の底板取付部35が形成されており、この底板取付部35は、外側筒状体32の下部開口を遮蔽して後述する冷媒側流通路38の下端部を封止している。そして、図1および図3に示すように、底板取付部35には、底板4が、金属製(例えば、SUS304などのステンレス製)の六角ボルトなどからなる底板固定手段36を介して取り付けられている。
そして、このような外側筒状体32と内側筒状体2との間の空間は、内側筒状体2の鉛直方向に延在する冷媒側流通路38とされている。
図1に示すように、前記冷媒側流通路38における下端部側には、外側筒状体32における下端部近傍部位に穿設された状態の冷媒給入口40が連通されている。また、図1に示すように、冷媒側流通路38における上端部側には、外側筒状体32における上端部近傍部位に穿設された状態の冷媒排出口41が連通されている。
このような冷媒側流通路38においては、冷媒給入口40から給入された液体状の冷媒が、冷媒排出口41に向かって流通するようになっている。そして、この流通の過程で、前述した原水と冷媒との熱交換によって、冷媒が加熱されて気化(蒸発)するようになっている。このようにして気化された冷媒(ガス)は、冷媒排出口41から装置本体1Aの外部に排出されることになる。
なお、図1に示すように、このような冷媒側流通路38への冷媒(冷媒液)の供給および冷媒側流通路38からの冷媒(冷媒ガス)の排出は、冷媒給入口40の上流側および冷媒排出口41の下流側に接続された冷媒循環系43によって行われるようになっている。この冷媒循環系43は、前記特許文献2にも記載されているように、装置本体1Aからの排出後の冷媒ガスを圧縮する圧縮機、この圧縮機によって圧縮されることで高温となった冷媒ガスを熱交換によって冷却して冷媒ガスを冷媒液に変換する凝縮器、この凝縮器によって変換された冷媒液を受液して装置本体1Aへの供給に用いる受液器および冷媒を循環するための配管などによって構成してもよい。この場合に、凝縮器における熱交換には、原水の一部を利用するようにしてもよい。また、冷媒の一部を分流させて、前述した予冷装置に利用するようにしてもよい。なお、前記特許文献2にも記載されているように、冷媒の循環路上に、電磁弁、電子膨張弁、電子制御バルブなどの冷媒の流量/圧力調整手段を配置して、冷媒の流量や圧力を最適な値にマイコン制御するように構成してもよい。この場合に、流量/圧力の制御は、冷媒の流路上に配置された冷媒の圧力や温度を計測するセンサの計測結果に基づいて行うようにしてもよい。
このように構成された本実施形態のシャーベット状氷製造装置1によれば、原水給入口6から原水側流通路5に給入された原水を、冷媒給入口40から冷媒側流通路38に給入された冷媒液との熱交換によって冷却して氷を生成し、この生成された氷をスクレーパ31によって掻き取る際に、スクレーパ31が各段ごとに複数枚ずつ配設されていることによって、各段1枚ずつのスクレーパ31の場合と比較して、シャフト12の回転速度を一定と仮定した場合に氷を複数倍の掻き取り速度で掻き取ることができる。
これにより、回転速度を過大とすることなくシャーベット状氷の製氷効率を向上させることができる。また、原水の塩分濃度が低く、原水側流通路5内における氷の過成長が生じ易い状況下においても、掻き取り速度が向上されていることによって過成長前に氷を掻き取ることができるので、低塩分濃度の原水を用いた製氷に十分に耐えることができる。すなわち、原水の塩分濃度に課される制約を緩和することができる。
なお、スクレーパ31は、シャフト12の長手方向において互いに隣位する段同士の間で、周方向における位置が互いにずれていることが望ましい。
このように構成すれば、原水と冷媒との熱交換によって生成された氷を効率良く掻き取ることができるので、シャーベット状氷の製氷効率を更に向上させることができる。
<第1の実施例>
本実施例においては、前述のように構成されたシャーベット状氷製造装置1の一例として、スクレーパ31が1段につき2枚の3段構成(6枚羽根構造)とされた本実施例のプロト機を用いて、シャーベット状氷の製造試験を実施した。
本実施例においては、前述のように構成されたシャーベット状氷製造装置1の一例として、スクレーパ31が1段につき2枚の3段構成(6枚羽根構造)とされた本実施例のプロト機を用いて、シャーベット状氷の製造試験を実施した。
なお、このときの製造条件は、原水側流通路5に供給される原水温度を+15℃、当該原水の塩分濃度を3.5%、スクレーパ31(シャフト12)の回転速度を500rpmとした。
また、本実施例においては、プロト機の比較対照として、スクレーパ31が1段につき1枚の3段構成(3枚羽根構造)とされた従来機を用いて、その他の製造条件をプロト機と同一としたシャーベット状氷の製造試験を実施した。
この試験結果は、図9に示すようになった。
なお、図9の横軸は、原水の流量(L/h:1時間あたりのリットル)であり、縦軸は、原水側流通路5から排出された原水が混合されたシャーベット状氷に対する当該シャーベット状氷の含有率(%)である。
図9によれば、プロト機は、従来機に対して縦軸の値が総じて大きくなっているため、シャーベット状氷の製氷効率が従来機よりも優れていると言える。具体的には、従来機に比較してシャーベット状氷の製氷効率を2−5%向上させることができる。
また、従来機においては、シャーベット状氷の製氷が可能な原水の塩分濃度が3.0%以上であるのに対して、プロト機においては、塩分濃度が2.0%でも十分な製氷が可能であることが確認された。
<第2の実施例>
本実施例においては、本考案の6枚羽根構造のシャーベット状氷製造装置と、従来の3枚羽根構造のシャーベット状氷製造装置との双方に対して、原水の塩分濃度を1.8〜2%、原水温度を8〜17℃、原水流量を300L/h〜500L/hに管理しながら、シャーベット状氷の製造試験を実施した。
本実施例においては、本考案の6枚羽根構造のシャーベット状氷製造装置と、従来の3枚羽根構造のシャーベット状氷製造装置との双方に対して、原水の塩分濃度を1.8〜2%、原水温度を8〜17℃、原水流量を300L/h〜500L/hに管理しながら、シャーベット状氷の製造試験を実施した。
そして、6枚羽根構造に対応する試験結果は図10、3枚羽根構造に対応する試験結果は図11となった。
なお、図10および図11において、横軸は、経過時間である。ただし、横軸に応じた縦軸のサンプリング(カウント)時間は6秒ごととした。また、図10および図11において、縦軸は、横軸に対応するA〜Gの各測定値とされている。ここで、Aは、前述した予冷装置の入口温度(1/10℃)である。また、Bは、予冷装置の出口温度(1/10℃)である。さらに、Cは、製氷出口温度(1/10℃)であり、この製氷出口温度は、原水側流通路から排出された直後の氷の温度である。さらにまた、Dは、原水流量(10L/h)である。また、Eは、撹拌トルク(%)であり、この撹拌トルクは、スクレーパ回転駆動用撹拌サーボトルクである。さらに、Fは、製氷出口冷媒圧力(1/10MPa)であり、この製氷出口冷媒圧力は、冷媒側流通路における冷媒の蒸発圧力である。さらにまた、Gは、製氷蒸発温度(1/10℃)であり、この製氷蒸発温度は、冷媒側流通路における冷媒の蒸発温度である。
図10に示すように、6枚羽根構造においては、各測定値にある程度の時間変化が見られるものの、製氷出口温度Cから見ても安定的な製氷が行えていることが確認できる。すなわち、本考案のシャーベット状氷製造装置によれば、少なくとも塩分濃度2%までは、比較的安定的に長時間の製氷を行うことができ、また、機械的な振動および異音を抑制することができる。
これに対して、3枚羽根構造においては、図11に示すように、すべての測定値に大きな変化が見られる。また、図11においては、撹拌トルクが0になっていることも確認できるが、これは、スクレーパ回転駆動用のサーボモータが過負荷によって停止したこと、すなわち、機械停止を意味する。このようなことからも、従来のシャーベット状氷製造装置では、塩分濃度2%での安定的な製氷に到底耐えられないことが分かる。
なお、本考案は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の特徴を損なわない限度において種々変更してもよい。
例えば、必要に応じて、スクレーパ31を1段につき3枚以上配設するようにしてもよい。
また、シャフト12に対するスクレーパ31の周方向における取り付け位置を選択・変更可能に構成してもよい。
1 シャーベット状氷製造装置
1A 装置本体
2 内側筒状体
5 原水側流通路
6 原水給入口
7 シャーベット状氷排出口
12 シャフト
18 サーボモータ
31 スクレーパ
38 冷媒側流通路
40 冷媒給入口
41 冷媒排出口
1A 装置本体
2 内側筒状体
5 原水側流通路
6 原水給入口
7 シャーベット状氷排出口
12 シャフト
18 サーボモータ
31 スクレーパ
38 冷媒側流通路
40 冷媒給入口
41 冷媒排出口
Claims (1)
- 第1の筒状体の内部の空間からなり、前記第1の筒状体の鉛直方向の一端部側に原水給入口が、前記鉛直方向の他端部側にシャーベット状氷排出口がそれぞれ連通され、前記原水給入口から給入された前記原水が前記シャーベット状氷排出口に向かって流通し、この流通の過程で、前記熱交換による前記氷の生成および前記氷の掻き取りが行われる原水側流通路と、
前記第1の筒状体の内部に前記鉛直方向に沿って長尺状に配置されるとともに、長手方向における両端部を介して前記第1の筒状体の周方向に回転自在に支持された軸部と、
この軸部に接続され、前記軸部を回転駆動する回転駆動手段と、
前記第1の筒状体の内部であって前記軸部の外周上に、前記軸部の長手方向に沿って3段に亘って各段ごとに前記軸部の周方向に間隔を設けて2枚ずつ配設され、前記軸部との一体的な回転動作によって前記掻き取りを行う掻き取り羽根と、
前記第1の筒状体とこの第1の筒状体を包囲する第2の筒状体との間の空間からなり、前記鉛直方向の一端部側に冷媒給入口が、前記鉛直方向の他端部側に冷媒排出口がそれぞれ連通され、前記冷媒給入口から給入された前記冷媒が前記冷媒排出口に向かって流通し、この流通の過程で前記熱交換が行われる冷媒側流通路と
を備えていることを特徴とするシャーベット状氷製造装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021107763A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | ダイキン工業株式会社 | 氷供給装置及び製氷システム |
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2016
- 2016-03-31 JP JP2016001492U patent/JP3205095U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021107763A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | ダイキン工業株式会社 | 氷供給装置及び製氷システム |
JP7231848B2 (ja) | 2019-12-27 | 2023-03-02 | ダイキン工業株式会社 | 氷供給装置及び製氷システム |
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