JP3200174U - 農作物保護具およびそれに取り付けるスペーサ - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に容易に製造でき、設置が容易で、小動物や鳥類から農作物を有効に保護することができるとともに、成長状態や日当たりなどに応じて農作物の向きを変えることができる農作物保護具を提供する。
【解決手段】半球状の網5の開口縁に円形の枠6を設けた第1のかご2と、第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかご3と、第1と第2のかごの枠の間に介在し、枠を離間させる環状のスペーサ8とを備える。第1と第2のかごがスペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成される。スペーサの周縁に凹部8Cが形成され、第1と第2のかごの枠と凹部との間に農作物の蔓が通る穴9が形成されている。第1と第2のかごの枠とスペーサの少なくともいずれか1つに吊下げ用の円環10が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】半球状の網5の開口縁に円形の枠6を設けた第1のかご2と、第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかご3と、第1と第2のかごの枠の間に介在し、枠を離間させる環状のスペーサ8とを備える。第1と第2のかごがスペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成される。スペーサの周縁に凹部8Cが形成され、第1と第2のかごの枠と凹部との間に農作物の蔓が通る穴9が形成されている。第1と第2のかごの枠とスペーサの少なくともいずれか1つに吊下げ用の円環10が設けられている。
【選択図】図1
Description
本考案は、耕作地においてスイカ、メロン等の農作物がハクビシンやタヌキ、猪、アライグマ等の小動物、カラス等の鳥類により食い荒らされるのを防止する農作物保護具およびそれに取り付けるスペーサに関する。
スイカ、メロン等の農作物は、食べごろにまで成長すると、そのタイミングを狙ってハクビシンやタヌキ、猪、アライグマ等の小動物、カラス等の鳥類により穴をあけられて食べられる被害が発生する。
つ
つ
このように農作物が鳥獣により食い荒らされるのを防止するため、従来、耕作地の周囲に防護ネットを張り巡らしたり、電気柵を設けて小動物の進入を防止することが行われているが、人の出入りが不便であり、空からの鳥類の進入に対しては有効ではない。
また、騒音等による撃退装置を設置することが提案されているが、コストがかかるうえ、作動時には周囲の人に迷惑がかかる。
さらに、個々の農作物を個別に保護するために、農作物に被せて覆う枠(特許文献1)や、かごに棘を放射状に取り付けた防護かご(特許文献2)、農作物を収容する上下の籠からなる鳥獣害防止用籠(特許文献3)が提案されているが、成長状態や日当たりに応じて農作物の向きを変える際には、枠やかごを除去しなければならないという問題がある。
本出願人は、これらの問題を解消するために、半球状の第1のかごと第2のかごを向い合せて形成される内部空間に農作物を収容し、向きを変えたり、吊り下げ可能にした農作物保護具を既に提案しているが(特許文献4)、さらに安価に容易に製造できる農作物保護具を開発する要請があった。
本考案は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、安価に容易に製造でき、設置が容易で、小動物や鳥類から農作物を有効に保護することができるとともに、成長状態や日当たりなどに応じて農作物の向きを変えることができる農作物保護具およびそれに取り付けるスペーサを提供することを課題とする。
本考案に係る農作物保護具は、前記課題を解決するための第1の手段として、半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第1のかごと、前記第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかごと、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に介設し、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠を離間させる環状のスペーサとを備え、前記第1のかごと前記第2のかごが前記スペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成され、前記スペーサの周縁に少なくとも1つの凹部が形成され、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の少なくともいずれか一方と前記凹部との間に農作物の蔓が通る穴が形成され、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠と前記スペーサの少なくともいずれか1つに少なくとも1つの円環が設けられたものである。
第1の手段による農作物保護具は、環状のスペーサに凹部を形成し、当該スペーサを第1のかごと第2のかごの間に介設するだけで、農作物の蔦が通る孔が形成される。この農作物保護具を使用するには、耕作地で成長するスイカなどの農作物を開いた状態の第1のかご又は第2のかごのいずれかのかごに収容し、蔓をスペーサの凹部に導いてから他方のかごを閉じる。適当な杭を円環に通して耕作地に突き刺すことで、第1のかごと第2のかごが鳥獣による開かれるのを防止できる。また、円環にフックを掛けたり紐を通して、耕作地に適宜設けた竿に吊るすことにより、地上からの獣の接近を防止できる。網からなる第1のかごと第2のかご収容された農作物は、日光の入射を受けるので成長が妨げられることはないし、小動物や鳥類に食われるのを有効に保護することができる。また、第1のかごと第2のかごを閉じた状態では球形になるので、また農作物を吊るした状態でも回転させたり傾けることができるので、成長状態や日当たりなどに応じて農作物の向きを容易に変えることができる。
前記スペーサは、前記第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することが好ましい。
前記課題を解決するための第2の手段として、本考案に係る農作物保護具は、半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第1のかごと、前記第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかごと、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に介設し、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠を離間させる複数のスペーサとを備え、前記第1のかごと前記第2のかごが前記複数のスペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成され、隣接する前記複数のスペーサの間であって前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に農作物の蔓が通る隙間が設けられ、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠と前記複数のスペーサの少なくともいずれか1つに少なくとも1つの円環が設けられたものである。
第2の手段による農作物保護具は、複数のスペーサを第1のかごの枠と第2のかごの枠間に介設するだけで、第1のかごの枠と第2のかごの枠の間に農作物の蔦が通る隙間が形成される。この農作物保護の使用方法は第1の手段による農作物保護具と同様である。
前記複数のスペーサの各々は、前記第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することが好ましい。
前記複数のスペーサの各々は、軸部と、前記軸部から該軸に直角方向に延設されて前記第1のかごの枠を挟持する1対の挟持部と、前記軸部から前記1対の挟持部と反対方向に延設されて前記第2のかごの枠に係合する1対の係合部とを有することが好ましい。
前記課題を解決するための第3、第4の手段として、本考案に係るスペーサは、前記第1、第2の手段の農作物保護具に取り付けるスペーサであって、前記農作物保護具の第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記農作物保護具の第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有する。前記スペーサの前記第1係合部と前記第2係合部の間に円環を設けることが好ましい。
第1の考案によれば、周縁に凹部を形成した環状のスペーサを第1のかごの枠と第2のかごの枠の間に介設するだけで農作物の蔦が通る孔を形成することができ、第2の考案によれば、複数のスペーサを第1のかごの枠と第2のかごの枠の間に介設するだけで農作物の蔦が通る隙間を形成することができるので、いずれの考案も、安価に容易に製造することができるうえ、設置が簡単であり、農作物の成長を妨げることなく、小動物や鳥類から農作物を有効に保護することができる。また、半球状の第1のかごと第2のかごを連結した状態では球となるので、成長状態や日当たりなどに応じて農作物の向きを容易に変えることができる。
第3、第4の考案によれば、スペーサを既存の第1のかごの枠と第2のかごの枠に簡単に取り付けることができ、農作物保護具とすることができる。
以下、本考案の実施の形態を添付図面に従って説明する。
<第1実施形態>
図1(A),(B)は、本考案の第1実施形態に係る農作物保護具1を示す。農作物保護具1は、第1のかご2と第2のかご3を連結ひも4で連結し、第1のかご2と第2のかご3の間に環状のスペーサ8を介設して構成されている。
<第1実施形態>
図1(A),(B)は、本考案の第1実施形態に係る農作物保護具1を示す。農作物保護具1は、第1のかご2と第2のかご3を連結ひも4で連結し、第1のかご2と第2のかご3の間に環状のスペーサ8を介設して構成されている。
第1のかご2は、半球状の網5の開口縁に円形の枠6を設けたものである。網5はステンレス鋼などの金属製が好ましいが、鳥獣に破られない程度の強度があればプラスチック、竹なども使用可能である。網5の形状は完全な半球に限らず、お椀形や半割卵形でもよい。網5は、平織で、2〜5メッシュ、開き目は鳥獣の嘴や歯が進入しない程度で、3〜5mmが好ましい。網5の線径は、0.5〜1.5mm、空間率は、50%以上が好ましい。
枠6は、金属製のワイヤを円形の曲げたものを図2(A)に示すように網5に溶接で固定してもよいし、帯板を円形に加工したものを使用し、図2(b)に示すように網5の開口縁にカシメて固定するものでもよい。また、網5を補強するために、図1に示すように、ワイヤからなる補強材7を網の表面に沿って放射状に配設し、補強材7の両端を枠6に固定してもよい。
第2のかご3は、第1のかご2と対向する形状であり、第1のかご2と同様の構造であるので、その構造の詳細については、対応する部分に同一符号を附して説明を省略する。
連結ひも4は、第1のかご2の枠6の一部と第2のかご3の枠6の一部を連結し、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6を向い合せで開閉可能にして、内部に農作物を収容する空間を形成するように構成されている。連結紐4の長さは、第1のかごと第2のかごをスペーサ8を介して閉じたときに緩まない程度にする。連結ひも4の材料としては、合成樹脂製の紐、コードなどのほか、金属製の鎖などを使用することができる。
スペーサ8は、図3(A)に示すように、所定の幅の帯状の板を環状に巻いて両端をリベット、はんだ付け、溶接等の適宜手段で接合したもので、第1のかご2と第2のかご3をスペーサ8を介して閉じたときに第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6を離間させるものである。スペーサ8の一端(図3(B)において下端)は、第1かご2の枠6に係合する第1係合部8aとなっている。スペーサ8の他端(図3(B)において上端)には、第1のかご2の枠6に係合するL字形の第2係合部8bがスペーサ8の周縁の一部を外側に切り起こすことによって形成されている。第1係合部8aは、スペーサ8の周縁自体が図3(B)に示すように第1のかご2の枠6の内側の段部6aに係合するようになっている。この場合、第1係合部8aは、枠6にリベット、半だ付け、ねじ、溶接等の適宜手段によって接合することが好ましい。また、第1係合部8aは、第2係合部8bと同様に、第1のかご2の枠6に係合するようにスペーサ8の周縁の一部を外側に逆L字形に切り起こすことによって形成してもよい。
スペーサ8の図3(A)において上端の周縁には、少なくとも1つ(図では4か所)の凹部8cが形成され、図1(B)に示すように、第2のかご3の枠6とこの凹部8cとの間に農作物の蔓が通る穴9を形成するようになっている。すなわち、凹部8cは、第1のかご2と第2のかご3をスペーサ8を介して閉じたときに、スペーサ8により離間した第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に、孔9が露出するように、凹部8cの大きさが決められている。凹部8cの大きさは、農作物の蔓が通るように、10〜15mmが好ましい。スペーサ8の素材としては、ステンレス鋼等の金属製の平板、波板、パンチングメタルなどを使用することができる。
第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6には、連結ひも4と反対側、すなわち、連結ひも4から180度離れた位置に、円環10が設けられている。円環10は、連結ひも4にも取り付けられている。円環10の大きさは、杭やフック、紐を通すことができるように、15〜20mmが好ましい。円環10は、図1に示すようにワイヤを曲げて枠6に取り付け可能な引掛け部を有するリング形状や、ワイヤをリング状に曲げて両端を枠6にはんだ付けや溶接等で接合したものが好ましいが、図4(A)に示すように、枠6がワイヤの場合、ワイヤの一部を捩じって形成することができ、また、図4(B)に示すように、枠6が帯板の場合には、帯板の一部を切り起こして形成した突片11に孔12をあけて形成することもできる。
本考案の農作物保護具1は、スイカ、メロンなどの農作物の耕作地において使用する。農作物は食べ頃や収穫時期になると鳥獣に食い荒らされるため、成長具合を見て本考案の農作物保護具1で保護する。
まず、図5に示すように、農作物保護具1を開いて、第1のかご2又は第2のかご3のいずれかのかごに農作物を収容し、蔓をスペーサ8の凹部8cに導いてから他方のかごを閉じる。凹部8cが複数ある場合は、蔓を通し易い位置にある凹部8cを使用すればよい。続いて、図6に示すように、適当な杭13を第1のかご2の円環10と第2のかご3の円環10に通して耕作地に突き刺しておく。これにより、第1のかご2と第2のかご3が鳥獣により開かれるのを防止できる。
本考案の農作物保護具1は、第1のかご2と第2のかご3が網5からなり、内部に日光が入射するので、第1のかご2と第2のかご3に収容された農作物は成長が妨げられることはない。農作物は食い破られない程度の強度の網5で覆われているので、小動物や鳥類に食われるのを有効に保護することができる。また、農作物保護具1は、第1のかご2と第2のかご3を閉じた状態では球形になるので、転がしたり置き換えることで、成長状態や日当たりなどに応じて農作物の向きを容易に変えることができる。
農作物を吊るして栽培する場合でも、図7に示すように、本考案の農作物保護具1を利用することができる。耕作地には、脚14に竿15を架け渡して適宜柱16を立てておく。蔓が柱16に絡んで成長し、実が適当な大きさになると、図5と同様に、農作物保護具1を開いて、第1のかご2又は第2のかご3のいずれかのかごに農作物を収容し、蔓を凹部8に導いてから他方のかごを閉じ、円環10にフック17や紐18などの吊下げ手段を取り付けて高所の竿15に吊るす。この状態では、地上から獣が農作物に接近するのを防止できるし、農作物が網5で覆われているので、空からの鳥類の攻撃に対しても保護することができる。また、農作物を吊った状態で円環10の周りに回転させることで、成長状態や日当たりなどに応じて向きを変えることができる。
さらに、複数の円環10を利用して農作物を複数個所で吊った状態で傾けることもできる。すなわち、連結ひも4と180度離れた位置で第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の両方に円環10(第1の円環)を設けるとともに、連結ひも4にも円環10(第2の円環)を取り付ける。この第1と第2の円環10にフック17や紐18などの吊下げ手段を取り付け、農作物保護具1を高所の竿15に吊るすことで、成長状態や日当たりなどに応じて回転させたり、第1と第2の円環10の吊下げ高さを調整して傾きを変えることで、農作物の向きを容易に変えることができる。
<第2実施形態>
図8(A),(B)は本考案の第2実施形態に係る農作物保護具1´を示す。農作物保護具1´は、第1実施形態の農作物保護具1の環状のスペーサ8の代わりに、複数のスペーサ20を設けた以外は、第1実施形態の農作物保護具1と同一であり、対応する部分には同一符号を附して説明を省略する。
図8(A),(B)は本考案の第2実施形態に係る農作物保護具1´を示す。農作物保護具1´は、第1実施形態の農作物保護具1の環状のスペーサ8の代わりに、複数のスペーサ20を設けた以外は、第1実施形態の農作物保護具1と同一であり、対応する部分には同一符号を附して説明を省略する。
スペーサ20は、図9(A)に示すように、ステンレス鋼などの金属板を折り曲げて形成したもので、矩形の基部21と、該基部21の下端から180°折曲して上方に延び、基部21の中間部分で下方に湾曲して下方に延びる第1係合部22と、基部21の上端から第1係合部22と同じ側に90°折曲して水平に延びさらに90°折曲して上方に延びる第2係合部23と、該第2係合部23の上端から180°湾曲して下方に第1係合部22の下方まで延びるカバー部24とから構成されている。第1係合部22の湾曲部22aと、第2係合部23の段部23aとの間隔Aは、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に形成しようとする隙間25と同じである。間隔Aの大きさは、7〜10mmが好ましい。
4つのスペーサ20は、図9(B)に示すように、カバー部24が第1のかご2の内側になるように第1係合部22を第1のかご2の枠6に係合して、図8(A)に示すように等間隔になるように取り付ける。なお、カバー部24は、第1のかご2の外側になるようしてもよい。この状態で、スペーサ20を第1のかご2の枠6にはんだ付けや溶接などの適宜手段で接合しておいてもよい。次に、第1のかご2の中に農作物を収容し、蔦を隣接するスペーサ20の間に導いてから、図9(B)に示すように、第2のかご3を閉じて第2のかご3の枠6を第2係合部23に係合し、枠6が段部23aに当たるまで押し付ける。これにより、図8(B)に示すように、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に農作物の蔦が通る隙間25が形成される。この隙間25は隣接するスペーサ20間に広がっているので、農作物の蔦はその範囲内で移動できるので、蔦が曲がったり折れたる、傷ついたりすることがない。
第2実施形態では、金属板を折り曲げて形成したスペーサ20の代わりに、図10(A),(B)に示すように、洗濯バサミ状又はクリップ状のスペーサ30,40を用いてもよい。
すなわち、図10(A)に示すスペーサ30は、一端に挟み口31、他端に押さえ部32、中間に支持部33を有する1対の挟み部材34の支持部33に軸35を挿通して互いに連結し、当該軸35に捩じりばね36を装着して挟み口31が閉じる方向に付勢したものである。このスペーサ30は、1対の挟み口31と支持部33が第1のかご2の枠6を挟持する挟持部37を形成し、1対の押さえ部32と支持部33が第2のかご3の枠6に係合する係合部38となっている。支持部33の図中上下方向の寸法Aは、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に形成しようとする隙間25と同じである。
図10(B)に示すスペーサ40は、1本のワイヤを折り曲げることによりに挟み口41、押さえ部42及びばね部43を形成し、ばね部43が軸となるように形成したもので、1対の挟み口41とばね部43が第1のかご2の枠6を挟持する挟持部44を形成し、1対の押さえ部42とばね部43が第2のかご3の枠6に係合する係合部45となっている。ばね部43の上下方向の寸法Aは、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に形成しようとする隙間25と同じである。
スペーサ30,40は、いずれも使用方法は同じであるが、スペーサ40について説明すると、図10(c)に示すように、挟持部44を第1のかご2の枠6に向けた状態で係合部45を第2のかご3の枠6に係合し、係合部45のばね部43と第2のかご3の枠6をはんだ付け、溶接などの適宜手段で接合する。このとき、係合部45の内側の押さえ部42は網5を内側から外側に貫通させて、外側から操作できるようにしておく。次に、第1のかご2の中に農作物を収容し、農作物の蔦が離接するスペーサ40の間になるように導いて、スペーサ40を取り付けた第2のかご3を閉じる。このとき、スペーサ40の押さえ部32を押さえて挟持部44を開く、第1のかご2の枠6を挟んでばね部43が第1のかご2の枠6に当たるまで押し付ける。これにより、図8(B)に示すように、第1のかご2の枠6と第2のかご3の枠6の間に農作物の蔦が通る隙間25が形成される。この隙間25は隣接するスペーサ40間に広がっているので、農作物の蔦はその範囲内で移動できるので、蔦が曲がったり折れたる、傷ついたりすることがない。
本考案は、以上の実施例に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1のかご2と第2のかご3を連結する連結手段としては、連結ひも4に限らず、第1のかご2の枠6または第2のかご3の枠6とスペーサ8とに嵌め込み構造やねじ構造を設けて、第1のかご2又は第2のかご3とスペーサ8を嵌合させたり、捩じって係合することにより連結することができる。
また、図9(A)のスペーサ20は、第1係合部22と第2係合部23が異なる形状であるが、図11に示すスペーサ20´のように、第2係合部23を第1係合部22と対称な形状にしてもよい。また、スペーサ20´の基部21に円環10を取り付けることで、第1かご2や第2かご3に円環を取り付ける手間が省ける。同様に、図3(A)に示すスペーサ8の外周面に1又は複数の円環10を取り付けてもよい。
本考案の農作物保護具1は、耕作地でスイカやメロンを鳥獣に食い荒らされるのを保護するだけでなく、収穫したたまねぎや、じゃがいもなどの農作物を収容して倉庫に保管したり、軒下に吊り下げて保存するのにも利用することができる。
1,1´ 農作物保護具
2 第1のかご
3 第2のかご
4 連結ひも
5 網
6 枠
8 スペーサ
8a 第1係合部
8b 第2係合部
8c 凹部
9 穴
10 円環
20,20´ スペーサ
22 第1係合部
23 第2係合部
25 隙間
30 スペーサ
37 挟持部
38 係合部
40 スペーサ
44 挟持部
45 係合部
2 第1のかご
3 第2のかご
4 連結ひも
5 網
6 枠
8 スペーサ
8a 第1係合部
8b 第2係合部
8c 凹部
9 穴
10 円環
20,20´ スペーサ
22 第1係合部
23 第2係合部
25 隙間
30 スペーサ
37 挟持部
38 係合部
40 スペーサ
44 挟持部
45 係合部
Claims (9)
- 半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第1のかごと、
前記第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかごと、
前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に介設し、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠を離間させる環状のスペーサとを備え、
前記第1のかごと前記第2のかごが前記スペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成され、
前記スペーサの周縁に少なくとも1つの凹部が形成され、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の少なくともいずれか一方と前記凹部との間に農作物の蔓が通る穴が形成され、
前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠と前記スペーサの少なくともいずれか1つに少なくとも1つの円環が設けられたことを特徴とする農作物保護具。 - 前記スペーサは、前記第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することを特徴とする請求項1に記載の農作物保護具。
- 半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第1のかごと、
前記第1のかごの網の開口縁に対向する半球状の網の開口縁に円形の枠を設けた第2のかごと、
前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に介設し、前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠を離間させる複数のスペーサとを備え、
前記第1のかごと前記第2のかごが前記複数のスペーサを介して向い合せで開閉可能に連結されて内部に農作物を収容する空間が形成され、
隣接する前記複数のスペーサの間であって前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠の間に農作物の蔓が通る隙間が設けられ、
前記第1のかごの枠と前記第2のかごの枠と前記複数のスペーサの少なくともいずれか1つに少なくとも1つの円環が設けられたことを特徴とする農作物保護具。 - 前記複数のスペーサの各々は、前記第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することを特徴とする請求項3に記載の農作物保護具。
- 前記複数のスペーサの各々は、前記第1のかごの枠を挟持する挟持部と、前記第2のかごの枠に係合する係合部とを有することを特徴とする請求項3に記載の農作物保護具。
- 請求項1に記載の農作物保護具に取り付けるスペーサであって、前記農作物保護具の第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記農作物保護具の第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することを特徴とするスペーサ。
- 請求項3に記載の農作物保護具に取り付けるスペーサであって、前記農作物保護具の第1のかごの枠に係合する第1係合部と、前記農作物保護具の第2のかごの枠に係合する第2係合部とを有することを特徴とするスペーサ。
- 前記スペーサの前記第1係合部と前記第2係合部の間に円環を設けたことを特徴とする請求項6に記載のスペーサ。
- 前記スペーサの前記第1係合部と前記第2係合部の間に円環を設けたことを特徴とする請求項7に記載のスペーサ。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3200174U true JP3200174U (ja) | 2015-10-08 |
Family
ID=
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106912333A (zh) * | 2015-12-24 | 2017-07-04 | 叶蕴 | 一种农田防冰雹运输防挤压的装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106912333A (zh) * | 2015-12-24 | 2017-07-04 | 叶蕴 | 一种农田防冰雹运输防挤压的装置 |
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